JP2016148357A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増加を抑制することが可能なボールねじ装置を提供する。
【解決手段】
ねじ軸10とナット16とボールねじ側転動体20を備えるボールねじと、入力軸と出力軸との間で動力を伝達するクラッチ6を締結状態とするピストン18を備えるボールねじ装置8であって、ナット16の外周面に形成したナット外周側転動体軌道面16bとピストン18の内周面に形成したピストン内周側転動体軌道面18cとの間へナット・ピストン間転動体22を転動自在に装填することで、ナット16、ピストン18、ナット・ピストン間転動体22により非分離形の転がり軸受を形成し、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン内周側転動体軌道面18c、ナット・ピストン間転動体22の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
【選択図】図1
【解決手段】
ねじ軸10とナット16とボールねじ側転動体20を備えるボールねじと、入力軸と出力軸との間で動力を伝達するクラッチ6を締結状態とするピストン18を備えるボールねじ装置8であって、ナット16の外周面に形成したナット外周側転動体軌道面16bとピストン18の内周面に形成したピストン内周側転動体軌道面18cとの間へナット・ピストン間転動体22を転動自在に装填することで、ナット16、ピストン18、ナット・ピストン間転動体22により非分離形の転がり軸受を形成し、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン内周側転動体軌道面18c、ナット・ピストン間転動体22の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両等に適用するボールねじ装置に関する。
車両が備え、クラッチにピストンを押し付けるためのボールねじ機構を備える動力伝達装置として、例えば、特許文献1に開示されているように、クラッチを切断した動力の遮断時にピストンをクラッチから離すために、復元力を有する部材を備えたものがある。
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、動力の遮断時にピストンをクラッチから離す構成として、皿ばね等の復元力を有する部材を備えるため、部品点数が増加するという問題点があった。
本発明の課題は、動力の遮断時にピストンをクラッチから離すための、部品点数の増加を抑制することが可能な、ボールねじ装置を提供することである。
本発明の課題は、動力の遮断時にピストンをクラッチから離すための、部品点数の増加を抑制することが可能な、ボールねじ装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ナットの外周面に形成したナット外周側転動体軌道面とピストンの内周面に形成したピストン内周側転動体軌道面との間へ、複数の第二転動体を転動自在に装填する。これにより、ナット、ピストン及び複数の第二転動体により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面、ピストン内周側転動体軌道面、各第二転動体の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
ここで、ピストンは、ねじ軸とナットとの相対移動によりねじ軸の軸方向へ変位して、クラッチを押圧またはクラッチから離れる。また、クラッチは、ピストンと離間すると入力軸と出力軸との間の動力を遮断し、ピストンに押圧されて入力軸と出力軸との間で動力を伝達する。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ピストンの内周側に取り付けた円環状のピストン側外輪の内周面に形成したナット外周側転動体軌道面とナットの外周面に形成したナット外周側転動体軌道面との間へ、複数の第二転動体を転動自在に装填する。これにより、ナット、ピストン側外輪及び複数の第二転動体により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面、ピストン内周側転動体軌道面、各第二転動体の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ピストンの内周側に取り付けた円環状のピストン側外輪の内周面に形成したナット外周側転動体軌道面とナットの外周面に形成したナット外周側転動体軌道面との間へ、複数の第二転動体を転動自在に装填する。これにより、ナット、ピストン側外輪及び複数の第二転動体により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面、ピストン内周側転動体軌道面、各第二転動体の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
本発明の一態様によれば、ボールねじ装置の作動に伴うナットとピストンとの相対回転を可能とするとともに、ナットとピストンとの分離を防止することが可能となる。
これにより、動力の遮断時に、ピストンをクラッチから離す方向の荷重を、第二転動体を介してナットからピストンへ伝達することが可能となる。このため、動力の遮断時に、ピストンを変位させてクラッチから離すことが可能となり、動力の遮断時にピストンをクラッチから離すための、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
これにより、動力の遮断時に、ピストンをクラッチから離す方向の荷重を、第二転動体を介してナットからピストンへ伝達することが可能となる。このため、動力の遮断時に、ピストンを変位させてクラッチから離すことが可能となり、動力の遮断時にピストンをクラッチから離すための、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態について、完全な理解を提供するように、特定の細部について記載する。しかしながら、かかる特定の細部が無くとも、一つ以上の実施形態が実施可能であることは明確である。また、図面を簡潔なものとするために、周知の構造及び装置を、略図で示す場合がある。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を用いて、動力伝達装置1の構成について説明する。
動力伝達装置1は、例えば、車両が備える装置である。
図1中に示すように、動力伝達装置1は、入力軸2と、出力軸4と、クラッチ6と、ボールねじ装置8を備える。
入力軸2は、図外の軸受により、入力軸2の軸方向への変位を規制した状態で回転可能に支持されている。
図1を用いて、動力伝達装置1の構成について説明する。
動力伝達装置1は、例えば、車両が備える装置である。
図1中に示すように、動力伝達装置1は、入力軸2と、出力軸4と、クラッチ6と、ボールねじ装置8を備える。
入力軸2は、図外の軸受により、入力軸2の軸方向への変位を規制した状態で回転可能に支持されている。
また、入力軸2には、エンジンや電動モータ等の駆動源(入力軸駆動源:図示せず)が発生させた駆動力が、トランスミッションやプロペラシャフト等を介して入力される。
また、入力軸2は、入力軸側円板部2aと、入力軸側クラッチ取付け部2bを備える。
入力軸側円板部2aは、入力軸2のうち出力軸4側の端部に設けられており、入力軸2の軸方向から見て円板状に形成されている。
また、入力軸2は、入力軸側円板部2aと、入力軸側クラッチ取付け部2bを備える。
入力軸側円板部2aは、入力軸2のうち出力軸4側の端部に設けられており、入力軸2の軸方向から見て円板状に形成されている。
入力軸側クラッチ取付け部2bは、入力軸側円板部2aのうち駆動源側の面と反対側の面に設けられており、入力軸2の軸方向から見て円筒状に形成されている。また、入力軸側クラッチ取付け部2bの内周面には、複数の入力軸側スプライン2cが形成される。
出力軸4は、入力軸2と同様、図外の軸受により、出力軸4の軸方向への変位を規制した状態で回転可能に支持されている。
出力軸4は、入力軸2と同様、図外の軸受により、出力軸4の軸方向への変位を規制した状態で回転可能に支持されている。
また、出力軸4は、入力軸2と相対回転可能に配置されている。
また、出力軸4は、出力軸側円板部4aと、出力軸側クラッチ取付け部4bを備える。
出力軸側円板部4aは、出力軸4のうち駆動源側の端部に設けられており、出力軸4の軸方向から見て円環状に形成されている。
出力軸側クラッチ取付け部4bは、出力軸側円板部4aのうち駆動源側の面と反対側の面に設けられており、出力軸4の軸方向から見て円筒状に形成されている。また、出力軸側クラッチ取付け部4bの外周面には、複数の出力軸側スプライン4cが形成される。
また、出力軸4は、出力軸側円板部4aと、出力軸側クラッチ取付け部4bを備える。
出力軸側円板部4aは、出力軸4のうち駆動源側の端部に設けられており、出力軸4の軸方向から見て円環状に形成されている。
出力軸側クラッチ取付け部4bは、出力軸側円板部4aのうち駆動源側の面と反対側の面に設けられており、出力軸4の軸方向から見て円筒状に形成されている。また、出力軸側クラッチ取付け部4bの外周面には、複数の出力軸側スプライン4cが形成される。
また、出力軸側クラッチ取付け部4bの外周面は、入力軸側クラッチ取付け部2bの内周面と対向している。
クラッチ6は、多板クラッチであり、複数の外側クラッチ板6aと、複数の内側クラッチ板6bを備える。
各外側クラッチ板6aは、外径側に、入力軸側スプライン2cと嵌合するスプライン(図示せず)が形成されている。
クラッチ6は、多板クラッチであり、複数の外側クラッチ板6aと、複数の内側クラッチ板6bを備える。
各外側クラッチ板6aは、外径側に、入力軸側スプライン2cと嵌合するスプライン(図示せず)が形成されている。
また、各外側クラッチ板6aは、入力軸側クラッチ取付け部2bの内周面に、相対回転不能且つ軸方向への移動が自由な状態で取付けられており、入力軸側クラッチ取付け部2bの内周面から、出力軸側クラッチ取付け部4bの外周面へ向けて突出している。
各内側クラッチ板6bは、内径側に、出力軸側スプライン4cと嵌合するスプライン(図示せず)が形成されている。
各内側クラッチ板6bは、内径側に、出力軸側スプライン4cと嵌合するスプライン(図示せず)が形成されている。
また、各内側クラッチ板6bは、出力軸側クラッチ取付け部4bの外周面に、相対回転不能且つ軸方向への移動が自由な状態で取付けられており、出力軸側クラッチ取付け部4bの外周面から、入力軸側クラッチ取付け部2bの内周面へ向けて突出している。
各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bは、ボールねじ装置8が発生させる押圧力に応じて、入力軸2及び出力軸4の軸方向へ変位可能に形成されている。なお、第一実施形態では、一例として、各外側クラッチ板6aのみが、入力軸2及び出力軸4の軸方向へ変位可能に形成されている場合を説明する。
各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bは、ボールねじ装置8が発生させる押圧力に応じて、入力軸2及び出力軸4の軸方向へ変位可能に形成されている。なお、第一実施形態では、一例として、各外側クラッチ板6aのみが、入力軸2及び出力軸4の軸方向へ変位可能に形成されている場合を説明する。
各外側クラッチ板6aの位置と、ボールねじ装置8が発生させる押圧力との関係は、以下に示す関係に設定する。
ボールねじ装置8が押圧力を発生させておらず、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっていない状態(無負荷の状態)では、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に、摩擦力は発生しない。この状態では、入力軸2の回転が出力軸4へ伝達されないため、入力軸2と出力軸4との間で、動力が遮断される。
ボールねじ装置8が押圧力を発生させておらず、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっていない状態(無負荷の状態)では、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に、摩擦力は発生しない。この状態では、入力軸2の回転が出力軸4へ伝達されないため、入力軸2と出力軸4との間で、動力が遮断される。
一方、ボールねじ装置8が押圧力を発生させ、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっている状態では、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に摩擦力が発生する。この状態では、入力軸2の回転が出力軸4へ伝達されるため、入力軸2と出力軸4との間で、押圧力に応じた動力が伝達される。
ボールねじ装置8は、ねじ軸10と、ねじ軸側ラジアル軸受12と、ねじ軸側スラスト軸受14と、ナット16と、ピストン18と、複数のボールねじ側転動体20と、複数のナット・ピストン間転動体22と、保持器24を備える。
ボールねじ装置8は、ねじ軸10と、ねじ軸側ラジアル軸受12と、ねじ軸側スラスト軸受14と、ナット16と、ピストン18と、複数のボールねじ側転動体20と、複数のナット・ピストン間転動体22と、保持器24を備える。
ねじ軸10は、螺旋状のねじ軸側螺旋溝10aが外周面に形成されており、転がり軸受30を介して、ハウジング32へ取り付けられている。
転がり軸受30の外輪30aは、ハウジング32に固定されており、転がり軸受30の内輪30bは、ねじ軸10の外周面に固定されている。さらに、転がり軸受30は、外輪30aと内輪30bとの間に装填された軸受側転動体30cの転動を介して、外輪30aと内輪30bが相対回転する。なお、軸受側転動体30cは、例えば、鋼球やセラミック球等の球体や、円筒ころ等の筒体で形成する。
転がり軸受30の外輪30aは、ハウジング32に固定されており、転がり軸受30の内輪30bは、ねじ軸10の外周面に固定されている。さらに、転がり軸受30は、外輪30aと内輪30bとの間に装填された軸受側転動体30cの転動を介して、外輪30aと内輪30bが相対回転する。なお、軸受側転動体30cは、例えば、鋼球やセラミック球等の球体や、円筒ころ等の筒体で形成する。
したがって、ねじ軸10は、転がり軸受30を介して、ハウジング32へ回転可能に取り付けられている。
また、ねじ軸10には、電動モータ等の駆動源(ねじ軸駆動源:図示せず)が発生させたトルクが、図示しないギヤやベルトを介して入力される。なお、ねじ軸駆動源が発生させたトルクを受けるギヤ等は、ねじ軸10と一体に形成してもよい。
また、ねじ軸10には、電動モータ等の駆動源(ねじ軸駆動源:図示せず)が発生させたトルクが、図示しないギヤやベルトを介して入力される。なお、ねじ軸駆動源が発生させたトルクを受けるギヤ等は、ねじ軸10と一体に形成してもよい。
ねじ軸側ラジアル軸受12は、例えば、円筒状の滑り軸受で形成されており、ラジアル荷重の方向をねじ軸10の径方向へ向けた状態で、ねじ軸10の内周面と出力軸4の外周面との間に配置されて、出力軸4の外周面を包囲している。
ねじ軸側スラスト軸受14は、例えば、円環状の滑り軸受(スラストワッシャ)で形成されており、スラスト荷重の方向をねじ軸10の軸方向へ向けた状態で、ねじ軸10の駆動源に近い側の端部と出力軸側円板部4aとの間に配置する。
ねじ軸側スラスト軸受14は、例えば、円環状の滑り軸受(スラストワッシャ)で形成されており、スラスト荷重の方向をねじ軸10の軸方向へ向けた状態で、ねじ軸10の駆動源に近い側の端部と出力軸側円板部4aとの間に配置する。
ナット16は、ねじ軸側螺旋溝10aと対向するナット軸側螺旋溝16aが内周面に形成されており、ねじ軸10の外周側に配置する。
また、ナット16は、図示しないストッパ部材により、周方向への回転を規制されている。なお、ストッパ部材は、例えば、ねじ軸10の軸方向へ伸びたピンにナット16を係合させた構成としてもよい。また、ストッパ部材は、例えば、ナット16の外周面から突出させた突起を、ねじ軸10の軸方向に摺動可能なガイド部材に係合させた構成としてもよい。
また、ナット16は、図示しないストッパ部材により、周方向への回転を規制されている。なお、ストッパ部材は、例えば、ねじ軸10の軸方向へ伸びたピンにナット16を係合させた構成としてもよい。また、ストッパ部材は、例えば、ナット16の外周面から突出させた突起を、ねじ軸10の軸方向に摺動可能なガイド部材に係合させた構成としてもよい。
また、ナット16は、ナット外周側転動体軌道面16bと、ボール戻し路16cを備える。
ナット外周側転動体軌道面16bは、ナット16の外周面に形成されており、ナット16の周方向に連続している。
第一実施形態では、一例として、ナット外周側転動体軌道面16bの形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状とした場合について説明する。
ナット外周側転動体軌道面16bは、ナット16の外周面に形成されており、ナット16の周方向に連続している。
第一実施形態では、一例として、ナット外周側転動体軌道面16bの形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状とした場合について説明する。
ボール戻し路16cは、負荷転動路34から一方の端部に移動したボールねじ側転動体20を、他方の端部から負荷転動路34内へ戻す通路である。負荷転動路34は、ねじ軸側螺旋溝10aとナット軸側螺旋溝16aとの間に形成される空間であり、ボールねじ側転動体20が回転しながら移動する通路(転動体転動路)を形成する。
また、ボール戻し路16cは、鍛造加工、切削加工、放電加工のうちいずれか一つの加工により、ナット16へ一体に形成されている。
また、ボール戻し路16cは、鍛造加工、切削加工、放電加工のうちいずれか一つの加工により、ナット16へ一体に形成されている。
また、ナット16のうち、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6から遠い側の部分であるハウジング側内輪鍔部16dの外径は、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6に近い側の部分であるクラッチ側内輪鍔部16eの外径よりも大きい。
すなわち、ナット外周側転動体軌道面16bを形成した面(ナット16の外周面)のうち、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6から遠い側の部分は、クラッチ6に近い側の部分よりも、ピストン18側へ突出する。
すなわち、ナット外周側転動体軌道面16bを形成した面(ナット16の外周面)のうち、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6から遠い側の部分は、クラッチ6に近い側の部分よりも、ピストン18側へ突出する。
各ボールねじ側転動体20は、例えば、鋼球やセラミック球で形成する。また、各ボールねじ側転動体20は、負荷転動路34内、すなわち、ねじ軸10とナット16との間に配置する。
したがって、ナット16は、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動可能である。
したがって、ナット16は、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動可能である。
ピストン18は、ピストン側円板部18aと、クラッチ押圧部18bと、ピストン内周側転動体軌道面18cを備える。
ピストン側円板部18aは、ねじ軸10の軸方向から見て円環状に形成されており、ナット16の外周側に配置されて、ナット16を包囲している。
クラッチ押圧部18bは、ねじ軸10の軸方向から見て円環状に形成されており、ピストン側円板部18aの外周側で、ピストン側円板部18aと一体に形成されている。また、クラッチ押圧部18bのクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する面は、クラッチ6側に突出している。
ピストン側円板部18aは、ねじ軸10の軸方向から見て円環状に形成されており、ナット16の外周側に配置されて、ナット16を包囲している。
クラッチ押圧部18bは、ねじ軸10の軸方向から見て円環状に形成されており、ピストン側円板部18aの外周側で、ピストン側円板部18aと一体に形成されている。また、クラッチ押圧部18bのクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する面は、クラッチ6側に突出している。
以上により、ピストン18は、ナット16の外周側に配置されているとともに、クラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する。
また、クラッチ押圧部18bのクラッチ6側の面全体は、ナット16のクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する面よりも、クラッチ6側に配置されている。これにより、ピストン18のナット16と対向する面は、ナット16のピストン18と対向する面よりも、クラッチ6側へ延在している。
また、クラッチ押圧部18bのクラッチ6側の面全体は、ナット16のクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する面よりも、クラッチ6側に配置されている。これにより、ピストン18のナット16と対向する面は、ナット16のピストン18と対向する面よりも、クラッチ6側へ延在している。
すなわち、ピストン18のクラッチ6側の面は、ナット16よりもクラッチ6側に突出している。
ピストン内周側転動体軌道面18cは、ピストン18の内周面のうち、ナット外周側転動体軌道面16bと対向する位置に形成されており、ピストン18の周方向に連続している。
ピストン内周側転動体軌道面18cは、ピストン18の内周面のうち、ナット外周側転動体軌道面16bと対向する位置に形成されており、ピストン18の周方向に連続している。
第一実施形態では、一例として、ピストン内周側転動体軌道面18cの形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状とした場合について説明する。
すなわち、第一実施形態では、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状とする。
また、ピストン18のうち、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6に近い側の部分であるクラッチ側外輪鍔部18dの内径は、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6から遠い側の部分であるハウジング側外輪鍔部18eの内径よりも小さい。
すなわち、第一実施形態では、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状とする。
また、ピストン18のうち、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6に近い側の部分であるクラッチ側外輪鍔部18dの内径は、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6から遠い側の部分であるハウジング側外輪鍔部18eの内径よりも小さい。
すなわち、ピストン内周側転動体軌道面18cを形成した面(ピストン18の内周面)のうち、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6に近い側の部分は、クラッチ6から遠い側の部分よりも、ナット16側へ突出する。
ナット・ピストン間転動体22は、セラミックスで形成したボールであり、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン内周側転動体軌道面18cとの間へ、転動自在に装填されている。
ナット・ピストン間転動体22は、セラミックスで形成したボールであり、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン内周側転動体軌道面18cとの間へ、転動自在に装填されている。
また、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン内周側転動体軌道面18c及び複数のナット・ピストン間転動体22の形状は、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な転がり軸受(非分離形の転がり軸受)の形状となるように形成されている。
保持器24は、樹脂材料を用いて円筒状に形成されており、厚さ方向を貫通する複数の貫通孔を備えている。
保持器24は、樹脂材料を用いて円筒状に形成されており、厚さ方向を貫通する複数の貫通孔を備えている。
保持器24が備える複数の貫通孔は、保持器24の周方向に沿って等間隔に形成されており、各貫通孔内には、ナット・ピストン間転動体22が転動自在に配置されている。
すなわち、保持器24は、複数のナット・ピストン間転動体22を転動自在に保持する。
また、ナット16、ピストン18、複数のナット・ピストン間転動体22及び保持器24は、一般的な転がり軸受と同様の方法を用いて組み立てられており、非分離形の転がり軸受を形成している。
すなわち、保持器24は、複数のナット・ピストン間転動体22を転動自在に保持する。
また、ナット16、ピストン18、複数のナット・ピストン間転動体22及び保持器24は、一般的な転がり軸受と同様の方法を用いて組み立てられており、非分離形の転がり軸受を形成している。
具体的には、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン内周側転動体軌道面18cとの間に複数のナット・ピストン間転動体22が転動自在に装填されることで、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22が、非分離形の転がり軸受を形成している。
(動作)
次に、図1を参照しつつ、図2を用いて、第一実施形態の動力伝達装置1を用いて行なう動作を説明する。
動力伝達装置1を備える車両の駐車時等には、図1中に示すように、ピストン18をクラッチ6から離間させた状態とし、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっていない状態とする。これにより、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間で摩擦力が発生せず、入力軸2と出力軸4との間で、動力が遮断された状態とする。
そして、駐車していた車両の発進時等には、図外のねじ軸駆動源が発生させたトルクにより、クラッチ6から離間しているピストン18を、クラッチ6側へ移動させる方向へ、ねじ軸10を回転させる。
次に、図1を参照しつつ、図2を用いて、第一実施形態の動力伝達装置1を用いて行なう動作を説明する。
動力伝達装置1を備える車両の駐車時等には、図1中に示すように、ピストン18をクラッチ6から離間させた状態とし、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっていない状態とする。これにより、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間で摩擦力が発生せず、入力軸2と出力軸4との間で、動力が遮断された状態とする。
そして、駐車していた車両の発進時等には、図外のねじ軸駆動源が発生させたトルクにより、クラッチ6から離間しているピストン18を、クラッチ6側へ移動させる方向へ、ねじ軸10を回転させる。
ここで、ナット16は、ストッパ部材により周方向への回転が規制されている。
このため、クラッチ6側へピストン18を移動させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6側へ移動する。
ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってクラッチ6側へ移動すると、ナット16がナット・ピストン間転動体22をクラッチ6側へ押す。さらに、ナット16とピストン18が相対回転しながら、ナット・ピストン間転動体22が、ピストン18をクラッチ6側へ押す。これにより、ピストン18が、クラッチ6側へ移動する。
このため、クラッチ6側へピストン18を移動させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6側へ移動する。
ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってクラッチ6側へ移動すると、ナット16がナット・ピストン間転動体22をクラッチ6側へ押す。さらに、ナット16とピストン18が相対回転しながら、ナット・ピストン間転動体22が、ピストン18をクラッチ6側へ押す。これにより、ピストン18が、クラッチ6側へ移動する。
すなわち、クラッチ6側へピストン18を移動させる方向へねじ軸10を回転させる場合、ねじ軸駆動源が発生させてねじ軸10へ伝達したトルクは、ボールねじ装置8により、ピストン18をクラッチ6側へ移動させるための推力に変換される。
外側クラッチ板6aと接触したクラッチ押圧部18bが、さらに、ナット16とねじ軸10との相対移動によって外側クラッチ板6aを押圧すると、図2中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に、摩擦力を発生させる。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されるため、車両が走行可能となる。
外側クラッチ板6aと接触したクラッチ押圧部18bが、さらに、ナット16とねじ軸10との相対移動によって外側クラッチ板6aを押圧すると、図2中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に、摩擦力を発生させる。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されるため、車両が走行可能となる。
そして、走行状態から停車した車両が駐車状態へ移行する場合等には、図外のねじ軸駆動源が発生させたトルクにより、クラッチ6を押圧しているピストン18を、クラッチ6から離間させる方向へ、ねじ軸10を回転させる。
ピストン18をクラッチ6から離間させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6から離れる側へ移動する。
ピストン18をクラッチ6から離間させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6から離れる側へ移動する。
ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってクラッチ6から離れる側へ移動すると、ナット16がナット・ピストン間転動体22をクラッチ6から離れる側へ押す。さらに、ナット16とピストン18が相対回転しながら、ナット・ピストン間転動体22が、ピストン18をクラッチ6から離れる側へ押す。これにより、ピストン18が、クラッチ6から離れる側へ移動する。
すなわち、クラッチ6から離間させる方向へねじ軸10を回転させる場合、ねじ軸駆動源が発生させてねじ軸10へ伝達したトルクは、ボールねじ装置8により、ピストン18をクラッチ6から離す方向へ移動させるための推力に変換される。
ピストン18をクラッチ6から離間させる方向へ移動させ、図1中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間の押圧力をゼロとする。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されないため、不測の事態により入力軸駆動源が駆動力を発生させても、車両の停止状態を保持することが可能となる。
ピストン18をクラッチ6から離間させる方向へ移動させ、図1中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間の押圧力をゼロとする。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されないため、不測の事態により入力軸駆動源が駆動力を発生させても、車両の停止状態を保持することが可能となる。
なお、ナット16のうち、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6に近い側の部分には、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に発生する荷重が加わらない。
このため、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に、ナット・ピストン間転動体22がクラッチ側内輪鍔部16eに乗り上げる状況は発生しない。
したがって、クラッチ側内輪鍔部16eの外径は、ピストン18をクラッチ6から離間させる際に、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受が分解しない値であればよい。
このため、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に、ナット・ピストン間転動体22がクラッチ側内輪鍔部16eに乗り上げる状況は発生しない。
したがって、クラッチ側内輪鍔部16eの外径は、ピストン18をクラッチ6から離間させる際に、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受が分解しない値であればよい。
なお、上述したボールねじ側転動体20は、第一転動体に対応する。
また、上述したナット・ピストン間転動体22は、第二転動体に対応する。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
また、上述したナット・ピストン間転動体22は、第二転動体に対応する。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態のボールねじ装置8であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)ボールねじ装置8が、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン内周側転動体軌道面18cとの間へ転動自在に装填された複数のナット・ピストン間転動体22を備える。これに加え、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン内周側転動体軌道面18c、各ナット・ピストン間転動体22の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
第一実施形態のボールねじ装置8であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)ボールねじ装置8が、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン内周側転動体軌道面18cとの間へ転動自在に装填された複数のナット・ピストン間転動体22を備える。これに加え、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン内周側転動体軌道面18c、各ナット・ピストン間転動体22の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
このため、ボールねじ装置8の作動に伴うナット16とピストン18との相対回転を可能とするとともに、ナット16とピストン18との分離を防止することが可能となる。
その結果、動力の遮断時に、ピストン18をクラッチ6から離す方向の荷重を、ナット・ピストン間転動体22を介して、ナット16からピストン18へ伝達することが可能となる。
その結果、動力の遮断時に、ピストン18をクラッチ6から離す方向の荷重を、ナット・ピストン間転動体22を介して、ナット16からピストン18へ伝達することが可能となる。
これにより、動力の遮断時に、ピストン18を変位させてクラッチ6から離すことが可能となり、動力の遮断時にピストン18をクラッチ6から離すための、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
また、例えば、皿ばね等の弾性部材が有する復元力を用いて、ピストン18をクラッチ6から離す構成のボールねじ装置と比較して、弾性部材によってピストン18によるクラッチ6の押圧力が低減されることを抑制することが可能となる。
また、例えば、皿ばね等の弾性部材が有する復元力を用いて、ピストン18をクラッチ6から離す構成のボールねじ装置と比較して、弾性部材によってピストン18によるクラッチ6の押圧力が低減されることを抑制することが可能となる。
また、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22により、アキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受を構成することが可能となる。
このため、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に発生するアキシアル荷重を負荷するための構成として、新たな軸受を追加する必要が無いため、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
このため、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に発生するアキシアル荷重を負荷するための構成として、新たな軸受を追加する必要が無いため、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
また、ピストン内周側転動体軌道面18cに相当する構成を備える部材を別体で形成し、この部材をピストン18に固定する構成とした場合と比較して、部品点数の増加を抑制することが可能となる。これに加え、ピストン内周側転動体軌道面18cに相当する構成を備える部材とピストン18との間に滑りが発生する懸念や、部品の脱落が発生する懸念が無いため、ボールねじ装置8の信頼性が低下することを抑制可能となる。
(2)ナット・ピストン間転動体22を、ボールとする。これに加え、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状とする。
その結果、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に発生するアキシアル荷重に対する負荷容量を増加させることが可能となり、ボールねじ装置8の耐久性や作動性を向上させることが可能となる。
その結果、ピストン18でクラッチ6を押圧する際に発生するアキシアル荷重に対する負荷容量を増加させることが可能となり、ボールねじ装置8の耐久性や作動性を向上させることが可能となる。
(3)ナット外周側転動体軌道面16bを形成した面のうち、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6から遠い側の部分を、クラッチ6に近い側の部分よりも、ピストン18側へ突出させる。
このため、ナット16の外周面とピストン18の内周面との間に形成される空間の、クラッチ6側の開口面積を増加させることが可能となる。
その結果、クラッチ6へ供給された潤滑剤(潤滑油)が、ナット16とナット・ピストン間転動体22との間及びピストン18とナット・ピストン間転動体22との間へ供給されやすくなる。
これにより、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受の、耐焼付き性及び耐久性を向上させることが可能となる。
このため、ナット16の外周面とピストン18の内周面との間に形成される空間の、クラッチ6側の開口面積を増加させることが可能となる。
その結果、クラッチ6へ供給された潤滑剤(潤滑油)が、ナット16とナット・ピストン間転動体22との間及びピストン18とナット・ピストン間転動体22との間へ供給されやすくなる。
これにより、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受の、耐焼付き性及び耐久性を向上させることが可能となる。
(4)ピストン内周側転動体軌道面18cを形成した面のうち、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6に近い側の部分を、クラッチ6から遠い側の部分よりも、ナット16側へ突出させる。
このため、クラッチ側外輪鍔部18dの内径とハウジング側外輪鍔部18eの内径との差により、ピストン18の回転時に、クラッチ側外輪鍔部18dとハウジング側外輪鍔部18eに周速差が発生する。
このため、クラッチ側外輪鍔部18dの内径とハウジング側外輪鍔部18eの内径との差により、ピストン18の回転時に、クラッチ側外輪鍔部18dとハウジング側外輪鍔部18eに周速差が発生する。
その結果、ピストン18の回転時に、クラッチ6へ供給された潤滑剤(潤滑油)が、ナット16とナット・ピストン間転動体22との間及びピストン18とナット・ピストン間転動体22との間へ引き込まれやすくなる。
これにより、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受の、耐焼付き性及び耐久性を向上させることが可能となる。
これにより、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受の、耐焼付き性及び耐久性を向上させることが可能となる。
(5)ピストン18のクラッチ6側の面を、ナット16よりもクラッチ6側に突出させる。
このため、ねじ軸10等の回転で発生する遠心力によって、ボールねじ装置8に供給された潤滑剤(潤滑油)がねじ軸10側からクラッチ6側へ移動する際に、クラッチ6側へ移動する潤滑剤の一部が、ピストン18のクラッチ6と対向する面に付着する。そして、ピストン18のクラッチ6と対向する面に付着した潤滑剤は、ピストン18のクラッチ6と対向する面上を、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受へ移動する。
このため、ねじ軸10等の回転で発生する遠心力によって、ボールねじ装置8に供給された潤滑剤(潤滑油)がねじ軸10側からクラッチ6側へ移動する際に、クラッチ6側へ移動する潤滑剤の一部が、ピストン18のクラッチ6と対向する面に付着する。そして、ピストン18のクラッチ6と対向する面に付着した潤滑剤は、ピストン18のクラッチ6と対向する面上を、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受へ移動する。
その結果、ピストン18のクラッチ6と対向する面を、ナット16よりもクラッチ6側に突出させていない場合と比較して、クラッチ6へ供給された潤滑剤(潤滑油)を、ナット16とナット・ピストン間転動体22との間及びピストン18とナット・ピストン間転動体22との間へ回収しやすくなる。
これにより、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受の、耐焼付き性及び耐久性を向上させることが可能となる。
これにより、ナット16、ピストン18及び複数のナット・ピストン間転動体22で形成した転がり軸受の、耐焼付き性及び耐久性を向上させることが可能となる。
(6)ナット・ピストン間転動体22を、セラミックスで形成する。
このため、ナット・ピストン間転動体22を金属で形成した場合と比較して、ナット・ピストン間転動体22の比重を小さくすることが可能となるため、遠心力の影響を低減させることが可能となる。
その結果、ボールねじ装置8を高速で作動させた場合であっても、遠心力の増加を抑制することが可能となるため、ボールねじ装置8の信頼性を向上させることが可能となる。
これにより、近年の高速・軽量化に対応したボールねじ装置8を提供することが可能となる。
このため、ナット・ピストン間転動体22を金属で形成した場合と比較して、ナット・ピストン間転動体22の比重を小さくすることが可能となるため、遠心力の影響を低減させることが可能となる。
その結果、ボールねじ装置8を高速で作動させた場合であっても、遠心力の増加を抑制することが可能となるため、ボールねじ装置8の信頼性を向上させることが可能となる。
これにより、近年の高速・軽量化に対応したボールねじ装置8を提供することが可能となる。
(7)ボール戻し路16cを、鍛造加工、切削加工、放電加工のうちいずれか一つの加工によりナット16へ一体に形成する。
このため、ボール戻し路16cのうち、ねじ軸10の軸方向に沿って延在する部分を、ナット16と一体化させて重複させた構造とすることが可能となり、ナット16の構成をコンパクト化することが可能となる。
このため、ボール戻し路16cのうち、ねじ軸10の軸方向に沿って延在する部分を、ナット16と一体化させて重複させた構造とすることが可能となり、ナット16の構成をコンパクト化することが可能となる。
その結果、ボール戻し路16cをナット16と別部材で構成した場合と比較して、ナット16の軽量化及び小型化が可能となり、ナット16の作動性を向上させることが可能となるとともに、ナット16の構成を簡略化することが可能となる。
また、ボール戻し路16cをナット16と別部材で構成した場合と比較して、ボールねじ装置8の作動性を向上させることが可能となるとともに、ボールねじ装置8の構成を簡略化することが可能となる。
また、ボール戻し路16cをナット16と別部材で構成した場合と比較して、ボールねじ装置8の作動性を向上させることが可能となるとともに、ボールねじ装置8の構成を簡略化することが可能となる。
また、ボール戻し路16cをナット16と別部材で構成した場合と比較して、ナット16のねじ軸10の軸方向に沿った長さが増加することを抑制可能となり、ナット16の構成をコンパクト化して、ボールねじ装置8の構成をコンパクト化することが可能となる。
(8)複数のナット・ピストン間転動体22を転動自在に保持する保持器24を、樹脂材料で形成する。
その結果、保持器24の質量増加を抑制することが可能となり、クラッチ6の締結状態で保持器24が回転する際に発生する慣性を減少させることが可能となるため、回転時に発生するショックを低減させることが可能となる。
その結果、保持器24の質量増加を抑制することが可能となり、クラッチ6の締結状態で保持器24が回転する際に発生する慣性を減少させることが可能となるため、回転時に発生するショックを低減させることが可能となる。
(9)動力伝達装置1が、上述したボールねじ装置8と、入力軸2と、出力軸4と、クラッチ6を備える。
このため、動力伝達装置1の構成を、入力軸2から出力軸4への動力の遮断時における、周辺部品や構成部品の耐久性が低下することを抑制することが可能なボールねじ装置8を備えた構成とすることが可能となる。
その結果、動力伝達装置1の耐久性が低下することを抑制することが可能となる。
このため、動力伝達装置1の構成を、入力軸2から出力軸4への動力の遮断時における、周辺部品や構成部品の耐久性が低下することを抑制することが可能なボールねじ装置8を備えた構成とすることが可能となる。
その結果、動力伝達装置1の耐久性が低下することを抑制することが可能となる。
(変形例)
(1)第一実施形態では、ナット・ピストン間転動体22をボールとし、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状をアンギュラ玉軸受の溝形状としたが、これに限定するものではない。
すなわち、ナット・ピストン間転動体22をボールとし、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状を、ラジアル玉軸受の溝形状としてもよい。
この場合、ラジアル荷重に対するボールねじ装置8の負荷容量を増加させることが可能となり、ボールねじ装置8の耐久性や作動性を向上させることが可能となる。
(1)第一実施形態では、ナット・ピストン間転動体22をボールとし、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状をアンギュラ玉軸受の溝形状としたが、これに限定するものではない。
すなわち、ナット・ピストン間転動体22をボールとし、ナット外周側転動体軌道面16b及びピストン内周側転動体軌道面18cの形状を、ラジアル玉軸受の溝形状としてもよい。
この場合、ラジアル荷重に対するボールねじ装置8の負荷容量を増加させることが可能となり、ボールねじ装置8の耐久性や作動性を向上させることが可能となる。
(2)第一実施形態では、ナット外周側転動体軌道面16bを形成した面のうち、ナット外周側転動体軌道面16bよりもクラッチ6から遠い側の部分を、クラッチ6に近い側の部分よりも、ピストン18側へ突出させたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図3中に示すように、ハウジング側内輪鍔部16dの外径と、クラッチ側内輪鍔部16eの外径を同じ値としてもよい。
(3)第一実施形態では、ピストン内周側転動体軌道面18cを形成した面のうち、ピストン内周側転動体軌道面18cよりもクラッチ6に近い側の部分を、クラッチ6から遠い側の部分よりも、ナット16側へ突出させたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図4中に示すように、クラッチ側外輪鍔部18dの内径と、ハウジング側外輪鍔部18eの内径を同じ値としてもよい。
(4)第一実施形態では、ハウジング側内輪鍔部16dの外径をクラッチ側内輪鍔部16eの外径よりも大きくし、さらに、クラッチ側外輪鍔部18dの内径をハウジング側外輪鍔部18eの内径よりも小さくしたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図5中に示すように、ハウジング側内輪鍔部16dの外径と、クラッチ側内輪鍔部16eの外径を同じ値とし、さらに、クラッチ側外輪鍔部18dの内径と、ハウジング側外輪鍔部18eの内径を同じ値としてもよい。
(5)第一実施形態では、クラッチ押圧部18bのクラッチ6側の面全体を、ナット16のクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する面よりも、クラッチ6側に配置したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図6中に示すように、クラッチ押圧部18bのクラッチ6側の面のうち、クラッチ押圧部18bのクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する部分を含む一部のみ(外周側の一部のみ)を、ナット16のクラッチ6とねじ軸10の軸方向で対向する面よりも、クラッチ6側に配置してもよい。
(6)第一実施形態では、ボール戻し路16cを、ナット16へ一体に形成したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図7中に示すように、ボール戻し路16cを、循環コマ36に形成し、ナット16に循環コマ36が嵌合可能なナット側嵌合部16fを形成して、ナット側嵌合部16fへ循環コマ36を嵌合させることにより、ボール戻し路16cをナット16に形成してもよい。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図7を参照しつつ、図8を用いて、動力伝達装置1の構成について説明する。
なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
以下、本発明の第二実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1から図7を参照しつつ、図8を用いて、動力伝達装置1の構成について説明する。
なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
図8中に示すように、動力伝達装置1は、入力軸2と、出力軸4と、クラッチ6と、ボールねじ装置8を備える。なお、入力軸2と、出力軸4と、クラッチ6は、上述した第一実施形態と同様の構成であるため、その説明を省略する。
ボールねじ装置8は、ねじ軸10と、ねじ軸側ラジアル軸受12と、ねじ軸側スラスト軸受14と、ナット16と、ピストン18と、ピストン側外輪26と、複数のボールねじ側転動体20と、複数のナット・ピストン間転動体22と、保持器24を備える。
ボールねじ装置8は、ねじ軸10と、ねじ軸側ラジアル軸受12と、ねじ軸側スラスト軸受14と、ナット16と、ピストン18と、ピストン側外輪26と、複数のボールねじ側転動体20と、複数のナット・ピストン間転動体22と、保持器24を備える。
なお、ねじ軸10と、ねじ軸側ラジアル軸受12と、ねじ軸側スラスト軸受14と、ナット16と、ボールねじ側転動体20は、上述した第一実施形態と同様の構成であるため、その説明を省略する。
ピストン18は、ピストン側円板部18aと、クラッチ押圧部18bを備える。
ピストン側円板部18aは、ねじ軸10の軸方向から見て円環状に形成されており、ナット16の外周側に配置されて、ナット16を包囲している。
ピストン18は、ピストン側円板部18aと、クラッチ押圧部18bを備える。
ピストン側円板部18aは、ねじ軸10の軸方向から見て円環状に形成されており、ナット16の外周側に配置されて、ナット16を包囲している。
クラッチ押圧部18bの構成は、上述した第一実施形態と同様の構成であるため、その説明を省略する。
ピストン側外輪26は、ナット16の外周側を包囲する円環状の部材であり、ピストン18の内周側に取り付けられている。
なお、ピストン側外輪26をピストン18に取り付ける構成としては、例えば、ピストン側外輪26をピストン18の内周側に圧入する構成とする。また、ピストン側外輪26をピストン18に取り付ける構成は、例えば、止め輪等の部材を用いた構成としてもよい。
ピストン側外輪26は、ナット16の外周側を包囲する円環状の部材であり、ピストン18の内周側に取り付けられている。
なお、ピストン側外輪26をピストン18に取り付ける構成としては、例えば、ピストン側外輪26をピストン18の内周側に圧入する構成とする。また、ピストン側外輪26をピストン18に取り付ける構成は、例えば、止め輪等の部材を用いた構成としてもよい。
また、ピストン側外輪26は、ピストン外輪側転動体軌道面26aを備える。
ピストン外輪側転動体軌道面26aは、ピストン側外輪26の内周面のうち、ナット外周側転動体軌道面16bと対向する位置に形成されており、ピストン側外輪26の周方向に連続している。
また、ピストン側外輪26のうち、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6に近い側の部分であるクラッチ側外輪鍔部26bの内径は、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6から遠い側の部分であるハウジング側外輪鍔部26cの内径よりも小さい。
ピストン外輪側転動体軌道面26aは、ピストン側外輪26の内周面のうち、ナット外周側転動体軌道面16bと対向する位置に形成されており、ピストン側外輪26の周方向に連続している。
また、ピストン側外輪26のうち、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6に近い側の部分であるクラッチ側外輪鍔部26bの内径は、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6から遠い側の部分であるハウジング側外輪鍔部26cの内径よりも小さい。
すなわち、ピストン外輪側転動体軌道面26aを形成した面(ピストン側外輪26の内周面)のうち、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6に近い側の部分は、クラッチ6から遠い側の部分よりも、ナット16側へ突出する。
ナット・ピストン間転動体22は、セラミックスで形成したボールであり、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン外輪側転動体軌道面26aとの間へ、転動自在に装填されている。
ナット・ピストン間転動体22は、セラミックスで形成したボールであり、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン外輪側転動体軌道面26aとの間へ、転動自在に装填されている。
また、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン外輪側転動体軌道面26a及び複数のナット・ピストン間転動体22の形状は、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な転がり軸受(非分離形の転がり軸受)の形状となるように形成されている。
また、ナット16、複数のナット・ピストン間転動体22、保持器24及びピストン側外輪26は、一般的な転がり軸受と同様の方法を用いて組み立てられており、非分離形の転がり軸受を形成している。
また、ナット16、複数のナット・ピストン間転動体22、保持器24及びピストン側外輪26は、一般的な転がり軸受と同様の方法を用いて組み立てられており、非分離形の転がり軸受を形成している。
(動作)
次に、図1から図8を参照して、第二実施形態の動力伝達装置1を用いて行なう動作を説明する。
動力伝達装置1を備える車両の駐車時等には、図8中に示すように、ピストン18をクラッチ6から離間させた状態とし、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっていない状態とする。これにより、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間で摩擦力が発生せず、入力軸2と出力軸4との間で、動力が遮断された状態とする。
そして、駐車していた車両の発進時等には、図外のねじ軸駆動源が発生させたトルクにより、クラッチ6から離間しているピストン18を、クラッチ6側へ移動させる方向へ、ねじ軸10を回転させる。
次に、図1から図8を参照して、第二実施形態の動力伝達装置1を用いて行なう動作を説明する。
動力伝達装置1を備える車両の駐車時等には、図8中に示すように、ピストン18をクラッチ6から離間させた状態とし、各外側クラッチ板6aに押圧力が加わっていない状態とする。これにより、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間で摩擦力が発生せず、入力軸2と出力軸4との間で、動力が遮断された状態とする。
そして、駐車していた車両の発進時等には、図外のねじ軸駆動源が発生させたトルクにより、クラッチ6から離間しているピストン18を、クラッチ6側へ移動させる方向へ、ねじ軸10を回転させる。
ここで、ナット16は、ストッパ部材により周方向への回転が規制されている。これに加え、ピストン側外輪26は、ピストン18の内周面に取り付けられている。
このため、クラッチ6側へピストン18を移動させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6側へ移動する。
このため、クラッチ6側へピストン18を移動させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6側へ移動する。
ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってクラッチ6側へ移動すると、ナット16がナット・ピストン間転動体22をクラッチ6側へ押す。さらに、ナット16とピストン18及びピストン側外輪26が相対回転しながら、ナット・ピストン間転動体22が、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6側へ押す。これにより、ピストン18及びピストン側外輪26が、クラッチ6側へ移動する。
すなわち、クラッチ6側へピストン18を移動させる方向へねじ軸10を回転させる場合、ねじ軸駆動源が発生させてねじ軸10へ伝達したトルクは、ボールねじ装置8により、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6側へ移動させるための推力に変換される。
外側クラッチ板6aと接触したクラッチ押圧部18bが、さらに、ナット16とねじ軸10との相対移動によって外側クラッチ板6aを押圧すると、図2中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に、摩擦力を発生させる。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されるため、車両が走行可能となる。
外側クラッチ板6aと接触したクラッチ押圧部18bが、さらに、ナット16とねじ軸10との相対移動によって外側クラッチ板6aを押圧すると、図2中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間に、摩擦力を発生させる。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されるため、車両が走行可能となる。
そして、走行状態から停車した車両が駐車状態へ移行する場合等には、図外のねじ軸駆動源が発生させたトルクにより、クラッチ6を押圧しているピストン18を、クラッチ6から離間させる方向へ、ねじ軸10を回転させる。
ピストン18をクラッチ6から離間させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6から離れる側へ移動する。
ピストン18をクラッチ6から離間させる方向へねじ軸10を回転させると、負荷転動路34内におけるボールねじ側転動体20の転動を介して、ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってねじ軸10と相対移動し、クラッチ6から離れる側へ移動する。
ナット16が、ねじ軸10の軸方向に沿ってクラッチ6から離れる側へ移動すると、ナット16がナット・ピストン間転動体22をクラッチ6から離れる側へ押す。さらに、ナット16とピストン18及びピストン側外輪26が相対回転しながら、ナット・ピストン間転動体22が、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離れる側へ押す。これにより、ピストン18及びピストン側外輪26が、クラッチ6から離れる側へ移動する。
すなわち、クラッチ6から離間させる方向へねじ軸10を回転させる場合、ねじ軸駆動源が発生させてねじ軸10へ伝達したトルクは、ボールねじ装置8により、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離す方向へ移動させるための推力に変換される。
ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離間させる方向へ移動させ、図8中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間の押圧力をゼロとする。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されないため、不測の事態により入力軸駆動源が駆動力を発生させても、車両の停止状態を保持することが可能となる。
ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離間させる方向へ移動させ、図8中に示すように、各外側クラッチ板6aと各内側クラッチ板6bとの間の押圧力をゼロとする。この状態では、入力軸駆動源が発生させた駆動力が、入力軸2から出力軸4へ伝達されないため、不測の事態により入力軸駆動源が駆動力を発生させても、車両の停止状態を保持することが可能となる。
なお、上述したピストン外輪側転動体軌道面26aは、ピストン内周側転動体軌道面に対応する。
なお、上述した第二実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第二実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
なお、上述した第二実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第二実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態のボールねじ装置8であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)ボールねじ装置8が、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン外輪側転動体軌道面26aとの間へ転動自在に装填された複数のナット・ピストン間転動体22を備える。これに加え、ナット16、複数のナット・ピストン間転動体22及びピストン側外輪26により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン外輪側転動体軌道面26a、各ナット・ピストン間転動体22の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
第二実施形態のボールねじ装置8であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)ボールねじ装置8が、ナット外周側転動体軌道面16bとピストン外輪側転動体軌道面26aとの間へ転動自在に装填された複数のナット・ピストン間転動体22を備える。これに加え、ナット16、複数のナット・ピストン間転動体22及びピストン側外輪26により、非分離形の転がり軸受を形成する。さらに、ナット外周側転動体軌道面16b、ピストン外輪側転動体軌道面26a、各ナット・ピストン間転動体22の形状を、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受の形状とする。
このため、ボールねじ装置8の作動に伴うナット16とピストン18及びピストン側外輪26との相対回転を可能とするとともに、ナット16とピストン18及びピストン側外輪26との分離を防止することが可能となる。
その結果、動力の遮断時に、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離す方向の荷重を、ナット・ピストン間転動体22を介して、ナット16からピストン18及びピストン側外輪26へ伝達することが可能となる。
その結果、動力の遮断時に、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離す方向の荷重を、ナット・ピストン間転動体22を介して、ナット16からピストン18及びピストン側外輪26へ伝達することが可能となる。
これにより、動力の遮断時に、ピストン18及びピストン側外輪26を変位させてクラッチ6から離すことが可能となり、動力の遮断時にピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離すための、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
また、例えば、皿ばね等の弾性部材が有する復元力を用いて、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離す構成のボールねじ装置と比較して、弾性部材によってピストン18及びピストン側外輪26によるクラッチ6の押圧力が低減されることを抑制することが可能となる。
また、例えば、皿ばね等の弾性部材が有する復元力を用いて、ピストン18及びピストン側外輪26をクラッチ6から離す構成のボールねじ装置と比較して、弾性部材によってピストン18及びピストン側外輪26によるクラッチ6の押圧力が低減されることを抑制することが可能となる。
また、ナット16、複数のナット・ピストン間転動体22及びピストン側外輪26により、アキシアル荷重を負荷可能な非分離形の転がり軸受を構成することが可能となる。
このため、ピストン18及びピストン側外輪26でクラッチ6を押圧する際に発生するアキシアル荷重を負荷するための構成として、新たな軸受を追加する必要が無いため、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
このため、ピストン18及びピストン側外輪26でクラッチ6を押圧する際に発生するアキシアル荷重を負荷するための構成として、新たな軸受を追加する必要が無いため、部品点数の増加を抑制することが可能となる。
(変形例)
(1)第二実施形態では、ピストン外輪側転動体軌道面26aを形成した面のうち、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6に近い側の部分は、クラッチ6から遠い側の部分よりも、ナット16側へ突出させたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図9中に示すように、クラッチ側外輪鍔部26bの内径と、ハウジング側外輪鍔部26cの内径を同じ値としてもよい。
(1)第二実施形態では、ピストン外輪側転動体軌道面26aを形成した面のうち、ピストン外輪側転動体軌道面26aよりもクラッチ6に近い側の部分は、クラッチ6から遠い側の部分よりも、ナット16側へ突出させたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、図9中に示すように、クラッチ側外輪鍔部26bの内径と、ハウジング側外輪鍔部26cの内径を同じ値としてもよい。
1…動力伝達装置、2…入力軸、2a…入力軸側円板部、2b…入力軸側クラッチ取付け部、2c…入力軸側スプライン、4…出力軸、4a…出力軸側円板部、4b…出力軸側クラッチ取付け部、4c…出力軸側スプライン、6…クラッチ、6a…外側クラッチ板、6b…内側クラッチ板、8…ボールねじ装置、10…ねじ軸、10a…ねじ軸側螺旋溝、12…ねじ軸側ラジアル軸受、14…ねじ軸側スラスト軸受、16…ナット、16a…ナット軸側螺旋溝、16b…ナット外周側転動体軌道面、16c…ボール戻し路、16d…ハウジング側内輪鍔部、16e…クラッチ側内輪鍔部、16f…ナット側嵌合部、18…ピストン、18a…ピストン側円板部、18b…クラッチ押圧部、18c…ピストン内周側転動体軌道面、18d…クラッチ側外輪鍔部、18e…ハウジング側外輪鍔部、20…ボールねじ側転動体、22…ナット・ピストン間転動体、24…保持器、26…ピストン側外輪、26a…ピストン外輪側転動体軌道面、26b…クラッチ側外輪鍔部、26c…ハウジング側外輪鍔部、30…転がり軸受、30a…転がり軸受の外輪、30b…転がり軸受の内輪、30c…軸受側転動体、32…ハウジング、34…負荷転動路、36…循環コマ
Claims (10)
- ねじ軸とナットとの間に複数の第一転動体を配置してなるボールねじと、
前記ナットと同軸に配置し、且つ前記ナットのピストン押圧面により押圧されることで、入力軸と出力軸との間で動力を伝達するクラッチを締結状態とするピストンと、を備え、
前記ナットの外周面にナットの周方向に連続するナット外周側転動体軌道面が形成され、前記ピストンの内周面に前記ナット外周側転動体軌道面と対向するピストン内周側転動体軌道面が形成され、前記ナット外周側転動体軌道面と前記ピストン内周側転動体軌道面との間に複数の第二転動体が転動自在に装填されることで、前記ナット、前記ピストン及び前記複数の第二転動体が、非分離形の転がり軸受を形成し、
前記ナット外周側転動体軌道面、前記ピストン内周側転動体軌道面及び前記複数の第二転動体の形状は、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な前記非分離形の転がり軸受の形状であることを特徴とするボールねじ装置。 - ねじ軸とナットとの間に複数の第一転動体を配置してなるボールねじと、
前記ナットと同軸に配置し、且つ前記ナットのピストン押圧面により押圧されることで、入力軸と出力軸との間で動力を伝達するクラッチを締結状態とするピストンと、を備え、
前記ピストンの内周側に円環状のピストン側外輪が取り付けられ、前記ナットの外周面にナットの周方向に連続するナット外周側転動体軌道面が形成され、前記ピストン側外輪の内周面に前記ナット外周側転動体軌道面と対向するピストン内周側転動体軌道面が形成され、前記ナット外周側転動体軌道面と前記ピストン内周側転動体軌道面との間に複数の第二転動体が転動自在に装填されることで、前記ナット、前記ピストン側外輪及び前記複数の第二転動体が、非分離形の転がり軸受を形成し、
前記ナット外周側転動体軌道面、前記ピストン内周側転動体軌道面及び前記複数の第二転動体の形状は、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を負荷可能な前記非分離形の転がり軸受の形状であることを特徴とするボールねじ装置。 - 前記第二転動体を、ボールとし、
前記ナット外周側転動体軌道面及び前記ピストン内周側転動体軌道面の形状を、アンギュラ玉軸受の溝形状としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載したボールねじ装置。 - 前記第二転動体を、ボールとし、
前記ナット外周側転動体軌道面及び前記ピストン内周側転動体軌道面の形状を、ラジアル玉軸受の溝形状としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載したボールねじ装置。 - 前記ナット外周側転動体軌道面を形成した面のうちナット外周側転動体軌道面よりも前記クラッチから遠い側の部分は、前記クラッチに近い側の部分よりも前記ピストン側へ突出することを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
- 前記ピストン内周側転動体軌道面を形成した面のうちピストン内周側転動体軌道面よりも前記クラッチに近い側の部分は、前記クラッチから遠い側の部分よりも前記ナット側へ突出することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
- 前記ピストンの前記クラッチ側の面は、前記ナットよりも前記クラッチ側に突出していることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
- 前記第二転動体を、セラミックスで形成したことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
- 前記ねじ軸は、螺旋状のねじ軸側螺旋溝が外周面に形成され、
前記ナットは、ねじ軸側螺旋溝と対向するナット側螺旋溝が内周面に形成され、
前記ナットは、前記ねじ軸側螺旋溝と前記ナット側螺旋溝との間に形成された負荷転動路から一方の端部に移動した前記第一転動体を他方の端部から前記負荷転動路内へ戻すボール戻し路を備え、
前記ボール戻し路は、鍛造加工、切削加工、放電加工のうちいずれか一つの加工により前記ナットへ一体に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。 - 前記複数の第二転動体を転動自在に保持する保持器をさらに備え、
前記保持器は、樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載したボールねじ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015024057A JP2016148357A (ja) | 2015-02-10 | 2015-02-10 | ボールねじ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015024057A JP2016148357A (ja) | 2015-02-10 | 2015-02-10 | ボールねじ装置 |
Publications (1)
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JP2016148357A true JP2016148357A (ja) | 2016-08-18 |
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Family Applications (1)
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JP2015024057A Pending JP2016148357A (ja) | 2015-02-10 | 2015-02-10 | ボールねじ装置 |
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JP (1) | JP2016148357A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113532854A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-10-22 | 北京机械设备研究所 | 一种滚珠丝杠副轴向加载测试装置 |
WO2024108487A1 (zh) * | 2022-11-24 | 2024-05-30 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 滚珠丝杠螺母及滚珠丝杠 |
-
2015
- 2015-02-10 JP JP2015024057A patent/JP2016148357A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113532854A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-10-22 | 北京机械设备研究所 | 一种滚珠丝杠副轴向加载测试装置 |
CN113532854B (zh) * | 2021-06-25 | 2024-04-26 | 北京机械设备研究所 | 一种滚珠丝杠副轴向加载测试装置 |
WO2024108487A1 (zh) * | 2022-11-24 | 2024-05-30 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 滚珠丝杠螺母及滚珠丝杠 |
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