[第1の実施形態]
<フロントドアの構造>
本発明の第1の実施形態によるスロットマシン10について、はじめに、スロットマシン10のフロントドア21の構造を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態によるフロントドア21のフロントマスク20の態様を示す正面図である。また、図2は、フロントドア21の主な構成を示す分解斜視図である。フロントドア21は、前方に開口を有する略矩形状の筐体であるキャビネット80(図15参照)に対して開閉可能に軸支され、キャビネットの開口を閉塞する位置でロックされている。
例えば図1に示すように、スロットマシン10のフロントドア21は、遊技者の視覚に訴える演出的な装飾が施された上パネル部23、中パネル部24及び下パネル部25とから概ね構成されるフロントマスク20が形成されている。なお、上パネル部23、中パネル部24及び下パネル部25は、それぞれ1つのパネル部材からなるものではなく、複数の成型部材からなるものでもよい。
上パネル部23は、複数のランプ(発光部)を内部に備え、前面に装飾されたレンズ部材を一体に備える樹脂成型体として形成される。上パネル部23は、ドアフレーム22の前面上部に取り付けられる。
中パネル部24は、透過液晶を有する中パネル表示装置50と、後述するサイドスピーカユニット140L、140Rとを有して構成される。中パネル表示装置50は、ドアフレーム22の中段に形成される矩形状の開放部22aを塞ぐように後方から取り付けられる。詳細は後述するが、その中パネル表示装置50の略中央には、その背面側に設けられる液晶シャッタ190L、190C、190R(図6参照)を透して、リール40L、40C、40Rの図柄の表示又は非表示の切り換え制御を可能にする表示窓50L、50C、50Rが形成されている。
各リール40C、40R、40Lに表示される3×3個の図柄を横切る直線は、上述の中段水平のラインL1と、上段水平のラインL2と、下段水平のラインL3と、斜め右下がりのラインL4と、斜め右上がりのラインL5の合計5本ある。表示窓50L、50C、50Rには、リール40C、40R、40Lをそれぞれ横切るこれらのラインのうちから入賞判定のライン(有効ライン)が予め定められている。全てのリール40L、40C、40Rが停止し、予め定めた図柄組合せが何れかの有効ラインに揃って表示されたとき、その図柄組合せに対応する遊技役(単に「役」ともいう。)が、入賞又は成立することになる。例えば、中段水平のラインL1だけを有効ラインと定めてもよいし、メダルの投入数(ベット数)に応じて有効ラインの数を増減させてもよい。また、ラインL1〜L5全てを有効ラインとした場合、予め定めた図柄組合せが表示された有効ラインの数に応じて、その役の入賞によるメダルの払い出し枚数を決定してもよい。
また、中パネル表示装置50において、表示窓50L、50C、50Rを含む全面が、透過表示領域を含んだ画像表示領域となっている。また、これらの遊技表示領域を構成している中パネル表示装置50の左右に、後述するサイドスピーカユニット140L、140Rが、ドアフレーム22の左右のサイドフレーム22l、22rに取り付けられている。
操作卓であるコントロールパネル部26は、下パネル部25の上部に構成されており、前面に向けて若干傾斜する卓状面をなすテーブルプレート26aを有している。このテーブルプレート26aの左部には、遊技者がメダルを賭ける(ベットする)操作指示をするための1−ベットスイッチ27と、マックスベットスイッチ28と、清算スイッチ34とが設けられている。1−ベットスイッチ27が操作されると、スロットマシン10にクレジットされているメダルのうち1枚が遊技に賭けられる。マックスベットスイッチ28が操作されると、クレジットされているメダルのうち最大規定枚数である3枚が遊技に賭けられる。清算スイッチ34が操作されると、投入又はクレジットとして貯留されたメダルが、メダル払出口52を介して受皿部材53へ払い戻される。
また、コントロールパネル部26のテーブルプレート26aの右部には、遊技者がスロットマシン10に直接メダルを投入するスリット(メダル投入口)を有する投入口ユニット29が設けられている。ここで、メダルの「投入」とは、遊技者が投入口ユニット29のスリットに直接メダルを投入することの他に、遊技者が上述の1−ベットスイッチ27又はマックスベットスイッチ28を操作して、クレジット(内部貯留しているメダル)からメダルを賭けることも、「投入」ということがある。
これらの他に、コントロールパネル部26のテーブルプレート26aには、十字キー30やプッシュボタン31などの演出制御に係る各種操作スイッチ類が配置されている。
コントロールパネル部26の正面左部には、傾倒操作が可能な操作ノブを有するレバースイッチ32が設けられる。スロットマシン10に規定枚数のメダルが賭けられた状態でレバースイッチ32が傾倒操作されると、全てのリール40L、40C、40Rが一斉に回転を開始する。このレバースイッチ32を、「スタートレバー」又は「スタートレバースイッチ」ということがある。
コントロールパネル部26の正面の中央部には、遊技者の押圧操作によってリール40L、40C、40Rの回転を停止させる操作(これを「停止操作」という。)をするための、3つのストップスイッチ33L、33C、33Rを有するストップスイッチユニット33が設けられる。左端のストップスイッチ33Lは左リール40Lに対応し、中央のストップスイッチ33Cは中リール40Cに対応し、右端のストップスイッチ33Rは右リール40Rに対応している。スロットマシン10は、レバースイッチ32の傾倒操作により回転したリール40L、40C、40Rに対し、左のストップスイッチ33Lが操作されると左リール40Lが停止し、中央のストップスイッチ33Cが操作されると中リール40Cが停止し、右のストップスイッチ33Rが操作されると右リール40Rが停止するように構成されている。また、ストップスイッチの操作を契機にリールが停止するときには、規定される停止時間内の制御コマ数(例えば5コマ)以内の図柄が選択されて、所定の有効ラインに引き込み停止するように制御される。
また、コントロールパネル部26の正面右部には、メダルセレクタ57(図3参照)の内部に滞留したメダルなどを排除して、メダル払出口52から回収するリジェクトボタン35が設けられている。
下パネル部25において、コントロールパネル部26の下方には、スロットマシン遊技の演出制御を行うための演出スイッチである、後述する演出ボタンスイッチ110と、スロットマシン10のテーマを印象付けるキャラクタなどが描かれたシート部材を挟持する下部パネル51とが設けられている。
下パネル部25は、ドアフレーム22の下部領域に設けられている裏ベース板58に対向してドアフレーム22に取り付けられる。下パネル部25の下方部において、メダル払出口52と、背後に設置されるスピーカ62L、62R(図3参照)からの出力音を通す多数の孔からなる放音部54L、54Rとが形成された金属板(「グリル板」ともいう。)59が、ドアフレーム22の最下部に固定されている。また、メダル払出口52から払い出されたメダルを受ける受皿部材53が、ドアフレーム22の下部領域に取り付けられている。
次に、フロントドア21の背面側の構造を説明する。図3は、キャビネット80から取り外した状態のフロントドア21の背面図である。また、図4は、フロントドア21の背面側構造を説明するための分解斜視図である。
ドアフレーム22の背面側には、倒コ字状に連結された補強フレーム93u、93l、93rが取り付けられる。左の補強フレーム93lの上下位置には、キャビネット80の側板80l(図15参照)に設けた軸受部材87U、87Lに軸支される上ヒンジ94U、及び下ヒンジ94Lが設けられている。右の補強フレーム93rには、キャビネット80の側板80r(図15参照)に係止して、キャビネット80を閉じる位置にフロントドア21を施錠するシリンダ錠95が設けられている。
補強フレーム93u、93l、93rの上部には、中パネル表示装置50が取り付けられる。また、中パネル表示装置50の背面側上部にはサブ制御ユニット91が、ブラケット部材92にロックされた状態で固定されている。サブ制御ユニット91は、透明な硬質樹脂ケース内に、スロットマシン10の演出動作を制御するサブ制御基板と、中パネル表示装置50に備えられる透過液晶の画像表示制御を行う画像表示制御基板とを搭載している。
中パネル表示装置50の下方には、上述したストップスイッチユニット33やマックスベットスイッチ28などを収容し、かつ、これらスイッチ類の信号配線の中継端子板としての役割も有する中継基板ケース56が、裏ベース板58の上部に取り付けられている。また、中継基板ケース56の左上方には、上述したレバースイッチ32を収容し、かつ保持するレバースイッチ収容部55が裏ベース板58の上部に設けられている。
図3において、中継基板ケース56の左方(フロントマスク正面から見た場合には右方)には、セレクタブラケット60を介してメダルセレクタ57が、裏ベース板58の背面に取り付けられている。メダルセレクタ57は、遊技開始時など、メダルの投入受け付けが可能な時期に、投入口ユニット29に投入された正規のメダルを選別する装置である。メダルセレクタ57により正規のメダルとして選別され、投入が受け付けたメダルは、メダル案内流路60aを通りメダル払出装置82のホッパーに導かれる。
また、メダルセレクタ57の下方には、キャンセルシュート成型体61が、裏ベース板58の背面に取り付けられている。キャンセルシュート成型体61は、前方側が開放する断面コ字状の樹脂成型部材からなる。図3に示すように、キャンセルシュート成型体61の上部には、メダルセレクタ57により投入受け付けが拒否され排除されたメダル(不正規のメダルを含む。)をメダル払出口52へ落とす返却流路部61aが形成されている。また、キャンセルシュート成型体61の下部には、キャビネット80に設置されるメダル払出装置82(図15参照)のメダル放出口に接続する開口61cを有する払出流路部61bと、返却流路部61a及び払出流路部61bが連結する合流部61dとを備えている。裏ベース板58の背面を対向面とするキャンセルシュート成型体61内に、メダル払出装置82からの払い出しメダルと、メダルセレクタ57からのキャンセルメダルをメダル払出口52に導くメダル排出流路が形成される。
また、裏ベース板58の下方部には、上述した下パネル部25の放音部54L、54Rに対向する左右2つのスピーカ62L、62Rが取り付けられている。
(中パネル表示装置)
次に、スロットマシン10のフロントドア21中段部に設けられる、中パネル表示装置50について説明する。ここで、図5は、中パネル表示装置50の正面図である。図6は、中パネル表示装置50を後方から見た斜視図である。図7は、図5のVII-VII位置で切断した場合の中パネル表示装置50の縦断面図である。
中パネル表示装置50は、四角枠状の本体フレームケース181と、本体フレームケース181の背後に設けられる後ケース部材182と、本体フレームケース181の四角枠内に設けられる透過液晶189と、透過液晶189の前面を保護する透明なアクリル板からなる前パネル183とを備えている。
後ケース部材182には、リール40L、40C、40R(図15参照)の位置に対応して矩形状の開放部が形成されており、この開放部が透過液晶189の下部領域で塞がれている。後ケース部材182の開放部を塞ぐ透過液晶189の背面には、少なくとも3枚の四角形の液晶シャッタ190L、190C、190Rが、キャビネット80に配置されるリール40L、40C、40R(図15参照)の前面に対応して設けられている。
液晶シャッタ190L、190C、190Rは、所定以上の電圧を印可すると、内部に充填されている高分子ポリマーが一方向に整列して透明になるシート部材である。液晶シャッタ190L、190C、190Rは、電圧を印可しなければ、高分子ポリマーの配列が乱れ、全体として不透明な白濁色を呈する。そのため、所定の電圧を液晶シャッタ190L、190C、190Rに印可して透明にした表示窓50L、50C、50Rを透して、後方のリール40L、40C、40Rの図柄を表示する図柄表示制御状態と、電圧を印可しないで液晶シャッタ190L、190C、190Rを白濁色にし、これにより透過液晶189で表示する透過画像に後方から反射光を照射する画像表示制御状態(図柄非表示制御状態)に切り換えることができる。また、各リール40L、40C、40Rごとに、図柄を表示する3個所の表示窓50L、50C、50Rを選択的に図柄表示・非表示を切り換えてもよい。また、リール40L、40C、40Rが表示可能な3×3個の図柄配列に対応して、3×3枚の液晶シャッタを透過液晶189の背面に設け、各リールが表示する図柄ごとに選択的に図柄表示・非表示を切り換えてもよい。
なお、キャビネット80内に、遊技結果に影響を与えない演出目的の例えばサブリールなどの役物装置(図示略)を備えている実施形態のスロットマシンの場合には、例えば図3に示されるように、右表示窓50Rに隣接して演出用液晶シャッタ191を設けてもよい。この実施形態よれば、例えば遊技の進行状況に応じて、サブリールなどの役物装置の表示・非表示の切り換えが可能になり、演出態様を多様化することができる。
また、擬似遊技などの、遊技の結果やメダルの払い出しに直接的な影響をもたらさない期間においては、サブ制御基板が液晶シャッタ190L、190C、190Rを図柄表示制御状態(つまり、表示窓50L、50C、50Rが透明となった状態)にして、回転中のリール40L、40C、40Rを背景に、又は、停止若しくは擬似停止したリール40L、40C、40Rが表示する図柄を背景にして、透過画像をオーバラップして表示してもよい。
このように、液晶シャッタ190L、190C、190Rを備える中パネル表示装置50によれば、図柄などの表示態様を多様化して遊技演出効果を高めることができ、遊技の興趣を増すことができる。
また、中パネル表示装置50は、後ケース部材182の開口部の上端にリール間接照明部185と、開口部の下端にリール補助照明部186と、開口部の左右両端に横遮光壁184l、184rを備えている。
リール間接照明部185は、上方から斜め前方に光を放射する複数の白色LEDチップ185a、185a、・・・が、後ケース部材182の開口部上端に沿って配列して設けられている。LEDチップ185a、185a、・・・が放射する白色光は、拡散シート187及び白色カバー188を透して拡散され、リール40L、40C、40Rの前面を間接的に照明する。また、LEDチップ185a、185a、・・・は、透過表示領域にある透過液晶189による液晶表示に対するバックライト光源の光量を補助する役割も兼ねている。
リール補助照明部186は、下方から斜め後方に光を放射する複数の白色LEDチップ186a、186a、・・・が、後ケース部材182の開口部下端に沿って配列して設けられている。LEDチップ186a、186a、・・・が放射する白色光も、拡散シート187及び白色カバー188を透して拡散され、リール40L、40C、40Rの前面を補助的に照明する。
(演出ボタンスイッチ)
次に、スロットマシン10の下パネル部25に設けられる、本発明において特徴的な演出スイッチとしての演出ボタンスイッチ110の詳細を説明する。ここで、図8は、前方から見た演出ボタンスイッチ110の分解斜視図である。図9は、後方から見た演出ボタンスイッチ110の分解斜視図である。図10は、演出ボタンスイッチ110の縦断面図である。
これらの図に示される演出ボタンスイッチ110は、スイッチの最も外側に位置する正面視円形の押圧操作部111を備えている。すなわち、押圧操作部111は、中心が前方に若干突出する円形ドーム状の押圧面部111aと、押圧面部111aの周縁で円筒状に後方(これを「押圧方向」ともいう。)に延びる端部111bとを有しており、全体が肉厚で透光性を有する硬質の樹脂で形成される。ここで、「透光性を有する」とは、透明であることの他に、光拡散性を有するフィラーなどが透明樹脂に添付され又は表面にシボ加工が施されて半透明である状態を含む。
押圧操作部111の後方に配置される内カバー部材112は、押圧操作部111の押圧面部111aと同様に円形ドーム状であり、押圧面部111aよりも小さな直径を有している。内カバー部材112も透光性を有する(透明又は半透明)樹脂から形成されるが、押圧操作部111が透明である場合には、内カバー部材112は半透明であることが好ましい。
レンズ部材114は、外形が概ね円盤状の透明樹脂からなり、周方向に沿って複数の三角レンズ部115a、115a、・・・と、三角レンズ部の間に複数の角柱状レンズ部115b、115b、・・・とが配列して形成されている。また、レンズ部材114の中央には、後述する可動盤部材118の台部118aが挿入可能な、例えば四角形の開口114aが形成されている。三角レンズ部115a、・・・及び角柱状レンズ部115b、・・・は、次に説明するLED基板116のLEDチップ117、117、・・・の光を多方向に拡散するように、レンズ表面やその外形が成形されている。
LED基板116は、レンズ部材114と略同径の円板状を有する回路基板である。LED基板116の中央には、レンズ部材114と同様に、可動盤部材118の台部118aが挿入可能な開口116aが形成されている。そして、LED基板116の開口116aを除く前面には、その円周方向に沿って、好ましくは等間隔に、複数のLEDチップ117、117、・・・が実装されている。複数のLEDチップ117、117、・・・は、単色のLED素子からなるもの、又は、三原色を組み合わせた白色若しくはフルカラーを出力可能な複数のLED素子からなるものの何れでもよい。また、LED基板116の背面には、スイッチの押圧操作を検知するためのスイッチ素子である光センサ130が実装されている。
なお、内カバー部材112と、発光素子であるLEDチップ117、117、・・・を実装するLED基板116との間にレンズ部材114が収容されることで発光部が構成され、これらは後述するようにスペーサ部119b、119b、・・・を介してベース部材119に固定される。
LED基板116の後方に配置される可動盤部材118は、前方の押圧操作部111に連結し、押圧操作部111の押圧操作に連動して変位する部材である。可動盤部材118は、LED基板116と略同径の円盤状部材であり、例えば硬質の樹脂により一体成型される。可動盤部材118の中央には、四角形の台部118aと、円形の被加振部118bとが階段ピラミッド状に形成されている。また、可動盤部材118には、台部118aの周囲に、LED基板116の背面のコネクタ132を、ベース部材119側に通すコネクタ孔118cと、ベース部材119のスペーサ部119b、119b、・・・を移動可能に貫通させるスペーサ孔118d、118d、・・・が開口形成されている。
また、可動盤部材118には、当該可動盤部材118の押圧方向の動作をガイドする、バネクッション131、・・・の軸131a、・・・を挿着させて、そのバネ131b、・・・による付勢力を受ける複数の付勢軸受部118e、・・・や、LED基板116の背面に実装された光センサ130を遮光(オフ)する遮光板118fが形成されている。
その他、可動盤部材118の外周部には、その周方向に沿って押圧操作部111の端部111bに当接する段部118iと、端部111bを結合させるネジ孔118hと、ベース部材119に係止する爪部118gが形成されている。
ベース部材119は、演出ボタンスイッチ110の円筒状の胴部を有するハウジングケースであり、例えば硬質の樹脂により一体成型される。ベース部材119の底部には、ソレノイドユニット120の後部を挿入させて取り付けるための開口部119aが形成されている。また、ベース部材119の底部には、上述したLED基板116やレンズ部材114などを、一定の間隙を有して固定するためのスペーサ部119b、119b、・・・と、バネクッション131、131、・・・の基端部を受けるクッション受部119c、119c、・・・と、LED基板116に接続するコネクタを介して、光センサ130が出力する押圧操作信号用の配線や、光センサ130及びLEDチップ117、117、・・・を駆動するための電源用の配線を外部に取り出すハーネス孔119dなどが形成されている。
その他、ベース部材119の円筒部には、可動盤部材118の爪部118gが内側から係止して抜け止めさせる係止孔119e、119eや、演出ボタンスイッチ110を、スロトマシン10のフロントマスク20に取り付けて固定するためのブラケット部119f、119f、・・・などが、適宜の位置に形成されている。
可動盤部材118の後方位置には、該可動盤部材に対し振動を付与することが可能な振動発生部が設けられている。振動発生部を構成するソレノイドユニット120は、電磁気力を発生するソレノイド121を備えており、外部から供給される交番駆動電流に従ってソレノイド121がプランジャ122を直動方向に振動させる。プランジャ122の先端には加振部123が固定されている。また、上下にフランジ124a、124bを有する取付金具124がソレノイド121を囲むように固定されている。
後述するように、演出ボタンスイッチ110は、この加振部123が、前方の可動盤部材118の被加振部118bの背面に当接して直接的に振動を伝達したり、又は段発的に衝撃を加えたりできるように構成されている。また、押圧操作部111が所定量押圧された位置で、ソレノイド121による可動盤部材118への振動の付与が可能とされている。
演出ボタンスイッチ110は、次のようにして組み立てられる。先ず、ベース部材119の開口部119aに、ソレノイドユニット120の後部を挿入して、取付金具124の上下のフランジ124a、124bをベース部材119の底部にネジ止めする。これにより、ソレノイドユニット120がベース部材119に取り付けられる。一方、レンズ部材114の前面には内カバー部材112を被せて、レンズ部材114の外周縁と内カバー部材112の内周縁とが接する位置でこれらをネジ止めしておく。
次に、付勢手段であるバネクッション131、131、・・・を、ベース部材119と可動盤部材118との間に介在させた状態で、可動盤部材118のスペーサ孔118d、118d、・・・にベース部材119のスペーサ部119b、119b、・・・を挿入する。このとき、各ベース部材119のクッション受部119cには、各バネクッション131のバネ131bが設置されるとともに、バネクッション131の軸131aの切欠き部を有する基端部が、クッション受部119cの中央の穴に嵌合する。これにより、バネクッション131の軸131aの回転が規制される。
一方、各バネクッション131の軸131aの先端部は、可動盤部材118の付勢軸受部118eに挿着する。そして、可動盤部材118をベース部材119側に更に押し込むことにより、可動盤部材118の爪部118g、118gが、ベース部材119の係止孔119eに内側から係止する。これにより、可動盤部材118は、バネクッション131、131、・・・により前方へ常時付勢され、かつ、爪部118g、118gが係止孔119eに係止して抜け止めされる。
そして、可動盤部材118の前面にLED基板116の背面を対向させ、スペーサ部119b、119b、・・・の先端部を、LED基板116のスペーサ孔116bに挿入し、可動盤部材118の台部118aを、LED基板116の開口116aに挿入する。この状態で、更にLED基板116の前面に、内カバー部材112を取り付けたレンズ部材114を対向配置し、ベース部材119の背後から、スペーサ部119b、119b、・・・の先端部を、レンズ部材114の背面のボス部にネジ止めする。このとき、レンズ部材114の開口114aに、可動盤部材118の台部118aが挿入される。なお、スペーサ部119b、119b、・・・の先端部は段付きとなっており、その段付き部とレンズ部材114との間にLED基板116のスペーサ孔116b、116b、・・・の周縁部が挟持される。これにより、LED基板116とレンズ部材114とが、共に、スペーサ部119b、119b、・・・を介して、一定の間隙を有してベース部材119に固定される。
次に、押圧操作部111を内カバー部材112の前面に被せるようにして、その端部111bをベース部材119の胴部に挿入し、可動盤部材118の外周部の段部118iに押圧操作部111の端部111bを当接させる。これにより、押圧操作部111の前後方向の位置が定まり、押圧操作部111の端部111bに設けられた孔金具111cの孔と、可動盤部材118の外周縁のネジ孔118hとが一致する。そして、ベース部材119の胴部に形成された孔119gから図示しないネジを、押圧操作部111の孔金具111cの孔と可動盤部材118のネジ孔118hに螺入して、押圧操作部111と可動盤部材118とを接合する。
次に、演出ボタンスイッチ110の動作を説明する。演出ボタンスイッチ110は、可動盤部材118とこれに連結する押圧操作部111とが、バネクッション131、131、・・・のバネ131b、131b、・・・により、常時前方に付勢されている。この通常の状態では、可動盤部材118の遮光板118fが、LED基板116の背面の光センサ130の透過光を遮断し、光センサ130が出力する押圧操作信号はオフとなっている。また、特に図10の断面図に示すように、押圧操作部111が押圧操作されていない位置では、ソレノイドユニット120のプランジャ122先端に設けた加振部123と、可動盤部材118の被加振部118bの背面との距離は、プランジャ122のストローク以上あり、これらは当接しない。
押圧操作部111が、バネ131b、131b、・・・の付勢力に抗して押圧操作されると、これに連動して可動盤部材118が後方(押圧方向)に移動する。押圧操作量が所定量を超えると、可動盤部材118の遮光板118fがLED基板116の背面の光センサ130から離れ、光センサ130が透過光を検知し、これによりオンの押圧操作信号が出力される。また、押圧操作部111が所定量押圧操作された位置では、プランジャ122先端の加振部123と、可動盤部材118の被加振部118bの背面との距離が、プランジャ122のストローク以下となる。つまり、この押圧操作された状態では、外部からの交番駆動電流に従って励磁したソレノイド121のプランジャ122の先端(加振部123)が、被加振部118bの背面に接触可能となり、可動盤部材118に直接的に振動を伝達したり、又は段発的に衝撃を加えたりすることが可能となる。
このような構成の演出ボタンスイッチ110によれば、演出光を表示する発光部や、振動や衝撃を発生させる振動発生部など、遊技者の視覚や体性感覚などに訴える機能性が付加されており、これにより遊技の感動をタイムリーに遊技者に体感させることができる。したがって、遊技者に遊技演出を強く印象付けることができる。
また、演出ボタンスイッチ110は、LED基板116の前方に配置されたレンズ部材114の三角レンズ部115a・・・や角柱状レンズ部115b、・・・を透して複数のLEDチップ117、117、・・・からの光を拡散する。そして、透光性を有する内カバー部材112及び押圧操作部111を透して、そのような興趣性の高い演出光に変換したLED光を、遊技者などに視認可能に表示することができる。
また、押圧操作部111の端部111bが可動盤部材118の段部118iに当接して結合しているため、押圧操作部111が前方から衝撃力を受けたときの耐衝撃性が増している。更に押圧操作部111の後方に内カバー部材112を配置したことにより、仮に押圧操作部111が衝撃などで破損されても、レンズ部材114が内カバー部材112で保護される。また、遊技者がレンズに触れて怪我をすることもない。
(サイドスピーカユニット)
次に、中パネル部24の両側に設けられる、本発明において特徴的なサイドスピーカユニットを説明する。図11は、正面から向かって右のサイドスピーカユニット140Rの正面図であり、図12は、同じく右のサイドスピーカユニット140Rの斜視図である。サイドスピーカユニット140L、140Rは左右対称の構造を有しており、ここでは、図13と図14を参照して、左のサイドスピーカユニット140Lの構造を代表して説明する。
図13は、前方から見たサイドスピーカユニット140Lの分解斜視図であり、図14は、後方から見たサイドスピーカユニット140Lの分解斜視図である。サイドスピーカユニット140Lの外装成型部材141は、縦長で概ね例えば箱船の形状を模して一体成型された樹脂部材からなる。フロントマスク20の一部を構成する外装成型部材141は、正面視において2つの凹領域が形成され、それぞれの底部が上開口145及び下開口146となっている。外装成型部材141の後方部は開放している。
更に詳細に説明すると、外装成型部材141の前方上下部は、それぞれの先端部分が前方に突出し中央に向かって次第に広がるフレア部142、143が形成されている。フレア部142、143は、サイドスピーカユニット140Rがサイドフレーム22rに取り付けたときに外部に露出する部分であり、例えば、上側のフレア部142の前端面142aや、下側のフレア部143の傾斜側面143a、143bなどに適宜の装飾模様が施されている。
外装成型部材141の略中央には、上下のフレア部142、143を斜めに分割する発光演出部である中央ランプ部144が一体形成されている。外装成型部材141の前面側には、上下2つの凹領域が、発光演出部である中央ランプ部144を挟んで併設して形成されている。つまり、この中央ランプ部144の上側壁と、フレア部142の対向する2つの内向壁142cとにより上側の凹領域が形成され、その底部に略鋭角三角形(逆V字形)の上開口145が画成されている。また、中央ランプ部144の下側壁と、フレア部143の対向する2つの内向壁143cとにより下側の凹領域が形成され、その底部に略鋭角逆三角形(V字形)の下開口146が画成されている。また、中央ランプ部144の中央に、後述する中央レンズ部材178を嵌合させるための中開口147が形成されている。
上側のスピーカ151の放音面(コーン面)側には、略三角形の開口153aを有する取付板153がネジ止め固定される。また、下側のスピーカ152の放音面(コーン面)側には、略逆三角形の開口154aを有する取付板154がネジ止め固定される。
上側のスピーカ151の取付板153の前面には、多数の孔を有する放音板155が対向して配置され、下側のスピーカ152の取付板154の前面にも、多数の孔を有する放音板156が対向して配置される。いわゆるグリル板である放音板155、156は、それぞれ外装成型部材141の上開口145、下開口146に倣った略鋭角三角形、略鋭角逆三角形に形成された金属板からなる。放音板155、156の間接照明の演出効果を高めるため、放音板155、156の配色を、例えばLED光の色と同じ色か又は逆に反対色(補色)にしたり、又は表面につや消し処理やショットブラスト処理などを施したりしてもよい。
上側の導光部材161は、透明又は色付き半透明の樹脂部材からなり、V字状仕切溝161aと、V字状仕切溝161aの前端の段部161bとを有している。同じく下側の導光部材162も、透明又は色付き半透明の樹脂部材からなり、V字状仕切溝162aと、V字状仕切溝162aの前端の段部162bとを有している。各導光部材161、162は、外装成型部材141の後方から挿入され、各段部161b、162bが、外装成型部材141の内向壁142c、143cの各後端に形成された被嵌合段部142d、143dにそれぞれ嵌合して装着される。
特に図14に示されるように、下側のLED基板158は、取付板154の下端部にネジ止めされる。つまり、LED基板158は、放音板156と同一面位置か、又は放音板155よりも若干前方の位置に固定される。LED基板158には、放音板156側に向けて下方から光を照射するサイドビュータイプのLEDチップ159、159、・・・が複数実装されている。LEDチップ159は、単色のLED素子からなるもの、又は、三原色を組み合わせた白色若しくはフルカラーを出力可能な複数のLED素子からなるものの何れでもよい。LED基板158は、上述した導光部材162の後方に配置され、LEDチップ159、159、・・・は、V字状仕切溝162aの外側面に沿って上方に光を放射する。
外装成型部材141のフレア部142の側面には、上開口145に通じる縦長のスリット口148が形成されている。フロントドア21の上パネル部23に設けられた図示しない発光部のLED基板からの光が、このスリット口148を通して外装成型部材141内に入射し、これにより導光部材161のV字状仕切溝161aに沿って下方に光が放射される。
このように組み立てられた、スピーカ151、152などを含むユニットが、外装成型部材141の後方部から挿入され、上開口145及び下開口146を放音板155及び156が塞ぐ位置で図示しないネジにより取り付けられる。
また、LEDユニット171が、中央ランプ部144の発光部として、その内部に後方から取り付けられる。LEDユニット171は、両面に実装可能な回路基板であるLED基板172と、LED基板172を装着して上下から抱き合わせて結合される上ブラケット173及び下ブラケット174を備えている。LED基板172の上面には、上側の放音板155を下方から間接的に照明するトップビュータイプのLEDチップ(第1の発光素子)175、175、・・・が実装されている。また、LED基板172の下面には、下側の放音板156を上方から間接的に照明するトップビュータイプのLEDチップ(第1の発光素子)176、176、・・・が実装されている。更に、LED基板172の前端部側には、前方に配置される中央レンズ部材178に向けて光を放射するサイドビュータイプのLEDチップ(第2の発光素子)177が実装されている。これらのLEDチップ175、176、177は、単色のLED素子からなるもの、又は、三原色を組み合わせた白色若しくはフルカラーを出力可能な複数のLED素子からなるものの何れでもよい。
上ブラケット173には、仕切部(リブ)173aの後方に開口部が形成されている。なお、仕切部173aは、トップビュータイプのLEDチップ(第1の発光素子)175が放射する光と、サイドビュータイプのLEDチップ(第2の発光素子)177が放射する光とが干渉するのを防ぐために設けられている。上開口145の内向壁142cと放音板155とを間接的に照明するトップビュータイプのLEDチップ175、175、・・・を、仕切部173aの後方の開口部から露出させ、中央ランプ部144を照明するサイドビュータイプのLEDチップ177を仕切部172aよりも前方の位置に配置して、上ブラケット173にLED基板172が装着される。下ブラケット174も同様にLED基板172を装着し、図示しないネジにより上下のブラケット173、174が結合される。
このように組み立てられたLEDユニット171は、上ブラケット173の取付部173cが、上側のスピーカ151の取付板153の下部に形成されるボス部153cにネジ止めされ、下ブラケット174の取付部174cが、下側のスピーカ152の取付板154の上部に形成されるボス部154cにネジ止めされる。これにより、LEDチップ175、176、177が放音板155、156よりも前方に位置して、上下のスピーカ151、152の間にLEDユニット171が固定される。
中央レンズ部材178は、透光性樹脂を素材とし、外部に露出する前面部178aなど一部又は全部が色付きの成型部材からなる。中央レンズ部材178の裏面は凹部178bとなっており、前面部178aの裏面に多数の凹凸を有する波状面178cが形成されている。中央レンズ部材178は、上下の側面に形成された段部178dが、外装成型部材141の中央ランプ部144の中開口147に嵌合して固定され、上述したLEDユニット171の仕切部172a及びLEDチップ175、176、177を含む前方部分が、中央レンズ部材178の凹部178bの中に挿入される。
中央レンズ部材178の両側面に形成された段部178dが、中央ランプ部144の上下の両壁部に嵌合することで、外装成型部材141の上下の凹領域に平坦な壁面が形成される。そして、放音板155、156を間接的に照明する発光部が、中央レンズ部材178に形成される。
すなわち、中央レンズ部材178内に挿入された上側のLEDチップ175から上方向へ放射される光は、中央レンズ部材178の上側の段部178dを通過し、これにより演出された光によって、上開口145の内向壁142cと放音板155とが間接的に照明される。また、下側のLEDチップ176から下方向へ放射される光は、中央レンズ部材178の上側の段部178dを通過し、下開口146の内向壁143cと放音板156とが間接的に照明される。更に、前方のLEDチップ177から放射される光は、中央レンズ部材178の波状面178cで様々な方向に散乱され、更に所定の色に変換された散乱演出光が、前面部178aを通して前方に視認可能に放射されることとなる。
このような構成のサイドスピーカユニット140L、140Rによれば、スピーカ151、152による効果音が放音される部位を用いて発光演出表示を行えるようにしたので、音と光による相乗的な演出効果等を十分発揮することができる。
<キャビネットの構造>
図15は、フロントドア21を取り外した状態で、開口側から見たキャビネット80の内部を示す正面図である。キャビネット80内には、左右の側板80r、80lの中段部分には、リールフレーム81が水平に架け渡されて設けられており、そのリールフレーム81上に、リール装置40が設けられている。リール装置40は、それぞれの回転軸が同軸線上にある3個のリール40L、40C、40Rを並設して備え、リール40L、40C、40Rの各外周正面が、中パネル部材503列の表示窓50L、50C、50Rにそれぞれ対向する位置に配置されている。各リール40L、40C、40Rは、リール装置40に固定されるステッピングモータによって、それぞれ独立して回転駆動される。
各リール40L、40C、40Rの外周面には、その周方向に等間隔に例えば合計21コマの図柄を印刷したリールテープが巻回されて貼り付けられている。1つのリールにおいて配列される図柄には、リールが回転する方向に沿って1ずつ増加する「0」〜「20」の図柄番号が割り当てられる。遊技者がスロットマシン10にメダルを賭けた後、レバースイッチ(スタートレバー)32を操作すると、全てのリール40L、40C、40Rが、表示窓50L、50C、50Rを通して図柄が上から下へ移動する方向(言い換えると、図柄番号が増える方向)に、一斉に回転を開始する。
キャビネット80の背板80b上部には、メイン制御ユニット84が、ブラケット部材85にロックされた状態で固定されている。メイン制御ユニット84は、透明な硬質樹脂ケース内に、スロットマシン10の遊技動作を制御するメイン制御基板を収容している。
キャビネット80の底板80fには、スロットマシン10に搭載される種々の機器・装置に電源を供給する電源装置86と、相当数枚のメダルを貯留可能なホッパーを備えるメダル払出装置82とが設置されている。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係るスロットマシンの第2の実施形態を説明する。以下、第2の実施形態の説明のために参照する図面において、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号が付されている。また、第1の実施形態と共通する構成部分は、上述した第1の実施形態の説明を参照するものとして、ここでの説明は省略する。
<フロントドアの構造>
図16は、本発明の第2の実施形態によるスロットマシン11のフロントドア231の前面に形成されるフロントマスク230の態様を示す正面図である。フロントマスク230は、遊技者の視覚に訴える演出的な装飾が施された上パネル部211、中パネル部212及び下パネル部213とから概ね構成される。なお、上パネル部211、中パネル部212及び下パネル部213は、それぞれ1つのパネル部材からなるものではなく、複数の成型部材からなるものでもよい。フロントドア231は、前方に開口を有する略矩形状の筐体であるキャビネット80(図15参照)に対して開閉可能に軸支され、キャビネットの開口を閉塞する位置でロックされている。
フロントドア231の前面上部に取り付けられる上パネル部211は、第1ランプ221、第2ランプ222、第3ランプ223及び第4ランプ224など、例えば星形に装飾された複数の発光部を有する樹脂成型体により一体形成される。また、上パネル部211の中央には、背後に設けられるカラー液晶表示装置による画像を表示するための、画像表示窓部220が形成されている。
中パネル部212は、硬質アクリル等の透明樹脂板からなる中パネル部材442を備えている。中パネル部材442の略中央には、3列の縦長矩形の透明部からなる表示窓442L、442C、442Rが形成される。これらの表示窓442L、442C、442Rを通して、キャビネット80内部のリール40L、40C、40Rのそれぞれ横3列×縦3個の合計9コマの図柄が視認可能とされている。
操作卓であるコントロールパネル部250は、下パネル部213の上部に構成されており、前面に向けて若干傾斜する卓状面をなすテーブルプレート251を有している。このテーブルプレート251の左部には、1−ベットスイッチ233と、マックスベットスイッチ234と、清算スイッチ235とを備えるベットスイッチユニット236が設けられている。
また、コントロールパネル部250のテーブルプレート251の右部には、遊技者がスロットマシン11に直接メダルを投入する投入口ユニット237が設けられている。また、テーブルプレート251の中央部分には、十字キー238や、本発明の特徴的な演出ボタンスイッチ410などの演出制御に係る各種操作スイッチ類が配置されている。なお、演出ボタンスイッチ410は、後述するように内部に発光部を備えており、この演出ボタンスイッチ410の発光部がフロントマスク230の第5ランプ225となっている。
コントロールパネル部250の正面左部には、傾倒操作が可能なレバースイッチ311と、発光演出部とを備えるスタートレバーユニット310が設けられている。スロットマシン11に規定枚数のメダルが賭けられた状態でレバースイッチ311が傾倒操作されると、全てのリール40L、40C、40Rが一斉に回転を開始する。このスタートレバーユニット310の詳細な構造については後述する。
コントロールパネル部250の正面の中央部には、リール40L、40C、40Rの回転を停止させる停止操作をするための、3つのストップスイッチ240L、240C、240Rを有するストップスイッチユニット240が設けられる。左端のストップスイッチ240Lは左リール40Lに対応し、中央のストップスイッチ240Cは中リール40Cに対応し、右端のストップスイッチ240Rは右リール40Rに対応している。スロットマシン11は、レバースイッチ311の傾倒操作により回転したリール40L、40C、40Rに対し、左のストップスイッチ240Lが操作されると左リール40Lが停止し、中央のストップスイッチ240Cが操作されると中リール40Cが停止し、右のストップスイッチ240Rが操作されると右リール40Rが停止するように構成されている。
また、コントロールパネル部250の正面右部には、メダルセレクタ57(図24、25参照)の内部に滞留したメダルなどを排除して、メダル払出口215から回収するリジェクトボタン239が設けられている。
下パネル部213の右部には、上述した演出ボタンボタンスイッチ410の発光部(第5ランプ225)に間隔をおいて配列される発光部である第6ランプ226と第7ランプ227とが設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン11のフロントマスク230には、第1〜第7ランプ221〜227が、例えば北斗七星の7つ星を模した態様で配列して形成されている。
また、下パネル部213の中央には、スロットマシン11のテーマを印象付けるキャラクタなどが描かれ、後述する下パネル凹部219(図24参照)の内部に照明部を有する下部パネル214が設けられている。
フロントマスク230の最下部には、メダル払出口215と、背後に設置されるスピーカ62L、62R(図24参照)からの出力音を通す多数の孔からなる放音部217L、217Rとが形成されている。また、メダル払出口215から払い出されたメダルを受ける受皿部材216が、フロントドア231の下部領域に取り付けられている。
図17は、フロントドア231の主にコントロールパネル部250の組立構造を説明するための分解斜視図である。上述したベットスイッチユニット236、十字キー238、演出ボタンスイッチ410及び投入口ユニット237は、テーブルプレート251の所定位置に形成された開口251a、251b、251c及び切欠き251dに挿入され、かつ、テーブルプレート251が設置される下パネル部213のベースプレート部252の対応する開口252a、252b、252c及び切欠き252dに挿入されて取り付けられる。また、本実施形態では、スタートレバーユニット310が、コントロールパネル部250の左部に形成された取付凹部255に、前方から挿入して取り付けられる。
(スタートレバーユニット)
ここで、同じく図17を参照して、スタートレバーユニット310の構造を説明する。本実施形態によるスタートレバーユニット310は、遊技開始操作に関連する操作を行う操作スイッチであるレバースイッチ311と、その周囲に発光演出部とを備えている。発光演出部は、LED基板312と、インナーレンズ部材313と、アウターレンズ部材314と、透明カバー部材315とを備えて構成される。
レバースイッチ311は、円筒状のスイッチ本体311bに、球形の操作ノブ311aを有する操作レバーが傾倒操作可能に設けられている。スイッチ本体311bの外周にはフランジ部311cが設けられている。
発光素子基板であるLED基板312は、操作ノブ311a及びフランジ部311cよりも前方のスイッチ本体311bの一部が挿通可能な開口312aを有する回路基板である。LED基板312の前面には、開口312aを囲むように複数のLEDチップ317、317、・・・が実装されている。複数のLEDチップ317、317、・・・は、単色のLED素子からなるもの、又は、三原色を組み合わせた白色若しくはフルカラーを出力可能な複数のLED素子からなるものの何れでもよい。
インナーレンズ部材313は、LED基板312と略同形同寸法の板部材であり、LED基板312と同様に、レバースイッチ311の操作ノブ311a及びスイッチ本体311bの前方部分が挿通可能な円形の開口313aが形成されている。また、円形の開口313aの周囲に、アウターレンズ部材314の外形に適合する例えば星形放射状のレンズ嵌合孔313bが形成されている。
アウターレンズ部材314は、その外形が例えば星形放射状に形成されており、同じくその中央に、レバースイッチ311の操作ノブ311a及びスイッチ本体311bの前方部分が挿通可能な円形の開口314aが形成されている。
透明カバー部材315は、透明又は色付きの透光性樹脂からなり、その中央にレバースイッチ311の操作ノブ311aを露出させる円形の開口315aが形成されている。また、外装成型部材316は、フロントマスク230のサイドで中パネル部212から上パネル部211にかけて大きく切り込まれた取付凹部255に適合した外形形状を有し、その前面には、演出的な視覚効果を高めた模様などが一体的に施されている。そして、外装成型部材316の略中央に、透明カバー部材315が嵌合し、レバースイッチ311の操作ノブ311aを露出させるための略U字状に湾入する開放部316aが形成されている。
フロントマスク230のサイドの取付凹部255は、コントロールパネル部250の前面よりも一定程度窪んだ奥面を有し、その奥面にレバースイッチ収容孔255aが形成されている。レバースイッチ311は、スイッチ本体311bの後部を前方からこのレバースイッチ収容孔255aに挿入した後、取付凹部255の奥面とフランジ部311cとを当接させた位置で表からネジ止め固定される。
そして、LED基板312、インナーレンズ部材313、アウターレンズ部材314、透明カバー部材315をこの順で、各開口312a、313a、314a、315aにレバースイッチ311の操作ノブ311a及びスイッチ本体311bの前方部分を挿通させ、最後に外装成型部材316が、その開放部316aの縁部に透明カバー部材315の外周部を嵌合させて、取付凹部255を塞ぐ位置に固定される。
かかる構成のスタートレバーユニット310においては、リールの回転開始の操作を行うレバースイッチ311の周囲の広い領域に、LEDチップ317、317、・・・を搭載するLED基板312、インナーレンズ部材313、アウターレンズ部材314及び透明カバー部材315を備えてなる発光演出部が形成されている。LEDチップ317から前方に照射される光は、インナーレンズ部材313及びアウターレンズ部材314で様々な方向に屈折、散乱し、それによる演出光が、透明カバー部材315を透して視認可能に放射されることとなる。したがって、広い領域の発光演出部を活用して、多様でインパクトのある発光演出を効果的に行うことができる。
また、スタートレバーユニット310は、取付凹部255に前方から挿入され、取付凹部255の奥面とスイッチ本体のフランジ部311cとが当接する位置で表からネジ止め固定されている。スタートレバーユニット310を表からネジ止めするボス部は、取付凹部255よりも更に後方に突出して形成されている。このような取り付け構造を採用することにより、取付凹部255中にLED基板312やインナーレンズ部材313、アウターレンズ部材314等を配置するためのスペースが大きくなり、レンズカット等の構造の設計自由度が高まる。
(演出ボタンスイッチ)
次に、コントロールパネル部250のテーブルプレート251略中央に設けられる演出スイッチである演出ボタンスイッチ410を説明する。ここで、図18は、演出ボタンスイッチ410の斜視図である。図19(a)は、図18における演出ボタンスイッチ410の矢視A側面図、図19(b)は、図18における演出ボタンスイッチ410の矢視B側面図である。更に、図20は、演出ボタンスイッチ410の押圧操作部411を正面から見た図である。
これらの図に示されるように、演出ボタンスイッチ410は、斜め前上方に中心軸を有する円形ドーム状の押圧面部411aを有する押圧操作部411と、後述するスイッチ部及び発光部を内部に収容するスイッチ本体412と、ソレノイド431を備える振動発生部とを有して構成される。
ここで、図21の分解斜視図、及び、図22の縦断面図を参照して、演出スイッチの1つである演出ボタンスイッチ410の構造を詳細に説明する。押圧操作部411は、円形ドーム状の押圧面部411aを有し、透光性を有する樹脂で形成される。また、押圧操作部411は、光拡散性を有するフィラーなどが添付された半透明の樹脂からなるものでもよい。押圧操作部411の周縁に配置される装飾枠部材414は、円形の開口414aを有して外形が例えば星形に形成されている。装飾枠部材414の開口414aは、前方に若干傾く面上に形成される。つまり、装飾枠部材414の縁部の高さは、後端側が最も高く、前端側にかけて次第に低くなるように形成されている。押圧操作部411は、装飾枠部材414の円形の開口414aを塞ぐ通常位置と、開口414aから若干下方に押圧された押圧操作位置(「押打位置」ということもある。)に移動可能に設けられる。
押圧操作部411の下方には、内カバー部材415が配置される。内カバー部材415は、押圧操作部411の内側面に適合するように、押圧面部411aと概ね同一曲率の円形ドーム状を有し、押圧面部411aよりも若干小さな直径を有している。内カバー部材415は透明又は光拡散性を有する半透明な樹脂から形成される。
また、内カバー部材415の裏面には、「PUSH」、「チャンス」、「V」など、遊技者に特定の遊技情状態や演出状態を報知する文字や装飾図柄が特殊な塗料でマーキングされている。内カバー部材415の裏面にマーキングされたものでなくても、例えば多層構造の内カバー部材415の層に、このような文字や図柄をマーキングしてもよい。「特殊な塗料」とは、例えば可視光では透明であり、後述するUV−LEDチップ421Aを光源とする近紫外線(ブラックライト)など特定の波長領域の光を受けている間、励起状態となり可視光を発生する「蛍光塗料」であることが好ましい。また、特殊な塗料は、光源からの特定の光を受けて励起状態になった後、光源の発光が停止しても、暫くの間、励起状態が継続する「畜光性塗料」であってもよい。
内カバー部材412の下方には、透明な2つのレンズ部材416、417が、互いに重なる態様で配置される。上方側に配置される第1のレンズ部材416は、内カバー部材415に収容可能な直径を有する円板部416aと、円板部416aの中心を最も高い頂点とし、その外周縁に向けて放射状に低くなる放射状部416b、416b、・・・を有している。放射状部416b、416b、・・・は、円板部416aの上面に形成され、円板部416aの下面側は、放射状部416b、416b、・・・に倣うように放射状に窪んだ空洞部となっている。円板部416aの外周の位置端部には、下方に突出する係合部416cが一体形成されている。
下方側に配置される第2のレンズ部材417は、第1のレンズ部材416と同径の円板部417aと、円板部417aの中心を最も高い頂点とし、その外周縁に向けて放射状に低くなる放射状部417b、417b、・・・を有している。ただし、円板部417aの前方部は、中心角が約45度の扇状の開口417cが形成され、上記放射状部は形成されていない。また、第1のレンズ部材416と同様に、円板部417aの下面側は、放射状部417b、417b、・・・に倣う形態の窪んだ空洞部となっている。
スイッチ本体412は、円筒ケース部材418と、矩形ケース部材428とを備えている。円筒ケース部材418には、可動盤部材419と、LED基板420と、コイルバネ422とが収容され、矩形ケース部材428には、光スイッチ430が収容される。また、矩形ケース部材428の下方部には、支持板金部材433を介して振動発生部であるソレノイド431が設けられている。
円筒ケース部材418は、押圧操作部411と略同径の底部を有する円筒状の部材であり、例えば硬質の樹脂により一体形成される。ケース部材418の底部中央には、ケース部材418の底部を貫通するガイド孔418bを有するガイド筒部418aが立設されている。また、ケース部材418の底部には、ガイド筒部418aの周囲に沿って、コイルバネ422を受けるためのバネ受溝418cが形成されている。
また、円筒ケース部材418の底部には、可動盤部材419の係合突起部419aと係合する係合孔418d、可動盤部材419の遮光板419e(図22参照)を挿脱させるセンサ孔418eなどの孔が貫通して形成されている。また、円筒ケース部材418の底部には、可動盤部材419を移動可能に貫通し、LED基板420を固定するスペーサ部418f、418fが適宜の位置に立設されている。また、円筒ケース部材418の筒部上端には、径方に向けて張り出す取付部418g、418hが形成されている。
可動盤部材419は、有底円筒状を有しており、その外筒部分の高さは、後端側が最も高く、前端側にかけて次第に低くなるように形成されている。そして、その外筒部分の端部から下方に延びて、先端に係合爪を有する係合突起部419aが一体形成されている。可動盤部材419の底部には、円筒ケース部材418の底部から立設されたスペーサ部418fを移動可能に貫通させるスペーサ孔419fや、LED基板420へ電源配線や信号配線(場合によってはコネクタ)を通す配線孔419gが形成されている。
可動盤部材419の底部中央位置には、円台状で肉厚の被加振部419bが形成される。図22に示すように、被加振部419bの下側は、円柱状のロッド部419cが形成されており、更にロッド部419cの下面から一定の深さ穿孔された凹部419dが形成されている。また、可動盤部材419の外筒部分の後端側には、下方に向けて突出する遮光板419eが形成されている。
円筒ケース部材418のガイド筒部418aがコイルバネ422の中に入るようにして、コイルバネ422の一端をバネ受溝418cに設置する。そして、可動盤部材419のロッド部419cを、円筒ケース部材418のガイド筒部418aのガイド孔418bに挿入し、可動盤部材419の外筒部分の端部から下方に延びる係合突起部419aを、円筒ケース部材418の係合孔418dに係合させる。これにより、可動盤部材419が、コイルバネ422により上方、つまり押圧方向とは逆向きに常に付勢されるとともに、係合突起部419aが係合孔418dに係合していることにより抜け止めされる。
次に、LED基板420は、中央に可動盤部材419の被加振部419bを挿通させる開口420aが形成された概ね円板ドーナツ状の回路基板である。LED基板420の上面には、開口420aの周囲に沿って複数のLEDチップ421、421、・・・が実装されている。LEDチップ421は、単色のLED素子からなるもの、又は、三原色を組み合わせた白色若しくはフルカラーを出力可能な複数のLED素子からなるものの何れでもよい。また、LED基板420には、近紫外線領域の波長成分を含むUV−LEDチップ421Aが搭載されている。
LED基板420は、可動盤部材419の底部に対向して配置され、可動盤部材419のスペーサ孔419fを貫通する、円筒ケース部材418のスペーサ部418fのボスに螺入されるネジにより、円筒ケース部材418と一体に固定される。
LED基板420を可動盤部材419の筒部内に収容した後、第2のレンズ部材417を介して第1のレンズ部材416が、その端部の係合部416cを可動盤部材419の外周に設けた爪部419hに係合させる。また、第1のレンズ部材416の上面を被せるように、内カバー部材415、押圧操作部411の順で、これらの部材が可動盤部材419の傾斜する外筒部分に係止される。そして、装飾枠部材414の開口414aと押圧操作部411との位置を合わせ、円筒ケース部材418の取付部418gに挿入したネジを装飾枠部材414の裏面に螺入させて、円筒ケース部材418に装飾枠部材414が固定される。
一方、矩形ケース部材428の中には光スイッチ430がネジ止めされ、矩形ケース部材428の開放する上部を塞ぐように、円筒ケース部材418がネジ止めされる。このとき、光スイッチ430が、円筒ケース部材418のセンサ孔418eに対応する位置に位置決めされる。
ソレノイド431は、外部から供給される交番駆動電流に従ってプランジャ432を直動方向に振動させる振動発生部を構成する。ソレノイド431は、矩形ケース部材428の下方部において、略L字のアングルを組み合わせた支持板金部材433にプランジャ432の端部が当たる位置に固定されている。すなわち、支持板金部材433は、ソレノイド431が発生する振動や打撃の反力板としても機能する。
このような構成の演出ボタンスイッチ410は、押圧操作部411が、可動盤部材419に連結するコイルバネ422により、常時前方に付勢されている。この通常位置では、可動盤部材419の遮光板419eが、光スイッチ430の透過光を遮断せず、光スイッチ430が出力する押圧操作信号はオフとなっている。
押圧操作部411が、コイルバネ422の付勢力に抗して押圧操作されると、これに連動して可動盤部材419が下方に移動する。押圧操作部411が所定の押圧操作位置(押打位置)に達すると、可動盤部材419の下面と円筒ケース部材418の底面とが当接し、これ以上の移動(押圧操作)が規制される。このとき、可動盤部材419の遮光板419eが光スイッチ430の透過光を遮断し、これにより光スイッチ430からオンの押圧操作信号が出力される。
また、この押圧操作位置では、可動盤部材419が下がり、ソレノイド431のプランジャ432の先端が、可動盤部材419のロッド部419cに形成された凹部419dの上面に当接可能となる。つまり、この押圧操作された状態では、外部からの交番駆動電流に従って励磁したソレノイド431のプランジャ432で、可動盤部材419に直接的に振動を伝達したり、又は段発的に衝撃を加えたりすることが可能となる。
また、演出ボタンスイッチ410によれば、発光部であるLEDチップ421を発光させることで、第1及び第2のレンズ部材416、417を透して光が多方向に拡散される。そして、図20に示すように、透明又は半透明の内カバー部材415、押圧操作部411を透して、そのような興趣性の高い演出光に変換したLED光を、遊技者などに視認可能に表示することができる。
演出ボタンスイッチ410の内カバー部材415には、上述したように、「PUSH」、「チャンス」、「V」などの文字や装飾図柄が特殊な塗料でマーキングされている。ただし、この塗料は、可視光下では透明なため、LEDチップ421、UV−LEDチップ421Aの消灯時や、又はLEDチップ421を光源とする演出ボタンスイッチ410の発光演出時には、これらの文字や装飾図柄は、遊技者に視認されない。
しかし、UV−LEDチップ421Aが発光し、近紫外線など特定の波長領域の光を内カバー部材415が受けると、上述した特殊塗料が励起状態となり可視光を発生する。そのときには、例えば図23に示すような「PUSH」などの文字が、透明な押圧操作部411を透して突然浮き出るように視認可能となる。これにより、演出ボタンスイッチ410によれば、遊技者に意外性を与えるような視覚的な報知演出効果を奏することができる。
また、演出ボタンスイッチ410は、フロントマスク230の第5ランプ225として発光演出機能を兼ねており、例えば「PUSH」などの文字を表示することで、演出制御操作の操作部位であることを遊技者に明示することができる。更に、LEDチップ421及びUV−LEDチップ421Aの駆動をそれぞれ制御することで、押圧操作部411を単に光らせる発光演出と、「PUSH」などの文字や絵柄を表示する特殊発光演出とを同時に又は個別に行うことができる。したがって、ボタン操作が有効な演出であるのか、単なる発光演出であるのかを、遊技者が誤認することなく判断することができる。
このような構成の演出ボタンスイッチ410によれば、報知演出を含む興趣性の高い演出光を表示する発光部や、振動や衝撃を発生させる振動発生部など、遊技者の視覚や体性感覚に訴える機能性が付加されており、これにより遊技の感動をタイムリーに遊技者に体感させることができる。したがって、遊技者に遊技演出を強く印象付けることができる。
(フロントドアの背面構造)
次に、フロントドア231の背面構造を説明する。図24は、キャビネット80から取り外した状態で、フロントドア231を前方から見た分解斜視図である。図25は、図24のフロントドア231を後方から見た斜視図である。フロントドア231の背面側上部には、サブ制御ユニット91が、ブラケット部材92にロックされた状態で固定されている。サブ制御ユニット91は、透明な硬質樹脂ケース内に、スロットマシン11の演出動作を制御するサブ制御基板を収容している。
サブ制御ユニット91の下方には、リール40L、40C、40R(図15参照)の図柄を視認可能に表示する表示窓442a、442b、442cを有するリールパネルユニット440が、ドアフレーム232の後方から取り付けられている。リールパネルユニット440の下方には、中継基板ケース243が取り付けられている。中継基板ケース243には、スイッチ収容部243a、243bを有しており、上述したレバースイッチ311がスイッチ収容部243aに収容され、上述したベットスイッチユニット236及び演出ボタンスイッチ410などがスイッチ収容部243bに収容される。
フロントマスク230(図16参照)側に設けられている第6ランプ226の後方位置には、セレクタブラケットベース244が取り付けられる。このセレクタブラケットベース244は、透明な樹脂材を一体成型した部材であり、垂直板部244a及び水平板部244bを含めてなるセレクタ収容部244cと、水平板部244bに連なって下がり、垂直板部244aよりも後方の面位置にある垂直な壁面を有するシュート壁面部244dとを備えている。
セレクタブラケット245は、メダルセレクタ57を収容し、上述の投入口ユニット237のスリット(メダル投入口)とメダルセレクタ57との位置を合わせるための板金取付手段である。セレクタブラケット245には、メダルセレクタ57により正規のメダルとして投入を受け付けたメダルを、メダル払出装置82(図15参照)のホッパーに導くためのメダル案内流路245aが取り付けられている。
「シュート部材」であるキャンセルシュート成型体247は、前方側が開放する樹脂成型部材からなり、上部にメダル受口247aを有する返却流路部247bと、メダル払出装置82のメダル放出口に接続する開口247cを有する払出流路部247dと、返却流路部247b及び払出流路部247dが連結する合流部247eとを備えている。
フロントマスク230の下部パネル214(図16参照)に相当する個所には、当該下部パネル214の背面を照明する、図示しない照明部を収容する下パネル凹部219が設けられている。キャンセルシュート成型体247の返却流路部247b及び合流部247eの一部が、この下パネル凹部219の背面219aに対向して設けられ、メダル受口247aが形成された側の部分が、セレクタブラケットベース244のシュート壁面部244dに対向する。すなわち、セレクタブラケットベース244の垂直なシュート壁面部244dと、下パネル凹部219の背面219aとを対向壁面として、キャンセルシュート成型体247の中に、メダルセレクタ57により排除されたキャンセルメダルを合流部247eに導く返却流路が形成されている。
また、キャンセルシュート成型体247の合流部247eの一部と払出流路部247dの一部とが、下パネル凹部219の下端とメダル払出口215の上端との間で架け渡して設けられる対向壁部材248に対向する。これにより、メダル払出装置82からの払い出しメダルを流す払出流路と、メダルセレクタ57からのキャンセルメダルを流す返却通路が合流しメダル払出口215に導くメダル排出流路が形成されている。
ドアフレーム232の下方部には、左右2つのスピーカ62L、62Rが、スピーカブラケット621L、621Rを用いて後方より取り付けられる。
このようなフロントドア231の背面構造によれば、ドアフレームの下部を塞ぐとともに、メダルセレクタ等のユニットの保持や、キャンセルシュートの対向面としての機能を有していた従来用いられていた取付板(例えば上述の第1の実施形態における裏ベース板58)を必要としないため、スロットマシン11の製造コストの低減を図ることができる。また、フロントドア231背面の取付板(裏ベース板)を無くしたことにより、フロントドア231の下部に広いスペースが確保できる。これにより、例えば上述した発光演出機能を有する演出ボタンスイッチ410や、発光演出表示を行う第6ランプ226や第7ランプ227などの演出装置を、そのサイズや形状にあまり制限を受けずに下パネル部213に設けることができる。また、フロントマスク230のデザイン設計における自由度を高く保つことができるので、例えば共鳴管を備える大型のスピーカを下パネル部213に設置するようなデザインも許容される。
(リールパネルユニット)
次に、リールパネルユニットの構造を説明する。図26は、本実施形態によるリールパネルユニット440の構造を示す分解斜視図である。リールパネルユニット440は、フロントドア231のドアフレーム232に取り付けられるエスカッション部材441と、エスカッション部材441の前方に配置される中パネル部材442と、中パネル部材442の背面側から窓枠装飾部分443を照明する発光部444とを備えて構成される。
中パネル部材442は、前面に装飾が施された樹脂板部材からなり、複数の図柄が付されたリール40L、40C、40R(図15参照)の各外周面に対向する3箇所に、表示窓442L、442C、442Rが形成されている。
エスカッション部材441は、硬質樹脂を一体成型した部材であり、中パネル部材442と同様に、リール40L、40C、40Rの各外周面に対向する開口部441L、441C、441Rが形成されている。中パネル部材442がエスカッション部材441の前方から取り付けられた状態では、表示窓442L、442C、442Rと開口部441L、441C、441Rとが、前後に重なるように位置が一致する。
また、エスカッション部材441には、互いに隣接する開口部441C、441Rの間の窓枠部分に基板収容部445が形成されている。そして、その基板収容部445の中に、トップビュータイプのLEDチップ447、447が複数実装された、縦長のLED基板446が収容される。更に、LED基板446の前面を覆うように、縦長の填塞部材448が配置される。
填塞部材448は、スポンジ又はエラストマーなどの弾性材からなり、LED基板446のLEDチップ447、447に対応する位置に導光孔448a、448aを有している。また、填塞部材448には、ネジ449の位置を調整可能な切欠溝448bが形成されている。ここで、エスカッション部材441の基板収容部445深さDよりも、LED基板446の厚みTsに填塞部材448の厚みTcを加えた高さの方が若干高くなるように(つまりD<Ts+Tc)、填塞部材448の厚みTcが定められている。
上述の発光部444は、LEDチップ447、447が実装されたLED基板446と填塞部材448とを備えて構成される。LED基板446をエスカッション部材441の基板収容部445に挿入した後、填塞部材448の導光孔448a、448aとLEDチップ447、447を位置合わせし、切欠溝448bを介してネジ449を螺入することで、填塞部材448及びLED基板446がエスカッション部材441の基板収容部445に固定される。なお、エスカッション部材441の開口部441L、441Cの間にも基板収容部を形成し、LED基板と填塞部材とを含んでなる発光部を装着してもよい。
エスカッション部材441の前面側に、中パネル部材442が取り付けられた状態では、中パネル部材442の窓枠装飾部分443の背面に填塞部材448の前面が密着して当接する。エスカッション部材441の窓枠に設けられたLEDチップ447、447を駆動すると、LEDチップ447、447から放射された光が、填塞部材448の導光孔448a、448aを通り、中パネル部材442の窓枠装飾部分443を背面側から照明する。これにより、中パネル部材442の窓枠装飾部分443に光の点が連なるような演出表示を行うことができる。
また、仮にエスカッション部材441の成型時に、許容範囲内の反りや歪みが生じたとしても、弾性を有する填塞部材448が中パネル部材442の背面に密着し、隙間が生じることもない。これにより、LEDチップ447、447からの光が確実に中パネル部材442の背面を照射し、リール40L、40C、40R間の光漏れを防止することができ、遊技中のリールの視認性を良好に保つことができる。