JP2016147774A - 単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を避けつつ、高品質の単結晶を、安全に製造することができる、単結晶製造装置を提供する。
【解決手段】坩堝と種結晶の少なくとも一方に、回転軸が連結されており、回転軸は、冷却水流路を有しており、冷却水流路の両端は、回転軸の外周に開口部を有し、回転軸の坩堝と反対側の端部は、チャンバの外部へ突出しており、端部の外周に、3本以上の環状パッキンを介してシールハウジングが設置されており、環状パッキンの隣り合う2本の間に、冷却水供給室と冷却水排出室が形成されており、冷却水流路の一端の開口部が、冷却水供給室に連通しており、かつ冷却水流路の他端の開口部が、冷却水排出室に連通している、単結晶製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶製造装置、特に、溶液法によるSiC単結晶製造装置に関する。
単結晶を製造する方法として、チャンバ内に設置された坩堝内の原料溶液に、種結晶を浸漬させて引き上げる方法がある。
SiC(シリコンカ−バイド)単結晶の製造方法として、溶液法がある。溶液法においては、チャンバー内に設けられた黒鉛坩堝に原料Si(シリコン)を装入し、加熱コイルで原料を溶融し、Si溶液とする。このSi溶液に黒鉛坩堝からCを溶解させてSi−C溶液とし、このSi−C溶液に種結晶を浸漬して引き上げ、単結晶を製造する。その際、種結晶と坩堝の少なくとも一方を回転する。
特許文献1には、チョクラルスキー法により、チャンバ内の坩堝を回転しつつ、Si単結晶を製造する装置及び方法が開示されている。特許文献1に開示される方法においては、坩堝に連結した坩堝回転軸に、冷却機構は設けられていない。
特開2011−073952号公報
回転軸には熱に弱いベアリング等が配設されている。Si単結晶を製造する場合には、Si溶液の温度をそれほど高温にしないため、ベアリング等が受ける熱の量は、それほど多くない。したがって、回転軸に、ベアリング等を冷却するための冷却機構が不要な場合も多い。
しかし、SiC単結晶を製造する場合には、Si溶液内に黒鉛坩堝のCを溶解させSi−C溶液とするため、Si溶液の温度を非常に高くする必要があり、ベアリング等が受ける熱の量は非常に多い。
Si−C溶液(原料溶液)からの熱を避ける方策として、回転軸を長くし、ベアリング等を熱源から遠ざける方法がある。しかし、この方法では、チャンバサイズが大きくなり、装置が大型化する。また、回転軸が長くなることにより、回転軸の芯振れが大きくなり、単結晶の品質が低下する。
一方、回転軸に冷却機構を設ける場合には、冷却水が漏れると、水蒸気が噴き出すため、安全上の配慮も必要になる。
本発明は、上記課題を解決する単結晶製造装置を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、次のとおりである。
〈1〉チャンバの内部に、坩堝と種結晶を備える単結晶製造装置であって、前記坩堝と前記種結晶の少なくとも一方に、回転軸が連結されており、前記回転軸は、冷却水流路を有しており、前記冷却水流路の両端は、前記回転軸の外周に開口部を有し、前記回転軸の前記坩堝と反対側の端部は、前記チャンバの外部へ突出しており、前記端部の外周に、3本以上の環状パッキンを介してシールハウジングが設置されており、前記環状パッキンの隣り合う2本の間に、冷却水供給室と冷却水排出室が形成されており、前記冷却水流路の一端の開口部が、前記冷却水供給室に連通しており、かつ前記冷却水流路の他端の開口部が、前記冷却水排出室に連通している、単結晶製造装置。
本発明によれば、回転軸に冷却水流路を有するので、回転軸を長くして、回転シールを加熱コイル及び原料溶液から遠ざける必要がなく、装置の大型化を避けることができ、かつ回転軸の芯振れも発生せず、高品質の単結晶を製造することができる。また、回転シールをチャンバの外部に設置したので、仮に回転シールが破損し、冷却水漏れが発生しても、すぐに目視で発見でき、安全性が高い。
本発明の単結晶製造装置の概略の一例を示す図である。
以下、本発明に係る単結晶製造装置の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を限定するものではない。例えば、上述したように、本発明は、坩堝内の溶液の温度が非常に高温となるSiC単結晶の製造装置として用いて特に好適であるが、坩堝内の溶液の温度がそれほど高温とならないSi単結晶の製造装置として用いても当然よい。
図1は、本発明の単結晶製造装置の概略の一例を示す図である。
(本発明の単結晶製造装置の全体構造)
本発明の単結晶製造装置100は、坩堝1と、種結晶2と、加熱コイル3が、チャンバ4の内部に格納されている。
チャンバ4には、真空ポンプ5が連結される。また、チャンバ4には真空計6が連結される。チャンバ4の内部は、微少な酸素も混入しないよう、真空ポンプ5で排気した後、不活性ガス供給源(図示せず)から、ヘリウム等の不活性ガスを導入し、チャンバ4の内部を正圧とする。この状態で、加熱コイル3により原料を加熱、溶融して、原料溶液7とする。この原料溶液7に種結晶2を浸漬し、引上げ機構(図示せず)により種結晶2を引き上げる。
種結晶2は、種結晶回転軸10と連結され、坩堝1は、坩堝回転軸50と連結される。
種結晶回転軸10には、種結晶回転軸10を回転させる機構(図示せず)が連結される。坩堝回転軸50には、坩堝回転軸50を回転させる機構(図示せず)が連結される。
種結晶回転軸10の外周には、ベアリング21a、21bを介して支持部材20が設置される。坩堝回転軸50の外周には、ベアリング61a、61bを介して支持部材60が設置される。
(種結晶回転軸の冷却)
種結晶回転軸10は、回転軸アウタ11aと回転軸インナ11bを備えた二重構造である。回転軸アウタ11aには軸方向に溝が設けられ、その溝と回転軸インナ11bとで、冷却水流路12が形成される。冷却水流路12の両端は、回転軸10を構成する回転軸アウタ11aの外周に開口部13a、13bを有する。
種結晶回転軸10の坩堝1と反対側の端部14は、チャンバ4の外部へ突出する。この端部14に、3本の環状パッキン15a、15b、15cが挿通される。環状パッキン15a、15b、15cを介して、種結晶回転軸10を構成する回転軸アウタ11aの外周に、シールハウジング16が設置される。シールハウジング16の内周は円筒状であり、シールハウジング16の内周が、環状パッキン15a、15b、15cの外周と接する。
3本の環状パッキン15a、15b、15cのうち、環状パッキン15aと環状パッキン15bは、隣り合う2本の環状パッキンである。環状パッキン15bと環状パッキン15cも同様である。
回転軸アウタ11aの外周と、環状パッキン15aと、シールハウジング16の内周と、環状パッキン15bとで冷却水供給室17aを形成する。この冷却水供給室17aに、冷却水流路12の一端の開口部13aが連通する。シールハウジング16に、冷却水導入口18aが設置され、この冷却水導入口18aは、冷却水供給室17aに連通する。
回転軸アウタ11aの外周と、環状パッキン15bと、シールハウジング16の内周と、環状パッキン15cとで冷却排出室17bを形成する。この冷却水排出室17bに、冷却水流路12の他端の開口部13bが連通する。シールハウジング16に、冷却水排出口18bが設置され、この冷却水排出口18bは、冷却水排出室17bに連通する。
このようにして形成された、冷却水供給室17aと冷却水排出室17bにより、回転中の種結晶回転軸10に冷却水を給排水することができる。
冷却水導入口18aから導入された冷却水は、冷却水流路12を経て、ベアリング21a、21bをそれらの内周側から冷却し、冷却水排出口18bから排出される。
回転軸アウタ11aと、3本の環状パッキン15a、15bを介して設置されるシールハウジング16とで、回転シール19を構成する。回転シール19は、種結晶回転軸10の軸方向に貫通孔Hを有している。この貫通孔Hに種結晶回転軸10が挿通されることにより、種結晶回転軸10を回転させることができる。
冷却水供給室17aと冷却水排出室17bの内部にある冷却水は、3本の環状パッキン15a、15b、15cによって封止されている。また、3本の環状パッキン15a、15b、15cは、回転中の種結晶回転軸10を構成する回転軸アウタ11aと摩擦されている。したがって、回転シール19の冷却水漏れに対する信頼性は、高いとはいえない。
しかし、万が一、環状パッキン15a、15b、15cが破損し、回転シール19から水漏れが発生しても、回転シール19はチャンバ4の外部に設置されているため、目視によって、すぐに水漏れを発見することができる。
(種結晶回転軸を支持する部材の冷却)
支持部材20は、ハウジングアウタ22aとハウジングインナ22bを備えた二重構造である。ハウジングインナ22bの外周には螺旋状の溝が設けられ、その溝とハウジングアウタ22aとで冷却水流路23が形成される。
ハウジングインナ22bの外周には、円周状の溝が設けられ、Oリング25a、25bが格納される。このOリング25a、25bは、ハウジングアウタ22aとハウジングインナ22bとを結合させることにより、適度に変形し、冷却水流路23からの冷却水の漏れを防止する。
ハウジングアウタ22aには、冷却水導入口24aと、冷却水排出口24bが設置される。冷却水導入口24aから導入された冷却水は、冷却水流路23を経て、ベアリング21a、21bをそれらの外周側から冷却し、冷却水排出口24bから排出される。
べアリング21a、21bは、種結晶回転軸10に設けられた冷却水流路12により、ベアリング21a、21bの内周側から冷却されると同時に、支持部材20に設けられた冷却水流路23により、ベアリング21a、21bの外周側からも冷却される。
環状パッキン15a、15b、15cと比べると、Oリング25a、25bは、坩堝1に近いため、より多くの熱を受ける。しかし、Oリング25a、25bは、冷却水流路23に近いため、充分に冷却されており、熱によって破損することはない。また、Oリング25a、25bは、環状パッキン15a、15b、15cと異なり、種結晶回転軸10から摩擦を受けることもないため、摩耗によって破損することもない。
(坩堝回転軸の冷却)
坩堝回転軸50は、回転軸アウタ51aと回転軸インナ51bを備えた二重構造である。回転軸アウタ51aには軸方向に溝が設けられ、その溝と回転軸インナ51bとで、冷却水流路52が形成される。冷却水流路52の両端は、回転軸50を構成する回転軸アウタ51aの外周に開口部53a、53bを有する。
坩堝回転軸50の坩堝1と反対側の端部54は、チャンバ4の外部へ突出する。この端部54に、3本の環状パッキン55a、55b、55cが挿通される。環状パッキン55a、55b、55cを介して、坩堝回転軸50を構成する回転軸アウタ51aの外周に、シールハウジング56が設置される。シールハウジング56の内周は円筒状であり、シールハウジング56の内周が、環状パッキン55a、55b、55cの外周と接する。
3本の環状パッキン55a、55b、55cのうち、環状パッキン55aと環状パッキン55bは、隣り合う2本の環状パッキンである。環状パッキン55bと環状パッキン55cも同様である。
回転軸アウタ51aの外周と、環状パッキン55aと、シールハウジング56の内周と、環状パッキン55bとで冷却水供給室57aを形成する。この冷却水供給室57aに、冷却水流路52の一端の開口部53aが連通する。シールハウジング56に、冷却水導入口58aが設置され、この冷却水導入口58aは、冷却水供給室57aに連通する。
回転軸アウタ51aの外周と、環状パッキン55bと、シールハウジング56の内周と、環状パッキン55cとで冷却排出室57bを形成する。この冷却水排出室57bに、冷却水流路52の他端の開口部53bが連通する。シールハウジング56に、冷却水排出口58bが設置され、この冷却水排出口58bは、冷却水排出室57bに連通する。
このようにして形成された、冷却水供給室57aと冷却水排出室57bにより、回転中の坩堝回転軸50に冷却水を給排水することができる。
冷却水導入口58aから導入された冷却水は、冷却水流路52を経て、ベアリング61a、61bをそれらの内周側から冷却し、冷却水排出口58bから排出される。
回転軸アウタ51aと、3本の環状パッキン55a、55bを介して設置されるシールハウジング56とで、回転シール59を構成する。回転シール59は、坩堝回転軸50の軸方向に貫通孔Hを有している。この貫通孔Hに坩堝回転軸50を挿通することにより、坩堝回転軸50を回転させることができる。
冷却水供給室57aと冷却水排出室57bの内部にある冷却水は、3本の環状パッキン55a、55b、55cによって封止されている。また、3本の環状パッキン55a、55b、55cは、回転中の坩堝回転軸50を構成する回転軸アウタ11aと摩擦されている。したがって、回転シール59の冷却水漏れに対する信頼性は、高いとはいえない。
しかし、万が一、環状パッキン55a、55b、55cが破損し、回転シール59から水漏れが発生しても、回転シール59はチャンバ4の外部に設置されているため、目視によって、すぐに水漏れを発見することができる。
(坩堝回転軸を支持する部材の冷却)
支持部材60は、ハウジングアウタ62aとハウジングインナ62bを備えた二重構造である。ハウジングインナ62bの外周には螺旋状の溝が設けられ、その溝とハウジングアウタ62aとで冷却水流路63が形成される。
ハウジングインナ62bの外周には、円周状の溝が設けられ、Oリング65a、65bが格納される。このOリング65a、65bは、ハウジングアウタ62aとハウジングインナ62bとを結合させることにより、適度に変形し、冷却水流路63からの冷却水の漏れを防止する。
ハウジングアウタ62aには、冷却水導入口64aと、冷却水排出口64bが設置される。冷却水導入口64aから導入された冷却水は、冷却水流路63を経て、ベアリング61a、61bを外周側から冷却し、冷却水排出口64bから排出される。
べアリング61a、61bは、坩堝回転軸50に設けられた冷却水流路52により、ベアリング61a、61bの内周側から冷却されると同時に、支持部材60に設けられた冷却水流路63により、ベアリング61a、61bの外周側からも冷却される。
環状パッキン55a、55b、55cと比べると、Oリング65a、65bは、坩堝1に近いため、より多くの熱を受ける。しかし、Oリング65a、65bは、冷却水流路63に近いため、充分に冷却されており、熱によって破損することはない。また、Oリング65a、65bは、環状パッキン55a、55b、55cと異なり、坩堝回転軸50から摩擦を受けることもないため、摩耗によって破損することもない。
本実施形態では、種結晶2と坩堝1の両方を回転する実施形態を示したが、種結晶2及び坩堝1のいずれかを回転してもよい。また、支持部材20、60は、冷却水で冷却しなくてもよい。
また、環状パッキン15a、15b、15cは、3本以上であってもよい。例えば、3本の環状パッキン15a、15b、15cそれぞれを2重にして、冷却水導入口17a、冷却水排出室17bからの冷却水の漏れに対する信頼性を高めてもよい。
本発明によれば、装置の大型化を避けつつ、高品質の単結晶を、安全に製造することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性が大きい。
1 坩堝
2 種結晶
3 加熱コイル
4 チャンバ
5 真空ポンプ
6 真空計
7 原料溶液
10 種結晶回転軸
11a、51a 回転軸アウタ
11b、51b 回転軸インナ
12、23、52、63 冷却水流路
13a、13b、53a、53b 開口部
14、54 端部
15a、15b、15c、55a、55b、55c 環状パッキン
16、56 シールハウジング
17a、57a 冷却水供給室
17b、57b 冷却水排出室
18a、24a、58a、64a 冷却水導入口
18b、24b、58b、64b 冷却水排出口
19、59 回転シール
20、60 支持部材
21a、21b、61a、61b ベアリング
22a、62a ハウジングアウタ
22b、62b ハウジングインナ
25a、25b、65a、65b Oリング
50 坩堝回転軸
H 貫通孔
100 単結晶製造装置

Claims (1)

  1. チャンバの内部に、坩堝と種結晶を備える単結晶製造装置であって、
    前記坩堝と前記種結晶の少なくとも一方に、回転軸が連結されており、
    前記回転軸は、冷却水流路を有しており、
    前記冷却水流路の両端は、前記回転軸の外周に開口部を有し、
    前記回転軸の前記坩堝と反対側の端部は、前記チャンバの外部へ突出しており、
    前記端部の外周に、3本以上の環状パッキンを介してシールハウジングが設置されており、
    前記環状パッキンの隣り合う2本の間に、冷却水供給室と冷却水排出室が形成されており、
    前記冷却水流路の一端の開口部が、前記冷却水供給室に連通しており、かつ
    前記冷却水流路の他端の開口部が、前記冷却水排出室に連通している、単結晶製造装置。
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