JP2016147978A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体 Download PDF

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Abstract

【課題】機械特性、耐薬品性、難燃性、加工性、外観を満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート系樹脂60〜90重量部およびポリプロピレン系樹脂10〜40重量部の合計100重量部に対し、スチレン系熱可塑性エラストマー3〜15重量部、ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体1〜10重量部、ハロゲン化カーボネート化合物1〜20重量部、酸化アンチモン化合物0.5〜10重量部およびポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体0.01〜3重量部を含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体。
【選択図】 図1

Description

本発明は難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体に関するものである。さらに詳細には、ポリカーボネート系樹脂およびポリプロピレン系樹脂にスチレン系熱可塑性エラストマー、ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体、ハロゲン化カーボネート化合物、酸化アンチモン化合物およびポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体を添加することにより、機械特性、耐薬品性、難燃性、加工性および外観が高次元で改良された難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体に関するものである。
トイレ装置用樹脂成型体の樹脂組成物としては、一般に、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)が用いられている。ABS樹脂は、成型収縮率、寸法公差が小さいため、加工性を有しているが、耐薬品性、特に家庭用あるいは業務用洗剤などへの耐薬品性に乏しいという難点をもつ。そのため、トイレ装置の中で、耐薬品性があまり必要とされない部材の樹脂成型体として利用されている。一方、ポリプロピレン樹脂は、耐薬品性、特に家庭用あるいは業務用洗剤などへの耐薬品性を有しているが、成型収縮率、寸法公差が大きいため、加工性に乏しいという難点をもつ。そのため、トイレ装置の中で、高い耐薬品性が求められる部材の樹脂成型体として利用されている。そこで、近年、トイレ装置用樹脂成型体の樹脂組成物として、成型収縮率、寸法公差が小さく加工性を有しており、且つ耐薬品性を有し、更に、機械特性も有する樹脂組成物が求められている。
ポリカーボネート樹脂は、優れた機械特性、熱特性を有しているため、OA機器分野、電子電気機器分野、および自動車分野など様々な分野で広く利用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は溶融粘度が高いため加工性に乏しく、また、非晶樹脂であることから、特に家庭用あるいは業務用洗剤などへの耐薬品性に難点をもつ。そのため、これらの欠点を補うべく、ポリオレフィン系樹脂を添加することが知られているが、単純添加ではポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂の相溶性が低く、層状剥離等が生じて、十分な機械特性が得られにくいため、実用化に乏しい状態にある。
そこで、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂の相溶性を高め、実用的な機械特性を付与するべく、種々の樹脂組成物が提案されている。
例えば、水酸基含有ビニルモノマーでグラフト変性させたエラストマーを相溶化剤として添加する方法(特許文献1、2参照)や、水酸基含有ビニルモノマーで変性させたポリプロピレンを相溶化剤とし、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンからなるエチレン−α−オレフィン共重合体を耐衝撃剤とする方法(特許文献3、4参照)、末端カルボキシル化ポリカーボネート樹脂とエポキシ化ポリプロピレン樹脂を使用する方法(特許文献5参照)、末端カルボキシ化ポリカーボネート樹脂と無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を使用する方法(特許文献6参照)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体を相溶化剤として添加する方法(特許文献7参照)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体を添加する方法(特許文献8参照)などがあるが、いずれもポリカーボネートの実用範囲の域を超えるほどの耐薬品性とPC/ABS並みの実用に耐えうる機械特性を両立するに至っていない。
また、難燃処方に関しては、ポリカーボネート系樹脂およびポリプロピレン系樹脂各々の樹脂に関する難燃処方は数多く報告されているが、ポリカーボネート系樹脂とポリプロピレン系樹脂の両方を含む樹脂組成物に対して難燃性を付与する例は少ない。その中でリン系難燃剤およびフッ素含有ポリマーを添加する方法(特許文献9参照)などが提案されているが高い次元での耐薬品性や機械特性を両立するに至っていないのが現状である。
特開平7−330972号公報 特開平8−134277号公報 特開2005−132937号公報 特開昭54−53162号公報 特開昭63−215750号公報 特開昭63−215752号公報 特開平5−17633号公報 特開2000−17120号公報 特開2012−41415号公報
上記に鑑み、本発明の目的は優れた機械特性、耐薬品性、加工性、難燃性および外観を高い次元で満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、上記課題を高い次元で満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、上記課題は、(A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)60〜90重量部および(B)ポリプロピレン系樹脂(B成分)10〜40重量部の合計100重量部に対し、(C)スチレン系熱可塑性エラストマー(C成分)3〜15重量部、(D)ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体(D成分)1〜10重量部、(E)ハロゲン化カーボネート化合物(E成分)1〜20重量部、(F)酸化アンチモン化合物(F成分)0.5〜10重量部および(G)ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体(G成分)0.01〜3重量部を含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られるトイレ装置用樹脂成型体により達成される。
以下、本発明の詳細について説明する。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
本発明でA成分として使用されるポリカーボネート系樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも靭性や変形特性に優れる点からビスフェノールAが特に好ましく、汎用されている。
本発明では、汎用のポリカーボネートであるビスフェノールA系のポリカーボネート以外にも、他の二価フェノール類を用いて製造した特殊なポリカーボネ−トをA成分として使用することが可能である。
例えば、二価フェノール成分の一部又は全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いたポリカーボネ−ト(単独重合体又は共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の二価フェノールは、該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネートであるのが特に好適である。
(1)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCF成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPA成分が10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCF成分が5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)該ポリカーボネートを構成する二価フェノール成分100モル%中、BPM成分が20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMC成分が20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊なポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型のポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊なポリカーボネートの製法及び特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報及び特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
なお、上述した各種のポリカーボネートの中でも、共重合組成等を調整して、吸水率及びTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成型後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求される分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃であるポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%であるポリカーボネート。
ここで、ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JISK7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によってポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。また本発明のポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂、芳香族または脂肪族(脂環式を含む)の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、二官能性アルコール(脂環式を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂、並びにかかる二官能性カルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネート樹脂を含む。また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
分岐ポリカーボネート樹脂は、本発明の樹脂組成物の溶融張力を増加させ、かかる特性に基づいて押出成型、発泡成型およびブロー成型における成型加工性を改善できる。結果として寸法精度により優れた、これらの成型法による成型品が得られる。かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、および4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノールが好適に例示される。その他多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、並びにトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が例示される。中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよび1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
分岐ポリカーボネート樹脂における多官能性芳香族化合物から誘導される構成単位は、二価フェノールから誘導される構成単位とかかる多官能性芳香族化合物から誘導される構成単位との合計100モル%中、好ましくは0.03〜1モル%、より好ましくは0.07〜0.7モル%、特に好ましくは0.1〜0.4モル%である。
また、かかる分岐構造単位は、多官能性芳香族化合物から誘導されるだけでなく、溶融エステル交換反応時の副反応の如き、多官能性芳香族化合物を用いることなく誘導されるものであってもよい。尚、かかる分岐構造の割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
脂肪族の二官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、およびイコサン二酸などの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸が好ましく挙げられる。二官能性アルコールとしては脂環式ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、およびトリシクロデカンジメタノールなどが例示される。
さらにポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法である界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などの反応形式は、各種の文献および特許公報などで良く知られている方法である。
本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は、特に限定されないが、好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは1.4×10〜3×10であり、さらに好ましくは1.4×10〜2.4×10である。粘度平均分子量が1×10未満のポリカーボネート樹脂では、実用上十分な靭性や割れ耐性が得られない場合がある。一方、粘度平均分子量が5×10を超えるポリカーボネート樹脂から得られる樹脂組成物は、概して高い成型加工温度を必要とするか、または特殊な成型方法を必要とすることから汎用性に劣る。高い成型加工温度は、樹脂組成物の変形特性やレオロジー特性の低下を招きやすい。
なお、上記ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が上記範囲外のものを混合して得られたものであってもよい。殊に、上記値(5×10)を超える粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、本発明の樹脂組成物の溶融張力を増加させ、かかる特性に基づいて押出成型、発泡成型およびブロー成型における成型加工性を改善できる。かかる改善効果は、上記分岐ポリカーボネートよりもさらに良好である。より好適な態様としては、A成分が粘度平均分子量7×10〜2×10のポリカーボネート樹脂(A−3−1成分)、および粘度平均分子量1×10〜3×10のポリカーボネート樹脂(A−3−2成分)からなり、その粘度平均分子量が1.6×10〜3.5×10であるポリカーボネート樹脂(A−3成分)(以下、“高分子量成分含有ポリカーボネート樹脂”と称することがある)も使用できる。
かかる高分子量成分含有ポリカーボネート樹脂(A−3成分)において、A−3−1成分の分子量は7×10〜3×10が好ましく、より好ましくは8×10〜2×10、さらに好ましくは1×10〜2×10、特に好ましくは1×10〜1.6×10である。またA−3−2成分の分子量は1×10〜2.5×10が好ましく、より好ましくは1.1×10〜2.4×10、さらに好ましくは1.2×10〜2.4×10、特に好ましくは1.2×10〜2.3×10である。
高分子量成分含有ポリカーボネート樹脂(A−3成分)は上記A−3−1成分とA−3−2成分を種々の割合で混合し、所定の分子量範囲を満足するよう調整して得ることができる。好ましくは、A−3成分100重量%中、A−3−1成分が2〜40重量%およびA−3−2成分が60〜98重量%であり、より好ましくはA−3−1成分が5〜20重量%およびA−3−2成分が80〜95重量%である。通常ポリカーボネート樹脂の分子量分布は2〜3の範囲である。したがって、本発明のA−3−1成分およびA−3−2成分においてもかかる分子量分布の範囲を満足することが好ましい。尚、かかる分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により算出される数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)で表されるものであり、該MnおよびMwは標準ポリスチレン換算によるものである。
また、A−3成分の調製方法としては、(1)A−3−1成分とA−3−2成分とを、それぞれ独立に重合しこれらを混合する方法、(2)特開平5−306336号公報に示される方法に代表される、GPC法による分子量分布チャートにおいて複数のポリマーピークを示す芳香族ポリカーボネート樹脂を同一系内において製造する方法を用い、かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を本発明のA−1成分の条件を満足するよう製造する方法、ポリテトラフルオロエチレン系混合体樹脂と、別途製造されたA−3−1成分および/またはA−3−2成分とを混合する方法などを挙げることができる。
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
尚、本発明の樹脂組成物における粘度平均分子量の算出は次の要領で行なわれる。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンと混合し、組成物中の可溶分を溶解させる。かかる可溶分をセライト濾過により採取する。その後得られた溶液中の溶媒を除去する。溶媒除去後の固体を十分に乾燥し、塩化メチレンに溶解する成分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、上記と同様にして20℃における比粘度を求め、該比粘度から上記と同様にして粘度平均分子量Mを算出する。
(B成分:ポリプロピレン系樹脂)
本発明の樹脂組成物はB成分として、ポリプロピレン系樹脂を含有する。ポリプロピレン樹脂は、プロピレンの重合体であるが、本発明においては、他のモノマーとの共重合体も含む。本発明のポリプロピレン樹脂の例には、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレンとエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンとのブロック共重合体(「ブロックポリプロピレン」ともいう)、プロピレンとエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体(「ランダムポリプロピレン」ともいう)が含まれる。なお、「ブロックポリプロピレン」と「ランダムポリプロピレン」を合わせて、「ポリプロピレン共重合体」ともいう。
本発明においては、ポリプロピレン樹脂として上記のホモポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンの1種あるいは2種以上を使用してよく、中でもホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが好ましい。
ポリプロピレン共重合体に用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンの例には、1−ブテン、1−ペンテン、イソブチレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンが含まれる。
ポリプロピレン共重合体中のエチレンの含有量は、全モノマー中、5質量%以下であることが好ましい。ポリプロピレン共重合体中の炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量は、全モノマー中20質量%以下であることが好ましい。
ポリプロピレン共重合体は、プロピレンとエチレンとの共重合体、またはプロピレンと1−ブテンとの共重合体であることが好ましく、特にプロピレンとエチレンとの共重合体が好ましい。
本発明におけるポリプロピレン樹脂のメルトフローレイト(230℃、2.16kg)は、0.1〜5g/10minであることが好ましく、0.2〜4g/10minであることがより好ましく、0.3〜3g/10minであることが特に好ましい。ポリプロピレン樹脂のメルトフローレイトが0.1g/10min未満では高粘度のため成型性に劣り、5g/10minを越えると十分な靭性が発現しない場合がある。なお、メルトフローレイトは「MFR」とも呼ばれる。なお、MFRはISO1133に準拠して測定した。
本発明の樹脂組成物中におけるポリカーボネート系樹脂(A成分)とポリプロピレン系樹脂(B成分)との組成比は両者の合計100重量部において、A成分は60〜90重量部であり、好ましくは62.5〜80重量部、より好ましくは65〜75重量部、B成分は10〜40重量部であり、好ましくは20〜37.5重量部、より好ましくは25〜35重量部である。A成分が60重量部未満では、強度および剛性が十分に発現せず、さらに寸法公差および成型収縮率が大きくなることにより加工性が低下する。一方、90重量部を超えると耐薬品性が悪くなり、密度も高くなる。
(C成分:スチレン系熱可塑性エラストマー)
本発明の樹脂組成物はC成分としてスチレン系熱可塑性エラストマーを含有する。本発明で使用するスチレン系熱可塑性エラストマーは下記式(I)または(II)で表されるブロック共重合体であることが好ましい。
X−(Y−X)n …(I)
(X−Y)n …(II)
一般式(I)および(II)におけるXは芳香族ビニル重合体ブロックで、式(I)においては分子鎖両末端で重合度が同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、Yとしてはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、ブタジエン/イソプレン共重合体ブロック、水添されたブタジエン重合体ブロック、水添されたイソプレン重合体ブロック、水添されたブタジエン/イソプレン共重合体ブロック、部分水添されたブタジエン重合体ブロック、部分水添されたイソプレン重合体ブロックおよび部分水添されたブタジエン/イソプレン共重合体ブロックの中から選ばれた少なくとも1種である。また、nは1以上の整数である。
具体例としては、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−ブテン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−水添ブタジエンジブロック共重合体、スチレン−水添イソプレンジブロック共重合体、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体、スチレン−イソプレンジブロック共重合体等が挙げられ、その中でもスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−ブテン−スチレン共重合体が最も好適である。
前記ブロック共重合体におけるX成分の含有量は20〜80重量%、好ましくは30〜75重量%、より好ましくは40〜70重量%の範囲にあることが望ましい。この量が20重量%未満では樹脂組成物の剛性および衝撃強度が低下し、また80重量%を超えると衝撃強度が低下する場合があるため、いずれも好ましくない。
スチレン系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は25万以下が好ましく、20万以下がより好ましく、15万以下がさらに好ましい。重量平均分子量が25万を超えると、成型加工性が低下し、ポリカーボネート樹脂組成物中の分散性も悪化する場合がある。また、重量平均分子量の下限については特に限定されないが、4万以上が好ましく、5万以上がより好ましい。なお、重量平均分子量は以下の方法で測定した。すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を算出した。本発明におけるスチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフローレイト(230℃、2.16kg)は、0.1〜10g/10minであることが好ましく、0.15〜9g/10minであることがより好ましく、0.2〜8g/10minであることが特に好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマーのメルトフローレイトが0.1g/10min未満および、10g/10minを越えると十分な靭性が発現しない場合がある。なお、MFRはISO1133に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定した。
C成分の含有量は、A成分とB成分との合計100重量部に対し、3〜15重量部であり、好ましくは4〜14重量部、より好ましくは5〜13重量部である。含有量が3重量部未満では衝撃強度および耐薬品性の低下や、成型品の外観不良が発生し、15重量部を超えると剛性および難燃性が低下する。
(D成分:ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体)
本発明の樹脂組成物はD成分として、ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体を含有する。本発明に用いることのできるグラフト共重合体は、ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体であれば特に制限されないが、例えば、乳化重合法、マイクロサスペンション重合法、ミニエマルション重合法などの公知の方法により製造されたグラフト共重合体を使用することができる。中でも、構造制御が容易である点から、乳化重合法により製造したグラフト共重合体を好適に用いることができる。前記グラフト共重合体におけるブタジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム重合体、またはブタジエン単量体と、これと共重合可能なビニル系単量体または単量体混合物とを共重合させてなる共重合体であれば特に制限されないが、組成物の衝撃強度付与の観点から、ブタジエン系ゴム状重合体中のブタジエンの割合は50重量%以上であることが好ましい。前記グラフト共重合体におけるシェルの形成に用いられる芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体は、公知の方法に従って重合系中に一括または連続的に投入してグラフト共重合させればよい。芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体を2種以上を用いる場合は、公知の方法に従って、それぞれを別々に、あるいは予め混合してから投入すれば良い。前記芳香族ビニル単量体の例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて適宜用いることができる。前記(メタ)アクリル酸エステル単量体の例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸アルキルエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて適宜用いることができる。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、特に断らない限り、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。前記グラフト共重合体の重合後に、必要に応じてフェノ−ル系、硫黄系、ヒンダ−ドアミン系等の酸化防止剤を用いることができる。かかる重合体は市販されており容易に入手することが可能であり、(株)カネカ製のカネエースMシリーズ(M−701、M−721など)、三菱レイヨン(株)製のメタブレンCシリーズ(C−223Aなど)、Eシリーズ(E−860Aなど)などが挙げられる。
D成分の含有量は、A成分とB成分との合計100重量部に対し、1〜10重量部であり、好ましくは1.5〜7.5重量部、さらに好ましくは2〜6重量部である。含有量が1重量部未満では機械特性や耐薬品性が低下し、10重量部を超えると剛性および難燃性が低下する。
(E成分:ハロゲン化カーボネート化合物)
本発明の樹脂組成物はE成分としてハロゲン化カーボネート化合物を含有する。ハロゲン化カーボネート化合物としては、下記式(1)で表される構成単位が全構成単位の少なくとも60モル%で、比粘度が0.015〜0.1のハロゲン化カーボネート化合物が好適に用いられる。
Figure 2016147978
[式(1)中、Xは臭素原子、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4のアルキリデン基または−SO−である。]
また、かかる式(1)において、好適にはRはメチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、−SO−、特に好ましくはイソプロピリデン基を示す。
臭素化ポリカーボネートは、残存するクロロホーメート基末端が少なく、末端塩素量が0.3ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2ppm以下である。かかる末端塩素量は、試料を塩化メチレンに溶解し、4−(p−ニトロベンジル)ピリジンを加えて末端塩素(末端クロロホーメート)と反応させ、これを紫外可視分光光度計(日立製作所製U−3200)により測定して求めることができる。末端塩素量が0.3ppm以下であると、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性がより良好となり、更に高温の成型が可能となり、その結果成型加工性により優れた樹脂組成物が提供される。
また臭素化ポリカーボネートは、残存する水酸基末端が少ないことが好ましい。より具体的には臭素化ポリカーボネートの構成単位1モルに対して、末端水酸基量が0.0005モル以下であることが好ましく、より好ましくは0.0003モル以下である。末端水酸基量は、試料を重クロロホルムに溶解し、1H−NMR法により測定して求めることができる。かかる末端水酸基量であると、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が更に向上し好ましい。
臭素化ポリカーボネートの比粘度は、好ましくは0.015〜0.1の範囲、より好ましくは0.015〜0.08の範囲である。臭素化ポリカーボネートの比粘度は、前述した本発明のA成分であるポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量を算出するに際し使用した上記比粘度の算出式に従って算出されたものである。
また、かかるハロゲン化カーボネート化合物は市販されており、例えば帝人(株)製のテトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー(商品名FG−7000、FG−8500)が挙げられ、これらを本発明で使用することができる。
E成分の含有量は、A成分とB成分との合計100重量部に対し、1〜20重量部であり、好ましくは5〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部である。E成分の含有量が1重量部未満の場合、十分な難燃性が得られず、20重量部を超えた場合、機械特性、耐薬品性などの低下が大きい。
(F成分:酸化アンチモン化合物)
本発明の樹脂組成物はF成分として酸化アンチモン化合物を含有する。酸化アンチモン化合物は、ハロゲン化カーボネート化合物(E成分)との相乗効果により組成物の難燃性を高める働きをするものである。酸化アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、(NaO)p・(Sb25)・qH2O (p=0〜1、q=0〜4)で表される五酸化アンチモンおよびアンチモン酸ナトリウムを使用することができる。酸化アンチモン化合物は、好ましくは粒径0.02〜5μmの粒子として用いられる。
F成分の含有量は、A成分とB成分との合計100重量部に対し0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。含有量が0.5重量部より少ないとハロゲン化カーボネート化合物(E成分)との相乗作用による組成物の難燃化効果が小さく、10重量部を超えると組成物の機械的特性が低下する。
(G成分:ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体)
本発明の樹脂組成物は、G成分としてポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体を含有する。このポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体の含有により、成型品の物性を損なうことなく、良好な難燃性を達成することができる。本発明にて使用されるポリテトラフルオロエチレン系混合体は、粒子径10μm以下、具体的にはポリテトラフルオロエチレンは粒子径が10μmを超える凝集体となっていないポリテトラフルオロエチレン粒子および有機系重合体からなることが好ましい。さらに、熱可塑性樹脂に配合した際の分散性の観点から、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液(G1)と有機系重合体粒子水性分散液(G2)とを混合した分散液中で、ビニル単量体(g2)を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して得られるものを用いることが好ましい。本発明に係わるポリテトラフルオロエチレン系混合体を得るために用いる、粒子径0.05〜1.0μmポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液(G1)は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマーを重合させることにより得られる。ポリテトラフルオロエチレン粒子の乳化重合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。共重合成分の含量は、テトラフルオロエチレンに対して10重量%以下であることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液(G1)の市販原料としては、旭硝子フロロポリマー社製のフルオンAD−1、AD−936、ダイキン工業社製のポリフロンD−1、D−2、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン(登録商標)30J等を代表例として挙げることができる。本発明に係わるポリテトラフルオロエチレン系混合体を得るために用いる有機系重合体粒子水性分散液(G2)は、ビニル単量体(g1)を乳化重合等の公知の方法により重合させることにより得ることができる。なお、上記のビニル単量体(g1)およびビニル単量体(g2)は同一でも異なっていてもよく、特に制限されるものではないが、ポリカーボネート系樹脂(A成分)に配合する際の分散性の観点からポリカーボネート系樹脂(A成分)との親和性が高いものであることが好ましい。これらビニル単量体(g1)および(g2)の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド単量体;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン単量体等を挙げることができる。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。これらの単量体の中でポリカーボネート系樹脂(A成分)との親和性の観点から好ましいものとして、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を30重量%以上含有する単量体を挙げることができる。特に好ましいものとして、スチレン、アクリロニトリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体、さらにより好ましいものとしてアクリロニトリルを30重量%以上含有する単量体を挙げることができる。本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン系混合体中に占めるポリテトラフルオロエチレンの含有割合は、1重量%〜70%重量であることが好ましく、5重量%〜60重量%であるのがより好ましく、20重量%〜55重量%が最も好ましい。1重量%未満であると難燃性の改良効果が不十分となり、70重量%を超えると表面外観に悪影響を及ぼす可能性があるので好ましくない。本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン系混合体は、その水性分散液を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥することにより粉体化することもできる。通常のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーは、粒子分散液の状態から粉体として回収する工程で100μm以上の凝集体となってしまうために熱可塑性樹脂に均一に分散させることが困難であるのに対して、本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン系混合体は、ポリテトラフルオロエチレンが単独で粒子径10μmを超えるドメインを形成していないためにポリカーボネート系樹脂(A成分)に対する分散性がきわめて優れている。この結果、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレンがポリカーボネート中で効率よく微細繊維化しており、難燃性が優れる上に、表面性、衝撃特性にも優れるものとなる。かかるポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体は市販されており容易に入手することが可能である。[例えば、三菱レイヨン(株)の「メタブレン A3800」「メタブレン A3750」(商品名)]
G成分の含有量は、A成分とB成分との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部であり、好ましくは0.05〜1重量部、より好ましくは0.2〜1重量部である。G成分が上記範囲を超えて少なすぎる場合には難燃性が不十分となる。一方、G成分が上記範囲を超えて多すぎる場合にはポリテトラフルオロエチレンが成型品表面に析出し外観不良となるばかりでなく、樹脂組成物のコストアップに繋がる。
(その他の添加剤について)
また、本発明の組成物は必要に応じて種々の公知の添加剤を添加することができ、各種添加剤の割合としては、A成分とB成分との合計100重量部に対して、無機充填剤、有機充填剤は、1〜50重量部、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤は、0.1〜5重量部、無機または有機系着色剤(酸化チタン、カーボンブラックなど)は、0.01〜5重量部である。
(熱可塑性樹脂組成物の製造)
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えばA成分〜G成分および任意に他の添加剤を、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した後、必要に応じて押出造粒器やブリケッティングマシーンなどによりかかる予備混合物の造粒を行い、その後ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練し、その後ペレタイザーによりペレット化する方法が挙げられる。
他に、各成分をそれぞれ独立にベント式二軸押出機に代表される溶融混練機に供給する方法や、各成分の一部を予備混合した後、残りの成分と独立に溶融混練機に供給する方法なども挙げられる。各成分の一部を予備混合する方法としては例えば、A成分以外の成分を予め予備混合した後、A成分の熱可塑性樹脂に混合または押出機に直接供給する方法が挙げられる。予備混合する方法としては例えば、A成分としてパウダーの形態を有するものを含む場合、かかるパウダーの一部と配合する添加剤とをブレンドしてパウダーで希釈した添加剤のマスターバッチを製造し、かかるマスターバッチを利用する方法が挙げられる。更に一成分を独立に溶融押出機の途中から供給する方法なども挙げられる。尚、配合する成分に液状のものがある場合には、溶融押出機への供給にいわゆる液注装置、または液添装置を使用することができる。
押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
溶融混練機としては二軸押出機の他にバンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。
上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。更にかかるペレットの製造においては、光学ディスク用ポリカーボネート樹脂において既に提案されている様々な方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の低減、運送または輸送時に発生する微小粉の低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を適宜行うことができる。これらの処方により成型のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を行うことができる。またペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
(本発明の樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体について)
本発明における樹脂組成物は、通常上述の方法で得られたペレットを射出成型して各種トイレ装置用樹脂成型体を製造することができる。かかる射出成型においては、通常の成型方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成型、射出プレス成型、ガスアシスト射出成型、発泡成型(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成型、インモールドコーティング成型、断熱金型成型、急速加熱冷却金型成型、二色成型、サンドイッチ成型、および超高速射出成型などの射出成型法を用いて成型体を得ることができる。これら各種成型法の利点は既に広く知られるところである。また成型はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明における樹脂組成物は、押出成型により各種異形押出成型体、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。またシート、フィルムの成型にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成型することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成型、ブロー成型および真空成型などにより成型体とすることも可能である。
本発明のトイレ装置用樹脂成型体は、優れた機械特性、耐薬品性、加工性、難燃性および外観を高い次元で満足する。これらの特性は従来の技術にはないものであるため、その奏する工業的効果は極めて大である。
実施例で作成したトイレ装置用樹脂成型体である便座の概略図である。
本発明者が現在最良と考える発明の形態は、上記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、特に説明が無い限り実施例中の部は重量部、%は重量%である。なお、評価は下記の方法によって実施した。
(ポリカーボネート樹脂組成物の評価)
(i)外観
下記の方法で作製して得られたISO引張試験片およびUL試験片の外観について、目視で評価した。なお、評価は下記の基準で実施した。
◎:外観が特に優れるもの
○:外観不良が見られないもの
△:ゲート側からのフローマークが若干発生しているもの
×:ゲート側からのフローマーク等の外観不良が強く発生しているもの
(ii)耐薬品性
下記の方法で得られたISO引張試験片を用いて、3点曲げ試験法にて、1%歪みをかけた後、バスマジックリンおよびトイレマジックリン(全て、花王(株)製)を含浸させた布をかけ、23℃で96時間放置した後に、外観変化の有無を確認した。なお、評価は下記の基準で実施した。
○:外観変化が見られないもの
△:微細なクラックの発生が若干見られるもの
×:破断にいたるような大きなクラックが見られるもの
(iii)曲げ弾性率
下記の方法で得られたISO曲げ試験片を用いて、ISO 178に従い、曲げ弾性率の測定を実施した。
(iv)シャルピー衝撃強度
下記の方法で得られたISO曲げ試験片を用いて、ISO 179に従い、ノッチ付きのシャルピー衝撃強度の測定を実施した。
(v)難燃性
下記の方法で得られたUL試験片を用いて、UL94に従い、V試験を実施した。
(vi)成型収縮率
下記の方法で得られた成型収縮率測定用試験片を23℃ 、相対湿度50%雰囲気にて24時間放置した。放置後の角板寸法を3次元測定機(株式会社ミツトヨ製)により測定し、下記式にて樹脂の流動方向(MD)および流動に対して直角方向(TD)の成型収縮率を算出した。
成型収縮率(%)={(金型寸法−角板寸法)/金型寸法)}×100
(vii)寸法公差
下記の方法で得られたトイレ装置用樹脂成型体である便座(図1)の全長(431.5mm)、全幅(365mm)、ヒンジ高さ(75.05mm)の寸法公差の測定を実施した。
[実施例1〜18、比較例1〜15]
表1および表2の比較例1〜13に示す組成で、B成分のポリプロピレン系樹脂を除く成分からなる混合物を押出機の第1供給口から供給した。かかる混合物はV型ブレンダーで混合して得た。B成分のポリプロピレン系樹脂は、第2供給口からサイドフィーダーを用いて供給した。押出は径30mmφのベント式二軸押出機((株)日本製鋼所TEX30α−38.5BW−3V)を使用し、スクリュー回転数230rpm、吐出量25kg/h、ベントの真空度3kPaで溶融混練しペレットを得た。なお、押出温度については、第1供給口からダイス部分まで270℃で実施した。
また、表2の比較例14および15に示す難燃ABS樹脂(ABS樹脂)は、テクノポリマー株式会社製F5450W、難燃ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)出光ライオンコンポジット株式会社製8803Rを使用した。
表1および表2の比較例1〜13に示す組成にて得られたペレットの一部は、90〜100℃で6時間熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成型機を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度70℃にて評価用の試験片(ISO引張試験片(ISO527−1及びISO527−2準拠)、ISO曲げ試験片(ISO178及びISO179準拠))、UL試験片、成型収縮率評価用試験片(幅50mm×長さ100mm×厚み2mm(厚み1.5mmフィルムゲートを長さ方向の一端に有する金型キャビティを用いて成型))および、トイレ装置用樹脂成型体である便座(図1)を成型した。
表2の比較例14および15に示すABS樹脂、PP樹脂のペレットは、80℃で4時間熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成型機を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度50℃にて評価用の試験片(ISO引張試験片(ISO527−1及びISO527−2準拠)、ISO曲げ試験片(ISO178及びISO179準拠))、UL試験片、成型収縮率評価用試験片(幅50mm×長さ100mm×厚み2mm(厚み1.5mmフィルムゲートを長さ方向の一端に有する金型キャビティを用いて成型))および、トイレ装置用樹脂成型体である便座(図1)を成型した。
なお、表1および表2中の記号表記の各成分は下記の通りである。
(A成分)
A−1:芳香族ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAとホスゲンから常法によって作られた粘度平均分子量23,900のポリカーボネート樹脂粉末、帝人(株)製 パンライトL−1250WP(製品名))
(B成分)
B−1:ポリプロピレン樹脂(ホモポリマー、MFR:2.0g/10min、(株)サンアロマー製 サンアロマーPL400A(製品名))
B−2:ポリプロピレン樹脂(ホモポリマー、MFR:0.5g/10min、(株)サンアロマー製 サンアロマーVS200A(製品名))
(C成分)
C−1:スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含有量:65wt%、MFR:0.4g/10min、(株)クラレ製 セプトン2104(製品名))
C−2:スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含有量:30wt%、MFR:70g/10min、(株)クラレ製 セプトン2002(製品名))
C−3:スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含有量:67wt%、MFR:2.0g/10min、旭化成ケミカルズ(株)製 タフテックH1043(製品名))
C−4:スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(スチレン含有量:67wt%、MFR:28g/10min、旭化成ケミカルズ(株)製 タフテックP2000(製品名))
(D成分)
D−1:ブタジエン系コアシェル型グラフトポリマー(コアがブタジエン系ゴムを主成分として70wt%含有、シェルがメチルメタクリレート、ブチルアクリレートとスチレンとするグラフト共重合体、(株)カネカ製 カネエースM−701(製品名))
(E成分)
E−1:ハロゲン化カーボネート化合物(ビスフェノールA骨格を有する臭素化カーボネートオリゴマー、帝人(株)製 ファイヤーガードFG−7000(製品名))
(F成分)
F−1:酸化アンチモン化合物(三酸化アンチモン、日本精鉱(株)製 PATOX−K(製品名))平均粒子径:1.2μm
(G成分)
G−1:ポリテトラフルオロエチレン系混合体(メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル共重合物で被覆されたポリテトラフルオロエチレン(ポリテトラフルオロエチレン含有量50重量%)、三菱レイヨン(株)製 メタブレンA3750(商品名))
(G成分の比較例)
G−2:ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製 ポリフロンMPA FA500H(商品名))
(その他の成分)
熱安定剤:フェノール系安定剤(オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、分子量531、BASFジャパン(株)製 Irganox 1076(製品名))
着色剤:カーボンブラックマスター(越谷化成工業(株)カーボンブラック50%含有ポリスチレン樹脂マスター、ROYAL BLACK RB90003S(製品名))
Figure 2016147978
Figure 2016147978
上記表1および表2から本発明の配合により、従来のABS樹脂、ポリプロピレン樹脂に比べて、機械特性、耐薬品性、加工性、難燃性、外観を高次元で満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体が得られることが分かる。

Claims (7)

  1. (A)ポリカーボネート系樹脂(A成分)60〜90重量部および(B)ポリプロピレン系樹脂(B成分)10〜40重量部の合計100重量部に対し、(C)スチレン系熱可塑性エラストマー(C成分)3〜15重量部、(D)ブタジエン系ゴム状重合体コアに芳香族ビニル単量体および(メタ)アクリル酸エステル単量体をグラフト共重合してなるコアシェル型グラフト共重合体(D成分)1〜10重量部、(E)ハロゲン化カーボネート化合物(E成分)1〜20重量部、(F)酸化アンチモン化合物(F成分)0.5〜10重量部および(G)ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体からなるポリテトラフルオロエチレン系混合体(G成分)0.01〜3重量部を含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成型して得られたトイレ装置用樹脂成型体。
  2. C成分のスチレン単位の含有量が40〜70重量%である請求項1に記載のトイレ装置用樹脂成型体。
  3. C成分中の水添ポリジエン単位が水添イソプレン単位であり、エチレン・プロピレンブロック単位を有するブロック共重合体である請求項1または2に記載のトイレ装置用樹脂成型体。
  4. C成分中の水添ポリジエン単位が水添ブタジエン単位であり、エチレン・ブチレンブロック単位を有するブロック共重合体である請求項1または2に記載のトイレ装置用樹脂成型体。
  5. C成分中の水添ポリジエン単位が部分水添ブタジエン単位であり、ブダジエン・ブチレンブロック単位を有するブロック共重合体である請求項1または2に記載のトイレ装置用樹脂成型体。
  6. C成分の230℃、2.16kg荷重でのMFRが0.1〜10g/10minである請求項1〜5のいずれかに記載のトイレ装置用樹脂成型体。
  7. B成分の230℃、2.16kg荷重でのMFRが0.1〜5g/10minである請求項1〜6のいずれかに記載のトイレ装置用樹脂成型体。
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