JP2016150936A - 睡眠補助材 - Google Patents

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Abstract

【課題】脳の精神的安定化に優れた効果を有するボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンのテルペン系精油を有効成分とする植物性化粧料と精神的な医療材料に関する。
【解決手段】シベリア産モミの木と葉を水蒸気蒸留し、その留出物を冷却分離して得た、カンフェンとピネンとリモネンとボルニルアセテートとカレンとの主要有効成分を90重量%以上含有するモミの木の抽出物である睡眠誘導に役立つ睡眠補助材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、脳の精神的安定化と併せて、睡眠促進に優れた効果を有するボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンのテルペン系精油を有効成分とする人体補助・医療材料に関する。
従来、肌荒れの改善や皮膚の老化防止を目的として、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、軟膏等、各種の化粧料が使用されている。かかる化粧料の薬効成分としては、合成品、天然物からの抽出物、それらの誘導体等、多種多様な薬効成分が提案されており、なかでも安全性の面で天然物からの抽出物が多く提案されている(特許文献1〜3参照)。
これら天然物からの抽出物には、口腔衛生などの医療材料として、十分なものはなく、また天然物からの薬効成分の効果が不十分であったり、その効果にバラツキがあるという欠点がある(特許文献4〜5参照)。
モミの木からの抽出物には、モミ精油の組成分であるボルニルアセテートを免疫剤などの医療材料として記載されている。しかし、モミ精油として十分なものはなく、また天然物からの薬効成分の効果が不十分であった(特許文献6参照)。
主成分として、ピネン、カンフェン、リモネン及びボルニルアセテートを含む混合物(特許文献7参照)、またブルーミング香料成分として、カンフェン、イソボルニルアセテート、リモネン、ピネンの成分(特許文献8参照)の記載がある。
モミの木精油はシベリア産のモミの木から採取する貴重な精油で、成分には35〜45の生理活性物質が含まれ、100種類以上の物質が検出されている。これまで、この成分を、医療材料には応用は進められていなかった。このモミの木の精油の有効成分は、脳波のθ帯域に影響を与えて、脳の精神的安定化に優れた効果の医療材料に取り入れることを提案されている(特許文献9参照)。
特開2000−119155号 特開平11−180885号 特開平10−45615号 特開2004−26701号 特表2007−527849号 特開2001−064164号 特表2001−520178号 特表2004−526826号 特許第4974015号公報
本発明が解決しようとする課題は、天然物からの抽出物であって、脳の精神的安定化効果に優れ、その効果にバラツキが無い脳、及び精神的医療材料を提供することにある。
またモミの木の精油の製法は水蒸気蒸留により得た精油と蒸留水とのモミ成分を含有する水が得られ、原料は下打ちしたシベリア産のモミの木の枝や、伐採した木の葉や枝を使うので森林破壊にはならず、これまで廃棄していたモミ材の再資源化にも役立っている。
とくにシベリア産のモミの木から採取する貴重な精油で、成分には35〜45種の生理活性物質が含まれ、100種類以上の物質が検出されている。この成分は万能効能を持ち、病気の治療、新陳代謝の活性、殺菌効果、脳の精神的安定化効果などの作用をもたらす効果が報告されている。また、生活の中に様々に取り入れ、衣類の防虫、虫除け剤、ガーデニング等に利用されている。
この成分を、脳の精神的安定化、およびインフエンザの予防剤としてきたが、人体の精神的医療材料への応用は進められていなかった。このモミの木の精油の有効成分を、睡眠補助効果に優れた医療材料に取り入れることを課題とした。
アロマテラピーは,一般的に植物から水蒸気蒸留で得られる精油で心身を癒し健康や美容に役立てる自然療法であり,近年その効果を科学的に証明する研究が進められている。例えば,ラベンダー精油の吸入で,視床下部を介した胃の副交感神経活動が活性化し,褐色脂肪組織支配下などの交感神経活動を抑制することが報告されている(Jiao Shen et al.2005)。しかし,これらの研究は花や果実を対象としたものが多く,豊富なバイオマス資源である樹木由来の精油については,ヒトの健康増進に関するアンケート等の感覚的なデータが先行し,科学的証明がされているものは少ない。
そこで,本研究では,多くのテルペン類を含み,特有の芳香を有するモミ(Abies sibirica)の葉に含まれる精油に着目し,精油の吸入における新規機能性を探索する目的でラットの自律神経活動に及ぼす影響を元に、人体への影響を検討した。
本発明は上記の課題を解決するべく研究した結果、シベリア産のモミの木から抽出された成分を使用した化粧料、医療材料の薬効成分として好適であることを見出した。ボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンを有効成分とする植物性エッセンスである。ボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンなどを90重量%以上含有するテルペン類の高濃度含有物の形態で提供される。
ボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンを主要有効成分として存在していることを特徴とするモミ科植物の抽出物である。とくにボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンを90重量%以上含有するテルペン系精油を高濃度含有物の形態で提供されるモミの木の抽出物である。モミの葉を水蒸気蒸留して抽出されたモミ精油を乳化して得られた、モミ精油の乳化液を含む睡眠補助材である。
ボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンとをモミの木を水蒸気蒸留によって、テルペン系精油を高濃度含有物の形態で抽出されるモミの木抽出物である。テルペン系精油の高濃度含有物が、シベリア産モミの木を減圧下に水蒸気蒸留し、その留出物を冷却分離することができる。
モミ科植物の抽出物であるテルペン系精油を主要有効成分としては、安眠や熟睡などの睡眠補助剤に優れた効果を発揮できる保健材料の原料として提供できる。シベリア産のモミの木と葉を水蒸気蒸留し、その留出物を冷却分離して得た、カンフェンとピネンとリモネンとボルニルアセテートとカレンとの主要有効成分を90重量%以上含有するモミの木の抽出物を含む0.01〜1%の水溶液をミストの吸引、又は直接摂取する。
すなわち本発明は、モミの木の成分であるボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンなどのテルペン類の精油の複合体を有効成分とする化粧料、医療材料、保健材料に係るものである。
本発明において、モミの木の学名は永遠の命を意味するように、身体の細胞を活性化させる生理活性物質を保有しており、アビエスの名称で森林資源の有効利用に活用されている。モミの木の葉を水蒸気蒸留して、ボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンなどを有効成分として抽出されている。
一般に、主要樹種の葉油成分として、スギは(4−テルピネオール、α−ピネン、リモネン、サビネン、γ−テルピネン、エレモール)、ヒノキは(α−テルピニルアセテート、サビネン、4−テルピネオール、リモネン、エレモール、αピネン)、ヒバは(サビネン、4−テルピネオール、α−テルピニルアセテート、γ−テルピネン、エレモール)、ニオイヒバは(cis−ツヨン、フェンコン、ボルニルアセテート、4−テルピネオール、α−ピネン)、ネズコは(ボルニルアセテート、4−テルピネオール、フェンコン、α−ピネン)、モミは(α−ピネン、リモネン、ボルニルアセテート、カンフェン、カレン)、トドマツは(ボルニルアセテート、リモネン、カンフェン、β−フェランドレン、α−ピネン)、ハイマツは(ゲラニルアセテート、ゲルマクレンD,β−エレメン)クスノキ((+)−カンフェン、カリオフィレン、リモネン、α−ピネン、ゲルマクレンD)、ユーカリは(1,8−シネオール、α−ピネン、α−テルピニルアセテート、α−テルピネオール)で1〜8%含有される。
通常、樹木の葉油成分で、リモネン、ピネン、ボルニルアセテートを含有しているのは、モミとトドマツであるが、その中でピネン、リモネン、ボルニルアセテートを多く含有する木の葉はモミのみである。
ロシア極東地方には白い樹皮をした樹高15〜20メートル、樹径20〜40センチメートルのモミが広く分布している。このモミは他の針葉樹のなかでは一番濃い陰を作り、森林の第二層をなしている。モミの木の精油は、このモミの木の葉から抽出された精油である。
すなわち資源の有効利用につながり、ひいては森林労働者の収入増にもなる。モミの木の精油には揮発成分が多く、このためソフトに、早くかつ効果的に器官に作用する。モミの木の精油の成分には、35〜45種類の生理活性物質が含まれている。クロマトグラフで見ると、実に100種類以上の物質が検出されているがまだ特定できていない成分もある。特定された物のいくつかをあげると、ボルニルアセテート、α−ピネン、カンフェン、β−ピネン、リモネン、カレン、ミルセンなどがある。
本来森林浴は、主に樹木から放出される木の匂いにより、ストレスを解消し、やすらぎを与え副交感神経の活動を活発化することにある。木の匂いは主として、葉、幹、あるいは花から放出される揮発性の物で揮発性のフィトンチッドとして、我々の体に、ストレスを解消させたり、脈拍を減少させたり、脳でのθ波による精神安定したり、血圧を低下させたりする。
フィトンチッドの代表的な成分の一つであるテルペン揮発油などに含まれるテルペン精油という芳香性の液体の一つにα−ピネンがある。α−ピネンは皮膚や呼吸によって体内に入り、細胞を活性化する。モミの木の精油は人々を多くの病気から救う複雑な天然フィトンチッドの複合物である。ボルニルアセテート、α−ピネン、カレンは針葉樹の中でもモミ精油の中に一番多く含まれている。
モミの木の精油の効能・利用について、その中でボルニルアセテートなどは、病気の治療、特に結核、狭心症、緑内障、胆石、白血球減少症、火傷、肝臓病、悪性腫瘍、皮膚病、口腔傷、精神安定剤などに効果がある。モミの葉緑素から作った製剤は食細胞を活性化する作用がある。
モミの木の精油の主な成分は、ボルニルアセテート、ピネン、リモネン、カンフェン、カレンであり、この成分を90%以上含有している。モミ精油の主要成分は極東口シア地方のモミ精油に特に豊富に含まれている。抗菌剤、化膿防止、脳の精神安定等の各種健康医療薬品として効果を示している。
モミの木の精油には、カンフェンは10%以上含有されており、化膿防止等の各種医療薬品並びに芳香剤や香料の原料として重要な物質である。
またα−ピネン、カレンなどのモノテルペン類の炭化水素類を25%以上含有しており、α−ピネンはほとんどの精油に含まれている成分で殺菌作用、抗菌作用、うっ血除去作用、ステロイドホルモン作用、鎮痛作用、むくみを除去する作用(腎臟機能を高め利尿作用)がある。鎮痛、殺菌、血糖値降下、脂肪溶解、消炎・鎮痛作用、精神安定作用に有効である。
さらにβ−ピネン炭化水素類を2%以上含有しており、このβ−ピネンは、エストロゲン様作用、すなわち皮膚を構成する細胞に働きかけ弾力性を保つコラーゲン、保湿性を保つヒアルロン酸などの物質を増やし、粘膜を強化する。また動脈硬化の予防、骨粗鬆症の予防、骨芽細胞の増殖を計る。浮腫解消作用ももっている。
リモネンを5%以上含有しており、ピネン類と同じような作用がある。血流増加作用、エストロゲン様作用、鎮痛、血流増加、利尿作用、血糖低下作用、血圧降下作用、またリモネンは視床下部に働きかけて血流を増やす効果を示す。
本発明に係る化粧料に供する保湿剤としては、いずれも保湿剤を適用できる。これには例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン等が挙げられる。これらを添加することもできる。さらにこのモミの木の精油は馬油などの動物性脂肪との相性は良くて、新規の化粧料になる。
以上説明した本発明において、天然物であるモミの木精油は、ボルニルアセテートとカンフェンとピネンとリモネンとカレンとを有効成分とし、したがって安全性に懸念が無く、心身を癒し健康や美容に役立てる自然療法で、脳の精神的安定化とともに睡眠補助に優れた効果を発揮し、しかもその効果にバラツキの無い医療材料と保健材料を提供できるという効果がある。次の症状に記述の処方によって効果が示される。
1)アロマテラピーとして、お湯に数滴たらして部屋に置く。森林の香りが広がりリラックス効果が抜群で、虫除けにもなる。
2)微量の吸引によって、安眠、安息、精神的安定による睡眠補助の効果を示す。
4)副交感神経を活発化させ、より深い睡眠状態を増大させる
その効果は、本発明のモミの木の精油がいずれも肌荒れの改善や皮膚の老化防止に所望どおりの効果を発揮するとともに、このモミ木の精油が、睡眠補助の精神的安定化の保健材料に所望通りの効果を発揮するものであった。
モミの木の精油の製造方法の図 モミの木の精油のGC−MSスペクトル図 モミの木の精油の吸引によるBAT−SNA測定の変化図 A:1回目嗅覚刺激試験 B:2回目嗅覚刺激試験 モミの木の精油の吸引によるGVNA測定の変化図 A:1回目嗅覚刺激試験 B:2回目嗅覚刺激試験
本発明に係る実施形態としては、つぎの点が挙げられる。
本来森林浴は、主に樹木から放出される木の匂いにより、ストレスを解消し、やすらぎを与え副交感神経の活動を活発化することにある。木の匂いは主として、葉、幹、あるいは花から放出される揮発性の物で揮発性のフィトンチッドとして、我々の体に、ストレスを解消させたり、脈拍を減少させたり、血圧を低下させたりする。
テルペン類の精油に含まれる芳香性の液体としてボルニルアセテート、α−ピネン、カンフェン、β−ピネン、リモネン、カレン、ミルセンなどがある。α−ピネンは皮膚や呼吸によって体内に入り、細胞を活性化する。モミの木の精油は人々を多くの病気から救う複雑な天然フィトンチッドの複合物である。ボルニルアセテートとαピネンなどは針葉樹の中でもモミの木の精油の中に一番多く含まれている。このテルペン類の精油を効果的に利用した。
図1に示すように、枝打ちした新鮮なシベリア産のモミ木の葉を採取して、100kgを水蒸気蒸留釜に投入して、別の釜から水蒸気を発生させてモミの木の葉を蒸して水蒸気蒸留を行なった。水蒸気によって抽出された蒸気分を冷却・凍結して凝縮・分離させて、それを容器に集めた。
容器内は上層部に2.5kg程度のモミの木の精油が得られた。具体的な製法として、1)原料となるモミの葉の採取モミの成長を助けるために下打ちした新鮮な葉を集め、2)集められたモミ木の枝、葉を水蒸気蒸留装置に入れて、水蒸気で蒸した。3)蒸されることで抽出されたモミの木の抽出物は、冷却することにより、油分と水分に分離した。4)分離することで「モミの木の精油」と蒸留水「モミ水」が作られ、自然の方法でモミの木の精油が抽出された。このようにして天然100%のモミの木の精油が生まれた。
「モミ精油の成分分析」
モミ精油は(株)ゼックフィールドにてモミ(Abies sibirica)の葉を水蒸気蒸留法により得たものを用意した。これをメタノールで100倍希釈して1mlとしたものをGC−MSに供し,成分分析を行った。GC−MSの分析条件は以下のとおりである。
Instrument:Shimazu GCMS−QP 5050A
Injection temperature:250℃
Ionization voltage:70eV
Ionization mode:El
Date processing method:Split
Split ratio:25.0
Column:DB−5 MS[J&W scientific 0.25(φ)mm×30(L)m]
Carrier gas:He
Flow rate:42ml/min
Detector temperature:250℃
MS detection:40−500m/z
Column temperature:80℃(isothermal for 2 min.)with an increase of 5℃/min.to 250℃(isothermal for 9 min.)
上記のサンプルのGC−MSの分析の結果図を図2に示す。
図2の分析結果は、モミ精油のGS−MS分析で、全分析時間48minのうちピークの観測された保持時間として約413minにピークが示された。
検出されたピークはほとんどがモノテルペン類であり、主要な5つのピークで全ピークのトータル面積の約90%を占めた。それぞれのピークのマスフラグメントパターンおよび保持時間(Retention time,t)より、主要5成分はα−Pinene(ピネン),Camphen(カンフェン)、β−Pinene(ピネン),Limonene(リモネン),Bornyl acetate(ボルニルアセテート)δ3carene(カレン)であると同定された。それぞれの成分の相対比(ピーク面積)はα−Pinene,Camphen,β−Pinene、Limonene,Bornyl acetate、δ3careneであり、ボルニルアセテート、ピネンが多く含有されている
モミの木の精油の性状は、芳香をもつ無色あるいは淡黄色の揮発性、可燃性液体で、水にはほとんど不溶、動植物油脂と任意の割合で溶け合う。20℃における密度0.887/cm、屈折率1.4682、酸性度0.49である。
次に実験方法として、
「供試料」:
モミの葉精油(FLEO)は(株)ゼックフィールドにて水蒸気蒸留法により得たものを実験に用いた。それぞれを蒸留水で100倍希釈して1mlとした懸濁液を供試料とした。
「嗅覚刺激中の揮発成分の経時的測定」:
供試料をそれぞれ紙コップの底に敷いたキムワイプに滴下して,所定の時間揮発させた。その後バイアル瓶にキムワイプを移し,0−10,10−20,20−30,30−40,40−50,50−60分の各10分間の揮発成分をバイアル瓶内に充満させ,そのヘッドスペースガスをGC‐MS分析に供し,時間経過による揮発成分の組成変化を測定した。
「動物実験」:
実験動物は11−13週齢の雄Wistarラット(280−310g)を用いた。室温24±1℃,12時間のライトサイクルで飼育し、餌と水は自由摂取とした。ウレタン麻酔下ラットにおいて,褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)測定では,肩甲骨間の褐色脂肪を支配する交感神経を,胃枝迷走神経活動(GVNA)測定では,胃を支配する副交感神経を剥き出し,銀線電極に掛けた。電極より得られたBAT−SNAおよびGVNAは電気生理学的手法によりPCに記録した。嗅覚刺激(OS)は,供試料をそれぞれ紙コップの底に敷いたキムワイプに滴下してラットの鼻先に提示して行い,OS前後のBAT−SNAおよびGVNAの経時変化を記録した。提示の方法は2通りの方法で行った。▲1▼同じ試料を60分間連続で提示する60分間連続OS▲2▼10分ごとに新しく調製した吸入試料と交換し,計60分提示する10分交換制OS。▲1▼についてはBAT−SNAのみ,▲2▼についてはBAT‐SNAとGVNAを測定した。
「結果および考察」として:
▲1▼のにおい提示法においてFLEOはBAT−SNAを抑制した。しかしOS中に,抑制されたBAT−SNAが上昇したりして効果が持続しないことが示された。そこで,OS中の揮発成分を経時的に追跡したところ,OS開始後10分の間にFLEOは80%の成分が揮発することが明らかとなり,▲1▼では常に新鮮な精油のにおいを吸入できていないことが示唆された。そこでOSの方法を▲1▼から▲2▼に変更し,常に新鮮なにおいを吸入できるようにしたところ,FLEOにおいて,OS中に加えてOS終了後60分程度まで大きくBAT−SNAが抑制され続けた。また,GVNAはOS中に活性化したことが観察された。このことからFLEOの揮発開始後10分間のにおいによるOSは交感神経活動を抑制し、副交感神経活動を活性化することが明らかとなった。
1.モミ精油の調製
モミ精油を蒸留水で100倍希釈して1mlとした懸濁液を嗅覚刺激の供試料とした。
2.動物実験
2.1.実験動物
実験動物は12週齢の雄Wistarラット(280−300g)を用いた。室温25℃,12時間のライトサイクルで飼育し,餌と水は自由摂取とした。麻酔はウレタン溶液の腹腔内投与(0.6−0.7ml/体重300q)で行った。
2.2.褐色脂肪組織交感神経活動(BAT−SNA)の測定
麻酔下ラットの肩甲骨周辺の毛をバリカンで刈り,肩甲骨上部を肩甲骨のカーブに沿って1〜1.5cm切開し,ピンセットを用いて肩甲骨と褐色脂肪組織を剥離して肩甲骨間の褐色脂肪組織を支配する交感神経の束を探索した。この交感神経の束は周囲の組織に貼り付いているため,ピンセットで周囲の組織から剥離した。褐色脂肪組織側(末端側)で神経の束を切断し,3〜4本の交感神経が束になっているものを神経と神経の間を剥離して1本ずつに分けた。この交感神経は結合組織に覆われているため,このままでは活動電位の測定が困難なため,結合組織を除去しなければならない。まず,末端側切断面から少し露出している透き通った神経の先端をピンセットでつまみ,もう一方のピンセットで神経を覆っている結合組織のみをつまみ,中枢側に結合組織のみを引っ張り下げて透き通った神経全体を露出させた。この状態の神経を銀線電極にかけ,そこに流動パラフィンを流し込んで周囲のノイズが入らないように絶縁した。
2.3.胃枝迷走神経活動(GVNA)の測定
麻酔下ラットの腹部の毛を刈り,外科剪刀を用いて左右に大きく切開した。さらに上下に切開して臓器を露出させ,小腸,大腸は体外に取り出し,乾燥を防ぐために生理食塩水に浸したキムワイプに包んだ。肋骨,剣状突起を止血鉗子で挟み,肝臓を露出させ,肝臓と横隔膜,胃などを繋ぐ間膜を切断し,固定されていた肝臓の可動域を広げた。胃も同様に脾臓などと繋がっている間膜を切断して可動域を広げた。肝臓と胃の下部に細く裂いた乾いたキムワイプを貼りつけ,肝臓はラットの右側に,胃はラットの下方に移動させ,食道を露出させた。食道に沿って胃へと向かう胃枝迷走神経を確認し,時計ピンセットを用いて食道から引き剥がした。迷走神経を金属プレート上に乗せ,2本の銀線電極上に引っ掛けた。銀線電極は金属プレートやラットの身体に触れないように位置を調整した。乾燥を防ぎ,絶縁するために銀線電極ごと迷走神経を流動パラフィン‐ワセリン混合液で包んだ。
2.4.データ解析
電極より得られた神経活動は高感度生体電位増幅器ER−1で増幅し,増幅した神経活動をPower Labシステムで測定した。神経活動はオシロスコープでリアルタイムにモニタリングし,さらにコンピュータに記録して解析した。
2.5.嗅覚刺激(Olfactory stimulation)
30分間刺激を与えずに神経活動を測定した後,嗅覚刺激を行った。嗅覚刺激は100倍希釈モミ精油懸濁液を染み込ませたキムワイプを紙コップに入れ,これをラットの鼻先に呈示することで行った。嗅覚刺激試料は10分ごとに新しく調製したものと交換して計60分間の嗅覚刺激を継続した。その後,試料を除去して嗅覚刺激を終了し,引き続き神経活動を測定して挙動を観察した。
「BAT−SNA測定結果」
100倍希釈モミの葉精油懸濁液を10分おきに新しく調製したものと交換して計60分間嗅覚刺激を行ったところ,嗅覚刺激開始5〜15分後から大きくBAT−SNAが減少し,嗅覚刺激中その効果は継続した。嗅覚刺激終了後も50〜80分間はBAT−SNAは減少したままで,その後緩やかにコントロールと同程度のBAT−SNAまで回復していった。このことから,モミの葉精油の揮発開始後10分間の揮発成分による嗅覚刺激は交感神経活動を大きく抑制することが示された。結果は図3に示された。
3.GVNA測定結果
100倍希釈モミの葉精油懸濁液を10分おきに新しく調製したものと交換して計60分間嗅覚刺激を行ったところ,嗅覚刺激開始5分後からGVNAの増加が見られ,刺激中その効果は継続していた。刺激終了後もGVNAの増加が時折見られ,刺激を終了してもその効果が現れることが観察された。このことから,モミの葉精油の揮発開始10分間の揮発成分による嗅覚刺激は副交感神経活動を活性化することが図4に示され,交感神経活動の抑制と相関する結果となった。
動物実験の結果をもとに、ヒトへの影響について官能評価をおこなった。モミ精油を蒸留水で100倍希釈して1mlとした懸濁液を、ヒトに投与し、嗅覚刺激による交感神経活動の抑制と相関する睡眠補助の供試料とした。
通常の成人10名(20〜40歳の壮年層の方で男女各5名にお願いした)に試験した。
「実験方法」
就寝1時間程度前よりモミ精油1%水溶液を、芳香器を用いて部屋内に拡散させた。このような状態で約7日間使用して頂き、効果について聞き取り調査を行った。
効果があった方: 9名 (男性:4、女性:5)
効果がなかった方: 1名 (男性:1)
その結果、あくびがでる。会話のスピードが遅くなる。まぶたが重く感じる。眠くなった。就寝時寝つきが早くなった。熟睡した。疲れが取れたなどの報告が得られた。

Claims (3)

  1. モミの葉を水蒸気蒸留して抽出されたモミ精油を乳化して得られた、モミ精油の乳化液を含むことを特徴とする睡眠補助材。
  2. 前記モミ精油は、同モミ精油の全量基準で30質量%以上のボルニルアセテートと、カンフェンと、ピネンと、リモネンとを含み、
    前記モミ精油の全量基準で、ボルニルアセテートと、カンフェンと、ピネンと、リモネンとの合計量が90質量%以上である請求項1に記載の睡眠補助材。
  3. シベリア産のモミの木と葉を水蒸気蒸留し、その留出物を冷却分離して得た、カンフェンとピネンとリモネンとボルニルアセテートとカレンとの主要有効成分を90重量%以上含有するモミの木の抽出物を含む0.01〜1%の水溶液をミストの吸引、又は直接摂取することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の睡眠補助材
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