JP2016147460A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性材料の分散性が良く、導電性に優れつつ、表面外観性と表面光沢性とに優れた成形体およびその製造方法を提供すること。【解決手段】 ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体であって、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が、ポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーとカップリング剤とを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品であること、前記導電層が、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層であること、を特徴とする積層体。【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体およびその製造方法に関する。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と略すことがある)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PAS樹脂と略すことがある)は耐熱性、耐薬品性に優れた熱可塑性ポリマーであり、各種の成形加工分野に利用されている。
ポリアリーレンスルフィド樹脂を電子写真用転写ベルトや帯電防止トレイなどの用途に適用する場合、カーボンなどの導電性材料を添加し、樹脂成形体表面の導電性を均一な半導体領域にする必要があるが、ポリアリーレンスルフィド樹脂はカーボンの分散性が必ずしも優れているとは言えず、押出成形時にカーボンの分散状態が変化し、導電性が不均一となる問題を抱えていた。転写ベルトにおいて導電性が不均一であると、耐刷時において文字の中抜けやトナーの飛び散りが発生していた。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂は靱性が不十分であることから、多くの場合ガラス繊維などの強化剤を併用して強度を向上させて用いられてきたが、電子写真用転写ベルトなどのように表面平滑性が求められる用途ではガラス繊維などを用いない非強化材料が求められていた。
そこで、ポリアリーレンスルフィド樹脂にポリアミド樹脂を配合することで、樹脂の靱性を高めつつ、かつ樹脂組成物中のカーボンの分散状態を均一にして、比較的均一な導電性が付与された電子写真用転写ベルトが得られることが報告されている(特許文献1、2参照)。しかしながら、ポリアミド樹脂による導電性材料の分散性能は十分なものとは言えなかった。
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、ポリエーテルスルフォン樹脂と、カーボンとを溶融混練することで、導電性材料の分散性が良く、導電性に優れた電子写真用転写ベルトが得られることが報告されている(特許文献3参照)。しかしながら、該転写ベルトは、表面外観性は良好ではあるものの、表面光沢性が充分と言えるものではなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、導電性材料の分散性が良く、導電性に優れつつ、表面外観性と表面光沢性とに優れた成形体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カルボキシ基を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を用いた成形体表面に、活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層を設けることで、導電性材料の分散性が良く、導電性に優れつつ、表面外観性と表面光沢性とに優れた成形体が得られることを見出し、上記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体であって、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が、ポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーとカップリング剤とを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品であること、前記導電層が、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層であること、を特徴とする積層体に関する。
また、本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体の製造方法であって、ポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーとカップリング剤とを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品に、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を塗工した後、活性光線を照射して前記活性光線硬化性樹脂組成物を硬化する、導電層形成工程を有することを特徴とする積層体の製造方法に関する。
本発明によれば、導電性材料の分散性が良く、導電性に優れつつ、表面外観性と表面光沢性とに優れた成形体およびその製造方法を提供することができる。
本発明の積層体は、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体であって、
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が、ポリアリーレンスルフィド樹脂とカップリング剤と導電性フィラーとを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品であること、
前記導電層が、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層であること、を特徴とする。
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が、ポリアリーレンスルフィド樹脂とカップリング剤と導電性フィラーとを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品であること、
前記導電層が、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層であること、を特徴とする。
始めに、ポリアリーレンスルフィド樹脂とカップリング剤と導電性フィラーとを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品について説明する。
・ポリアリーレンスルフィド樹脂
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記式(1)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記式(1)
ここで、前記式(1)で表される構造部位は、特に該式中のR1及びR2は、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記式(2)で表されるパラ位で結合するものが好ましいものとして挙げられる。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、前記式(1)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(3)〜(6)
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、その分子構造中に、下記式(7)
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の物性は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、以下の通りである。
(溶融粘度)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、300℃で測定した溶融粘度(V6)が100〜2000(Pa・s)の範囲であることが好ましく、さらに流動性および機械的強度のバランスが良好となることから120〜1600(Pa・s)の範囲がより好ましい。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、300℃で測定した溶融粘度(V6)が100〜2000(Pa・s)の範囲であることが好ましく、さらに流動性および機械的強度のバランスが良好となることから120〜1600(Pa・s)の範囲がより好ましい。
(非ニュートン指数)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、0.90〜2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90〜1.50の範囲であることが好ましく、さらに0.95〜1.20の範囲であることがより好ましい。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、0.90〜2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90〜1.50の範囲であることが好ましく、さらに0.95〜1.20の範囲であることがより好ましい。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、カルボキシ基を有するものであることが好ましい。ポリアリーレンスルフィド樹脂中のカルボキシ基の割合は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂中に15〜200(μmol/g)の範囲の割合であることが好ましく、さらに前記樹脂中に25〜100(μmol/g)の範囲の割合であることがより好ましい。当該範囲とすることで、導電層に用いる活性光線硬化性樹脂組成物中に含まれる化合物との相溶性を向上させ、かつ、硬化時には化学的な結合を形成し、成形体表面と導電層の界面状態を良好なものとし、耐摩擦性、表面外観性、表面光沢性を向上することができるため好ましい。
(製造方法)
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法としては、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、例えば1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、3)p−クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加しても良い。上記2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01〜0.9モルの有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下の範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1〜18のアルキル基を有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、1,4,6−トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法としては、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、例えば1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、3)p−クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加しても良い。上記2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01〜0.9モルの有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下の範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1〜18のアルキル基を有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、1,4,6−トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
重合工程により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を含む反応混合物の後処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、(1)重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過および乾燥する方法、或いは、(2)重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくともポリアリーレンスルフィドに対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンスルフィドや無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、或いは、(3)重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過および乾燥をする方法、(4)重合反応終了後、反応混合物に水を加えて水洗浄、濾過、必要に応じて水洗浄の時に酸を加えて酸処理し、乾燥をする方法、(5)重合反応終了後、反応混合物を濾過し、必要に応じ、反応溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に水洗浄、濾過および乾燥する方法、等が挙げられる。
尚、上記(1)〜(5)に例示したような後処理方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
・導電性フィラー
本発明に用いる導電性フィラーとしては、公知の導電性フィラーを挙げることができ、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、カーボンナノファイバーなどの炭素材料や、金属繊維や銀、銅などの金属ないし金属化合物などが挙げられるが、なかでも炭素材料は、軽量であり、耐食性に優れることから好ましく、これらの炭素材料を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの炭素材料の粉粒体の形状に特に制限はなく、板状、球状、繊維状、無定形等の何れであってもよい。また、黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も使用できる。導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有する材料が得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛等が好ましい。
本発明に用いる導電性フィラーとしては、公知の導電性フィラーを挙げることができ、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、カーボンナノファイバーなどの炭素材料や、金属繊維や銀、銅などの金属ないし金属化合物などが挙げられるが、なかでも炭素材料は、軽量であり、耐食性に優れることから好ましく、これらの炭素材料を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの炭素材料の粉粒体の形状に特に制限はなく、板状、球状、繊維状、無定形等の何れであってもよい。また、黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も使用できる。導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有する材料が得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛等が好ましい。
該導電性フィラーの大きさは、本発明の効果を損ねない範囲であれば特に限定されないが、表面抵抗や体積抵抗率などの導電性に優れ、特に転写ベルトや導電性トレー、キャリアテープなどの導電性材料用途に用いる場合には、表面外観性および表面平滑性に優れる点から、平均粒子径が1μm以下の範囲であり、さらにグロス(光沢性)に優れる点から0.5μm以下の範囲であることが好ましく、さらに0.1μm以下の範囲であることがより好ましい。さらに、均一な導電性、すなわち、成形体内の場所による電気抵抗のばらつきを低く抑える場合や、導電性特に転写ベルトや導電性トレー、キャリアテープなどといった表面外観性および表面平滑性の差が顕著に表れるシート状またはフィルム状の導電性材料用途に用いる場合には、100nm以下の範囲であることが好ましい。一方、ポリアリーレンスルフィド樹脂との濡れ性に優れ、成形性および分散性が良好となる点から、10nm以上の範囲であることが好ましく、さらに20nm以上の範囲であることがより好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中における前記導電性フィラーの含有量は、本発明の効果を損なう範囲でなければ特に限定されるものではないが、優れた機械的強度や導電性を付与できる観点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、1質量部以上の範囲であることが好ましく、さらに3質量部以上の範囲であることがより好ましく、さらに5質量部以上の範囲であることが最も好ましい。一方、成形物の外観の悪化を抑制することができる点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、50質量部以下の範囲であることが好ましく、さらに40質量部以下の範囲がより好ましく、さらに30質量部以下の範囲であることが最も好ましい。
・カップリング剤
本発明に使用するカップリング剤としてはシラン系、チタン系などのカップリング剤が用いられる。このうちシランカップリング剤が好ましく、さらにカルボキシ基と反応する官能基(例えばエポキシ基、イソシアナト基、アミノ基や水酸基)を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
本発明に使用するカップリング剤としてはシラン系、チタン系などのカップリング剤が用いられる。このうちシランカップリング剤が好ましく、さらにカルボキシ基と反応する官能基(例えばエポキシ基、イソシアナト基、アミノ基や水酸基)を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中におけるカップリング剤の含有量は、本発明の効果を損なう範囲でなければ特に限定されるものではないが、優れた機械的強度やポリアリーレンスルフィド樹脂を増粘して優れた成形性を付与できる観点から、その下限値がポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上の範囲であることが好ましく、さらに0.1質量部以上の範囲であることがより好ましく、さらに0.3質量部以上の範囲であることが最も好ましい。一方、上限値が、成形物の外観の悪化を抑制することができる点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、5質量部以下の範囲であることが好ましく、さらに3質量部以下の範囲がより好ましく、さらに1.5質量部以下の範囲であることが最も好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物には、本発明の効果を損ねない範囲で、強度、耐熱性、寸法安定性等の性能を改善するため、上記成分に加え、さらに充填材やその他添加剤が含まれていてもよい。
当該添加剤としては、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤等の各種添加剤や、また用途に応じて、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等の合成樹脂、或いは、弗素ゴム、シリコーンゴム等のエラストマ、特にエポキシ基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアナト基または下記の構造式(1)、構造式(2)
また、充填材としても、粒状、繊維状などさまざまな形状の充填材等が挙げられ、例えば、ガラス繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等の繊維状の充填材や、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等が挙げられる。
これらの添加剤、充填剤の使用量は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。また、前記充填剤の大きさは、本発明の効果を損ねない範囲であれば特に限定されるものではないが、表面外観性および表面平滑性の点から、平均粒子径が1μm未満の範囲であることが好ましい。一方、ポリアリーレンスルフィド樹脂との濡れ性に優れ、成形性および分散性が良好となる点から、10nm以上の範囲であることが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法は、本発明の効果を損ねない限り特に制限されず、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーとカップリング剤を、タンブラー又はヘンシェルミキサーなどで均一に混合、次いでバンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または2軸の押出機およびニーダーなどを用いて溶融混練する方法などが挙げられるが、なかでも、アルコール濃度が0.1〜90v/v%の範囲の水及びアルコール混合溶媒にカップリング剤を溶解して得られる水溶液と、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、導電性フィラーとを溶融混練する方法が好ましい方法として挙げられる。
ここで、アルコール濃度が0.1〜90v/v%の範囲の水及びアルコール混合溶媒にカップリング剤を溶解して得られる水溶液の調製は以下のとおり行うことが好ましい。
本発明に用いるカップリング剤を溶解させる溶媒として、水とアルコールとの混合溶媒を用いる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコールなどが挙げられ、このうちエタノールが好ましい。また、水溶液中のアルコール濃度の下限値は0.1v/v%以上の範囲であるが、保存安定性に優れる点から15v/v%以上の範囲が好ましく、さらに30v/v%以上の範囲がより好ましい。一方、水溶液中のアルコール濃度の上限値は、90v/v%以下であるが、混練溶融時の作業性に優れる点から80v/v%以下の範囲が好ましく、さらに70v/v%以下の範囲がより好ましい。
前記混合溶媒中において、カップリング剤を攪拌混合する際、その撹拌混合条件としては、カップリング剤が混合溶媒中に溶解すれば特に限定されるものではないが、例えば、撹拌混合時の温度が0〜80℃の範囲であることが好ましく、さらに20〜50℃であることがより好ましく、また、撹拌混合時間が、例えば、0.1〜6時間の範囲であることが好ましく、さらに0.5〜2時間の範囲であることがより好ましい。また、水溶液(a)中のカップング剤の濃度は5〜75質量%の範囲であることが好ましく、さらに10〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明に用いるカップリング剤を溶解させる溶媒として、水とアルコールとの混合溶媒を用いる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノールなどのアルコールなどが挙げられ、このうちエタノールが好ましい。また、水溶液中のアルコール濃度の下限値は0.1v/v%以上の範囲であるが、保存安定性に優れる点から15v/v%以上の範囲が好ましく、さらに30v/v%以上の範囲がより好ましい。一方、水溶液中のアルコール濃度の上限値は、90v/v%以下であるが、混練溶融時の作業性に優れる点から80v/v%以下の範囲が好ましく、さらに70v/v%以下の範囲がより好ましい。
前記混合溶媒中において、カップリング剤を攪拌混合する際、その撹拌混合条件としては、カップリング剤が混合溶媒中に溶解すれば特に限定されるものではないが、例えば、撹拌混合時の温度が0〜80℃の範囲であることが好ましく、さらに20〜50℃であることがより好ましく、また、撹拌混合時間が、例えば、0.1〜6時間の範囲であることが好ましく、さらに0.5〜2時間の範囲であることがより好ましい。また、水溶液(a)中のカップング剤の濃度は5〜75質量%の範囲であることが好ましく、さらに10〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法において、溶融混練の具体的な方法としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、例えば、前記各成分を、更に必要に応じてその他の配合成分を、タンブラー又はヘンシェルミキサーなどで均一に混合、次いで二軸混練押出機などの溶融混練押出機に投入し、樹脂成分の吐出量5〜500(kg/hr)の範囲と、スクリュー回転数100〜500(rpm)の範囲と、吐出量4〜40(kg/hr)の範囲とを適宜調整しながら溶融混練することが好ましく、それらの比率(吐出量/スクリュー回転数)が0.02〜2(kg/hr/rpm)なる条件下に溶融混練することがさらに好ましい。
このようにして溶融混練されたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物はその後、直接各種公知の成形法を用いて成形体へと成形されるか、一旦、ペレットとして成形された後、次いで、これを各種成形機に供して溶融成形することにより、目的とする成形体に成形することができる。公知の成形法としては、射出成形法、プレス成形法、カレンダー成形法、ロール成形法、押出成形法、注型成形法およびブロー成形法などが挙げられる。
このようにして得られたポリアリーレンスルフィド樹脂成形体は、ポリアリーレンスルフィド樹脂からなる連続相に、カップリング剤と導電性フィラーが微分散してなり、とくに前記水及びアルコール混合溶媒にカップリング剤を溶解して得られる水溶液を用いて溶融混練した場合、カップリング剤の凝集に由来する粒状物の割合が極めて低く抑えられたものとなり好ましく、例えば、1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物の割合が、成形体表面1mm2あたり5個未満であり、好ましくは2個未満であり、さらに好ましくは1個未満まで低減することができる。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体は外観表面性、表面平滑性に優れたものとなり、シート状またはフィルム状に成形した場合にはその効果が特に顕著なものとなる。さらにシート状、フィルム状、ストランド状または繊維状に成形した場合には、粒状物に起因して発生する機械的強度の低下を抑制でき、フィルムないしシートの破断、また、ストランド切れまたは繊維切れを抑制することができる。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂成形体は外観表面性、表面平滑性に優れたものとなり、シート状またはフィルム状に成形した場合にはその効果が特に顕著なものとなる。さらにシート状、フィルム状、ストランド状または繊維状に成形した場合には、粒状物に起因して発生する機械的強度の低下を抑制でき、フィルムないしシートの破断、また、ストランド切れまたは繊維切れを抑制することができる。
目的とする形状に成形するためには、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物のペレットをさらに成形機に供して押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、吹込成形法、射出圧縮成形法などの公知の各種成形法に適用して、シートまたはフィルムとして得る(成形工程)。
次に、導電層について説明する。前記導電層は、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に設けられ、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層である。
前記活性光線硬化性樹脂組成物は、少なくとも帯電防止剤および活性光線硬化性樹脂を含有する。
前記活性光線硬化性樹脂組成物中に含有される帯電防止剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル類、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン類、アルキルジエヤノールアミド類に代表されるノニオン系界面活性剤、アルキルフォスフェート塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類に代表されるアニオン系界面活性剤、4級アンモニウム塩類、アミド4級アンモニウム塩類に代表されるカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン類、アルキルイミダゾリニウムベタイン類に代表される両性系界面活性剤が挙げられ、また、これら2種類以上の混合物であってもよい。また、リチウム塩系帯電防止剤も挙げられ、金属塩帯電防止剤としては、リチウム塩系などの金属塩帯電防止剤の使用が好ましい。リチウム塩系帯電防止剤の例としては、カルボン酸リチウム塩、スルホン酸リチウム塩、硫酸エステルリチウム塩、リン酸エステルリチウム塩などが挙げられる。カルボン酸リチウム塩としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸リチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸リチウム塩、N−アシルサルコシン酸リチウム塩、N−アシルグルタミン酸リチウム塩などが含まれる。スルホン酸リチウム塩としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸リチウム塩、アルカンスルホン酸リチウム塩、アルファオレフィンスルホン酸リチウム塩、直鎖型を始めとするアルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸リチウム塩などが含まれる。硫酸エステルリチウム塩は、例えばアルキル硫酸エステルリチウム塩である。リン酸エステルリチウム塩としては、例えば、アルキルリン酸エステルリチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルリチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸リチウム塩などが含まれる。その他のリチウム塩系帯電防止剤の例としては、窒化リチウム塩およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウム(トリフルオロメタンスルホニル)メチドなどが挙げられる。
前記活性光線硬化性樹脂組成物中に含有される帯電防止剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル類、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン類、アルキルジエヤノールアミド類に代表されるノニオン系界面活性剤、アルキルフォスフェート塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類に代表されるアニオン系界面活性剤、4級アンモニウム塩類、アミド4級アンモニウム塩類に代表されるカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン類、アルキルイミダゾリニウムベタイン類に代表される両性系界面活性剤が挙げられ、また、これら2種類以上の混合物であってもよい。また、リチウム塩系帯電防止剤も挙げられ、金属塩帯電防止剤としては、リチウム塩系などの金属塩帯電防止剤の使用が好ましい。リチウム塩系帯電防止剤の例としては、カルボン酸リチウム塩、スルホン酸リチウム塩、硫酸エステルリチウム塩、リン酸エステルリチウム塩などが挙げられる。カルボン酸リチウム塩としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸リチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸リチウム塩、N−アシルサルコシン酸リチウム塩、N−アシルグルタミン酸リチウム塩などが含まれる。スルホン酸リチウム塩としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸リチウム塩、アルカンスルホン酸リチウム塩、アルファオレフィンスルホン酸リチウム塩、直鎖型を始めとするアルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸リチウム塩などが含まれる。硫酸エステルリチウム塩は、例えばアルキル硫酸エステルリチウム塩である。リン酸エステルリチウム塩としては、例えば、アルキルリン酸エステルリチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルリチウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸リチウム塩などが含まれる。その他のリチウム塩系帯電防止剤の例としては、窒化リチウム塩およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウム(トリフルオロメタンスルホニル)メチドなどが挙げられる。
前記活性光線硬化性樹脂組成物中における前記帯電防止剤の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲であれば特に限定されるものではないが、優れた機械的強度や導電性を付与できる観点から、活性光線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上の範囲であることが好ましく、さらに0.5質量部以上の範囲であることがより好ましく、さらに1質量部以上の範囲であることが最も好ましい。一方、積層体の外観の悪化を抑制することができる点から、活性光線硬化性樹脂100質量部に対して、40質量部以下の範囲であることが好ましく、さらに30質量部以下の範囲がより好ましく、さらに20質量部以下の範囲であることが最も好ましい。
本発明に使用する活性光線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂などの(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
さらに、前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類又はその水素添加物とエピクロルヒドリンとの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂や、ポリプロピレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)、ポリブチレングリコール(繰り返し単位n=2〜15)等のアルカンジオール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるアルカンジオール系ポリエポキシ樹脂等のポリエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシポリ(メタ)アクリレート樹脂が挙げられる。また、前記ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、少なくとも1種の有機ジイソシアネート化合物に、分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの少なくとも1種を反応させたウレタン(メタ)アクリレート類;アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、アミドジオール、スピログリコール化合物等の少なくとも1種のアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加して得られたウレタンプレポリマーのイソシアネート基に、分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート樹脂が挙げられる。また紫外線等の活性エネルギー線照射により反応する官能基を熱可塑性樹脂に導入(化学的に結合)させたものも使用できる。例えば、樹脂中のヒドロキシル基、あるいはカルボキシル基と、ヒドロキシル基を有するアクリレート等のモノマー又はオリゴマーをジイソシアネートを介して、カップリングさせたものを使用できる。具体的には、トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のイソシアネートを介して2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のアクリレート系化合物のオリゴマーを導入することができる。その官能基の導入量は、混合する場合と同等の割合で構わない。
また、前記ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂としては、フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート樹脂が挙げられる。
これらのなかでも、シート又はフィルムの強度・耐熱性に優れることから、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートがより好ましいものとして挙げられる。
さらに、本発明の活性光線硬化性樹脂組成物には、耐熱性を付与させる目的で、ブリードアウトしない範囲内で多官能アクリルモノマーを併用しても構わない。ここでいう、多官能アクリルモノマーとしては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、例えば、2官能の(メタ)アクリレート、3官能の(メタ)アクリレート、4官能以上の(メタ)アクリレート及びその他の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジアクリレート等が挙げられる。
前記3官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びエトキシ化グリセリントリアクリレート等が挙げられる。
前記4官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能アクリルモノマーを併用する場合、本発明に用いる活性光線硬化性樹脂組成物中における当該多官能アクリルモノマーの含有割合は、本発明の効果を損なわなければ特に限定されるものではないが、作業性改善とブリードアウト抑制の観点から、該活性光線硬化性樹脂100質量部に対して、0〜100質量部の範囲であることが好ましい。
また、本発明の効果を損ねない範囲で、単官能のモノマーを併用することができ、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート等も併用可能である。
さらに、本発明に用いる活性光線硬化性樹脂組成物中には光重合開始剤を併用することができる。当該光重合開始剤としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、チオキサントン、ベンゾブチルエーテル、アシロキシムエステル、ジベンゾスロベン、ビスアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
これらの帯電防止剤および活性光線硬化性樹脂を含む活性光線硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で導電性フィラー、無機フィラー、抵抗調整剤等を混合後、サンドミルや撹拌装置を用いて分散して、塗布液として調製することができる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に、前記活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層を設ける方法としては、活性光線硬化性樹脂組成物を含む塗布液を前記成形品表面にスプレー塗布等して塗膜を形成し、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線等の活性光線を照射して活性光線硬化樹脂組成物を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
希釈溶剤としては、活性光線硬化性樹脂と光重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されず、具体的にはn−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
活性光線を照射する装置としては、紫外線や電子線を用いて硬化性樹脂を硬化させる際に用いられている公知の装置を用いることができる。硬化させる活性光線の量(mJ/cm2)は、照射強度と照射時間で適宜制御することが好ましい。
このようにして得られた積層体において、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に設けられた導電層の厚みは、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないものの、導電性、耐摩擦性、表面外観性、表面光沢性に優れる点から、1〜100μmの範囲であることが好ましく、さらに5〜50μmの範囲であることがより好ましく、さらに10〜30μmの範囲であることが最も好ましい。
このようにして得られた積層体において、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に設けられた導電層の厚みは、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないものの、導電性、耐摩擦性、表面外観性、表面光沢性に優れる点から、1〜100μmの範囲であることが好ましく、さらに5〜50μmの範囲であることがより好ましく、さらに10〜30μmの範囲であることが最も好ましい。
このようにして得られた本発明の積層体は、導電性材料等の添加剤の凝集に由来する粒状物の割合が極めて低く抑えられたものとなり好ましく、例えば、1μm以上の円相当径を有する粒状物の割合が、成形体表面100cm2あたり5個未満であり、好ましくは2個未満であり、さらに好ましくは1個未満まで低減することができる。
・積層体
本発明の積層体は、例えば、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、プリント配線板、コンピュータ関連部品等の電気・電子部品;VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具、等の家庭電気製品部品;ランプリフレクター、ランプホルダー、等の照明器具部品;コンパクトディスク、レーザディスク(登録商標)、スピーカー、等の音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品、モデム、等の通信機器部品;分離爪、ヒータホルダー、等の複写機関連部品;インペラー、ファン、歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース、等の機械部品;自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品、等の自動車部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器、等の調理用器具;床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、柱などの支持材料、屋根材、等の建築資材または土木建築用材料;航空機部品、宇宙機部品、原子炉などの放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品などに用いることができるが、導電性材料の分散性が良く、導電性に優れつつ、表面外観性と表面光沢性とに優れることから、電子写真用転写ベルトや、ICトレーやウエハーキャリヤー等の電気・電子部品搬送容器として直接またはさらに加工を施して用いることができる。
本発明の積層体は、例えば、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、プリント配線板、コンピュータ関連部品等の電気・電子部品;VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具、等の家庭電気製品部品;ランプリフレクター、ランプホルダー、等の照明器具部品;コンパクトディスク、レーザディスク(登録商標)、スピーカー、等の音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品、モデム、等の通信機器部品;分離爪、ヒータホルダー、等の複写機関連部品;インペラー、ファン、歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品及びケース、等の機械部品;自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、内装部品、等の自動車部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器、等の調理用器具;床材、壁材などの断熱、防音用材料、梁、柱などの支持材料、屋根材、等の建築資材または土木建築用材料;航空機部品、宇宙機部品、原子炉などの放射線施設部材、海洋施設部材、洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、フィルター類、膜、医療用機器部品及び医療用材料、センサー類部品、サニタリー備品、スポーツ用品、レジャー用品などに用いることができるが、導電性材料の分散性が良く、導電性に優れつつ、表面外観性と表面光沢性とに優れることから、電子写真用転写ベルトや、ICトレーやウエハーキャリヤー等の電気・電子部品搬送容器として直接またはさらに加工を施して用いることができる。
・電子写真用転写ベルト
積層体、特にシート又はフィルム状の積層体は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中の導電性フィラーないし活性光線硬化性樹脂組成物中の帯電防止剤の含有割合を調整して、例えば、10の9乗〜11乗〔Ω/□〕の導電性とすることも可能である。
積層体、特にシート又はフィルム状の積層体は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中の導電性フィラーないし活性光線硬化性樹脂組成物中の帯電防止剤の含有割合を調整して、例えば、10の9乗〜11乗〔Ω/□〕の導電性とすることも可能である。
このため、シート又はフィルム状物を電子写真用転写ベルトとして用いることができる。目的とする電子写真用転写ベルトに成形するためには、上述したように溶融混練によりポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た後、例えば、環状に押出成形してシームレス環形状、シート状形状を円筒に成形する。その際、成形品を冷却することによって、導電性フィラーの分散形態が有効に維持され、導電性に優れた電子写真用転写ベルト用部品が得られる。なお、冷却は、成形品を室温で放置すればよいが、5〜60℃の水に浸漬することによって急冷することが好ましい。その後、得られた成形品の表面に、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を塗工した後、活性光線を照射して前記活性光線硬化性樹脂組成物を硬化すればよい。
本発明の電子写真用転写ベルトは、感光体上に形成されたトナー像を自己の表面に一旦、転写させた後、転写されたトナー像を紙等の記録材にさらに転写させるための中間転写ベルトであってもよいし、または紙を静電気により吸着し感光体上に形成されたトナー像をその紙に直接転写する直接転写ベルトであってもよい。
本発明の電子写真用転写ベルトは、転写効率を高めるために、さらに表面だけを硬くすると、本発明の効果をさらに有効に得ることができる。表面だけを硬くする方法として無機材料をコーティングする方法がよいが、その方法は特に限定されるものではない。例えば、「ゾル−ゲル法応用技術の新展開」(CMC出版)に記載されているような塗布による方法、「薄膜材料入門」(裳華房)に記載されたCVD、PVD、プラズマコーティングなどの物理化学的方法など、公知の方法を採用できる。表面にコーティングされる無機材料は、本発明の目的を達成できる限り特に制限されず、物性と経済性を考慮すると、Si、Al、Cを含む酸化物系材料が特に好ましい。例えば、アモルファスシリカ薄膜、アモルファスアルミナ薄膜、アモルファスシリカアルミナ薄膜、アモルファスダイヤモンド薄膜などが推奨される。このようなPPSよりも硬度の高い無機薄膜を本発明のベルトにコーティングすることにより、ブレードとの摩擦磨耗寿命が改善されるだけでなく、転写性も向上する。
本発明の電子写真用転写ベルトは、中間転写方式の画像形成装置に用いられる電子写真用転写ベルト、特に継ぎ目のないシームレスベルトに適用できる。本発明に係る電子写真用転写ベルトは、現像装置に単色トナーのみを持つモノカラー画像形成装置、1つの潜像担持体に対してY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の現像器が備わり、各色の現像器ごとに潜像担持体上での現像およびトナー像の転写ベルトへの一次転写を行うサイクル方式フルカラー画像形成装置、1つの潜像担持体に対して1つの現像器が備わった各色の画像形成ユニットが直列に配置され、各色の画像形成ユニットごとに潜像担持体上での現像およびトナー像の転写ベルトへの一次転写を行うタンデム方式フルカラー画像形成装置などに適用することができる。本発明の電子写真用転写ベルトを適用することにより文字の中抜けやトナーの飛び散りを抑制できる画像形成装置とすることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により、具体的に説明するが、以下において部及び%は、特に断りのない限り、全て質量基準である。
〔製造例1−1〕 PPSフィルムの製造(ドライブレンド法)
表1に示したカップリング剤とポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーを、表1に記載する配合比率に従い、タンブラーで均一に混合し、株式会社日本製鋼所製ベント付き2軸押出機「TEX−30α」に投入し、樹脂成分吐出量15kg/hr、スクリュー回転数200rpm、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)=0.075(kg/hr/rpm)、最大トルク32(A)、設定樹脂温度300℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを室温で24時間放置した後、Tダイ押出機を用いて設定温度300℃、ロール温度70℃で押出成形して、厚み80〜100μmのフィルム(1)を作製した。
表1に示したカップリング剤とポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーを、表1に記載する配合比率に従い、タンブラーで均一に混合し、株式会社日本製鋼所製ベント付き2軸押出機「TEX−30α」に投入し、樹脂成分吐出量15kg/hr、スクリュー回転数200rpm、樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率(吐出量/スクリュー回転数)=0.075(kg/hr/rpm)、最大トルク32(A)、設定樹脂温度300℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを室温で24時間放置した後、Tダイ押出機を用いて設定温度300℃、ロール温度70℃で押出成形して、厚み80〜100μmのフィルム(1)を作製した。
〔製造例1−2〕 PPSフィルムの製造(湿式ブレンド法)
表1に示した組成比となるよう、カップリング剤を、所定のアルコール濃度を有する水−エタノール混合溶媒140gに、23℃、1時間撹拌して、水溶液を調製した。
表1に示した組成比となるよう、カップリング剤を、所定のアルコール濃度を有する水−エタノール混合溶媒140gに、23℃、1時間撹拌して、水溶液を調製した。
続いて、調整したカップリング剤を含む水溶液と、ポリフェニレンスルフィド樹脂と、導電性フィラーを、表1に記載する配合比率に従い、タンブラーで均一に混合し、株式会社日本製鋼所製ベント付き2軸押出機「TEX−30α」に投入し、表1に記載した樹脂成分の吐出量(kg/hr)とスクリュー回転数(rpm)との比率Q/N(吐出量/スクリュー回転数)(kg/hr/rpm)、設定樹脂温度300℃で溶融混練して樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを室温で24時間放置した後、Tダイ押出機を用いて設定温度300℃ロール温度70℃で押出成形して、厚み80〜100μmのフィルム(2)を作製した。
Siカップリング剤(A1):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製「Z−6040」)
PPS(B1):ポリフェニレンスルフィド(DIC株式会社製「DIC.PPS」、溶融粘度(V6)120〔Pa・s〕、カルボキシ基含有量45μmol/g)
ただし、PPS樹脂の溶融粘度(V6)は以下の方法で測定した値である。
フローテスター(島津製作所製高化式フローテスター「CFT−500D型」)を用い
て、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者
の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持後の溶融粘度を測定した。
フローテスター(島津製作所製高化式フローテスター「CFT−500D型」)を用い
て、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者
の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持後の溶融粘度を測定した。
カルボキシ基含有量は以下の方法で測定した値である。
PPS樹脂のカルボキシ基の定量を350℃でプレスしたのち、急冷することによって非晶性を示すフィルムを作成し、フーリエ変換赤外分光装置(以下「FT−IR装置」と略記する。)で測定した。赤外吸収スペクトルのうち630.6cm−1の吸収に対する1705cm−1の吸収の相対強度を求め、別途後述する方法により作成した検量線を用いて測定サンプル中のカルボキシ基の含有量(以下「カルボキシ基の全含有量」と略記する。)を求めた。カルボキシ基の含有量は樹脂組成物1g中のモル数で示され、その単位はμmol/gで表される。なお検量線の作成方法は酸処理を行わずにカルボン酸塩を分子末端に含有するPPS樹脂3gに所定量の4−クロロフェニル酢酸を加え良く混合したのち、前記と同じようにしてフィルムを作成し、FT−IR装置で測定を行い、カルボキシ基含有量に対する、前記吸収の相対強度比をプロットした検量線を作成した。
PPS樹脂のカルボキシ基の定量を350℃でプレスしたのち、急冷することによって非晶性を示すフィルムを作成し、フーリエ変換赤外分光装置(以下「FT−IR装置」と略記する。)で測定した。赤外吸収スペクトルのうち630.6cm−1の吸収に対する1705cm−1の吸収の相対強度を求め、別途後述する方法により作成した検量線を用いて測定サンプル中のカルボキシ基の含有量(以下「カルボキシ基の全含有量」と略記する。)を求めた。カルボキシ基の含有量は樹脂組成物1g中のモル数で示され、その単位はμmol/gで表される。なお検量線の作成方法は酸処理を行わずにカルボン酸塩を分子末端に含有するPPS樹脂3gに所定量の4−クロロフェニル酢酸を加え良く混合したのち、前記と同じようにしてフィルムを作成し、FT−IR装置で測定を行い、カルボキシ基含有量に対する、前記吸収の相対強度比をプロットした検量線を作成した。
導電性フィラー(C1):カーボン(電気化学工業株式会社製「デンカブラック粒状品」平均粒子径35nm)
〔製造例2−1〕 UV硬化性樹脂組成物の調整
温度計、攪拌器及びコンデンサを備えたフラスコに、2−ブタノール1500質量部を仕込み、3官能アクリル酸モノマー「KAYARAD PET30」(日本化薬社製) 100質量部、重合開始剤「Irgacure 184」(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1質量部、帯電防止剤「RD−510」(東邦化学工業社製)10質量部を混合、撹拌して導電層用塗布液(1)を作製した。
温度計、攪拌器及びコンデンサを備えたフラスコに、2−ブタノール1500質量部を仕込み、3官能アクリル酸モノマー「KAYARAD PET30」(日本化薬社製) 100質量部、重合開始剤「Irgacure 184」(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1質量部、帯電防止剤「RD−510」(東邦化学工業社製)10質量部を混合、撹拌して導電層用塗布液(1)を作製した。
〔製造例2−2〕 UV硬化性樹脂組成物の調整
温度計、攪拌器及びコンデンサを備えたフラスコに、2−ブタノール1500質量部を仕込み、3官能アクリル酸モノマー「KAYARAD PET30」(日本化薬社製) 100質量部、重合開始剤「Irgacure 184」(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1質量部、帯電防止剤「PEO−20R」(三光化成社製)5質量部を混合、撹拌して導電層用塗布液(2)を作製した。
温度計、攪拌器及びコンデンサを備えたフラスコに、2−ブタノール1500質量部を仕込み、3官能アクリル酸モノマー「KAYARAD PET30」(日本化薬社製) 100質量部、重合開始剤「Irgacure 184」(チバスペシャリティケミカルズ社製) 1質量部、帯電防止剤「PEO−20R」(三光化成社製)5質量部を混合、撹拌して導電層用塗布液(2)を作製した。
〔実施例1〕
表2に示した組合せで、上記製造例で製造したフィルム(1)および(2)に、膜厚が10μmとなるように、それぞれ導電層用塗布液(1)および(2)をスプレー塗布し、40℃で30分間の一次乾燥を行った後、紫外線硬化装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「ライトハンマー 10システム」水銀ランプ使用)を用い、当該フィルムに250mJ/cm2となるよう紫外線照射して積層フィルム(1)〜(4)を得た。それぞれ下記に示した測定を行い、その結果を表2に示した。
表2に示した組合せで、上記製造例で製造したフィルム(1)および(2)に、膜厚が10μmとなるように、それぞれ導電層用塗布液(1)および(2)をスプレー塗布し、40℃で30分間の一次乾燥を行った後、紫外線硬化装置(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製「ライトハンマー 10システム」水銀ランプ使用)を用い、当該フィルムに250mJ/cm2となるよう紫外線照射して積層フィルム(1)〜(4)を得た。それぞれ下記に示した測定を行い、その結果を表2に示した。
〔比較例1〕
比較例として、製造例1で得られたフィルム(1)を用いた。下記に示した測定を行い、その結果を表2に示した。
比較例として、製造例1で得られたフィルム(1)を用いた。下記に示した測定を行い、その結果を表2に示した。
〔表面抵抗の測定〕 表面抵抗率、体積抵抗率
表面抵抗率(Ω/□)及び体積抵抗率(Ω・cm)は、三菱化学株式会社製の抵抗測定器“ハイレスタUP・URSブローブ”を用いて23℃、55%RH環境下で測定した。実施例1〜5及び比較例1〜2で作製したフィルムを、縦方向に長さ300mmにカットしたベルトをサンプルとし、該サンプルの幅方向に等ピッチで3ヶ所、縦方向に4カ所の合計12ヶ所について、印加電圧100V、10秒後に表面抵抗率及び体積抵抗率をそれぞれ測定し、その平均値の常用対数値で示した。なお該測定サンプルは23℃、55%RH環境下で24時間放置してから測定した。
表面抵抗率(Ω/□)及び体積抵抗率(Ω・cm)は、三菱化学株式会社製の抵抗測定器“ハイレスタUP・URSブローブ”を用いて23℃、55%RH環境下で測定した。実施例1〜5及び比較例1〜2で作製したフィルムを、縦方向に長さ300mmにカットしたベルトをサンプルとし、該サンプルの幅方向に等ピッチで3ヶ所、縦方向に4カ所の合計12ヶ所について、印加電圧100V、10秒後に表面抵抗率及び体積抵抗率をそれぞれ測定し、その平均値の常用対数値で示した。なお該測定サンプルは23℃、55%RH環境下で24時間放置してから測定した。
〔表面外観性(ブツ)の評価〕
フィルムをデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製「VHX−2000」)により、10cm×10cmの範囲を走査、凹凸部分をマークし、SEM/EDS装置(日本電子株式会社製「JSM−6360A」)により、円相当径1μm以上の粒状物の個数をカウントした。30サンプルを観察して平均し、以下の基準に則して判断した。
◎+:100cm2に0個
◎:100cm2に1個未満
○:100cm2に1個以上5個未満
△:100cm2に5個以上10個未満
×:100cm2に10個以上
フィルムをデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製「VHX−2000」)により、10cm×10cmの範囲を走査、凹凸部分をマークし、SEM/EDS装置(日本電子株式会社製「JSM−6360A」)により、円相当径1μm以上の粒状物の個数をカウントした。30サンプルを観察して平均し、以下の基準に則して判断した。
◎+:100cm2に0個
◎:100cm2に1個未満
○:100cm2に1個以上5個未満
△:100cm2に5個以上10個未満
×:100cm2に10個以上
〔光沢値(初期値)の測定〕
光沢計「VG2000」(日本電色製)を用い、実施例で得られた積層フィルム(導電層側)および比較例のフィルムの光沢の測定を行い、その結果をグロスで示した。光沢の測定条件は入射角20度とした。
光沢計「VG2000」(日本電色製)を用い、実施例で得られた積層フィルム(導電層側)および比較例のフィルムの光沢の測定を行い、その結果をグロスで示した。光沢の測定条件は入射角20度とした。
〔耐摩耗性(ラビング後の光沢性)の測定〕
実施例で得られた積層フィルム(導電層側)および比較例のフィルムを用いて、太平理化工業株式会社製ラビングテスターにて、φ17mmの面積の移動擦り部に普通紙を貼付し、荷重500g、擦り距離(片道)60mm、擦り回数100回の条件で擦った後、再度、光沢値(初期値)と同様に測定した。
実施例で得られた積層フィルム(導電層側)および比較例のフィルムを用いて、太平理化工業株式会社製ラビングテスターにて、φ17mmの面積の移動擦り部に普通紙を貼付し、荷重500g、擦り距離(片道)60mm、擦り回数100回の条件で擦った後、再度、光沢値(初期値)と同様に測定した。
Claims (10)
- ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体であって、
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品が、ポリアリーレンスルフィド樹脂と導電性フィラーとカップリング剤とを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品であること、
前記導電層が、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を硬化してなる層であること、を特徴とする積層体。 - 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面は、1μm以上の円相当径を有するカップリング剤を含む粒状物が、成形品表面1mm2あたり5個未満である請求項1記載の積層体。
- 前記導電層の表面は、1μm以上の円相当径を有する粒状物が、成形品表面100cm2あたり5個未満である請求項1記載の積層体。
- 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、カルボキシ基を15〜200μmol/gの割合で有するものである、請求項1記載の積層体。
- シート状またはフィルム状である請求項1記載の積層体。
- 電子写真用転写ベルトまたは電気・電子部品搬送容器である請求項1記載の積層体。
- ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の表面に導電層を有する積層体の製造方法であって、
ポリアリーレンスルフィド樹脂と、導電性フィラーとカップリング剤とを溶融混練して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品に、帯電防止剤を含有する活性光線硬化性樹脂組成物を塗工した後、活性光線を照射して前記活性光線硬化性樹脂組成物を硬化する、導電層形成工程を有することを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の成形品が、
アルコール濃度0.1〜90v/v%の範囲である水及びアルコール混合溶媒(a1)にカップリング剤(a2)を溶解させて得られる水溶液(a)と、ポリアリーレンスルフィド樹脂(b)と導電性フィラー(c)とを溶融混練してポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を得た後、得られたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を得る、成形工程を有する、請求項7記載の積層体の製造方法。 - 前記成形工程が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物をシート状またはフィルム状に成形してポリアリーレンスルフィド樹脂成形品を得る工程である請求項8記載の積層体の製造方法。
- 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂は、カルボキシ基を15〜200μmol/gの割合で有するものである、請求項7記載の積層体の製造方法。
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JP7102778B2 (ja) | 2018-02-27 | 2022-07-20 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用ムーブメントおよび時計 |
-
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- 2015-02-13 JP JP2015026379A patent/JP2016147460A/ja active Pending
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