JP2016148638A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数変動によるビーム指向方向のずれを抑制することができるレーダ装置を得ること。【解決手段】複数の素子アンテナで構成されるアンテナ部11と、複数の素子アンテナ11aを複数のサブアレー11A,11B,11Cに分け、サブアレー11A,11B,11Cごとに割り当てる周波数帯域とビーム走査周波数とを決定するレーダ制御部12と、ビーム走査周波数に基づいて、素子アンテナ11aごとに位相調整量を算出する移相器制御部13と、素子アンテナ11aごとに配置され、位相調整量に基づいて、アンテナ部11で受信した受信信号の位相を調整する移相器14と、移相器14で位相が調整された受信信号をサブアレー11A,11B,11Cごとに合成する合成分配部15と、合成分配部15により合成された受信信号を処理する受信処理部16と、受信処理部16により処理された受信信号から目標信号を検出する目標検出部17を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、フェイズドアレーアンテナを備えるレーダ装置に関する。
レーダ装置に用いられるフェイズドアレーアンテナでは、広帯域な高周波信号を同時に送受信するため、周波数変動によりメインビーム方向がシフトする、いわゆるビーム指向方向ずれが生じることがある。当該ビーム指向方向ずれを抑制するために、実時間遅延器(True Time Delay:略称「TTD」)をレーダ装置に用いることが提案されている(例えば、非特許文献1)。周波数変動によりビーム指向方向にずれが生じる理由は、360度以内の位相変化を調整する360度移相器の特性が周波数帯域内で平坦な通過位相特性を有するためである。
谷島 正信,長谷川 巧,"実時間遅延器数の削減により生じる広帯域フェイズドアレーアンテナのビーム指向誤差とその補正法",信学論B,Vol.J88−B,No.9,pp.1863−1874,2005.
しかし、非特許文献1で示されているように、TTDは一般に高価であり、またTTDを用いてフェイズドアレーアンテナを構成する場合、ハードウェア規模が増大し複雑化するという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、TTDを用いずに、周波数変動によるビーム指向方向のずれを抑制することができるレーダ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の素子アンテナで構成されるアンテナ部と、複数の素子アンテナを複数のサブアレーに分け、サブアレーごとに割り当てる周波数帯域とビーム走査周波数とを決定する決定部と、ビーム走査周波数に基づいて、素子アンテナごとに位相調整量を算出する算出部と、素子アンテナごとに配置され、位相調整量に基づいて、アンテナ部で受信した受信信号の位相を調整する移相器と、移相器で位相が調整された受信信号をサブアレーごとに合成する合成部と、合成部により合成された受信信号を処理する受信処理部と、受信処理部により処理された受信信号に基づいて、目標を検出する目標検出部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、周波数変動によるビーム指向方向ずれを抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかるレーダ装置の構成図 実施の形態1にかかるレーダ装置によって線形周波数変調を行ったときの周波数と時間との関係を示す図 実施の形態1にかかるレーダ装置によって線形周波数変調を行ったときの送信信号の振幅の変化を示す図 実施の形態1にかかるレーダ装置によって周波数帯域をサブアレーの数で分割したときの送信信号の振幅を示す図 実施の形態1にかかるレーダ装置によって電波を送信するときの動作についての説明に供するフローチャート 実施の形態1にかかるレーダ装置によって電波を送信するときの動作についての説明に供するフローチャート アンテナ部の放射パターンを示す図 実施の形態2にかかるレーダ装置の構成図 実施の形態2にかかる送受信MDL部の構成図 実施の形態3にかかるレーダ装置の構成図
以下に、本発明の実施の形態にかかるレーダ装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるレーダ装置1を示す図である。レーダ装置1は、送信波を送信し、当該送信波が目標に当たって反射してきた受信波を受信し、当該受信波から目標を検出する装置である。
レーダ装置1は、電波の送受信を行うアンテナ部11と、周波数帯域とビーム走査周波数とを決定する決定部であるレーダ制御部12と、位相調整量を算出する算出部である移相器制御部13と、位相を調整する移相器14と、受信信号をサブアレーごとに合成する合成部であり、また、送信信号を分配する分配部である合成分配部15と、受信信号を処理する受信処理部16と、目標を検出する目標検出部17とを備える。また、レーダ装置1は、送信信号を送信する送信処理部18と、サブアレーを選択する選択部19と、信号の出力先を決定するサーキュレータ20とを備える。
アンテナ部11は、複数の素子アンテナ11aで構成される。素子アンテナ11aは、受信した受信波を受信信号に変換し、変換した受信信号を移相器14に出力する。また、素子アンテナ11aは、送信信号を送信波に変換し、変換した送信波を外部に放射する。
実施の形態1では、アンテナ部11は、横方向に67個の素子アンテナ11aを配置し、縦方向に3個の素子アンテナ11aを配置し、合計201個の素子アンテナ11aで構成されるものとする。なお、横方向の素子アンテナ11aの数は、67個に限らず、縦方向の素子アンテナ11aの数は、3個に限らず、素子アンテナ11aの合計は、201個に限られない。また、横方向の素子アンテナ11a同士の間隔は、アンテナ部11により送受信される電波の0.5波長であるとするが、0.5波長に限られない。縦方向の素子アンテナ11a同士の間隔は、当該電波の1波長であるとするが、1波長に限られない。
レーダ制御部12は、複数の素子アンテナ11aを複数のサブアレーに分け、サブアレーごとに割り当てる周波数帯域とビーム走査周波数とを決定する。レーダ制御部12は、アンテナ部11を3つのサブアレー11A,11B,11Cに分け、1つのサブアレーを67個の素子アンテナ11aで構成する。なお、サブアレーの数は、3つに限られない。また、1つのサブアレーを構成する素子アンテナ11aの個数は、67個に限られない。
レーダ制御部12は、サブアレー11A,11B,11Cごとに、異なる周波数帯域と異なるビーム走査周波数とを割り当てる。レーダ制御部12は、送信電波の中心周波数、変調周波数帯域、送信電波の変調方式、送信電波の送信タイミングおよび、受信電波の受信タイミングを決定する。
ここで、レーダ制御部12により周波数帯域をサブアレー11A,11B,11Cに割り当てる処理について説明する。なお、周波数帯域の割り当て処理は、以下の4つに限られない。
レーダ制御部12は、周波数帯域をサブアレー11A,11B,11Cの数で分割し、分割した各周波数帯域をサブアレー11A,11B,11Cに割り当てる。
また、レーダ制御部12は、周波数帯域を波長帯域に変換し、当該波長帯域をサブアレー11A,11B,11Cの数で分割し、分割した各波長帯域を周波数帯域に変換し、変換後の各周波数帯域をサブアレー11A,11B,11Cに割り当てる。
また、レーダ制御部12は、サブアレー11A,11B,11Cの数で分割せずに複数のサブアレーを1つのサブアレー群とし、周波数帯域をサブアレー群の数で分割し、分割した各周波数帯域を各サブアレー群に割り当てる。
また、レーダ制御部12は、周波数帯域を波長帯域に変換し、当該波長帯域をサブアレー群の数で分割し、分割した各波長帯域を周波数帯域に変換し、変換後の各周波数帯域を各サブアレー群に割り当てる。
つぎに、ビーム走査周波数を決定する処理について説明する。なお、ビーム走査周波数を決定は、以下の2つに限られない。
レーダ制御部12は、各サブアレーに割り当てる周波数帯域の中心周波数をビーム走査周波数に決定する。
また、レーダ制御部12は、サブアレー11A,11B,11Cに割り当てる周波数帯域を波長に変換し、当該波長の中心波長を求め、当該中心波長を周波数に変換し、変換した周波数をビーム走査周波数に決定する。
レーダ制御部12は、サブアレー11A,11B,11Cごとに決定したビーム走査周波数を移相器制御部13に送る。
つぎに、レーダ制御部12による選択部19の制御について説明する。図2は、周波数変調の1つである線形周波数変調を行ったときの周波数と時間との関係を示す図である。図3は、線形周波数変調を行ったときの送信信号の振幅の変化を示す図である。図4は、周波数帯域をサブアレー11A,11B,11Cの数である3で分割したときの送信信号の振幅を示す図である。なお、以下では、低い周波数帯域を低域と称し、高い周波数帯域を高域と称し、低域と高域の中間の周波数帯域を中域と称する。
周波数は、図2中のf1で示すように、時間の進行にしたがって高くなる。また、振幅に含まれる周波数成分は、図3中のA1に示すように、時間の進行にしたがって高くなっている。
レーダ制御部12は、図4中の期間t1において、低域である振幅波形A1の送信信号がサブアレー11Aから出力されるように選択部19を制御する。レーダ制御部12は、図4中の期間t2において、中域である振幅波形A2の送信信号がサブアレー11Bから出力されるように選択部19を制御する。レーダ制御部12は、図4中の期間t3において、高域である。振幅波形A3の送信信号がサブアレー11Cから出力されるように選択部19を制御する。
移相器制御部13は、ビーム走査周波数に基づいて、素子アンテナ11aごとに位相調整量を算出する。
移相器14は、素子アンテナ11aごとに配置され、位相調整量に基づいて、アンテナ部11で受信した受信信号の位相を調整する。具体的には、移相器14は、高周波信号の位相を360度以内で変化させることができる360度移相器である。また、移相器14は、位相調整量に基づいて、送信信号の位相を調整し、調整後の送信信号を素子アンテナ11aに出力する。
合成分配部15は、移相器14で位相が調整された受信信号をサブアレー11A,11B,11Cごとに合成する。
受信処理部16は、サブアレー11A,11B,11Cごとに配置されており、合成分配部15により合成された受信信号を処理する。具体的には、受信処理部16は、サブアレー11A,11B,11Cごとに合成分配部15で合成された高周波の受信信号に対して、増幅、バンドパスフィルタ処理、中間周波数への変換処理および、AD変換処理を行い、AD変換処理後の信号を目標検出部17に出力する。
目標検出部17は、受信処理部16により処理された受信信号に基づいて、目標を検出する。具体的には、目標検出部17は、受信処理部16から入力された受信信号に周波数復調および不要信号除去を行って、目標信号を抽出し、抽出した目標信号から目標を検出する。
送信処理部18は、レーダ制御部12により決定された周波数帯域の送信信号を生成し、当該送信信号を送信する。
選択部19は、レーダ制御部12から入力された周波数帯域に基づいて、送信信号が入力されるサブアレー11A,11B,11Cを選択する。合成分配部15は、選択部19で選択されたサブアレーを構成する各素子アンテナ11aに送信信号を分配する。なお、合成分配部15は、合成部と分配部とに分割して構成されてもよい。当該構成の場合、合成部は、受信信号をサブアレー11A,11B,11Cごとに合成し、合成後の受信信号をサーキュレータ20に出力する。分配部は、サーキュレータ20から入力された送信信号を分配し、分配後の送信信号を移相器14に出力する。
サーキュレータ20は、合成分配部15から入力された受信信号を受信処理部16に出力し、選択部19から入力された送信信号を合成分配部15へ出力するように切り替える。
ここで、レーダ装置1によって電波を送信するときの動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップST1において、レーダ制御部12は、送信処理部18から出力された送信信号の周波数、変調方式および送信タイミングを決定する。
ステップST2において、送信処理部18は、レーダ制御部12によって決定された周波数の送信信号を生成し、レーダ制御部12によって決定された変調方式に基づいて、送信信号に変調処理を行う。送信処理部18は、変調処理後の送信信号を選択部19に出力する。
ステップST3において、選択部19は、レーダ制御部12の指示に基づいて、サーキュレータ20を選択し、選択したサーキュレータ20に送信信号を出力する。なお、選択部19は、複数のサーキュレータ20を選択してもよい。
ステップST4において、サーキュレータ20は、選択部19から入力された送信信号を合成分配部15に出力する。
ステップST5において、合成分配部15は、送信信号を対応する移相器14に出力する。
ステップST6において、移相器14は、移相器制御部13により算出された位相調整量に基づいて、送信信号の位相を調整する。移相器14は、調整後の送信信号を素子アンテナ11aに出力する。
ステップST7において、素子アンテナ11aは、送信信号を送信波に変換し、送信波を外部に放射する。
つぎに、レーダ装置1によって電波を受信するときの動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
ステップST11において、アンテナ部11は、複数の素子アンテナ11aにより受信波を受信する。素子アンテナ11aは、受信波を受信信号に変換し、受信信号を移相器14に出力する。
ステップST12において、移相器14は、位相調整量に基づいて、受信信号の位相を調整する。移相器14は、調整後の受信信号を合成分配部15に出力する。
ステップST13において、合成分配部15は、サブアレー11A,11B,11Cごとに受信信号を合成する。合成分配部15は、合成した受信信号をサーキュレータ20に出力する。
ステップST14において、サーキュレータ20は、合成分配部15から入力された受信信号を受信処理部16に出力する。
ステップST15において、受信処理部16は、受信信号に信号処理を行う。具体的には、受信処理部16は、受信信号に対して、増幅、バンドパスフィルタ処理、中間周波数への変換処理および、AD変換処理を行い、AD変換処理後の信号を目標検出部17に出力する。
ステップST16において、目標検出部17は、受信信号に周波数復調および不要信号除去を行って、目標信号を抽出し、抽出した目標信号から目標を検出する。
ここで、アンテナ部11による放射パターンについて説明する。図7は、実施の形態1にかかるアンテナ部11の放射パターンと、アンテナ部11を複数のサブアレー11A,11B,11Cによって分割しない構成による放射パターンとを示している。
図7中の破線で示すP1は、低域の送信波の放射パターンを示し、図7中の一点鎖線で示すP2は、中域の送信波の放射パターンを示し、図7中の実線で示すP3は、高域の送信波の放射パターンを示している。素子アンテナ11aのアンテナエレメント方向のビーム角は、P1<P2<P3である。また、図7中の二点鎖線で示すP4は、複数のサブアレーによって分割しない場合のアンテナ部の放射パターンを示している。
実施の形態1にかかるアンテナ部11は、上述したように、横方向の素子アンテナ11a同士の間隔がアンテナ部11により送受信される電波の0.5波長であり、縦方向の素子アンテナ11a同士の間隔が当該電波の1波長である。なお、周波数の比帯域は、10%である。よって、周波数が高いほど帯域幅が広くなる。
また、受信信号は、周波数成分によるビーム指向方向にずれが生じる。ビーム指向方向のずれによって、放射パターンは、中心、マイナス側およびプラス側に3パターン現れる。図7中のP1,P2,P3およびP4は、ビーム指向方向のずれの幅を示すために、各3パターンを示している。
複数のサブアレーによって分割しない場合のアンテナ部を備えるレーダ装置は、図7中のP4に示すように、ビーム指向方向のずれが大きく、ビーム走査方向付近での受信信号を周波数帯域全体で得られないことが分かる。
一方、実施の形態1にかかるレーダ装置1は、複数のサブアレーによって分割しない場合のアンテナ部を備えるレーダ装置に比べて、ビーム指向方向のずれの幅が小さくなっており、ビーム幅も拡散していない。
よって、実施の形態1にかかるレーダ装置1は、アンテナ部11を複数のサブアレー11A,11B,11Cによって分割し、サブアレー11A,11B,11Cごとに異なる周波数帯域と異なるビーム走査周波数とを決定するので、周波数変動によるビーム指向方向のずれを抑制することができる。
また、実施の形態1にかかるレーダ装置1は、図7に示すように、複数のサブアレーによって分割しない場合のアンテナ部を備えるレーダ装置よりも相対振幅が低くなっているが、受信信号および送信信号を増幅することにより、相対振幅を大きくすることができる。なお、受信信号および送信信号を増幅する構成については、実施の形態2および実施の形態3で述べる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2にかかるレーダ装置2を示す図である。なお、実施の形態2にかかるレーダ装置2は、実施の形態1にかかるレーダ装置1の移相器14と、移相器制御部13とを備えず、移相器14の代わりに送受信切替部である送受信MDL部21を備え、移相器制御部13の代わりに送受信MDL制御部22を備える。送受信MDL部21および送受信MDL制御部22以外の構成は、実施の形態1にかかるレーダ装置1の構成と同一であるため、レーダ装置1と同一の符号を付し、説明を省略する。
図9は、送受信MDL部21の構成を示す図である。送受信MDL部21は、位相を調整する移相器14と、受信信号を増幅する受信信号増幅部31と、送信信号を増幅する送信信号増幅部32と、受信信号増幅部31または送信信号増幅部32を切り替える切替部であるサーキュレータ33a,33bとを備える。なお、送受信MDL部21には、移相器14が含まれない構成でもよい。当該構成の場合、移相器14は、送受信MDL部21と合成分配部15との間に配置される。
算出部である送受信MDL制御部22は、最小記述長(minimum description length)を利用して到来波の方向を推定する処理を行い、当該処理の結果とビーム走査周波数とに基づいて、素子アンテナごとに位相調整量を算出し、算出した位相調整量を移相器14に出力する。また、送受信MDL制御部22は、送受信MDL部21に切替信号を送信する。
送受信MDL部21は、切替信号に基づいて、受信信号増幅部31または送信信号増幅部32を切り換える。ここで、送受信MDL部21の具体的な動作について説明する。
サーキュレータ33a,33bは、送受信MDL制御部22から受信信号増幅部31に切り替えることを示す切替信号が入力された場合、アンテナ素子11aで受信した受信信号を受信信号増幅部31に出力し、受信信号増幅部31により増幅された受信信号を移相器14に出力するように切り替える。
また、サーキュレータ33a,33bは、送受信MDL制御部22から送信信号増幅部32に切り替えることを示す切替信号が入力された場合、移相器14で位相が調整された送信信号を送信信号増幅部32に出力し、送信信号増幅部32により増幅された送信信号をアンテナ素子11aに出力するように切り替える。
実施の形態2にかかるレーダ装置2は、アンテナ部11を複数のサブアレー11A,11B,11Cによって分割し、サブアレー11A,11B,11Cごとに異なる周波数帯域と異なるビーム走査周波数とを決定するので、周波数変動によるビーム指向方向のずれを抑制することができる。また、実施の形態2にかかるレーダ装置2は、受信信号を受信信号増幅部31により増幅し、送信信号を送信信号増幅部32により増幅するので、相対振幅を大きくすることができる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3にかかるレーダ装置3を示す図である。なお、実施の形態3にかかるレーダ装置3は、実施の形態2にかかるレーダ装置2の選択部19を備えず、選択部19の代わりに信号分配部23を備える。信号分配部23以外の構成は、実施の形態2にかかるレーダ装置2の構成と同一であるため、レーダ装置2と同一の符号を付し、説明を省略する。
レーダ装置3は、レーダ制御部12により決定された周波数帯域の送信信号を生成し、当該送信信号を送信する送信処理部18と、送信信号をサブアレー11A,11B,11Cに分配する信号分配部23と、信号分配部23から分配されてきた送信信号を各素子アンテナ11aに分配する合成分配部15と、受信信号と送信信号とを切り替える送受信MDL部21とを備える。なお、送受信MDL部21は、上述したように、位相を調整する移相器14と、受信信号を増幅する受信信号増幅部31と、送信信号を増幅する送信信号増幅部32と、受信信号増幅部31または送信信号増幅部32を切り替える切替部であるサーキュレータ33a,33bとを備える。なお、送受信MDL部21には、移相器14が含まれない構成でもよい。当該構成の場合、移相器14は、送受信MDL部21と合成分配部15との間に配置される。
算出部である送受信MDL制御部22は、最小記述長を利用して到来波の方向を推定する処理を行い、当該処理の結果とビーム走査周波数とに基づいて、素子アンテナごとに位相調整量を算出し、算出した位相調整量を移相器14に出力する。また、送受信MDL制御部22は、送受信MDL部21に切替信号を送信する。
送受信MDL部21は、切替信号に基づいて、受信信号増幅部31または送信信号増幅部32を切り換える。
ここで、送受信MDL制御部22の具体的な動作について説明する。なお、以下では、レーダ装置3により送信波を送信する場合について説明する。送受信MDL制御部22は、レーダ制御部12により決定された周波数帯域に基づいて、当該周波数帯域に対応するサブアレーに接続されている送受信MDL部21に切替信号を送信し、当該周波数帯域に対応しないサブアレーに接続されている送受信MDL部21には切替信号を送信しない。
送受信MDL部21のサーキュレータ33a,33bは、当該切替信号に基づいて、移相器14で位相が調整された送信信号を送信信号増幅部32に出力し、送信信号増幅部32により増幅された送信信号をアンテナ素子11aに出力するように切り替える。
実施の形態3にかかるレーダ装置3は、アンテナ部11を複数のサブアレー11A,11B,11Cによって分割し、サブアレー11A,11B,11Cごとに異なる周波数帯域と異なるビーム走査周波数とを決定するので、周波数変動によるビーム指向方向のずれを抑制することができる。また、実施の形態3にかかるレーダ装置3は、受信信号を受信信号増幅部31により増幅し、送信信号を送信信号増幅部32により増幅するので、相対振幅を大きくすることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 レーダ装置、11 アンテナ部、11a アンテナ素子、11A,11B,11C サブアレー、12 レーダ制御部、13 移相器制御部、14 移相器、15 合成分配部、16 受信処理部、17 目標検出部、18 送信処理部、19 選択部、20,33a,33b サーキュレータ、21 送受信MDL部、22 送受信MDL制御部、23 信号分配部、31 受信信号増幅部、32 送信信号増幅部。

Claims (4)

  1. 送信波を送信し、当該送信波が目標に当たって反射してきた受信波を受信し、当該受信波から目標を検出するレーダ装置において、
    複数の素子アンテナで構成され、前記送信波を送信し、前記受信波を受信するアンテナ部と、
    前記複数の素子アンテナを複数のサブアレーに分け、前記サブアレーごとに割り当てる周波数帯域とビーム走査周波数とを決定する決定部と、
    前記ビーム走査周波数に基づいて、前記素子アンテナごとに位相調整量を算出する算出部と、
    前記素子アンテナごとに配置され、前記位相調整量に基づいて、前記アンテナ部で受信した受信信号の位相を調整する移相器と、
    前記移相器で位相が調整された前記受信信号を前記サブアレーごとに合成する合成部と、
    前記合成部により合成された受信信号を処理する受信処理部と、
    前記受信処理部により処理された受信信号に基づいて、目標を検出する目標検出部を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記決定部により決定された前記周波数帯域の送信信号を生成し、当該送信信号を送信する送信処理部と、
    前記周波数帯域に基づいて、前記送信信号が入力されるサブアレーを選択する選択部と、
    前記選択部で選択されたサブアレーを構成する各素子アンテナに前記送信信号を分配する分配部と、を備え、
    前記移相器は、前記位相調整量に基づいて、前記送信信号の位相を調整し、調整後の送信信号を素子アンテナに出力する請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記移相器と、前記受信信号を増幅する受信信号増幅部と、前記送信信号を増幅する送信信号増幅部と、前記受信信号増幅部または前記送信信号増幅部を切り替える切替部とから構成される送受信切替部を備え、
    前記算出部は、
    到来波の方向を推定する処理を行い、当該処理の結果と前記ビーム走査周波数とに基づいて、前記素子アンテナごとに位相調整量を算出し、算出した位相調整量を前記移相器に出力し、
    前記送受信切替部に切替信号を送信し、
    前記送受信切替部は、前記切替信号に基づいて、前記受信信号増幅部または前記送信信号増幅部を切り換える請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記決定部により決定された前記周波数帯域の送信信号を生成し、当該送信信号を送信する送信処理部と、
    前記送信信号をサブアレーに分配する信号分配部と、
    前記信号分配部から分配されてきた前記送信信号を各素子アンテナに分配する分配部と、
    前記移相器と、前記受信信号を増幅する受信信号増幅部と、前記送信信号を増幅する送信信号増幅部と、前記受信信号増幅部または前記送信信号増幅部を切り替える切替部とから構成される送受信切替部とを備え、
    前記算出部は、
    到来波の方向を推定する処理を行い、当該処理の結果と前記ビーム走査周波数とに基づいて、前記素子アンテナごとに位相調整量を算出し、算出した位相調整量を前記移相器に出力し、
    前記送受信切替部に切替信号を送信し、
    前記送受信切替部は、前記切替信号に基づいて、前記受信信号増幅部または前記送信信号増幅部を切り換える請求項1記載のレーダ装置。
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