JP2016150435A - プリント装置及び搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な粘着力によってシートを粘着する粘着ベルトを持ったプリント装置及び搬送装置を提供する。【解決手段】プリント装置100は、粘着部を有し、シートを粘着部に粘着させた状態でシートを支持しつつ、プリント部2に対応した位置を搬送させる粘着ベルト3を備えている。また、プリント装置100は、粘着部へのシートの粘着力を、条件に応じて、所定の粘着力に調節することが可能な押圧ローラ5を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着体にシートを粘着させた状態でシートを搬送させるプリント装置及び搬送装置関する。
プリント装置によってシートにプリントが行われる際に、シートが波打ち、いわゆるコックリングが生じる場合がある。特に、インクジェットプリント装置によってプリントが行われる場合には、シートに水を含有するインクを吐出してプリントが行われるため、コックリングが生じ易い。このようにシートにコックリングが生じることを抑えるために、シートを粘着体に粘着させて搬送を行うプリント装置について特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されたプリント装置では、シートと当接してシートに粘着する粘着体が、温度を変化させることでその粘着力を変化させている。
特開2007−185849号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたプリント装置では、粘着体は、粘着体がシートに粘着する際の高粘着力と、粘着体がシートから剥離する際の低粘着力と、の二種類の粘着力しか有していない。従って、シートの搬送の際の条件によっては、粘着力が強すぎて、シートを粘着手段から剥離させる際に、シートを変形させる可能性がある。また、場合によっては、粘着力が不十分なことで、コックリングの発生を十分に抑えることができない可能性がある。
そこで、本発明は上記の課題に鑑み、適切な粘着力でシートの保持することができる粘着ベルトを持ったプリント装置及び搬送装置を提供することを目的とする。
本発明のプリント装置は、プリント部と、粘着部を持ち、シートを前記粘着部に粘着させた状態で前記プリント部に対して移動させるベルトと、前記粘着部へのシートの粘着力を調節する調節手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、搬送の際の条件に応じて、粘着部によるシートへの粘着力を調節することができるので、強すぎる粘着力によってシートを変形させてしまい、シートの品質を損なうことを抑えることができる。また、コックリングの発生が確実に抑えられた粘着力によって粘着体がシートに粘着した状態でシートを搬送させることができる。従って、シートが平坦な状態でプリントが行われるので、プリント画像の品質を高く維持することができる。
本発明の第1実施形態に係るプリント装置について示した斜視図である。 図1のプリント装置の断面図である。 図1のプリント装置における粘着ベルトとシートとの間の剥離の状態のそれぞれについて説明するための説明図である。 粘着ベルトによるシートとの間の粘着力と、そのときに生じるコックリング量との間の関係について示したグラフである。 粘着ベルトによるシートとの間の粘着力と、そのときに粘着力が十分に維持される粘着ベルトからのシートの剥離及び貼り合わせの繰り返しの回数との間の関係について示したグラフである。 図1のプリント装置における制御構成について示したブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るプリント装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプリント装置の断面図である。 本発明の第4実施形態に係るプリント装置について示した斜視図である。 図9のプリント装置における粘着ベルトからシートが剥離する位置について拡大して示した斜視図である。 図9のプリント装置の断面図である。 図10のプリント装置における分離爪について拡大して示した側面図である。 図10のプリント装置における別の分離爪について拡大して示した側面図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るプリント装置としてのインクジェットプリント装置について模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1のインクジェットプリント装置の断面図である。図2では、後述するシート搬送経路の上流側に配置された供給側ロールと、シート搬送経路の下流側に配置された巻き取り側ロールについては省略している。
プリント装置100は、記録媒体として、ロール状に巻回されたロール紙としてのシートが使用される。供給側ロールに巻回されたシートが搬送方向に沿って搬送されながら、プリント部でシートに対してプリントヘッドからインクが吐出されてプリントが行われ、その後、排出部の巻き取り側ロールでプリントの行われたシートが巻き取られる。つまり、プリント装置は、供給側ロール1aからシートを引き出し、搬送経路に供給することが可能な構成を有している。このように連続したシートが、搬送されながら搬送経路でプリントが行われる。プリント装置100は、連続シートの搬送方向に交差する方向に吐出口列の配列されたプリントヘッドを用いたラインプリンタである。プリント装置100は、供給側ロール部でロール状に巻かれたシートを搬送させつつプリントを行い、プリントの行われたシートを搬送経路の下流側に配置された巻き取り側ロールで巻き取るように構成されている。
プリント装置100は、大きくは、シート供給側ロール1a、処理液塗布手段70、粘着力調節部(粘着力調節手段)60、プリント部2、乾燥手段80、巻き取り側ロール1bの各ユニットを備えている。シートは、シート搬送経路に沿ってローラ対及びベルトを含む搬送機構によって搬送され、各ユニットで各処理が行われる。なお、シート搬送経路の任意の位置において、シート供給部1に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。
プリント部2は、プリントヘッド2a、2b、2c、2dを備えている。搬送されるシートに対し、プリントヘッド2a、2b、2c、2dによりシート上にプリント処理を行うことによって、シートに画像が形成される。プリントヘッド2a、2b、2c、2dは、吐出口からインク滴を吐出してプリントを行う。プリントヘッド2a、2b、2c、2dは、シートの幅方向の全体に亘ってカバーする範囲で吐出口列が形成されたフルライン形式のプリントヘッドである。それぞれのプリントヘッド2a、2b、2c、2dは、シートの搬送方向に交差する方向に沿って吐出口列が並べられるように配置されている。また、プリント可能な色ごとに備えられた複数のプリントヘッド2a、2b、2c、2dは、搬送方向に沿って、それぞれ平行となるように並べられている。4色に対応した4つのプリントヘッド2a、2b、2c、2dが配置されている。なお、プリント可能な色数及びプリントヘッド2a、2b、2c、2dの数は4つに限定されず、その他の数のプリントヘッドが配置されても良い。また、上述したプリント装置は、シートの幅方向の全域に亘って延在するプリントヘッドを用いるフルライン形式のプリント装置である。しかしながら、本発明はプリントヘッドの主走査方向の移動と、シートの副走査方向の搬送と、を伴って画像をプリントするいわゆるシリアルスキャンタイプのプリント装置にも適用可能である。
プリントヘッド2a、2b、2c、2dは発熱素子を有し、発熱素子によってインクを加熱してインク内で気泡を発生させ、吐出口からインクを吐出する。これに限らず、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いたインクジェット方式であってもよい。また、プリント装置はインクジェットプリント装置でなくとも良く、シートを搬送しつつシートにプリントが行われるプリント装置であれば熱転写方式等、他の形式のプリント装置であっても良い。
各色のインクは、インクタンクから、それぞれインクチューブを介してそれぞれの色のプリントヘッド2a、2b、2c、2dに供給される。
乾燥手段80は、プリント部2でプリントされたシートを加熱し、シートに付与されたインクを短時間に乾燥させるためのユニットである。乾燥手段80の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。乾燥手段80で乾燥の行われたシートは、巻き取り側ロール1bに巻き取られる。
シートの搬送経路には、粘着ベルト3が配置されている。粘着ベルト3は、回転駆動を行う駆動ローラ10及び張力発生ローラ9のローラ対の間に張架され、無端ベルトとして構成されている。粘着ベルト3は、駆動ローラ10が回転駆動することによって移動する。このとき、張力発生ローラ9は、駆動ローラ10の回転に従動して回転する。シートが粘着ベルト3によって支持されたときには、シートは粘着ベルト3に対して相対的に移動せず、シートが粘着ベルト3に支持された状態で粘着ベルトが移動することによって、粘着ベルト3の軌道に沿ってシートが移動する。
粘着ベルト3は、ステンレス等の金属や、ポリイミド等プラスチック部材等によって形成された基材が、二つのローラ間に張架され、無端ベルトとして構成されている。この基材による無端ベルトの外周面に、シリコーン樹脂やシリコーンエラストマ等からなる粘着材の塗布された粘着材層(粘着部)が積層されて、粘着ベルト3が形成されている。このように、粘着ベルト3は、基材の外周面上に、粘着材の塗布された粘着部を有している。
駆動ローラ10は、ベアリング等軸受を介し、筐体に回転自在に位置が固定される。他のローラ類についても、別途記載の無い限り同様な構成となる。駆動ローラ10は、歯車等駆動伝達手段を介して、モータ等の駆動手段に接続されている。
張力発生ローラ9は、図1の矢印A、B方向に移動自在に配置され、粘着ベルト3の張力を調節することが可能に構成されている。張力発生ローラ9は、不図示のバネ、流体圧力、磁力等によって、図1に示される矢印B方向に荷重が加えられることで移動することができる。駆動ローラに連結されているモータを駆動させることにより駆動ローラ10が図1の矢印C方向に回転する。また、これに伴い、粘着ベルト3の上面側は、図1に示される矢印A方向に移動する。
本実施形態では、粘着材をベルト状の基材上に設けることで粘着ベルト3が構成されているが、シートを粘着させる粘着部の構成はこれに限定されない。ドラム状の円筒面上に粘着材が配置されることで粘着部が構成されてもかまわないし、他の構成であってもよい。
また、不図示の紙粉除去手段や粘着力を再生させる、水系や溶剤等を、粘着材に塗布する粘着ベルト3のクリーニング手段を、粘着ベルト3に当接する位置に配置してもよい。その際、クリーニング手段は、粘着ベルト3における下側の搬送経路(図1に示される矢線B側)で、粘着ベルト3に当接する位置に配置されてもよい。
粘着ベルトにおけるプリント部4よりもシートの搬送方向における上流側の位置には、粘着ベルトによる粘着力を調節する粘着力調節部60が取り付けられている。
また、粘着力調節部60よりもシートの搬送方向における上流側の位置には、シートの表面に処理液を塗布する処理液塗布手段70が取り付けられている。
(処理液塗布手段)
シート1は、連続紙であるロール紙の形態をとっている。ここでシート1の供給側ロール紙を1a、巻き取り側ロール紙を1bとしている。供給側ロール紙1aから繰り出されるシート1は、まず供給側ローラ4により処理液塗布手段70に案内される。処理液塗布手段70は、グラビアローラ20と、処理液供給部21と、塗布バックアップロール22とを備えている。
処理液塗布手段70では、供給側ロール紙1aが消費されて供給側ロール紙1aの外径が変化しても、後述するグラビアローラ20と塗布バックアップロール22へのシートによる侵入角が一定になるように、シートが案内され続ける。次に、シート1は、それぞれ外周がゴム等による可撓性部材によって覆われたグラビアローラ20及び塗布バックアップロール22によって挟持される。
グラビアローラ20の周表面には複数の微細なセルが形成されている。グラビアローラ20は、外側表面に形成された複数のセルの内部に処理液を保持することが可能に構成されている。処理液供給部21に処理液がある容積以上充填されると、処理液供給部21からグラビアローラ20の表面に形成されたセルに、処理液が供給される。このように、処理液がシートに供給される際には、まず、処理液供給部21からグラビアローラ20に処理液が供給される。ここで、処理液供給部21には、不図示の供給チューブ等によって連続的に処理液が供給されている。グラビアローラ20は、図1に示される矢印D方向に回転し、塗布バックアップロール22が図1に示される矢印C方向に回転することにより、グラビアローラ20に保持された処理液が、シートに塗布される。
処理液がシート上に塗布されることにより、インク滴がシート1に吐出された際に、シートに付与されるインク中の色剤の凝固を促すことによりドットの形成をより適切に行うことができる。また、シートに付与されるインク中の色剤を不溶化させる等、他の機能を有する処理液がシートに付与されてもよい。処理液の塗布方法は、他にも、シートとグラビアローラの間にオフセットローラを介在させて塗布量を調整する等の方法が採用されても良い。またインクの種類、シートの種類、プリント速度、要求画像品質等によっては、処理液の塗布手段は無くても良い。
(粘着力調節部)
プリント装置100は、粘着力調節部60を備えている。粘着力調節部60は、押圧ローラ(押圧部)5、押圧ローラ軸受6、押圧バネ7、荷重センサ8を備えている。
処理液が塗布されたシート1は、押圧ローラ5と粘着ベルト3の間に案内される。ここで、押圧ローラ5によってシートが粘着ベルト3の方へ押し付けられ、その押し付けの力を調節することにより、粘着ベルト3へのシートの粘着力が調節される。
押圧ローラ5は、最外周面がゴム等可撓性部材によって覆われている。また、押圧ローラ5の軸方向の両端部における押圧ローラと押圧ローラの回転軸との間の位置には、ベアリング等の押圧ローラ軸受6a、6bで軸支されている。
また、荷重センサ8a、8bは、図2に示されるE、F方向へ移動させることが可能である。荷重センサ8a、8bには、押圧バネ7a、7bが取り付けられている。押圧バネ7a、7bには、押圧ローラが接続されている。荷重センサ8a、8bがE、F方向に移動するときに、押圧ローラ5へ力が確実に伝達されるように、押圧バネ7a、7bの内部には、荷重センサ8a、8b及び押圧バネ7a、7bの移動を案内する軸が配置されていてもよい。
また、荷重センサ8a、8bは、図2に示される矢印E方向の荷重が加えられたときに、押圧バネ7a、7bを介して押圧ローラ軸受6a、6bに加えられた荷重をデータ化することが可能である。プリント装置100は、上述のような構成を有しているため、荷重センサ8a、8bの高さ方向の位置を図2に示される矢印E、F方向に調整することにより、押圧ローラ5による粘着ベルト3への押圧力を調節することができる。結果的に、押圧ローラ5と粘着ベルト3との間にシート1が配置されている場合には、押圧ローラ5がシート1を粘着ベルト3に押圧する荷重も調整することができる。つまり、荷重センサ8a、8bの位置を図2に示される矢印E方向に下げれば、押圧ローラ5も下方に移動し、押圧ローラ5による張力発生ローラ9に向かう方向へシート1を押圧する荷重が増加する。すなわち、押圧ローラ5によるシート1を粘着ベルト3の方へ押圧する荷重が増加する。荷重センサ8a、8bの位置を図2に示される矢印F方向に上げれば、押圧ローラ5によるシート1を粘着ベルト3の方へ押圧する荷重は少なくなる。
荷重センサ8a、8bが移動することにより、押圧バネ7a、7bを介してシートに荷重が加えられる。この構成に限定されず、ピストン、シリンダーにより、シリンダー内部への流体の流入、排出を制御することによってピストンの位置を制御し、ピストンに接続された押圧ローラ5の位置が制御されてもよい。これによって、押圧ローラ5によるシート1への粘着ベルト3の方への荷重を調節することができる。ピストン、シリンダー方式が採用された場合には、シリンダー内部の流体の圧力が、シートを押圧する際の荷重と比例する。そのため、シリンダー内部の流体の圧力が制御される。また、電磁石を使用した電気的力を利用して押圧ローラ5を粘着ベルト3の方へ移動させ、シートに、粘着ベルトに向かう方向への荷重が加えられても良い。電気的な力を利用して押圧ローラ5を粘着ベルト3の方へ移動させてシートを押圧する荷重を発生させる場合には、電磁石に加える電圧、電流により荷重を制御することができる。また、シートへの押圧力を調節する構成として、他の構成が採用されてもよい。
ここで、押圧バネ7a、7bが、それぞれの荷重を制御することにより、押圧ローラの軸方向、シート1の紙幅方向の荷重分布を均一にすることが可能である。また、後述するプリントヘッドからのインク打ちこみ量が、紙幅方向に関して比較的大きなバラツキ等が有る場合には、あえてそれらの位置の間で荷重のバランスを不均一にすることも可能である。本実施形態では、荷重センサ8a、8bを使用しているが、押圧バネ7a、7bの最上面の位置を制御すれば、荷重センサ8a、8bは無くても良い。同様に、ピストン、シリンダー方式を使用した場合や電磁石を使用した場合にも、荷重センサ8a、8bを使用しないことも可能である。
また、粘着ベルト3とシート1との間の粘着力であるが、押圧ローラ5における張力発生ローラ9に向かう方向への荷重によるシート1への圧力が高ければ高いほど粘着ベルト3による粘着力が増大する。一方、押圧ローラ5による張力発生ローラ9に向かう方向への荷重が少なければ少ないほど粘着ベルト3による粘着力は少なくなる。
押圧ローラ5を抜けると、シートは粘着ベルト3の方へ押圧されずに、粘着ベルト3に向かう方向への押し付け力は除去される。しかしながら、押圧ローラ5を抜けた後であっても、シートと粘着ベルト3との間に、粘着ベルト3による粘着力が残る。このとき、押圧ローラ5を抜けた後における粘着ベルト3によるシートへの粘着力は、押圧ローラ5による押し付け力の大きさに比例する。従って、押圧ローラ5による押し付け力を調節することにより、シートと粘着ベルト3との間の粘着力を調節することができる。
また、圧力のパラメータとしては押圧ローラ5の荷重のほかに張力発生ローラ9の直径、押圧ローラ5の直径、押圧ローラ5の外周面の可撓性部材の固さ、厚み、等が挙げられる。これらのパラメータ中で最も制御が容易な手段であることから、パラメータとして、荷重の変化が、採用されている。その他の粘着力の制御パラメータとしてはシート1の図1、2中矢印A方向の速度も影響する、この速度が遅ければ遅いほど粘着力は増大し、速ければ速いほど粘着力は少なくなる。
シートの表面は、その種類によって凹凸状態や表面エネルギー等の物性が異なっている。そのため、粘着材にシートを一定の荷重で貼付した際に、粘着の状態がシートの種類によって異なる。また、一般的に、周囲の温度あるいは湿度によってシートの含水率が変化し、それに伴ってシートの変形し易さ等の性質が変わる可能性がある。従って、粘着材にシートを貼付しようとするときにシートに同じ荷重をかけても、シートの物性や、厚さ、周囲の温度、湿度などによってシートの粘着材に対する粘着状態が変わる可能性がある。その結果、シートの粘着材による粘着の度合が変わる可能性がある。
このような場合であっても、条件に応じて、粘着力を変化させることができる。従って、シートの種類や、周囲の温度、湿度等の条件に応じた粘着力によって、シートを粘着部に適切な粘着力によって粘着させることができる。これにより、周囲の条件が変化したとしても変化に応じた粘着力によってシートを粘着部に粘着させることができ、コックリングの発生を確実に抑制することができる。
またシート1と粘着ベルト3との間の貼り合わせ状態における粘着力については、周囲の温度も影響する。周囲の温度が高ければ高いほど粘着力は小さくなり、周囲の温度が低ければ低いほど粘着力は増加している。
(粘着力発生条件記憶手段)
粘着力発生条件が、記憶手段100であるROM/RAM等のメモリに格納されている。インクジェットプリント装置本体の周囲温度、湿度などの複数のパラメータがいくつのときに押圧ローラ5の荷重をいくつにすれば、粘着力がどのくらい発生するかを予めマトリックス式にデータ取りされている。データが格納されている。記憶手段100には、それらのデータが予め格納されている。粘着ベルト周辺の温度、湿度の検出はそれぞれ図示せぬ温度センサ、湿度センサを配置することで行われる。
(プリント手段)
処理液の塗布が完了したシート1は、粘着力可変手段により粘着ベルト3との貼り合わされた状態で粘着ベルト3によって案内され、プリントヘッド2a、2b、2c、2dに対応する位置に移動する。シートがプリントヘッド2a、2b、2c、2dに対応する位置に移動すると、そこでプリントヘッド2a、2b、2c、2dのそれぞれからインクが吐出されて画像がプリントされる。プリントヘッド2a、2b、2c、2dは、ここではブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれの色のインクを吐出するように構成されている。
(乾燥手段)
この画像形成が終了したシート1は、乾燥手段80としての、熱風乾燥部30及び輻射熱乾燥炉31に対応した位置を通過する。シート1が、熱風乾燥部30及び輻射熱乾燥炉31に対応した位置を通過することにより、インクの吐出されたプリント面が加熱される。乾燥手段80では、シートが、不図示の温風ダクトの接続された熱風乾燥部30、輻射熱光源32の配置された輻射熱乾燥炉31を通過する。その際、シートは、熱風乾燥部30及び輻射熱乾燥炉31の近傍に配置され、粘着ベルトの内周面に当接し、粘着ベルトと摺動する熱プレート33上の位置を通過する。ここでは、プリントヘッド2a、2b、2c、2dでシート1に付与されたインク中の水等の揮発成分を速やかに除去することを目的としている。
インク吐出によるプリント動作が完了すると、数秒ないし数分以内にシート1は粘着ベルト3から剥離される。シート1が粘着ベルト3から剥離したときにシート1に水分が残留していると、シートにコックリングが生じる可能性がある。このようなコックリングが生じることを抑えるために、乾燥手段80によってシート1を乾燥させる。
本実施形態では、乾燥手段としては、伝熱方式、対流方式、輻射方式を用いてシートを加熱して乾燥させる熱風乾燥部30及び輻射熱光源32が採用されている。熱風乾燥部30から熱風がシートに向けて吹き付けられることで、熱風の有する熱がシートに伝達されて、シートが加熱されて伝熱方式によるシートの乾燥が行われる。輻射熱光源32からの輻射熱によってシートが加熱されて、輻射方式、あるいは対流方式によるシートの乾燥が行われる。なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。乾燥工程の他の手法としては、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法等が考えられる。これらを組み合わせた手段が、乾燥手段として採用されてもよい。このように乾燥手段によってシートの乾燥が行われることにより、インク吐出によるプリントが終了した後に、粘着ベルト3によりコックリング抑制が機械的拘束によって行われたままの状況で水分が乾燥される。これにより、コックリングの発生を抑えることができる。
(シート剥離手段、粘着力検出手段)
次に、シート1と粘着ベルト3は下記に示す手段により粘着力が検出されつつ、シート剥離手段により、シート1が粘着ベルト3から剥離される。
図2において、シート1は分離角度維持ローラ11に案内される、分離角度維持ローラ11は図示せぬベアリング等軸受により回転自在に支持されるが、回転中心の位置は固定である。次にシート1が、分離力発生ローラ12と分離力発生バックアップローラ14の間に案内される。ここで分離力発生ローラ12の外周面は高摩擦部材によって覆われており、分離角度維持ローラ11と同様に回転中心の位置は固定されている。分離力発生ローラ12の外周面に配置された高摩擦部材は、可撓性を有している。
また、図1に示されるように、分離力発生ローラ12には、可変トルクリミッタ(張力検出手段)13が連結されている。可変トルクリミッタ13はさらに図示せぬ駆動伝達手段、駆動源により駆動力が伝達される。分離力発生バックアップローラ14は、ベアリング等の軸受部材により回転可能に軸支されると同時に、回転中心の位置は分離力発生ローラ12の中心に向けて移動自在である。それとともに、不図示のバネ等荷重発生手段により、シート1を分離力発生ローラ12に押しつけて、分離力発生ローラ12との間で分離力発生ローラ12の外周面の摩擦係数に応じて摩擦力を発生させている。
シート1と分離力発生ローラ12との間ですべりが発生しないような摩擦力がシート1と分離力発生ローラ12との間に生じるように、シート1へ荷重が加えられている。この荷重は、分離力発生バックアップローラ14によって、シート1が分離力発生ローラ12に向かう方向に加えられている。ここで可変トルクリミッタ13とは、分離力発生ローラ12への、駆動源から伝達される駆動力、トルクを可変にできる手段である。例えば、可変トルクリミッタ13として、渦電流トルクリミッタが使用される。
トルクリミッタ13により、分離力発生ローラ12への駆動の入力側の回転速度に応じて出力トルクを変化させることができる。
ここで、分離力発生ローラ12の回転速度は、分離力発生ローラ12の外周の速度が、シート1の走行速度よりも速い条件下で、後述の条件になるように制御されている。シート1と粘着ベルト3との間の分離力と、可変トルクリミッタ13により発生させたトルク値との間の関係によるシート1の剥離の状態について、図3(a)、(b)、(c)を用いて説明する。紙間センサ16(シート間距離検出手段)は、図3(a)、(b)、(c)に示されるように、それぞれシート1の表面と紙間センサ16のセンサ面との紙間距離Z1、Z2、Z3の距離を検出することが可能である。紙間センサ16が、粘着ベルト3よりもシートの搬送方向の下流側の位置で、シートとの間の距離を検出する。
シート1の表面と紙間センサ16のセンサ面との間の距離がZ1になるように可変トルクリミッタ13のトルクを制御している。前述のような構成のため、可変トルクリミッタ13の発生トルクはシート1と粘着ベルト3の間のテンション(張力)Tに比例する。可変トルクリミッタ13でのトルク値が低い場合には、それに連動してシートのテンション(張力)Tが小さくなる。可変トルクリミッタ13でのトルク値が、粘着力に対して相対的に低くなれば、図3(b)に示される状態となる。つまり、このときのテンションTが粘着力に対して低いことから、シート1が粘着ベルト3から剥離し難くなる。従って、図3(b)に示されるように、シートが粘着ベルト3から剥離する位置が搬送方向下流側へ移動する。これにより、シートが粘着ベルトに粘着している時間が長くなり、シートが粘着ベルト3から剥離する位置でのシートの高さが低くなる。そのため、図3(b)に示されるように、紙間センサ16によって検出される紙間距離Z2は、図3(a)に示される状態での紙間距離Z1よりも大きくなる。
一方、テンションTが一定のまま、粘着力が小さくなった場合には、テンションTが粘着力に対して相対的に大きくなる。そのため、シートが粘着ベルト3から剥離し易くなり、シートが粘着ベルト3から剥離する位置が搬送方向上流側へ移動する。従って、図3(c)に示されるように、シートが粘着ベルトに粘着している時間が短くなり、シートが粘着ベルト3から剥離する位置でのシートの高さが高くなる。そのため、図3(c)に示されるように、紙間センサ16によって検出される紙間距離Z3は、図3(a)に示される状態での紙間距離Z1よりも小さくなる。
紙間距離Z1を維持するように、可変トルクリミッタ13により発生させるトルク値を制御すると、粘着ベルト3とシート1との間の粘着力が高ければ、トルク値が高くなる。逆に、粘着ベルト3とシート1との間の粘着力が低くなれば、トルク値も低くなる。このように、粘着ベルト3とシート1との間の粘着力と、可変トルクリミッタ13で発生されるトルクとの間に比例の関係が成り立つ。結果的に、トルクリミッタ13で発生させているトルク値を検出することで、粘着力の程度を検出することが可能となる。このように、シートに作用する張力は、シートが粘着ベルト3の粘着部から剥離する剥離位置が所定位置に維持された状態で検出される。ここでは、紙間センサ16の検出によって、剥離位置が所定位置に維持されているかどうかが判断される。トルクリミッタ13が、粘着ベルト3による粘着力の程度を検出する粘着力検出手段として機能する。
このとき、シート1の表面と紙間センサ16のセンサ面との紙間距離Z1、Z2、Z3の距離は、アナログ的に検出することが可能である。そのため、シート1の分離時に生じる振動や粘着材上の局所的ゴミの付着等を考慮して、紙間距離の時間平均を紙間距離Zとしても良い。また、短時間内の過渡的変動を除去することで検出された値を紙間距離Zとすることも可能である。
粘着ベルト3から剥離されたシート1は、粘着ベルト3よりも搬送方向下流側の位置で、回転中心の固定された巻き付け角維持ローラ15によって案内される。これにより、シート1の巻き取り側ロール紙1bの半径の変化によらず、シート1の分離力発生ローラ12に対する巻き付け角、接触角が一定に維持される。この構成は、可変トルクリミッタ13により発生させたトルク値によって、安定したテンション(張力)Tを発生させるためのものである。最後に巻き取り側ロール紙1bも不図示の駆動源、駆動伝達手段により図1に示される矢印C方向に回転し、その回転周速度は、シート1のテンション(張力)Tに影響を与えないように制御されている。
張力の制御手段としては巻き付け角維持ローラ15よりシート1の搬送方向下流側にたるみ、ループを発生させている。このときのループ量を安定させる等することにより、シートの張力を維持することを実現している。
なお、粘着ベルト3に用いる粘着材料として、先にシリコーン樹脂を示したが、これに限定されるものではない。ほかに、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エラストマー等、粘着材料として知られているものを各種利用することができる。これらの中から、乾燥時の加温による粘着力の変化条件を考慮して適切なものを選択すればよい。
(粘着力とコックリング発生の関係及び粘着力と粘着材の粘着力維持寿命)
図4に、一般的な粘着ベルト3の粘着力とコックリング発生の関係についてのグラフを示す。図4に示されるように、粘着力が有る値以上では、抑制できるコックリングの量が変わらないことが表されている。ほとんどの場合、抑制できうるコックリングのうち最小のコックリングのコックリング量は、人間の目にシートの波打ちが認識できない程度の量である。
粘着ベルト3による粘着力の内、コックリングの発生を十分に抑えることができる粘着力であって、そのうち最も小さい粘着力を、コックリング抑制最小粘着力とする。
図4に示されるように、コックリングの発生量が一定になった領域で最も小さい粘着力をコックリング抑制最小粘着力としている。コックリング抑制最小粘着力は、グラフに取った場合、シートの種類、一定面積に打ちこまれる水分量、元々シートがプリント前から持っている水分量等によりさまざまな曲線を描く。またシートが元々持っている水分量は放置されたシート周辺の温度、湿度により変化する。
粘着力が小さすぎる場合には、コックリングの抑制が不十分となる可能性がある。コックリングの抑制が不十分となる原因は、粘着ベルト3の粘着力がある一定の値以下では、吐出されたインクの水分によるシートの膨潤、部分的収縮により発生する力に粘着力が負けてしまうからである。結果的に、シートと粘着材との間に滑りが発生することで、シートの膨潤、部分的収縮を抑制できず、シートにコックリングが発生するからである。
次に、図5に一般的な粘着ベルト3の粘着力と粘着力維持回数の関係を表す。図5に示すがごとく、発生させる粘着力が大きくなればなるほど粘着力維持回数も減少することが解る。図5における粘着力維持回数は、有る粘着力で粘着材とシートを貼り合わせその後条件を一定にして剥離と貼り合わせを繰り返し、粘着力の低下が最初の粘着力の10パーセントを超えたときの繰り返し回数を言うものとする。
図4、5よりコックリング抑制最低粘着力を維持することによって、コックリングの発生を抑制しながら、粘着ベルト3による粘着力をなるべく小さく抑えることができる。粘着ベルト3による粘着力を小さくできるので、粘着ベルト3からシートを剥離させる際にシートに大きな力を作用させずに済む。そのため、シートを粘着ベルト3から剥離させる際に、粘着ベルト3に設けられた粘着材も不必要に多く剥離してしまうことを抑えることができる。粘着材が不必要に多く消費されることを抑えることができるので、粘着ベルト3の寿命を延長させることができる。また、大きな粘着力によってシートの裏面の一部が粘着ベルト3上に残ってしまい、シートの品質が損なわれることを抑えることができる。
また、コックリングを抑えるために必要とされる十分な粘着力によりシートを粘着ベルト3に粘着させているので、コックリングの発生を確実に抑えることができる。
(シートの粘着ベルトへの貼付条件制御)
ここでシート1の粘着ベルト3への粘着力発生条件の設定について、図6を用いて説明する。図6は、本発明における貼付条件の制御を行う際のデータの流れについて示したブロック図である。まず、使用するシートの種類、インクの打ち込み量等は、インクジェットプリント装置が画像データ等を受け取った時点ですでに判明済みである。また、温度、湿度データも予め測定しておけば、プリントされる前の状態の温度、湿度について検出することは可能である。これらのデータに基づき、図6の粘着力発生条件記憶手段100とコックリング抑制最低粘着記憶手段101から、コックリングを抑制する最低条件の発生すべき最小粘着力と、その最小粘着力を発生させるための条件が判明する。
最小粘着力を発生させる条件になるように、制御手段102は、粘着力可変手段により粘着力を制御する。しかしながら粘着ベルト3を繰り返し使用すること等により粘着力は徐々に減少していく。そのため、常時前述のシートと粘着材(粘着ベルト3)の粘着力を検出し続けることで検出した粘着力と粘着力発生条件を制御手段102が比較し、最低粘着力を維持するように、粘着力調節部60を制御する。
以下、本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリント装置の構成についてより具体的に説明する。なお、本発明はこの内容に限定されるものではなく、前述の説明内容を超えない範囲で各種の様態があることは言うまでもない。
図1における粘着ベルト3では、基材の外周面に、シリコーン樹脂からなる粘着材が50μmの厚さで塗布されている。シート1としては、104.7g/m2の坪量で636mm幅をもつオーロラコート(日本製紙製)のロール紙が用いられている。インクジェットプリント装置における不図示のシート情報入力部に、シートの種類と坪量が入力される。ここでは、シートの種類として、シートの銘柄(ここではオーロラコート紙)が入力される。
粘着力発生状件記憶手段100には、予め、オーロラコート紙に関する各種坪量に対する粘着力発生条件が記憶されている。入力による情報や、温度、湿度データが予め取得され、これらのデータを照合することにより、粘着力調節部60における押圧荷重等をいくつにすれば粘着力がどのくらい発生するかが判別される。次に、これからプリントされる画像のプリントデューテイから、シート1の単位面積当たりに打ちこまれる水分量が解る。従って、この単位面積当たりの水分量から、コックリング抑制に必要で且つ最低限の粘着力が記憶されているコックリング抑制最低粘着力記憶手段101のデータを照合することにより、そのときの条件におけるコックリング抑制最低粘着力が導き出される。このとき、CPU等で構成される制御手段102によって、該当するコックリング抑制最低粘着力発生条件が導き出される。このときのコックリング抑制最低粘着力発生条件に応じて、粘着力調節部60によって粘着力が調節される。
圧縮バネ7a、7bと荷重センサ8a、8bは、押圧ローラ5の押圧荷重が240Nに設定される。ここでは、説明を容易にするために粘着力発生条件記憶手段100とコックリング抑制最低粘着力記憶手段101とを分けているが、これらは、ひとつにまとめられても良い。粘着力発生条件記憶手段100の中に、コックリング抑制最低粘着力記憶手段101のデータが格納されていても良い。
また、インクの打ち込み量がシート1の紙幅方向に著しく差がある場合には、インク打ち込み量の多い位置における押圧荷重を増加させてもよい。その場合、押圧バネ7a、7bのいずれか一方でのみ、押圧荷重を高く設定しても良い。
以上の設定にて、シート1に対してプリント、乾燥を行い粘着ベルト3からシート1を剥離させ、それから粘着力の検出が行われる。そのときに検出された粘着力のデータと本来発生させたい粘着力とを比較し、ずれが生じていれば再度前述の流れに沿って制御手段102により粘着力が調節される。このように、フィードバックを繰り返すことにより、粘着力が適正に設定される。
このように、荷重センサ8a、8bの鉛直方向の位置を調節することにより、荷重センサ8a、8bによる押圧ローラ5への荷重を調節することができる。これにより、押圧ローラ5によるシートへの荷重を調節することで、シートによる粘着ベルト3への粘着力を調節することができる。粘着力調節部60としての荷重センサ8a、8b及び押圧ローラ5によって粘着ベルト3における粘着部へのシートの粘着力を、条件に応じて、所定の粘着力に調節することが可能であるので、粘着力が不十分となることを抑えることができる。従って、コックリングの発生を確実に抑制することができる。
また、粘着力が過度に大きくなることを抑えることができるので、シートを粘着ベルト3から剥離させる際に、シートを変形させてしまうことを抑えることができる。
また、粘着ベルト3による粘着力の大きさが過度に大きくなるのを抑制することができるので、シートを粘着ベルト3から剥離させる際に、粘着ベルト3の粘着部に大きな負荷をかけずに済む。そのため、シートを粘着ベルト3から剥離させる際に、粘着ベルト3上に塗布されている粘着材の剥がされる量が少なく抑えられる。粘着ベルト3が繰り返し使用される過程で、粘着ベルト3からシートが1回剥離するごとの粘着材の消費量が減少するので、粘着ベルト3に粘着材が塗布された状態を長く維持することができる。これにより、粘着ベルト3の寿命を長くすることができる。
また、紙間距離を所定の距離に維持した場合に、粘着力検出手段としてのトルクリミッタ13によって、粘着力を検出することができる。これにより、検出された粘着力と、粘着力についての設定値との間にずれがある場合には、ずれを修正するように粘着力を調節することができる。また、シートによる粘着ベルト3への粘着力について、フィードバック制御を行うことにより、粘着ベルト3の粘着力をより確実に所定の粘着力に設定することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリント装置について説明する。なお、上記第1実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7に第2実施形態に係るインクジェットプリント装置の断面図を示す。第2実施形態では、第1の実施形態で用いられた紙間センサ16が使用されず、センサ紙間センサ40が乾燥手段80よりもシート1の搬送方向下流側に配置されている。
第1実施形態では、紙間センサ16によってシートとの間の距離が検出されている。これによってシートによる粘着ベルト3からの剥離位置が検出され、粘着ベルト3による粘着力が検出されている。これに対し、第2実施形態では、光学的な、センサ紙間センサ40によって、コックリングの量が直接的に検出されている。
このように、プリント工程、乾燥工程が行われた後のシートのコックリング量が、センサ紙間センサ40によって直接検出される。そして、シートにおけるコックリング量についての検出値から、粘着力が、逆に類推検出される。ここで、センサ紙間センサ40では、LED方式、レーザ光方式の、シート1とは非接触なセンサが用いられている。コックリングを測定するパッチを本来プリントしたい画像と画像の間にプリントして、パッチの画像を検出することによって、シートにおけるコックリング量を検出することも可能である。また、駆動トルクは必ずしも可変にする必要がない。従って、可変トルクリミッタ13で発生されるトルクが制限されず、シートに適したテンション(張力)が作用した状態でシートの搬送が行われる。これにより、シート1と粘着ベルト3の間の剥離を安定して行うことができる。なお、シートに適したトルクについては、可変トルクリミッタ13によって付与されるのではなく、固定トルクリミッタ43によって付与されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るプリント装置について説明する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図8に第3実施形態に係るプリント装置についての断面図を示す。第1実施形態では、シートの張力を検出することによって、粘着ベルト3に対するシートの粘着力が検出されている。また、第2実施形態では、センサ紙間センサ40を用いることによってシートのコックリング量が検出されて、シートによる粘着ベルトへの粘着力が検出されている。これに対し、第3実施形態では、シート1が粘着ベルト3から分離された後の粘着ベルト3の表面色濃度を表面色濃度計(濃度検出手段)42で検出することによって、シートによる粘着ベルト3への粘着力が検出されている。ここで、インクジェットプリント装置で使用されるシートで、ほとんどのシート1の表面の色は白色である。また粘着ベルト3の粘着力を低下させる要因はシート1の表面から粘着ベルト3の表面に転移したシート1の表面の例えば炭酸カルシウム等の白色成分である。つまり、粘着ベルト3の表面色濃度が白色系に変化した変化量と粘着ベルト3の粘着力には関係がある。
粘着ベルト3の表面色濃度が白色系に変化した量が大きい程、粘着ベルト3による粘着力が低下していると考えられる。そのため、粘着ベルト3の表面色濃度を検出することで、粘着ベルト3の粘着力の大きさの程度を検出することができる。このように、表面色濃度計42が、粘着部における表面の色の濃度を検出し、粘着ベルト3の粘着力の大きさの程度を検出する。表面色濃度計42による表面の色の濃度の検出は、記録媒体の剥離が行われた後に、張力発生ローラ9から駆動ローラ10へシートが戻る途中の搬送経路で行われている。上記に表す以外の各部の機能、構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント装置について説明する。なお、上記第1実施形態ないし第3実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第1実施形態ないし第3実施形態においては、シートが、連続したロール紙である形態について説明した。これに対し、第4実施形態は、シートとして、1枚ごとにカットされたカット紙が用いられている点で第1実施形態ないし第3実施形態と異なる。
図9に、第4実施形態におけるプリント装置の全体の構成について示した概観斜視図を示す。図10に、図9のプリント装置におけるシート1と粘着ベルト3との間の分離部及び粘着力検出部の斜視図について示す。図11に、図9のプリント装置について、カット紙の積載部を除いた断面図を示す。
カット紙のシート1は、数百〜数万枚の範囲で不図示のシートスタック台の上に積載されている。積載されたシート1の最上部の紙から後述する手段により分離、給送され、給送された枚数、厚みに応じてスタック台の最下面が上昇し、搬送経路に給紙され易いように、最上部にあるシートの高さ方向の位置が維持されている。最上部にあるシートは不図示の圧送空気ノズルから吹出された圧送空気により分離され給紙ローラ50により図9に示される矢印A方向に搬送される。その他の、シートを粘着させて搬送させる粘着部、処理液塗布手段、粘着力調節部、プリント手段、乾燥手段については、第1実施形態と同様に構成されている。
カット紙のシートを搬送するプリント装置では、シートが粘着ベルトから剥離する際に、1枚ごとに、シートの搬送方向の先端部が繰り返し粘着ベルト30から安定して剥離することが求められる。そのため、シートと粘着ベルトとを剥離させる手段、粘着力検出手段において、第1実施形態ないし第3実施形態とは異なる点について詳述する。
図10に示されるように、インクジェットプリント装置は、分離爪(当接部材)53を備えている。シートが駆動ローラ10よりも下流側に搬送されると、シート1が分離爪53と接触する。シートは、粘着ベルト3に粘着した状態で搬送される。駆動ローラの搬送方向下流側の位置では、搬送ベルトの軌道は、駆動ローラ10の曲率に沿って湾曲している。シート1と分離爪53とが接触すると、シート1が剛性を有していることにより、自身の形状を保とうとして、粘着ベルト3から剥がれようとする。
シート1が分離爪53と接触すると、シート1の先端部が分離爪53の鋭角部先端53aによってすくい上げられる。シートの先端部がすくい上げられても、シートにおける、粘着ベルトに粘着している部分の搬送は続けられるので、シートの先端がすくい上げられた状態で、さらにシートの粘着している部分が下流側に押し出される。これにより、シートによる粘着ベルトからの剥離が行われる。このとき、分離爪53によって駆動ローラ10の形状に沿った円周状の粘着ベルト3からシート1の剥離が行われる。分離爪53によって粘着ベルト3からの剥離の行われたシートは、排紙部ガイド56によって案内されて排紙される。
図12は、分離爪53の近傍の位置の拡大断面図である。インクジェットプリント装置が、前述のような構成を有しているので、分離爪53の鋭利先端部53aの位置が粘着ベルト3に近ければ近いほどシート1の先端部のすくい上げを行い易い。従って、分離爪53において、粘着ベルト3から僅かに分離したシート1を粘着ベルト3からさらに剥離させる機能が安定することになる。
ところが、分離爪53を粘着ベルト3に近接させすぎてしまうと、分離爪53が粘着ベルト3に接触してしまう可能性がある。分離爪53が粘着ベルト3に接触した場合、接触した部分のみ粘着力が変化してしまう可能性がある。従って、分離爪53と粘着ベルト3は、お互い接触しない位置に配置されることが望まれる。
図10に示されるように、分離爪軸52に対して、それぞれの分離爪53の円周方向の位相角度が同じになるように、分離爪53が複数配置されている。このとき、複数の分離爪53は、それぞれ分離爪軸52に対して回転できないように、分離爪軸52に固定されている。さらに、分離爪軸52は、トルクコンバータ55を介して、不図示の筐体に固定されている。トルクコンバータ55は、分離爪軸52に加わるトルクを電気信号に変換して出力するものである。トルクコンバータ55としては、例えば、ストレインゲージ方式のもの等がある。
図12に示されるように、粘着ベルト3に粘着したシート1を分離爪53によって粘着ベルト3から剥離させる際には、図12に示される矢印F方向のトルクが分離爪軸52に作用する。このトルクの値は、シート1と粘着材3との間の粘着力と密接な関係を有している。すなわち、粘着力が上がるとトルクが増加し、粘着力が下がるとトルクが減少する関係にある。従って、シート1を粘着ベルト3から剥離させる際のトルクコンバータ55の電気的な出力を計測することにより、シート1と粘着ベルト3との間の粘着力の大きさの程度を検出することができる。
また、図10に示されるように、分離用エア吹出口(空気吹出手段)54が配置されている。分離用エア吹出口54は図13に示されるように、先端部54aから圧送された空気を吹出すことが可能である。分離用エア吹出口54には、不図示のチューブ等が連結されており、チューブはさらに不図示のポンプに接続されている。
図13に示されるように、分離用エア吹出口54から空気をシートと粘着ベルト3との間の位置に圧送することにより、シート1の先端部を粘着ベルト3から剥離させる。分離用エア吹出口54から空気が吹き出されるので、シート1の下流側の先端部が上方へ押し上げられる。これによって、シート1が粘着ベルトから剥離され易くなる。従って、シート1の搬送方向の先端をより安定して分離爪53によりすくい上げることが可能となり、より安定して連続的にシート1を粘着ベルト3から剥離させることができる。ここで、圧送される空気の流量、圧力、流速は、前述のポンプを制御することで制御できるため、前述のシート1と粘着ベルト3の粘着力を検出する際に、圧送空気の流量、圧力、流速を粘着力のパラメータとして加えることも可能である。
なお、上記実施形態では、プリント手段を有するプリント装置に、本発明が適用された形態について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、プリント手段を備えずに、粘着ベルトによってシートやその他の物品を移動させる機能を持った種々の装置に適用されてもよい。
2a、2b、2c、2d プリントヘッド
3 粘着ベルト
5 押圧ローラ
7a、7b 押圧バネ
8a、8b 荷重センサ
60 粘着力調節部

Claims (13)

  1. プリント部と、
    粘着部を持ち、シートを前記粘着部に粘着させた状態で前記プリント部に対して移動させるベルトと、
    前記粘着部へのシートの粘着力を調節する調節手段と
    を有することを特徴とするプリント装置。
  2. 前記粘着部に対してシートを押圧する押圧部を有し、
    前記調節手段は、条件に応じて、前記押圧部によるシートへの押圧力を変えるよう前記押圧部を制御することを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
  3. 前記粘着部に粘着したシートを前記粘着部から剥離させる剥離手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプリント装置。
  4. シートは、予めカットされているカット紙であり、
    前記剥離手段は、前記ベルトによってシートの搬送される搬送経路の曲がった位置でシートに当接してシートを前記粘着部から剥離させる当接部材を有することを特徴とする請求項3に記載のプリント装置。
  5. 前記剥離手段は、前記搬送経路の曲がった位置でシートを剥離させる際に、シートに空気を吹きつけることを特徴とする請求項4に記載のプリント装置。
  6. 前記粘着部へのシートの粘着力を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプリント装置。
  7. 前記検出手段は、前記ベルトによるシートの搬送方向に沿った、シートに作用する張力を検出することを特徴とする請求項6に記載のプリント装置。
  8. 前記検出手段は、シートが前記粘着部から剥離する剥離位置が所定位置に維持された状態で前記張力を検出することを特徴とする請求項7に記載のプリント装置。
  9. 前記ベルトよりも前記搬送方向の下流側の位置にてシートとの間の距離を検出して、前記剥離位置が前記所定位置に維持されているかどうか判断する手段を有することを特徴とする請求項8に記載のプリント装置。
  10. 前記検出手段は、前記粘着部における表面の色の濃度を検出することを特徴とする請求項6に記載のプリント装置。
  11. 前記検出手段で検出された粘着力に基づいて、前記調節手段はシートによる前記粘着部への粘着力を調節することを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載のプリント装置。
  12. 前記ベルトは2つのローラの間に張架された無端ベルトであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のプリント装置。
  13. 粘着部を持ち、物品を前記粘着部に粘着させた状態で搬送するベルトと、
    前記粘着部への物品の粘着力を調節する調節手段と
    を有することを特徴とする搬送装置。
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