JP2016151499A - 情報処理装置、情報処理方法及び支持アーム装置 - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及び支持アーム装置 Download PDF

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Yohei Kuroda
容平 黒田
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Tetsuji Fukushima
哲治 福島
利充 坪井
Toshimitsu Tsuboi
利充 坪井
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Wataru Kokubo
亘 小久保
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Yasuhisa Kamikawa
康久 神川
康宏 松田
Yasuhiro Matsuda
康宏 松田
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Abstract

【課題】より早く、かつより高精度にエンコーダの出力値を補正することを可能にする。【解決手段】減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出する回転角度算出部、を備え、前記回転角度算出部は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して前記近似二次曲線を算出する、情報処理装置を提供する。【選択図】図8

Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び支持アーム装置に関する。
例えば、ロボット装置の関節部等の回転機構における回転角度を検出するためのセンサとして、ロータリエンコーダ(以下、単にエンコーダとも呼称する。)が広く用いられている。エンコーダでは、位相が異なる2つの正弦波信号(2相正弦波信号)によるリサージュ曲線に基づいて、回転角度が検出される。
ここで、エンコーダにおいては、正弦波信号を出力するセンサの特性や、エンコーダを組み立てる際の誤差等により、出力された2相正弦波信号からなるリサージュ曲線が、設計時の理想のリサージュ曲線からずれてしまうことがある。そこで、このずれ量を補正することによりエンコーダの検出精度を向上させるための技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が開示されている。特許文献1には、エンコーダから出力された2相正弦波信号からなるリサージュ曲線に最も近似する楕円を最小二乗法によって求めるとともに、当該リサージュ曲線から当該楕円を減算することにより得られる差分信号に最も近似する3次高調波曲線を最小二乗法で求め、求められた楕円及び3次高調波曲線に基づいて2相正弦波信号を補正する技術が記載されている。
特開2006−90738号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、リサージュ曲線に近似する楕円を求める際に、最小二乗法が用いられている。従って、近似の精度を向上させようとする場合には、より広い角度範囲内におけるより多くの測定点での測定データ(エンコーダの出力値)が必要となる。よって、特許文献1に記載の技術において高精度で補正を行うためには、より多くの測定データを取得するために比較的長い時間を要することとなる。換言すれば、例えば起動直後等、測定データ数が少ないときには、高精度な補正が行えない可能性がある。
そこで、本開示では、より早く、かつより高精度にエンコーダの出力値を補正することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法及び支持アーム装置を提案する。
本開示によれば、減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出する回転角度算出部、を備え、前記回転角度算出部は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して前記近似二次曲線を算出する、情報処理装置が提供される。
また、本開示によれば、プロセッサが、減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出すること、を含み、前記近似二次曲線は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して算出される、情報処理方法が提供される。
また、本開示によれば、減速機を介して入力軸と出力軸とが接続されて構成されるアクチュエータが設けられた関節部、を備え、前記出力軸の回転角度は、前記出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより算出され、前記近似二次曲線は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して算出される、支持アーム装置が提供される。
本開示によれば、減速機を介して入力軸と接続される出力軸の回転角度が、当該出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値に対する近似二次曲線を求めることにより算出される。その際、当該二次曲線は、複数の測定点における出力軸エンコーダの出力値が同一の二次曲線上に存在すると仮定して算出される。従って、互いに近接する複数の測定点における出力軸エンコーダの出力値を用いることにより、より早く出力軸の回転角度を算出することができる。また、出力軸エンコーダの出力値を用いた動的な処理により出力軸の回転角度が算出されるため、使用環境の変化に対応し得る高精度な角度の算出が可能になる。
以上説明したように本開示によれば、より早く、かつより高精度にエンコーダの出力値を補正することが可能になる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
一般的な回転角度算出方法を用いた、エンコーダの回転角度検出システムの一構成例を示すブロック図である。 図1に示す回転角度算出部の機能構成を示すブロック図である。 出力軸エンコーダのセンサAの出力値の一例を示す図である。 出力軸エンコーダのセンサA、センサBの出力値による測定リサージュ曲線の一例を示す図である。 オフセット補正後の測定リサージュ曲線の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る回転角度検出システムが適用され得るアクチュエータの一構成例を示す分解斜視図である。 第1の実施形態に係る回転角度算出方法を用いた、出力軸エンコーダにおける回転角度検出システムの一構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る回転角度算出部の機能構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る近似楕円算出部の機能について説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る情報処理方法の処理手順の一例を示すフロー図である。 、第2の実施形態に係る回転角度算出方法を用いた、出力軸エンコーダにおける回転角度検出システムの一構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る回転角度算出部の機能構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る角度変化量算出部及び近似楕円算出部の機能について説明するための説明図である。 第2の実施形態に係る情報処理方法の処理手順の一例を示すフロー図である。 第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システムが適用される支持アーム装置の外観を示す概略図である。 第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システムが適用される支持アーム装置を用いた手術の様子を示す概略図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.既存の技術に対する検討
1−1.回転角度検出システムの構成
1−2.回転角度算出処理
2.第1の実施形態
2−1.アクチュエータの構成
2−2.回転角度検出システムの構成
2−3.回転角度算出処理
2−4.情報処理方法
3.第2の実施形態
3−1.回転角度検出システムの構成
3−2.回転角度算出処理
3−3.情報処理方法
4.適用例
4−1.支持アーム装置の構成
4−2.支持アーム装置の手術への適用
5.補足
(1.既存の技術に対する検討)
本開示の好適な実施形態について説明するに先立ち、本開示をより明確なものとするために、本発明者らが既存の一般的なエンコーダにおける回転角度算出処理について検討した結果について説明するとともに、本発明者らが本開示に想到した背景について説明する。
一般的に、エンコーダでは、位相が異なる2つの正弦波信号(2相正弦波信号)が出力され、当該2相正弦波信号によるリサージュ曲線に基づいて、回転角度が検出される。しかしながら、エンコーダにおいては、経年変化や使用環境温度等によって正弦波信号を出力するセンサの特性が変化してしまったり、エンコーダを組み立てる際の機械的な誤差が発生したりすることにより、出力された2相正弦波信号からなるリサージュ曲線が、設計時の理想のリサージュ曲線からずれてしまうことがある。
なお、以下の説明では、区別のため、便宜的に、設計時の理想のリサージュ曲線のことを理想リサージュ曲線とも呼称し、実際に測定された2相正弦波信号からなるリサージュ曲線のことを測定リサージュ曲線とも呼称することとする。また、以下の説明では、簡単のため、理想リサージュ曲線は真円であるとする。ただし、理想リサージュ曲線の形状は、エンコーダにおいて2相正弦波信号を出力するセンサの配置や当該センサの特性等に応じて決定され得る。従って、理想リサージュ曲線の具体的な形状は、真円に限定されるものではなく、エンコーダの設計に応じて適宜決定されてよい。
上記のように理想リサージュ曲線と測定リサージュ曲線との間にはずれが存在し得るため、既存の一般的なエンコーダにおいては、測定リサージュ曲線(すなわちエンコーダの出力値)を補正することにより、回転角度を算出する処理が行われる。ここでは、エンコーダにおける一般的な回転角度算出方法について説明するとともに、本発明者らが当該一般的な方法について検討した結果について説明する。
(1−1.回転角度検出システムの構成)
図1を参照して、一般的な回転角度算出方法を用いた、エンコーダの回転角度検出システムの構成について説明する。図1は、一般的な回転角度算出方法を用いた、エンコーダの回転角度検出システムの一構成例を示すブロック図である。
図1を参照すると、一般的な回転角度検出システム60は、出力軸エンコーダ610と、ADC620A、620B(Analog−to−Digital Converter 620A、620B)と、回転角度算出部630と、角度補正部640と、オフセット補正値/ゲイン補正値DB650と、角度調整用補正値DB660と、から構成される。
なお、回転角度算出部630及び角度補正部640は、所定の処理機能を表す機能ブロックであり、実際には、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Pocessor)等の各種のプロセッサによって構成される。当該プロセッサが、所定のプログラムに従って所定の信号処理を実行することにより、回転角度算出部630及び角度補正部640に割り当てられた所定の処理が実行される。また、オフセット補正値/ゲイン補正値DB650及び角度調整用補正値DB660は、所定の情報が記憶された記憶部を表す機能ブロックであり、実際には、HDD(Hard Disk Drive)等の各種の記憶装置によって構成される。
出力軸エンコーダ610は、回転機構の出力軸に取り付けられている。当該出力軸エンコーダ610の出力値に基づいて、当該回転機構の出力軸の回転角度を検出することが、回転角度検出システム60の目的である。
出力軸エンコーダ610は、2極が着磁された磁石611と、センサA612A及びセンサB612B(以下、センサ612A、612Bと総称する)と、が組み合わされて構成される。センサ612A、612Bは、例えばホール素子等の磁気センサである。このように、図示する例では、出力軸エンコーダ610は、いわゆる磁気式のエンコーダとして構成されている。
磁石611は略円板形状を有し、当該円板形状の一端がN極、他端がS極となるような極性を帯びている。センサ612A、612Bは、当該磁石611の周囲において、磁石611の円板形状の中心軸周に90(度)回転した位置にそれぞれ設けられる。なお、区別のため、便宜的に、センサ612A、612Bに互いに異なる名称及び符号を付しているが、これらセンサ612A、612Bは、略同様の特性を有するものである。
磁石611は、その円板形状の中心軸を回転軸として、回転角度の検出対象である出力軸とともに回転するように接続されている。磁石611が回転することにより、センサ612A、612Bによって検出される磁界は、周期的に変化することとなる。上記のように、センサ612A、612Bは、磁石611に対して90(度)回転した位置にそれぞれ配置されているため、センサ612A、612Bの出力値は、位相が90(度)ずれた2相正弦波信号となる。このように位相が90(度)ずれた正弦波信号によるリサージュ曲線は、その振幅が同一であれば、理想的には真円となる。
センサ612A、612Bの出力値は、ADC620A、620Bによって、それぞれ、デジタル値に変換され、回転角度算出部630に入力される。
回転角度算出部630は、測定リサージュ曲線を理想リサージュ曲線に補正することにより、回転角度を算出する。以下の説明では、このような測定リサージュ曲線を理想リサージュ曲線に補正する処理のことをリサージュ補正処理とも呼称することとする。リサージュ補正処理は、出力軸エンコーダ610から出力されたある測定点に対応する2相正弦波信号を、理想リサージュ曲線上の点に補正する処理であるとも言える。
具体的には、リサージュ補正では、測定リサージュ曲線に対してオフセット補正及びゲイン補正が行われることにより、測定リサージュ曲線の中心及びゲインが、理想リサージュ曲線に合致するように補正される。オフセット補正とは、測定リサージュ曲線の中心を理想リサージュ曲線の中心に移動させる補正のことである。また、リサージュ曲線におけるゲインとは、2相正弦波信号の振幅比を意味する。ゲイン補正とは、測定リサージュ曲線のゲインを、理想リサージュ曲線のゲインと同一になるように補正することを言う。
ここで、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660には、予め取得された、測定リサージュ曲線を補正するためのオフセット補正値及びゲイン補正値が格納されている。オフセット補正値は、測定リサージュ曲線の中心と理想リサージュ曲線の中心とのずれ量に対応する補正値である(後述する図4及び図5も参照)。また、ゲイン補正値は、測定リサージュ曲線のゲインと理想リサージュ曲線のゲインとのずれ量に対応する補正値である。
オフセット補正値及びゲイン補正値は、出力軸エンコーダ610を製造した段階でキャリブレーションを行うことにより取得され、例えばテーブルの形式でオフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されている。このように、オフセット補正値及びゲイン補正値は、事前に取得される固定値であり得る。
一般的な回転角度算出方法では、回転角度算出部630は、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660を参照して、固定値であるオフセット補正値及びゲイン補正値を用いてリサージュ補正を行い、回転角度を算出する。なお、回転角度算出部630における回転角度算出処理の詳細については、下記(1−2.回転角度算出処理)で改めて説明する。
回転角度算出部630は、算出した回転角度についての情報を、角度補正部640に提供する。
角度補正部640は、角度調整用補正値DB670に格納されている角度補正用補正値を用いて、回転角度算出部630によって算出された回転角度を補正する。
ここで、角度調整用補正値DB670には、基準となる高精度に回転角度の検出が可能な基準エンコーダによる回転角度の測定値と、回転角度の検出対象としている出力軸エンコーダ610による回転角度の測定値(すなわち回転角度算出部630の出力値)と、を比較することにより得られる角度調整用補正値が格納されている。当該角度調整用補正値は、オフセット補正やゲイン補正では補正できない、高調波成分等によるノイズを補正するためのものである。角度調整用補正値も、出力軸エンコーダ610を製造した段階でキャリブレーションを行うことにより取得され、例えばテーブルの形式で角度調整用補正値DB670に格納されている。
角度補正部640は、角度調整用補正値DB670に格納されている当該補正用テーブルを用いて、回転角度算出部630によって算出された回転角度を補正することができる。図3を参照して後述するように、回転角度算出部630におけるリサージュ補正では、オフセット及びゲインの補正しか行われないため、角度補正部640における補正処理により、例えば高調波成分等、その他のノイズ成分が補正され得る。
角度補正部640によって補正された回転角度値が、最終的に得られる出力軸の回転角度となる。
(1−2.回転角度算出処理)
図2を参照して、図1に示す回転角度算出部630において行われる、一般的な回転角度算出処理について説明する。図2は、図1に示す回転角度算出部630の機能構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、回転角度算出部630は、その機能として、オフセット補正部631A、631Bと、ゲイン補正部632と、ATAN計算部633と、を有する。出力軸エンコーダ610の出力値(すなわちセンサ612A、612Bの出力値)に対して、オフセット補正部631A、631Bによってオフセット補正が行われ、ゲイン補正部632によってゲイン補正が行われることにより、リサージュ補正が行われる。
オフセット補正部631Aには、ADC620Aによってデジタル値に変換されたセンサA612Aの出力値が入力される。オフセット補正部631Aは、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されているオフセット補正値を用いて、当該センサA612Aの出力値にオフセット補正を施す。同様に、オフセット補正部631Bには、ADC620Bによってデジタル値に変換されたセンサB612Bの出力値が入力される。オフセット補正部631Bは、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されているオフセット出力値を用いて、当該センサB612Bの出力値にオフセット補正を施す。
オフセット補正部631A、631Bは、オフセット補正後のセンサ612A、612Bの出力値についての情報を、ゲイン補正部632に提供する。ゲイン補正部632は、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されているゲイン補正値を用いて、オフセット補正後のセンサ612A、612Bの出力値に対してゲイン補正を施す。
ここで、図3〜図5を用いて、オフセット補正部631A、631Bによるオフセット補正及びゲイン補正部632によるゲイン補正について詳細に説明する。図3は、出力軸エンコーダ610のセンサA612Aの出力値の一例を示す図である。また、図4は、出力軸エンコーダ610のセンサ612A、612Bの出力値による測定リサージュ曲線の一例を示す図である。また、図5は、オフセット補正後の測定リサージュ曲線の一例を示す図である。
図3に示すように、センサA612Aの出力値は、滑らかな正弦波にはなっておらず、センサA612Aの特性のばらつきや出力軸エンコーダ610を組み立てる際の誤差等により、いびつな波形になり得る。図示は省略するが、センサB612Bの測定値も同様であり得る。従って、センサ612A、612Bの出力値による測定リサージュ曲線は、図4に示すように、いびつな円形になり得る。
図4では、測定リサージュ曲線683とともに、理想リサージュ曲線681を図示している。測定リサージュ曲線683上の点(x、y)は、出力軸が所定の角度だけ回転したある測定点におけるセンサ612A、612Bの出力値に対応する点である。図示するように、測定リサージュ曲線683の中心Oと、理想リサージュ曲線681の中心Oとの間にはずれが存在し得る。また、測定リサージュ曲線683のゲイン(すなわち、センサA612Aの出力値とセンサB612Bの出力値との比)と、理想リサージュ曲線681のゲインとの間にもずれが存在し得る。
オフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されているオフセット補正値は、図4に示す中心Oと中心Oとのずれ量に対応する値である。オフセット補正部631A、631bにおけるオフセット補正処理は、当該オフセット補正値を用いて、測定リサージュ曲線683の中心Oを理想リサージュ曲線681の中心Oまでオフセットさせる補正である。図5に示すように、オフセット補正が行われることにより、測定リサージュ曲線683の中心Oが理想リサージュ曲線の中心Oと一致するように補正され得る。
また、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されているゲイン補正値は、図4及び図5に示す、測定リサージュ曲線683のゲインと理想リサージュ曲線681のゲインとのずれ量に対応する値である。ゲイン補正部632におけるゲイン補正処理は、当該ゲイン補正値を用いて、測定リサージュ曲線683のゲインを理想リサージュ曲線681のゲインに補正する処理、すなわち曲線の形状を真円に補正する処理である。
ゲイン補正部632は、補正後(すなわちリサージュ補正後)のセンサ612A、612Bの出力値についての情報を、ATAN計算部633に提供する。
ATAN計算部633は、補正されたセンサ612A、612Bの出力値の逆正接(arctangent)を計算することにより、出力軸の回転角度を計算する。上記のように、センサ612A、612Bの出力値は、位相が90(度)ずれた正弦波信号、すなわち正弦波信号と余弦波信号とみなすことができるため、ATAN計算部633は、当該正弦波信号及び当該余弦波信号の逆正接を計算することにより、当該正弦波信号及び当該余弦波信号の位相に対応する、出力軸の回転角度を計算することができる。
ATAN計算部633は、算出した出力軸の回転角度についての情報を、図1に示す角度補正部640に提供する。角度補正部640において、ATAN計算部633によって算出された回転角度値に対して角度調整用補正値に基づく補正が行われ、最終的な出力軸の回転角度が得られる。
以上、図1及び図2を参照して、既存の一般的な回転角度検出システム60の構成、及び、当該回転角度検出システム60において行われる一般的な回転角度算出処理について詳細に説明した。以上説明したように、一般的な回転角度算出処理においては、事前に取得された固定値であるオフセット補正値及びゲイン補正値を用いてリサージュ補正を行うことにより、回転角度が算出される。
しかしながら、測定リサージュ曲線と理想リサージュ曲線とのずれ量は、例えば温度変化や外力の負荷状況の変化、経年劣化による構造の変化等の使用環境の変化により、必ずしも一定ではない。従って、事前に取得されたオフセット補正値及びゲイン補正値を用いた場合には、高精度なリサージュ補正を行うことは困難である。例えば、温度を測定し、当該測定値を用いてオフセット補正値及びゲイン補正値を随時補正する方法も考えられるが、一般的に、測定リサージュ曲線と理想リサージュ曲線とのずれ量と、温度と、の相関は必ずしも線形ではない。従って、温度に応じてオフセット補正値及びゲイン補正値を補正して用いたとしても、高い補正効果を得ることは困難であると考えられる。
上記事情に鑑みれば、エンコーダにおける回転角度検出においては、回転角度を算出する際に、固定値を用いて出力軸エンコーダ610の出力値を補正するのではなく、当該出力値に対して使用環境の変化を加味した動的な補正を行うことが求められていた。
そこで、例えば、特許文献1には、エンコーダから出力された2相正弦波信号からなるリサージュ曲線に最も近似する楕円を最小二乗法によって求めるとともに、当該リサージュ曲線から当該楕円を減算することにより得られる差分信号に最も近似する3次高調波曲線を最小二乗法で求め、求められた楕円及び3次高調波曲線に基づいて2相正弦波信号を補正する方法が記載されている。当該方法によれば、エンコーダの出力値を用いて、当該出力値自身が補正されるため、当該エンコーダの使用環境を加味した動的な補正を行うことができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、リサージュ曲線に近似する楕円を求める際に、最小二乗法が用いられている。従って、近似の精度を向上させようとする場合には、より広い角度範囲内におけるより多くの測定点での測定データ(エンコーダの出力値)が必要となる。よって、特許文献1に記載の技術において高精度で補正を行うためには、より多くの測定データを取得するために比較的長い時間を要することとなる。換言すれば、例えば起動直後等、測定データ数が少ないときには、高精度な補正が行えない可能性がある。
また、例えば測定対象である回転機構が支持アーム装置のような多リンク構造体の関節部である場合には、一般的に、当該関節部を1回転させるような動作が必要となることは考えにくく、当該関節部の可動範囲は所定の角度に制限されることが多い。上記のように、特許文献1に記載の技術において高精度に補正を行うためには、より広い角度範囲内における測定点での測定データが必要となるため、特許文献1に記載の技術は、支持アーム装置の関節部のような可動範囲が制限され得る回転機構における回転角度の検出には、必ずしも適していないと考えられる。
そこで、エンコーダにおける回転角度の検出においては、より早く、かつより高精度にエンコーダの出力値を補正することが可能な技術が求められていた。本発明者らは、以上の検討結果に基づいて、このような、より早く、かつより高精度にエンコーダの出力値を補正することが可能な技術について鋭意検討した結果、本開示の好適な実施形態に想到した。以下では、本発明者らが想到した、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(2.第1の実施形態)
(2−1.アクチュエータの構成)
第1の実施形態及び後述する第2の実施形態では、入力軸と出力軸とが減速機を介して接続されるアクチュエータにおける、当該出力軸の回転角度を検出対象としている。図6を参照して、第1の実施形態に係る回転角度検出システムが適用され得るアクチュエータの構成について説明する。図6は、第1の実施形態に係る回転角度検出システムが適用され得るアクチュエータの一構成例を示す分解斜視図である。
図6を参照すると、アクチュエータ300は、モータ310と、減速機320と、入力軸エンコーダ330と、出力軸エンコーダ340と、出力軸350と、ハウジング360と、を備える。アクチュエータ300では、モータ310の回転軸の回転が減速機320によって所定の減速比で減速され、出力軸350を介して後段の他の部材に伝達されることにより、当該他の部材が駆動されることとなる。また、入力軸エンコーダ330及び出力軸エンコーダ340によって、モータ310の回転軸の回転角度及び出力軸350の回転軸の回転角度がそれぞれ検出される。出力軸エンコーダ340に対して、第1の実施形態に係る回転角度検出システムが適用され得る。
モータ310は、所定の制御値(電流値)が与えられた場合に、当該制御値に対応する回転速度で回転軸を回転させることにより、駆動力を生み出す駆動機構である。モータ310としては、例えばブラシレスモータが用いられる。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されず、モータ310としては各種の公知の種類のモータが用いられてよい。
モータ310の回転軸には、減速機320が連結される。減速機320は、連結されたモータ310の回転軸の回転速度(すなわち、入力軸の回転速度)を、所定の減速比で減速させて出力軸350に伝達する。第1の実施形態では、減速機320の構成は特定のものに限定されず、減速機320としては各種の公知の種類の減速機が用いられてよい。ただし、減速機320としては、例えばハーモニックドライブ(登録商標)等の、高精度に減速比が設定可能なものが用いられることが好ましい。また、減速機320の減速比は、アクチュエータ300の用途に応じて適宜設定され得る。例えば、下記(4.適用例)で説明するように、アクチュエータ300が支持アーム装置の関節部に適用される場合であれば、1:100程度の減速比を有する減速機320が好適に用いられ得る。
入力軸エンコーダ330は、入力軸の回転角度(すなわち、モータ310の回転角度)を検出する。出力軸エンコーダ340は、出力軸350の回転角度を検出する。入力軸エンコーダ330及び出力軸エンコーダ340は、略同様の構成であってよく、例えばともに磁気式エンコーダであってよい。
ハウジング360は、略円筒形の形状を有し、各構成部材が内部に格納される。ハウジング360内に各構成部材が格納された状態で、アクチュエータ300が、例えば下記(4.適用例)で説明する支持アーム装置の関節部等の回転機構を駆動するアクチュエータとして組み込まれることとなる。
以上、図6を参照して、第1の実施形態に係るアクチュエータ300の全体構成について説明した。なお、アクチュエータ300は、図示した構成以外の他の構成を更に備えてもよい。例えば、アクチュエータ300は、モータ310に電流を供給することによりモータ310を回転駆動させるドライバ回路(ドライバIC(Integrated Circuit))や、出力軸350でのトルク(すなわち、アクチュエータ300の出力トルク)を検出するトルクセンサ等、一般的なアクチュエータが有し得る各種の部材を更に備えてもよい。
(2−2.回転角度検出システムの構成)
図7を参照して、第1の実施形態に係る回転角度算出方法を用いた、出力軸エンコーダにおける回転角度検出システムの構成について説明する。図7は、第1の実施形態に係る回転角度算出方法を用いた、出力軸エンコーダにおける回転角度検出システムの一構成例を示すブロック図である。
図7を参照すると、第1の実施形態に係る回転角度検出システム10は、出力軸エンコーダ110と、ADC120A、120Bと、回転角度算出部130と、角度補正部140と、オフセット補正値DB150と、角度調整用補正値DB160と、から構成される。ここで、出力軸エンコーダ110、ADC120A、120B、角度補正部140及び角度調整用補正値DB160の構成及び機能は、図1に示す一般的な回転角度検出システム10におけるこれらの構成及び機能と同様である。また、オフセット補正値DB150は、図1に示すオフセット補正値/ゲイン補正値DB650から、オフセット補正値についての情報が除かれたものに対応する。従って、以下の回転角度検出システム10についての説明では、既に説明した事項と重複する事項については、その概要のみを記載し、その詳細な説明は省略する。
出力軸エンコーダ110は、図6に示すアクチュエータ300における出力軸エンコーダ340に対応するものである。出力軸エンコーダ110の出力値に基づいて、回転機構(すなわちアクチュエータ300の出力軸350)の回転角度を検出することが、回転角度検出システム10の目的である。
出力軸エンコーダ110は、2極が着磁された磁石111と、センサA112A及びセンサB112B(以下、センサ112A、112Bと総称する)と、が組み合わされて構成される。磁石111及びセンサ112A、112Bは、図1に示す出力軸エンコーダ610の磁石611及びセンサ612A、612Bと同様のものである。回転角度の検出対象である出力軸(すなわちアクチュエータ300の出力軸350)とともに磁石111が回転することにより、センサ112A、112Bから、互いに位相が90(度)ずれた2相正弦波信号が出力される。
なお、図示する例では、センサ112A、112Bは、互いに位相が90(度)ずれた2相正弦波信号を出力するように構成されているが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。センサ112A、112Bは、磁石611の円板形状の中心軸周りに任意の角度回転した位置にそれぞれ設けられてよく、当該角度に応じた位相のずれ量を有する2相正弦波信号を出力してもよい。この場合、理想リサージュ曲線は真円ではなく他の図形になり得る。
また、図示する例では、出力軸エンコーダ110は、いわゆる磁気式のエンコーダとして構成されているが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。出力軸エンコーダ110は、2相正弦波信号を出力し、当該出力値からなるリサージュ曲線に基づいて回転角度を検出するものであれば、例えば光学式エンコーダ等他の種類のエンコーダであってよい。
センサ112A、112Bの出力値は、ADC120A、120Bによってそれぞれデジタル値に変換された後、回転角度算出部130に入力される。なお、ADC120A、120Bとしては、各種の公知のADCが用いられてよい。
回転角度算出部130は、出力軸エンコーダ110のセンサ112A、112Bの出力値に基づいて、上述した一般的な方法とは異なる方法でリサージュ補正を行い、回転角度を算出する。なお、回転角度算出部130は、各種のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上記の処理が実行される。回転角度算出部130における回転角度算出処理の詳細については、下記(2−2.回転角度算出処理)で改めて説明する。
回転角度算出部130は、算出した出力軸の回転角度についての情報を、角度補正部140に提供する。角度補正部140では、角度調整用補正値DB170に格納されている角度調整用補正値を用いて、回転角度算出部130によって算出された回転角度が補正される。これにより、高調波成分等のノイズ成分が補正され、より高精度な角度検出が可能になる。角度補正部140によって補正された回転角度値が、最終的に得られる出力軸の回転角度となる。
ここで、図7に示す回転角度検出システム10における出力軸エンコーダ110以外の構成は、1つの情報処理装置にその全てが搭載されてもよいし、複数の情報処理装置に任意に分割されて搭載されてもよい。例えば、回転角度算出部130の機能のみを有する情報処理装置が設けられてもよい。なお、本明細書において、情報処理装置とは、プロセッサを意味してもよいし、プロセッサと他の要素とがともに搭載されたマイコンや制御基板等を意味してもよい。また、当該情報処理装置は、PC(Personal Computer)等の汎用的な情報処理装置であってもよい。本明細書においては、情報処理装置は、所定のプログラムに従って動作することにより所定の処理を実行する機能を有すればよく、その具体的な装置構成は限定されない。
(2−3.回転角度算出処理)
図8を参照して、図7に示す回転角度算出部130において行われる、第1の実施形態に係る回転角度算出処理について説明する。図8は、第1の実施形態に係る回転角度算出部130の機能構成を示すブロック図である。
図8を参照すると、回転角度算出部130は、その機能として、オフセット補正部131A、131Bと、近似楕円算出部132と、出力値補正部133と、ATAN計算部134と、を有する。
オフセット補正部131A、131Bの機能は、図2に示す回転角度算出部630のオフセット補正部631A、631Bの機能と同様である。すなわち、オフセット補正部131Aには、ADC120Aによってデジタル値に変換されたセンサA112Aの出力値が入力され、オフセット補正部131Aは、オフセット補正値DB160に格納されているオフセット補正値を用いて、当該センサA112Aの出力値にオフセット補正を施す。同様に、オフセット補正部131Bには、ADC120Bによってデジタル値に変換されたセンサB112Bの出力値が入力され、オフセット補正部131Bは、オフセット補正値DB160に格納されているオフセット補正値を用いて、当該センサB112Bの出力値にオフセット補正を施す。
オフセット補正部131A、131Bは、オフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値についての情報を、近似楕円算出部132に提供する。
近似楕円算出部132は、オフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値を楕円に近似した際の近似楕円を求める。なお、第1の実施形態及び後述する第2の実施形態において、近似楕円を求める(又は算出する)とは、当該近似楕円の方程式(すなわち、近似楕円の方程式を規定するパラメータ)を求めることを意味する。第1の実施形態では、近似楕円算出部132は、少なくとも2つの測定点に対応する出力軸エンコーダ110の出力値を用いて近似楕円の長径及び短径を算出する。
以下では、図9も併せて参照して、近似楕円算出部132の機能についてより詳細に説明する。図9は、第1の実施形態に係る近似楕円算出部132の機能について説明するための説明図である。
図9では、図5と同様に、オフセット補正が行われた後の測定リサージュ曲線117、及び理想リサージュ曲線116を図示している。また、図9では、併せて、オフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値による近似楕円118を図示している。
ここで、図6を参照して説明したように、第1の実施形態では、減速機320を介して入力軸(すなわちモータ310の回転軸)と接続された出力軸350における回転角度を検出対象としている。減速機320を介しているために、出力軸エンコーダ110の出力値によって描かれる曲線は、急激な変化を持たない連続的な曲線となる。従って、比較的狭い角度範囲内に存在する測定点群に対応する出力値群は、同一の楕円上に存在すると近似することができる。
そこで、第1の実施形態では、近似楕円算出部132は、比較的狭い角度範囲内に存在する少なくとも2つの測定点を選択し、これら少なくとも2つの測定点における出力軸エンコーダ110の出力値が同一の楕円上に存在すると仮定して、近似楕円118を求める。例えば、これら2つの測定点は、出力軸エンコーダ110のサンプリングレートに従った互いに連続する測定に対応する測定点であってよい。サンプリングレートに従った互いに連続する測定点は、最近接の測定点であるため、同一の楕円上に存在するという近似が好適に成立しやすく、近似楕円118を高精度に求めることができる測定点であると考えられるからである。
具体的には、近似楕円算出部132は、以下の手順によって近似楕円118を求める。
オフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値を表す点をR(x,y)とする。当該点R(x,y)を近似楕円118上の点であるとみなし、近似楕円118の長径a及び短径bを平面内における点Rの偏角tの関数とすれば、点R(x,y)は下記数式(1)のように書ける。
Figure 2016151499
互いに異なる2つの測定点に対応するオフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値を表す点をR(x,y)、R(x、y)とすれば、これらの点は、同様に、下記数式(2)、(3)のように書ける。
Figure 2016151499
ここで、tは点R(x,y)に対応する偏角であり、tは点R(x,y)に対応する偏角である。
今、点R(x,y)、点R(x、y)が、近接する2つの測定点に対応するオフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値を表す点であるとすれば、上記のように、これらの点は、同一の楕円上にあると近似することができる。従って、下記数式(4)、(5)が成り立つ。ここで、A、Bは、後述する数式(6)、(7)の記載を簡便にするために導入された変数である。
Figure 2016151499
上記数式(4)、(5)を上記数式(2)、(3)に代入し、それを楕円の方程式に更に代入すれば、下記数式(6)、(7)を得る。
Figure 2016151499
(x,y)、R(x、y)は、オフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値であり、既知の値であるため、下記数式(6)、(7)から、A、Bの値、すなわち、近似楕円118の長径a及び短径bを求めることができ、近似楕円118の方程式を得ることができる。長径a及び短径bの比率は、近似楕円118のゲイン、すなわち、センサ112A、112Bの出力値のゲインを表すものである。
近似楕円算出部132は、求めた近似楕円118についての情報(具体的には近似楕円685の長径a及び短径bについての情報)を、出力値補正部133に提供する。
出力値補正部133は、近似楕円算出部132によって求められた近似楕円118に基づいて、センサ112A、112Bの出力値に対してゲイン補正を施すことにより、これらの出力値を理想リサージュ曲線116上での値に補正する、すなわちリサージュ補正を行う。具体的には、既にオフセット補正を行っているため、近似楕円118の中心Oと理想リサージュ曲線116の中心Oとは略一致していると考えることができる。今、理想リサージュ曲線116は真円であるとしているため、近似楕円118の長径a及び短径bの値を用いてゲイン補正を行うことにより、当該近似楕円118上の点として表されるセンサ112A、112Bの出力値を、理想リサージュ曲線116上での値に補正することができる。
このように、第1の実施形態では、センサ112A、112Bの出力値(すなわち出力軸エンコーダ110の出力値)に対して、オフセット補正部131A、131Bによってオフセット補正が行われ、近似楕円算出部132及び出力値補正部133によってゲイン補正が行われることにより、リサージュ補正が行われる。ここで、図2を参照して説明した一般的なリサージュ補正では、オフセット補正後のセンサ612A、612Bの出力値に対して、ゲイン補正部632によって、固定値であるゲイン補正値を用いたゲイン補正が行われていた。一方、第1の実施形態では、近似楕円算出部132及び出力値補正部133によって、オフセット補正後のセンサ112A、112Bの出力値に対して、固定値を用いずに、センサ112A、112Bの出力値自身を用いた動的なゲイン補正が行われることとなる。
出力値補正部133は、補正後のセンサ112A、112Bの出力値(すなわち、理想リサージュ曲線681上での値に補正した際のセンサ112A、112Bの出力値)を、ATAN計算部134に提供する。
ATAN計算部134は、補正されたセンサ112A、112Bの測定値の逆正接を計算することにより、出力軸の回転角度を計算する。なお、ATAN計算部134の機能は、図2に示すATAN計算部633の機能と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
ATAN計算部134は、算出した出力軸の回転角度についての情報を、図7に示す角度補正部140に提供する。角度補正部140において、ATAN計算部134によって算出された回転角度に対して角度調整用補正値に基づく補正が行われ、最終的な出力軸の回転角度が得られる。
以上、図8を参照して、第1の実施形態に係る回転角度計算処理について説明した。以上説明したように、第1の実施形態では、減速機を介して入力軸と接続される出力軸の回転角度が、出力軸エンコーダ110によって検出される。その際、減速機を介しているため、比較的狭い角度範囲内に含まれる出力軸エンコーダ110の出力値群は、同一の楕円上に存在すると近似することができる。第1の実施形態では、当該近似を用いることにより、少なくとも2つの測定点に対応する出力軸エンコーダ110の出力値に基づいて近似楕円118を求めることができ、当該近似楕円118を用いてリサージュ補正を行うことにより、出力軸の回転角度を算出することができる。
このように、第1の実施形態では、比較的近くの2つの測定点での出力軸エンコーダ110の出力値に基づいて、補正後の出力軸の回転角度を算出することができる。従って、例えば特許文献1に例示される既存の技術に比べて、補正されたより正確な回転角度をより早く算出することができる。また、第1の実施形態では、オフセット補正については固定値による補正を行っているものの、ゲイン補正については、上記のように出力値から求められる近似楕円118を用いた動的な補正を行うことができる。従って、温度変化等の使用環境の変化に応じた動的な補正を行うことができ、固定値を用いた既存の方法に比べて、より高精度に回転角度を算出することができる。
また、上記の例では、2点の測定点での出力軸エンコーダ110の出力値を用いて近似楕円118を求めていたが、より多くの測定点での出力値を用いて近似楕円118を求めてもよい。測定点の数が多いほど、近似楕円118の精度が向上するため、より高精度に回転角度を求めることが可能になる。
なお、以上説明したように、第1の実施形態では、センサ112A、112Bの出力値を楕円に近似していたが、これは、理想リサージュ曲線116が真円であるからである。真円は楕円の特殊な一形態であるとみなすことができ、具体的には、真円は特定のゲインを有する楕円であるとみなすことができる。従って、センサ112A、112Bの出力値による近似楕円118を求めれば、そのゲインを補正するだけで真円に補正することが可能になるため、第1の実施形態では、センサ112A、112Bの出力値を楕円に近似しているのである。よって、例えば理想リサージュ曲線116の形状が真円でない場合には、センサ112A、112Bの出力値は、当該理想リサージュ曲線116の形状に応じた所定の二次曲線に近似されてもよい。その意味で、図8に示す近似楕円算出部132は、近似二次曲線算出部であるとも言える。
(2−4.情報処理方法)
図10を参照して、第1の実施形態に係る情報処理方法の処理手順について説明する。図10は、第1の実施形態に係る情報処理方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図10に示す情報処理方法における各処理は、図7及び図8に示す回転角度算出部130によって実行される処理に対応している。
図10を参照すると、第1の実施形態に係る情報処理方法では、まず、出力軸における少なくとも2点の測定点での出力軸エンコーダ110の出力値が取得される(ステップS101)。ステップS101で取得される測定点は、互いに近接した2点、例えば出力軸エンコーダ110のサンプリングレートに従った連続する2回の測定に対応する測定点であることが好ましい。また、近似楕円118を求める際の精度を向上させるために、2点よりも多い測定点における出力値が取得されてもよい。
次に、取得された出力値に対してオフセット補正が行われる(ステップS103)。ステップS103では、事前に取得されたオフセット補正値を用いたオフセット補正が行われ得る。
次に、オフセット補正後の出力軸エンコーダ110の出力値を用いて、近似楕円118が算出される(ステップS105)。ステップS105では、オフセット補正後の少なくとも2つの測定点での出力軸エンコーダ110の出力値が同一の楕円上に存在するとの仮定の下に、当該楕円の方程式(具体的には、長径a及び短径b)が求められる。ステップS101で3点以上の測定点での出力値が取得されている場合には、これら3点以上の測定点での出力値を用いて近似楕円118が求められてよい。
次に、算出された近似楕円を用いて、出力軸エンコーダ110の出力値が補正される(ステップS107)。ステップS107では、近似楕円118の長径a及び短径bの値を用いてゲイン補正が行われることにより、当該近似楕円118上の点として表される出力軸エンコーダ110の出力値が、理想リサージュ曲線116上での値に補正される。
次に、補正後の出力軸エンコーダ110の出力値を用いて、出力軸の回転角度が算出される(ステップS109)。ステップS109では、補正後の出力軸エンコーダ110の出力値の逆正接が計算されることにより、出力軸の回転角度が算出される。
以上、図10を参照して、第1の実施形態に係る情報処理方法の処理手順について説明した。
(3.第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、入力軸と出力軸とが減速機を介して接続されるアクチュエータにおける、当該出力軸の回転角度が、好適に検出対象となる。当該アクチュエータの構成は、図6を参照して説明したものと同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
上述した第1の実施形態では、近似楕円118を求めた後に、当該近似楕円118を用いてリサージュ補正を行い(すなわち、近似楕円118上の点を理想リサージュ曲線116上の点に補正し)、更に、補正後の出力軸エンコーダ110の出力値の逆正接を計算することにより、出力軸の回転角度が算出されていた。一方、第2の実施形態では、出力軸エンコーダ110の出力値と併せて、入力軸エンコーダ330によって検出される入力軸の回転角度の値を用いることにより、近似楕円118を求める過程で、出力軸の回転角度が算出される。従って、第1の実施形態よりも少ない計算量で出力軸の回転角度を算出することができる。
また、第1の実施形態では、出力軸エンコーダ110の出力値の補正について、ゲイン補正については出力値を用いた動的な補正が行われていたものの、オフセット補正については既存の方法と同様に固定値を用いた補正が行われていた。第2の実施形態では、このような固定値を用いた補正を行うことなく出力軸の回転角度を算出することができる。従って、使用環境の変化により対応し得る、より高精度な回転角度の検出が可能になる。
(3−1.回転角度検出システムの構成)
図11を参照して、第2の実施形態に係る回転角度算出方法を用いた、出力軸エンコーダにおける回転角度検出システムの構成について説明する。図11は、第2の実施形態に係る回転角度算出方法を用いた、出力軸エンコーダにおける回転角度検出システムの一構成例を示すブロック図である。
図11を参照すると、第2の実施形態に係る回転角度検出システム20は、入力軸エンコーダ210の出力値を主に処理するシステムと、出力軸エンコーダ110の出力値を主に処理するシステムと、が組み合わされて構成される。入力軸エンコーダ210に係るシステムは、入力軸エンコーダ210と、ADC620A、620Bと、回転角度算出部630と、オフセット補正値/ゲイン補正値DB650と、から構成される。また、出力軸エンコーダ110に係るシステムは、出力軸エンコーダ110と、ADC120A、120Bと、回転角度算出部230と、角度補正部140と、角度調整用補正値DB160と、から構成される。
ここで、図6を参照して説明したように、アクチュエータ300においては、入力軸と出力軸350とは、減速機320を介して接続されている。このことに対応して、図11では、入力軸エンコーダ210と出力軸エンコーダ110とを接続する減速機270を併せて図示している。入力軸エンコーダ210、出力軸エンコーダ110及び減速機270は、それぞれ、図6に示す入力軸エンコーダ330、出力軸エンコーダ340及び減速機320に対応するものである。
入力軸エンコーダ210に係るシステムでは、回転角度の検出対象が入力軸であることを除けば、図1に示す一般的な回転角度検出システム60と略同様の処理が行われる。また、出力軸エンコーダ110に係るシステムでは、回転角度算出部230の機能が変更されオフセット補正値DB160が省かれること以外は、図7に示す第1の実施形態に係る回転角度検出システム10と略同様の処理が行われる。従って、以下の回転角度検出システム20についての説明では、既に説明した事項と重複する事項については、その概要のみを記載し、その詳細な説明は省略する。
入力軸エンコーダ210は、入力軸に設けられる点を除いて、図1に示す出力軸エンコーダ610と同様の構成を有する。また、ADC620A、620B、回転角度算出部630及びオフセット補正値/ゲイン補正値DB650は、図1に示すこれらの構成と同様の機能を有するものである。
具体的には、入力軸エンコーダ210は、磁石611及びセンサ612A、612Bを有する。磁石611は、回転角度の検出対象である入力軸とともに回転するように構成されており、当該磁石611の回転により、センサ612A、612Bから、互いに位相が90(度)ずれた2相正弦波信号が出力される。
センサ612A、612Bの出力値は、ADC620A、620Bによってそれぞれデジタル値に変換された後、回転角度算出部630に入力される。回転角度算出部630では、上記(1−2.回転角度算出処理)で説明したように、オフセット補正値/ゲイン補正値DB660に格納されているオフセット補正値及びゲイン補正値を用いてリサージュ補正が行われ、入力軸の回転角度が算出される。
回転角度検出システム20では、回転角度算出部630によって算出された入力軸の回転角度についての情報は、出力軸エンコーダ110に係るシステムにおける回転角度算出部230に提供される。なお、図11に示す構成例では省略しているが、図1に示す回転角度検出システム60と同様に、回転角度算出部630の後段に角度補正部640が設けられてもよく、当該角度補正部640によって補正された入力軸の回転角度についての情報が、回転角度算出部230に提供されてもよい。
ここで、詳しくは下記(3−2.回転角度算出処理)で説明するが、回転角度算出部230では、回転角度算出部630によって算出された入力軸の回転角度の変化量、すなわち入力軸エンコーダ210によって検出された入力軸の回転角度の変化量に基づいて、出力軸の回転角度の変化量が算出される。この際、入力軸エンコーダ210では、減速機270を介しているために、出力軸の回転角度を高精度に検出することが可能となる。例えば、減速機270の減速比が1:100であれば、入力軸の回転角度が0(度)〜360(度)の間で検出されたとき、出力軸の回転角度は0(度)〜3.6(度)の間で変化していることになる。つまり、入力軸の回転角度を検出することは、出力軸の回転角度を減速比の分だけ拡大して検出していることに対応している。従って、入力軸エンコーダ210による入力軸の回転角度の検出値に基づいて算出される出力軸の回転角度は、比較的精度の高いものであると言える。
上記のように、第2の実施形態では、入力軸の回転角度を検出する際には一般的なリサージュ補正に基づく回転角度の算出が行われるが、入力軸エンコーダ210では、減速機270を介しているために出力軸の回転角度を高精度に検出することができるため、このような一般的なリサージュ補正に基づいて求められた回転角度を用いた場合であっても、算出される出力軸における回転角度変化量については十分な精度が保証され得る。
出力軸エンコーダ110に係るシステムにおいて、出力軸エンコーダ110、ADC120A、120B、角度補正部140及び角度調整用補正値DB160は、図7に示すこれらの構成と同様の機能を有するものである。
具体的には、出力軸エンコーダ110は、磁石111及びセンサ112A、112Bを有する。磁石111は、回転角度の検出対象である出力軸とともに回転するように構成されており、当該磁石111の回転により、センサ112A、112Bから、互いに位相が90(度)ずれた2相正弦波信号が出力される。
センサ112A、112Bの出力値は、ADC120A、120Bによってそれぞれデジタル値に変換された後、回転角度算出部230に入力される。回転角度算出部230では、回転角度算出部630によって算出された入力軸の回転角度と、出力軸エンコーダ110のセンサ112A、112Bの出力値と、に基づいて、上述した第1の実施形態とは異なる方法によって回転角度が算出される。なお、回転角度算出部130は、各種のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上記の処理が実行される。回転角度算出部230における回転角度算出処理の詳細については、下記(3−3.回転角度算出処理)で改めて説明する。
回転角度算出部230は、算出した出力軸の回転角度についての情報を、角度補正部140に提供する。角度補正部140では、角度調整用補正値DB160に格納されている角度調整用補正値を用いて、回転角度算出部230によって算出された回転角度が補正される。これにより、高調波成分等のノイズ成分が補正され、より高精度な角度検出が可能になる。角度補正部140によって補正された回転角度値が、最終的に得られる出力軸の回転角度となる。
なお、図11に示す回転角度検出システム20における入力軸エンコーダ210及び出力軸エンコーダ110以外の構成は、1つの情報処理装置にその全てが搭載されてもよいし、複数の情報処理装置に任意に分割されて搭載されてもよい。例えば、回転角度算出部230の機能のみを有する情報処理装置が設けられてもよい。
(3−3.回転角度算出処理)
図12を参照して、図11に示す回転角度算出部230において行われる、第2の実施形態に係る回転角度算出処理について説明する。図12は、第2の実施形態に係る回転角度算出部230の機能構成を示すブロック図である。
図12を参照すると、回転角度算出部230は、その機能として、角度変化量算出部231と、近似楕円算出部232と、を有する。
角度変化量算出部231は、回転角度算出部630によって算出された入力軸の少なくとも3つの測定点間の回転角度の変化量に基づいて、出力軸における当該少なくとも3つの測定点に対応する測定点間の角度変化量を、算出する。具体的には、角度変化量算出部231には、回転角度算出部630によって算出された少なくとも3つの測定点における入力軸の回転角度が入力される。角度変化量算出部231は、これら少なくとも3つの測定点における入力軸の回転角度の差分を取ることにより、入力軸における測定点間の回転角度変化量(後述する図13に示すΔt’,Δt’)を算出することができる。入力軸と出力軸とは、減速機270を介して接続されているため、角度変化量算出部231は、減速機270の減速比を用いることにより、入力軸における少なくとも3つの測定点間の回転角度変化量から、出力軸における当該少なくとも3つの測定点に対応する測定点間の回転角度変化量(後述する図13に示すΔt,Δt)を算出することができる。
角度変化量算出部231は、算出した出力軸における少なくとも3つの測定点間の回転角度変化量(Δt及びΔt)についての情報を、近似楕円算出部232に提供する。
近似楕円算出部232は、角度変化量算出部231によって算出された出力軸における少なくとも3つの測定点間の回転角度変化量(Δt,Δt)と、これら少なくとも3つの測定点での出力軸エンコーダ110の出力値(後述する図13に示すx,y,x,y,x,y)と、に基づいて、当該出力軸エンコーダ110の出力値を楕円に近似した際の近似楕円を求める。
ここで、第2の実施形態では、近似楕円算出部232は、近似楕円を求める際に、媒介変数表示される近似楕円の当該媒介変数を求めることができる。当該媒介変数は、上記少なくとも3つの測定点の偏角、すなわち、これら少なくとも3つの測定点に対応する出力軸の回転角度を表すものであり得るため、第2の実施形態では、近似楕円を求める過程で、測定点に対応する出力軸の回転角度を算出することができるのである。
以下では、図13も併せて参照して、角度変化量算出部231及び近似楕円算出部232の機能についてより詳細に説明する。図13は、第2の実施形態に係る角度変化量算出部231及び近似楕円算出部232の機能について説明するための説明図である。
図13(a)では、回転角度算出部630でリサージュ補正が行われた後の、入力軸エンコーダ210における3つの測定点S’、T’、U’に対応する出力値が図示されている。リサージュ補正が行われた後の出力値であるため、図13では、これらの出力値に対応する点S’、T’、U’は、入力軸エンコーダ210における理想リサージュ曲線211上の点として図示されている。
測定点S’、T’、U’に対応する回転角度は、図11に示す回転角度算出部630によって算出されている。従って、角度変化量算出部231は、入力軸エンコーダ210によって検出された入力軸における測定点S’、T’、U’に対応する回転角度の値に基づいて、入力軸における測定点S’と測定点T’との間の回転角度変化量Δt’と、入力軸における測定点T’と測定点U’との間の回転角度変化量Δt’と、を算出することができる。
一方、図13(b)では、出力軸における3つの測定点S、T、Uにおける、補正が行われる前の出力軸エンコーダ110の出力値が図示されている。出力軸におけるこれら測定点S、T、Uは、入力軸における測定点S’、T’、U’にそれぞれ対応する測定点である。ここで、入力軸と出力軸とは減速機270を介して接続されているため、出力軸における測定点Sと測定点Tとの間の回転角度変化量Δtは、入力軸における測定点S’と測定点T’との間の回転角度変化量Δt’を減速機270の減速比の分だけ縮小した値である。同様に、出力軸における測定点Tと測定点Uとの間の回転角度変化量Δtは、入力軸における測定点T’と測定点U’との間の回転角度変化量Δt’を減速機270の減速比の分だけ縮小した値である。このようにして、角度変化量算出部231は、減速機270の減速比を用いて、入力軸における測定点S’、T’、U’間の回転角度変化量Δt’、Δt’に基づいて、出力軸における測定点S、T、U間の回転角度変化量Δt、Δtを算出することができる。
角度変化量算出部231によって出力軸における測定点S、T、U間の回転角度変化量Δt、Δtが算出されると、近似楕円算出部232は、以下の手順によって近似楕円118を求める。
出力軸エンコーダ110の出力値による近似楕円118は、当該出力値を表す点(x、y)を用いて、下記数式(8)のように記載できる。ここで、tは媒介変数である。
Figure 2016151499
ここで、入力軸と出力軸とは減速機270によって接続されているため、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、比較的狭い角度範囲内に存在する測定点群に対応する出力値群は、同一の楕円上に存在すると近似することができる。そこで、第2の実施形態では、近似楕円算出部232は、比較的近い角度範囲内に存在する3つの測定点S、T、Uを選択し、これら3つの測定点S、T、Uにおける出力軸エンコーダ110の出力値が同一の楕円上に存在すると仮定して、近似楕円118を求める。例えば、これら3つの測定点S、T、Uは、出力軸エンコーダ110のサンプリングレートに従った互いに連続する測定に対応する測定点であってよい。サンプリングレートに従った互いに連続する測定点は、最近接の測定点であるため、同一の楕円上に存在するという近似が好適に成立しやすく、近似楕円118を高精度に求めることができる測定点であると考えられるからである。
つまり、測定点S、T、Uに対応する出力軸エンコーダ110の出力値を表す点をS(x,y)、T(x,y)、U(x,y)とすれば、測定点S、T、Uが比較的狭い角度範囲内に存在する場合には、これらは全て上記数式(8)を満たすと考えられるため、下記数式(9)〜数式(11)が成り立つ。
Figure 2016151499
ここで、tは、S(x,y)に対応する偏角である。上記数式(9)〜数式(11)において、x,y,x,y,x,yは、出力軸エンコーダ110の出力値であり既知の値である。また、Δt、Δtは、角度変化量算出部231によって算出される値であり、同じく既知の値である。従って、近似楕円算出部232は、これらの値を上記数式(9)〜数式(11)に代入し、未知数について解くことにより、t、a、b、c、dを求めることができる。すなわち、近似楕円118の方程式を求めることができる。
この時、求められたtは、測定点Sに対応する出力軸の回転角度を表すものである。このように、近似楕円算出部232は、近似楕円118を求める過程で媒介変数tを求めることができ、当該媒介変数tに対応する測定点Sにおける出力軸の回転角度を求めることができるのである。更に、当該tに対して、Δt、Δt+Δtをそれぞれ加算すれば、測定点T、Uにおける出力軸の回転角度を求めることができる。
ここで、図13では、参考として、図1に示す回転角度検出システム60によって得られる、固定値によるオフセット補正及びゲイン補正を行った後のリサージュ曲線119の一例を図示している。図示する例では、リサージュ曲線119は、ほぼ真円には補正できているものの、中心Oは、本来あるべき理想リサージュ曲線の中心Oからずれてしまっている。このずれは、例えば温度変化等の使用環境の変化によるものである。このように、キャリブレーション時に得られた固定値を用いた補正では、高精度なリサージュ補正を行うことは困難であり、その結果得られる回転角度の値にも高い精度は期待できない。
一方、以上説明したように、第2の実施形態によれば、入力軸エンコーダ210によって検出された入力軸の回転角度、及び出力軸エンコーダ110の出力値に基づいて、出力軸の回転角度を計算することができるため、環境の変化まで加味した動的な補正を行うことが可能になる。従って、より高精度に出力軸の回転角度を得ることができる。
近似楕円算出部232は、算出した出力軸の回転角度についての情報を、図11に示す角度補正部140に提供する。角度補正部140において、近似楕円算出部232によって算出された回転角度値に対して角度調整用補正値に基づく補正が行われ、最終的な出力軸の回転角度が得られる。
以上、図12を参照して、第2の実施形態に係る回転角度計算処理について説明した。以上説明したように、第2の実施形態では、減速機を介して入力軸と接続される出力軸の回転角度が、出力軸エンコーダ110によって検出される。その際、減速機を介しているため、第1の実施形態と同様に、比較的狭い角度範囲内に含まれる出力軸エンコーダ110の出力値群は、同一の楕円上に存在すると近似することができる。第2の実施形態では、当該近似を用いることにより、入力軸エンコーダ210によって検出された少なくとも3つの測定点における入力軸の回転角度と、これら少なくとも3つの測定点に対応する測定点での出力軸エンコーダ110の出力値と、に基づいて、近似楕円118を求めるとともに、当該測定点における出力軸の回転角度を求めることができる。
このように、第2の実施形態では、比較的近くの3つの測定点での出力軸エンコーダ110の出力値に基づいて、補正後の出力軸の回転角度を算出することができる。従って、例えば特許文献1に例示される既存の技術に比べて、補正されたより正確な回転角度をより早く算出することができる。また、第2の実施形態によれば、第1の実施形態とは異なり、固定値である補正値を用いることなく近似楕円118を求めることができるため、温度変化等の使用環境の変化により対応可能な、より高精度な回転角度の算出が可能になる。
また、上記の例では、3点の測定点での出力軸エンコーダ110の出力値を用いて近似楕円118を求めていたが、より多くの測定点での出力値を用いて近似楕円118を求めてもよい。測定点の数が多いほど、近似楕円118の精度が向上するため、より高精度に回転角度を求めることが可能になる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、センサ112A、112Bの出力値を近似する二次曲線は、楕円に限定されない。センサ112A、112Bの出力値をどのような二次曲線に近似するかは、理想リサージュ曲線の形状に応じて適宜設定されてよい。その意味で、図12に示す近似楕円算出部232は、近似二次曲線算出部であるとも言える。
また、第2の実施形態では、回転角度検出システム20において、入力軸エンコーダ210による入力軸の検出角度から換算される出力軸の回転角度(換算回転角度)と、以上説明した回転角度算出処理によって算出された出力軸の回転角度(算出回転角度)と、を比較することにより、入力軸エンコーダ210及び/又は出力軸エンコーダ110の劣化(精度の悪化)が検出されてもよい。上述したように、入力軸と出力軸とが減速機270によって接続されているために、換算回転角度は、出力軸の回転角度を高精度に表すものであり得る。一方、以上説明したように、回転角度算出部230によって算出される算出回転角度も、出力軸の回転角度を高精度に表すものであり得る。従って、換算回転角度と算出回転角度とは、本来であれば略一致することが期待される。しかしながら、例えば入力軸エンコーダ210及び/又は出力軸エンコーダ110における回転角度の検出精度が、補正が困難なほど悪化してしまった場合には、換算回転角度と算出回転角度との差が大きくなってしまうと考えられる。
そこで、回転角度検出システム20には、換算回転角度と算出回転角度とを随時比較し、これらの値の差分が所定のしきい値を超えた場合に、入力軸エンコーダ210及び/又は出力軸エンコーダ110の特性が大きく劣化している旨の警告を発する機能が設けられてもよい。当該警告が発せられた場合には、例えば、ユーザは、入力軸エンコーダ210及び/又は出力軸エンコーダ110を補修したり、交換したりといった、各種の対応を取ることができる。
なお、第1の実施形態に係る回転角度検出システム10においても、入力軸と出力軸とは減速機によって接続されており、入力軸エンコーダによる入力軸の検出角度から換算される出力軸の換算回転角度には高い精度が得られるため、回転角度検出システム20と同様に、当該換算回転角度と、図7及び図8に示す回転角度算出部130によって算出された出力軸の算出回転角度と、を比較することにより、入力軸エンコーダ及び/又は出力軸エンコーダ110の劣化を検出する機能が設けられてもよい。
(3−3.情報処理方法)
図14を参照して、第2の実施形態に係る情報処理方法の処理手順について説明する。図14は、第2の実施形態に係る情報処理方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図14に示す情報処理方法における各処理は、図11及び図12に示す回転角度算出部230によって実行される処理に対応している。
図14を参照すると、第2の実施形態に係る情報処理方法では、まず、出力軸における少なくとも3点の測定点での出力軸エンコーダ110の出力値が取得される(ステップS201)。ステップS201で取得される測定点は、互いに近接した3点、例えば出力軸エンコーダ110のサンプリングレートに従った連続する3回の測定に対応する測定点であることが好ましい。また、近似楕円を求める際の精度を向上させるために、3点よりも多い測定点における出力値が取得されてもよい。
次に、出力軸における各測定点に対応する、入力軸エンコーダ210によって検出された入力軸の回転角度が取得される(ステップS203)。入力軸エンコーダ210によって検出された入力軸の回転角度は、例えば、固定値であるオフセット補正値及びゲイン補正値を用いた一般的なリサージュ補正によって求められたものであってよい。入力軸と出力軸とが減速機270によって接続されていることにより、入力軸エンコーダ210による入力軸の回転角度の検出値に基づいて算出される出力軸の回転角度は、比較的精度の高いものとなるため、入力軸における回転角度の検出には、そこまでの精度は要求されないからである。
なお、図14に示す処理手順では、便宜的に、ステップS201に示す処理とステップS203に示す処理とがこの順に実行されるように記載しているが、実際には、これらの処理は、入力軸と出力軸とにおける互いに対応する測定点における測定データが取得される処理であるため、略同時に実行されてよい。
次に、出力軸における測定点間の回転角度変化量が、入力軸における測定点間の回転角度変化量から算出される(ステップS205)。ステップS105では、入力軸における測定点間の回転角度変化量を、減速機270の減速比の分だけ縮小することにより、出力軸における測定点間の回転角度変化量が算出され得る。
次に、出力軸における測定点間の回転角度変化量と、当該測定点での出力軸エンコーダ110の出力値と、に基づいて、近似楕円118が算出され、出力軸の回転角度が算出される(ステップS207)。ステップS207では、少なくとも3つの測定点での出力軸エンコーダ110の出力値が同一の楕円上に存在するとの仮定の下に、当該楕円の方程式(具体的には、少なくとも媒介変数t)が求められる。媒介変数tは、測定点の偏角を表しているため、媒介変数tを求めることにより、測定点での出力軸の回転角度を求めることができる。
以上、図14を参照して、第2の実施形態に係る情報処理方法の処理手順について説明した。
(4.適用例)
以上説明したように、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20は、例えば図6に示すアクチュエータ300に対して適用され得る。当該アクチュエータ300は、例えば支持アーム装置の関節部に好適に用いられ得る。ここでは、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20の一適用例として、当該回転角度検出システム10、20が、支持アーム装置の関節部における回転角度の検出に用いられる場合について説明する。
なお、以下の適用例では、一例として、支持アーム装置が医療用の支持アーム装置である場合について説明する。ただし、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20が適用され得る支持アーム装置は、医療用のものに限定されず、例えば工場等において製品の製造、検査等に用いられる産業用支持アーム装置であってもよい。
(4−1.支持アーム装置の構成)
図15を参照して、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20が適用された支持アーム装置の概略構成について説明する。図15は、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20が適用される支持アーム装置の外観を示す概略図である。
図15を参照すると、支持アーム装置400は、ベース部410と、アーム部420と、制御装置430と、を備える。
制御装置430は、例えばCPUやDSP等のプロセッサ、又はこれらのプロセッサが搭載されたマイコン等によって構成され、所定のプログラムに従った信号処理を実行することにより、支持アーム装置400の動作を制御する。支持アーム装置400の制御方式は特に限定されず、支持アーム装置400の動作は、位置制御、力制御等、各種の公知の制御方式によって制御されてよい。支持アーム装置400が位置制御によって制御される場合には、アーム部420を操作するためのコントローラ等の入力装置が設けられ得る。支持アーム装置400が力制御によって制御される場合には、例えばユーザが直接アーム部420に触れて行う、当該アーム部420を移動させようとする操作に応じて、当該アーム部420に加えられた力の方向に当該アーム部420が移動するように、当該アーム部420の動作が制御され得る。
また、制御装置430には、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20における、エンコーダ以外の構成が搭載され得る。例えば、制御装置430には、ADC120A、120B、620A、620Bが搭載され得る。また、例えば、回転角度算出部130、230、630及び角度補正部140の機能は、制御装置430に搭載されるプロセッサによって実現されてよい。また、例えば、オフセット補正値/ゲイン補正値DB650、オフセット補正値DB150及び角度調整用補正値DB160、660は、制御装置430に搭載される各種の記憶装置によって実現されてよい。
なお、図示する例では、制御装置430は、ベース部410とケーブルを介して接続されているが、制御装置430と同様の機能を有する制御基板等がベース部410の内部に設けられてもよい。
ベース部410は支持アーム装置400の基台であり、ベース部410からアーム部420が延伸される。ベース部410にはキャスターが設けられており、支持アーム装置400は、当該キャスターを介して床面と接地し、当該キャスターによって床面上を移動可能に構成されている。ただし、本実施形態に係る支持アーム装置400の構成はかかる例に限定されず、例えば、ベース部410が設けられず、手術室の天井又は壁面にアーム部420が直接取り付けられて支持アーム装置400が構成されてもよい。例えば、天井にアーム部420が取り付けられる場合には、支持アーム装置400は、アーム部420が天井から吊り下げられて構成されることとなる。
アーム部420は、複数の関節部421a〜421fと、関節部421a〜421fによって互いに連結される複数のリンク422a〜422cと、アーム部420の先端に設けられる撮像ユニット423を有する。
リンク422a〜422cは棒状の部材であり、リンク422aの一端が関節部421aを介してベース部410と連結され、リンク422aの他端が関節部421bを介してリンク422bの一端と連結され、更に、リンク422bの他端が関節部421c、421dを介してリンク422cの一端と連結される。更に、撮像ユニット423が、アーム部420の先端、すなわち、リンク422cの他端に、関節部421e、421fを介して連結される。このように、ベース部410を支点として、複数のリンク422a〜422cの端同士が、関節部421a〜421fによって互いに連結されることにより、ベース部410から延伸されるアーム形状が構成される。
撮像ユニット423は、術部を観察するための観察ユニットの一例であり、例えば動画及び/又は静止画を撮影するカメラ等である。アーム部420の駆動が制御されることにより、撮像ユニット423の位置及び姿勢が制御される。例えば、撮像ユニット423は、患者の術部を撮影する。撮像ユニット423によって撮影された患者の術部の画像は、例えば手術室内に設けられる表示装置に表示され、術者(ユーザ)は、当該表示装置に表示された患者の術部の画像を観察しながら手術を行う。このように、支持アーム装置400は、アーム部420の先端に観察ユニットが取り付けられた、観察装置400であり得る。観察ユニットとしては、他に、例えば内視鏡や顕微鏡等が設けられ得る。なお、観察装置400の中でも、アーム部420の先端に撮像ユニット423が設けられた支持アーム装置400のことを、ビデオ顕微鏡装置400とも呼称する。
ただし、アーム部420の先端に設けられる先端ユニットは観察ユニットに限定されず、アーム部420の先端には、先端ユニットとして、各種の医療用器具が取り付けられ得る。例えば、先端ユニットとして、鉗子、レトラクタ等の各種の処置具が接続されてもよい。あるいは、先端ユニットとして、内視鏡用若しくは顕微鏡用の光源、又は、例えば血管封止に用いられる手術用エナジーデバイスが接続されてもよい。
支持アーム装置400は、6つの関節部421a〜421fを有し、アーム部420の駆動に関して6自由度が実現されている。アーム部420が6自由度を有するように構成されることにより、アーム部420の可動範囲内において撮像ユニット423を自由に移動させることができる。これにより、撮像ユニット423によって術部を様々な角度及び距離から撮影することが可能となる。
関節部421a〜421fはリンク422a〜422cを互いに回動可能に連結する。関節部421a〜421fには、図6に示すアクチュエータ300が設けられており、関節部421a〜421fは、当該アクチュエータ300の駆動により所定の回転軸に対して回転可能に構成されている。アクチュエータ300の駆動は、制御装置430によって制御される。各関節部421a〜421fのアクチュエータ300の駆動がそれぞれ制御されることにより、例えばアーム部420を伸ばしたり、縮めたり(折り畳んだり)といった、アーム部420の駆動が制御される。
この際、アクチュエータ300の出力軸350の回転角度、すなわち各関節部421a〜421fの回転角度が、出力軸エンコーダ340の出力値に基づいて、第1又は第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20によって検出される。制御装置430は、検出された関節部421a〜421fの回転角度に基づいて現在のアーム部420の状態(アーム状態)を把握することができる。アーム状態とは、アーム部420の運動の状態を意味していており、例えば、アーム状態には、アーム部420の位置、速度、加速度等の情報が含まれる。制御装置430は、把握した現在のアーム部420の状態に基づいて、ユーザからの操作に応じてアーム部420が動作するように、各関節部421a〜421fを駆動させることができる。なお、力制御が行われる場合には、アクチュエータ300の出力軸350にトルクセンサ(図6では図示せず)が設けられてよく、当該トルクセンサによって検出されるアーム部420に作用する力も、アーム状態として検出され得る。
上記(2.第1の実施形態)及び(3.第2の実施形態)で説明したように、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20を用いることにより、より早く、より高精度に関節部421a〜421fの回転角度を検出することができる。従って、例えば起動直後であっても、素早く支持アーム装置400を駆動することが可能になる。
(4−2.支持アーム装置の手術への適用)
図16を参照して、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20が適用された支持アーム装置を用いた手術の様子について説明する。図16は、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20が適用される支持アーム装置を用いた手術の様子を示す概略図である。
図16を参照すると、術者520が、例えばメス、鑷子、鉗子等の手術用の処置具521を使用して、手術台530上の患者540に対して手術を行っている様子が図示されている。手術台530の脇には支持アーム装置510が設けられる。なお、図16では、簡単のため、構成を簡略化して図示しているが、支持アーム装置510は、図15に示す支持アーム装置400と同様の構成を有するものであってよい。
支持アーム装置510は、基台であるベース部511と、ベース部511から延伸するアーム部512と、を備える。また、図示は省略するが、支持アーム装置510には、支持アーム装置510の動作を制御する制御装置(図15に示す制御装置430に対応する)が備えられる。
アーム部512は、複数の関節部513a、513b、513cと、関節部513a、513bによって連結される複数のリンク514a、514bと、アーム部512の先端に設けられる撮像ユニット515と、を有する。上記のように、図16では、簡単のため、アーム部512の構成を簡略化して図示しているが、実際には、アーム部512が所望の自由度を有するように関節部513a〜513c及びリンク514a、514bの数や形状、関節部513a〜513cの駆動軸の方向等が適宜設定されてよい。
関節部513a〜513cはリンク514a、514b及び撮像ユニット515を互いに回動可能に連結する。関節部513a〜513cには、図6に示すアクチュエータ300が設けられており、関節部513a〜513cは、当該アクチュエータ300の駆動により所定の回転軸に対して回転可能に構成されている。アクチュエータ300の駆動が上記制御装置によって制御されることにより、各関節部513a〜513cの回転角度が制御され、アーム部512の駆動が制御される。
この際、アクチュエータ300の出力軸350の回転角度、すなわち各関節部513a〜513cの回転角度が、出力軸エンコーダ340の出力値に基づいて、第1又は第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20によって検出される。制御装置は、検出された関節部513a〜513cの回転角度に基づいて、現在のアーム部512の状態を把握し、当該アーム部512の駆動を制御する。第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20を用いることにより、より早く、より高精度に関節部513a〜513cの回転角度を検出することができるため、例えば起動直後であっても、長い待機時間を要することなく、素早く支持アーム装置400を駆動することが可能になる。
アーム部512の先端には先端ユニットとして各種の医療用器具が接続される。図16に示す例では、先端ユニットの一例としてアーム部512の先端に撮像ユニット515が設けられている。撮像ユニット515は、図15に示す撮像ユニット423と同様のものであり、例えば動画及び/又は静止画を撮影できるカメラ等である。手術を行う際には、撮像ユニット515が患者540の術部を撮影するように、支持アーム装置510によってアーム部512及び撮像ユニット515の位置及び姿勢が制御される。
手術室内において、術者520と対向する位置には、表示装置550が設置されており、撮像ユニット515によって撮影された術部の画像は、表示装置550に表示される。術者520は、表示装置550に表示される術部の画像を観察しながら各種の処置を行う。
なお、アーム部512の先端に設けられる先端ユニットは、撮像ユニット515に限定されず、アーム部512の先端には、例えば内視鏡や鉗子、レトラクタ等の各種の医療用器具が接続されてよい。従来、これらの医療用器具の支持や操作は人手によって行われていたため、その作業を行うための複数の医療スタッフが必要であったが、これらの医療用器具の支持や操作を支持アーム装置510によって行うことにより、より少ない人数で手術を行うことが可能になる。
以上、図16を参照して、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20が適用された支持アーム装置を用いた手術の様子について説明した。ここで、一般的に、手術時間を短縮し患者の負担を軽減するために、医療用機器には、起動してから使用可能な状態になるまでの時間が可能な限り短いことが望まれる。また、エンコーダ等の医療用機器に用いられるセンサには、安全性の観点から、その検出精度が十分高いことが望まれる。例えば手術に用いられる医療用機器において、センサの検出精度が低く、所望の動作が高精度に実行されなければ、手術の効率が低下したり、患者に危険を及ぼしたりする恐れがあるからである。
従って、例えば以上説明したような手術に用いられる支持アーム装置400、510のエンコーダには、より早く、かつより高精度に、各関節部421a〜421f、513a〜513cの回転角度を検出することが求められる。
ここで、例えば特許文献1に例示される既存の技術では、高精度にエンコーダの出力値を補正する場合には、より広い角度範囲内におけるより多くの測定データが必要となるため、このような高速な回転角度検出に適しているとは言い難い。また、一般的に、支持アーム装置400、510の関節部421a〜421f、513a〜513cにおいては、当該関節部421a〜421f、513a〜513cが1回転(360(度)回転)するような駆動は想定されていないため、広い角度範囲内での測定データを得ることは困難であると言える。一方、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20では、比較的狭い角度範囲内に存在する複数の測定点でのエンコーダの出力値に基づいて、関節部421a〜421f、513a〜513cの回転角度を検出することができるため、例えば起動直後であっても、素早く当該回転角度を検出することが可能になる。
また、エンコーダの出力値から回転角度を求める一般的な方法として、キャリブレーション時に求められる補正値を用いて当該出力値を補正する方法が知られている。しかしながら、これらの補正値は固定値であるため、例えば温度変化等、使用環境が変化した場合には、これらの補正値を用いた補正では高い精度を得ることは困難になる。一方、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20によれば、エンコーダの出力値を用いた動的な補正により回転角度を検出することができるため、使用環境が変化した場合であっても、高精度に当該回転角度を求めることができる。
このように、第1及び第2の実施形態に係る回転角度検出システム10、20は、より早く、より高精度な回転角度の検出を可能にするものであるため、当該回転角度検出システム10、20は、上述した医療用の支持アーム装置400、510のような医療用機器に特に適したものであると言える。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的なものではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出する回転角度算出部、を備え、前記回転角度算出部は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して前記近似二次曲線を算出する、情報処理装置。
(2)前記回転角度算出部は、少なくとも2つの測定点に対応する前記出力軸エンコーダの出力値を用いて前記近似二次曲線のゲインを算出し、前記ゲインに基づいて前記出力軸エンコーダの出力値に対してゲイン補正を施すことにより、前記出力軸の回転角度を算出する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記回転角度算出部は、前記入力軸に設けられる入力軸エンコーダによって検出された前記入力軸の回転角度と、前記出力軸エンコーダの出力値と、に基づいて、前記近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)前記回転角度算出部は、出力軸における少なくとも3つの測定点間の回転角度変化量を、前記入力軸エンコーダによって検出された前記少なくとも3つの測定点に対応する前記入力軸の回転角度に基づいて算出する、角度変化量算出部、を有し、前記回転角度算出部は、前記少なくとも3つの測定点での前記出力軸エンコーダの出力値と、前記角度変化量算出部によって算出された前記回転角度変化量と、に基づいて、前記近似二次曲線を求めることにより、前記近似二次曲線の媒介変数として表される前記測定点に対応する前記出力軸の回転角度を算出する、前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)前記2相正弦波信号の位相は互いに90度ずれており、前記二次曲線は楕円である、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)前記複数の測定点は、前記出力軸エンコーダのサンプリングレートに従った互いに連続する測定点である、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(7)前記入力軸に設けられる入力軸エンコーダによって検出された前記入力軸の回転角度を前記減速機の減速比を用いて換算することにより求められる前記出力軸の回転角度と、前記回転角度算出部によって算出された前記出力軸の回転角度と、を比較することにより、前記入力軸エンコーダ及び前記出力軸エンコーダの少なくともいずれかの検出精度の悪化が検出される、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)前記出力軸は、支持アーム装置の関節部に設けられるアクチュエータの出力軸である、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(9)前記支持アーム装置は、アーム部の先端に設けられる撮像ユニットによって患者の術部を撮影する、ビデオ顕微鏡装置である、前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)前記支持アーム装置は、手術時に、アーム部の先端に取り付けられる医療用器具を支持する、医療用支持アーム装置である、前記(8)に記載の情報処理装置。
(11)プロセッサが、減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出すること、を含み、前記近似二次曲線は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して算出される、情報処理方法。
(12)減速機を介して入力軸と出力軸とが接続されて構成されるアクチュエータが設けられた関節部、を備え、前記出力軸の回転角度は、前記出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより算出され、前記近似二次曲線は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して算出される、支持アーム装置。
10、20、60 回転角度検出システム
110、340、610 出力軸エンコーダ
120A、120B、620A、620B ADC
130、230、630 回転角度算出部
140、640 角度補正部
150 オフセット補正値DB
160、660 角度調整用補正値DB
131A、131B、631A、631B オフセット補正部
132、232 近似楕円算出部
133 出力値補正部
134、633 ATAN計算部
210、330 入力軸エンコーダ
231 角度変化量算出部
270、320 減速機
300 アクチュエータ
310 モータ
350 出力軸
360 ハウジング
400、510 支持アーム装置
632 ゲイン補正部
650 ゲイン補正値/オフセット補正値DB

Claims (12)

  1. 減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出する回転角度算出部、
    を備え、
    前記回転角度算出部は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して前記近似二次曲線を算出する、
    情報処理装置。
  2. 前記回転角度算出部は、少なくとも2つの測定点に対応する前記出力軸エンコーダの出力値を用いて前記近似二次曲線のゲインを算出し、前記ゲインに基づいて前記出力軸エンコーダの出力値に対してゲイン補正を施すことにより、前記出力軸の回転角度を算出する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記回転角度算出部は、前記入力軸に設けられる入力軸エンコーダによって検出された前記入力軸の回転角度と、前記出力軸エンコーダの出力値と、に基づいて、前記近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記回転角度算出部は、出力軸における少なくとも3つの測定点間の回転角度変化量を、前記入力軸エンコーダによって検出された前記少なくとも3つの測定点に対応する前記入力軸の回転角度に基づいて算出する、角度変化量算出部、を有し、
    前記回転角度算出部は、前記少なくとも3つの測定点での前記出力軸エンコーダの出力値と、前記角度変化量算出部によって算出された前記回転角度変化量と、に基づいて、前記近似二次曲線を求めることにより、前記近似二次曲線の媒介変数として表される前記測定点に対応する前記出力軸の回転角度を算出する、
    請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記2相正弦波信号の位相は互いに90度ずれており、
    前記二次曲線は楕円である、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記複数の測定点は、前記出力軸エンコーダのサンプリングレートに従った互いに連続する測定点である、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記入力軸に設けられる入力軸エンコーダによって検出された前記入力軸の回転角度を前記減速機の減速比を用いて換算することにより求められる前記出力軸の回転角度と、前記回転角度算出部によって算出された前記出力軸の回転角度と、を比較することにより、前記入力軸エンコーダ及び前記出力軸エンコーダの少なくともいずれかの検出精度の悪化が検出される、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記出力軸は、支持アーム装置の関節部に設けられるアクチュエータの出力軸である、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  9. 前記支持アーム装置は、アーム部の先端に設けられる撮像ユニットによって患者の術部を撮影する、ビデオ顕微鏡装置である、
    請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 前記支持アーム装置は、手術時に、アーム部の先端に取り付けられる医療用器具を支持する、医療用支持アーム装置である、
    請求項8に記載の情報処理装置。
  11. プロセッサが、減速機を介して入力軸と接続される出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより、前記出力軸の回転角度を算出すること、
    を含み、
    前記近似二次曲線は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して算出される、
    情報処理方法。
  12. 減速機を介して入力軸と出力軸とが接続されて構成されるアクチュエータが設けられた関節部、
    を備え、
    前記出力軸の回転角度は、前記出力軸に設けられる出力軸エンコーダの出力値である2相正弦波信号に基づいて、当該2相正弦波信号に近似した二次曲線である近似二次曲線を求めることにより算出され、
    前記近似二次曲線は、複数の測定点における前記出力軸エンコーダの出力値が同一の前記二次曲線上に存在すると仮定して算出される、
    支持アーム装置。
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