JP2016146248A - イオンポンプおよびそれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

イオンポンプおよびそれを用いた荷電粒子線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超高真空下にてスパッタリング箇所が局所化されることを防ぎ、高い排気速度で排気を行うイオンポンプを提供する。【解決手段】2枚の平板陰極2と、平板陰極2に対して開口を向けた筒形状の陽極1と、陽極1に対して平板陰極2の電位よりも高い電位を与える電圧印加部と、陽極1の筒形状の軸方向に沿って磁界を与える磁場印加部と、陽極1の内側に配置された陰極棒3とを備え、陰極棒3の表面は、非蒸発ゲッター合金膜を陽極1または平板陰極2に形成する材料で構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、イオンポンプおよびそれを用いた荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子線装置(例えば電子顕微鏡)の電子銃などの高い真空度(低い圧力)を必要とする装置を真空排気する手段として、イオンポンプが広く用いられている。イオンポンプは、窒素、水、酸素、酸化炭素、水素などの一般的な大気中のガスに加え、アルゴンなどの希ガス、メタンなどの不活性ガスも排気でき、単体で10−8Paまでの超真空を得ることができる。しかしイオンポンプは、圧力が低くなるほど水素の排気速度が低下する特徴をもつ。10−9Pa以下の極高真空領域の残留ガスの主成分は水素であるため、イオンポンプのみでは極高真空を得ることはできない。
近年、極高真空を得るために非蒸発ゲッター(Non Evaporative Getter:以下NEG)ポンプが用いられている。NEGポンプは、複数の金属を混合したNEG合金を用いて構成されている。NEG合金は化学的に活性であり、高い水素排気速度をもつ一方、希ガスや不活性なガスは排気できない特徴をもつ。そこで、イオンポンプとNEGポンプを併用して装置を排気することにより、2つのポンプの不利な特徴が補われ、10−9Pa以下の極高真空を得ることができる。
しかしながら、装置にこの2つのポンプを搭載すると、装置は複雑かつ大型となり、価格も高くなる。また、NEGポンプは表面吸着を利用したポンプであるので、排気能力を維持するために定期的に高温に加熱する活性化を実施する必要がある。このため、装置のメンテナンス性が低下する。
下記特許文献1は、イオンポンプの平板陰極にNEG合金の構成成分を埋め込んでスパッタリングすることにより、陽極表面にNEG合金を作り続けるイオンポンプを開示している。特に、陰極11面上でのジルコニウムとアルミニウムの重量比、スパッタ面積比率、スパッタ率、イオン密度の分布を考慮し、使用目的に合わせて調整することが記載されており、この結果、イオンポンプ単体で10−11Paを得ることを可能にしたと記載されている。
特開2001−357814号公報
従って、イオンポンプは、圧力が変わると陰極表面のスパッタリングされる箇所が変わる(スパッタリングされる面積が減少していく)ことが一般に知られている。すなわち、超高真空や極高真空の場合、スパッタリング箇所は円筒陽極セルの中心軸上にある平板陰極上の1点にのみ局所化してしまう現象が起こる。このため特許文献1の構成においては、スパッタリング領域が減少するとともに、複数のNEG構成成分を所望の分量でスパッタすることが難しくなり、目的とする組成比を有するNEG合金を作ることが困難になる。この結果、排気速度が低下し、目指す圧力までに到達する時間が増加するとともに、さらなる真空度の向上は困難となる課題があった。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、スパッタリング箇所が局所化されることを防ぎ、低圧力下においても高い排気速度を維持し、排気時間の短縮と、真空度をより向上するイオンポンプを提供することを目的とする。
本発明に係るイオンポンプは、対向する2枚の平板陰極と、前記平板陰極に対して開口を向けた筒形状を有する陽極と、前記陽極に対して前記平板陰極の電位よりも高い電位を与える電圧印加部と、前記陽極の筒形状の軸方向に沿って磁界を与える磁場印加部と、前記陽極の内側に配置された陰極棒と、を備え、前記陰極棒の表面は、前記陽極または前記平板陰極へ非蒸発ゲッター合金膜を形成する材料を用いて構成されていることを特徴とする。また、本発明に係る荷電粒子線装置は、試料に荷電粒子線を照射する照射光学系が収容されるカラムと、前記試料が設置される試料室と、前記カラムまたは前記試料室に接続されたイオンポンプとを有し、前記イオンポンプは、対向する2枚の平板陰極と、前記平板陰極に対して開口を向けた筒形状を有する陽極と、前記陽極に対して前記平板陰極の電位よりも高い電位を与える電圧印加部と、前記陽極の筒形状の軸方向に沿って磁界を与える磁場印加部と、前記陽極の内側に配置された陰極棒と、を備え、前記陰極棒の表面は、前記陽極または前記平板陰極へ非蒸発ゲッター合金膜を形成する材料を用いて構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、スパッタリング箇所が局所化されることを防ぎ、高い排気速度を維持することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされるであろう。
本発明に係るイオンポンプの素子を示す斜視図である。 陰極棒3の詳細を示す斜視図である。 イオンポンプの一部破断平面図である。 本発明に係るイオンポンプ440を備える荷電粒子線装置400の構成を示す側面図である。 図3のA−A断面図(イオンポンプの側断面図)である。 イオンポンプ動作の初期過程を説明する図である。 イオンポンプ動作の中期過程を説明する図である。 イオンポンプ動作の後期過程を説明する図である。 NEG合金膜29が生成される箇所を示す側断面図である。 NEG構成成分12の側面にネジ山を設けた陰極棒3の斜視図である。 円筒状の2次電子放出材料30を備えた陰極棒3の斜視図である。 実施形態2における陰極棒3の構成例を示す斜視図である。 実施形態2における陰極棒3の別構成例を示す斜視図である。 実施形態2における陰極棒3の別構成例を示す斜視図である。 実施形態3に係るイオンポンプの側断面図である。 実施形態3に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。 実施形態3に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。 電界放出電子源54を備えた陰極棒3の斜視図である。 実施形態3に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。 実施形態4に係るイオンポンプの側断面図である。 実施形態4に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。 実施形態4に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。 陰極棒3に代えて電子源を設けた変形例を示す図である。
<実施の形態1>
図1は、本発明に係るイオンポンプの素子を示す斜視図である。1点鎖線は組み立て時の各構成の取り付け位置を示す。図1のイオンポンプ素子は、複数の円筒セルで構成された陽極1、陽極1の開口部が向いている方向に配置し、かつ陽極1を挟むように配置した2枚の平板陰極2、各円筒セルの同軸上に配置した陰極棒3をもつ。平板陰極2と陰極棒3は、図示していないボルトで固定穴4にネジ止めして固定する。2枚の平板陰極2の間には側壁5を設け、固定穴6にネジ止めして固定する。
陽極1は、複数の円筒セルを溶接して並べた構成をもつ。限られたポンプの容積内にできる限り多く円筒セルを配置して排気速度を向上するため、各円筒セルは交互に並べて配置すると効率が良い。陽極1の側面には電気的に絶縁するための絶縁碍子7を設ける。絶縁碍子7と側壁5を固定穴8でネジ止めして固定する。この結果、陽極1は平板陰極2から一定距離離れて配置され、電気的に絶縁される。一方、平板陰極2と陰極棒3は電気的に接続する。絶縁碍子7のまわりにはシールド9を設け、絶縁碍子7にスパッタ膜が堆積して導通するのを防ぐ。各構成の材質は一例として、平板陰極2はチタニウムを、陽極1と側壁5、シールド9にはステンレスを、絶縁碍子7にはアルミナを用いる。
図2は、陰極棒3の詳細を示す斜視図である。陰極棒3は、支持棒10と複数のNEG構成成分12をもつ。
支持棒10の両端は、一例としてタップ穴11を設け、平板陰極2の固定穴4でネジ止めする。支持棒10の材料は一例としてステンレスを用いる。支持棒10は剛体であり、平板陰極2に固定することにより陰極棒3を円筒セルの中心に精度よく配置することができる。また、外部振動による揺れを低減できる。この結果、異常放電などの不具合が低減するとともに、場所によらずスパッタ膜の組成や厚みを均一にできる。この結果、本発明のイオンポンプを排気する装置に取り付け、数ヶ月から数十年にわたる長時間にわたって動作させても、異常なく安定した性能を実現できる。なお、NEG構成成分12のみでも上記を実現できるのであれば支持棒10を省略しても良い。
NEG構成成分12は、それぞれ異なる金属等によって構成された複数の円筒構造を重ね合わせることにより構成されている。NEG構成成分12は、支持棒10を中心としてその外周に配置されている。NEG構成成分12の材質は一例として、ジルコニウム12A、バナジウム12B、鉄12Cである。これらの金属を支持棒10の延伸方向に沿って例えばこの順番に重ねることにより構成単位を形成し、その構成単位をさらに繰り返し重ねる。陰極棒3の表面はその構成単位の繰り返しにより覆われる。
本発明のイオンポンプにおいて、NEG構成成分12を用いず、支持棒10としてNEG合金そのものを用いることもできる。この場合も均一な所望のNEG合金膜29を生成でき、同様の効果を発揮できる。ただし、一般的にNEG合金は脆性材料であり、種類によっては大気中で自然発火するものがある。このため、加工と組立を施して支持棒10として使用できるNEG合金は限られる。一方、本発明のようにNEG合金そのものではなく、その構成成分である金属等をそれぞれ独立させて用いた場合、これらの金属は脆性破壊や自然発火をする恐れはなく、安全に扱える。これらの金属等を円筒セル23内に配置し、装置内の真空中において合金化することで、安全に所望のNEG合金を使用できる利点がある。また、従来は成形が難しく、自然発火性をもつような使用に制約があったNEG合金であっても、本方法によって安全に使用できることから、NEG合金の使用範囲を拡大できる。
図3は、イオンポンプの一部破断平面図である。容器14の中に図1で示したイオンポンプ素子13を配置する。容器14には配管15とフランジ16を取り付ける。フランジ16と排気対象の装置とを接続し、この装置を真空排気する。配管15にはフィードスルー17を設ける。フィードスルー17に外部の電圧印加部(例えば電圧源31)を接続し、配線18を介してイオンポンプ素子13の陽極1に電圧を印加し、陽極1の電位を平板陰極2の電位よりも高くする。容器14には磁場印加部19(例えば後述の磁石20とヨーク21)を取り付け、イオンポンプ素子13に磁場を印加する。磁場印加部19は着脱可能にし、イオンポンプを高温でベーキングする際など必要に応じて取り外す。容器14は非磁性の材料で作り、一例としてステンレスを用いる。
図4は、本発明に係るイオンポンプ440を備える荷電粒子線装置400の構成を示す側面図である。荷電粒子線装置400は、試料室430内に配置された試料410に対して荷電粒子線を照射する装置である。荷電粒子線源421から出射した荷電粒子線は照射光学系422によって偏向・集束され、試料410に対して入射する。カラム420は、荷電粒子線源421と照射光学系422を収容する。イオンポンプ440は、本発明に係るイオンポンプであり、カラム420または試料室430の少なくともいずれかと接続され、これらの内部を排気する。イオンポンプ440は弁450を備えても良い。制御器460は、荷電粒子線装置400の全体動作を制御し、例えば試料410の観察像などを取得する。
図5は、図3のA−A断面図(イオンポンプの側断面図)である。容器14の外部に磁石20を配置し、陰極棒3の延伸方向に磁場を印加する。ベーキング時に着脱可能にするため容器14の外部に置くことが好ましいが、同等の効果を奏するのであれば容器14の内部に置いても良い。次に、磁石20に接するようにヨーク21を設け、印加する磁場を強めても、磁場がイオンポンプの外部に漏れ出るのを防止することができる。印加する磁場は典型的には0.01Tから0.3Tである。容器14は接地し、陽極1に典型的には+0.1kVから+7kVの電圧を印加する。真空中でこのような電圧を印加すると、陽極1の各円筒セルと陰極棒3との間に電子雲22が形成される。この電子雲22によってNEG合金の生成と真空排気がなされる。
図6A〜図6Cは、図5のB−B断面図(イオンポンプの平面図)である。ここでは陽極1の円筒部分を形成する単一の円筒セルの平面図を示した。図6A〜図6Cを用いて、本発明に係るイオンポンプの動作原理を時系列順に説明する。
図6Aは、イオンポンプ動作の初期過程を説明する図である。まず、図示していないロータリポンプやターボ分子ポンプなどでイオンポンプの内部を10−2Pa程度まで粗引きする。円筒セル23の中心軸上には、支持棒10とNEG構成成分12からなる陰極棒3が配置される。円筒セル23に陰極棒3よりも高い電圧を印加すると、円筒セル23の内壁からNEG構成成分12に向けて電界が生じる。円筒セル23の内部に存在する電子24は、この電界によって円筒セル23に向けて加速される。このとき円筒セル23には軸方向に磁場が印加されているため、電子24にはローレンツ力が働き、進行方向を曲げられる。この結果、電子24はトロコイダル軌道25を描きながら移動し続け、円筒セル23には容易に到達できずに内部に捕縛される。電子24はその初期位置がもつ位置エネルギーが運動エネルギーに変換されるので、位置エネルギー以上のエネルギーをもたない。このため、等電位面26よりも中心側には移動しない。トロコイダル運動を続ける電子24はやがて、真空中の残留ガス27に衝突し、これをイオン化する。
図6Bは、イオンポンプ動作の中期過程を説明する図である。残留ガス27に衝突した電子24は衝突によってエネルギーを失い、新たな等電位面26Aをもつトロコイダル軌道25Aで運動を続ける。一方、図6Aの残留ガス27がイオン化されたことにより、新たに電子24Aが放出する。電子24Aの初期エネルギーは数eVと低く、これも等電位面26Bをもつトロコイダル運動をする。電子24や電子24Aはやがて新たな残留ガスに衝突し、イオン化と電子放出がなされる。このように電子の放出が繰り返され、円筒セル23内の電子は雪崩的に増加する。円筒セル23の内部には放電が生じ、電子雲22が形成される。一方、残留ガスのイオン28は電界で加速され、NEG構成成分12や平板陰極2に衝突する。
図6Cは、イオンポンプ動作の後期過程を説明する図である。残留ガスのイオンの多くは直近にあるNEG構成成分12に衝突し、これをスパッタリングする。この結果、NEG構成成分12の元素が放射状に放出し、円筒セル23の内壁や平板陰極2の表面に堆積する。図2で説明したようにNEG構成成分12は複数の独立した金属等で構成され、図6Cの奥行き方向に一例としてジルコニウム12A、バナジウム12B、鉄12Cを重ねて配置している。これらの金属が堆積して混合することにより、ジルコニウム−バナジウム−鉄のNEG合金膜29が生成される。ちなみにNEG構成成分12に用いる材料は純金属だけでなく、合金やセラミックス(ceramics)など様々な材料を用いることができる。ただし表現の簡略化のためにそれらを含めて金属等(もしくは材料)と表現しており、いわゆる純金属に限定されるものではない。
図7は、NEG合金膜29が生成される箇所を示す側断面図である。陰極棒3が残留ガスのイオンによってスパッタリングされることにより、NEG合金膜29が円筒セル23の内壁と平板陰極2の表面に生成される。このNEG合金膜29が真空排気の主な役割を担う。
NEG合金膜29は、水素、窒素、水、酸素、酸化炭素などに対して高い吸着係数をもつ。この結果、NEG合金膜29に吸着した残留ガスはそのまま表面に固着し、排気される。通常、メタンなどの不活性ガスは、NEG合金では吸着できない。しかし本発明のイオンポンプは、電子が衝突しイオン化することによりガスの分子結合を切り、活性にする。この結果、NEG合金膜29で不活性なガスを排気できる。一方、アルゴンなどの希ガスは、NEG合金では排気できない。本発明に係るイオンポンプは、イオン化した希ガスを、NEG構成成分12や平板陰極2の内部に埋め込むことにより排気する。NEG構成成分12に埋め込まれた希ガスは、NEG構成成分12がスパッタリングされることにより再放出する可能性がある。したがって、希ガスが主に排気される箇所は平板陰極2となる。
NEG合金は、水素を容易に内部に拡散させる特徴をもつ。このため、NEG合金膜29は表面が水素以外のガスで覆われない限り、高い水素排気能力をもつ。また、NEG合金は内部に多量の水素を蓄えることができる。このため、水素の排気容量が高く、多量の水素を吸着しても高い水素排気能力を維持する。常温での水素の平衡蒸気圧は1×10−8Pa以下と低いことから、一度NEG合金膜29内部に拡散した水素は再放出されることがない。超高真空中の主な残留ガスは水素であるため、本発明のイオンポンプを用いることにより水素を効率的に排気して圧力を低減でき、極高真空を得ることができる。
一般的なNEG合金は、表面が水素以外のガスで覆われると排気能力を失う。このため、定期的に活性化を実施して表面のガスを内部に拡散させ、清浄な表面を得る必要がある。本発明のイオンポンプは、連続的に残留ガスのイオン化とNEG構成成分のスパッタリングを実施することにより、イオンポンプの作動ともに新しいNEG合金膜を作り続けることができる。この結果、イオンポンプの作動中は清浄な表面を維持することができ、活性化が不要となる。
本発明のイオンポンプでは、円筒セル23の内部にNEG構成成分12を配置したことにより、ポンプ内の圧力によらずイオンがNEG構成成分12の側面全面に均一に入射し、スパッタリングする。この結果、超高真空や極高真空であっても、スパッタされるNEG材料の比率は変わらず最適な組成比のNEG合金膜29を生成できる。この結果、圧力によらず高い排気速度をもつ。一方、従来型のイオンポンプは、ポンプ内の圧力によって放電の仕方が変わり、超高真空や極高真空中においては平板陰極表面のうち円筒セルの中心軸上の箇所に集中してイオンが入射する。このため、スパッタリング箇所がこの部分に局所化される。このような理由から、本発明のイオンポンプは従来の問題を解決することが出きる。
本発明のイオンポンプは、NEG構成成分12と円筒セル23との間の距離が場所によらず一定となる。さらに、NEG構成成分12は繰り返し重ね合わせられる。これらの結果、場所によってNEG合金膜29の組成比に偏りができることはない。したがって広範囲にわたって均一に最適な組成比を実現できるため、排気速度も高くなる。後述する実施例により、繰り返し重ね合わせられる構成以外の形態を説明するが、NEG構成成分12と円筒セル23との間の距離が場所によらず一定となり、NEG合金膜29の組成比に偏りができないような形態であると良い。
以上の動作原理から、本発明のイオンポンプは真空中の残留ガスを効果的に排気でき、単独で極高真空を得ることができる。また、定期的な活性化が不要であることから、メンテナンス性も良くなる。さらに圧力によらず最適な組成比のNEG合金を広範囲に生成できることで、どの圧力でも高い排気速度をもつ。
本発明のイオンポンプは、主に10−4Pa以下の比較的良い真空度で動作させることにより、一般的なNEG合金に比べて材料中に酸素、炭素、水などの不純物が少ない、純度の高いNEG合金を作ることができる。この結果、NEG合金の吸着係数は高くなり、排気速度はより高くなる。
本実施形態1で示したジルコニウム−バナジウム−鉄のNEG合金において、その排気速度が最も高くなる最適な重量組成比はジルコニウム70%、バナジウム25%、鉄5%である。NEG構成成分12は円筒構造をもつことから、それぞれの円筒の高さを調整することで各材料がスパッタリングされる量を調整でき、最適な組成比のNEG合金膜29を生成できる。例えば、図2に示したジルコニウム12Aの円筒の高さを7.0mm、バナジウム12Bの円筒の高さを2.5mm、鉄12Cの円筒の高さを0.5mmにすることにより、上位組成比を実現できる。
高い排気速度を得るためには、NEG合金膜29が広い面積にわたって均一に最適な組成比で生成される必要がある。そこで、各NEG構成成分12A、12B、12Cの高さをより短くし、周期の長さを短くすることもできる。この結果、組成に偏りがない均一な膜を生成できる。例えば、ジルコニウム12Aの円筒の高さを0.70mm、バナジウム12Bの円筒の高さを0.25mm、鉄12Cの円筒の高さを0.05mmにすることで円筒セル23の内壁や平板陰極2の表面に均一な組成を形成できる。これらNEG構成成分12の大きさは、各金属のスパッタリングレートや金属加工の経済性を考慮し定めると良い。
NEG構成成分12のうち鉄12Cは磁性材料であるため、ポンプに印加する磁場を乱す場合がある。そこで、鉄12Cに代えて鉄を含んだ非磁性材料、一例としてステンレスなどを用いてもよい。これによりポンプに印加する磁場への影響をなくし、かつ所望のNEG合金膜29を生成することができる。また、バナジウムなどの高価な材料は、低廉な材料、例えばバナジウム−鉄合金、チタニウム−バナジウム合金、酸化バナジウムなどに置き換えてもよい。この材料を用いた場合でも、NEG構成成分12の各部分の大きさを適宜変更することにより、所望のNEG合金を生成できる。このようにNEG構成成分12に用いる材料は純金属だけでなく、合金やセラミックなど、様々な材料に変更できる。
本実施形態1ではNEG構成成分12の例としてジルコニウム12A、バナジウム12B、鉄12Cを例示したが、その他の材料を用いてNEG合金膜を生成してもよい。また、使用するNEG構成成分12の材料は3種類に限らず、2種類や4種類以上でもよい。例えば、ジルコニウムとアルミニウムを用いたNEG合金、チタニウムとジルコニウムとバナジウムを用いたNEG合金、イットリウムとマンガンとアルミニウムを用いたNEG合金、チタニウムとジルコニウムとバナジウムとハフニウムを用いたNEG合金などがある。これらのNEG合金を用いる場合でも、NEG構成成分12の大きさを適宜設計することにより、最適な組成比で生成できる。
NEG合金の種類によって各ガスに対する排気速度が異なる。そこで、排気したい目的のガスに応じて、NEG構成成分12の材料を変えてNEG合金膜29を変更する。極高真空を目的に水素排気速度を高める場合には、水素吸蔵量が多く、平衡蒸気圧が低く、比較的低廉なジルコニウムなどをベースとし、これに水素の乖離反応を助ける、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどを組み合わせて用いる。例えば、ジルコニウム−アルミニウム合金を生成する場合、図2に示したNEG構成成分12Aをジルコニウム、NEG構成成分12Bをアルミニウムとし、この2つの組み合わせによる構成単位を繰り返し重ねる。その他の例として、一酸化炭素を主に排気したい場合はチタニウム−ジルコニウム−バナジウム合金を用いる。この場合、図2に示したNEG構成成分12Aをチタニウム、NEG構成成分12Bをジルコニウム、NEG構成成分12Cをバナジウムにし、3つの組み合わせによる構成単位を繰り返し重ねる。
本発明のイオンポンプは、ポンプ内に種類の異なる複数のNEG合金膜29を作ることも容易にできる。例えば円筒セル23ごとにNEG構成成分12の材料を変えることにより、それぞれの円筒セル23内に異なったNEG合金膜29を生成できる。この結果、各ガス種に対する排気速度を任意に設計でき、真空中の残留ガスの組成比を所望の比にできる。また、支持棒10とNEG構成成分12を持たない円筒セル23を設けることもでき、この場合、従来型のペニング放電をする円筒セルもポンプ内に共存できる。
従来のNEGポンプは、一度大気にさらし、真空装置に接続してから活性化を実施し、清浄表面を得てから排気させる。このため、例えば700℃以上の高温の活性化が必要なNEGポンプは使用できる装置が限られる、または使用できないという制約があった。一方、本発明のイオンポンプは既に真空排気された装置内で清浄状態のNEG合金を生成できる。このため、NEG合金の活性化が不要であり、高温の活性化が必要なNEG合金であっても制約なく装置に利用でき、使用用途を拡大できる。
また、NEG構成成分12として水素の溶解度(水素を内部に固溶させる能力)の高い材料、例えば、チタニウム、ジルコニウム、スカンジウム、バナジウム、イットリウム、ランタン、ハフニウム、タンタル、またはこれらを含む合金を用いることにより、水素排気能力を増強できる。真空中の残留水素が電子によってイオン化された場合、この水素イオンは電界で加速されてNEG構成成分12に衝突する、このとき、衝突したNEG構成成分12が水素溶解度の高い材料であり、かつスパッタリングによって表面が清浄である場合、一部の水素イオンはこの材料内に取り込まれ、内部に拡散して貯蔵される。この結果、NEG合金膜29以外でも水素の排気が行われることになり、水素の排気速度が向上する。
水素イオンは、平板陰極2、側壁5、容器14にも入射しうる。そこで、平板陰極2、側壁5、容器14の材質を水素溶解度の高い材料、一例としてチタニウムにすることにより、水素の排気速度が向上する。また、陽極1と平板陰極2の材質をチタニウムなどの水素溶解度の高い材料にすると、NEG合金膜29が吸着した水素が陽極1や平板陰極2の内部にまで拡散することになる。この結果、水素の排気容量が増強される。このように本発明のイオンポンプの各部の材質は仕様や経済性を踏まえて定めると良い。
次に図6Aを用いて、本発明のイオンポンプの印加磁場、電圧の大きさ、各部の形状がポンプの性能に及ぼす影響について説明する。電子24が残留ガス27をイオン化する過程において、印加する磁場を小さくするとトロコイダル軌道25の半径が大きくなり、電子24が円筒セル23に当たって消失する確率が増える。一方、磁場を大きくするとトロコイダル半径が小さくなって電子の飛呈が短くなり、電子が残留ガスと衝突する確率が下がる。これらの原理から、イオン化効率が最大となる最適なトロコイダル半径が存在する。この半径を実現するように磁場を印加することで高い排気速度が得られる。
一方、電子24が残留ガス27をイオン化する際の散乱断面積は、残留ガス27のイオン種によらず、電子のエネルギーがおよそ100eVから200eVのとき最大となる。陽極1に印加する電圧を高めて電界を強くするほど、電子を短い距離でこのエネルギーまで加速でき、イオン化効率が高まる。他方、電子のエネルギーが高くなるとトロコイダル半径が大きくなる。そこで、トロコイダル半径が最適になるように、印加電圧の上昇に応じて印加磁場を強める。
図5において、磁石20のかわりに電磁石(例えばコイルのもの)を用いてもよく、磁石20と電磁石を併用してもよい。ポンプ内の圧力に応じて印加する磁場と電場を変更することで、最適なトロコイダル半径を維持し、どの圧力領域でも排気速度を高くできる。
円筒セル23の大きさは、直径を大きくし、かつ軸方向の長さを長くするほど内包できる電子数が増える。特に、圧力が低くなるほど電子数が減り、放電の維持が難しくなるので、円筒セル23を大きくするほど放電が持続され、排気速度を維持できる。また、圧力が低くても電圧印加後すぐに排気が開始される利点がある。一方、図3で示したように、円筒セル23を大きくすると、容器14内に配置できる円筒セル23の個数が減少し、ポンプ全体での排気速度は低下する。また、円筒セル23とNEG構成成分12との間の電界強度は弱まる。よって、ポンプ全体の排気速度を最大化するように、円筒セル23の大きさと印加電圧を適宜設計する。なお、円筒セル23の大きさは全て同一にする必要はなく、複数種類の半径や長さの円筒セル23を容器14内に並存させてもよい。1つの円筒セル23で放電が持続すれば、周囲の円筒セル23でも放電が開始しやすくなるので、例えば直径の比較的大きい円筒セル23を離散的に配置する。円筒セル23の直径は典型的には10mmから200mm、長さは10mmから200mm程度である。円筒セル23の形状は円筒に限らず、三角形、四角形、六角形、星型、その他の筒形状でもよい。
図6Cにおいて、円筒セル23の内面の表面粗さを荒くするほど、この上に堆積するNEG合金膜29の表面積が増え、排気速度が向上する。円筒セル23や平板陰極2の表面に酸化膜や有機物などの汚れがあると、NEG合金膜29が剥離してしまう。そこで、これらは組立前に十分洗浄する。また、ポンプのベーキング時に円筒セル23に負の高電圧、もしくは交流の高電圧を印加し、円筒セル23の表面をスパッタリングすることで清浄化し、NEG合金膜29の密着性を高める。交流電圧を印加することにより、NEG構成成分12もスパッタリングされて表面の汚れを除去できる。この結果、その後生成されるNEG合金膜29に不純物が混入しにくくなる。
図6Aにおいて、NEG構成成分12の外径を小さくするほど、円筒セル23内の空間が増え、内包できる電子数が増える。しかし、NEG構成成分12が薄くなるため、スパッタリングで削られて早く寿命を迎える。NEG構成成分12の外径は場所によって変えてもよく、例えば平板陰極2に近いNEG構成成分12の外径を小さくすることで、陰極棒3の側面の電界分布をより均一にすることができる。NEG構成成分12の外径は典型的には3mmから50mm程度である。
本発明のイオンポンプでは、陰極棒3と平板陰極2を同一の電位としたが、両者の間に絶縁物を設けて異なる電位にしてもよい。陰極棒3を平板陰極2よりも低い電位にすることにより、残留ガスイオンは平板陰極2よりも陰極棒3に対してより多く向かうので、陰極棒3が平板陰極2に比べ相対的に多くスパッタリングされるようになる。この結果、平板陰極2表面に形成されたNEG合金膜29はあまりスパッタリングされず、したがって平板陰極2は主にその表面に堆積したNEG合金膜29を用いた排気を担うことができる。また、平板陰極2に埋め込まれた希ガスがスパッタリングにより再放出する可能性もさらに低くなる。
側壁5を絶縁材料とし、平板陰極2と容器14を電気絶縁することにより、2枚の平板陰極2を陰極棒3でのみ電気的に接続することもできる。このとき、2枚の平板陰極2の間に電位差を設けることにより、陰極棒3に電流を流してジュール熱で加熱できる。陰極棒3の温度が上昇すると、NEG構成成分12のスパッタリングレートが上昇し、NEG合金膜29の生成量が上昇する。この結果、排気速度を高めることができる。
図8は、NEG構成成分12の側面にネジ山を設けた陰極棒3の斜視図である。NEG構成成分12に角部を多く設けるほど、イオンが斜めに入射する確率が増し、スパッタリングレートが上昇する。この結果、低圧力時でも多くのNEG合金膜29を生成でき、排気速度を維持できる。また、ネジ山により鋭角な箇所ができるとそこに電界が集中し、電界放出で電子が放出する。これにより円筒セル23内に電子が供給され、低圧力時においても放電を維持することができる。また、NEG構成成分12の形状は円筒に限らず、三角形、四角形、六角形、星型、その他の筒形状でもよい。
図9は、円筒状の2次電子放出材料30を備えた陰極棒3の斜視図である。NEG構成成分12に重ねて、仕事関数の低い2次電子放出材料30、例えば酸化イットリウム、酸化セシウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、またはこれらを含む材料を配置する。イオン化された残留ガス27が2次電子放出材料30に衝突すると、ここから多量の2次電子が放出する。この結果、円筒セル23内に電子が供給され、低圧力時でも放電を維持することができる。2次電子放出材料30の構成元素がNEG合金膜29の組成に不必要な場合は、2次電子放出材料30はスパッタリングレートの低い材料を選択する。この場合、2次電子放出材料30の円筒構造の高さは、その他のNEG構成成分12よりも小さくし、NEG合金膜29に混入する量を低減する。平板陰極2、側壁5、容器14の材料に2次電子放出材料を用いてもよい。この場合でも同様に、イオン衝突時の2次電子放出量を増加できる。また、円筒セル23に2次電子放出材料を用いてもよい。この場合、円筒セル23に電子が衝突した際の2次電子放出量を増加できる。
2次電子放出材料30に代えて、または追加して、水素分子の乖離反応を促進する触媒材料、例えば、パラジム、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウムまたはこれらを含む合金の円筒構造を加えてもよい。NEG合金膜29の表面にこれら材料が堆積すると、水素分子が原子に乖離する表面反応が促進され、NEG合金膜29内に吸収される水素量が増える。この結果、水素の排気速度が向上する。
本実施形態1では、NEG構成成分12は円筒構造を有するものとした。この構成は、各円筒の材料を変更することで容易に生成するNEG合金膜29を変更できる利点がある。また、各円筒の高さや直径を変えることで、任意の位置のスパッタリングレートや電界強度を変更できる。さらに、各円筒にネジを設けるなどの表面加工も容易であり、2次電子放出材料30や触媒材料を各円筒の間に追加することも容易である。
本発明のイオンポンプを、走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、走査透過電子顕微鏡などの荷電粒子線装置に搭載される冷陰極電界放出電子銃に取り付けることにより、電子線の安定性、電流量、輝度などを向上できる。また、成膜装置やエッチング装置など、その他の真空装置に取り付けてもよく、これにより混入物の少ない高品質なデバイスを製作できる。
<実施の形態2>
本発明の実施形態2では、実施形態1とは異なる陰極棒3の構成例について説明する。その他の構成は実施形態1と同様であるため、以下では陰極棒3の構成について主に説明する。
図10は、本実施形態2における陰極棒3の構成例を示す斜視図である。図10に示す構成例において、陰極棒3は線状のNEG構成成分12を撚り合わせた撚り線陰極40により形成されている。NEG構成成分12の材質は実施形態1と同様である。撚り線陰極40の両端は平板陰極2に固定し、円筒セル23の中心軸上に配置する。撚り線陰極40が残留ガス27のイオンでスパッタリングされると、線状の各NEG構成成分12の原子が円筒セル23の内壁や平板陰極2の表面に堆積し、ジルコニム−バナジウム−鉄等のNEG合金膜29を生成する。その他の構成や動作原理、変更例は実施形態1と同様である。
撚り線陰極40を用いることにより、陰極棒3の構造が簡易になり、加工などの製造コストを低下させる利点がある。NEG構成成分12の線材の直径を小さくすることにより、NEG合金の各材料の繰り返し周期が短くなり、均一な組成比のNEG合金膜29を生成できる。各線材の直径比率を変えることにより、スパッタリング時に放出される原子の量が変わり、所望の組成比のNEG合金膜29を生成できる。線材の断面形状は円形に限らず、三角形、四角形、六角形、星型、その他形状でもよく、ネジ山を設けてもよい。イオンが斜めに入射することでスパッタリングレートが上昇する。また、電界放出によって電子が供給される。撚り線陰極40内に2次電子放出材料30や水素の乖離触媒などのその他の線材を追加してもよい。
図11は、本実施形態2における陰極棒3の別構成例を示す斜視図である。この構成例では、支持棒10のまわりに複数の独立した線状のNEG構成成分12を巻きつけている。NEG構成成分12の材質は実施形態1と同様である。図11に示した構成の場合、剛体の支持棒10を備えるため陰極が曲がる危険は少ない。また、NEG構成成分12は線材であるので、製造コストが低減する。本発明のイオンポンプは排気対象の装置に取り付け、数十年にわたって長時間駆動させる場合に有用である。図10の構成に比べて、図11の構成のように支持棒10を備えることで、複数回のベーキングや長時間のスパッタリングなどによって撚り線陰極40が曲がる可能性が低減される。すなわち、円筒セル23と撚り線陰極40との間の距離が短くなって異常放電が起こる可能性が低減される。また円筒セル23と撚り線陰極40との間の距離が場所にかかわらずより一定となり、NEG合金膜29の組成や膜厚が均一になり、排気速度を上昇させることができる。
図12は、本実施形態2における陰極棒3の別構成例を示す斜視図である。図12に示す構成例において、支持棒10に巻きつけるNEG構成成分12間に間隙を設け、支持棒10にも残留ガスのイオンが入射するようにする。例えば、NEG構成成分12Aをジルコニウム、NEG構成成分12Bをバナジウム、支持棒10の材質をステンレスにすることで、それぞれがスパッタされて構成原子を放出し、ジルコニウム−バナジウム−鉄のNEG合金膜29を生成できる。この構成においては、線状のNEG構成成分12の使用数を低減でき、製造コストを低減できる。NEG構成成分12の間隙の高さを調整することで、支持棒10がスパッタリングされて放出する原子の量を調整できる。この結果、NEG合金膜29の組成比を最適化できる。また、支持棒10の材質として水素溶解度の高い材料、例えばチタニウムやジルコニウムを用いると、支持棒10内に水素が拡散する作用も生じ、水素の排気速度を向上できる。
本実施形態2においては、NEG構成成分12として線材を用いた。この構成は、ポンプの構造が簡便になり組立が容易になる利点がある。また、製造コストが低減する利点がある。
<実施の形態3>
本発明の実施形態3では、電子源を備えたイオンポンプの構成例について説明する。その他の構成は実施形態1〜2と同様であるため、以下では電子源の構成について主に説明する。
図13は、本実施形態3に係るイオンポンプの側断面図である。陰極棒3としては一例として図11で示した構成を用いた。図13に示す構成例において、一部の陰極棒3を取り外し、円筒セル23内に熱電子源50を設ける。熱電子源50の材料としては、例えばタングステン線などの融点が高くスパッタリングレートの低い材料を用いる。熱電子源50は円筒セル23の中心軸上に配置し、両端をそれぞれ上下の平板陰極2に固定する。熱電子源50の両端は碍子などの絶縁材料51で覆い、平板陰極2や容器14とは電気的に絶縁する。NEG合金膜29が絶縁材料51の全面に堆積し、電気的に導通するのを防ぐため、平板陰極2に設けた開口部52の大きさは絶縁材料51よりも小さくする。熱電子源50の両端は図示していない配線でフィードスルー17につなぎ、外部電圧印加部(例えば電圧源31)により通電する。熱電子源50を1500℃以上に加熱して熱電子を放出させる。熱電子量は1μAから10mA程度であり、熱電子源50の温度を調整することで放出量を制御する。熱電子の放出時のエネルギーは数eVである。
内部に熱電子源50を設けた円筒セル23とその周囲の円筒セル23の側面には、側面開口部53を設ける。熱電子源50から放出した電子はこの側面開口部53を通過して、隣接する円筒セル23内に供給される。また、円筒セル23や平板陰極2に衝突した電子は、さらに2次電子を放出し、これらも周囲の円筒セル23に供給される。
周囲の円筒セル23内に供給された電子はトロコイダル運動をし、残留ガスをイオン化するとともに電子をさらに供給する。この結果、この円筒セル23内でNEG合金膜29の生成が促進され、排気速度を向上できる。本構成を用いることにより、低圧力下での電子数の減少を補うことができ、高い排気速度を維持できる。
熱電子源50を円筒セル23の外部に配置し、電子を供給することも考えられる。しかしこの場合、供給された電子は電界によって加速され、円筒セル23内に入射する際には数keVの高いエネルギーをもつ。このためトロコイダル半径が大きくなり、円筒セル23に容易に衝突する。すなわち電子を供給してもすぐに消失するため、排気速度を向上する効果は小さい。一方、図13に示す構成のように熱電子源50を円筒セル23の内部に設けることにより、エネルギーの低い電子を円筒セル23内に供給することができる。この電子は最適な半径のトロコイダル運動をし、円筒セル23内に長時間捕縛される。このため、残留ガスのイオン化を大きく促進し、排気速度を向上できる。
熱電子源50は、高温に加熱されると変形する可能性がある。図13に示す構成例においては熱電子源50の両端を上下の平板陰極2に固定することにより、熱電子源50が円筒セル23に接触してショートするのを防ぐ。また、この固定方法によって円筒セル23の中心軸上に、熱電子源50を精度良く配置できる。したがって放出電子が軸対照のトロコイダル運動をするので、周囲への電子の供給効率が良くなる。
熱電子源50の片側の端部において絶縁材料51を用いず、平板陰極2に直接固定してもよい。この場合、構造が簡易になり、製造コストが低減する。一方、両端を絶縁材料51で電気絶縁した熱電子源50において、外部電源を用いて熱電子源50の電位を平板陰極2や陰極棒3とは異なる電位にしてもよい。熱電子源50の電位を、平板陰極2の電位に比べて高くまたは低くすることにより、熱電子源50と円筒セル23との間の電界強度が変わる。この結果、放出電子のトロコイダル半径を変えることができ、排気速度を高めるように半径を最適化できる。
図14は、本実施形態3に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。図14に示す構成例において、熱電子源50をヘアピン型とし、その片側のみ平板陰極2に固定する。図14に示す固定方法を用いることにより組立が簡易になり、また絶縁材料51と開口部52は平板陰極2の片側のみに作るだけで済む。この結果、製造コストを低減できる。
図13と図14に示した熱電子源50は、その端部を平板陰極2に固定し、円筒セル23内に挿入する構成をもつ。このため、熱電子源50を複数設け、円筒セル23内に挿入することもできる。熱電子源50の数が増えると、電子の供給量と供給箇所が増し、排気速度をより向上できる。
図15は、本実施形態3に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。図15に示す構成例において、陰極棒3の表面に電界放出電子源54を設けている。電界放出電子源54は、例えば先端を100μm以下に先鋭化させたタングステンの細線であり、その先鋭化させた先端を円筒セル23の内壁に向けて配置する。1つの円筒セル23内に配置する電界放出電子源54の数は、1つでも複数でもよい。
電界放出電子源54の先端に電界が集中することにより、トンネル効果で電界放出が起こる。放出電子の放出時のエネルギーは数eVと低く、熱電子と同様に円筒セル23内に長時間捕縛される。この放出電子が残留ガスをイオン化し、NEG合金膜29の生成を促進する。電界放出電子源54を用いることで、絶縁材料51、開口部52、熱電子源50を加熱するための外部電源が不要となり、製造コストを低減できる。電界放出電子源54から放出させる電流量は、円筒セル23と電界放出電子源54との電位差、及び電界放出電子源54の先端径で制御する。
図16は、電界放出電子源54を備えた陰極棒3の斜視図である。重ねて配置したNEG構成成分12の間に電界放出電子源54を挟むことにより、電界放出電子源54を固定する。線状のNEG構成成分12を用いた場合においても、各線状部材の間に電界放出電子源54を挟むことにより、電界放出電子源54を固定できる。その他の電界放出電子源54としてウィスカーやカーボンナノチューブなどを用いてもよい。電界放出電子源54は陰極棒3に固定され、円筒セル23の内部に挿入されるので、複数の陰極棒3に電界放出電子源54を設け、電子の供給量と供給箇所を増やすことができる。
図17は、本実施形態3に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。図17に示す構成例においては、一部の陰極棒3を取り外し、円筒セル23内にセシウムなどの仕事関数の低い光励起電子源55を配置する。光励起電子源55は支持棒10で固定して配置する。または、支持棒10そのものや支持棒10の外周を光励起電子源55にしても良い。容器14、磁石20、ヨーク21のうち光励起電子源55を見込む位置において、光路56とビューポート57を設ける。
ビューポート57と光路56を介して、図示していない外部光源から光励起電子源55に光を照射する。この結果、光励起電子源55から光電子が放出する。この光電子が円筒セル23内に長時間捕縛され、残留ガスをイオン化し、NEG合金膜29の生成を促進する。光励起電子源55は支持棒10を介して平板陰極2に固定され、円筒セル23の内部に挿入されるので、複数の光励起電子源55を設け、電子の供給量と供給箇所を増やすことができる。光励起電子源55から放出させる電流量は、照射する光量で制御する。
本実施形態3においては、電子源を備えたイオンポンプの例を示した。この構成においては、イオンポンプの円筒セル23内に低速の電子を追加でき、イオン化を促進することで排気速度を向上できる利点がある。
<実施の形態4>
本発明の実施形態4では、ヒータを備えたイオンポンプの構成例について説明する。その他の構成は実施形態1〜3と同様であるため、以下ではヒータの構成について主に説明する。
図18は、本実施形態4に係るイオンポンプの側断面図である。図18に示す構成例において、容器14と磁石20との間にヒータ60を設ける。真空度が極高真空まで向上した場合、陰極棒3のスパッタリングレートが低下し、NEG合金膜29の生成量が低下する。このとき、ヒータ60を用いて陽極1や平板陰極2を加熱することにより、これらに堆積したNEG合金膜29中の吸着したガスを拡散させる。この結果、NEG合金膜29の表面の清浄度が増し、吸着係数が増加する。このため、極高真空下でも排気速度を向上できる。さらに、陽極1や平板陰極2の温度が上がるので、NEG合金膜29の密着性が向上する。
イオンポンプのベーキング時においてヒータ60を用いて加熱を実施してもよい。イオンポンプのベーキング時は比較的圧力が高いため、NEG合金膜29は多くの残留ガスを吸着する。このとき、ヒータ60を用いて加熱することにより、NEG合金膜29内の残留ガス成分を拡散させ、表面の清浄度を向上させる。この結果、排気速度が高まり、ベーキング後速やかに真空度が向上する。
一般的に磁石20などの磁場印加部を高温に加熱すると、その磁性は失われてしまう。そこで、ヒータ60を磁石20の内側かつ容器14に外接する位置に配置することで、磁石20を不必要に加熱することなく、容器14を介して陽極1や平板陰極2を効率的に加熱することができる。また装置も小型化でき、利便性が増す。磁石20に比較的耐熱温度の高いサマリウムコバルト等を用いることで、ヒータ60を動作させても磁石20を取り外す必要がなくなる。
図19は、本実施形態4に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。ヒータ60を容器14内において陽極1に接するように真空中に配置することにより、陽極1を効率的に直接加熱することができ、磁石20の温度上昇は抑制される。陽極1の表面に生成したNEG合金膜29が加熱されることで吸着ガスの拡散が起こり、排気速度が向上する。
図20は、本実施形態4に係るイオンポンプの別構成例を示す側断面図である。ヒータ60を容器14の内部かつ平板陰極2に接するように真空中に配置することにより、平板陰極2を効率的に加熱することができ、磁石20の温度上昇が抑制される。平板陰極2の表面に生成したNEG合金膜29が加熱されることで吸着ガスの拡散が起こり、排気速度が向上する。平板陰極2の背面にヒータ60を設けているので、組立が簡易になり、製造コストを低減できる。
本実施形態4においては、ヒータを備えたイオンポンプの例を示した。本構成においては、生成したNEG合金膜29の吸着ガスの拡散を促進し、排気速度を向上できる利点がある。
<本発明の変形例について>
図21は、陰極棒3に代えて電子源を設けた変形例を示す図である。ここでは電子源として図13で説明した熱電子源50を例示したが、図14〜図16で説明したその他電子源を用いてもよい。陰極棒3が存在しない構成においても、電子源によって円筒セル23内に電子を供給することにより残留ガスのイオン化が促進されるので、排気能力を向上させることができる。この構成においては、平板陰極2の材料として例えばチタンなどの残留ガス吸着材料を用いることができる。この場合はイオン化した残留ガスにより平板陰極2表面の残留ガス吸着材料がスパッタリングされる。
本発明は上記した実施形態の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることもできる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換することもできる。
1:陽極、2:平板陰極、3:陰極棒、4:固定穴、5:側壁、6:固定穴、7:絶縁碍子、8:固定穴、9:シールド、10:支持棒、11:タップ穴、12:NEG構成成分、13:イオンポンプ素子、14:容器、15:配管、16:フランジ、17:フィードスルー、18:配線、19:磁場印加部、20:磁石、21:ヨーク、22:電子雲、23:円筒セル、24:電子、25:トロコイダル軌道、26:等電位面、27:残留ガス、28:残留ガスイオン、29:NEG合金膜、30:2次電子放出材料、31:電圧源、40:撚り線陰極、50:熱電子源、51:絶縁材料、52:開口部、53:側面開口部、54:電界放出電子源、55:光励起電子源、56:光路、57:ビューポート、60:ヒータ。

Claims (15)

  1. 対向する2枚の平板陰極と、
    前記平板陰極に対して開口を向けた筒形状を有する陽極と、
    前記陽極に対して前記平板陰極の電位よりも高い電位を与える電圧印加部と、
    前記陽極の筒形状の軸方向に沿って磁界を与える磁場印加部と、
    前記陽極の内側に配置された陰極棒と、
    を備え、
    前記陰極棒の表面は、前記陽極または前記平板陰極へ非蒸発ゲッター合金膜を形成する材料を用いて構成されている
    ことを特徴とするイオンポンプ。
  2. 前記非蒸発ゲッター合金膜を形成する材料は、スパッタ作用により前記非蒸発ゲッター合金膜を形成する第1種類の材料および前記第1種類とは異なる第2種類の材料を有し、
    前記第1種類の材料を用いて構成された第1部分と前記第2種類の材料を用いて構成された第2部分とによって形成される構成単位が、前記陰極棒の延伸方向に沿って繰り返し配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載のイオンポンプ。
  3. 前記陰極棒は、両端を前記平板陰極に固定された支持棒を有し、
    前記第1部分と前記第2部分とは、前記支持棒の外周に配置されている
    ことを特徴とする請求項2記載のイオンポンプ。
  4. 前記第1部分と前記第2部分との間には、間隙部分が形成されている
    ことを特徴とする請求項3記載のイオンポンプ。
  5. 前記間隙部分には、2次電子を放出する2次電子放出材料が配置されている
    ことを特徴とする請求項4記載のイオンポンプ。
  6. 前記第1部分と前記第2部分とは、前記支持棒に巻きつけることにより前記支持棒の外周に配置されている
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のイオンポンプ。
  7. 前記陰極棒は、前記第1種類の金属と前記第2種類の金属とが撚り線状になり構成されている
    ことを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載のイオンポンプ。
  8. 前記イオンポンプは、前記陽極が有する筒形状の中空部分に配置された電子源を備える
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のイオンポンプ。
  9. 前記電子源を備える前記陽極の筒は、前記電子源を備える前記陽極の筒の側面に開口部をもつ
    ことを特徴とする請求項8記載のイオンポンプ。
  10. 試料に荷電粒子線を照射する照射光学系が収容されるカラムと、前記試料が設置される試料室と、前記カラムまたは前記試料室に接続されたイオンポンプとを有し、前記イオンポンプは、
    対向する2枚の平板陰極と、
    前記平板陰極に対して開口を向けた筒形状を有する陽極と、
    前記陽極に対して前記平板陰極の電位よりも高い電位を与える電圧印加部と、
    前記陽極の筒形状の軸方向に沿って磁界を与える磁場印加部と、
    前記陽極の内側に配置された陰極棒と、
    を備え、
    前記陰極棒の表面は、前記陽極または前記平板陰極へ非蒸発ゲッター合金膜を形成する材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 前記陰極棒の表面は、スパッタ作用により前記非蒸発ゲッター合金膜を形成する第1種類の材料と、前記第1種類とは異なる第2種類の材料と、を有し、
    前記第1種類の材料を用いて構成された第1部分と前記第2種類の材料を用いて構成された第2部分とによって形成される構成単位が、前記陰極棒の延伸方向に沿って繰り返し配置されている
    ことを特徴とする請求項10記載の荷電粒子線装置。
  12. 前記陰極棒は、両端を前記平板陰極に固定された支持棒を有し、
    前記第1部分と前記第2部分とは、前記支持棒の外周に配置されている
    ことを特徴とする請求項11記載の荷電粒子線装置。
  13. 前記第1部分と前記第2部分とは、前記支持棒に巻きつけることにより前記支持棒の外周に配置されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の荷電粒子線装置。
  14. 前記陰極棒は、前記第1種類の金属と前記第2種類の金属とが撚り線状になり構成されている
    ことを特徴とする請求項11記載の荷電粒子線装置。
  15. 前記イオンポンプは、前記陽極が有する筒形状の中空部分に配置された電子源を備える
    ことを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の荷電粒子線装置。
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