JP2016150870A - 活性炭の製造方法及び活性炭を含む電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】 上記事情に照らして、組織の構造が不均一な天然物由来の材料を使用したとしても、組織の構造が全体に均一で、且つ好ましい範囲の細孔を有することにより、EDCLやLIC等の電極にしたときに剥離が生じにくく、機械特性に優れる活性炭の製造方法及び活性炭を備えた電極を提供する。
【解決手段】 本発明に係る活性炭の製造方法は、セルロースを少なくとも含む炭素原料を不活性雰囲気下で加熱することにより、炭化物質を得る炭化工程と、前記炭化物質、アルカリ金属化合物及びリン化合物を混合することにより、混合物を得る混合工程と、前記混合物を粉砕することにより粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物を不活性雰囲気下で賦活することにより活性炭を得る賦活工程とを少なくとも含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係る活性炭の製造方法は、セルロースを少なくとも含む炭素原料を不活性雰囲気下で加熱することにより、炭化物質を得る炭化工程と、前記炭化物質、アルカリ金属化合物及びリン化合物を混合することにより、混合物を得る混合工程と、前記混合物を粉砕することにより粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物を不活性雰囲気下で賦活することにより活性炭を得る賦活工程とを少なくとも含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、活性炭の製造方法及び活性炭を含む電極に関する。特に、本発明は、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタの電極に最適な活性炭の製造方法及び活性炭を含む電極に関する。
電気二重層キャパシタ(EDLC)やリチウムイオンキャパシタ(LIC)は、一般的な二次電池と比較して、出力密度及び充放電のサイクル寿命に優れているという特徴を有し、これらの用途は拡大してきている。
近年、環境保護の観点より、天然物、特に植物由来の廃棄物の有効利用が求められている。このような廃棄物の有効利用の一つとして、廃棄物を炭素化して活性炭とし、EDLC、LIC等の電極用の材料として利用する方法がある。
このような活性炭の製造方法としては、木質系の廃棄物にリン酸を配合して炭化し、その後水蒸気賦活して活性炭とする方法が開示されている(例えば、特許文献1)。また、炭化したヤシ殻をアルカリ賦活する方法(例えば、特許文献2)や、炭化したヤシ殻をアルカリ賦活した後、更に水素賦活をする方法(例えば、特許文献3)が開示されている。更に、炭酸カリウムでパン、ビール等由来の酵母を賦活する方法(例えば、特許文献4)や、竹炭に対してリン酸を賦活に使用し、メソ孔の多い竹炭を得る方法が開示されている(例えば、非特許文献1)。
炭素誌 TANSO 2014[No.261]
植物由来の廃棄物として、例えば、ヤシは、パーム油を取った残りのヤシ殻や穀物を取った後のもみ殻等が挙げられる。また、木材を加工する際に生じる木片や木粉等も、植物由来の廃棄物である。このような植物由来の廃棄物を処理した活性炭は、活性炭の脱臭等の用途に用いられている。しかしながら、植物は、その体組織の構造によって筋のような高密度で硬い箇所と低密度で柔らかい箇所があり、不均一である。このような不均一な構造は、活性炭とした後も不均一な構造のままであり、目視可能なマクロのレベルでは均一な構造に見えるものの、数μmオーダーの目視できないようなミクロのレベルでは不均一な構造である。また、従来の植物由来の活性炭は、その細孔の大きさが小さい。そのため、このような活性炭は、キャパシタ等の電極に用いる材料として、キャパシタ等に要求される性能を満足することが困難であった。
特許文献1に示す例では、水蒸気等の気体による賦活を行うために十分な表面積を得ることができない。また、キャパシタ等の電極に用いる材料に求められる、電極への保持力、すなわち密着性等の機械的特性に優れる活性炭を製造することは難しい。特許文献2の例では、植物由来の材料自体の構造が不均一であることに起因して、固体のアルカリ賦活剤を用いて賦活を行っても、製造した活性炭の細孔や粒子の大きさ等の構造が不均一になりやすい。このため、キャパシタ等の電極に使用した場合、活性炭が剥離しやすい。特許文献3の例では、アルカリ賦活をした後の水素賦活は煩雑であり、水素を使用する可能性がある。また、特許文献4に示す例では、用いられる炭酸カリウムは賦活力が弱いため、酵母に限定される。更に、非特許文献1に示す例でも、密着性等の機械特性に優れる活性炭を得ることはできない。
本発明は、上記事情に照らして、組織の構造が不均一な天然物由来の材料を使用したとしても、組織の構造が全体に均一で、且つ好ましい範囲の細孔を有することにより、EDCLやLIC等の電極にしたときに剥離が生じにくく、機械特性に優れる活性炭の製造方法及び活性炭を備えた電極を提供することを目的とする。
天然物由来の材料は、目視可能なマクロのレベルでみれば均一な組織構造に見えても、目視できない数μmオーダーのミクロのレベルでみれば不均一な構造であることが多い。その不均一な構造は、炭化して活性炭にした際にも活性炭の性能に影響を与える。そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ね、セルロースを主体とする原料を炭化して得た炭化物質、炭化物質アルカリ金属化合物及びリン化合物を混合して混合物とし、該混合物を粉砕後、不活性雰囲気下で賦活すれば、組織構造が全体的に均一な組成で好ましい範囲の細孔を有する活性炭となり、電極に使用した際に剥離や機械特性に優れることを見出し、本発明に想到するに至った。
本発明に係る活性炭の製造方法は、セルロースを少なくとも含む炭素原料を不活性雰囲気下で加熱することにより、炭化物質を得る炭化工程と、前記炭化物質、アルカリ金属化合物及びリン化合物を混合することにより、混合物を得る混合工程と、前記混合物を粉砕することにより粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物を不活性雰囲気下で賦活することにより活性炭を得る賦活工程とを少なくとも含んでいる。
また、本発明は、別の側面にて電極である。該電極は、前記製造方法にて製造した活性炭と、集電体と、前記活性炭を前記集電体に結着する結着剤とを少なくとも含む。更に、本発明は、別の側面にて電気二重層キャパシタである。該電気二重層キャパシタは、前記電極を少なくとも含む。
また、本発明は、別の側面にて電極である。該電極は、前記製造方法にて製造した活性炭と、集電体と、前記活性炭を前記集電体に結着する結着剤とを少なくとも含む。更に、本発明は、別の側面にて電気二重層キャパシタである。該電気二重層キャパシタは、前記電極を少なくとも含む。
本発明によれば、セルロースを含む材料を使用し活性炭を製造するにあたって、特に、植物性セルロースを含む組織構造の不均一な原料を用いても、結果的に組織構造が均一で、且つ、好ましい範囲の細孔を有する活性炭を得ることができる。また、このような炭化物を電極に用いれば、機械特性に優れて剥離しにくい電極、EDLC及びLICを得ることができる。
以下に、本発明に係る活性炭及び電極の製造方法の一実施の形態について、説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
活性炭の製造方法の一実施の形態について説明する。本実施の形態の活性炭の製造方法は、炭化工程と、混合工程と、粉砕工程と、賦活工程とを少なくとも含む。
炭化工程は、セルロースを少なくとも含む炭素原料を不活性雰囲気下で加熱して炭化し、炭化物質とする工程である。
炭素原料は、植物性セルロースを少なくとも含む。当該炭素原料としては、特に限定はされないが、木粉、もみ殻、竹等の植物由来の原料を用いることができる。これらの原料は、2種以上を混合した混合物とすることができる。前記炭素原料は、結晶の発達していない炭素を含み、当該炭素の結晶構造はグラファイト層が乱れて配列した乱層構造を有し、難黒鉛化性炭素に分類される。
炭素原料は、例えば、粉末状、ペレット状、チップ状の形状のものを使用することができる。前記形状とするためには、炭化工程の前に、公知の処理方法を適用することができる。
また、炭化工程では、予め粉砕した炭素原料を用いることができる。また、減圧下で加熱して炭化することができる。炭素原料の粉砕方法としては、ボールミル等が挙げられる。
また、炭化工程は、炉内での加熱対象物の搬送方法がローラー式又はベルトコンベア式の連続式加熱炉を用いて、行うことができる。前記連続式加熱炉としては、加熱する混合物の搬送方式がローラー式のローラーハースキルンを用いることができる。このような方式であれば、炉内での温度の制御が容易となり、より簡易に炭化工程を実施することができる。
炭化工程の加熱温度及び加熱時間は、炭素原料を炭化できる温度及び時間であればよく、特に限定されない。一例として、加熱時間は400〜700℃程度であり、加熱時間は、1時間〜5時間程度とすることができる。
炭化工程を不活性雰囲気下で行うための不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス(N2)及びアルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)、キセノンガス(Xe)、ネオンガス(Ne)等の希ガス等を用いることができる。
次いで、混合工程は、前記炭化物質、固体のアルカリ金属化合物及びリン化合物を所定の割合で混合する工程である。
混合工程にて使用するアルカリ金属化合物は、固体状であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及びこれらの炭酸塩からなる群より選択される1種以上を用いることができる。前記アルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物や、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群より選択される1種以上が挙げられる。これらのうち、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又はそれらの混合物が微細孔を効率よく形成できる点で好ましい。水酸化カリウムと水酸化ナトリウムとを混合する場合、これらの混合比は質量比にて1:0.5〜2とすることができる。
混合工程にて使用するリン化合物は、リン酸エステル又はその塩挙げられる。前記リン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、ビフェニルジフェニルフォスフェート(BDP)、トリブチルメチルアンモニウムジメチルフォスフェート(TBMA)、ソディウムメチル(4−ニトロフェニル)フォスフェート、トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリエチルホスフェート(TBP)、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート(TOP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、テトラ−n−ブチルアンモニウムホスフェート、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、ソディウム4-ニトロフェニルホスフェート及びソディウムナフチルホスフェートからなる群より選択される1種以上のリン酸エステル又はこれらの塩が挙げられる。
混合工程での炭化物質とアルカリ金属化合物との配合割合は、質量比で1:0.12の範囲内が好ましく、より好ましくは1:0.21の範囲内である。前記混合割合が2以下の範囲内であれば、炭素原料に細孔を充分に形成することができ、充分な表面積を有する活性炭を得ることができる。また、前記混合割合が0.1以上であれば、炭化物質嵩密度が低下することなく、効率のよい賦活処理を行うことができる。
混合工程での炭化物質とリン化合物との配合割合は、質量比で1:0.01〜0.1であり、好ましくは1:0.03〜0.1である。この範囲であれば、リン化合物の構造が均一となる。
粉砕工程は、アルカリ賦活反応を行う前に、炭化物質と、アルカリ金属化合物と、リン化合物との混合物を、粉砕する工程である。なお、混合工程と粉砕工程は、粉砕と混合を同時に行う粉砕混合工程とすることもできる。
粉砕工程の処理温度及び処理時間は、混合物を粉砕できればよく、特に限定されないが、例えば、粉砕工程の温度を10〜70℃とし、粉砕時間を0.1〜5時間とすることができる。
粉砕工程の粉砕方法は、炭化物質とアルカリ金属化合物との混合物が粉砕できればよく、特に限定されないが、前記粉砕は、ハンマー回転式粉砕機(ハンマーミル)、ボールミル、振動ミル等を用いて行うことができる。これらのうち、好ましくは、打撃による粉砕を行う、ハンマー回転式粉砕機である。ハンマー回転式粉砕機の回転数は、例えば、3000rpm〜15000rpmであり、滞留時間は10秒〜60秒とすることができる。このような粉砕機を使うことによって、打撃される一定の範囲で均等に力が加わり、混合物中の各混合物を均一に粉砕できる。また、これにより、粉砕混合物に対するアルカリ金属化合物及び/又はリン化合物の均一な浸透を達成する。
粉砕工程は、不活性雰囲気下で行うことができ、例えば、乾燥した不活性ガス雰囲気下で行うことができる。また、乾燥した不活性ガス雰囲気下で粉砕した後、乾燥した不活性ガスを除去し、減圧下で更に混合することもできる。また、粉砕工程を不活性雰囲気下で行う場合には、製造コストの観点より、不活性ガスの気流下で連続的に実施し、バグフィルタ等の集塵器により、粉砕物を捕集することができる。前記不活性ガスとしては、前述の炭化工程と同様の不活性ガスを適用することができる。
粉砕工程では、粉砕物の粒度分布の累積頻度の80%以上の混合粒子は、モノモーダルな分布、すなわち一山の分布になることが好ましく、90%以上がより好ましい。累積頻度の80%以上が複数の山の分布を持ち、モノモーダルではない粉砕物をアルカリ賦活すると、得られる活性炭の比表面積は小さくなり、製造ロット間のバラツキは大きくなるため、好ましくない。また、累積頻度が80%未満の場合、その集合粒子がモノモーダルな分布であっても、域外の粒子の影響が大きくなり、所望の活性炭は得ることができない。なお、モノモーダルは、一山の形状であるピークであり、当該ピークには尖っているものから、台形状のもの、ピークに対し、低分子側又は高分子側に肩があるものを含む。また、「混合粒子」とは、炭化物質、アルカリ金属化合物及びリン化合物を混合した粒子をいう。
また、前述の累積頻度80%の混合粒子とは、レーザー散乱による粒度分布測定において、「累積頻度% vs 粒径」曲線から、累積頻度80%に相当する粒径を求め、その粒径以下の粒子の集合体を意味する。前記粒度分布は、公知のレーザー散乱法により測定することができる。レーザー散乱法による粒度分布測定装置としては、例えば、堀場製作所社製LA−950、マルバーン社製マスターサイザー、日機装社製マイクロトラック等を使用できる。
続いて、賦活工程は、前記粉砕物を、不活性雰囲気下で賦活処理することにより、活性炭を得る工程である。本工程では、賦活処理後の活性炭を賦活物という場合がある。
賦活工程は、粉砕物を不活性雰囲気下に密閉し、且つ、該粉砕物を加熱できる設備であれば、いかなる設備でも処理可能な工程である。例えば、ヒータを備えた管状炉等を用いることにより、賦活工程を実施することができる。
賦活工程での賦活温度は、混合物を活性化できる温度であればよく、特に限定されないが、例えば、賦活処理温度を、500℃〜1200℃とすることできる。賦活温度が上記範囲内であれば、充分な微細孔を有する活性炭を効率よく得ることができる。好ましくは600℃〜1000℃、より好ましくは600℃〜800℃とすることができる。また、賦活処理時間は、前記温度条件等との関連において適宜選択することができ、例えば、3〜6時間程度とすることができる。
賦活工程を不活性雰囲気下で行うための不活性ガスとしては、前述の炭化工程及び/又は混合工程と同様の不活性ガスを適用することができる。また、賦活工程では、賦活雰囲気の酸素濃度を0〜100ppmに保持できるような供給量として不活性ガスを導入することが好ましい。
また、本実施の形態の活性炭の製造方法は、任意選択的に、洗浄工程を更に含むことができる。
洗浄工程は、前記賦活工程にて得られた賦活物を洗浄液により洗浄して、固液分離を行う工程である。このような洗浄方法としては、賦活物を洗浄液に浸漬し、必要に応じて攪拌、加熱等を行い、洗浄液と混合した後、洗浄液を除去する方法を挙げることができる。
洗浄工程に用いる洗浄液としては、賦活物を洗浄できればよく、特に限定されないが、洗浄液として水及び/又は酸水溶液を用いることが好ましい。このような方法としては、例えば、水による洗浄、酸水溶液による洗浄、更に水による洗浄等、適宜組み合わせた洗浄方法用いることができる。これらの洗浄液による洗浄は必要に応じて複数回反復して行うこともできる。
洗浄液として用いる酸水溶液は、好ましくは、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、炭酸等の無機酸又はこれらの混合物を用いることができる。また、酸水溶液の濃度としては、例えば、0.01〜3mol/lの範囲内を挙げることができる。
本実施の形態の製造方法により得られた活性炭は、平均粒子径が1〜12μmであり、窒素ガス吸着法(BET法)により測定した比表面積が1500〜3000m2/gであり、好ましくは1850〜2200m2/gである。また、比表面積の標準偏差値は、37m2/g以下であり、好ましくは34m2/g以下である。更に、賦活処理後の活性炭のBET法による細孔直径が0.1〜50nmの細孔容積が0.5〜3ml/gであり、水銀圧入法による細孔直径が0.05〜300μmの細孔容積が0.4〜5ml/gである。更に、残存アルカリ金属量は200質量ppm以下である。
更に、本実施の形態の製造方法により得られた活性炭は、相対的にメソ孔の割合がマクロ孔よりも大きい。なお、メソ孔とは、その直径が2〜50nmの細孔であり、マクロ孔とは、直径が50nm以上の細孔を意味する。
更に、本実施の形態の製造方法により得られた活性炭は、そのミクロ孔の比表面積が2150m2/gを超えて2350m2/g以下の範囲内であることが好ましい。また、そのメソ孔の比表面積が110m2/gを超えて170m2/g以下の範囲内であることがより好ましい。
上記の特性を有する活性炭を電極に用いることにより、接着強度が強く、集電体からの剥離を生じない電極を提供することができる。そして、このような電極を用いれば、単位体積当たりの静電容量が大きく、機械的強度が強い電気二重層キャパシタを提供することができる。
続いて、以上の工程を経て製造した活性炭を含む電極の一実施の形態について、説明する。前記電極は、前記実施の形態の活性炭と、集電体と、結着剤とを少なくとも含む。
集電体としては、公知の材質及び形状の材料を使用することができるが、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)等の金属又はステンレス等の合金を用いることができる。
結着剤としては、公知のものを使用することができるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン及び/又はビニルエーテル共重合体架橋ポリマー等のフッ素化ポリマー、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル系ポリマー、ポリアクリル酸等が挙げられる。
電極中の結着剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、活性炭と結着剤の合計量に対して、0.1〜30質量%程度の範囲内で含有することができる。
本実施の形態の電極は、好ましくは導電剤を加えて構成され、また更に集電体と一体化した電極とすることができる。
導電剤としては、カーボンブラック、粉末グラファイト、酸化チタン、酸化ルテニウム等の粉末を用いることができる。
電極中の導電剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、活性炭、結着剤及び導電剤の合計量に対して、1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%程度の範囲内で配合することができる。
なお、活性炭、結着剤、導電剤を混合する方法としては、公知の方法が適宜適用される。そして電極の製造方法としては、例えば、結着剤を溶解する性質を有する溶媒を上記成分に加えてスラリー状としたものを集電体上に均一に塗布する方法や、あるいは溶媒を加えないで上記成分を混練した後に常温又は加熱下で加圧成形する方法が採用される。
本実施の形態の電極は、集電体からの剥離強度が好ましくは3.7gf/mmを超え、より好ましくは4.0gf/mmを超える範囲内である。前記範囲内の特性を有する電極を電気二重層キャパシタの電極に用いることにより、単位体積当たりの静電容量が大きく、剥離が生じにくく、機械的強度が強い電気二重層キャパシタを得ることができる。
以上の構成の電極を含む電気二重層キャパシタの一実施の形態について、説明する。本実施の形態の電気二重層キャパシタは、前記電極を少なくとも含む。
電気二重層キャパシタは、一般に上記活性炭からなる電極を正極及び負極として一対用い、セパレータを介して対向させ、電解液中に浸漬することによって形成される。セパレータとして、ポリプロピレン繊維不織布、ガラス繊維不織布、合成セルロース紙等を用いることができる。
電解液としては、公知の水系電解液及び/又は有機系電解液を使用することができるが、有機系電解液を用いることがより好ましい。
有機系電解液としては、電気化学の電解液の溶媒として使用されるものを用いることができる。このような有機系電解液として、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、スルホラン誘導体、3−メチルスルホラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、グルタロニトリル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチルフォルメート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の電解液又はこれらのうちの2種以上の混合液を挙げることができる。
また、有機電解液中の支持電解質としては特に限定されないが、電気化学の分野又は電池の分野で通常使用される塩類、酸類、アルカリ類等の各種のものが使用できる。このような支持電解質として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。具体的には、(C2H5)4NBF4、(C2H5)3(CH3)NBF4、(C2H5)4PBF4、又は(C2H5)3(CH3)PBF4等が挙げられる。
電解液中のこれらの塩の濃度は、電気二重層キャパシタの用途及び/又は要求性能に応じて適宜選択することができるため、特に限定されないが、例えば、前記濃度は、0.1〜5mol/l、好ましくは0.5〜3mol/l程度の範囲内で適宜選択することができる。
本実施の形態の電気二重層キャパシタのより具体的な構成としては、例えば、厚さ10〜500μmの薄いシート状又はディスク状の一対の電極(正極と負極)の間にセパレータを介して金属ケースに収容したコイン型の構成を採用することができる。またその他の構成としては、一対の電極をセパレータを介して捲回してなる捲回型の構成、セパレータを介して多数の電極群を積み重ねた積層型の構成等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
[活性炭の調整]
[実施例1]
東南アジア製のヤシ殻粉末を炭素原料とし、窒素雰囲気下で炭化させた(炭化工程)。この時の炭化の条件は600℃で1時間であった。続いて、活性炭の調整方法について、その調整に用いた装置を図1に示す。図1に示す粉砕混合機1を用い、定量供給機2より先の炭化粉末(平均粒径8μm)を、定量供給機3より水酸化カリウム(KOH)フレーク(純度95%以上、フレークの大きさは約2cm以下)及びトリフェニルホスフォート(TPP)を、質量比でTPP:KOH:炭化物=0.03:1.8:1.0となるように配合し、ハンマー回転式の粉砕機4に同時供給して連続的に粉砕混合し、窒素気流に乗って粉砕機より出てきた粉砕混合品を連続的にバグフィルタ5によって捕集し、容器6に集めた。なお、本工程でのハンマーミルの回転数は5000rpmとし、滞留時間は15秒とした(混合工程、粉砕工程)。
[実施例1]
東南アジア製のヤシ殻粉末を炭素原料とし、窒素雰囲気下で炭化させた(炭化工程)。この時の炭化の条件は600℃で1時間であった。続いて、活性炭の調整方法について、その調整に用いた装置を図1に示す。図1に示す粉砕混合機1を用い、定量供給機2より先の炭化粉末(平均粒径8μm)を、定量供給機3より水酸化カリウム(KOH)フレーク(純度95%以上、フレークの大きさは約2cm以下)及びトリフェニルホスフォート(TPP)を、質量比でTPP:KOH:炭化物=0.03:1.8:1.0となるように配合し、ハンマー回転式の粉砕機4に同時供給して連続的に粉砕混合し、窒素気流に乗って粉砕機より出てきた粉砕混合品を連続的にバグフィルタ5によって捕集し、容器6に集めた。なお、本工程でのハンマーミルの回転数は5000rpmとし、滞留時間は15秒とした(混合工程、粉砕工程)。
前記粉砕は、前記粉砕混合品の粒度分布をレーザー散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、粒度分布の累積頻度の90%以上が、モノモーダルな分布であった。前記粉砕混合物1000gを24ケのニッケル製反応容器トレイに入れ、窒素気流下750℃で1時間加熱し、賦活を行った(賦活工程)。賦活後、反応物を水に入れて金属カリウムを失活させた。この後、反応物を塩酸で洗浄し、洗液が中性になるまで水洗を繰り返した。水洗後の反応物を150℃で加熱して乾燥させ、実施例1の活性炭を得た。
[実施例2]
TPP、水酸化ナトリウム(NaOH)、KOH及び炭化物の混合比を、質量比で0.03:0.9:0.9:1.0とした他は、実施例11と同一の製造条件により、実施例2の活性炭を得た。
TPP、水酸化ナトリウム(NaOH)、KOH及び炭化物の混合比を、質量比で0.03:0.9:0.9:1.0とした他は、実施例11と同一の製造条件により、実施例2の活性炭を得た。
[実施例3]
TPP、NaOH、KOH及び炭化物の混合比を、質量比で0.04:1.0:0.8:1.0とした他は、実施例1と同様の製造条件により、実施例3の活性炭を得た。
TPP、NaOH、KOH及び炭化物の混合比を、質量比で0.04:1.0:0.8:1.0とした他は、実施例1と同様の製造条件により、実施例3の活性炭を得た。
[実施例4]
炭素原料としてもみ殻粉末を使用した他は、実施例3と同様の製造条件により、実施例4の活性炭を得た。
炭素原料としてもみ殻粉末を使用した他は、実施例3と同様の製造条件により、実施例4の活性炭を得た。
[比較例1]
リン化合物を使用しない他は、実施例1と同様の製造条件により、比較例1の活性炭を得た。
リン化合物を使用しない他は、実施例1と同様の製造条件により、比較例1の活性炭を得た。
[比較例2]
リン化合物を使用せず、且つ、撹拌の際にボールミルを使用した他は、実施例1と同様の製造条件により、比較例2の活性炭を得た。
リン化合物を使用せず、且つ、撹拌の際にボールミルを使用した他は、実施例1と同様の製造条件により、比較例2の活性炭を得た。
<比表面積の評価I>
実施例1〜比較例2の活性炭の比表面積をBET法で求め、その比表面積を検討した。なお、比表面積は、自動比表面積測定装置(日本ベル(株)製、BELSORP−miniII型)を用いて、窒素ガス吸着より求めた吸着等温線からBET法で算出した。また、得られた比表面積から標準偏差値を算出した。結果を表1に示す。なお、各反応物の比表面積は24ケの平均値とし、24ケのトレイにおいて比表面積の標準偏差値を算出した。
実施例1〜比較例2の活性炭の比表面積をBET法で求め、その比表面積を検討した。なお、比表面積は、自動比表面積測定装置(日本ベル(株)製、BELSORP−miniII型)を用いて、窒素ガス吸着より求めた吸着等温線からBET法で算出した。また、得られた比表面積から標準偏差値を算出した。結果を表1に示す。なお、各反応物の比表面積は24ケの平均値とし、24ケのトレイにおいて比表面積の標準偏差値を算出した。
結果より、実施例1〜4の活性炭の何れも、比較例1〜2の活性炭よりも、その比表面積は大きく、好ましい数値範囲内であることがわかった。すなわち、実施例1〜4の活性炭を電極として使用し、そして、このような電極をコンデンサやLICに使用すれば、静電容量の大きな電気二重層キャパシタを得ることができる。また、標準偏差値の結果から、実施例1〜4の活性炭は、比較例1〜2のよりも比表面積のバラツキが小さいことがわかった。そして、このような電極をコンデンサやLICに使用すれば、機械的な耐性が高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
[電極の製造]
[実施例5〜8]
バインダーとしての、ポリパラビニルフェノール(丸善石油化学(株)製「マルカリンカーS−2P」;重量平均分子量5000)0.4質量部及びフッ化ビニリデン系重合体3.6質量部に対して、活性炭96質量部と、N−メチルピロリドン(NMP)67質量部とを混合してペースト状の電極用組成物を調製した。得られた組成物を厚さ8μmのアルミ箔上に、乾燥後の膜厚が約100μm(150g/m2)になるように均一に塗布した。これを、130℃で25分間乾燥して、電極を得た。前記活性炭として、実施例1〜4の活性炭を用いて電極を製造し、それぞれ実施例5〜8の電極とした。
[実施例5〜8]
バインダーとしての、ポリパラビニルフェノール(丸善石油化学(株)製「マルカリンカーS−2P」;重量平均分子量5000)0.4質量部及びフッ化ビニリデン系重合体3.6質量部に対して、活性炭96質量部と、N−メチルピロリドン(NMP)67質量部とを混合してペースト状の電極用組成物を調製した。得られた組成物を厚さ8μmのアルミ箔上に、乾燥後の膜厚が約100μm(150g/m2)になるように均一に塗布した。これを、130℃で25分間乾燥して、電極を得た。前記活性炭として、実施例1〜4の活性炭を用いて電極を製造し、それぞれ実施例5〜8の電極とした。
[比較例3〜4]
活性炭として、比較例1〜2の活性炭を用いた他は、実施例5〜8と同様の製造方法により、電極を得た。得られた電極を、それぞれ比較例3〜4の電極とした。
活性炭として、比較例1〜2の活性炭を用いた他は、実施例5〜8と同様の製造方法により、電極を得た。得られた電極を、それぞれ比較例3〜4の電極とした。
<比表面積の評価II>
実施例5〜8及び比較例3〜4のミクロ孔及びメソ孔の比表面積を、それぞれ検討した。なお、ミクロ孔及びメソ孔の比表面積は、前記評価Iと同様に窒素ガス吸着より求めた吸着等温線からBET法により算出した。
実施例5〜8及び比較例3〜4のミクロ孔及びメソ孔の比表面積を、それぞれ検討した。なお、ミクロ孔及びメソ孔の比表面積は、前記評価Iと同様に窒素ガス吸着より求めた吸着等温線からBET法により算出した。
<剥離強度の評価I>
実施例5〜8及び比較例3〜4の電極を試料とし、集電体の剥離強度を評価した。前記剥離強度(gf/mm)は、活性炭の集電体からの剥離強度をJIS K6854(ISO 8510)に準拠して180°剥離試験により測定し、10回測定した平均値とした。得られた結果を表2に示す。
実施例5〜8及び比較例3〜4の電極を試料とし、集電体の剥離強度を評価した。前記剥離強度(gf/mm)は、活性炭の集電体からの剥離強度をJIS K6854(ISO 8510)に準拠して180°剥離試験により測定し、10回測定した平均値とした。得られた結果を表2に示す。
結果より、マクロ孔及びメソ孔の比表面積は、実施例5〜8の方が比較例3〜4より大きく、好ましい数値範囲であることがわかった。すなわち、実施例5〜8の活性炭は、好ましい範囲での細孔を有することがわかった。同様に、剥離強度についても、実施例5〜8の方が比較例3〜4より大きいことがわかった。実施例5〜8の金属電極の剥離強度は、比較例3〜4の金属電極の剥離強度よりも高いため、剥離しにくい金属電極が得られることがわかった。すなわち、実施例1〜4の活性炭を電極として使用すれば、好ましい電極が得られることがわかった。
[電気二重層キャパシタの作製]
[実施例9〜12]
実施例1〜4の活性炭をそれぞれ使用して、電気二重層キャパシタセル11を作製した。活性炭86質量部に対して導電助材としてカーボンブラック(ライオン(株)製、ECP600JD)7質量部、結着材として顆粒状ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製、PTFEポリフロンF−104)7質量部、及び水を加えてメノウ乳鉢を用いて混合し、ロールプレス機を用いて厚みが150μmになるまで混合物をプレスしてシート化し、炭素電極シートを作製した。この炭素電極シートを14mm×20mmの寸法に切り出し、アルミニウム集電体に貼りつけて電極とした。
[実施例9〜12]
実施例1〜4の活性炭をそれぞれ使用して、電気二重層キャパシタセル11を作製した。活性炭86質量部に対して導電助材としてカーボンブラック(ライオン(株)製、ECP600JD)7質量部、結着材として顆粒状ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製、PTFEポリフロンF−104)7質量部、及び水を加えてメノウ乳鉢を用いて混合し、ロールプレス機を用いて厚みが150μmになるまで混合物をプレスしてシート化し、炭素電極シートを作製した。この炭素電極シートを14mm×20mmの寸法に切り出し、アルミニウム集電体に貼りつけて電極とした。
図2に示すように、作製した2枚の電極を正極12、負極13とし、これらの電極に集電体14を貼り付け、セルロースセパレータ15(ニッポン高度紙工業(株)製、TF40−50)を挟んで対向させ、外側をラミネートフィルム16で被覆して電解液を注液し、ヒートシーラーで封口することで、電気二重層キャパシタセル11を作製した。電解液として1.5Mのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMA−BF4)のプロピレンカーボネート(PC)溶液を用いた。
[比較例5〜6]
比較例1〜2の活性炭を使用した他は、実施例9〜12と同様の方法により、電気二重層キャパシタセル11を作製した。得られたキャパシタセルを、それぞれ比較例5〜6の電気二重層キャパシタとした。
比較例1〜2の活性炭を使用した他は、実施例9〜12と同様の方法により、電気二重層キャパシタセル11を作製した。得られたキャパシタセルを、それぞれ比較例5〜6の電気二重層キャパシタとした。
<剥離強度の評価II>
実施例9〜12及び比較例5〜6の電気二重層キャパシタに、2.5Vの電圧を30分印加しながら保持することを6回繰り返した。その後、前述の剥離強度の評価Iと同様の方法により、剥離強度を測定した。得られた結果を表3に示す。なお、剥離強度(gf/mm)は、10回測定した平均値とした。
実施例9〜12及び比較例5〜6の電気二重層キャパシタに、2.5Vの電圧を30分印加しながら保持することを6回繰り返した。その後、前述の剥離強度の評価Iと同様の方法により、剥離強度を測定した。得られた結果を表3に示す。なお、剥離強度(gf/mm)は、10回測定した平均値とした。
それぞれ電気二重層キャパシタを作製し、電圧印加を繰り返した結果、比較例5〜6の電極の剥離強度は、実施できる水準よりも低下してしまうことがわかった。また、実施例9〜12の剥離強度は、剥離強度の低下が認められるものの、実用に耐え得る水準の剥離強度を維持できた。すなわち、実施例1〜4の活性炭を電極として使用すれば、剥離しにくい金属電極を得ることができることがわかった。そして、このような電極をコンデンサやLICに使用すれば、機械的な耐性が高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
本発明に係る活性炭の製造方法及び活性炭を用いた電極によれば、セルロースを含む材料を使用し活性炭を製造するにあたって、特に、植物性セルロースを含む、組織の構造が不均一な材料を用いても均一な材料を得られる。更に、このような炭化物を電極に用いれば、剥離しにくく、機械特性に優れる電極、EDLC及びLICを得ることができる。
1 粉砕混合機
2、3 定量供給機
4 粉砕機
5 バグフィルタ
6 容器
11 電気二重層キャパシタ
12 正極
13 負極
14 集電体
15 セパレータ
16 ラミネートフィルム
2、3 定量供給機
4 粉砕機
5 バグフィルタ
6 容器
11 電気二重層キャパシタ
12 正極
13 負極
14 集電体
15 セパレータ
16 ラミネートフィルム
Claims (12)
- セルロースを少なくとも含む炭素原料を不活性雰囲気下で加熱することにより、炭化物質を得る炭化工程と、
前記炭化物質、アルカリ金属化合物及びリン化合物を混合することにより、混合物を得る混合工程と、
前記混合物を粉砕することにより粉砕物を得る粉砕工程と、
前記粉砕物を不活性雰囲気下で賦活することにより活性炭を得る賦活工程と
を少なくとも含む活性炭の製造方法。 - 前記炭素原料は、木粉、もみ殻若しくは竹又はこれらの2種以上の混合物を由来とする原料である請求項1に記載の活性炭の製造方法。
- 前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及びこれらの炭酸塩からなる群より選択された1種以上である請求項1又は2に記載の活性炭の製造方法。
- 前記アルカリ金属化合物は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群より選択された1種以上である請求項3に記載の活性炭の製造方法。
- 前記リン化合物は、リン酸エステル及びその塩からなる群より選択された1種以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。
- 前記リン酸エステルは、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、トリブチルメチルアンモニウムジメチルフォスフェート、ソディウムメチル(4−ニトロフェニル)フォスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、テトラ−n−ブチルアンモニウムホスフェート、トリス(トリメチルシリル)ホスフェート、ソディウム4-ニトロフェニルホスフェート及びソディウムナフチルホスフェートからなる群より選択された1種以上である請求項5に記載の活性炭の製造方法。
- 前記混合工程の炭化物質とアルカリ金属化合物との質量比は、1:0.1〜2以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。
- 前記混合工程の炭化物質とリン化合物との質量比は、1:0.001〜0.1である請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。
- 前記アルカリ金属化合物は、水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムであり、
前記炭化物質とアルカリ金属化合物との質量比は、1:0.8〜1.8以下であり、
前記炭化物質とリン酸化合物との質量比は、1:0.03〜0.04以下である請求項7〜8のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。 - 前記粉砕工程は、レーザー散乱法にて測定した前記粉砕物の粒度分布の累積頻度の80%以上がモノモーダルな分布となるまで行う請求項1〜9のいずれか一項に記載の活性炭の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法にて製造した活性炭と、
集電体と、
前記活性炭を前記集電体に結着する結着剤と
を少なくとも含む電極。 - 請求項11に記載の電極を少なくとも含む電気二重層キャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015028797A JP2016150870A (ja) | 2015-02-17 | 2015-02-17 | 活性炭の製造方法及び活性炭を含む電極 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109305679A (zh) * | 2017-07-27 | 2019-02-05 | 迪睿合电子材料有限公司 | 谷壳活性炭的制造方法 |
JP2020513390A (ja) * | 2016-12-06 | 2020-05-14 | ナショナル インスティテュート オブ フォレスト サイエンスNational Institute Of Forest Science | コーヒー豆抽出物を利用した活性炭素の製造方法およびそれを含む電池用電極 |
-
2015
- 2015-02-17 JP JP2015028797A patent/JP2016150870A/ja active Pending
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