JP2016144441A - 鳥類飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】家禽の生産性を向上させる方法の提供。
【解決手段】きのこ廃菌床を含む培養基で乳酸菌を培養して得られる乳酸菌発酵物を含む、鳥類生産性向上剤、及びそれを添加した鳥類飼料、並びにそれを用いた鳥類の生産性向上方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、家禽を含む鳥類に対する生産性向上剤及びそれを含む鳥類飼料に関する。
養鶏(採卵用)の多くはウインドレス鶏舎又は開放型ケージ鶏舎で行われている。ウインドレス鶏舎は、窓がなく外部から遮断されており、日照時間や気温、湿度、換気などは全て人工的に管理されている。ニワトリは一般に数羽ずつ金属製のケージに入れて幾段にも積み重ねられ、1棟に数万羽が飼われている。開放型ケージ鶏舎でも、同様に数羽(通常2羽)ずつ金網のケージに入れられ飼育されており、双方とも過密状態で飼育されていることに変わりはない。
一方、食肉用の鶏ブロイラーは平飼いであるが、一般的に1m当たり16羽前後の過密飼いで飼育されている。また、徹底した育種改良の成果により、現在飼育されているニワトリ品種の多くは40〜50日で成鶏に達する。その急激な成長によりブロイラーの30%近くは体を支えることが難しく歩行困難となり、またその3%はほとんど歩行不能となっている。このためブロイラーでは心臓にも大きな負担がかかり、100羽中1羽は心臓疾患で死亡すると言われている。また夏期の酷暑、悪化した鶏舎衛生状態等もストレス要因となる。これらの環境は家禽に強いストレスを与え、免疫機能、ホルモン分泌、体内過酸化脂質量などのストレス応答に変化をもたらす。
その結果、ストレスは家禽の成長不良、ウイルスや病原菌による疾病の発症、死亡率の上昇、産卵率の低下、破卵・軟殻卵の増加等の生産性低下の要因となっている。本来、アニマルウェルフェアの観点からも過密飼いは望ましいものではなく、ストレスの少ない状態での飼育が望ましい。しかしながら、コストの観点からゆとりある飼育は困難さが伴っている。家禽ストレスを抑制することは家禽の生産性の向上及びアニマルウェルフェアの観点から重要な課題であり、飼育環境と併せて飼料を改善することによるストレス抑制法が研究されている。例として亜鉛化合物(特許文献1)、オイゲノール(特許文献2)、ダッタンソバ(特許文献3)、杜仲茶(非特許文献1)等を配合した飼料により家禽のストレスが改善されたとの報告がある。また、夏期の酷暑対策としてアスコルビン酸の使用が報告されている(非特許文献2)。
しかしながら、例えば亜鉛化合物は銅の吸収と関連しており、飼料添加への配合バランス量に注意が必要である。また食品衛生法の一部を改正する法律(平成15年法律第55号)の施行に伴って導入されたいわゆるポジティブリスト制度では、オイゲノールも規制対象となっており、オイゲノールを安全性の観点から安易に飼料に添加することは注意を要する。一方、特許文献3では、ストレス負荷として大腸菌リポポリサッカライドを用いており、家禽の実際のストレス環境とは大きく異なることから、ダッタンソバのストレス抑制効果は十分に確認されているとはいえない。非特許文献1では杜仲葉抽出分画物を飼料に3%添加することを開示しており、この方法はコスト高となる。そこで、より安全性が高く、利用しやすい家禽の生産性向上方法がなおも求められている。
特開2003−261451号公報 特開2008−19251号公報 特開2005−21053号公報
桑原正範他、日本家禽学会誌、47号、p.22−26(2010) 琉球大学農学部学術報告第29号、p.186(1982)
本発明は、家禽のストレスを抑制し、かつ生産性を向上させる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、きのこ廃菌床を主成分とする培養基に乳酸菌を播種・培養して得られる乳酸菌発酵物が鳥類においてストレスマーカーレベルを顕著に低減させるとともに、死亡率低下及び産卵能力改善をもたらし、家禽の生産性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
[1]きのこ廃菌床を含む培養基で乳酸菌を培養して得られる乳酸菌発酵物を含む、鳥類生産性向上剤。
[2]前記乳酸菌発酵物が、培養後に60℃以上で加熱し乾燥させたものである、上記[1]に記載の鳥類生産性向上剤。
[3]ストレス抑制効果を有する、上記[1]又は[2]に記載の鳥類生産性向上剤。
[4]腸内菌叢改善効果を有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤。
[5]産卵能力改善及び/又は死亡率低下による生産性向上のための、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤。
[6]乳酸菌が、ラクトバチルス属又はペディオコッカス属に属する乳酸菌の群から選択される1種以上の乳酸菌である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤。
[7]乳酸菌が、ラクトバチルス・ファーメンタム又はペディオコッカス・ペントサセウスに属する乳酸菌の群から選択される1種以上の乳酸菌である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤。
[8]乳酸菌が、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ1R(受託番号NITE P−784)及びペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ1C(受託番号NITE P−787)である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤。
[9]鳥類が家禽である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤。
[10]家禽がニワトリである、上記[9]に記載の鳥類生産性向上剤。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤を含む、鳥類飼料。
[12]乾燥重量で前記乳酸菌発酵物が鳥類飼料の0.2〜10重量%となる量で、前記鳥類生産性向上剤を含む、上記[11]に記載の鳥類飼料。
[13]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の鳥類生産性向上剤を、鳥類飼料に配合することを含む、鳥類生産性向上効果を有する鳥類飼料の製造方法。
[14]上記[11]又は[12]に記載の鳥類飼料を鳥類に給餌して飼育することを含む、鳥類の生産性を向上させる方法。
[15]生産性の向上が、産卵能力改善及び/又は死亡率低下によるものである、上記[14]に記載の方法。
本発明によれば、家禽をはじめとする鳥類のストレスを抑制し、かつ生産性を向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる乳酸菌発酵物は、鳥類に摂取させると、鳥類生産性向上効果をもたらす。本発明において「鳥類生産性向上」とは、鳥類飼育において成長した鳥及び正常卵を得られる率が増加することを意味する。より具体的には、本発明において「鳥類生産性向上」には、具体的には、死亡率の低下による生産性向上が含まれる。また雌の鳥類における「鳥類生産性向上」には、好ましくは、産卵能力の改善による生産性向上が含まれる。本発明で用いる乳酸菌発酵物は、飼料素材として鳥類飼料に配合することにより、鳥類飼料に鳥類生産性向上効果を付与することができる。
本発明で用いる乳酸菌発酵物は、きのこ廃菌床を(典型的には主成分として)含む培養基(培地とも呼ばれる)に乳酸菌を播種し、培養することにより製造することができる。
きのこ廃菌床(廃菌床)とは、培地に接種したきのこ菌(担子菌)を菌床培養し、菌糸蔓延及び培養熟成を経て形成された子実体を採取した後の菌床を指す。きのこ菌を接種する培地としては、おがこ、木材チップ、稲わら、コーンコブミール(コーンコブ)等の任意の培地基材、フスマ、おから、味噌、ヌカ(米糠など)、粉ビート、小麦胚芽、乾燥焼酎粕等の栄養材、必要に応じて水、場合により石灰(消石灰など)、貝化石、カキ殻等のpH調整剤などの添加剤を混合した固体培地を用いることができる。廃菌床作製用の培地原料の好ましい例としてコーンコブ、米糠、フスマ、おから、石灰、味噌、及び粉ビートが挙げられるが、これらに限定されない。一般的には、栄養材の配合量は培地基材の5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%であるが、これらに限定されるわけではない。固体培地の水分量は、限定するものではないが、一般的には60%〜70%程度である。きのことしては、任意のきのこ(通常は、食用きのこ)を用いることができ、例えば、エノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジ、ハナビラタケ、エリンギ、シイタケ、ナメコ、ヤマブシタケ、マイタケ、ヌメリスギタケ、ハタケシメジ、ホンシメジ、アラゲキクラゲ、ウスヒラタケ等が挙げられるが、これらに限定されない。きのこの菌床培養(菌床栽培)は、用いるきのこの種類に合わせて、常法により適宜行うことができるが、一般的には、例えば、培養容器に充填した培地を殺菌及び冷却した後、きのこの種菌を培地に接種して培養し、菌糸を菌床に蔓延させ、熟成させ、原基形成を促し、子実体を形成させることにより実施することができる。次いで菌床から子実体を取り除くことにより得られる廃菌床を、乳酸菌発酵物の製造のため、乳酸菌培養用の培養基の主成分として用いることができる。培養基に配合する廃菌床は、pH6以上の新鮮なものであることが好ましい。
廃菌床は、乳酸菌培養用の培養基の30〜100重量%、好ましくは80〜90重量%の量で当該培養基に配合すればよい。乳酸菌培養用の培養基は、廃菌床に加えて、乳酸菌の増殖を促進させるための任意の栄養材、例えば、おから(乾燥おからなど)、味噌、ヌカ(米糠など)、フスマ、小麦胚芽、乾燥焼酎粕等を1種又は2種以上含むことが好ましい。例えば、乳酸菌培養用の培養基は、おから(例えば、乾燥おから)を含むことがより好ましい。乳酸菌培養用の培養基は、フスマを含むことも好ましい。栄養材の配合量はきのこ廃菌床の量に対して0〜30重量%、好ましくは5〜20重量%である。培養基はまた、他の培養基材を含んでもよいし、含まなくてもよい。培養基の水分量は培養状態や培養後の操作性の点で60重量%以下が望ましく、例えば50重量%程度に調整してもよい。
廃菌床、栄養材等の培養基の原料を混合することにより、乳酸菌培養用の培養基を調製することができる。原料を良く混合することにより、廃菌床は粉砕状態で栄養材等の他の原料と好ましくは均一に混ざった状態となる。培養基は、通常は殺菌(例えば蒸気滅菌等の高温殺菌、又は常温殺菌)することが好ましい。殺菌は撹拌しながら行うことも好ましい。殺菌後に高温となっている場合は培養基を40℃以下に冷却させてから、乳酸菌の培養に用いる。乳酸菌発酵物の製造に用いる培養基は、通常は固体培養基である。
以上のような培養基に乳酸菌を接種(播種)し、培養することにより、乳酸菌発酵物を製造する。乳酸菌としては、任意の乳酸菌を用いることができるが、食用可能な乳酸菌が好ましい。好適な乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス属、ペディオコッカス属、エンテロコッカス属及びロイコノストックス属に属する乳酸菌が挙げられ、特にラクトバチルス属又はペディオコッカス属に属する乳酸菌が好ましい。好ましい乳酸菌として、例えば、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・プランタラム、ペディオコッカス・ペントサセウス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、エンテロコッカス・フェカリス、ロイコノストックス・ラクティス等が挙げられ、ラクトバチルス・ファーメンタム又はペディオコッカス・ペントサセウスに属する乳酸菌が特に好ましいが、これらに限定されない。好適に使用できる乳酸菌株の具体例としては、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ1R(Lactobacillus fermentum kirishima 1R)、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ2R(Lactobacillus fermentum kirishima 2R)、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ3R(Lactobacillus fermentum kirishima 3R)、ペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ1C(Pediococcus pentosaceus kirishima 1C)、ペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ2C(Pediococcus pentosaceus kirishima 2C)、ラクトバチルス・プランタラム MH(Lactobacillus plantarum MH)、ラクトバチルス・プランタラム ME(Lactobacillus plantarum ME)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)寄託株(NBRC 3989)等が挙げられる。
なお、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ1R(受託番号NITE P−784;寄託日:2009年7月23日)、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ2R(受託番号NITE P−785;寄託日:2009年7月23日)、ペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ1C(受託番号NITE P−787;寄託日:2009年7月23日)、ペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ2C(受託番号NITE P−788;寄託日:2009年7月23日)、ラクトバチルス・プランタラム MH(受託番号NITE P−1548;寄託日:2013年2月28日)、ラクトバチルス・プランタラム ME(受託番号NITE P−1549;寄託日:2013年2月28日)は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託されている。エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)株(NBRC 3989)は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター(Biological Resource Center;NBRC)に寄託され、そのカタログ(NBRC Catalogue of Biological Resources)に掲載されており、そのカタログ番号(NBRC 3989)に基づいて分譲を受けることができる。
培養基には、1種の乳酸菌を播種してもよいし、2種以上の乳酸菌を播種してもよい。2種以上の乳酸菌の好ましい例として、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ1R(受託番号NITE P−784)及びペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ1C(受託番号NITE P−787)の組み合わせを挙げることができる。
乳酸菌の播種(接種)量は、以下に限定するものではないが、総量で1.0x10 cfu/g以上(培養基総重量比)、例えば1.0〜9.0x10cfu/gとなる量が好ましい。
培養基での培養は、用いる乳酸菌に適した培養条件で行えばよい。好適な例では、乳酸菌を培養基に加えて均一に攪拌混合した後、25〜40℃、好ましくは30〜40℃、例えば30〜35℃で15〜96時間(通常は15〜48時間、好ましくは18〜30時間)培養すればよい。培養は、10cfu/g以上、通常は10〜1010cfu/g、好ましくは10cfu/g以上、例えば1.0〜9.0x10cfu/gの菌量の乳酸菌発酵物を得るまで継続することが好ましい。
このようにして得られる乳酸菌発酵物は、そのままでも使用できるが、鳥類生産性向上効果を有する限り、加熱、乾燥、殺菌、濃縮(脱水)、懸濁化、希釈、及び/又は粉末化、顆粒化若しくは成形等の処理を行ってから使用してもよい。例えば乳酸菌発酵物に乾燥及び粉末化処理を施すことにより、安定性が増し、長期保存も可能になる。本発明の「乳酸菌発酵物」は、培養後の乳酸菌発酵物それ自体だけでなく、このような処理を施した乳酸菌発酵物も包含する。本発明において、乳酸菌発酵物のそのような処理は、乳酸菌を死滅させることができる処理であってもよい。乳酸菌は一般に60℃以上で死滅する。好ましい実施形態では、乳酸菌発酵物は、培養後の乳酸菌発酵物を60℃以上(好ましくは約70〜90℃、より好ましくは75℃〜85℃、例えば80℃程度)で加熱したもの(より好ましくは加熱し乾燥させたもの)であってよい。そのような処理を施した乳酸菌発酵物中の乳酸菌の多くは死菌体であるが、生菌が残存していてもよい。
本発明の乳酸菌発酵物は、上述のとおり鳥類生産性向上効果を有しており、鳥類飼料に配合することにより、鳥類飼料に当該効果を付与することができる。したがって本発明の乳酸菌発酵物は、鳥類生産性向上剤として用いることができる。本発明は、本発明の乳酸菌発酵物を含む鳥類生産性向上剤を提供する。鳥類生産性向上剤は、鳥類飼料配合用としてとりわけ好適に用いることができる。
本発明において対象とする「鳥類」は、任意の鳥類であってよく、例えば家禽、愛玩鳥等が挙げられるが、これらに限定されない。家禽とは、人間の生活に役立てるために飼育されている鳥を指し、食肉用、採卵用、害虫・雑草駆除用等に飼育されている鳥や、伝書鳩などが挙げられるが、採卵用家禽(採卵を目的に飼育する家禽)及び食肉用家禽が特に好適な例として意図される。家禽としては、具体的には、ニワトリ(例えば、ブロイラー、採卵用鶏など)、ウズラ、アヒル、シチメンチョウ、ガチョウ、キジ、ダチョウ、ホロホロドリ、マガモ、アイガモ、ハト等が挙げられるが、これらに限定されない。愛玩鳥としては、オナガドリ、チャボ、インコ、オウム、カナリア、ブンチョウ等が挙げられるが、これらに限定されない。鳥類の典型例はニワトリである。鳥類は雌であっても雄であってもよい。鳥類は成鳥であっても成鳥に達しない雛又は幼鳥であってもよい。
本発明の乳酸菌発酵物を含む鳥類生産性向上剤は、好ましくは乾燥重量比で10cfu/g以上、通常は10〜1010cfu/g、好ましくは10cfu/g以上、例えば1.0〜9.0x10cfu/gに相当する乳酸菌量(死菌体を含む)を含む。鳥類生産性向上剤は、本発明の乳酸菌発酵物に加えて、他の添加剤、例えば、不活性担体(水、緩衝液等)、保存剤、賦形剤、分散剤、着色剤等を含んでもよい。
本発明の鳥類生産性向上剤は、鳥類飼料に配合して使用されることが好ましい。本発明は、鳥類生産性向上剤を含む鳥類飼料も提供する。本発明はまた、鳥類生産性向上剤を、鳥類飼料に配合することを含む、鳥類生産性向上効果を有する鳥類飼料の製造方法も提供する。本発明では、鳥類生産性向上剤を、乾燥重量で本発明の乳酸菌発酵物が鳥類飼料の典型的には1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、例えば1.5〜3.5重量%となる量で、鳥類飼料に配合すればよい。本発明の鳥類飼料は、好ましい実施形態では、乾燥重量比で10cfu/g以上、通常は10〜10cfu/g、好ましくは10cfu/g以上、例えば1.0〜9.0x10cfu/gに相当する乳酸菌(死菌体を含む)量を含みうる。本発明において鳥類飼料に「配合する」とは、本発明の鳥類生産性向上剤等を、他の鳥類飼料原料とともに1つに混合して鳥類飼料を製造することだけでなく、本発明の鳥類生産性向上剤等を調製済みの鳥類飼料(鳥類基礎飼料など)に添加及び混合して鳥類飼料を製造することも包含する。
本発明の鳥類生産性向上剤と混合する鳥類飼料原料や鳥類用基礎飼料等は、鳥類の種類や成長段階等に応じて適宜選択することができる。例えば、動物性飼料原料(魚粉など)、植物性油粕(大豆油粕、ナタネ油粕など)、穀類(トウモロコシなど)、糟糠類(フスマ、ヌカなど)、炭酸カルシウム、及びカキガラ等の鳥類に給餌される任意の飼料原料を主成分として含む配合飼料を用いてもよい。一例として、表1に示す組成の基礎飼料を用いてもよい。本発明の鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、飼料原料としてヨウ素を含まなくてもよい。
本発明の鳥類飼料は任意の形状であってよく、対象となる鳥類の種類や成長段階等に応じて適宜選択することができる。鳥類飼料の形状としては、例えば、粉末状、顆粒状、ペレット状、ペースト状等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、鳥類に摂取させることにより、鳥類の生産性を向上させることができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料はまた、ストレス抑制効果を有する。ストレス抑制は、免疫賦活を伴い、生産性向上に寄与すると思われる。本発明において「ストレス」とは、ストレッサー(ストレス刺激)によって体内で引き起こされる生理的な変化(ストレス反応)を指す。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料はまた、腸内菌叢改善効果も有する。腸内菌叢改善効果は、例えば、糞便中の日和見菌及び有害菌の有用菌に対する菌数の比率の有意な低下によって示される。また、腸内菌叢の改善により、外部からの病原菌を防御するとともに飼料効率(摂取した飼料の一定量について体重がどれだけ増加したかを示した値)の向上も期待される。
本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料のストレス抑制効果は、それを摂取した鳥類の生体サンプルにおいてストレスマーカーが有意に減少することによって確認することができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、例えば、ストレスマーカーである、コルチゾール、オボトランスフェリン、及び過酸化脂質の血中レベル、並びに偽好酸球/リンパ球比を有意に低減させることができる。ストレスマーカーの測定は、例えば、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を一定期間(例えば、50日程度)にわたり経口摂取させた鳥類(試験区)から常法により採取した血液、又はその血液から分離した血漿等をサンプルとして行うことができる。
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンであり、過度なストレスを受けると分泌量が増加し、その反応は非常に敏感である(B. Swathi, P. S. P. Gupta et al., Tamilnadu J. Veterinary & Animal Science, 9, 1, p.23-28 (2013))。コルチゾール測定は、常法により行うことができ、例えば市販のコルチゾール定量キットを用いて、又は抗コルチゾール抗体を用いた酵素免疫測定法等の免疫アッセイにより、血漿コルチゾール濃度を測定することができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を摂取しない対照区の鳥類についての血漿コルチゾール濃度と比較して、試験区の血漿コルチゾール濃度が統計学的に有意に低下している場合には、コルチゾールを指標としてストレス応答が抑制されたことが示される。
オボトランスフェリンは細菌、炎症、外部損傷、抗原由来のストレス等によって誘発される急性期タンパク質(APPs)の一種である(Krisna Roy, Mads Kjelgaad-Hansen et al., Anian Pathology, 43, 1, p.57-61 (2014))。オボトランスフェリン測定は、常法により行うことができ、例えば、市販のオボトランスフェリン定量キットを用いて、又は抗オボトランスフェリン抗体を用いた酵素免疫測定法等の免疫アッセイにより、血漿オボトランスフェリン濃度を測定することができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を摂取しない対照区の鳥類についての血漿オボトランスフェリン濃度と比較して、試験区の血漿オボトランスフェリン濃度が統計学的に有意に低下している場合には、オボトランスフェリンを指標としてストレス応答が抑制されたことが示される。
偽好酸球は鳥類やウサギ等に特有に見られるリンパ球であり、一般の哺乳類では好中球に相当する。偽好酸球/リンパ球比(H/L比)は、ストレス刺激によって上昇することから、ストレスマーカーとして知られている(桑原正範、内田光教、目瀬守男: 日本家禽学会誌, 47, p.22-26 (2010))。偽好酸球/リンパ球比(H/L比)の算出は、常法による血球形態検査に基づいて行えばよい。通常は、全血サンプルをディフ・クイック染色、メイ・ギムザ染色、パパニコロウ染色等の任意の細胞染色法によって染色し、顕微鏡下でリンパ球の形態を観察して偽好酸球と全リンパ球をカウントし、偽好酸球数を全リンパ球数で除算することにより、H/L比を算出することができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を摂取しない対照区の鳥類についてのH/L比と比較して、試験区のH/L比が統計学的に有意に低下している場合には、H/L比を指標としてストレス応答が抑制されたことが示される。
過酸化脂質は、炎症時に活性酸素によって生成されると考えられ、酸化ストレスのマーカーとして用いられている(寺尾純二、生物試料分析、32, 4, p.257-263 (2009))。過酸化脂質の測定は、血漿サンプルを用いて常法により行えばよい。過酸化脂質の測定は、例えば、酸化ストレスに応答して濃度が上昇する2−チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)を測定するTBARS法により、血漿中の過酸化脂質レベルを、TBARSと反応した過酸化脂質マーカーであるマロンジアルデヒドの量として測定することができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を摂取しない対照区の鳥類についての過酸化脂質濃度と比較して、試験区の過酸化脂質濃度が統計学的に有意に低下している場合には、過酸化脂質濃度を指標としてストレス応答が抑制されたことが示される。
本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、コルチゾール、オボトランスフェリン、及び過酸化脂質のそれぞれの血中レベル、並びに偽好酸球/リンパ球比のうち2つ以上、好ましくは全てのストレスマーカーを有意に低減させることが好ましい。好ましい実施形態では、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、コルチゾール、オボトランスフェリン、及び過酸化脂質の血中レベルの低減、並びに偽好酸球/リンパ球比の低減をもたらすストレス抑制用でありうる。複数のストレスマーカーの低下が示されることにより、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料がより効果的なストレス抑制効果を有することが強く裏付けられる。そのようなストレス抑制効果は疾病予防効果も伴い、より健康な鳥類を生産することにつながる。また、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、腸内菌叢の改善も行うことから、その改善効果もより健康な鳥類を生産することにつながる。本発明の乳酸菌発酵物を含むストレス抑制剤及び腸内菌叢改善剤も本発明の範囲に含まれる。
さらに、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、死亡率低下効果を有する。死亡率低下により、食肉用鳥類であれば、食肉生産性を向上させることができる。死亡率低下は、採卵用鳥類では、産卵可能な個体数をより多く維持することにより卵生産性を向上させることができる。死亡率低下は、例えば愛玩用鳥類では、出荷個体数を増加させることができ、生産性を向上させることができる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、雌又は雄の鳥類に摂取させることにより死亡率低下効果を期待できる。死亡率低下は、例えば、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を一定期間にわたり経口摂取させた鳥類(試験区)について、累積死亡数(累積斃死数)をカウントし、全鳥類個体数に対する死亡数の割合(%)を死亡率として算出し、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を摂取しない対照区の鳥類の死亡率と比較することにより、判定することができる。試験区において高頻度な死亡が起こっておらず、かつ対照区と比較して死亡率が例えば20%以上、好ましくは30%以上減少しているか又は対照区とは異なり死亡率0%の場合には、死亡率低下効果が認められると判定することができる。なお本発明において死亡率算出のための「死亡数」又は「斃死数」には事故死や災害による死亡数を含まない。
本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料はまた、雌の鳥類に対し、産卵能力改善効果を有する。産卵能力が低下すると、産卵数が減少するだけでなく、卵品質が低下し、軟殻卵(ぶよぶよの卵)が増加したり卵殻にひび割れや割れ(破卵)が生じやすくなったりする。本発明において、産卵能力改善とは、鳥類が産む卵の数、卵の重量、及び/又は卵品質が改善されることを意味する。具体的には、産卵数の増加、破卵率の減少、軟殻卵率の減少、平均卵重の増加、正常産卵率の増加等の産卵能力指標の少なくとも1つの向上が含まれる。本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤及び鳥類飼料は、産卵能力改善により、卵生産性を向上させることができる。産卵能力の改善は、例えば、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を一定期間にわたり経口摂取させた鳥類(試験区)について、試験期間全体の産卵数、破卵率、軟殻卵率、正常産卵率、平均卵重等を測定し、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を摂取しない対照区の鳥類の同測定値と比較することにより、判定することができる。試験区における上記の産卵能力指標の1つ以上が、対照区と比較して改善している場合には、産卵能力改善効果が認められると判定することができる。例えば、試験区において、破卵率又は軟殻卵率が20%以上、好ましくは30%以上改善しているか、又は対照区とは異なり破卵率若しくは軟殻卵率が0%の場合には、産卵能力改善効果が認められると判定することができる。
本発明はまた、本発明の鳥類生産性向上剤を含む鳥類飼料を鳥類に給餌して鳥類を飼育することを含む、鳥類の生産性を向上させる方法に関する。例えば、この方法では、乾燥重量で乳酸菌発酵物(鳥類生産性向上剤に含まれる)が鳥類飼料の0.2〜10重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、例えば1.5〜3.5重量%となる量で、鳥類生産性向上剤を含む鳥類飼料を、鳥類に給餌することが好ましい。本発明では、このようにして鳥類飼料を給餌する鳥類の飼育方法により、上述のように鳥類の生産性を顕著に向上させることができる。具体的には、死亡率を低下させることにより、及び/又は産卵数、破卵率、軟殻卵率、正常産卵率、平均卵重等の指標で示される産卵能力を改善することにより、生産性を向上させることができる。本発明の飼育方法はまた、飼育されている鳥類のストレスを顕著に抑制することができる。したがって本発明は、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を鳥類に投与することを含む、鳥類のストレス抑制方法も提供する。本発明の飼育方法はまた、飼育されている鳥類の腸内菌叢を改善することができる。したがって本発明は、本発明の乳酸菌発酵物、鳥類生産性向上剤又は鳥類飼料を鳥類に投与することを含む、鳥類の腸内菌叢の改善方法も提供する。この鳥類のストレス抑制及び腸内菌叢改善も、鳥類の生産性の向上に有効である。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<乳酸菌発酵組成物の製造>
(乳酸菌発酵組成物1)
エノキタケ廃菌床90部及び乾燥おから10部を発酵装置内で均一に混合・撹拌しながら蒸気を用いて30分間滅菌し、培養基を調製した。室温まで冷却後、培養基に乳酸菌ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ1R(NITE P−784)及びペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ1C(NITE P−787)を10cfu/gのオーダーになるように添加した。30〜35℃に培養基を維持しながら約20時間培養し、5.1x10cfu/gの乳酸菌発酵物を得た。得られた乳酸菌発酵物を、乾燥機を用い約80℃で乾燥し、乳酸菌発酵組成物1を得た。乳酸菌発酵組成物1の重量は乾燥前の重量の約50%に減少した。
(乳酸菌発酵組成物2)
ヒラタケ廃菌床90部、乾燥おから10部を発酵タンク内で均一に混合し、撹拌しながら蒸気を用いて30分間滅菌し、培養基を調製した。室温まで冷却後、培養基に乳酸菌:エンテロコッカス・フェカリス(NITE P−3989)を10cfu/gのオーダーになるように添加した。30〜35℃に培養基を維持しながら約20時間培養し、4.3x10cfu/gの乳酸菌発酵物を得た。得られた乳酸菌発酵物を、乾燥機を用い約80℃で乾燥し、乳酸菌発酵組成物2を得た。乳酸菌発酵組成物1の重量は乾燥前の重量の約50%に減少した。
(乳酸菌発酵組成物3)
ブナシメジ廃菌床90部、フスマ10部を発酵タンク内で均一に混合し、撹拌しながら蒸気を用いて30分間滅菌し、培養基を調製した。室温まで冷却後、培養基に乳酸菌:ペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ2C(NITE P−788)を10cfu/gのオーダーになるように添加した。30〜35℃に培養基を維持しながら約20時間培養し、5.9x10cfu/gの乳酸菌発酵物を得た。得られた乳酸菌発酵物を、乾燥機を用い約80℃で乾燥し、乳酸菌発酵組成物3を得た。乳酸菌発酵組成物1の重量は乾燥前の重量の約50%に減少した。
[実施例2]
<評価試験1>
実施例1で調製した乳酸菌発酵組成物1をニワトリに給餌しながら飼育し、乳酸菌発酵組成物の摂取がニワトリに及ぼす影響を評価した。
<飼育環境条件>
雛導入日:2013年10月2日
ケージ移動日:2014年2月12日
鶏種:ソニア(雌)
鶏舎:開放型ケージ鶏舎
評価試験期間:2014年3月1日から12月31日
飼育試験途中に60日齢に達したニワトリを試験区100羽、対照区100羽に群分けし、生産性及び血液成分について評価試験を実施した。対照区のニワトリには基礎飼料(表1)を給餌した。試験区のニワトリには、基礎飼料(表1)に乳酸菌発酵組成物1(乾物)の粉砕物を基礎飼料量の3重量%添加した飼料(発酵飼料)を給餌した。発酵飼料の乳酸菌(死菌体を含む)含量は約3.0x10cfu/gである。日平均給餌量は後掲の表2及び表3に示す。
Figure 2016144441
<生産性評価及びその結果>
評価期間を2014年3月1日から12月31日として、生産性評価を行った。但し、8月は採血を行い、対照区及び試験区の鶏に双方に過重なストレス負荷を与えたことからデータとして除いた。評価期間中、ニワトリの斃死数、並びに産まれた卵の破卵数、軟殻卵数、産卵数及び卵重を継続して測定し、さらにニワトリの健康状態を観察した。なお、産卵率は生存のニワトリ1羽が1日に1個産卵するとして算出した。正常産卵率は破卵、軟殻卵を除いた卵数で算出した。
生産性評価結果を表2(対照区)及び表3(試験区)に示す。12月までの評価期間中、基礎飼料を給餌した対照区では斃死数5羽(死亡率5%)であったのに対し、発酵飼料を給餌した試験区では斃死は認められなかった(死亡率0%)。なお、対照区の斃死6羽中の2羽はペッキング(Peckeing;ニワトリの突きあい)によるものであった。ペッキングはストレスとの関係が指摘されている。
また、正常産卵率において試験区は対照区より、3.7ポイント上昇した(T検定:P<0.005)。そして、試験区では対照区と比較して破卵数、及び軟殻卵数が明らかに減少(P<0.05)し、正常卵が増加したことから、卵の生産性の向上が認められた。平均卵重の有意な変化は認められず、正常卵の増加に伴い総卵量が増加した。斃死を考慮すると試験区はさらに産卵率は増加する。このように本発明の乳酸菌発酵物には、生産性向上効果があることが示された。
Figure 2016144441
Figure 2016144441
<血液試験>
本発明の乳酸菌発酵物がニワトリのストレス応答に及ぼす影響を評価するため、ニワトリから血液を採取し、血液試験を行った。
評価試験の途中の188日間基礎飼料(対照区)又は発酵飼料(試験区)を給餌したニワトリ(321日齢)のニワトリ腋下静脈から、血液5mLをEDTA含有採血管に採取した。全血1mLをチューブに移した後、速やかに1,000Gで5分間遠心し、上清(血漿)を1.5mLチューブ6本に分割して注入し、ドライアイス上で急速冷凍した。この血漿サンプルは測定を行うまで−80℃で冷凍保存した。残りの全血サンプルは測定まで冷蔵保存した。
得られたサンプルについて、下記のとおり、コルチゾール、血漿オボトランスフェリン及び偽好酸球/リンパ球比を測定した。さらに炎症時に活性酸素によって生成すると考えられる過酸化脂質をTBARS法によって測定した。コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンであり、過度なストレスを受けると分泌量が増加し、その反応は非常に敏感である。コルチゾールは免疫機構や炎症にも関与している。血漿オボトランスフェリンは細菌、炎症、外部損傷、抗原由来のストレス等によって誘発される、急性期タンパク質(APPs)の一種である。血漿オボトランスフェリンはこれらの疾病の診断に用いられている。偽好酸球は鳥類やウサギ等に特有に見られ、一般の哺乳類の好中球に相当する。リンパ球に対する偽好酸球の比率(偽好酸球/リンパ球比;H/L比)は、ストレス刺激で上昇する。これらの試験項目は、いずれもストレスのバイオマーカーの一つとされている。
(i)コルチゾール測定
血漿サンプル中のコルチゾールの測定は、アセチルコリンエステラーゼを用いた競合EIAに基づくコルチゾール定量キットCortisol Express EIA Kit(Cayman Chemical Company, Ann Arbor, MI)を用いて行った。キットに添付されたEIA緩衝液で、測定に用いる血漿を測定可能な濃度に希釈した。コルチゾール標準液(0、39.1、78.1、156.3、312.5、625、1250、2500、及び5000 pg/ml)を調製し、添付の96ウェルマイクロプレートに50μLずつ加えた。希釈した血漿も各ウェルに50μLずつ加えた。標準液及び血漿を加えたウェルにキット添付のCortisol Express EIA モノクロール抗体を50μL及びCortisol Express ACHE Tracerを50μL加えた。室温で2時間放置した後、ウェル中の液を全て捨てた。キット添付の洗浄液を50μL各ウェルに加えてすすいだ後、洗浄液を捨てることにより、ウェル内を洗浄した。この操作を合計5回繰り返した。キット添付のEllman‘S溶液を各ウェルに200μL加えて室温で60分間放置した。420nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定した。コルチゾール標準液の吸光度を用いて検量線を作成し、吸光度から各血漿中のコルチゾール濃度を算出した。
(ii)血漿オボトランスフェリンの測定
血漿サンプル中の血漿オボトランスフェリンの測定はニワトリオボトランスフェリン定量キットCHICKEN OVOTRANSFERRIN ELISA Kit(Immunology Consultants Laboratory, Portland, OR)を用いて行った。キットに添付されたランニング緩衝液で、測定に用いる血漿を10万倍に希釈した。オボトランスフェリン標準液(0、6.25、12.5、25、50、100、200、及び400 ng/ml)を調製し、キット添付の96ウェルマイクロプレートに100μLずつ加えた。希釈した血漿も各ウェルに100μLずつ加えた。室温で30分間放置した後、ウェル中の液を全て捨てた。キット添付の洗浄液を300μL各ウェルに加えてすすいだ後、洗浄液を捨てることにより、ウェル内を洗浄した。この操作を合計3回繰り返した。キット添付の酵素標識抗体溶液を各ウェルに100μL加えて室温で20分間放置し、その後、酵素標識抗体溶液を全て捨てた。キット添付の洗浄液を300μL各ウェルに加えてすすいだ後、洗浄液を捨て、ウェル内を洗浄した。この操作を合計3回繰り返した。キット添付の色素基質溶液を各ウェルに100μLずつ添加し、室温で10分間放置した。100μLの反応停止液を各ウェルに添加後、450nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定した。オボトランスフェリン標準液の吸光度を用いて検量線を作成し、吸光度から各血漿オボトランスフェリン濃度を算出した。
(iii)偽好酸球/リンパ球比の測定
冷蔵保存していた全血サンプルをスライドグラス上に塗抹して風乾した。ディフ・クイック染色を常法にて行い、顕微鏡下でリンパ球の形態を観察した。リンパ球及び偽好酸球をカウントし、全リンパ球数に対する偽好酸球数の比率(H/L比)を算出した。
(iv)過酸化脂質の測定
血漿サンプル中の過酸化脂質の測定は脂質過酸化測定キットTBARS Assay Kit(Cayman Chemical Company, Ann Arbor, MI)を用いて行った。過酸化脂質の標準物質として用いたマロンジアルデヒド(MDA)を0、0.625、1.25、2.5、5、10、25、及び50μMとなるように調製した。5μLの標準液又は血漿をチューブに移し、そこにキット添付のSDS溶液5μL及び色素溶液200Lを添加した。それらを充分に撹拌した後100℃で1時間加熱した。その後、直ちに氷上にチューブを移し、10分間放置した。1,000Gで10分間遠心し、上清を96ウェルマイクロプレートに移し、545nmの吸光度を測定した。マロンジアルデヒド標準液の吸光度を用いて検量線を作成し、吸光度から各血漿中の過酸化脂質濃度をマロンジアルデヒド相当量として算出した。
(v)血液試験結果
以上のようにして得られたニワトリの血漿コルチゾール濃度、血漿オボトランスフェリン濃度、偽好酸球/リンパ球比及び血漿過酸化脂質濃度の測定結果を、表4に示した。
これらはいずれもストレスバイオマーカーである。全ての試験項目についてT検定において試験区と対照区との間で有意差があった。家禽は過密養鶏状態や病原菌感染等による各種ストレスを受けやすいが、この測定結果は本発明に係る乳酸菌発酵物がストレスに対して顕著な抑制効果を示すことを実証している。また、TBARS法による過酸化脂質測定における過酸化脂質マーカーであるマロンジアルデヒド濃度の有意な減少は、本発明の乳酸菌発酵物に含まれる成分がストレス等により生じた炎症性ラジカルを消去したことを示していると考えられた。
Figure 2016144441
<腸内菌叢試験>
輸送培地(ブレインハート インフュージョン ブイヨン含有培地)18mLに新鮮糞便約2g(543日齢由来)を採取し、これを細菌に適した希釈培地にて10〜10倍希釈した。下記の方法にて腸内菌叢試験を行った。
(i)試験法
上記で調製した試料を4分割した各細菌選択培地に30μLずつ接種し、下記の培地にて大腸菌は1日、乳酸菌、ビフィズス菌は4日、その他は2日間培養し、標的菌を疑うコロニー数をカウントし、各菌種の菌数を算出した。標的細菌の選択培地は下記に示す。なお、培養はビフィズス菌、バクテロイデス菌は嫌気培養し、乳酸菌は微好気培養で、その他は通常の好気培養で行った(光岡知足、感染症学会雑誌、第45巻,第9号,p406−419(1971))。
(ii)使用した選択培地
1.ビフィズス菌:BL寒天培地(馬血液入り)
2.乳酸菌:MRS寒天培地
3.バクテロイデス菌:NBGT寒天培地
4.レンサ球菌:TATAC寒天培地
5.大腸菌:DHL寒天培地
6.ブドウ球菌:マンニット食塩寒天培地
7.好気性総菌:TSA血液寒天培地
(iii)腸内菌叢試験結果
Figure 2016144441
545日齢のソニア種の腸内菌叢試験を行った。いわゆる有用菌であるビフィズス菌、乳酸菌にはほとんど菌数の変化は認めなかった。また、レンサ球菌、大腸菌及び好気性総菌には変化はなかったが、日和見菌であるバクテロイデス菌は百分の一、有害菌のブドウ球菌は数十分の一に減少した。日和見菌は一般にストレス、体調不良の場合は有害菌として作用する。ヒト、ブタの場合、ストレスによってバクテロイデス菌は増殖する(須藤信行、福岡医誌、100,9,p298−304(2009))。また、糞中の高濃度のバクテロイデス属の菌は結腸癌と関与していると報告されている(W E Moore and L H Moore, Appl. Environ. Microbiol., September, 61, 9, p3202-3207 (1995))。
[実施例3]
<評価試験2>
鶏種ボリスブラウンについて評価試験1に準じて生産性評価を行った。
<飼育環境条件>
雛導入日:2014年4月2日
ケージ移動日:2014年8月20日
鶏種:ボリスブラウン(雌)
鶏舎:開放型ケージ鶏舎
評価試験期間:2014年8月21日から12月31日
60日齢に達したニワトリを試験区100羽、対照区100羽に群分けし、対照区のニワトリには基礎飼料(表1)を給餌した。試験区のニワトリには、基礎飼料(表1)に乳酸菌発酵組成物1(乾物)の粉砕物を基礎飼料量の2重量%添加した飼料(発酵飼料)を給餌した。生産性評価は実施例2と同様にして行った。
<生産性評価結果>
評価期間が短期間であったにもかかわらず、乳酸菌発酵組成物1を基礎飼料に2%配合した飼料の給餌によっても、試験区では対照区に比較して、2ポイント以上の産卵率の向上が認められた(表6)。
Figure 2016144441
本発明の乳酸菌発酵物を含む飼料は、安全性が高く、安価でかつ大量生産が可能である。この飼料を給餌することにより家禽等の鳥類のストレスを効果的に抑制し、腸内菌叢を改善し、また死亡率低下、正常産卵率増加、並びに破卵及び軟殻卵の減少等をもたらすことができ、その結果、安価なコストで多数の個体の鳥類について生産性を向上させることができる。したがって本発明は、生産性の高い鳥類飼育を実施するために非常に有利に用いることができる。

Claims (15)

  1. きのこ廃菌床を含む培養基で乳酸菌を培養して得られる乳酸菌発酵物を含む、鳥類生産性向上剤。
  2. 前記乳酸菌発酵物が、培養後に60℃以上で加熱し乾燥させたものである、請求項1に記載の鳥類生産性向上剤。
  3. ストレス抑制効果を有する、請求項1又は2に記載の鳥類生産性向上剤。
  4. 腸内菌叢改善効果を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤。
  5. 産卵能力改善及び/又は死亡率低下による生産性向上のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤。
  6. 乳酸菌が、ラクトバチルス属又はペディオコッカス属に属する乳酸菌の群から選択される1種以上の乳酸菌である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤。
  7. 乳酸菌が、ラクトバチルス・ファーメンタム又はペディオコッカス・ペントサセウスに属する乳酸菌の群から選択される1種以上の乳酸菌である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤。
  8. 乳酸菌が、ラクトバチルス・ファーメンタム キリシマ1R(受託番号NITE P−784)及びペディオコッカス・ペントサセウス キリシマ1C(受託番号NITE P−787)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤。
  9. 鳥類が家禽である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤。
  10. 家禽がニワトリである、請求項9に記載の鳥類生産性向上剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤を含む、鳥類飼料。
  12. 乾燥重量で前記乳酸菌発酵物が鳥類飼料の0.2〜10重量%となる量で、前記鳥類生産性向上剤を含む、請求項11に記載の鳥類飼料。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の鳥類生産性向上剤を、鳥類飼料に配合することを含む、鳥類生産性向上効果を有する鳥類飼料の製造方法。
  14. 請求項11又は12に記載の鳥類飼料を鳥類に給餌して飼育することを含む、鳥類の生産性を向上させる方法。
  15. 生産性の向上が、産卵能力改善及び/又は死亡率低下によるものである、請求項14に記載の方法。
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