JP2016142330A - ダンパ機能付ストッパ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体の運動を規制する機構として、移動体の移動範囲を規制するストッパ機能と、移動体に対しダンパとして働く機能を持たせることである。【解決手段】ダンパ機能付ストッパ機構10は、シリンダ空間14を内部に有する筐体12と、シリンダ空間14の内壁面16に案内されてストローク範囲S内で摺動する移動体であるピストン20と、シリンダ空間14においてピストン20で仕切られる第1気体圧室31と第2気体圧室32にそれぞれ設けられる第1連通穴33と第2連通穴34に供給圧力PSの気体が供給される気体供給路50と、を備え、第1連通穴33と第2連通穴34は、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、ダンパ機能付ストッパ機構に係り、特に、移動体の移動範囲を規制するストッパ機構であって、所定の移動範囲においては移動体に対しダンパとして働くダンパ機能付ストッパ機構に関する。
本発明に関連する技術として、特許文献1には、乗り物のサスペンションのアンチローリングバーが述べられている。アンチローリングバーは、両端が車輪ホルダに固定されるU字形の素子で、U字形の中央バー部の両側の2箇所がベアリングで乗り物のシャーシに取り付けられる。
特開平9−218122号公報
車両のローリングを抑制するアンチローリングバーは軸部材であって、ローリングによる車体の左右両側の変位のそれぞれを軸の両端に印加することで、軸の捩じりに変換する。軸は捩じり剛性を有するので、車体による捩じりトルクに釣り合うまで捩られる。これにより車体のローリング運動が抑制される。
車両のアンチローリングバーに用いられるストッパ機構としては、台車のローリングの程度が大きいときはローリングに対する反力を受け止めるストッパ機構として働いてほしい。これに対し台車のローリングの程度が小さいときはダンパとして働いてほしい。このように、移動体の変位が大きいときは反力を受け止めるストッパ機構として働き、移動体の変位が小さいときはダンパとして働くことは、従来のピストンシリンダ機構では不可能である。
本発明の目的は、移動体の移動範囲を規制でき、移動体の変位が大きいときは反力を受け止めるストッパ機構として働き、移動体の変位が小さいときはダンパとして働くダンパ機能付ストッパ機構を提供することである。他の目的は、移動体の変位がストローク範囲の最大値に近づくほど受け止める反力が大きくなるダンパ機能付ストッパ機構を提供することである。他の目的は、移動体がストローク範囲内の予め定めた範囲内で移動するときは移動体が受ける反力をゼロにすることができるダンパ機能付ストッパ機構を提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構は、軸方向に沿ったシリンダ空間を内部に有するシリンダ筐体と、シリンダ空間の内壁面に案内されて予め定められたストローク範囲で軸方向に摺動する移動体であるピストンと、シリンダ空間においてピストンで仕切られる第1流体圧室と第2流体圧室にそれぞれ開口する第1連通端部と第2連通端部に予め定めた供給圧力の流体が供給される流体供給路と、を備え、第1連通端部と第2連通端部は、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に設けられることを特徴とする。
本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構において、第2連通端部は、第2流体室におけるピストンのストローク端の壁部に設けられ、第1連通端部と第2連通端部の間の軸方向の長さはピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定されることが好ましい。
本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構は、軸方向に沿ったシリンダ空間を内部に有するシリンダ筐体と、シリンダ空間の内壁面に案内されて予め定められたストローク範囲で軸方向に摺動する移動体であるピストンと、シリンダ空間においてピストンで仕切られる第1流体圧室と第2流体圧室との間を高圧側から低圧側のみに流体が流れるように互いに向かい合う逆止弁で接続して、向かい合う逆止弁の接続点に予め定めた供給圧力の流体が供給される流体供給路と、シリンダ空間に開口する第1連通端部と第2連通端部の間を連通する連通路と、を備え、第1連通端部と第2連通端部は、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に設けられることを特徴とする。
本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構は、ピストンシリンダ機構を基本形とするものであって、移動体であるピストンの移動範囲はシリンダ空間の軸方向の両端壁面で制限され、それ以上は移動できないストッパ機能を有する。
また、シリンダ空間において移動体であるピストンで仕切られる第1流体圧室と第2流体圧室に予め定めた供給圧力の流体を供給する。これにより、例えば、ピストンが第1流体圧室側に移動するときは第1流体圧室の圧力が高圧となり第2流体圧室の圧力が低圧となる。逆に、ピストンが第2流体圧室側に移動するときは第2流体圧室の圧力が高圧となり第1流体圧室の圧力が低圧となる。いずれの場合にも、流体の圧縮特性に基づいて、ピストンの変位に応じた反力を受ける。
また、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に第1連通端部と第2連通端部が設けられ、第1連通端部と第2連通端部は気体供給路で連通されている。ピストンが連通範囲内にあるときは、第1流体圧室と第2流体圧室が連通し、静的に第1流体圧室の圧力と第2流体圧室の圧力が同じとなっている。このとき、第1流体圧室と第2流体圧室には流体があり、ピストンの移動に伴い、流体が気体供給路を介して第1流体圧室と第2流体圧室の間を流通し、気体供給路に設けた絞りにより、ピストンの移動速度が速ければ速いほど、第1流体圧室の圧力と第2流体圧室の圧力の間に速度に比例した圧力差が発生し、速度に応じてピストンが受ける反力が増加するダンパとして働く。
このように、ダンパ機能付ストッパ機構は、ピストンシリンダ機構を基本形とするので、移動体であるピストンはストローク範囲で移動範囲が規制される。また、移動体の変位が大きいときは静的反力を受けるストッパ機構として働き、移動体の変位が小さいときはダンパとして働く。
また、本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構において、第2連通端部は、第2流体室におけるピストンのストローク端の壁部に設けられ、第1連通端部と第2連通端部の間の軸方向の長さはピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される。ピストンが摺動する第1流体室の内壁面でなく、ピストンのストローク端の壁部に設けることで、ダンパ機能付ストッパ機構の全長を短くできる。この構造でも、ピストンが第1流体室側に移動し、第1連通端部を介しての気体供給路と第1流体室との間の連通状態がなくなると、流体の圧縮特性に基づいて、ピストンの変位に応じた反力を受ける。
本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構は、シリンダ空間において移動体であるピストンで仕切られる第1流体圧室と第2流体圧室との間を高圧側から低圧側のみに流体が流れるように互いに向かい合う逆止弁で接続し、その接続点に予め定めた供給圧力の流体を供給する。これにより、ピストンが第1流体圧室側に移動するときは第1流体圧室の圧力が高圧となり第2流体圧室の圧力が低圧となる。逆に、ピストンが第2流体圧室側に移動するときは第2流体圧室の圧力が高圧となり第1流体圧室の圧力が低圧となる。このようにピストンが移動すると、流体の圧縮特性に基づいて、ピストンの変位に応じた反力を受ける。このように、ダンパ機能付ストッパ機構は、ピストンの変位に応じた反力を受けるストッパ機構として働く。
また、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に第1連通端部と第2連通端部が設けられ、第1連通端部と第2連通端部は連通路で連通されるので、ピストンが連通範囲内にあるときは、第1流体圧室と第2流体圧室が連通し、静的に第1流体圧室の圧力と第2流体圧室の圧力が同じとなって、静的な圧力差によってピストンが受ける静的反力をゼロにすることができる。このとき、第1流体圧室と第2流体圧室には流体があり、ピストンの移動に伴い、流体が連通路を介して第1流体圧室と第2流体圧室の間を流通し、気体供給路に設けた絞りにより、ピストンの移動速度が速ければ速いほど、第1流体圧室の圧力と第2流体圧室の圧力の間に速度に比例した圧力差が発生し、速度に応じてピストンが受ける反力が増加するダンパとして働く。
本発明に係る実施の形態におけるダンパ機能付ストッパ機構の構成図である。 本発明に係る実施の形態のダンパ機能付ストッパ機構における連通端部の例を示す図である。図2(a)は連通端部が連通穴の例を示す図で、(b)は連通端部が連通溝の例を示す図である。 本発明に係る実施の形態のダンパ機能付ストッパ機構において、ピストン外周面とシリンダ筐体内壁面との間の隙間のリークを抑制する構成例を示す図である。図3(a)は、1つのリーク防止リングを設ける構成を示す図、(b)は、2つのリーク防止リングを設ける構成を示す図、(c)は、(b)にさらにOリングを付加する構成を示す図、(d)は、(c)に対しリーク防止リングとOリングとの間に連通路を付加する構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態におけるダンパ機能付ストッパ機構の具体的な構成図である。図4(a)は、軸方向を長手方向とする正面図であり、(b)は、一部断面で示す上面図であり、(c)は、軸方向から見た側面図である。 本発明に係る実施の形態のダンパ機能付ストッパ機構の作用を示す図である。図5(a)は、図1と同様の図であり、(b)はピストンの位置とピストンが受ける反力の関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態のダンパ機能付ストッパ機構が、鉄道車両のアンチローリングバーに適用される例を示す図である。 図1の構造における小型のダンパ機能付ストッパ機構の具体的な構成図である。図7(a)は、断面図であり、(b)は、シリンダ空間の第1気体圧室側と第2気体圧室側のそれぞれにおいてピストンが受ける力の大きさを示す図である。 図7の小型のダンパ機能付ストッパ機構の作用を示す図である。図8(a)は、図5(a)に対応する図であり、(b)は、図5(b)に対応する図である。 図7の小型のダンパ機能付ストッパ機構が、鉄道車両のアンチローリングバーに適用される例を示す図である。 図9において、図8の小型のダンパ機能付ストッパ機構の作用を示す図である。図10(a)は、車体のローリングがなく、車体が水平状態のときの図を示し、(b),(c)は、車体のローリングが生じたときの図を示す。 連通路に関する他の構造例を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、鉄道車両のアンチローリングバーに適用されるダンパ機能付ストッパ機構について述べるが、これは説明のための1つの例示である。例えば、鉄道車両以外の車両のアンチローリングバーに適用してもよい。また、これら以外に、移動体の移動範囲を規制するストッパ機能と、所定の移動範囲において移動体に対しダンパとして働くダンパ機能を必要とする装置等に広く用いることが出来る。
以下では、ダンパ機能付ストッパ機構に用いられる流体として空気を説明するが、ここでいう空気は広義のものであって、大気以外にも、それに準じる成分構成を有する気体、例えば乾燥空気、窒素ガス等を用いるものとしてもよい。
以下で述べる形状、寸法等は、説明のための例示であって、ダンパ機能付ストッパ機構の仕様に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、ダンパ機能付ストッパ機構10の構成図である。ダンパ機能付ストッパ機構10は、ピストンシリンダ機構を基本形とし、これに後述する気体供給路と連通路等を付加した構成を有する。そこで、以下では、特に断らない限り、移動体をピストンとして、移動体が摺動する筒体をシリンダ筐体と呼ぶ。図1には、ダンパ機能付ストッパ機構10の構成要素ではないが、気体供給源8が示されている。気体供給源8は、供給圧力PSに加圧された圧縮空気源である。供給圧力PSは、数atmの圧力で、例えば、約+3〜+10atmの圧力である。
ダンパ機能付ストッパ機構10は、シリンダ筐体13を含む筐体12と、シリンダ筐体13の内部に設けられるシリンダ空間14の内壁面16に案内されて軸方向に摺動する移動体であるピストン20を備える。図1ではピストン20の移動方向を軸方向とし、軸方向をZ方向で示した。
筐体12は、ダンパ機能付ストッパ機構10の外形を形作るもので、円筒形の内壁面を有するシリンダ筐体13と、シリンダ筐体13の円筒形の両端開口部を塞ぐ両端部材と、気体供給源8に接続される気体供給口60を備える気体供給部材等を含む複数の部材で構成される。筐体12の両端部材の一方端にはピストン20に接続されるピストンロッド18を摺動自在に支持するロッド支持部が設けられる。
シリンダ筐体13は、円筒状の内壁面16を有する内部空間であるシリンダ空間14を含み、内壁面16でピストン20の軸方向の移動を支持する外形が角筒状の部材である。シリンダ空間14の両端開口部は筐体12の両端部材で塞がれるので、シリンダ空間14の軸方向に沿ったストローク範囲Sは、ピストン20の軸方向に沿った移動範囲であって、ピストン20はこれ以上軸方向に移動できない。シリンダ空間14の両端開口部を塞ぐ筐体12の両端壁面部材は、ピストン20の移動範囲を規制するストッパ部材に相当する。
ピストン20は、シリンダ筐体13の内壁面16を摺動する外径部を有する円板状の部材である。
ピストン20の外周面に設けられるグライドリング24は、ピストン20の外周面とシリンダ筐体13の内壁面16との間の隙間22における気体のリークを抑制するためのリーク防止リングである。グライドリング24は、プラスチック製のリング部材で内径はピストン20の外周面に嵌めこまれて固定され、その外周面は適当な加工手段等で外径寸法が調整される。加工手段等による外径寸法の調整は、隙間22を極力小さくするように精密に行われる。例えば、グライドリング24の外周面とシリンダ筐体13の内壁面16との間の隙間22は数μm以下となるようにされる。ダンパ機能付ストッパ機構10の仕様によってはグライドリング24を省略することができる。ダンパ機能付ストッパ機構10の仕様がリーク特性に対し厳しいときは、さらにリークを抑制するためのシールド手段が設けられる。それについては図3を用いて後述する。
ピストンロッド18は、ピストン20の端部から−Z方向側に延びて筐体12の外側に突き出る円形外形を有する棒状部材である。ピストンロッド18は、筐体12の両端部材の一方に設けられるロッド支持部によって摺動自在に保持される。ピストンロッド18の外周面と筐体12のロッド支持部の内壁面との間には、気密性を保持するために適当なシールドリング等を設けることが好ましい。シールドリングとしては、Oリング等を用いることができる。ピストンロッド18の外形と筐体12のロッド支持部の内壁面との間の隙間は、ダンパ機能付ストッパ機構10の仕様によるが、例えば、数μmに設定される。
シリンダ空間14における軸方向に沿ったピストン20の中立位置は、シリンダ空間14のストローク範囲Sの中間に取ることができる。
ピストン20によって、シリンダ筐体13の内部のシリンダ空間14は、第1流体圧室と第2流体圧室の2つの流体圧室に区画される。+Zの側、つまりピストン20においてピストンロッド18が延びていない側の第1流体圧室を第1気体圧室31、ピストン20を隔てて第1気体圧室31の反対側で、ピストン20からピストンロッド18が延びる側の第2流体圧室を第2気体圧室32と呼ぶ。
バイパス路38は、ピストン20の内部にZ方向に延びて設けられる気体流路で、第1気体圧室31と第2気体圧室32を結んで適当なバイアス流量を流す機能を有する。絞り装置39は、バイパス路38に設けられ、バイパス路38を流れる気体流量を適当に絞る絞り装置である。
シリンダ筐体13のシリンダ空間14の内壁面16に設けられる第1連通穴33と第2連通穴34は、軸方向に沿って互いに連通範囲Rだけ離間して設けられる開口部である。第1連通穴33は、ピストン20の中立位置に対し+Z方向側の位置に設けられ、第2連通穴34は、ピストン20の中立位置に対し−Z方向側の位置に設けられる。ピストン20が中立位置にあるときについて述べると、第1連通穴33は第1気体圧室31側に設けられ、第2連通穴34は第2気体圧室32側に設けられる。
連通範囲Rは、ストローク範囲Sよりも狭い範囲として設定される。ストローク範囲S、連通範囲Rは、ダンパ機能付ストッパ機構10の仕様に応じて設定される。
気体供給路50は、その+Z方向側の端部が第1連通穴33に接続され、−Z方向側の端部が第2連通穴34に接続される。したがって、図1の例では、気体供給路50は、シリンダ筐体13においてシリンダ空間14に開口する第1連通端部である第1連通穴33と第2連通端部である第2連通穴34の間を連通する連通路でもある。したがって、ピストン20のZ方向に沿った位置が連通範囲Rにあるとき、気体供給路50は、第1連通穴33と第2連通穴34を介して、第1気体圧室31と第2気体圧室32との間を連通する。これにより、静的には、(第1気体圧室31の圧力)=(第2気体圧室32の圧力)になる。
気体供給路50は、筐体12の外周に設けられた気体供給口60と、第1気体圧室31と第2気体圧室32を結ぶ流体供給路で、筐体12の内部に内蔵されて、軸方向に沿って設けられる。気体供給路50の+Z方向側の端部は、シリンダ筐体13を通り第1気体圧室31に向かって第1連通穴33として開口し、気体供給路40の+Z方向側の端部は、シリンダ筐体13を通り第2気体圧室32に向かって第2連通穴34として開口する。
気体供給路50と気体供給口60との間に設けられるフィルタ54は、気体供給源8から供給圧力PSの気体のごみやチリを除去して気体供給路50に供給するための濾過装置である。供給側オリフィス53は、気体供給口60から供給される気体が流量過多とならないように適当に絞る絞り部である。絞り装置41,42は、気体供給路50から第1気体圧室31と第2気体圧室に気体が過多に流れないように絞る絞り部である。
第1気体圧室31と第2気体圧室32との間は、バイパス路38、気体供給路50で連通される他は、ピストン20の外径部とシリンダ空間14の内壁面16との間の隙間でつながっているのみで、外部へは気体が漏れることがない。第2気体圧室32と外部との間は、ピストンロッド18の外径部と筐体12のロッド支持部の内壁面との間の隙間でつながっているので、第2気体圧室32からごくわずかの気体が外部に漏れることがある。このように、ダンパ機能付ストッパ機構10から外部へ洩れる気体の量はごく僅かであるので、気体供給源8から供給すべき流量はごく僅かでよい。
上記では、気体供給路50は、筐体12に内蔵して設けられるものとしたが、筐体12の外側に配管等を用いて設けるものとしてもよい。
上記では、気体供給路50の両端である第1連通端部と第2連通端部は、シリンダ筐体13の内壁面16に開口する第1連通穴33、第2連通穴34であるとした。第1連通穴33と第2連通穴34は、シリンダ筐体13の内壁面16の周方向に沿ってそれぞれ対となるように複数個設けることが好ましい。図1の例では、シリンダ筐体13の内壁面16の周方向に沿って等間隔に4つずつ設けられる。図2(a)は、対となる第1連通穴33と第2連通穴34と気体供給路50の関係を示す断面図である。図2(a)に示すように、対となる第1連通穴33と第2連通穴34ごとに、それぞれ気体供給路50が設けられる。気体供給路50は、対となる第1連通穴33と第2連通穴34を結ぶように軸方向に沿って延びる。連通穴33,34の穴形状は、円形の他、長方形、楕円形でもよい。
気体供給路50の両端は穴でなく溝でもよい。図2(b)は、気体供給路50の両端である第1連通端部と第2連通端部が、シリンダ筐体13の内壁面16に設けられる溝部である第1連通溝35、第2連通溝36である例を示す図である。第1連通溝35、第2連通溝36は、シリンダ筐体13の内壁面16の周方向に沿って一周延びる溝である。第1連通溝35はピストン20の中立位置に対し+Z方向に設けられ、第2連通溝36はピストン20の中立位置に対し−Z方向に設けられる。気体供給路50の両端はそれぞれ第1連通溝35と第2連通溝36に開口する。図2(b)では気体供給路50は2本設けられるが、1本でもよく、3本以上でもよい。気体供給路50は、対となる第1連通溝35と第2連通溝36を結ぶように軸方向に沿って延びる。第1連通溝35と第2連通溝36は、ピストン20のZ方向の移動に対し、連通範囲Rとその外側のストローク範囲との間の切替溝として機能し、溝幅の領域をヒステリシス領域とすることができる。
図3は、ピストン20の外周面とシリンダ筐体13の内壁面16との間の隙間22における気体のリークをさらに抑制することが可能なシールド手段のいくつかの例を示す図である。図3(a)は、図1で説明したように、グライドリング24を1つ用いる例である。この例では、グライドリング24はピストン20の−Z方向側端部に近い位置に配置されているが、グライドリング24をピストン20の+Z方向側端部に近い位置に配置してもよい。あるいは、グライドリング24をピストン20のZ方向に沿った中央部に配置してもよい。
図3(b)は、2つのグライドリング23,24を用い、グライドリング23をピストン20の+Z方向側端部に近い位置に配置し、グライドリング24をピストン20の−Z方向側端部に近い位置に配置する例を示す図である。ピストン20のZ方向に沿った両端部にそれぞれグライドリング23,24を配置することで、隙間22における気体のリークを(a)の場合に比べ、一層抑制することができる。
図3(c)は、2つのグライドリング23,24を用い、さらに2つのグライドリング23,24に挟まれる位置に弾力性のあるOリング26を設けたものである。Oリング26の外径側には別のグライドリング25が配置される。グライドリング25はOリング26が配置される溝に嵌め込まれ、Oリング26がピストン20から外れないように位置を規制する役割を有する。また、グライドリング25はOリング26によってシリンダ筐体13の内壁面16に対して押し付けられるので、隙間22における気体のリークを(b)に比べ、さらに一層抑制することができる。ここでは(b)の構成にさらにOリング26グライドリング25を設けるものとしたが、(a)の構成にさらにOリング26とグライドリング25を設けるものとしてもよい。また、グライドリング23,24,25に代えて、シリンダシリンダ機構の軸受材として一般的に用いられるウェアリングを用いてもよい。ウェアリングの断面形状は、円形断面形状を有するOリングと異なり、矩形またはその角に面取りした形状である。
図3(d)は、(c)においてグライドリング23,24,25のリークの影響を少なくするために、シールする部分をより明確にした例を示す図である。ここでは、グライドリング25の+Z方向側の隙間22と第1気体圧室31の間、グライドリング25の−Z方向側の隙間22と第2気体圧室32の間についてそれぞれ連通させる連通路27,28が設けられる。(c)の構成として、Oリング26とグライドリング25の外側に1つのグライドリングのみを設けるものとする場合は、連通路も1つでよい。
図3にいくつかの例を示したが、ダンパ機能付ストッパ機構10の仕様に応じ、適当な構成を選ぶことができる。どの構成が適しているかは、実験等で確認することができる。
図4は、ダンパ機能付ストッパ機構10の具体的構成を示す図で、図4(a)は、軸方向を長手方向とする正面図である。図4(b)は、(a)に対し、軸方向周りに90度回転させて上面側から見た上面図である。図4(c)は、軸方向から見た側面図である。なお、図4では図1に対し、シリンダ筐体13に対する第1連通穴33と第2連通穴34の配置をZ軸周りに45度ずらしたものを示した。このようにすることで、図4では第1連通穴33、第2連通穴34が2つずつ示される。図4(a),(b),(c)に、Z方向に互いに直交するX方向とY方向を示した。
図4(c)に示すように、筐体12は、角筒状の外形を有し、その上面に気体供給口60が設けられる。図4(b)には一部断面図として、シリンダ筐体13の内部空間であるシリンダ空間14の内壁面16が示される。図4(b)に一部が示されるように、第1連通穴33と第2連通穴34は、内壁面16においてZ軸周りに予め定められた角度間隔で合計4つずつ設けられる。予め定められた角度間隔は90度とすることが出来る。
図4(a),(b)に示されるように、筐体12の+Z方向側には取付部62が設けられ、ピストンロッド18の−Z方向の先端部には取付部64が設けられる。筐体12と取付部64との間に設けられる蛇腹部66は、ピストンロッド18と筐体12のロッド支持部の内壁面との間に塵埃等の異物が侵入することを防ぐ伸縮自在の保護カバーである。
かかる構成のダンパ機能付ストッパ機構10の作用について、図5を用いて説明する。図5(a)は、図1の構成図を用いてピストン20の位置を示す図で、図5(b)はピストン20の位置とピストン20が受ける反力の大きさとの関係を示す図である。図5(b)の横軸は、ピストン20のZ方向に沿った位置Zで、原点はピストン20の中立位置にとった。縦軸は、ピストン20が第1気体圧室31の静的圧力と第2気体圧室32の静的圧力との差である静的圧力差に応じて受けるZ方向の静的反力である。+Z方向に移動したときにピストン20が受ける静的反力を+側とし、−Z方向に移動したときにピストン20が受ける静的反力を−側とした。静的反力とは、ピストン20の位置によって定まる反力のことで、ピストン20の速度の大きさによって定まる動的反力と区別される。
図5(b)に示されるように、ピストン20のZ方向の位置が連通範囲R内であるときは、気体供給路50の連通機能によって、静的には(第1気体圧室31の圧力)=(第2気体圧室32の圧力)となるので、ピストン20が第1気体圧室31と第2気体圧室32の静的な圧力差によって受ける静的反力はゼロである。このときでも、第1気体圧室31と第2気体圧室32には気体があり、ピストンの移動に伴い、気体が気体供給路50を介して第1気体圧室31と第2気体圧室32の間を流通し、ピストン20の移動速度が速ければ速いほど、第1気体圧室31の圧力と第2気体圧室32の圧力の間に速度に比例した圧力差が発生し、速度に応じてピストン20が受ける反力は増加する。このように、ピストン20の変位が小さくてピストン20のZ方向の位置が連通範囲R内であるときは、ピストン20が受ける静的反力=0で、動的特性としてはダンパとして働く。このような反力特性を第1反力特性と呼ぶ。
ピストン20の変位が大きくなって、ピストン20のZ方向の位置が連通範囲Rを越えたストローク範囲Sの間であるときは、ピストン20は、第1気体圧室31と第2気体圧室32の間の静的な圧力差に応じた大きさの静的反力を受ける。ピストン20が受ける静的反力は、ピストン20のZ方向の位置が連通範囲Rから離れるほど緩やかに増加する非線形特性70を有し、ストロークが最大になる位置で絶対値が最大になる。図5(b)では、ストローク範囲Sの両端の位置で、静的反力の絶対値が最大になり、そこでピストン20の移動が止まる。非線形特性70は、気体の圧縮特性に基づくものである。このような反力特性を第1反力特性と区別して第2反力特性と呼ぶ。
このように、ダンパ機能付ストッパ機構10の反力特性は、ピストン20の位置が連通範囲R内であればダンパとしての動的な第1反力特性を示し、連通範囲Rを越えると変位に応じた非線形の静的反力を生じる第2反力特性を示す。第1反力特性は、静的反力=0であるが、速度に対する反力が生じる。第2反力特性は、変位が大きくなるにつれて静的反力が緩やかに大きくなり、ストローク範囲Sの両端の位置でそれぞれ絶対値が最大となり、ピストン20の移動がそこで停止する。この2つの反力特性により、ダンパ機能付ストッパ機構10は、ダンパ機能を有するストッパ機構として用いることが出来る。
また、ストローク範囲Sに対し連通範囲Rを適切に設定し、あるいはピストン20がストローク範囲Sの両端位置まで移動してきたときにシリンダ空間14内に残るデッドボリュームの大きさを適当に設けることで、ピストン20が受ける静的反力の絶対最大値が過度に大きくならないように抑制することが出来る。また、第2反力特性において、ストローク範囲Sの両端の位置に近づくにつれて静的反力が計画値以上で増加する場合は、第1気体圧室31、第2気体圧室32に小さな空気溜まりを設けて、その増加の大きさを抑制することができる。
図6は、ダンパ機能付ストッパ機構10を、鉄道車両100のアンチローリングバー130に適用したときの例を示す図である。図6は、鉄道車両100が路面102に敷設されたレール104,106の上を車輪108,110で走行するときの車輪108,110近傍の構造を示す図である。
鉄道車両100は、車輪108,110が設けられる車軸112を懸架ばね114で支持する台車120と、乗客等が乗る車体126と、台車120と車体126の間に配置される空気ばね122,124を備える。図6に示すX方向は、車体126の車幅方向で、Y方向は車体の長手方向で、Z方向は路面102に対し垂直方向である。
ローリングとは、鉄道車両100が走行する際に、台車120に対し車体126がY軸周りに回転することで、例えば、カーブを走行するとき等で、車体126の+X方向側が+Z方向に持ち上がり、−X方向側が−Z方向に下がると、車体126がY軸周りに回転する。アンチローリングバー130は、鉄道車両100が走行中に過度のローリングとならないようにするための部材で、台車120に設けられる回転支持台132,134に回転自在に支持されてX方向に延びる棒材である。アンチローリングバー130の両端は、+Y方向に曲げられた中間部136となり、中間部136はさらに+Z方向に曲げられて端部138となる。従来技術ではZ方向に延びる2つの端部138の先端がそれぞれ車体126に設けられる車体取付部126Bに直接的に固定される。
ローリングが生じて、車体126の+X方向側が+Z方向に持ち上がり、−X方向側が−Z方向に下がると、アンチローリングバー130の両端側で互いに逆方向に捩じられる。図6には、互いに逆方向となる捩じり方向を矢印で示した。従来技術では、アンチローリングバー130が単体で設けられる。アンチローリングバー130は単体でも捩じり剛性を有するので、捩じりの大きさにほぼ比例した反力を生じ、これによってローリングを抑制することが出来る。
図1から図5で説明したダンパ機能付ストッパ機構10は、アンチローリングバー130の中間部136と車体126との間の端部138に相当する箇所に設けられる。図6では、アンチローリングバー130の−X方向側の中間部136と車体取付部126Aとの間にダンパ機能付ストッパ機構10が設けられる。もう一方側の端部である+X方向側の端部138にはダンパ機能付ストッパ機構が設けられず、端部138が直接的に車体取付部126Bに接続される。
ダンパ機能付ストッパ機構10は、ピストンロッド18に設けられる取付部62を用いて車体126に設けられる車体取付部126Aに取り付けられる。また、筐体12に設けられる取付部64を用いてアンチローリングバー130の−X方向側の中間部136に取り付けられる。
ダンパ機能付ストッパ機構10は、図5で説明した第1反力特性と第2反力特性とを有する。車体126にローリングが生じても、アンチローリングバー130の先端側の位置においてZ方向に沿って連通範囲R内となる軽度の変位であれば、第1反力特性が働く。すなわち、ピストン20が受ける静的反力=0で、車体126はそのまま軽度のローリングをする。このとき、ダンパ機能付ストッパ機構10はダンパとして働き、ピストン20が過度の移動速度で移動することを抑制する。
ローリングの程度が大きくなって、アンチローリングバー130の先端側の位置においてZ方向に沿って連通範囲Rを越えてストローク範囲Sとなる変位になると、第2反力特性が働く。すなわち、ピストン20は、変位の増加に伴い緩やかに増加する静的反力を受ける。これによってアンチローリングバー130は捩じられ、車体126のローリングが抑制される。
ローリングの程度が更に大きくなり、ピストン20の移動が最大ストロークの位置に達すると、ピストン20の移動はそこで停止し、車体126がそれ以上ローリングすることがない。
上記のダンパ機能付ストッパ機構10では、中立位置を中心に±Z方向にピストン20が移動し、ピストン20の位置Zと反力の関係は、図5に示すように中立位置に対しほぼ対称形の特性となる。この場合には、ピストン20のストローク範囲Sがかなり長くなる。鉄道車両100における台車120と車体126の間の間隔距離を考えると、小型のダンパ機能付ストッパ機構が好ましい。ピストン20の位置Zと反力の関係を中立位置に対し対称形とせずに、半分の特性で済ますことができれば、ダンパ機能付ストッパ機構の小型化が可能になる。
図7は、小型化を図ったダンパ機能付ストッパ機構11の構成を示す図である。図7(a)は、断面図、(b)は、シリンダ空間14の第1気体圧室31側と第2気体圧室32側のそれぞれにおいてピストン20が受ける力の大きさを示す図である。ダンパ機能付ストッパ機構11の構成は、図1から図5で説明したダンパ機能付ストッパ機構11の構成とほとんど同じであるが、軸方向の全長が短くなっている。図7に示すXYZの各方向は、図4、図5と同じで、ピストンロッド18が延びる方向が−Z方向である。
ダンパ機能付ストッパ機構11の構成において、図4のダンパ機能付ストッパ機構10の構成と異なるのは、連通穴34を省略し、これに代えて、第2気体圧室32において、ピストン20のストローク端となる壁部に気体供給路50の開口部44を設けたことである。連通穴33はそのままである。連通穴33と開口部44は気体供給路40によって連通している。したがって、ピストン20が、連通穴33のZ方向位置よりも−Z方向にあるときは、静的に、(第1気体圧室31の圧力)=(第2気体圧室32の圧力)となる。
このとき、図7(b)に示すように、シリンダ空間14の第1気体圧室31側と第2気体圧室32側のそれぞれにおいてピストン20の受圧面積を比較すると、第2気体圧室32の受圧面積A32は、ピストンロッド18の断面積分だけ、第1気体圧室31の受圧面積A31よりも小さい。したがって、ピストン20が受ける力の大きさは、第1気体圧室31側の方が第2気体圧室32側よりも大きい。これにより、ピストンは−Z方向に移動し、シリンダ空間14の−Z側壁面で止まる。この状態は、ピストン20のZ方向位置が連通穴33のZ方向位置よりも−Z側にある間継続する。この状態をノーマル状態と呼ぶと、ノーマル状態では、シリンダ空間14の−Z側壁面がピストン20の−Z方向移動のストッパとして機能する。
ピストン20のZ方向位置が、連通穴33のZ方向位置よりも+Z側に移動すると、連通穴33がピストン20で塞がれ、あるいはさらに移動して連通穴33がピストン20に対して第2気体圧室32側となると、連通穴33を介しての気体供給路50と第1流体室との間の連通状態がなくなる。この状態は、図5におけるピストン20が連通範囲Rを越えてストローク範囲Sにあるときに相当する。
図8は、図5に相当する図である。図8(a)は図7(a)をモデル化した図である。(b)は、ピストンの位置とピストンが受ける反力の関係を示す図である。図7で説明したように、ピストン20のZ方向位置が連通穴33のZ方向位置よりも−Z側にある範囲は、静的に、(第1気体圧室31の圧力)=(第2気体圧室32の圧力)であり、静的な反力=0である。したがって、この範囲は、図5の連通範囲Rに相当する。ピストン20のZ方向位置が連通穴33のZ方向位置よりも+Z側にある範囲は、通常のピストンシリンダ機構と同じで、変位に応じた非線形の静的反力を生じる。したがって、この範囲は、図5における連通範囲Rを超えたストローク範囲Sに相当する。
図8(b)に示すように、ピストン20の位置Zと反力の関係は、図5の中立位置に対称形の特性でなく、図5のほぼ片側の特性となっている。この片側の特性は、ストローク範囲Sと連通範囲Rを有し、図5で説明したものと同様に、ピストン20の位置が連通範囲R内であればダンパとしての動的な第1反力特性を示し、連通範囲Rを越えると変位に応じた非線形の静的反力を生じる第2反力特性を示す。第1反力特性は、静的反力=0であるが、速度に対する反力が生じる。第2反力特性は、変位が大きくなるにつれて静的反力が緩やかに大きくなり、ストローク範囲Sの両端の位置でそれぞれ絶対値が最大となり、ピストン20の移動がそこで停止する。
このように、ダンパ機能付ストッパ機構11は、ダンパ機能付ストッパ機構10と同様に、第1反力特性と第2反力特性を有するが、その移動範囲は、ダンパ機能付ストッパ機構10の移動範囲よりも少ない。50%の移動範囲となることが理想であるが、具体的な寸法設計を行うと、ダンパ機能付ストッパ機構11のZ方向の寸法は、ダンパ機能付ストッパ機構10のZ方向寸法の約60%から70%程度とできる。
図9は、図6に対応する図で、図7の小型化したダンパ機能付ストッパ機構11を鉄道車両100のアンチローリングバー130に適用したときの図である。図6では、ダンパ機能付ストッパ機構10の基準位置が中立位置であるため、安定位置とならない。そのために、アンチローリングバー130の−X側端部の側にのみダンパ機能付ストッパ機構10を設け、+X側端部は車体126に固定した。ダンパ機能付ストッパ機構11は、ノーマル状態においてピストン20のZ方向の位置は、シリンダ空間14の−Z側壁面のストッパ機能によって、シリンダ空間14の−Z側壁面の位置が安定位置となる。このことから、ダンパ機能付ストッパ機構11は、アンチローリングバー130の−X側端部と+X側端部の双方に設けられる。
図10は、鉄道車両100のアンチローリングバー130の−X側端部に設けられるダンパ機能付ストッパ機構11Aと、+X側端部に設けられるダンパ機能付ストッパ機構11Bの相互作用を示す図である。図10(a)は、車体126のローリングがなく、車体126が水平状態のときの図を示し、(b),(c)は、車体126のローリングが生じたときの図を示す。(b)は、車体126の−X側の車体取付部126Aが−Z方向に沈んだときの図を示し、(c)は、車体126の+X側の車体取付部126Bが−Z方向に沈んだときの図を示す。
図10(a)では、ダンパ機能付ストッパ機構11Aのピストン20もダンパ機能付ストッパ機構11Bのピストン20も連通範囲Rにあり、いずれもシリンダ空間14の−Z側壁面の位置で止まっている。
図10(b)では、ダンパ機能付ストッパ機構11Bのピストン20は連通範囲Rにあり、シリンダ空間14の−Z側壁面の安定位置にある。ダンパ機能付ストッパ機構11Aのピストン20は連通範囲Rを超えたストローク範囲Sにあり、変位に応じた非線形の静的反力を生じる第2反力特性を示す。ダンパ機能付ストッパ機構11Aのピストン20はストローク範囲Sでのみ移動可能で、シリンダ空間14の+Z側壁面がストッパとなる。
図10(c)では、ダンパ機能付ストッパ機構11Aのピストン20は連通範囲Rにあり、シリンダ空間14の−Z側壁面の安定位置にある。ダンパ機能付ストッパ機構11Bのピストン20は連通範囲Rを超えたストローク範囲Sにあり、変位に応じた非線形の静的反力を生じる第2反力特性を示す。ダンパ機能付ストッパ機構11Bのピストン20はストローク範囲Sでのみ移動可能で、シリンダ空間14の+Z側壁面がストッパとなる。
このように、ダンパ機能付ストッパ機構11においては、ダンパ機能付ストッパ機構10と同様に第1反力特性と第2反力特性を備えながら、小型の構成とすることができる。
上記では、気体供給口60から直接的に気体供給路50を介して第1気体圧室31と第2気体圧室32に必要な気体を供給するものとした。図11は、気体供給口60から第1気体圧室31と第2気体圧室32に気体を供給する機能と、第1気体圧室31と第2気体圧室32を連通する機能を分ける構造例を示す図である。
気体供給口60から第1気体圧室31と第2気体圧室32に気体を供給するための気体供給路50は、筐体12の外周に設けられた気体供給口60と、第1気体圧室31と第2気体圧室32を結ぶ流体供給路で、筐体12の内部に内蔵されて、軸方向に沿って設けられる。気体供給路50の+Z方向側の端部は、第1気体圧室31に向かって第1気体供給穴55として開口し、気体供給路50の+Z方向側の端部は、第2気体圧室32に向かって第2気体供給穴56として開口する。図1の例では第1気体供給穴55、第2気体供給穴56は、筐体12の両端部材に開口するものとしたが、これに代えて、シリンダ筐体13の両端部近傍に第1気体供給穴55、第2気体供給穴56を開口するものとしてもよい。
逆止弁51,52は、気体供給路50において、第1気体圧室31と第2気体圧室32との間を高圧側から低圧側のみに流体が流れるように、逆止側が互いに向かい合って配置された2つの逆止弁である。気体供給路50は、向かい合う逆止弁51,52の接続点において予め定めた供給圧力PSの気体を供給する。
第1気体圧室31と第2気体圧室32との間は、バイパス路38、連通路40で連通される他は、ピストン20の外径部とシリンダ空間14の内壁面16との間の隙間でつながっているのみで、外部へは気体が漏れることがない。第2気体圧室32と外部との間は、ピストンロッド18の外径部と筐体12のロッド支持部の内壁面との間の隙間でつながっているので、第2気体圧室32からごくわずかの気体が外部に漏れることがある。このように、ダンパ機能付ストッパ機構10から外部へ洩れる気体の量はごく僅かであるので、気体供給源8から供給すべき流量はごく僅かでよい。
上記では、連通路40と気体供給路50は、共に筐体12に内蔵して設けられるものとしたが、いずれか一方、または両方を、筐体12の外側に配管等を用いて設けるものとしてもよい。
本発明に係るダンパ機能付ストッパ機構は、車両用のアンチローリングバーのストッパ機構として用いることができる。
8 気体供給源、10,11 ダンパ機能付ストッパ機構、12 筐体、13 シリンダ筐体、14 シリンダ空間、16 内壁面、18 ピストンロッド、20 ピストン、22 (ピストン外周面とシリンダ筐体内壁面との間の)隙間、23,24,25 グライドリング(リーク防止リング)、26 Oリング、27,28,40 連通路、31 第1気体圧室(第1流体圧室)、32 第2気体圧室(第2流体圧室)、33 第1連通穴、34 第2連通穴、35 第1連通溝、36 第2連通溝、38 バイパス路、39,41,42 絞り装置、44 開口部、50 気体供給路、51,52 逆止弁、53 供給側オリフィス、54 フィルタ、55 第1気体供給穴、56 第2気体供給穴、60 気体供給口、62,64 取付部、66 蛇腹部、70 非線形特性、100 鉄道車両、102 路面、104,106 レール、108,110 車輪、112 車軸、120 台車、122,124 空気ばね、126 車体、126A,126B 車体取付部、130 アンチローリングバー、132,134 回転支持台、136 (アンチローリングバーの)中間部、138 (アンチローリングバーの)端部。

Claims (3)

  1. 軸方向に沿ったシリンダ空間を内部に有するシリンダ筐体と、
    シリンダ空間の内壁面に案内されて予め定められたストローク範囲で軸方向に摺動する移動体であるピストンと、
    シリンダ空間においてピストンで仕切られる第1流体圧室と第2流体圧室にそれぞれ開口する第1連通端部と第2連通端部に予め定めた供給圧力の流体が供給される流体供給路と、
    を備え、
    第1連通端部と第2連通端部は、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に設けられることを特徴とするダンパ機能付ストッパ機構。
  2. 請求項1に記載のダンパ機能付ストッパ機構において、
    第2連通端部は、第2流体室におけるピストンのストローク端の壁部に設けられ、
    第1連通端部と第2連通端部の間の軸方向の長さはピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定されることを特徴とするダンパ機能付ストッパ機構。
  3. 軸方向に沿ったシリンダ空間を内部に有するシリンダ筐体と、
    シリンダ空間の内壁面に案内されて予め定められたストローク範囲で軸方向に摺動する移動体であるピストンと、
    シリンダ空間においてピストンで仕切られる第1流体圧室と第2流体圧室との間を高圧側から低圧側のみに流体が流れるように互いに向かい合う逆止弁で接続して、向かい合う逆止弁の接続点に予め定めた供給圧力の流体が供給される流体供給路と、
    シリンダ空間に開口する第1連通端部と第2連通端部の間を連通する連通路と、
    を備え、
    第1連通端部と第2連通端部は、ピストンのストローク範囲よりも予め狭く設定される連通範囲内に設けられることを特徴とするダンパ機能付ストッパ機構。
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