JP2016150362A - 車輪用転がり軸受ユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪用転がり軸受ユニットのハブの端部円筒部先端をかしめ加工する際に、かしめ部にクラックが発生することを防止するかめ方法の提供。【解決手段】車輪用転がり軸受ユニット1の軸端平面部17の少なくとも内径側の全面にグリース3を塗布した後にかしめ加工を行う。軸端平面部17の内径側の全面に塗布するグリースは、極圧成分が強く、好ましくは二硫化モリブデンやグラファイトなどの固体潤滑剤を含むものが相応しく、EHL油膜を形成することを目的とする軸受封入グリースとは別のグリースを使用する。【選択図】図1
Description
この発明は、自動車の車輪を回転自在に支持する車輪用転がり軸受ユニットの製造方法の改良に関する。
図5に示す車輪用転がり軸受ユニット1は、外輪2の内径側にハブ4及び内輪5を、複数個の転動体6を介して回転自在に支持して成る。外輪2は、その外周面に設けたフランジ7によりサスペンション(懸架装置)を構成するナックルに結合固定された状態で、使用時にも回転しない。外輪2の内周面には複列の外輪軌道8,8を、ハブ4の外周面には第一の内輪軌道9を、内輪5の外周面には第二の内輪軌道10を、それぞれ設けている。複列の外輪軌道8と第一、第二の内輪軌道9,10との間に、それぞれ複数個の転動体を転動自在に設けることにより、外輪2の内径側にハブ4及び内輪5を、回転自在に支持している。
車輪用転がり軸受ユニット1の製造工程の一つとして、図5に示す様に、ハブ4の内端部で、小径段部11に外嵌した内輪5よりも軸方向内側に突出した部分に存在する円筒部37を、直径方向外方にかしめ広げ(塑性変形させ)ることにより、内輪5を小径段部11の段差面29に向けて抑え付けるかしめ加工工程がある。このかしめ加工では、各転動体6、6に予圧を付与している。
かしめ加工の過程では、加工治具43を円筒部37に摺接させるため、かしめ部38(円筒部37)と加工治具43との摩擦で金属同士の微小な凝着が発生し、かしめ部38の表面に微小なクラックが発生することがある。
この様なクラックの発生を防止する方法として、円筒部37に弗素樹脂や燐酸塩などの潤滑性被膜を設けた状態で、かしめ部38を加工する製造方法が、特許文献1等により知られている。
ところで、車輪用転がり軸受ユニット1の予圧測定や異音測定などの検査は、予圧が付与され、接触角が正規の状態で行う必要がある為、かしめ加工後に実施される。一方、軸受ユニットに封入されるグリースには油膜のダンパ効果があり、シールには防音効果があるので、上記検査は、グリース封入前、或はシール装着前に行う必要がある。したがって、かしめ加工はシール装着前に行われる事になり、かしめ部に形成された潤滑性被膜が弗素樹脂などの樹脂被膜の場合、かしめ加工により剥がれた弗素樹脂が軸受内部に入り込む虞がある。また、潤滑性被膜が燐酸塩被膜の場合には剥がれる虞はないが、処理液がハブ4の焼入れ部に接触すると、水素脆性を発生する虞があり好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、かしめ部の潤滑性被膜として弗素樹脂や燐酸塩などを使用せずに、かしめ部の表面に微小なクラックが発生するのを防止する製造方法を提供することを目的としている。
本発明の上記目的は、下記の製造方法により達成される。
外輪と、ハブと、内輪と、複数の転動体とを備え、前記外輪は、外周面に懸架装置に結合固定する為のフランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ有するものであり、前記ハブは、外周面の中間部に第一の内輪軌道を、外周面の端部に円筒部を、それぞれ有するものであり、前記内輪は、外周面に第二の内輪軌道を有し、前記円筒部に外嵌した状態で、前記ハブの円筒部を径方向外方に塑性変形させて形成されたかしめ部により、前記ハブに固定されたものであり、前記転動体は、前記複列の外輪軌道と前記第一、第二の内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられているものである車輪用転がり軸受ユニットを製造する方法であって、
前記円筒部を径方向外方に塑性変形させる際に、前記円筒部の軸端平面部の少なくとも内径側の全面に、前記軸受ユニットに封入するグリースとは異なるグリースを塗布し、前記かしめ部を形成する。
外輪と、ハブと、内輪と、複数の転動体とを備え、前記外輪は、外周面に懸架装置に結合固定する為のフランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ有するものであり、前記ハブは、外周面の中間部に第一の内輪軌道を、外周面の端部に円筒部を、それぞれ有するものであり、前記内輪は、外周面に第二の内輪軌道を有し、前記円筒部に外嵌した状態で、前記ハブの円筒部を径方向外方に塑性変形させて形成されたかしめ部により、前記ハブに固定されたものであり、前記転動体は、前記複列の外輪軌道と前記第一、第二の内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられているものである車輪用転がり軸受ユニットを製造する方法であって、
前記円筒部を径方向外方に塑性変形させる際に、前記円筒部の軸端平面部の少なくとも内径側の全面に、前記軸受ユニットに封入するグリースとは異なるグリースを塗布し、前記かしめ部を形成する。
上記のかしめ加工方法により、従来技術の問題を解消し、かしめ部の潤滑性被膜として弗素樹脂や燐酸塩などを使用せずに、かしめ部の表面に微小なクラックが発生するのを防止することができる。
さらに、万が一、かしめ部でバリ落ち等によるコンタミが発生した場合でも、グリースの粘性でコンタミはその場に貼り付き(留まり)、軸受内に侵入することを防止できる。
さらに、万が一、かしめ部でバリ落ち等によるコンタミが発生した場合でも、グリースの粘性でコンタミはその場に貼り付き(留まり)、軸受内に侵入することを防止できる。
以下、本発明に係る車輪用転がり軸受ユニットの製造方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明の特徴は、加工前のかしめ部の潤滑方法を工夫した点にあり、その他の部分の構造、方法及び作用は、前述の図5に示した従来のかしめ工程と同様であるから、従来構造、方法と同じ部分は図を省略するか、同一符号を付して重複する説明は省略し、以下、本発明の特徴部分である、かしめ部の潤滑方法ついて説明する。
図1は、本発明の車輪用転がり軸受ユニット1のかしめ工程を説明する図である。
ハブ4の軸端平面部17の少なくとも内径側の全面にグリース3を塗布した状態でかしめ加工を行っている。軸端平面部17の内径側の全面にグリース3を塗布することにより、かしめ加工に於いて、かしめ金型(加工治具43)と被かしめ部である円筒部37との間の相対滑りに伴う摩擦による金属同士の微小な凝着や微小なクラックの発生を防止している。ここで、軸端平面部17に塗布するグリース3は、極圧成分が強く、好ましくは二硫化モリブデンやグラファイトなどの固体潤滑剤を含むものが相応しい。軸受ユニット内部の封入グリースはEHL油膜を形成することを目的としており、グリース3とは特性が異なるので、封入グリースとは別のグリースを塗布している。
ハブ4の軸端平面部17の少なくとも内径側の全面にグリース3を塗布した状態でかしめ加工を行っている。軸端平面部17の内径側の全面にグリース3を塗布することにより、かしめ加工に於いて、かしめ金型(加工治具43)と被かしめ部である円筒部37との間の相対滑りに伴う摩擦による金属同士の微小な凝着や微小なクラックの発生を防止している。ここで、軸端平面部17に塗布するグリース3は、極圧成分が強く、好ましくは二硫化モリブデンやグラファイトなどの固体潤滑剤を含むものが相応しい。軸受ユニット内部の封入グリースはEHL油膜を形成することを目的としており、グリース3とは特性が異なるので、封入グリースとは別のグリースを塗布している。
また、軸端平面部17に塗布するグリース3が飛散して軸受内部に侵入しない為に、ちょう度も低い(硬い)もの、少なくともNLGI番号で4号以上のグリース(所謂、ブロックグリース)を使用とすることが好ましい。万が一、かしめ部でバリ落ち等によるコンタミが発生した場合でも、グリースの粘性でコンタミはその場に貼り付き(留まり)、軸受内部に侵入することを防止できる。グリース3は、ハブ4の軸端内径部19(かしめ加工の進行と共に、かしめ金型と接触する部分)の平面側にも塗布されていればより好ましいが、軸受内部への飛散や滴下を防止する為、塗布量はなるべく少量とする必要がある。
図2は、本発明の車輪用転がり軸受ユニット1の軸端平面部17に、かしめ加工前にグリース3を塗布する方法を示す図である。本実施形態ではスポンジ状、或は表面に凹凸のあるローラ15の表面にグリース3を付着させ、ローラ15の下をハブ4の軸端平面部17が接触しながら通過することで、ローラ15のグリース3を軸端平面部17に転写させている。
ハブ4の軸端平面部17の外径側は大きな面取りが形成されているが、内径側の面取りは小さく(或はバリ取り程度)で有るため、ローラ15とのエッジロード面圧は外径側に比べて内径側が高くなる。したがって、ローラ15から染み出すグリース3の量は外径側に比べて内径側のほうが多くなるので、軸端平面部17の外径側は面取り内にグリースを留めて軸受内への滴下を防止しつつ、内径側には滴下グリースが存在する様に、グリース3を塗布することができる。なお、図示の例では、軸端平面部17の外径側の面取りは角面取りであるが、丸面取りにすることもできる。
図3は、本発明の車輪用転がり軸受ユニット1の軸端平面部17に、かしめ加工前にグリース3を塗布する別の方法を示す図である。グリース3をスポンジ状物質に染み込ませたスタンプ台状のグリース溜め16に、ハブ4の軸端平面部17を押し付ける塗布方法である。この場合も前述した図2と同様に、軸端平面部17の外径側と内径側の形状差により、内径面側に塗布されるグリース量を外径面側よりも多くすることができる。また、軸端平面部17の外径側の面取りを丸面取りにすることもできる。
図4は、本発明の車輪用転がり軸受ユニット1の軸端平面部17に、かしめ加工前にグリース3を塗布する、更に別の方法を示す図である。本実施形態では、グリース型18の外筒部をハブ4の軸端平面部17の外径側に突き当てると共に、グリース型18の内筒部の先端をハブ4の軸端内径部19に挿入している。そして、グリース型18の外筒部と内筒部との間から、グリース3を軸端平面部17に塗布している。本実施形態では、軸端平面部17と軸端内径部19の任意の範囲にグリース3を塗布することができる。
1 車輪用転がり軸受ユニット
2 外輪
3 グリース
4 ハブ
5 内輪
6 転動体
7 フランジ
8 外輪軌道
9 第一の内輪軌道
10 第二の内輪軌道
11 小径段部
15 ローラ
16 グリース溜め
17 軸端平面部
18 グリース型
19 軸端内径部
29 段差面
37 円筒部
38 かしめ部
43 加工治具
2 外輪
3 グリース
4 ハブ
5 内輪
6 転動体
7 フランジ
8 外輪軌道
9 第一の内輪軌道
10 第二の内輪軌道
11 小径段部
15 ローラ
16 グリース溜め
17 軸端平面部
18 グリース型
19 軸端内径部
29 段差面
37 円筒部
38 かしめ部
43 加工治具
Claims (1)
- 外輪と、ハブと、内輪と、複数の転動体とを備え、前記外輪は、外周面に懸架装置に結合固定する為のフランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞれ有するものであり、前記ハブは、外周面の中間部に第一の内輪軌道を、外周面の端部に円筒部を、それぞれ有するものであり、前記内輪は、外周面に第二の内輪軌道を有し、前記円筒部に外嵌した状態で、前記ハブの円筒部を径方向外方に塑性変形させて形成されたかしめ部により、前記ハブに固定されたものであり、前記転動体は、前記複列の外輪軌道と前記第一、第二の内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられているものである車輪用転がり軸受ユニットを製造する方法であって、
前記円筒部を径方向外方に塑性変形させる際に、前記円筒部の軸端平面部の少なくとも内径側の全面に、前記軸受ユニットに封入するグリースとは異なるグリースを塗布し、前記かしめ部を形成することを特徴とする車輪用転がり軸受ユニットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015029553A JP2016150362A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 車輪用転がり軸受ユニットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015029553A JP2016150362A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 車輪用転がり軸受ユニットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016150362A true JP2016150362A (ja) | 2016-08-22 |
Family
ID=56695826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015029553A Pending JP2016150362A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 車輪用転がり軸受ユニットの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016150362A (ja) |
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2015
- 2015-02-18 JP JP2015029553A patent/JP2016150362A/ja active Pending
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