JP2016150657A - シートフレーム及び車両用シート - Google Patents
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例えば、特許文献1には、軽量であり、且つ、剛性を備えるシートフレームの例として、中空部を有する車両用シートを構成する金属フレームと、中空部内に設けられたエポキシ等の樹脂で形成された発泡性材料と、から構成されるシートフレームが開示されている。
更に、このような形状によると、金属フレームの中空部に設けられた樹脂材料が、その自重により、金属フレームの下側にずれてしまうことがあった。この場合には、金属フレームの上部において高い剛性を確保することが困難であった。
また、金属フレームと樹脂材料との接続を強固にすることを目的とする。
更には、シートフレームに他部材を容易に取り付けることを可能とすることを目的とする。
上記構成によれば、金属フレームが溶接で接合された複数の板状部材から構成されていることにより、金属フレームの接合強度を確保することができる。
上記構成によれば、補強部を設けることにより、金属フレームへの他部品の取り付けの安定性を高めることができる。
上記構成によれば、複数の板状部材を重ね合わせて補強部とすることにより、別部材を用いずに部品点数を抑えて、金属フレームへの他部品の取り付けの安定性を高めることができる。
上記構成によれば、溶接ビードが金属フレームの長手方向に交差する方向に金属フレームの中空部側において形成されることとなり、この溶接ビードに樹脂材料が噛みこみ、樹脂材料を金属フレームの長手方向に滑りにくくすることができる。
上記構成によれば、レーザー溶接によって板状部材が接合されることで、アーク溶接と比較して熱量のコントロールが容易であるため、熱歪みが生じることを抑制でき、板状部材が薄板であっても溶接が可能となる。
上記構成によれば、複数の板状部材が突き合わせられた場所を接合することで、金属フレームを構成するための板状部材に係る材料を少なくして軽量化することができる。
上記構成によれば、板状部材が重ね合わせられていることによって、金属フレームの剛性を向上させることができる。
上記構成によれば、樹脂材料を複数の板状部材と一体成形することによって複数の板状部材を接続することで、溶接によらずに複数の板状部材を連結して金属フレームに構成することが可能となる。
上記構成によれば、突条が、金属フレームの長手方向に連続して樹脂材料に形成されていることで金属フレームの剛性を向上させることができる。
上記構成によれば、樹脂材料の射出で板状部材を成形することで、樹脂材料の充填と板状部材の加工を同時に行うことで、板状部材のプレス工程削減でき製造効率が向上する。
上記構成によれば、他部材を保持する部品を別個に設ける必要がなくなり、軽量化できるとともに製造効率を向上させることができる。
上記構成によれば、車両用シートにおいても本発明のシートフレームに係る効果を享受できる。
また、本発明のシートフレームによれば、金属フレームの接合強度を確保することができる。
また、本発明のシートフレームによれば、他部品の金属フレームへの取り付けの安定性を高めることができる。
また、本発明のシートフレームによれば、別部材を用いずに部品点数を抑えて、他部品の金属フレームへの取り付けの安定性を高めることができる。
また、本発明のシートフレームによれば、樹脂材料を金属フレームの長手方向に滑りにくくすることができる。
更に、本発明のシートフレームによれば、熱歪みが生じることを抑制でき、板状部材が薄板であっても溶接が可能となる。
また、本発明のシートフレームによれば、金属フレームを構成するための板状部材に係る材料を少なくして軽量化することができる。
また、本発明のシートフレームによれば、金属フレームの剛性を向上させることができる。
また、本発明のシートフレームによれば、溶接によらずに複数の板状部材を連結して金属フレームに構成することが可能となる。
また、本発明のシートフレームによれば、金属フレームのプレス工程削減により製造効率を向上させることができる。
また、本発明のシートフレームによれば、軽量化できるとともに製造効率を向上させることができる。
また、本発明の車両用シートによれば、車両用シートにおいても本発明のシートフレームに係る効果を享受し得る。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
車両用シートSは、図1に示すように、シートバックS1、シートクッションS2を備えて構成されている。
シートバックS1及びシートクッションS2は、それぞれ、シートバックフレーム1、シートクッションフレーム2に、本発明に係るクッション材に相当するクッションパッド1a,2aを配して表皮材1b,2bで被覆された構成となっている。
シートクッションフレーム2は、本発明に係る金属フレームに相当し、平面視で略ロの字形状に形成されている。
シートバックフレーム1は、本発明に係る金属フレームに相当し、左右に設けられたサイドフレーム22と、左右のサイドフレーム22の上部を連結する上部フレーム21と、左右のサイドフレーム22の下部を連結する下部フレーム35と、から主に構成される。左右のサイドフレーム22の下端部には、リクライニング機構10等を介してシートクッションフレーム2の後端部に連結されている。
ここで、図3は、サイドフレーム22を構成する二枚の内側サイドフレーム片22a及び外側サイドフレーム片22bを示す模式的な斜視図、図4は、サイドフレーム22を示す模式的な斜視図、図5は、サイドフレーム22の図2におけるV-V断面を示す模式的な断面図、図6は、サイドフレーム22の図4におけるVI-VI断面を示す模式的な断面図である。
また、内側サイドフレーム片22aには、その下縁のシート幅方向外側の端部から略鉛直下方に折れ曲がり、シート前後方向の長さが他の部位よりも狭く形成された舌状部22gがプレス加工により形成されている。
舌状部22gには、シート幅方向に貫通孔22hが形成されており、外側サイドフレーム片22bに形成された後述する延出部22jを介して後述するリクライニング機構10が取り付けられる。
凹部23aのシート幅方向内側の面には、図2に示すように、シート幅方向に架け渡されたSバネ29を保持するSバネ保持片22mが形成されている。なお、Sバネ29は、本発明に係る他部材に相当する。Sバネ保持片22mは、シート幅方向内側の面の上下にプレス加工によって形成されている。
延出部22jは、舌状部22gと重ね合わされて重ね部24を構成し、サイドフレーム22の剛性を高める補強部として機能する。
延出部22jには、貫通孔22kが貫通孔22hと同心上であるシート幅方向に形成されており、後述するリクライニング機構10が取り付けられる。
更に、凹部23aと凹部23bとは、内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを厚さ方向に重ね合わせたときに、面合わせとなる厚さ方向の深さで形成されており、これらはサイドフレーム22の幅狭部23となる。
このように凹部23aと凹部23bとが形成されていることで、サイドフレーム22の剛性を確保しつつ、後述する樹脂材料22dの充填量を減らすことができる。
そして、サイドフレーム22は、図5及び図6に示すように幅狭部23によって、鉛直断面及び水平断面がI字型に形成されることとなり、樹脂材料22dの充填量を減らしつつ、断面二次モーメントを高く維持して高い剛性を有することができる。
リクライニング機構10は、貫通孔22h,22kを通る固定部材によって重ね部24にシートクッションフレーム2の後部上端部を介して取り付けられている。
このように、リクライニング機構10は、剛性の高い重ね部24に取り付けられていることで、サイドフレーム22に安定して取り付けられることとなる。
ここで、図7(A)は、二枚の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを突合せ溶接した後に樹脂材料を充填した状態のサイドフレームの一部を示す模式的な断面図、図7(B)は、二枚の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを突合せ溶接することにより裏ビード28aが生じた後に樹脂材料22dを充填した状態のサイドフレーム22の一部を示す模式的な断面図である。
図8は、二枚の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを重ね合わせ溶接した後に樹脂材料22dを充填した状態のサイドフレーム22の一部を示す模式的な断面図である。
図9(A)は、二枚の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bの一部を示す図であり、これらの長手方向に垂直な方向に溶接した状態を示す模式的な正面図、図9(B)は、図9(A)のIXB-IXB断面を示す模式的な断面図である。
図10は、二枚の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bの一部を示す図であり、これらを長手方向に交差する方向に溶接した状態を示す模式的な正面図である。
このように溶接すると、図7(B)に示すように、裏ビード28aが形成され、その後に充填される樹脂材料22dがシート前後の中間部分で裏ビード28aに接触することとなる。
このため、樹脂材料22dとの接触面積が裏ビード28a分増えることによって摩擦力が大きくなること、及び樹脂材料22dが裏ビード28aに当接することによって受ける抗力によって、樹脂材料22dの前後方向の位置ズレを制限することができる。
このようにレーザー溶接によって接合すると、サイドフレーム22の溶接部分の仕上げを良好にすることができる。
このように溶接すると、図9(B)に示すように、裏ビード28bが略垂直方向に上下に複数形成されることとなるため、樹脂材料22dの上下方向の移動、特に自重による下方向の位置ズレを制限することができる。
このように溶接すると、図9のように複数箇所溶接する場合と比較して、一連の作業で広範囲に溶接でき、作業性が良好となる。更に、溶接が施されたサイドフレーム22の内面側にジグザグに形成される裏ビード28bによって、樹脂材料22dの上下方向及び前後方向の位置ズレの双方を抑制することができる。
特に、レーザー溶接の場合には、図8に示すように、内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとの重なり部分を溶接する場合には、アーク溶接のように前もって溶接のための穴を形成することなく、溶接することが可能である。
上記においては、内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを溶接した後に、樹脂材料22dを充填するものとして説明したが、本発明はこのような構成に限定されない。
そこで、他の方法について、内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを接続しつつ樹脂材料22dをサイドフレーム22内に充填する方法について図11を参照して説明する。
ここで、図11は、二枚の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bの外側に、樹脂材料22dが内側から溢れ出るように形成されたサイドフレーム22の一部を示す模式的な断面図である。
このように形成されたサイドフレーム22の内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを組み合わせた上で図示せぬ金型にセットし、樹脂材料22dを射出成形により充填空間22sに充填する。
そうすると、図示せぬ金型と内側サイドフレーム片22a及び外側サイドフレーム片22bとの間に貫通孔25から樹脂材料22dが溢れ出し、硬化してモールド成形部を構成することとなる。
例えば、内側サイドフレーム片22a及び外側サイドフレーム片22bが薄く、これらが溶ける落ちることがある場合には溶接ができない。このような場合に、溶接によらずに、断面積を大きくして剛性を上げつつ、両者を接続することが可能となる。
この突条26は、図11においては、シート幅方向の側面側に上下に延在するものとして示されているが、サイドフレーム22の前側に上下に延在するようにしても、後ろ側に上下に延在するようにしてもよい。
特に、着座者からの荷重がかかりやすく剛性を高める必要がある下部に設けられていると好ましい。
内側サイドフレーム片22a及び外側サイドフレーム片22bに形成された貫通孔25から溢れ出た樹脂材料22dは、内側サイドフレーム片22aと外側サイドフレーム片22bとを結合するという用途以外の他の用途に使用できる。
この樹脂材料22dの用途について、図12及び図13を参照して説明する。
ここで、図12は、樹脂材料22dから成るSバネ保持片22nを備えるサイドフレーム22を示す斜視図、図13は、図12のXIII-XIII断面を示す模式的な断面図である。
詳細には、Sバネ保持片22nは、本発明に係る保持部に相当し、内側サイドフレーム片22aの凹部23aよりも後方側に、シート幅方向に形成されて充填空間22sに連通する貫通孔25aが上下に2つ形成されている。
このように、Sバネ保持片22nは、その形成に別個のプレス加工を必要とせず、樹脂材料22dを充填する際に同時に形成されるため、その製造が容易である。
また、内側サイドフレーム片22a又は外側サイドフレーム片22bから溢れ出て硬化される樹脂材料22dは、Sバネ29を保持するSバネ保持片22nとして利用する他に、図示せぬハーネスや表皮材1b,2bの保持するものとして利用してもよい。
内側サイドフレームプレート32aと外側サイドフレームプレート32bの間に樹脂材料32dを充填するとともにサイドフレーム32を成形するハイドロ成形について、図14〜図17を参照して説明する。
ここで、図14は、ハイドロ成形前の二枚の内側サイドフレームプレート32a及び外側サイドフレームプレート32bを示す模式的な斜視図、図15は、二枚の内側サイドフレームプレート32a及び外側サイドフレームプレート32bを面合わせで重ねた状態を示す模式的な斜視図、図16は、二枚の内側サイドフレームプレート32a及び外側サイドフレームプレート32bを金型にセットした状態を示す模式的な断面図、図17は、金型にセットした二枚の内側サイドフレームプレート32a及び外側サイドフレームプレート32bの間に樹脂材料32dを注入した状態を示す模式的な断面図である。
図15に示すように、内側サイドフレームプレート32aと外側サイドフレームプレート32bとが厚さ方向に面合わせで重ね合わさった状態において、湾曲部33aと湾曲部33bとは略円筒を構成する。
その後、湾曲部33aと湾曲部33bの間の空間に、樹脂材料32dを高圧で注入することで、窪み34aに沿うように内側サイドフレームプレート32a及び外側サイドフレームプレート32bが変形して、サイドフレーム32が形成されることとなる。
特に、金型34において、窪み34aが形成されておらず内側サイドフレームプレート32aと外側サイドフレームプレート32bとを挟持している部分においては、内側サイドフレームプレート32a及び外側サイドフレームプレート32bの変形が制限される。
このため、内側サイドフレームプレート32aと外側サイドフレームプレート32bにおける変形が制限される部分に幅狭部33が形成されることとなる。
よって、内側サイドフレームプレート32aと外側サイドフレームプレート32bとに別個にプレス加工を施す必要がなく、サイドフレーム22の製造が容易となる。
S1 シートバック
S2 シートクッション
F シートフレーム
1 シートバックフレーム(金属フレーム)
2 シートクッションフレーム(金属フレーム)
1a,2a クッションパッド(クッション材)
1b,2b 表皮材
10 リクライニング機構(他部品)
21 上部フレーム
22 サイドフレーム
22a 内側サイドフレーム片(板状部材)
22b 外側サイドフレーム片(板状部材)
22c 中空部
22d 樹脂材料
22g 舌状部
22h 貫通孔
22j 延出部
22k 貫通孔
22m Sバネ保持片
22n Sバネ保持片(保持部)
22p,22q 溶接ライン(接合部)
22s 充填空間
23 幅狭部
23a,23b 凹部
24 重ね部(補強部)
25,25a 貫通孔
26 突条
27,27a 溶接ライン(接合部)
28a,28b 裏ビード
29 Sバネ(他部材)
32 サイドフレーム
32a 内側サイドフレームプレート(板状部材)
32b 外側サイドフレームプレート(板状部材)
32d 樹脂材料
33 幅狭部
33a,33b 湾曲部
34 金型
34a 窪み
35 下部フレーム
Claims (13)
- 車両用シートの骨組みとなるシートフレームであって、
中空部を有する金属フレームと、
該金属フレームの前記中空部に充填された樹脂材料と、を備え、
前記金属フレームの中央には、前記金属フレームの外面が窪んで前記中空部側に突出することで前記中空部の断面積を狭めるように形成された幅狭部が設けられていることを特徴とするシートフレーム。 - 前記金属フレームは、溶接で接合された複数の板状部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートフレーム。
- 前記金属フレームは、他部品が取り付けられる部位に、剛性が高められた補強部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシートフレーム。
- 前記金属フレームは、溶接で接合された複数の板状部材から構成されており、
前記補強部は、前記複数の板状部材を重ね合わせた構成である請求項3に記載のシートフレーム。 - 前記複数の板状部材は、前記金属フレームの長手方向に交差する方向に溶接されていることを特徴とする請求項2に記載のシートフレーム。
- 前記溶接は、レーザー溶接である請求項2に記載のシートフレーム。
- 前記金属フレームにおいて溶接で接合される接合部は、前記複数の板状部材を突き合わせた部分であることを特徴とする請求項2に記載のシートフレーム。
- 前記金属フレームにおいて溶接で接合される接合部は、前記複数の板状部材を重ね合わせた部分である請求項2に記載のシートフレーム。
- 前記金属フレームは、複数の板状部材が合わせられて構成されており、
前記複数の板状部材は、少なくとも一部に、前記中空部から外方へ貫通する貫通孔を有し、
前記樹脂材料は、前記貫通孔を通って前記中空部から前記複数の板状部材の少なくとも一部の外側まで一体成形されていることにより前記複数の板状部材を接続していることを特徴とする請求項1に記載のシートフレーム。 - 前記複数の板状部材の少なくとも一部の外側まで形成された前記樹脂材料には、前記金属フレームの長手方向に連続した突条が形成されていることを特徴とする請求項9に記載のシートフレーム。
- 前記金属フレームは、複数の板状部材から構成されており、
前記複数の板状部材は、前記複数の板状部材の間に、前記樹脂材料が高圧で射出されて、ハイドロ成形されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシートフレーム。 - 前記充填された樹脂材料の端部に、他部材を保持する保持部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシートフレーム。
- 請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシートフレームと、
該シートフレームに載置されるクッション材と、
前記シートフレーム及び前記クッション材とを覆う表皮材と、を備えることを特徴とする車両用シート。
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