JP2016149397A - R−t−b系焼結磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】Dy、Tbといった重希土類元素の使用量を従来よりも大幅に低減させるか、あるいは使用しない場合においても、高温での保磁力に優れたR−T−B系焼結磁石を提供する。【解決手段】R−T−B系焼結磁石は、R2T14B主相結晶粒子2を有するR−T−B系焼結磁石であって、主相結晶粒子以外に、主相結晶粒子と比較してFeの濃度が高く、かつ、Rを含むFeリッチ相4をさらに有し、R−T−B系焼結磁石の切断面積に対するFeリッチ相4の面積比率が0.05%以上1.0%以下の範囲である。【選択図】図1

Description

本発明は、希土類元素(R)、Fe又はFeおよびCoを必須とする少なくとも1種以上の鉄族元素(T)及びホウ素(B)を主成分とするR−T−B系焼結磁石に関するものである。
R−T−B系焼結磁石は優れた磁気特性を有し、近年では、ハイブリッド自動車の駆動モーター等にも適用されつつある。ハイブリッド自動車の駆動モーターに使用する場合、R−T−B系焼結磁石は比較的高温環境に晒されることになるため、高温環境で熱減磁しにくいR−T−B系焼結磁石が求められる。R−T−B系焼結磁石の高温環境での熱減磁を抑制するためには、高温での保磁力を高めることが必要である。
高温での保磁力を向上させる手法としては、例えばR−T−B系焼結磁石の室温における保磁力(HcJ)を充分高めておく手法が有効であることは良く知られている。R−T−B系焼結磁石の室温における保磁力を高める手法として、主相であるR14B化合物のRの一部を、Dy、Tbといった重希土類元素で置換する手法が知られている。Rの一部を重希土類元素で置換することにより、結晶磁気異方性を高め、その結果、R−T−B系焼結磁石の室温における保磁力を充分に高めることができ、それによって高温での保磁力を高めることができる。
一方、重希土類元素の使用量を抑えて保磁力を向上させる手法として、特許文献1および2には希土類磁石の微細構造である粒界相を制御する手法が開示されている。特許文献1には粒界相が、希土類元素の合計原子濃度が70原子%以上のRリッチ相と、希土類元素の合計原子濃度が25〜35原子%であって強磁性である遷移金属リッチ相とを含むことで高保磁力を得る技術が開示されている。特許文献2には二粒子粒界相の厚みを5nm以上500nm以下にし、かつ強磁性体とは異なる磁性を有する相とすることで高温熱減磁率を抑制する技術が開示されている。
特開2014−13628号公報 特開2014−209546号公報
R−T−B系焼結磁石を100℃〜200℃といった高温環境下で使用する場合、高温での保磁力の更なる向上が必要である。主相であるR14B化合物のRの一部がTbやDyといった重希土類元素で置換された組成は、高温での保磁力向上にとっては簡便な手法ではあるが、Dy、Tbといった重希土類元素は産出地、産出量が限られているので、資源的な問題がある。置換に伴い、例えばNdとDyとの反強磁性的な結合により残留磁束密度の低下も避けられない。
特許文献1においては、粒界中にRリッチ相の他に、強磁性であるR13M型の金属化合物が主である遷移金属リッチ相を40%以上形成している。このR13M型の金属化合物中のM元素がAlかGaであった場合c軸異方性となるため、R14B主相の磁区反転の起点の発生を抑制し保磁力向上効果が得られるとしている。しかしながら粒界中にこのような強磁性の遷移金属リッチ相を形成してしまうと、隣接する主相結晶粒子同士が磁気的に結合しやすくなる傾向がある。隣接する主相結晶粒子同士が磁気的に結合した場合、ある主相結晶粒子に逆磁区が発生すると、隣接する主相結晶粒子にも影響を及ぼして、保磁力が低下してしまうという問題があった。
特許文献2においては、二粒子粒界相の厚みを厚くし、粒界相を非強磁性とすることで、隣接する主相結晶粒子間の磁気的分断効果を高めて高温熱減磁率を抑制できるとしている。さらにその中で、Rリッチ相の他に非強磁性のR13M相を粒界に形成することで、Rリッチ相中の鉄族元素の濃度を減らし、粒界を非磁性化する技術が開示されている。しかしながら粒界中の鉄族元素濃度低下による磁気的分断効果の向上については、いまだ改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、Dy、Tb等の重希土類を増やすことなく、高温での保磁力に優れたR−T−B系焼結磁石を提供することを目的とする。
本願発明者らは、隣接結晶粒子間の磁気的分断効果が高い二粒子粒界の形成に必要な要件について、検討を行った。その結果、従来はR−T−B系焼結磁石中にR17相などのFeリッチ相が含まれると保磁力を低下させる原因となると思われていたが、Feリッチ相が一定量含まれることで保磁力の上昇効果が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、R14B主相結晶粒子を有するR−T−B系焼結磁石であって、前記主相結晶粒子以外に、前記主相結晶粒子と比較してFeの濃度が高く、かつRを含むFeリッチ相をさらに有し、前記R−T−B系焼結磁石の切断面積に対する前記Feリッチ相の面積比率が0.05%以上1.0%以下の範囲であることを特徴とする。
このような範囲でFeリッチ相が存在することにより、良好な高温保磁力が得られるメカニズムについては、完全には明らかになっていないが、以下のようなメカニズムであると推察している。Feリッチ相が上記のような範囲で存在することにより、従来の二粒子粒界中に偏析してきたT原子、例えばFe原子を消費させることができる。その結果、二粒子粒界中の鉄族元素の濃度を極度に減らすことができ、二粒子粒界を非強磁性とすることができる。よって二粒子粒界の磁気的分断効果が向上し、結果として良好な高温保磁力を有することができる。前記焼結磁石の切断面におけるFeリッチ相の面積比率が0.05%未満の場合、二粒子粒界中の鉄族元素の濃度が上昇し、磁気的分断効果が薄れて保磁力が低下する傾向がある。一方、前記焼結磁石の切断面におけるFeリッチ相の面積比率が1.0%を超えた場合、主相体積比率の低下によって残留磁束密度が低下し、またFeリッチ相が逆磁区のニュークリエイションサイトとして機能するため保磁力が低下する傾向がある。面積比率の算定方法については後述する。
上記Feリッチ相は、M元素を含んでいることが好ましい。M元素とはAl、Gaから選ばれる少なくとも一種の元素である。上記Feリッチ相にM元素が含まれることにより、Feリッチ相と粒界相との濡れ性が改善される傾向がある。これによりR14B主相結晶粒子とFeリッチ相との間に厚い二粒子粒界が形成されやすくなり、Feリッチ相とR14B主相結晶粒子が磁気的に分断される。結果としてFeリッチ相に生じた逆磁区が、隣接するR14B主相結晶粒子へ影響を及ぼしにくくなり、Feリッチ相による保磁力の低下を抑制しやすくなると考えられる。
上記R−T−B系焼結磁石の切断面積に対する上記Feリッチ相の面積比率が0.3%以上0.7%以下の範囲であることが好ましい。その場合、さらに良好な高温保磁力を有することができる。
本発明によれば、Dy、Tb等の重希土類を増やすことなく、高温での保磁力に優れたR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
図1は本発明に係るR−T−B系焼結磁石の模式断面図である。 図2は実施例5のR−T−B系焼結磁石切断面の反射電子像である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の実施形態について説明する。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R14B主相結晶粒子を有するR−T−B系焼結磁石であって、前記主相結晶粒子以外に、前記主相結晶粒子と比較してFeの濃度が高く、かつRを含むFeリッチ相をさらに有し、前記R−T−B系焼結磁石の切断面に占める前記Feリッチ相の面積が0.05%以上1.0%以下の範囲であることを特徴とする。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R−T−B系合金を用いて形成される焼結体である。図1に示すように本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、主相結晶粒子の組成がR14B(Rは希土類元素の少なくとも1種を表し、TはFe又はFe及びCoを含む1種以上の鉄族元素を表し、BはB又はB及びCを表す)という組成式で表されるR214B化合物を含む主相結晶粒子2と、前記主相結晶粒子と比較してFeの濃度が高く、かつRを含むFeリッチ相4と、R214B化合物よりRを多く含む粒界相6とを有する。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の主相は、R214B主相結晶粒子であり、R214B主相結晶粒子はR214B型の正方晶からなる結晶構造を有するものである。R214B主相結晶粒子は、R、T、Bを主成分として含んでいれば、他の元素を含んでもよい。
Rは、1種以上の希土類元素を表す。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するScとYとランタノイド元素とのことをいう。ランタノイド元素には、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が含まれる。希土類元素は、軽希土類及び重希土類に分類され、重希土類元素とは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luをいい、軽希土類元素はそれ以外の希土類元素である。
本実施形態では、Tは、Fe又はFe及びCoを含む1種以上の鉄族元素を示すものである。Tは、Fe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部をCoに置換する場合、磁気特性を低下させることなく温度特性を向上させることができる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、Bの一部を炭素(C)に置換することができる。この場合、磁石の製造が容易となるほか、製造コストの低減も図れるようになる。また、Cの置換量は、磁気特性に実質的に影響しない量とする。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、前記R14B主相結晶粒子中に、各種公知の添加元素を含んでもよい。具体的には、Ti、V、Cu、Cr、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Al、Ga、Si、Bi、Snなどの元素の少なくとも1種の元素を含んでもよい。
Feリッチ相とは、Rを含みFeの濃度がR14B主相結晶粒子よりも高い相である。Feリッチ相としては、例えば2−17型結晶構造を持つR17相などが挙げられる。Feリッチ相の存在は、焼結磁石の断面をEPMA(電子線マイクロアナライザー:Electron Probe Micro Analyzer)等の分析手法によりRおよびFeを分析することにより、確認することができる。
Feリッチ相は前述のように構成元素として、FeをR14B主相結晶粒子より多く含み、さらにCoを含んでもよい。Feリッチ相に含まれる鉄族元素Tの原子数は、Feリッチ相に含まれるR、T、B、M元素の原子数の合計に対して、83.0〜93.0%の範囲である。また、Feリッチ相に含まれるRの原子数は、Feリッチ相に含まれるR、T、B、M元素の原子数の合計に対して、5.0〜15.0%の範囲である。この範囲のR、Tが主な成分として含まれていれば、これら以外の成分が含まれていてもよい。
Feリッチ相は、Bを含んでもよい。Feリッチ相に含まれるBの原子数は、Feリッチ相に含まれるR、T、B、M元素の原子数の合計に対して、1.0%以下である。
また、Feリッチ相は、M元素を含むことが好ましい。M元素とはAl、Gaから選ばれる少なくとも一種の元素である。Feリッチ相に含まれるM元素の原子数は、Feリッチ相に含まれるR、T、B、M元素の原子数の合計に対して、0.5〜3.0%が好ましい。Feリッチ相がM元素をこのような範囲で含むことにより、Feリッチ相と粒界相との濡れ性が改善される傾向がある。これによりR14B主相結晶粒子とFeリッチ相との間に厚い二粒子粒界が形成されやすくなり、R14B主相結晶粒子とFeリッチ相が磁気的に分断される。結果として、Feリッチ相に生じた逆磁区が、隣接するR14B主相結晶粒子へ影響を及ぼしにくくなる。その結果、Feリッチ相による保磁力の低下を抑制することができると考えられる。
Feリッチ相の面積比率は以下のような手順で算出することができる。まず、R−T−B系焼結磁石切断面のEPMAによる元素マッピングを行い、R14B主相結晶粒子よりもFeの特性X線強度が高い場所を特定する。次にその場所についてEPMAにより定量分析を行い、各元素の濃度を分析し、R14B主相結晶粒子中の濃度と比較する。比較した結果、Rを含み、R14B主相結晶粒子よりFe濃度が高い領域を特定し、反射電子像と照らし合わせる。反射電子像において、EPMAで特定された箇所を含む同一コントラストの領域をFeリッチ相と特定する。その後に特定したFeリッチ相の面積比率を画像処理ソフトによって算出する。
本実施形態においては、R−T−B系焼結磁石の切断面積に対するFeリッチ相の面積比率が0.05%以上1.0%以下の範囲である。R−T−B系焼結磁石の切断面積に対するFeリッチ相の面積比率が0.05%未満の場合、二粒子粒界中の鉄族元素の濃度が上昇し、磁気的分断効果が薄れて保磁力が低下する傾向がある。一方、R−T−B系焼結磁石の切断面積に対するFeリッチ相の面積比率が1.0%を超えた場合、主相体積比率の低下によって残留磁束密度が低下し、またFeリッチ相が逆磁区のニュークリエイションサイトとして機能するため保磁力が低下する傾向がある。R−T−B系焼結磁石の切断面積に対するFeリッチ相の面積比率は0.3%以上0.7%以下の範囲であるとさらに好ましい。Feリッチ相の面積比率は、B量やZr量などの焼結体組成や、二合金法にした場合の第二合金の組成、あるいは時効処理条件などで制御することができる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、主相とFeリッチ相以外に粒界相を含む。粒界相としては、Rを主成分とするRリッチ相や、R13M相などを含んでもよい。Rリッチ相のほかに、ホウ素(B)原子の配合割合が高いBリッチ相が含まれていてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるRの含有量は25質量%以上35質量%以下であり、好ましくは28質量%以上33質量%以下である。Rの含有量が25質量%未満では、R−T−B系焼結磁石の主相となるR214B化合物の生成が十分ではない。このため、軟磁性を持つα−Feなどが析出し、磁気特性が低下するおそれがある。また、本実施形態においては、コスト低減、および資源リスク回避の点から、Rとして含まれる重希土類元素の量は、1.0質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石において、Bの含有量は0.70〜0.95質量%であることが好ましく、特に0.80〜0.90質量%であるとより好ましい。このようにBの含有量をR14Bで表される基本組成の化学量論比よりも少ない特定の範囲とすることにより、Feリッチ相の生成を促すことができる。
Tは、Fe又はFe及びCoを含む1種類以上の鉄族元素を示すものである。Tは、Fe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの含有量はR−T−B系焼結磁石の構成要素における実質的な残部であり、Feの一部をCoで置換してもよい。Feの一部をCoに置換してCoを含める場合、Coの含有量は4質量%以下の範囲が好ましく、0.1質量%以上2質量%以下とすることがより好ましく、0.3質量%以上1.5質量%以下とすることが更に好ましい。Coの含有量が4質量%を超えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。また、Coの含有量が0.3質量%未満となると耐食性が低下する傾向にある。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Zrを含有することが好ましい。本実施形態におけるZrの含有量の好ましい範囲は、B量など他の組成によっても変わるが、0.05〜2.0質量%が好ましく、0.2質量%以上2.0質量%がより好ましく、0.45質量%以上1.3質量%以下であるとさらに好ましい。R−T−B系焼結磁石の組成に合わせて、Zrの含有量を制御することで、Feリッチ相の面積比率を特定の範囲に制御することができる。また、Zrは、焼結磁石の製造過程での主相結晶粒子の異常成長を抑制することができ、得られる焼結磁石の組織を均一且つ微細にして、磁気特性を向上することができる。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Gaを含有することが好ましい。Gaの含有量は、好ましくは0.05〜1.5質量%、さらに好ましくは0.3〜1.0質量%である。R−T−B系焼結磁石にGaが含まれると、Feリッチ相にGaが含有されやすくなる。それによりFeリッチ相と粒界相との濡れ性が改善され、得られる磁石の高温保磁力が改善する。Gaの含有量が1.5質量%を超えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Cuを含有することが好ましい。Cuの含有量は0.05質量%以上1.5質量%以下の範囲で含有することが好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.0質量%である。Cuを含有させることにより、得られる磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Cuの含有量が1.5質量%を超えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。また、Cuの含有量が0.05質量%未満となると保磁力が低下する傾向にある。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Alを含有することが好ましい。R−T−B系焼結磁石にAlが含まれると、Feリッチ相にAlが含有されやすくなる。それによりFeリッチ相と粒界相との濡れ性が改善され、得られる磁石の高温保磁力が改善する。Alの含有量は0.03質量%以上0.4質量%以下であるのが好ましく、0.05質量%以上0.25質量%以下がより好ましい。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、上記以外の添加元素を含んでもよい。具体的には、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Si、Bi、Sn、Caなどが挙げられる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、酸素(O)の含有量は耐食性の観点から、0.05質量%以上が好ましく、磁気特性の観点からは0.2質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、炭素(C)の含有量は0.05質量%以上0.3質量%以下であることが好ましい。炭素量が0.3質量%を超えると、得られるR−T−B系焼結磁石の磁気特性が低下する傾向にある。炭素量が0.05質量%以下であると、磁場成形時に配向しにくくなる。炭素は主に成形時の潤滑剤により添加されるため、その量により制御できる。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石中においては、窒素(N)の含有量は、0.15質量%以下であると好ましい。Nの含有量がこの範囲よりも大きいと、保磁力が不十分となる傾向にある。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、一般的には任意の形状に加工されて使用される。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の形状は特に限定されるものではなく、例えば、直方体、六面体、平板状、四角柱などの柱状、R−T−B系焼結磁石の断面形状がC型の円筒状等の任意の形状とすることができる。四角柱としては、たとえば、底面が長方形の四角柱、底面が正方形の四角柱であってもよい。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石には、当該磁石を加工して着磁した磁石製品と、当該磁石を着磁していない磁石製品との両方が含まれる。
<R−T−B系焼結磁石の製造方法>
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法の一例を説明する。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は通常の粉末冶金法により製造することができ、該粉末冶金法は、原料合金を調製する調製工程、原料合金を粉砕して原料微粉末を得る粉砕工程、原料微粉末を成形して成形体を作製する成形工程、成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程、及び焼結体に時効処理を施す熱処理工程を有する。
調製工程は、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石に含まれる各元素を有する原料合金を調製する工程である。なお、本実施形態では、主に主相の形成を目的とした第一合金と、主に粒界の形成を目的とした第二合金との2合金を混合して原料粉末を作製する2合金法の場合について説明するが、第一合金と第二合金を分けずに単独の合金を使用する1合金法でもよい。
まず、所定の元素を有する原料金属を準備し、これらを用いてストリップキャスティング法等を行う。これによって原料合金を調製することができる。原料金属としては、例えば、希土類金属や希土類合金、純鉄、純コバルト、フェロボロン、またはこれらの合金が挙げられる。これらの原料金属を用い、所望の組成を有するR−T−B系焼結磁石が得られるような原料合金を調製する。
2合金法を用いる場合は、第二合金に含まれるR量を第一合金より低いR量、T量を残部とするような合金組成とすることが好ましい。このような合金組成とすると、第二合金中にFeリッチ相を多く含む合金組織とすることができ、それによってR−T−B系焼結磁石中のFeリッチ相の生成を促進することができる。第二合金のR量は20〜28質量%であると好ましい。
粉砕工程は、調製工程で得られた原料合金を粉砕して原料微粉末を得る工程である。この工程は、粗粉砕工程及び微粉砕工程の2段階で行うことが好ましいが、1段階としても良い。粗粉砕工程は、例えばスタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中で行うことができる。水素を吸蔵させた後、粉砕を行う水素吸蔵粉砕を行うこともできる。粗粉砕工程においては、原料合金を、粒径が数百μmから数mm程度となるまで粉砕を行う。
また、高い磁気特性を得るために、粉砕工程から焼結工程までの各工程における雰囲気は、低酸素濃度とすることが好ましい。酸素濃度は、各製造工程における雰囲気の制御等により調整される。各製造工程の酸素濃度が高いと合金の粉末中の希土類元素が酸化してR酸化物が生成されてしまい、焼結中に還元されずR酸化物の形でそのまま粒界に析出し、得られるR−T−B系焼結磁石のBrが低下する。そのため、例えば、各工程の酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。
微粉砕工程は、粗粉砕工程で得られた粗粉末を微粉砕して、平均粒径が数μm程度の原料微粉末を調製する。原料微粉末の平均粒径は、焼結後の結晶粒の成長度合を勘案して設定すればよい。微粉砕は、例えば、ジェットミルを用いて行うことができる。
細かい粒径の微粉砕粉末をジェットミルを用いて得ようとする場合、粉砕された粉末表面が非常に活性であるため、粉砕された粉末同士の再凝集や、容器壁への付着が起こりやすく、収率が低くなる傾向がある。そのため、合金の粗粉砕粉末を微粉砕する際には、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の粉砕助剤を添加して粉末同士の再凝集や、容器壁への付着を防ぐことで、高い収率で微粉砕粉末を得ることができる。また、このように粉砕助剤を添加することにより、成形時に配向の高い微粉砕末を得ることも可能とある。粉砕助剤の添加量は微粉砕粉末の粒径や添加する粉砕助剤の種類によっても変わるが、質量%で0.1%〜1%程度が好ましい。
成形工程は、原料微粉末を磁場中で成形して成形体を作製する工程である。具体的には、原料微粉末を電磁石中に配置された金型内に充填した後、電磁石により磁場を印加して原料微粉末の結晶軸を配向させながら、原料微粉末を加圧することにより成形を行う。この磁場中の成形は、例えば、1000〜1600kA/mの磁場中、30〜300MPa程度の圧力で行えばよい。
尚、成形方法としては、上記のように原料微粉末をそのまま成形する乾式成形のほか、原料微粉末を油等の溶媒に分散させたスラリーを成形する湿式成形を適用することもできる。
微粉砕粉末を成形して得られる成形体の形状は特に限定されるものではなく、例えば直方体、平板状、柱状、リング状等、所望とするR−T−B系焼結磁石の形状に応じて任意の形状とすることができる。
焼結工程は、成形体を焼結して焼結体を得る工程である。磁場中成形後、成形体を真空もしくは不活性ガス雰囲気中で焼結し、焼結体を得ることができる。焼結条件は、成形体の組成、原料微粉末の粉砕方法、粒度等の条件に応じて適宜設定することが好ましいが、例えば、1000℃〜1100℃で1〜48時間程度行えばよい。
成形体を焼結した後、R−T−B系焼結磁石を時効処理する。焼結後、得られたR−T−B系焼結磁石を焼結時よりも低い温度で保持することなどによって、R−T−B系焼結磁石に時効処理を施す。時効処理は、500℃〜900℃の温度範囲で行えばよいが、900℃近傍での熱処理を行った後600℃近傍での熱処理を行うというふうに2段階に分けて行ってもよい。時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、R−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。
時効処理を2段階にする場合、2段階目の時効処理時間は10〜30分の範囲とすることが好ましい。2段階目の処理時間が10分以下の場合、反応が不十分でFeリッチ相量が多くなる傾向がある。処理時間が30分以上であると、Feリッチ相とM元素の反応が進み、特性を得るために十分なFeリッチ相量が得られない傾向がある。
R−T−B系焼結磁石に時効処理を施した後、R−T−B系焼結磁石はArガス雰囲気中で急冷を行う。これにより、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を得ることができる。冷却速度は、特に限定されるものではなく、30℃/min以上とするのが好ましい。
得られたR−T−B系焼結磁石は、必要に応じて所望の形状に加工してもよい。加工方法は、例えば切断、研削などの形状加工や、バレル研磨などの面取り加工などが挙げられる。
加工されたR−T−B系焼結磁石の粒界に対して、さらに重希土類元素を拡散させる工程を有してもよい。粒界拡散は、塗布または蒸着等により重希土類元素を含む化合物をR−T−B系焼結磁石の表面に付着させた後、熱処理を行うことや、重希土類元素の蒸気を含む雰囲気中でR−T−B系焼結磁石に対して熱処理を行うことにより、実施することができる。これにより、R−T−B系焼結磁石の保磁力をさらに向上させることができる。
以上の工程により得られたR−T−B系焼結磁石は、めっきや樹脂被膜や酸化処理、化成処理などの表面処理を施してもよい。これにより、耐食性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態では、加工工程、粒界拡散工程、表面処理工程を行っているが、これらの各工程は必ずしも行う必要はない。
以上の方法により、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石が得られるが、R−T−B系焼結磁石の製造方法は上記に限定されず、適宜変更してよい。
次に、本発明を具体的な実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実験例1〜9)
まず、焼結磁石の原料金属を準備し、表1に示す組成でストリップキャスティング法により、第一合金、第二合金を準備した。表1に示す焼結体組成は、R−T−B系焼結磁石としての狙い組成であり、第一合金と第二合金を、それぞれを95:5の割合で混合した組成である。第二合金のR量は25質量%とした。実験例1〜8では最終組成はZr量を変えて作製し、R−T−B系焼結磁石中のFeリッチ相量を制御している。実験例9では、実験例5の組成で、2段階目の時効処理時間を変えた水準である。
得られた原料合金に水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気で500℃、1時間の脱水素を行う水素粉砕処理を行った。その後、得られた粉砕物をAr雰囲気下で室温まで冷却した。
得られた第一合金と第二合金の粉砕物を95:5の配合比で混合し、粉砕助剤としてオレイン酸アミドを0.3質量%添加して、混合した後、ジェットミルを用いて微粉砕を行い、平均粒径が2〜3μmである原料粉末を得た。
得られた原料粉末を、低酸素雰囲気下において、配向磁場1200kA/m、成形圧力120MPaの条件で成形を行って、成形体を得た。
その後、成形体を、真空中において1060℃で4時間焼結した後、急冷して焼結体を得た。得られた焼結体をArガス雰囲気下において2段階の時効を行い、1段階目に850℃で1時間、2段階目に530℃で時効処理をそれぞれ行った。2段階目の時効処理時間は実験例1〜8では15分、実験例9では90分、それぞれ行った。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石の組織および磁気特性を以下の方法で測定し、評価した。組織として、R−T−B系焼結磁石の任意の切断面におけるFeリッチ相の面積比率を求めた。磁気特性として、R−T−B系焼結磁石の180℃における残留磁束密度Br、保磁力HcJを測定した。
得られたR−T−B系焼結磁石の断面の表面をイオンミリングで削り、最表面の酸化等の影響を除いた後、R−T−B系焼結磁石の断面をEPMA(電子線マイクロアナライザー)で元素分布を観察した。50μm角の領域について、各実験例のR−T−B焼結磁石の組織をEPMAにより観察し、EPMAによる元素マッピングを行った。マッピングデータからR14B主相結晶粒子中よりもFe濃度が高い場所を特定し、さらにその場所について定量分析を行った。比較として、隣接するR14B主相結晶粒子の中心部の定量分析も合わせて行った。表2に実験例3の定量分析の結果を示す。なお、表中の組成比とは、Nd、Pr、Fe、Co、B、Al、Gaの原子数の合計を100としたときの各元素の割合である。測定1、2がR14B主相結晶粒子の定量分析結果であり、測定点3、4はR14B主相結晶粒子よりもFe濃度が高い場所の定量分析結果である。測定点1、2のR14B主相結晶粒子と比較して、測定点3、4においてはFeの濃度が高く、かつRを含んでいることから、測定点3、4がFeリッチ相であることを確認した。
その後、反射電子像と照らし合わせてFeリッチ相の範囲を特定した。その後に前記手順を繰り返すことで、500μm角の領域においてFeリッチ相の範囲を特定し、特定したFeリッチ相の面積比率を画像処理ソフトによって算出した。図2に実験例5の反射電子像を示す。矢印で示す部分が特定したFeリッチ相である。
各実験例について、R−T−B系焼結磁石のFeリッチ相の面積比率を算出した結果を表3に示す。実験例の各R−T−B系焼結磁石のFeリッチ相の面積比率は0〜1.23%となっていた。本発明の実施例である実験例3〜6まではFeリッチ相の面積比率は0.05%〜1.0%の範囲内であった。本発明の比較例である実験例1、2ではFeリッチ相の面積比率が1.0%より多く、実験例7〜9ではFeリッチ相の面積比率は0.05%未満であった。
得られたR−T−B系焼結磁石について、蛍光X線分析法および誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により組成分析した。その結果、いずれのR−T−B系焼結磁石も狙い組成(表1に示す組成)と略一致していることが確認できた。また、酸素量を、不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法を用い、窒素量を、不活性ガス融解−熱伝導度法を用い、炭素量を、酸素気流中燃焼−赤外線吸収法を用いて測定した。酸素量、窒素量、炭素量の結果を表3に示す。
実験例1〜9の各R−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサーを用いて測定した。測定サンプルはヒーターにより180℃に加熱されており、磁気特性として、180℃における残留磁束密度Brと保磁力HcJとを測定した。各R−T−B系焼結磁石の残留磁束密度Brと保磁力HcJの測定結果を表3に示す。また、各実験例1〜9において、Feリッチ相の面積比率がゼロである実験例8と、各実験例とのHcJの差を、HcJ向上値として同じく表3に示す。HcJが10%以上向上している場合、HcJ向上効果ありと判断した。
表3より、Feリッチ相の面積比率が0.05%未満の比較例である、実験例7〜9においては、HcJは低い値となっている。Feリッチ相の面積比率が0.05〜1.0%の実施例である実験例3〜6においては、比較例に比べて高いHcJが得られた。一方でFeリッチ相の面積比率が1.0%以上の実験例1,2においてはBr、HcJともに減少していることが確認された。また、Feリッチ相の面積比率が0.3%〜0.7%の範囲内である、実験例4、5において、特に高いHcJ向上効果が確認された。HcJ向上値は最大で156kA/mであった。
(実験例10〜13)
表4に示す組成を有するR−T−B系焼結磁石がそれぞれ得られるように、ストリップキャスティング法により原料合金を準備したこと以外は、実験例1〜9と同様にして、実験例10〜13のR−T−B系焼結を作製した。
実験例10〜13で得られた各R−T−B系焼結磁石について、実験例1〜9と同様にして、R2T14B主相結晶粒子よりもFe濃度が高い場所と、隣接するR2T14B主相結晶粒子の中心部の定量分析を行った。実験例11についての定量分析結果を表5に示す。測定点5のR2T14B主相結晶粒子と比較して、測定点6においてはFe濃度が高く、かつRを含んでいることから、測定点6がFeリッチ相であることを確認した。また、測定点6の結果から、Al、Gaが含有されていないFeリッチ相が生成されていることを確認した。
実験例10〜13で得られた各R−T−B系焼結磁石について、実験例1〜9と同様にして、R−T−B系焼結磁石のFeリッチ相の面積比率を算出した結果を表6に示す。実験例11、12ではFeリッチ相の面積比率は0.05%〜1.0%の範囲内であった。実験例10ではFeリッチ相の範囲は1.0%より多く、実験例13ではFeリッチ相の面積比率は0.05%未満であった。
実験例10〜13で得られた各R−T−B系焼結磁石について、実験例1〜9と同様にして組成分析を行った結果、いずれのR−T−B系焼結磁石も狙い組成(表4に示す各組成)と略一致していることが確認できた。また実験例1〜9と同様にして、酸素量、窒素量、炭素量を分析した結果について、表6に合わせて示す。
実験例10〜13で得られた各R−T−B系焼結磁石の磁気特性について、実験例1〜9と同様の評価を行った。結果を表6に示す。また、同様に各実験例10〜13において、Feリッチ相の面積比率がゼロである実験例13と、各実験例との保磁力の差を、HcJ向上値として同じく表6に示す。HcJが10%以上向上している場合、HcJ向上効果ありと判断した。Feリッチ相の面積比率が1.0%以上である実験例10、およびFeリッチ相の面積比率が0.05%未満である実験例13では、HcJは低い値となっている。Feリッチ相の面積比率が0.05%〜1.0%の実験例11、12においてはHcJ向上効果が得られた。HcJの向上値は最大84kA/mであった。
実験例1〜9と、実験例10〜13の各R−T−B系焼結磁石それぞれの磁気特性結果より、Feリッチ相にAl、Gaが含有されている場合は、より良好なHcJ向上効果を得られることが確認された。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
本発明によれば、Dy、Tbといった重希土類元素の使用量を従来よりも大幅に低減させるか、あるいは使用しない場合においても、良好な高温保磁力を有するR−T−B系焼結磁石を提供できる。
2 R14B主相結晶粒子
4 Feリッチ相
6 粒界相

Claims (3)

  1. 14B主相結晶粒子を有するR−T−B系焼結磁石であって、前記主相結晶粒子以外に、前記主相結晶粒子と比較してFeの濃度が高く、かつRを含むFeリッチ相をさらに有し、前記R−T−B系焼結磁石の切断面積に対する前記Feリッチ相の面積比率が0.05%以上1.0%以下の範囲であることを特徴とするR−T−B系焼結磁石。
  2. 前記Feリッチ相が、M元素(MはAl、Gaから選ばれる少なくとも一種)を含むことを特徴とする、請求項1記載のR−T−B系焼結磁石。
  3. 前記R−T−B系焼結磁石の切断面積に対する前記Feリッチ相の面積比率が0.3%以上0.7%以下の範囲であることを特徴とする、請求項1、または2に記載のR−T−B系焼結磁石。
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