JP2016150443A - プリント装置およびプリント方法 - Google Patents

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歓土 倉澤
健吾 仁戸田
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健吾 仁戸田
良亮 荒木
Ryosuke Araki
良亮 荒木
浅野 晋也
Shinya Asano
晋也 浅野
内田 幸太
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幸太 内田
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Mika Masuda
美香 増田
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友佑 中屋
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【課題】シートの両面に画像をプリントする際に、シートを保持するための粘着力を所定範囲に制御する。【解決手段】シートの第1面をプリントしてから第2面をプリントする際に、第1面に付与されたインクの量に応じて、第1面を粘着搬送ベルト12の粘着層に押圧するための押圧ローラ20が押圧力を変化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、シートの両面にプリント可能であって、プリント時にシートを粘着保持するプリント装置およびプリント方法に関するものである。
シートにインクを付与して画像をプリントするプリント装置として、粘着層を有する粘着搬送ベルトを用いてシートを搬送するものが知られている。このようなプリント装置においては、押圧ローラによってシートを粘着搬送ベルトの粘着層に粘着させることにより、インク中の水分によって生じるシートの波打ち現象(コックリング)の発生を抑制するように、シートを保持することができる。このような粘着搬送ベルトの粘着力は所定の大きさに設定する必要があり、それが弱過ぎた場合にはシートのコックリングを抑制することができず、逆に、それが強過ぎた場合には、シートを粘着搬送ベルトから剥離する際にシートが破れるおそれがある。
特許文献1には、粘着搬送ベルトの粘着力の経年変化などを考慮し、その粘着力の低下に起因するシートの剥離位置の変化などに応じて、粘着搬送ベルトからシートを剥離する剥離ローラを制御する構成が記載されている。
特開平8−26588号公報
特許文献1は、シートから生じるゴミやインクなどの付着によって、粘着搬送ベルトの粘着層の表面状態が経時的に変化することを考慮したものである。本発明者は、シートの表面エネルギーや表面粗さなどのシートの物性によっても粘着搬送ベルトの粘着力が変化することを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その目的は、シートの両面に画像をプリントする際に、シートを保持するための粘着力を所定範囲に制御することができるプリント装置およびプリント方法を提供することにある。
本発明のプリント装置は、粘着によりシートを保持して搬送するための粘着層を持ったベルトと、前記ベルトにより搬送されるシートにプリントを行うプリント部と、を備え、シートの第1面と第2面に両面プリントを行うプリント装置であって、前記第2面へのプリントにおいて前記粘着層に前記第1面を粘着させる際に前記ベルトに対してシートを押圧する押圧部を有し、前記押圧部は、前記第1面に付与されたインクの量に応じて前記押圧部の押圧力を変化させることを特徴とする。
本発明によれば、シートの第1面をプリントしてから第2面をプリントする際に、第1面に付与されたインクの量に応じて、その第1面をベルトの粘着層に押圧する押圧力を変化させることにより、その粘着層の粘着力を所定の範囲に維持することができる。
本発明の第1の実施形態におけるプリント装置の概略構成図である。 図1における押圧ローラとシートとの位置関係の説明図である。 シートの表面に関してのインク付与量と粘着力との関係の説明図である。 粘着力と押圧ローラの押圧力との関係の説明図である。 押圧ローラの押圧力を一定とした場合の比較例の説明図である。 本発明の第1の実施形態における押圧ローラの制御形態の説明図である。 本発明の第2の実施形態の比較例の説明図である。 本発明の第2の実施形態における押圧ローラの制御形態の説明図である。 シートの裏面に関してのインク付与量と粘着力との関係の説明図である。 シートの表面と裏面に対するプリント例の説明図である。 本発明の第3の実施形態における押圧ローラの制御形態の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明をインクジェット方式のプリント装置(インクジェットプリント装置)に適用した場合の例である。本例のプリント装置は、長尺なラインヘッドを用いた高速ラインプリンタであり、例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適している。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のプリント装置の内部構成を示す概略図である。プリント装置は、シート供給部1、プリント部2、検査部3、反転部4、排出搬送部5、および制御部6の各ユニットを備える。プリント媒体としてのシート50は、ローラ対やベルトからなる搬送機構によって、図中の点線で示したシート搬送経路に沿って搬送され、各ユニットによって処理がなされる。
シート供給部1は、複数のシート50を収納して供給するユニットである。シート供給部1は、シート50を収納する収納エリアを2つの備えており、それらの収納エリアから択一的にシート50を引き出して供給する。なお、収納エリアの配備数は2つであることに限定されず、1つあるいは3つ以上を配備してもよい。
プリント部2は、粘着搬送ベルト(シート保持部)12によって搬送されるシート50に対して、プリントヘッド11と透明インクヘッド19からインクと透明インクを吐出して画像をプリントするユニットである。乾燥装置15は、シート50を乾燥させるユニットである。プリントヘッド11と透明インクヘッド19はライン型ヘッドであり、使用が想定されるシート50の最大幅に渡って延在するインクジェット方式のノズル列が形成されている。プリントヘッド11と透明インクヘッド19は、それらのノズル列の延在方向がシート50の搬送方向(矢印X方向)と交差するように、その搬送方向に並列的に並ぶように配備されている。本例では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の色材を含む4色のインクを吐出する4つのプリントヘッド11と、色材を含まない透明インクを吐出する1つの透明インクヘッド19と、が備えられている。透明インクは、プリント物の堅牢性などを向上させるための液体である。プリントヘッド11と透明インクヘッド19の配備数、インクの色、およびインクの数は、本例のみに限定はされない。インクジェット方式は、吐出エネルギー発生素子として、電気熱変換素子(ヒータ)、ピエゾ素子、静電素子、MEMS素子などを用いて、インクジェットプリントヘッドのノズルからインクおよび透明インクを吐出可能である。各色のインクおよび透明インクは、それぞれ対応するインクタンクからインクチューブを介して、対応するプリントヘッド11および透明インクヘッド19に供給される。
粘着搬送ベルト12は、シート50を固定するための粘着層が表面に形成されている。押圧ローラ(押圧部)20は、シート50を粘着搬送ベルト12に押圧することによって、シート50を粘着搬送ベルト12に粘着固定させる。押圧力調整機構21は、制御部6の制御下において押圧ローラ20の押圧力を調整することにより、シート50に対する粘着搬送ベルト12の粘着力を制御することができる。乾燥装置15の乾燥方式としては、温風を与えることによる温風乾燥、IRを用いたIR乾燥(赤外線乾燥)、UVランプ照射によるUV硬化乾燥等を採用することができる。乾燥後のシート50は、シート剥離部14により粘着搬送ベルト12から剥離されてから、下流側のユニットに搬送される。このように、シート50を粘着搬送ベルト12に粘着させることにより、シート50にインクを付与しても、それにコックリングを生じさせることなく搬送することができる。
検査部3は、プリント部2にてシート50にプリントされた検査パターンや画像を光学的に読み取って、プリントヘッド11のノズルの状態、シート50の搬送状態、および画像のプリント位置等を検査するユニットである。反転部4は、プリント部2にて画像がプリントされたシート50を反転するユニットである。シート50の反転は、シート50に対する両面プリント時に行われる。排出搬送部5は、処理後のシート50を搬送して、不図示の排紙部にシート50を排出するユニットである。制御部6は、プリント装置全体の各部の制御を司るユニットであり、CPU、メモリ、各種I/Oインターフェースなどを備えたコントローラ、および電源を有する。プリント動作は、そのコントローラから指令、または、そのコントローラにI/Oインターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等の外部機器からの指令に基づいて、制御される。
次に、プリント時の基本動作について説明する。プリント動作は、片面プリント時と両面プリント時とにおいて異なる。
片面プリントにおいては、シート50がシート供給部1から供給されて、プリント部2にて第1面(表面)に画像がプリント(表面プリント)される。そのプリント後のシート50は、検査部3から排出搬送部5を経由して、不図示の排紙部に順次排出されて積載される。一方、両面プリントにおいては、シート50がシート供給部1から供給されて、プリント部2にて第1面に画像がプリント(表面プリント)される。そのプリント後のシート50は、検査部3を経てから反転部4にて反転されてから、プリント部2において第2面(裏面)に画像がプリント(裏面プリント)される。第2面に画像がプリントされたシート50は、検査部3から排出搬送部5を経由して、不図示の排紙部に順次排出されて積載される。
図2は、表面プリント時と裏面プリント時において、押圧ローラ20がシート50を粘着搬送ベルト12に粘着固定する際の説明図である。表面プリント時には、図2(a)のように、シート50の表面(第1面)50Aはインクが付与されるプリント面となり、その裏面(第2面)50Bは粘着搬送ベルト12に粘着固定される被粘着面となる。一方、裏面プリント時は、図2(b)のように、表面プリント時に被粘着面であった裏面50Bがプリント面となる。その裏面プリント時は、表面プリント時に表面50Aに付与されたインクによってシート50の表面エネルギーが変化し、それに応じて、被粘着面としての表面50Aに対する粘着搬送ベルト12の粘着力が変化する。
図3は、裏面プリント時における表面50Aに対するインクの付与量と粘着力との関係の説明図である。図3から明らかように、粘着力は、表面50Aに対するインクの付与量が多いほど増加する傾向にある。例えば、上質紙のシート50の表面50Aに黒のベタ画像をプリントしたプリント部に対する粘着力は、そのベタ画像をプリントしない非プリント部に対する粘着力の2倍程度になる。押圧ローラ20がシート50を粘着搬送ベルト12に押圧する押圧力によっても、粘着力は変化する。表面50Aに対するインクの付与量が同じである場合には、押圧ローラ20による押圧力が強いほど、粘着力は増加する傾向にある。
シート50に対する粘着搬送ベルト12の粘着力には、好適な大きさの範囲(図3中のOK領域A1)がある。図3中のNG領域A2のように粘着力が過剰の場合には、シート剥離部14にてシート50を剥離するときに、シート50を剥離することができず、シート50に剥がれや破れなどの損傷が生じるおそれがある。NG領域A3のように粘着力が不足した場合には、シート50に付与されたインクによるコックリングを粘着搬送ベルト12が抑えきれず、シート50がプリントヘッド11や透明インクヘッド19に接触して、シート50の汚れやジャムが発生するおそれがある。したがって、粘着力は好適な範囲(図3中のOK領域)内に設定することが望ましい。
本実施形態においては、表面50Aに対するインクの付与量の如何に拘らず好適な粘着力を発現させるように、押圧力調整機構21による押圧ローラ20の押圧力を制御する。図4は、表面50Aに対するインクの付与量と、裏面プリント時に粘着力を所定値に維持するために必要な押圧ローラ20の押圧力と、の関係を示す。裏面プリント時に、表面プリント時に表面50Aに付与したインクの量に基づいて、押圧ローラ20の押圧力を決定する。その決定に必要な関係式は、粘着搬送ベルト12の粘着剤およびプリントに用いられるインクによって異なる。本例においては、図4のように、表面プリント時に表面50Aに付与したインクの量が多いほど、裏面プリント時における押圧ローラ20の押圧力を小さくする。
図5(a)は、表面プリント時に表面50Aに付与されるインクの付与パターンの一例を示す。図5(b),(c)は、比較例として、図5(a)のようにインクが付与されたシート50に対する裏面プリント時に、押圧ローラ20の押圧力を一定にした場合の粘着力の変化の説明図である。図6(a),(b)は、図5(a)のようにインクが付与されたシート50に対する裏面プリント時に、本実施形態によって、押圧ローラ20の押圧力を制御した場合の粘着力の変化の説明図である。
本例において、シート50の搬送方向(矢印X方向)と直交する幅方向(矢印Y方向)と、押圧ローラ20の軸方向と、は同じである。図5(a)のインクの付与パターンにおいて、表面50Aに対するインクの付与量の分布は、表面50Aを分割した領域A,B,C(第1面側領域)の3箇所においてそれぞれ異なる。本例においては、シート50に対して付与可能なインクの最大付与量を100%とし、領域Aのインク付与量を0%、領域Bのインク付与量を50%、領域Cのインク付与量を80%とする。
領域A,B,Cにおけるインクの付与量は、図5(b)中の点線Dによって表すことができ、裏面プリント時における押圧ローラ20の押圧力を一定の押圧力P1またはP2(P1>P2)とした場合、粘着力は図5(c)のように変化する。押圧力が一定のP1のときは、領域Aに対する粘着力は適正の範囲A1(OK領域)であるものの、領域B,Cに対する粘着力は過剰となってしまう。また、押圧力が一定のP2のときは、領域Bに対する粘着力は適正の範囲A1(OK領域)であるものの、領域Aに対する粘着力は不足し、領域Cに対する粘着力は過剰になってしまう。
そこで本実施形態においては、図6(a)のように、領域A,B,Cにおけるインク付与量に応じて、押圧力調整機構21が押圧ローラ20の押圧力をP3のように変化させる。このように押圧力P3を変化させることにより、図6(b)のように、全ての領域A,B,Cに対する粘着力が適正の範囲A1(OK領域)となる。
(第2の実施形態)
図7(a)は、表面プリント時に表面50Aに付与されるインクの付与パターンの例を示す。本例の場合、シート50の長さ方向(搬送方向;矢印X方向)の領域A,B,Cと、幅方向(矢印Y)方向の領域α,βと、のそれぞれにおいて、表面50Aに対するインクの付与量が異なる。すなわち、領域(A,α),(A,β),(B,β)のインクの付与量は0%であり、領域(B,α),(C,α)のインクの付与量は50%であり、領域(C,βα)のインクの付与量は80%である。
シート50の幅方向に並ぶ領域において最も多いインク付与量は、図7(b)中の点線Dによって表すことができる。仮に、図7(b)のように、前述した第1の実施形態と同様に領域A,B,Cに応じて押圧力P3を変化させた場合には、図7(c)のように、領域A,B,Cに対する粘着力が変化する。領域B,Cにおいて、それらの表面50Aに対するインク付与量の分布はシート50の幅方向において不均一であり、押圧ローラ20の押圧力はシート50の幅方向において均一であるため、粘着力はシート50の幅方向において不均一となる。α領域に対する粘着力は、領域(A,α),(B,α)では適正の範囲A1(OK領域)であるものの、領域(C,α)では不足してしまう。また、β領域に対する粘着力は、領域(A,β),(C,β)では適正の範囲A1(OK領域)であるものの、領域(B,β)では不足してしまう。
そこで本実施形態においては、第1の実施形態と同様の押圧力の制御に加えて、表面プリント時に表面50Aに付与する透明インクの付与量を制御することにより、裏面プリント時の粘着力を適正の範囲A1(OK領域)内に収める。このような透明インクの付与量の制御は、制御部6におけるプリント制御部が実行する。具体的には、図8(a)のように、インクの付与量が0%の領域(B,β)に透明インクを50%付与し、インクの付与量が50%の領域(C,α)に透明インクを30%付与する。これにより、矢印Yの幅方向における領域(B,α)と領域(B,β)に関しては、それら両者におけるインクの付与量と透明インクの付与量が同一となる。すなわち、領域(B,α)に対するインクの付与量(50%)と透明インクの付与量(0%)との合計と、領域(B,β)に対するインクの付与量(0%)と透明インクの付与量(50%)の合計と、がいずれも50%となる。同様に、領域(C,α)と領域(C,β)に関しては、前者に対するインクの付与量(50%)と透明インクの付与量(30%)との合計と、後者に対するインクの付与量(80%)と透明インクの付与量(0%)との合計と、がいずれも80%となる。このように、矢印Yの幅方向に位置する複数の領域に関しては、インクと透明インクの合計の付与量が均一となるように、透明インクの付与量を設定する。つまり、矢印Yの幅方向における複数の領域において、インクの付与量が少ない領域に対して、その少ない分を補うように透明インクを付与する。
シート50の幅方向に並ぶ複数の領域において最も多いインク付与量は、図7(b)と同様に、図8(b)中の点線Dによって表すことができる。また、前述した第1の実施形態と同様に、図8(b)のように、領域A,B,Cに応じて押圧力P3を変化させる。本実施形態においては、シート50の幅方向に並ぶ複数の領域におけるインクと透明インクの合計の付与量が均一であるため、図8(c)のように、全ての領域における粘着力が適正の範囲A1(OK領域)内に入る。
(第3の実施形態)
前述したように、シート50に対する粘着搬送ベルト12の粘着力には好適な大きさの範囲があり、その粘着力が不足した場合には、インクの付与によるシート50のコックリングが粘着搬送ベルト12によって抑えきれなくなるおそれがある。コックリングを抑制するために必要な粘着力と、シート50に付与される水分量、すなわちインクの付与量と、の間には、図9のような正の相関関係がある。裏面プリント時に裏面に付与するインクの付与量が少ない場合には、コックリングを抑制するために必要な粘着力は小さくなる。
そこで本実施形態においては、前述した第2の実施形態の制御に加えて、裏面プリント時に裏面に対するインクの付与量が少ない領域の反対面である表面の領域に対しては、透明インクの付与量を減らすように制御する。例えば、前述した図7(a)の場合と同様に、シート50の表面50A側の領域(第1面側領域)に対して10(a)のようにインクが付与される場合に、前述した第2の実施形態と同様に透明インクを付与する。これにより、図7(c)と同様に粘着力を適正の範囲A1とすることができる。図10(b)は、シート50の裏面50B側の領域(第2面側領域)に対するインク付与量の分布である。図10(b)において、領域Aの一部はインクの付与量が100%であり、領域Aの他の部分および領域B,Cはインク付与量が0%であり、これらの領域Aの他の部分および領域B,Cに関しては、コックリングを抑制するために必要な粘着力は小さい。そのため、これらの領域Aの他の部分および領域B,Cの反対側の表面50Aに対しては、透明インクの付与量を減らすことができる。
具体的には、図11(a)のようにシート50の表面50Aに透明インクを付与することができ、前述した図8(a)の場合に比して、領域(B,β)に対する透明インクの付与をなくすことができる。前述した実施形態と同様に、シート50の幅方向に並ぶ領域において最も多いインク付与量は、図11(b)中の点線Dによって表すことができる。また、前述した第1の実施形態と同様に領域A,B,Cに応じて押圧力P3を変化させる。図11(c)は、裏面プリント時における粘着力の変化の説明図であり、領域(B,β)に対する粘着力は、他の領域に比べて小さいものの、その領域(B,β)のコックリングを抑制するために必要な粘着力が小さい。そのため、コックリングを抑制して良好なプリントを行うことができる。
(他の実施形態)
シート50を粘着保持するシート保持部は、前述した実施形態の粘着搬送ベルト12に限定されず、例えば、粘着層が形成された回転板などであってよい。また、シート50に画像をプリントする際には、シート保持部に粘着保持されたシート50と、プリント部2と、が相対移動させることができればよい。
また、押圧ローラ20を複数のローラに分割し、それらのローラによって、シート50の複数の領域に対する押圧力を個別に制御するように構成してもよい。この場合には、それらの複数の領域毎におけるインクの付与量に応じて、それらの領域に対する粘着力を個別に制御することができる。
また、プリント部2は、インクジェットプリントヘッドを用いる構成のみに特定されず、要は、シート50にインクを付与して画像をプリントすることができればよい。また、プリント方式は、上述した実施形態のような長尺なラインヘッドを用いるフルライン方式のみに特定されず、いわゆるシリアルスキャン方式などであってもよい。また反転部4は、シート50の表面50Aをプリントしてから裏面50Bをプリントする際に、シート保持部に対してシート50を反転させることができればよく、その構成は前述した実施形態のみに特定されない。
2 プリント部
6 制御部
12 粘着搬送ベルト(シート保持部)
20 押圧ローラ(押圧部)
50 シート
50A 表面(第1面)
50B 裏面(第2面)

Claims (10)

  1. 粘着によりシートを保持して搬送するための粘着層を持ったベルトと、
    前記ベルトにより搬送されるシートにプリントを行うプリント部と、
    を備え、シートの第1面と第2面に両面プリントを行うプリント装置であって、
    前記第2面へのプリントにおいて前記粘着層に前記第1面を粘着させる際に前記ベルトに対してシートを押圧する押圧部を有し、
    前記押圧部は、前記第1面に付与されたインクの量に応じて前記押圧部の押圧力を変化させることを特徴とするプリント装置。
  2. 前記第1面に付与されるインクの量が多いほど前記押圧力を小さくすることを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
  3. 前記第1面を分割した複数の第1面側領域のそれぞれに対するインクの付与量に応じて、前記複数の第1面側領域のそれぞれを前記粘着層に粘着させる際の前記押圧力を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント装置。
  4. 前記プリント部は、色材を含む第1のインクと、色材を含まない第2のインクと、を付与可能であり、
    前記複数の第1面側領域のそれぞれにおける前記第1および第2のインクの合計の付与量の差が小さくなるように、前記複数の第1面側領域のそれぞれに対する前記第2のインクの付与量を制御することを特徴とする請求項3に記載のプリント装置。
  5. 前記押圧部から同じの押圧力を受ける前記第1面側領域の複数のそれぞれにおける前記合計の付与量の差が小さくなるように、前記第2のインクの付与量を制御することを特徴とする請求項4に記載のプリント装置。
  6. 前記複数の第1面側領域のそれぞれと対応するように分割された前記第2面の複数の第2面側領域のそれぞれに付与するインクの量に応じて、当該第2面側領域に対応する前記第1面側領域に対する前記第2のインクの付与量を制御することを特徴とする請求項4または5に記載のプリント装置。
  7. 前記第1面へのプリントにおいて前記粘着層に前記第2面を粘着させる際にも前記シートを押圧することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のプリント装置。
  8. 前記押圧部は、前記粘着層に前記シートを押圧する押圧ローラを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のプリント装置。
  9. 前記プリント部は、インクジェットプリントヘッドを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のプリント装置。
  10. シートの第2面を粘着により保持し、シートの第1面にインクを付与して画像をプリントし、次いで、前記第1面を粘着により保持し、前記第2面にインクを付与して画像をプリントするプリント方法であって、
    前記第1面を粘着させる際に、前記第1面に付与されたインクの量に応じてシートを押圧する力を変えることを特徴とするプリント方法。
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