JP5319618B2 - 地山状況予測方法およびトンネル掘削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法とこれを利用したトンネル掘削方法に関する。
山岳トンネルの施工において、事前に切羽前方の地山の状態を把握することができれば、掘削をより安全かつより経済的に実施することが可能になる。
トンネルの施工では、計画や設計の段階において、地表踏査や地表面からの弾性波探査などの地盤調査を実施することで、事前に地山状況の予測を行っているが、地表面からの事前調査により、線状構造物であるトンネルの地山の状態を完全に把握することは困難であった。
そのため、施工段階で地山状況の観察や計測を実施し、事前の設計や施工法を適宜修正しながら、施工の安全性や経済性を確保する方法(いわゆる情報化施工)が標準的に行われている。
また、事前の地盤調査結果により、断層破砕帯や高圧湧水帯などの不良地山部が存在する可能性が高いと判断される領域を掘削する場合には、施工段階において切羽前方の不良地山部の正確な位置や規模、強度特性などを把握するために、先進ボーリングや坑内弾性波探査などの調査を実施することがある。
このような情報化施工や日常の施工管理を目的として、トンネル縦断方向に一定の間隔で、天端沈下計測や内空変位計測に代表される坑内変位計測を実施することが標準的に行われている。坑内変位計測には、トータルステーションを利用することが一般的となっている。トータルステーションを利用することで、トンネル横断方向と鉛直方向のみならず、トンネル軸方向の変位を比較的容易に得ることができる。例えば、非特許文献1には、これらの変位量の増減の傾向により切羽前方の地山の状態を予測する方法が開示されている。
W.Schubert他,「The importance of longitudinal deformation in tunnel excavation」,「Proceedings of the 8th International Congress on Rock Mechanics,Tokyo,Japan,1995 Volume 3」,Netherlands,A.A.Balkema,1995,p.1411−1414
しかしながら、先進ボーリングや坑内弾性波探査は、切羽近傍での作業となり、トンネルの掘削作業を中断する必要があるため、全体工期に影響を及ぼす原因となる。また、多くの段取りと手間を要するため、日常の施工管理の一環として実施するのは困難であった。
トータルステーションを用いた変位計測は、計測時に測量作業を伴い、少なからず掘削作業を中断する必要があるため、計測の頻度や計測の間隔を密に行い、より高精度な計測を実施しようとすると、全体工期に影響を及ぼすおそれがあった。
坑内変位計測には、比較的高精度なトータルステーションが用いられるが、距離の測定精度は3mm程度である。そのため、計測変位がそれより小さい場合には、計測誤差により地山の変位挙動を捉えることができないことがあった。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、施工の日常管理の一環として、簡易に切羽前方の地山の状況を予測しつつトンネルの掘進を行うことが可能な地山状況予測方法およびトンネル掘削方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法であって、第一の切羽まで掘り進んだ後、前記第一の切羽から距離aだけ坑口側に離れた位置のトンネル天端部に傾斜計を設置する作業と、前記第一の切羽の前方に距離bだけ掘り進んだ後、前記傾斜計により前記トンネル天端部の第一傾斜角度θを計測する作業と、前記第一の切羽よりも前方の第二の切羽まで掘り進んだ後、前記第二の切羽から距離aだけ坑口側に離れた位置のトンネル天端部に傾斜計を設置する作業と、前記第二の切羽の前方に距離bだけ掘り進んだ後、前記傾斜計により前記トンネル天端部の第二傾斜角度θを計測する作業と、を備え、前記第一傾斜角度θおよび前記第二傾斜角度θが、式1を満たす場合に、前記第二の切羽より前方に軟弱層が存在すると予測し、前記第一傾斜角度θおよび前記第二傾斜角度θが、式2を満たす場合に、前記第二の切羽より前方に堅硬層が存在すると予測することを特徴としている。
θ−θ>0・・・式1
θ−θ<0・・・式2
かかる地山状況予測方法によれば、切羽前方の地山の状況を予め把握することができるため、地山状況に応じた施工方法によるトンネルの掘進が可能となり、より安全かつ経済的な施工が可能となる。なお、傾斜角度は、掘削方向に向かって上向きを正、下向きを負とする。
傾斜角度は、トンネル天端部に設置された(小型の)傾斜計により容易に計測することが可能である。また、傾斜計は一旦設置すれば、自動で連続計測を行うことができ、計測頻度を容易に上げることができる。そのため、現状の地山状況に対する切羽前方の地山状況の変化を見逃すことが少なくなる。なお、本明細書においてトンネル天端部とは、トンネル断面の肩部から上方の範囲をいう。
なお、前記地山状況予測方法により切羽前方の地山状況の予測を日常管理として行うトンネル掘削方法において、トンネルの掘進にともない、切羽から離れることで傾斜角度に変化が生じなくなった傾斜計を、切羽側に移設すれば、傾斜計の設置数を必要最小限に抑えることが可能となり経済的である。
本発明の地山状況予測方法およびトンネル掘削方法によれば、簡易に切羽前方の地山の状況を予測しつつトンネルの掘進を行うことが可能となる。
(a)〜(d)は、本実施形態に係る地山状況予測方法の各段階を示す縦断図である。 傾斜計の計測結果を示す模式図である。 (a)および(b)は、傾斜計の移設方法を示す縦断図である。 堅硬層から軟弱層に変化する地層境界を備える地山を掘削する場合の解析結果を示す図であって、(a)はトンネルの天端沈下と変位算出位置との関係を示す図であり、(b)はトンネルの軸方向変位と変位算出位置の関係を示す図である。 堅硬層から軟弱層に変化する地層境界を備える地山を掘削する場合の解析結果を示す図であって、トンネルの天端部の傾斜角度と角度算出位置の関係を示す図である。 軟弱層から堅硬層に変化する地層境界を備える地山を掘削する場合の解析結果を示す図であって、トンネルの天端部の傾斜角度と角度算出位置の関係を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のトンネルの掘削方法は、地山状況予測方法により切羽K前方の地山の状況を予測した上で、トンネルの掘進を行うものである。
地山状況予測方法は、図1に示すように、切羽Kから所定長離れた位置におけるトンネル天端部の傾斜角を傾斜計10により随時測定することにより、傾斜角度θ(図2参照)の変化(トンネル軸方向の傾斜変化)により切羽前方の地山状況を予測するものである。
本実施形態の地山状況予測方法は、第一設置作業と、第一計測作業と、第二設置作業と、第二計測作業と、地山予測作業と、を備えている。
第一設置作業では、図1(a)に示すように、トンネルTの天端部への第一傾斜計11の設置を行う。
第一設置作業では、トンネルTを第一の切羽K1まで掘り進んだ後、第一の切羽K1から距離a(本実施形態では0.5m)だけ坑口側(後方)に離れた位置に第一傾斜計11を設置する。
第一傾斜計11は、トンネルの軸方向に沿って所定の間隔をあけて配設される支保工20に固定する。なお、第一傾斜計11の設置は、支保工20に設置する場合に限定されるものではなく、例えばトンネルTの内壁面に直接固定してもよい。また、支保工が施工されない支保パターンにおいては、吹付けコンクリート21に設置しても良い。
第一傾斜計11(傾斜計10)は、図示しない自動計測機器に接続されており、第一傾斜計11を設置したら、傾斜角度θの測定が開始される。この第一の切羽K1から距離aだけ離れた位置において第一傾斜計11により測定されたトンネル天端部の傾斜角度θを初期値(傾き0°)とする(図2参照)。
第一傾斜計11を設置したら、図1(b)に示すように、トンネルTの掘進を再開し、第一の切羽K1の前方に距離b(本実施形態では2.5m)だけ掘り進めた段階で、第一傾斜計11により、トンネル天端部におけるトンネル軸方向の傾斜角度θを計測する。なお、第一傾斜計11と第一の切羽K1との距離がa+b(本実施形態では約3m)の段階で計測した傾斜角度θを、第一傾斜角度θとする。
なお、傾斜角度θ(第一傾斜角度θ、第二傾斜角度θ)は、図2に示すように、トンネル掘進方向(軸方向)に対して、下向きの傾きを負とし、上向きの傾きを正とする。
第二設置作業では、図1(c)に示すように、第二傾斜計12の設置を行う。
第一計測作業終了後、トンネルTの掘進が第一の切羽K1よりも前方に所定長(本実施形態では5m)進行した段階で、切羽K(第二の切羽K2)から距離a(0.5m)だけ坑口側(後方)に離れた位置のトンネル天端部に第二傾斜計12を設置する。
第二傾斜計12は、第一傾斜計11と同様に、支保工20に固定する。なお、第二傾斜計12の設置方法は限定されるものではないが、設置方法の違いによる誤差を排除するために、第一傾斜計11と同じ設置方法により行うものとする。
第二傾斜計12(傾斜計10)は、図示しない自動計測器機に接続されており、第二傾斜計12を設置したら、傾斜角度θの測定が開始される。第二の切羽K2から距離aだけ離れた位置における第二傾斜計12のトンネル天端部におけるトンネル軸方向の傾斜角度θを初期値(傾き0°)とする(図2参照)。
第二設置作業終了後、トンネルTをさらに掘進させるとともに、図1(d)に示すように、第二切羽K2の前方に距離b(2.5m)だけ掘り進めた段階で、第二傾斜計12によりトンネル天端部の傾斜角度θを計測する。なお、第二傾斜計12と第二の切羽K2との距離がa+b(本実施形態では3m)の段階で計測した傾斜角度θを、第二傾斜角度θとする。
地山予測作業は、第一傾斜角度θと第二傾斜角度θとを利用して、切羽前方の地山状況の予測を行う。
地山状況の予測は、第一傾斜角度θ(図1(b)の第一傾斜計11で計測された傾斜角度θ)および第二傾斜角度θ(図1(d)の第二傾斜計12で計測された傾斜角度θ)が、式1を満たす場合には、第二の切羽K2より前方に軟弱層が存在すると予測し、第一傾斜角度θおよび第二傾斜角度θが、式2を満たす場合に、第二の切羽K2より前方に堅硬層が存在すると予測する。
θ−θ>0・・・式1
θ−θ<0・・・式2
つまり、第一傾斜角度θと第二傾斜角度θとを比較して、第二傾斜角度θが第一傾斜角度θよりも負に大きくなる場合には、切羽前方に軟弱層が存在する可能性があると予測できる。
一方、第二傾斜角度θが第一傾斜角度θよりも正に大きくなる場合には、切羽前方の地山が現在よりも好転する可能性があると予測できる。
さらに、第一傾斜角度と第二傾斜角度とが略同等である場合は、切羽前方の地山は略同等であると予測できる。
以後、第二設置作業、第二計測作業および地山予測作業を繰り返し行う。
本実施形態では、設置作業を繰り返し行うことで、図3(a)に示すように、トンネル軸方向に沿って、5m間隔で複数の傾斜計10,10,…を設置するとともに、複数個所での傾斜角度θの測定を行うものとする。
地山予測作業において、切羽前方の地山に、軟弱層の存在が予測された場合には、必要に応じて先進ボーリングや坑内弾性波探査等などの切羽前方地山探査や、先受け工や鏡ボルト等の補助工法や対策工を実施する。
また、トンネルの掘進にともない、切羽Kから離れることで傾斜角度θに変化が生じなくなった傾斜計10aは、図3(b)に示すように、切羽K側に移設する。
以上、本実施形態の地山状況予測方法およびトンネルの掘削方法によれば、トンネル天端部の傾斜変化を計測することで、簡易に切羽前方の地山状況を予測することができる。また、トンネル掘削作業を中断することがないため、切羽前方の地山状況の予測を日常の施工管理として実施することが可能である。
傾斜計の設置は、一次支保の施工と同時に行うことが可能なため、掘削作業に影響を与えることはない。
軟弱層の存在が予測される位置において、先進ボーリングや坑内弾性波探査等などの切羽前方地山探査を実施すれば、切羽前方の軟弱層の正確な位置、層厚、強度特性を把握することができる。切羽前方地山探査の結果に応じて支保パターンの変更や補助工法の採用を予め決定することができるため、施工性に優れている。
従来のトータルステーションを利用した坑内変位計測と切羽前方地山予測手法は、計測時に、測量作業を伴い、少なからず掘削作業を中断する必要があるため、計測頻度や計測間隔を密にすることができない場合があった。一方、本実施形態の地山状況予測方法によれば、傾斜計を一旦設置すれば、測量作業を伴うことなく、自動で連続計測が可能である。そのため、計測頻度や計測間隔を任意に設定することができ、より正確に切羽前方地山の状況を予測することが可能である。
また、トンネル天端部に設置された傾斜計による傾斜角度を測定は、トンネルの掘削を停止させることなく実施することが可能なため、施工性に優れている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、複数の傾斜計を5m間隔で設置する場合について説明したが、傾斜計の設置間隔は限定されるものではない。
また、傾斜計の数も限定されるものではなく、例えば1つの傾斜計を随時移動させることにより行ってもよいし、傾斜計を移動させることなく、トンネル全延長に渡って配置してもよい。
また、前記実施形態では、切羽から0.5mの位置に傾斜計を設置するものとしたが、傾斜計を設置するタイミングは限定されるものではなく、掘削作業の影響を受けない範囲で、できるだけ切羽の近くに設置するのが良い。ただし、計測結果を正確に評価するためには、初期値計測時の傾斜計と切羽との距離は、各計測点(各傾斜計の設置箇所)で同じである必要がある。
また、第一傾斜角度および第二傾斜角度を測定する時点の傾斜計と切羽との距離は1mに限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、トンネルの断面形状等も限定されるものではない。
また、本実施形態では、傾斜計をトンネルの天端(頂部)に設置する場合について説明したが、傾斜計の設置箇所はこれに限定されるものではない。なお、傾斜計は、SL(スプリングライン)から上方の上半部に設置すれば、傾斜角度の変化により切羽前方の地山状況の予測を行うことが可能であるが、より高い位置に傾斜計を設置すれば、傾斜角度の変化がより顕著に現れる。そのため、傾斜計の設置箇所はトンネル断面の肩部から上方(天端部)が望ましい。
本実施形態では、傾斜計の測定向きがトンネル軸方向に沿うように傾斜計を配置して、トンネル軸方向に対する傾斜角度θを測定するものとしたが、トンネル軸方向に対する傾斜角度の変化を測定することが可能であれば傾斜計の向きは限定されるものではない。
次に、本発明にかかる地山状況予測方法について検証した結果について説明する。
本検証は、トンネル天端部におけるトンネル軸方向の傾斜角度の変化を計測することにより、切羽前方の地山状況(地山の硬軟)を予測できることを三次元逐次掘削解析により検証した。
地盤は線形弾性モデルとし、堅硬層として地山等級DI、軟弱層として地山等級DIIと仮定し、堅硬層から軟弱層に変化する地層境界を備えるモデルとした。解析用地盤物性値は、トンネル数値解析マニュアル(日本道路公団、1998年)などを参照して、各地山等級の代表値を採用した。表1に解析用地盤物性値を示す。
また、初期地圧は、トンネル天端位置に、土被り100m相当の地圧が作用するものとし、側圧係数は1.0とした。
Figure 0005319618
解析では、地層境界を貫通するトンネルについて、地層境界におけるトンネル天端部の傾斜角度の変化を算出した。なお、傾斜角度θの算出は、各算出位置(変位算出位置、角度算出位置)において切羽Kからの離れが3.0m、6.0m、9.0mの位置において行った。なお、各算出位置は地層境界からの距離で示す。
図4(a)に、本解析モデルにおける、トンネル掘進にともなうトンネルの天端沈下の解析結果を示す。ただし、図4(a)では、沈下を負としている。
また、図4(b)に、本解析モデルにおけるトンネル掘進にともなうトンネルの軸方向変位の解析結果を示す。ただし、図4(b)では切羽側に向かう変位を正、坑口側に向かう変位を負としている。
図4(a)に示すように天端沈下量は、切羽離れ3m時の結果に着目すると、地層境界手前約9m付近の算出位置から徐々に大きくなるが、切羽が地層境界を通過する前での変化量は2mm程度である。地層境界通過後の算出位置では、大きな沈下が生じている。
また、図4(b)に示すように、軸方向変位は、地層境界手前約9m付近の算出位置から減少し始めるが、切羽が地層境界を通過する前での変化量は0.5mm程度である。地層境界通過後の算出位置では逆に軸方向変位は増加する。
このように、地層境界の手前における天端沈下や軸方向変位の変化量は小さく、トータルステーション等の計測による天端沈下やトンネル軸方向変位の計測では、これらの変化を捉えることができずに地層境界到達するおそれがあることがわかる。
図5に、同解析モデルについて、トンネル天端部における傾斜角度θの解析結果を示す。
図5に示すように、天端部の傾斜角度θは、地層境界から12m程度手前から、前方の軟弱層の影響により傾斜角度θが負に大きくなることがわかる。6m手前からは、傾斜角度θはさらに大きく変化している。なお、傾斜計の分解能が0.001°以上あれば、傾斜角度の変化を十分に検出することが可能である。
したがって、天端部の傾斜角度の変化を計測することで、切羽Kの前方に地層境界(軟弱層)が存在の予測が可能であることが実証された。
図6には、軟弱層DIIから堅硬層DIに変化する地層境界を備える解析モデルについて、天端部の傾斜角度の変化を解析した結果を示す。
図6に示すように、天端部の傾斜角度θは、地層境界から12m程度手前から、前方の堅硬層の影響を受けて、傾斜角度θが正に大きくなることがわかる。9m付近手前からは、傾斜角度θはさらに大きく変化している。
したがって、本発明の地山状況予測方法によれば、自動計測機器を利用して天端部の傾斜角度の変化を計測することで、切羽前方の堅硬層または軟弱層の有無を予測が可能であることが実証された。
10 傾斜計
11 第一傾斜計
12 第二傾斜計
K 切羽
K1 第一の切羽
K2 第二の切羽
T トンネル
θ 傾斜角度
θ 第一傾斜角度
θ 第二傾斜角度

Claims (2)

  1. 切羽前方の地山状況を予測する地山状況予測方法であって、
    第一の切羽まで掘り進んだ後、前記第一の切羽から距離aだけ坑口側に離れた位置のトンネル天端部に傾斜計を設置する作業と、
    前記第一の切羽の前方に距離bだけ掘り進んだ後、前記傾斜計により前記トンネル天端部の第一傾斜角度θを計測する作業と、
    前記第一の切羽よりも前方の第二の切羽まで掘り進んだ後、前記第二の切羽から距離aだけ坑口側に離れた位置のトンネル天端部に傾斜計を設置する作業と、
    前記第二の切羽の前方に距離bだけ掘り進んだ後、前記傾斜計により前記トンネル天端部の第二傾斜角度θを計測する作業と、を備え、
    前記第一傾斜角度θおよび前記第二傾斜角度θが、式1を満たす場合に、前記第二の切羽より前方に軟弱層が存在すると予測し、
    前記第一傾斜角度θおよび前記第二傾斜角度θが、式2を満たす場合に、前記第二の切羽より前方に堅硬層が存在すると予測することを特徴とする、地山状況予測方法。
    θ−θ>0・・・式1
    θ−θ<0・・・式2
  2. 請求項1に記載の地山状況予測方法により切羽前方の地山状況の予測を日常管理として行い、
    トンネルの掘進にともない、切羽から離れることで傾斜角度に変化が生じなくなった傾斜計を、切羽側に移設することを特徴とする、トンネル掘削方法。
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