JP2016143736A - 蓄電デバイスの電極体 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電性能の向上のための加圧時に、電極ずれの発生を抑制しつつ、均等な面圧を受けることができる、電極体を提供する。【解決手段】電極体は、正極11と負極12とをそれらの間にセパレータ13を挟んで積層した積層構造を有している。セパレータ13は、平面視において、正極11および負極12の所定方向の両側に、正極11および負極12からはみ出る部分16を有している。当該部分16は、互いに重なり合い、正極11および負極12を挟まずに互いに対向する対向部分となっている。この対向部分16に接着剤層17が設けられており、その接着剤層17により、互いに重なり合う対向部分16が接合されている。【選択図】図3

Description

本発明は、キャパシタなどの蓄電デバイスに備えられる電極体に関する。
自動車などの車両には、メインバッテリとして搭載されている鉛電池に加え、回生電力を蓄えておくためのサブバッテリ(補助電源)として、大電力を充放電可能なキャパシタが搭載され始めている。
たとえば、ラミネート型のキャパシタ(ラミネートセル)は、1対のラミネートシート間に、セパレータを挟んで正極および負極が交互に積層された構造の電極体を備えている。ラミネートシートの周縁部は、全周にわたって溶着されており、電極体は、ラミネートシート間に、電解液に浸漬した状態で封入されている。
かかる構成のキャパシタでは、電極体を均等な面圧で積層方向に加圧(拘束)することにより、その蓄電性能を高めることができる。電極体を加圧するため、たとえば、2枚の拘束板が用いられる。2枚の拘束板により、キャパシタが電極体の積層方向の両側から挟まれる。そして、一方または両方の拘束板がキャパシタに向けて押圧され、各拘束板の互いに対向する面からキャパシタが圧力を受ける。
実開平4−124748号公報
ところが、図4に示されるように、電極体91が正極92、負極93およびセパレータ94を積層した構造を有しているので、キャパシタが拘束板から受ける圧力の向きがその積層方向に対して傾斜していると、正極92と負極93とに相対的なずれ(電極ずれ)が発生するおそれがある。
そこで、積層構造を有する電極体91を細長い帯状のシールテープ95で止めておくことが考えられる。たとえば、電極体91の所定方向の各側面における2箇所で、シールテープ94の一端部を電極体91の積層方向の一方面96に回り込ませて貼着し、その他端部を他方面97に回り込ませて貼着する。これにより、電極ずれの発生を抑制することができる。
しかしながら、電極体91の積層方向の一方面96および他方面97に、それぞれシールテープ94の端部による突起98,99が生じる。そのため、キャパシタが各拘束板の互いに対向する面から圧を受けるときに、突起98,99が生じている部分に局所的に高い圧を受ける。その結果、電極体91が均等な面圧で加圧されず、キャパシタの蓄電性能(品質)にばらつきが発生する。
本発明の目的は、蓄電性能の向上のための加圧時に、電極ずれの発生を抑制しつつ、均等な面圧を受けることができる、蓄電デバイスの電極体を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る蓄電デバイスの電極体は、正極と負極とがセパレータを挟んで交互に積層される積層構造を有し、セパレータには、正極および負極を挟まずに互いに対向する対向部分が設けられており、当該対向部分は、接着剤層を介して接合されている。
この構成によれば、セパレータに接着剤層が設けられており、その接着剤層により、互いに重なり合うセパレータが接合されている。
そのため、蓄電性能の向上のための加圧時に、正極と負極とが相対的にずれること(電極ずれの発生)を抑制できる。したがって、電極体をシールテープで止めておく必要をなくすことができ、電極体の積層方向の一方面および他方面にシールテープの端部による突起が生じることをなくすことができる。その結果、蓄電性能の向上のための加圧時に、電極体が均等な面圧を受けることができ、その加圧により、蓄電性能を向上させることができる。
また、正極、負極およびセパレータによる積層構造を作成した後に、その積層構造物にシールテープを貼着する工程が不要であるので、電極体を簡素な工程で製造することができる。その結果、工業化に適した電極体を提供することができる。
本発明によれば、蓄電性能の向上のための加圧時に、電極ずれの発生を抑制しつつ、均等な面圧を受けることができる。また、正極、負極およびセパレータによる積層構造を作成した後に、その積層構造物にシールテープを貼着する工程が不要であるので、電極体を簡素な工程で製造することができる。
本発明の一実施形態に係るキャパシタの構成を図解的に示す断面図である。 電極体の図解的な側面図である。 電極体の図解的な平面図である。 従来の電極体の構成を図解的に示す断面図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るキャパシタ1の構成を図解的に示す断面図である。
キャパシタ1は、ラミネート型のキャパシタであり、たとえば、ラミネート型のリチウムイオンキャパシタである。キャパシタ1は、1対のラミネートシート2間に、電極体3を備えている。ラミネートシート2は、アルミニウム基材の表面を絶縁性の樹脂で被覆してなるシートである。ラミネートシート2の周縁部4は、全周にわたって溶着されており、電極体3は、ラミネートシート2間に、電解液に浸漬した状態で封入されている。
図2は、電極体3の図解的な側面図である。図3は、電極体3の図解的な平面図である。
電極体3は、正極11と負極12とをそれらの間にセパレータ13を挟んで積層した積層構造を有している。電極体3は、正極11および負極12ならびにそれらの間のセパレータ13を1組として、たとえば、20〜50組の正極11、負極12およびセパレータ13を備えている。電極体3の最上層および最下層は、セパレータ13からなる。
正極11は、長辺および短辺を有する矩形シート状に形成されており、集電体(集電泊)の両面にその長手方向(長辺に沿う方向)の一端部14を除いて活物質層を設けた構成を有している。各正極11の一端部14は、長手方向の一方側で重なり合い、ラミネートシート2の外部に引き出された正極タブ5(図1参照)と電気的に接続されている。
負極12は、正極11と略同形状を有するシート状に形成されている。負極12は、正極11と同様に、集電体の両面にその長手方向の一端部15を除いて活物質層を設けた構成を有している。負極12の活物質層は、正極11の活物質層とほぼ同じ寸法に形成されている。負極12は、その活物質層が正極11の活物質層と重なり合い、活物質層が形成されていない一端部15が正極11における活物質層が形成されていない一端部14と反対側に位置するように配置されている。そして、各負極12の一端部15は、重なり合って、ラミネートシート2の外部に引き出された負極タブ6(図1参照)と電気的に接続されている。
セパレータ13は、矩形シート状に形成され、正極11および負極12の長手方向において、正極11および負極12の各活物質層とほぼ同じ寸法を有し、正極11および負極12の短辺に沿う方向(短手方向)において、正極11および負極12の短辺よりも長い寸法を有している。セパレータ13は、正極11および負極12の各活物質層と重なり合うように配置され、正極11および負極12の各活物質層が接触し合わないように、各活物質層を分離している。
これにより、セパレータ13は、平面視において、正極11および負極12の短手方向の両側に、正極11および負極12からはみ出る部分16を有している。当該部分16は、互いに重なり合い、正極11および負極12を挟まずに互いに対向する対向部分となっている。
セパレータ13の各対向部分16には、接着剤層17が設けられている。接着剤層17は、対向部分16の一方面に接着剤を塗布することにより形成されている。接着剤には、加熱により溶融して接着剤として機能する材料、たとえば、ポリエチレンまたはポリプロピレンが使用される。接着剤層17の厚みは、15μm〜50μmであり、正極11および負極12の厚みより小さい。
正極11、負極12およびセパレータ13を積層する際には、正極11、負極12およびセパレータ13を位置決め可能な治具が使用される。正極11、負極12およびセパレータ13が積層された後、加熱プレス機により、その積層構造物が積層方向から加熱および加圧される。これにより、接着剤層17に使用されている接着剤が溶融して、互いに重なり合うセパレータ13の対向部分16が接合される。
正極11および負極12の厚みは、接着剤層17の厚みより大きい。そのため、蓄電性能の向上のためにキャパシタ1が加圧される際に、正極11および負極12への加圧を接着剤層17が阻害することを抑制できる。
加熱温度は、正極11および負極12に使用されているバインダ樹脂が溶融しない温度であって、接着剤層17に使用されている接着剤が溶融する温度が好ましい。接着剤層17に、ポリエチレンまたはポリプロピレンが使用され、正極11および負極12に使用されているバインダ樹脂にポリフッ化ビニリデン(PVdF)が使用されている場合、100℃〜120℃が好ましい。
以上のように、セパレータ13の対向部分16に接着剤層17が設けられており、その接着剤層17により、互いに重なり合う対向部分16が接合されている。
そのため、蓄電性能の向上のための加圧時に、正極11と負極12とが相対的にずれること(電極ずれの発生)を抑制できる。したがって、電極体3をシールテープで止めておく必要をなくすことができ、電極体3の積層方向の一方面および他方面にシールテープの端部による突起が生じることをなくすことができる。その結果、蓄電性能の向上のための加圧時に、電極体3が均等な面圧を受けることができ、その加圧により、蓄電性能を向上させることができる。
また、正極11、負極12およびセパレータ13による積層構造を作成した後に、その積層構造物にシールテープを貼着する工程が不要であるので、電極体3を簡素な工程で製造することができる。その結果、工業化に適した電極体3を提供することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、本発明は、リチウムイオンキャパシタに限らず、電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric Double-Layer Capacitor)など他の種類のキャパシタに適用することも可能であり、また、ニッケル水素(Ni−MH:Nickel Metal Hydride)電池、リチウムイオン電池などの電池に適用することも可能である。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 キャパシタ
3 電極体
11 正極
12 負極
13 セパレータ
16 対向部分
17 接着剤層

Claims (1)

  1. 正極と負極とがセパレータを挟んで交互に積層される積層構造を有し、
    前記セパレータには、前記正極および前記負極を挟まずに互いに対向する対向部分が設けられており、
    当該対向部分は、接着剤層を介して接合されている、蓄電デバイスの電極体。
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