JP2016144191A - 撮像装置およびその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体 - Google Patents

撮像装置およびその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で精度よく欠陥画素を検出する。【解決手段】撮像装置は、複数の画素が2次元状に配列された撮像素子と、前記撮像素子の画素のバンドギャップを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記バンドギャップが大きくなるように制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、撮像装置およびその制御方法に関する。
CMOSやCCDなどの固体撮像素子を用いて画像の撮影を行うデジタルカメラなどの撮像装置では、固体撮像素子の画素の一部に欠陥画素を含んでいる場合がある。
欠陥のない正常画素は、感光することで電気信号を生成し、受光量に応じた画素値を出力する。一方、欠陥画素は、感光していなくても電気信号を生成するため、受光量以外の不具合要素をも含む画素値を出力する。
このような欠陥画素対策として、特許文献1では、被写体画像の撮影後に遮光画像を撮影し、被写体画像から遮光画像の減算処理を行うことで、欠陥画素の影響を低減するように補正処理を行っている。
また、特許文献2には、撮像面を湾曲させた構造の撮像素子が提案されている。この撮像素子では、撮像面を湾曲させることで、撮像面の位置にかかわらずレンズから撮像面とほぼ直交する方向に入射してくる被写体からの光線を受光することが可能となる。
特開平8−18873号公報 特許第4604307号公報
しかしながら、上記特許文献1では、欠陥画素の検出精度を上げるためには遮光画像の電荷蓄積時間を長くする必要があるため、通常の画像撮影時のタイムラグが冗長になるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、短時間で精度よく欠陥画素を検出することができる技術を実現することである。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、画素が2次元状に配列された撮像素子と、前記撮像素子の画素のバンドギャップを制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記バンドギャップが大きくなるように制御する。
また、複数の画素が2次元状に配列された撮像素子と、前記撮像素子の湾曲率を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記湾曲率が小さくなるように制御する。
さらに、複数の画素が2次元状に配列された撮像素子と、前記撮像素子の湾曲率を制御する制御手段と、を有し、 前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記撮像素子に発生する暗電流が多くなるように前記湾曲率を制御する。
本発明によれば、欠陥画素を短時間で精度よく検出することができる。
本実施形態の撮像装置の構成を示すブロック図。 本実施形態の撮像素子の電気的な構成を示す回路図。 本実施形態の撮像素子のフォトダイオードの断面図。 本実施形態のエネルギーバンドの説明図。 本実施形態のフォトダイオードに発生した応力と暗電流との関係を示す図。 本実施形態の応力制御部の構成を示す図。 本実施形態による欠陥画素検出処理を示すフローチャート。 本実施形態による欠陥画素補正処理を示すフローチャート。 実施形態2による通常の画像撮影時の欠陥画素検出処理および欠陥画素補正処理を示すフローチャート。
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
[実施形態1]以下、本発明を、静止画や動画を撮影可能なデジタルカメラなどの撮像装置に適用した実施形態について説明する。なお、本発明は、撮像素子の画素のバンドギャップを制御可能、つまり画素ごとに発生する暗電流を制御可能な機能を有する他の装置にも適用可能である。
<装置構成>図1を参照して、本発明に係る実施形態の撮像装置の構成および機能の概略について説明する。
図1において、本実施形態の撮像装置は、光学系101、撮像素子102、撮像制御部103、前処理部104、信号処理部105、メモリ部106、表示部107、記録部108、操作部109、主制御部110および応力制御部111を有する。
光学系101は、被写体像を撮像素子102に結像させるフォーカスレンズ、光学的にズーミングを行うズームレンズ、被写体像の明るさを調整する絞り、露光を制御するシャッタを含む。
撮像素子102は、2次元状に配列された複数の画素と、各画素の画素信号を所定の順番で読み出す回路とを備える。
撮像制御部103は、主制御部110からの制御信号により動作し、定電圧や駆動能力を強化させたパルスを供給することで光学系101および撮像素子102の各要素を駆動する。また、撮像制御部103は、主制御部110からの制御信号に基づいて、撮像素子102の駆動モードを後述する通常の画像撮影モード(欠陥画素補正処理)または欠陥画素検出処理モードに切り替え設定する。
前処理部104は、主制御部110からの制御信号により動作し、アナログ信号である撮像素子102の出力信号に含まれるリセットノイズなどのノイズ成分を除去する相関2重サンプリング回路(CDS回路)、ノイズが除去された出力信号の振幅を調整するゲインコントールアンプ、および、振幅が調整されたアナログ信号である出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路などを含む。
信号処理部105は、主制御部110からの制御信号により動作し、前処理部104から出力されるデジタル信号に対して色変換処理やガンマ補正処理、欠陥画素の検出処理や補正処理などを行い、圧縮処理を行って画像データを生成する。また、信号処理部105は、画像データをメモリ部106や記録部108へ出力したり、メモリ部106や記録部108から読み出した画像データに信号処理を施す。さらに、信号処理部105は、撮像素子102からの信号から合焦状態や露光量等の測光データを検出し、主制御部110に出力する機能も有する。
メモリ部106は、主制御部110からの制御信号に基づいて、前処理部104から出力されるデジタル信号や信号処理部105から出力される画像データを一時的に記憶する。また、信号処理部105は、表示用の画像データを表示部107へ出力する。
表示部107は、例えば電子ビューファインダー(EVF)や液晶ディスプレイ(LCD)が用いられ、主制御部110からの制御信号に基づいてメモリ部106に記憶された表示用の画像データを表示する。ユーザは、表示部107に表示された画像を見ながら、撮影前の構図決めや撮影後の画像の確認を行うことができる。
記録部108は、主制御部110からの制御信号に基づいて、信号処理部105から出力される画像データを記録したり、既に記録されている画像データが読み出される。記録部108は、撮像装置に装着されるメモリカードやハードディスクドライブなどであっても良いし、撮像装置に内蔵されたフラッシュメモリやハードディスクドライブであってもよい。また、上述したメモリ部106と同一の構成としもよい。
操作部109は、撮像装置100への各種指示を入力するためのユーザ操作を受け付ける操作手段であり、ボタンやスイッチなどの物理的な操作部材や、タッチパネルを通じたオンスクリーンでの入力手段など様々な形態が利用可能である。操作部109は、例えば、画像の撮影時や再生時の各種設定を行うメニュースイッチ、ズーム動作を指示するズームレバー、撮影モードや再生モードなどの動作モードの切替スイッチ、シャッタースイッチ、電源スイッチなどを含む。主制御部110は、ユーザが操作部109を介して入力した指示や設定に基づいて撮像装置を制御すると共に、表示部107に設定情報や動作状態、画像などを表示する。
主制御部110は、CPU、メインメモリ(RAM)、入出力回路、タイマー回路などを有し、CPUがメモリ部106に格納されたプログラムをRAMの作業エリアに展開し、実行することにより、装置全体の動作を制御する。なお、メインメモリとメモリ部106とを同一の構成としもよい。
主制御部110は、操作部109からの指示により、例えば信号処理部105で得られた合焦状態や露光量等の測光データに応じて、光学系101を制御して、最適な被写体像を撮像素子102に結像させる。また、主制御部110は、操作部109からの指示や予め決められた撮影条件に応じて応力制御部111へ制御信号を出力し、制御信号を受けた応力制御部111は、撮像素子102に外力を加えて所定の応力を発生させる。さらに、主制御部110は、メモリ部106や記録部108の使用状況を監視することもできる。
応力制御部111は、主制御部110からの制御信号に応じて動作し、後述するように撮像素子102に加える外力を発生する。
本実施形態の撮像装置の動作は、下記のように行うものとする。
<表示画像の制御>
(1)操作部109の電源スイッチからの指示により電源がオンする。
(2)信号処理部105で、撮像素子102からの出力信号を表示用の画像データに変換して、表示部107に表示すると共に、測光データを検出し、主制御部110に出力する。
(3)測光データを元にして、主制御部110が光学系101を制御する。
(4)(2)および(3)を繰り返すとともに、操作部109からの指示を待つ。
<静止画撮影の制御>
(1)操作部109の撮影スイッチからの指示により静止画撮影の制御が始まる。
(2)信号処理部105で、撮像素子102からの出力信号から測光データを検出し、主制御部110に出力する。
(3)測光データを元にして、主制御部110が光学系101を制御する。
(4)撮像素子102において、静止画記録用の露光と信号の出力を行う。
(5)信号処理部105で、撮像素子102からの出力信号を記録用の画像データに変換して、記録部108に出力し、記録すると共に、表示用の画像データに変換して、表示部107に表示する。
(6)表示画像の制御に戻る。

<撮像素子>次に、図2を参照して、本実施形態の撮像素子102の詳細な構成について説明する。
図2は、本実施形態の撮像素子102の電気的な構成を示す回路図である。なお、図2では説明の簡略化のために、単位画素201を4行×4列のみ示しているが、実際には多数の単位画素201が2次元状に配置されている。
図2において、単位画素201は、フォトダイオード(PD)202、転送スイッチ203、フローティングディフュージョン(FD)204、ソースフォロアとして機能する増幅MOSアンプ205、選択スイッチ206、リセットスイッチ207を備える。PD202に入射した光が電荷に変換される。PD202で発生した電荷は転送スイッチ203をオンすることによりFD204に転送され、一時的に蓄積される。FD204、増幅MOSアンプ205、及び増幅MOSアンプ205の負荷となる定電流源209によりフローティングディフュージョンアンプが構成され、選択スイッチ206をオンすることで選択された画素の信号電荷は電圧に変換され、信号出力線208を介して読み出し回路213に出力される。さらに、水平走査回路214により駆動される選択部210によって出力する信号が選択され、出力アンプ211を介して画素信号が出力される。FD204に蓄積された電荷は、リセットスイッチ207をオンすることにより除去される。また、垂直走査回路212は、転送スイッチ203、選択スイッチ206、リセットスイッチ207の各々をオンオフ制御するための転送信号φTX、選択信号φSEL、リセット信号φRESを出力する。
<欠陥画素と暗電流との関係>次に、図3および図4を参照して、欠陥画素と暗電流との関係について説明する。
欠陥画素と、欠陥の無い正常画素との違いは、画素内で発生する暗電流量が異なることである。
欠陥画素は、正常画素と比較して画素内で発生する暗電流量が多く、また、発生した暗電流は光電変換した被写体像と共に画素信号に変換されるため、被写体像信号に暗電流によるノイズ信号を含んだ画素信号値を出力する。
暗電流の発生要因は幾つかあるが、主な暗電流の発生箇所を図3に示す。図3は、フォトダイオード(PD)202の断面図である。
図3において、p基板301は、撮像素子102の基板となるP型半導体から形成されている。ここではp型シリコンとして説明する。
n型半導体領域302は、p基板301に、n型不純物原子を添加して形成された領域である。
酸化膜303は、PD202の表面を保護するための保護膜である。
空乏層304は、p基板301とn型半導体領域302との間に発生した、移動できる電荷が存在しない領域である。
暗電流の発生しやすい領域305は、p基板301、n型半導体領域302との境界にある、結晶構造の乱れた、電子が捕獲されやすい領域となる。
次に、暗電流の発生原理について説明する。
結晶欠陥による暗電流の発生しやすい領域305のX−X’のエネルギーバンドを図4(a)に示す。
図4(a)において、n型半導体領域401は、図3のn型半導体領域302を示している。p基板402は、図3のp基板301を示している。空乏層403は、図3の空乏層304を示している。伝導帯404は、電子が自由に移動できる領域である。なお、伝導帯404に発生した電子は、n型半導体領域401に蓄積される。バンドギャップ405は、電子が存在しない領域である。価電子帯406は、電子が満たされており、電子が自由に移動できない領域である。準位407は、フェルミ順位である。準位408は、空乏層403のバンドギャップ405に存在する結晶欠陥に起因するエネルギー準位である。グランド409はp基板に接続されている。
ΔE0はバンドギャップ405の幅を示している。ΔE1は価電子帯406から結晶欠陥に起因するエネルギー準位408まで電子が移動するのに必要なエネルギーを示している。ΔE2は結晶欠陥に起因するエネルギー準位408から伝導帯404まで電子が移動するのに必要なエネルギーを示している。
暗電流は、結晶欠陥に起因するエネルギー準位408があることで発生する。具体的には、空乏層403の結晶欠陥に起因するエネルギー準位408を経由して、価電子帯406から伝導帯404へ電子が放出される。このとき伝導帯404へ放出される電子が暗電流となる。
伝導帯404へ放出された電子は、空乏層403からn型半導体領域401へ移動し蓄積される。一方、電子の移動によって価電子帯406に発生したホールはp基板402へ移動し、グランド409へ流れる。
図4(a)では、結晶欠陥に起因するエネルギー準位408が存在することで暗電流が発生することを説明した。しかしながら、図4(b)のように、結晶欠陥に起因するエネルギー準位418が存在しても、バンドギャップが広い場合は、発生する暗電流が少なくなることが分かっている。
図4(b)は図4(a)と同じ構成でバンドギャップが広い場合を示している。
図4(b)において、n型半導体領域411は、図3のn型半導体領域302を示している。p基板412は、図3のp基板301を示している。空乏層413は、図3の空乏層304を示している。伝導帯414は、電子が自由に移動できる領域である。伝導帯414に発生した電子は、n型半導体領域411に蓄積される。バンドギャップ415は、電子が存在しない領域である。価電子帯416は、電子が満たされており、電子が自由に移動できない領域である。準位417は、フェルミ順位である。準位418は、空乏層403のバンドギャップ415に存在する結晶欠陥に起因するエネルギー準位である。グランド419はp基板に接続されている。
ΔE0’はバンドギャップ415の幅を示している。ΔE1’は価電子帯416から結晶欠陥に起因するエネルギー準位418まで電子が移動するのに必要なエネルギーを示している。ΔE2’は結晶欠陥に起因するエネルギー準位418から伝導帯414まで電子が移動するのに必要なエネルギーを示している。
図4(a)と(b)を比較した場合、以下の式1〜3が成り立つ。
ΔE0’ > ΔE0・・・(1)
ΔE1’ > ΔE1・・・(2)
ΔE2’ > ΔE2・・・(3)
図4(a)のバンドギャップ405から、図4(b)のバンドギャップ415のようにバンドギャップ幅が広がることによって、式1〜式3に示すように、価電子帯から伝導帯へ電子の移動に必要なエネルギーΔE1、ΔE2がΔE1’、ΔE2’へ大きくなる。
次に、暗電流の発生を抑制する方法について説明する。
暗電流は、結晶欠陥に起因するエネルギー準位408を経由した、価電子帯406から伝導帯404への電子の移動であることを、図4(a)を用いて説明した。
また、エネルギー準位408を経由した、価電子帯406から伝導帯404への電子の移動しにくくなることを、図4(b)を用いて説明した。
つまり、バンドギャップ405の幅を制御できれば暗電流量が制御可能となる。
このバンドギャップ405の幅を制御する方法のひとつに、PD202に加える外力を制御して、PD202に発生する応力を制御することが挙げられる。
バンドギャップの幅が、PD202に発生する応力の大きさに応じて変化することがわかっており、その結果、暗電流量が変化する。
図5にPD202に発生した応力と暗電流量の関係を示し、横軸は撮像素子に加える力で、縦軸はPD202に発生する暗電流量を対数軸で表したものである。
例えば、PD202に外力を加えて応力F1が発生したとき、PD202の暗電流はN1となる。
また、別の力を加えて応力F2が発生したとき、PD202の暗電流はN2となる。
図5によると、PD202に発生する応力と暗電流量の関係は、下記式4、5のようになる。
F1 < F2・・・(4)
N1 > N2・・・(5)
このことから、PD202に発生する応力が大きいほど暗電流が減少することがわかる。
<応力制御部>次に、図6を参照して、撮像素子102に外力を加える応力制御部111の構成について説明する。
撮像素子102に外力を加える方式として、磁力や温度、負圧を用いた方法などがある。そこで、本実施形態のバンドギャップの制御では、負圧を用いて撮像素子102に引っ張り方向の外力を加える方法について説明する。
なお、撮像素子102のバンドギャップを制御する方法は本例に限らず、別の方法で実現してもよい。
図6は撮像素子102に外力を加える応力制御機構の構成を示し、(a)は力を加えていない状態、(b)は力を加えている状態をそれぞれ示している。
図6(a)において、撮像素子601は、中央部分に複数の単位画素201が2次元状に配列された撮像領域を有し、周辺部分に図2の各回路部209〜215を有する半導体基板である。保持部602は、撮像素子601を第1の湾曲率で湾曲させた状態で保持している。蓋部603は、保持部602と接合している。空間部604は、撮像素子601、保持部602、蓋部603、吸引部605で囲まれた密閉空間であり、内部には気体または液体が充てんされている。
吸引部605は、空間部604から媒体を排出したり、反対に導入することができる。すなわち、空間部604内の媒体は吸引部605を通じて内外に出し入れされる。
空間部604に対する媒体の導入量および排出量を制御することで、空間部604内の圧力を変化させ、撮像素子601に加える外力を制御することができる。
このとき、図6(a)の撮像素子601の画素部には応力F1が発生しており、欠陥画素検出状態とする。この状態から吸引部605により空間部604内の媒体を吸引・排出し、撮像素子601に応力を発生させた状態を図6(b)に示す。
図6(b)では、撮像素子601に下方向の力が加わることで、撮像素子601が撮像素子601’のように変形し、第1の湾曲率よりも大きい第2の湾曲率で湾曲した状態になる。
このとき、図6(b)の撮像素子601’の画素部には応力F2が発生しており、通常の画像を撮影する通常の撮像モード時の状態である。
なお、図5で説明したように、撮像素子に発生する応力が大きくなると暗電流が減少するため、撮像素子601’の状態では撮像素子601の状態と比較して暗電流が少なくなっている。
<欠陥画素検出・補正処理>以下に、図7および図8を参照して、本実施形態の欠陥画素検出処理および欠陥画素補正処理について説明する。
なお、図7および図8に示す処理は、主制御部110と応力制御部111が協働し、主制御部110のCPUは、メモリ部106から読み出したプログラムをメインメモリに展開して実行することで実現される。後述する図9の実施形態2の処理についても同様である。
本実施形態では、通常の撮像モード時に行われる欠陥画素補正処理に先だって欠陥画素検出処理を行い、その欠陥画素検出結果を用いて欠陥画素補正処理を行う。具体的には、主制御部110は、応力制御部111を制御して、欠陥画素検出処理において撮像素子102に図5のF1の応力が発生するように外力を加えて第1の湾曲率で湾曲させる。また、通常の撮像モード時の欠陥画素補正処理においては、撮像素子102に図5のF2の応力が発生するように外力を加えて第2の湾曲率で湾曲させる。すなわち、欠陥画素検出モード時の第1の湾曲率が通常の撮像モード時の第2の湾曲率よりも小さくなるように制御する。その結果、欠陥画素検出処理モード時の暗電流はN1、通常の撮像モード時の暗電流はN2となる。これは、通常の画像を撮影する通常の撮像モード時の暗電流N2が欠陥画素検出処理モード時の暗電流N1より少ないことを意味し、言い換えると、欠陥画素検出処理モード時は通常の画像撮影モード時よりも暗電流が多くなるため、欠陥画素検出精度が高くなることを意味する。
図7は、本実施形態による欠陥画素検出処理を示すフローチャートである。
ステップS701では、主制御部110は、応力制御部111の吸引部605を制御して撮像素子102に外力を加えて第1の湾曲率で湾曲させ、欠陥画素検出処理モード時の応力F1をPD202に発生させる。
ステップS702では、主制御部110は、撮像制御部103に対して撮像素子102の駆動モードを欠陥画素検出処理モードに設定する。ここで、主制御部110は、遮光画像を撮影するための撮影条件を設定する。ここで、撮像素子102の電荷蓄積時間が長いほど、欠陥画素の検出精度を上げることができるが、欠陥画素が十分検出できるのであれば、撮影タイムラグ短縮を目的に電荷蓄積時間を短くしてもよい。
ステップS703では、主制御部110は、撮像制御部103を制御して撮像素子102から画素信号を読み出す。
ステップS704では、主制御部110は、信号処理部105を制御して、撮像素子102から読み出した画素信号(前処理部104で処理されたデジタル信号)に対して欠陥画素の検出を行い、検出結果を記録する。欠陥画素の検出は、撮像素子102から読み出した画素信号に対してフィルタ処理を行って画素信号と暗電流によるノイズ信号とに分離し、欠陥画素の暗電流量に応じたノイズ信号レベルを閾値と比較することにより行う。そして、検出された欠陥画素の座標情報はメモリ部106に記録され、通常の画像を撮影する通常の撮像モード時の欠陥画素補正処理に利用される。
図8は、本実施形態による通常の画像撮影モード時の欠陥画素補正処理を示すフローチャートである。
ステップS801では、主制御部110は、応力制御部111の吸引部605を制御して撮像素子102に外力を加えて第2の湾曲率で湾曲させ、通常の撮像モード時の応力F2をPD202に発生させる。これにより、ステップS801では、ステップS701よりもPD202のバンドギャップが広がり、図7の欠陥画素検出処理モード時と比較して撮像素子102の欠陥画素に発生する暗電流が減少する。
ステップS802では、主制御部110は、撮像制御部103に対して撮像素子102の読み出しモードを通常の撮像モードに設定する。ここで、主制御部110は、被写体画像を撮影するための露出条件を設定する。
ステップS803では、主制御部110は、撮像制御部103を制御して撮像素子102から画素信号を読み出す。
ステップS804では、主制御部110は、ステップS704で検出・記録した欠陥画素の座標情報に基づいて、撮像素子102から読み出した画素信号について欠陥画素の補正を行う。
以上のように、本実施形態によれば、欠陥画素を短時間で精度よく検出することができる。
[実施形態2]次に、実施形態2について説明する。
上述した実施形態1の欠陥画素検出処理により撮像素子102のほとんどの欠陥画素が検出可能である。
しかしながら、長秒蓄積時間や高温条件などの特殊な撮影条件を含めると、実施形態1の欠陥画素検出処理だけでは撮影画像の全ての欠陥画素が検出できるわけではない。また、実施形態1の欠陥画素検出後に外部要因で欠陥画素が発生することもある。
このような課題に対して、従来は、通常の画像撮影直後に遮光画像を撮影し、得られた遮光画像から欠陥画素検出を行い、被写体画像の欠陥画素補正を行っていた。
しかしながら、欠陥画素の検出精度を上げるためには遮光画像の電荷蓄積時間を長くする必要があり、また、遮光画像と被写体画像とで同じ電荷蓄積時間が必要になるため、通常の画像撮影時のタイムラグが冗長になるおそれがある。
本実施形態では、通常の画像撮影後に欠陥画素検出処理モードに切り替えて遮光画像を撮影し、欠陥画像検出処理を行うことにより、通常の画像撮影時のタイムラグが冗長にならずに被写体画像を撮影することができるようになる。
図9は、実施形態2の画像撮影時の欠陥検出・補正処理を示すフローチャートである。
ステップS901では、図8のステップS801と同様に、主制御部110は、応力制御部111の吸引部605を制御して撮像素子102に外力を加えて第2の湾曲率で湾曲させ、通常の撮像モード時の応力F2をPD202に発生させる。これにより、ステップS905の欠陥検出処理モード時よりもPD202のバンドギャップが広がり、撮像素子102の画素ごとに発生する暗電流が減少し、暗電流によるノイズの影響を低減できる。
ステップS902では、ステップS802と同様に、主制御部110は、撮像制御部103に対して撮像素子102の読み出しモードを通常の撮像モードに設定する。
ステップS903では、ステップS803と同様に、主制御部110は、撮像制御部103を制御して撮像素子102から画素信号を読み出す。
ステップS904では、主制御部110は、撮像制御部103を制御して光学系101に含まれるメカニカルシャッターを閉じることにより撮像素子102を遮光する。
次に、ステップS905では、図7のステップS701と同様に、主制御部110は、応力制御部111の吸引部605を制御して撮像素子102に外力を加えて第1の湾曲率で湾曲させ、欠陥画素検出処理モード時の応力F1をPD202に発生させる。これにより、ステップS901の通常の撮像モード時よりもPD202のバンドギャップが狭まる。その結果、撮像素子102の欠陥画素に発生する暗電流がステップS901の通常の画像撮影モード時よりも多くなり、欠陥画素の信号値が通常の画像撮影モード時よりも高い値となるため、欠陥画素を精度よく検出できる。
ステップS906では、ステップS702と同様に、主制御部110は、撮像制御部103に対して撮像素子102の駆動モードを欠陥画素検出処理モードに設定する。ここで、電荷蓄積時間を長く設定することで、より欠陥画素の検出精度を上げることができる。また、撮影時のタイムラグを短縮するため、ある程度の検出精度が保持できる範囲で蓄積時間を短くしてもよい。
ステップS907では、ステップS703と同様に、主制御部110は、撮像制御部103を制御して撮像素子102から画素信号を読み出す。
ステップS908では、ステップS704と同様に、主制御部110は、ステップS907で撮像素子102から読み出した遮光画像の画素信号から欠陥画素の検出を行う。
ステップS909では、ステップS804と同様に、主制御部110は、ステップS908で検出した欠陥画素の座標情報に基づいて、ステップS903で撮像素子102から読み出した被写体画像の画素信号について欠陥画素の補正を行う。
以上のように、実施形態2によれば、実施形態1の効果に加えて、画像撮影時のタイムラグが冗長にならないような欠陥画素検出処理を実現できる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
102…撮像素子、103…撮像制御部、104…前処理部、105…信号処理部、106…メモリ部、110…主制御部、111…応力制御部

Claims (14)

  1. 複数の画素が2次元状に配列された撮像素子と、
    前記撮像素子の画素のバンドギャップを制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記バンドギャップが大きくなるように制御することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮像素子に外力を加える応力制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記応力制御手段により前記撮像素子の各画素に応力を発生させることで前記バンドギャップを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 複数の画素が2次元状に配列された撮像素子と、
    前記撮像素子の湾曲率を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記湾曲率が小さくなるように制御することを特徴とする撮像装置。
  4. 複数の画素が2次元状に配列された撮像素子と、
    前記撮像素子の湾曲率を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う場合に、通常の撮像を行う場合よりも前記撮像素子に発生する暗電流が多くなるように前記湾曲率を制御することを特徴とする撮像装置。
  5. 前記撮像素子の画素に発生する暗電流に基づいて前記欠陥画素検出処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 通常の撮像を行う場合に前記欠陥画素検出処理により検出された欠陥画素を補正する処理を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記欠陥画素検出処理は、通常の撮像に先だって行われることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像素子を遮光した状態で遮光画像を撮影し、当該遮光画像を用いて撮影された画像の欠陥画素検出処理を行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記欠陥画素検出処理を行う場合の撮像素子の電荷蓄積時間が前記通常の撮像を行う場合よりも長く設定されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 複数の画素が2次元状に配列された撮像素子を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像素子の画素のバンドギャップを制御する制御ステップと、
    前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う検出ステップと、を有し、
    前記制御ステップでは、前記検出ステップで前記欠陥画素検出処理を行う場合に通常の撮像を行う場合よりも前記バンドギャップが大きくなるように制御することを特徴とする制御方法。
  11. 複数の画素が2次元状に配列された撮像素子を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像素子の湾曲率を制御する制御ステップと、
    前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う検出ステップと、を有し、
    前記制御ステップでは、前記検出ステップで前記欠陥画素検出処理を行う場合に通常の撮像を行う場合よりも前記湾曲率が小さくなるように制御することを特徴とする制御方法。
  12. 複数の画素が2次元状に配列された撮像素子を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像素子の湾曲率を制御する制御ステップと、
    前記撮像素子の欠陥画素検出処理を行う検出ステップと、を有し、
    前記制御ステップでは、前記検出ステップで前記欠陥画素検出処理を行う場合に通常の撮像を行う場合よりも前記撮像素子に発生する暗電流が多くなるように前記湾曲率を制御することを特徴とする制御方法。
  13. コンピュータを、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  14. コンピュータを、請求項1ないし9のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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