JP2016142102A - トンネル施工方法および変位計測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、トンネルの掘進に伴う地山の緩みが予想される場合には、地山の変位を計測しながら施工を行う必要がある。
そのため、インバートの施工は、地山の変位を把握したうえで、変位収束の確認や補助工法の要否を判断して行う必要がある。
一方、従来の変位計測装置は、トンネル側壁から側方に向けて削孔された計測孔に設置されるのが一般的であった。
また、下半掘削時およびインバート掘削時に発生する地山の変位を把握することで、変位収束に要する期間や、補助工法の要否判断をより適切に行うことができる。
下半掘削工程およびインバート掘削工程における地山変位の計測は、定期的に複数回行うものとし、少なくとも掘削開始前と掘削完了後には実施するのが望ましい。
図1に示すように、トンネル1は、吹付けコンクリート2、覆工コンクリート3およびインバートコンクリート4を有している。
トンネル上半11の掘削方法は限定されるものではなく、例えば、機械掘削方式や発破掘削方式等により行う。なお、トンネル上半11の掘削は、フォアポーリングやAGF等の補助工法を併用してもよい。
図2の(b)に示すように、本実施形態では、トンネル1の切羽14に対してコンクリート5を吹き付ける(鏡吹付け)。なお、鏡吹付けは必要に応じて施工すればよい。また、必要に応じて鏡ボルト等の補助工法を併用してもよい。
変位計測装置6は、トンネル縦断方向に対して、所定の間隔(20m〜50m程度)で設置する。なお、変位計測装置6の配設ピッチは、地山状況等に応じて適宜決定すればよい。
本実施形態では、トンネル1の左右の脚部付近を通過するように配設された2本の計測孔60,60と、断面中央に配設された1本の計測孔60とにより、一つの横断面につき3本の計測孔60,60,60を形成するが、計測孔60の数や配置は限定されない。なお、計測孔60の深さは限定されるものではなく適宜設定すればよいが、好ましくは4m〜30mの範囲内、より好ましくは4m〜15mの範囲内とすればよい。
弱部66は、ガイド管61の肉厚を薄くした部分である。本実施形態では、ガイド管61の外面にガイド管61を一周する溝を形成することで、弱部66を形成している。
ガイド管61は、弱部66において切断しやすくなっている。
また、弱部66は、必ずしも外面に形成した溝である必要はなく、内面に形成してあってもよい。また、弱部66はガイド管61の周方向に対して部分的(断続的)に形成されていてもよく、必ずしも全周にわたって形成されている必要はない。
さらに、弱部66は必ずしも溝である必要はなく、例えば、溝ガイド管61の本体よりも強度の弱い部分を弱部66としてもよい。
本実施形態では、1本のガイド管62に対して4〜8点程度の沈下素子62を設置する。なお、沈下素子62の数や設置間隔は限定されない。例えば、ガイド管61のインバート外縁からの埋め込み長さが12mの場合には、インバート外縁から1m、2m、3m、4m、6m、8m、10m、12mの8カ所に沈下素子62を設置すればよい。
本実施形態の沈下素子62は、図3の(b)に示すように、板ばね62aと板ばね62aの周囲に貼設された永久磁石62bとを備えている。
ガイド管61を所定の深さまで挿入したら、締結バンドを取り外して板ばね62aを開放する。こうすることで、永久磁石62bが板ばね62aの復元力によって計測孔60の孔壁面に押し当てられた状態となる。
ケーブル64は、ガイド管61の上端に設置されたケーブルドラム65に巻き付けられている。ケーブルドラム65を操作することによりケーブル64の長さ(検出器63の深さ位置)を調節することができる。
掘削時には、ガイド管61の頂部に蓋をしておき、ガイド管61内に土砂が入り込むことを防止する。
変位計測は定期的に複数回行い、計測時期と変位量を記録しておく。
なお、変位計測装置6により地山の変位の収束が確認されてからトンネル下半12の掘削を行う場合には、支保工等の設置を省略してもよい。
まず、トンネル下半12の掘削時に計測した変位量を基に収束時期を予測する。
一方、予測される地山変位の収束時期が工程上許容できない場合には、補助工法(例えばインバートストラットや底面吹付けコンクリート等)の併用しながらのインバート掘削を検討する。
変位計測は、ガイド管61内に検出器63を挿入し、沈下素子62の近傍を通過する際の磁気を検知することで、深度を計測する。
地山変位の収束時期の予測結果に応じて、補助工法の要否を検討する。
δt=δe+α・(1−e−β・t) ・・・式1
δt:時間t経過後の内空変位量
δe:弾性変位量
α:クリープ変位量
β:収束に関する係数
t:時間
掘削深度が、ガイド管61の弱部66の深さまで到達したら、弱部66においてガイド管61を折って、ガイド管61の当該弱部66よりも上部分撤去する。ガイド管61の上部分を撤去したら、ガイド管61の頂部に蓋をし、掘削を再開する。
インバート打設工程は、インバート部13の掘削後、変位計測装置6を利用した変位計測により地山の安定が確認されてから実施する。
また、トンネル下半12の掘削時およびインバート部13の掘削時に発生する地山の変位を把握することで、変位収束に要する期間や、補助工法の要否判断をより適切に行うことができる。
また、インバートの施工時期と補助工法の要否を複数回にわたって判断することができるため、インバートコンクリート施工後の変状リスク(インバートの浮き上がり等)をより確実に低減することができる。
変位計測装置6の計測結果により地山の安定が確認されてからコンクリート4を打設するため、インバート施工後のインバートの浮き上がり等を防止することができる。
例えば、前記実施形態では、ガイド管を弱部において切断する場合について説明したが、ガイド管が複数の管部材により連結されている場合には、下半部やインバート部の掘進に応じて管部材を取り外してもよい。
トンネル施工方法において使用する変位計測装置の構成は、前記実施形態で使用したものに限定されない。
11 トンネル上半
12 トンネル下半
13 インバート
2 吹付けコンクリート
3 覆工コンクリート
4 インバートコンクリート
5 鏡吹付けコンクリート
6 変位計測装置
61 ガイド管
62 沈下素子
63 検出器
Claims (3)
- トンネル上半を掘削する上半掘削工程と、
前記トンネル上半からトンネルの底部に変位計測装置を設置する計測装置設置工程と、
前記変位計測装置により地山変位を確認しつつトンネル下半を掘削する下半掘削工程と、
前記変位計測装置により地山変位を確認しつつインバート部を掘削するインバート掘削工程と、
前記インバート部にインバートコンクリートを打設するインバート打設工程と、を備えていることを特徴とするトンネル施工方法。 - 前記変位計測装置の計測結果に基づき地山の安定を確認してから前記インバート打設工程を実施することを特徴とする、請求項1に記載のトンネル施工方法。
- ガイド管と、前記ガイド管の外面に設置された沈下素子と、前記ガイド管内に挿入される検出器と、を備える変位計測装置であって、
前記ガイド管に所定間隔ピッチで弱部が形成されており、前記ガイド管が前記弱部において切断可能であることを特徴とする、変位計測装置。
Priority Applications (1)
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JP2015020539A JP6441102B2 (ja) | 2015-02-04 | 2015-02-04 | トンネル施工方法および変位計測装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023500745A (ja) * | 2021-05-06 | 2023-01-10 | 中▲鉄▼九局集▲団▼第七工程有限公司 | 地域鉄道採鉱法によるトンネルの低土被り区間の総合的な工法 |
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- 2015-02-04 JP JP2015020539A patent/JP6441102B2/ja active Active
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山田浩幸、大村修一、中村太一、加藤吉文、佐々木正博、藤澤勉: "変位の大きい脆弱地山における補助工法の設計と施工に関する一考察", 鴻池組技術研究報告2008, JPN7018002806, 2008, JP, pages P1-10 * |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7257086B2 (ja) | 2021-05-06 | 2023-04-13 | 中▲鉄▼九局集▲団▼第七工程有限公司 | トンネルの低土被り区間の総合的な工法 |
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