上記のような機械式駐車装置では、電気自動車を入庫させる際、複数のパレットのうち充電パレットを選択して入出庫部に搬送する。充電パレットがリフトから離れた位置にしか配置されていない場合、充電パレットの搬送に時間がかかってしまう。また、上記の機械式駐車装置では、利用者が入庫操作を行ってから短時間で入庫が可能となるように、入庫操作が行われない期間、次の入庫に備えて入出庫部に空きパレットが配置されるようになっている。この場合に入出庫部に配置されるのは、一般に、充電設備を有しないパレットである。そのため、電気自動車の入庫指示があった場合、機械式駐車装置は、入出庫部に準備されている空きパレットを格納棚に戻し、その後、改めて格納棚から充電パレットを入出庫部に搬送する必要がある。このように、電気自動車を入庫する際には、入庫の待ち時間が長くなってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、電気自動車を入庫する場合に待ち時間が長くなることを抑制できる機械式駐車装置、機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る機械式駐車装置は、車両の入庫及び出庫を行う入出庫部と、車両を載置して搬送するためのパレットが配置された複数の格納棚及び前記パレットが配置されない空き領域となる1箇所以上の格納棚が格子状に配置された格納庫と、前記入出庫部と前記格納庫の間を昇降して前記パレットを搬送する昇降装置と、複数の前記格納棚の間及び前記入出庫部と前記格納棚との間で前記パレットを移動させて前記車両の入出庫を行わせる制御装置と、前記格納棚に設けられ、電気自動車に電力を供給するための1つ以上の送電装置と、前記パレットに着脱可能に設けられ、前記パレットに載置される電気自動車に電気的に接続可能であり、前記パレットに装着された状態で前記パレットが前記送電装置を有する前記格納棚に配置された場合に前記送電装置に電気的に接続される受電装置とを備える。
本発明によれば、固定型の受電装置を有しないパレットに受電装置を装着することにより、当該パレットにおいて電気自動車の充電が可能となる。したがって、電気自動車を入庫する際に、従来のような固定型の受電装置を有するパレットを選択して搬送する必要がない。また、入出庫部に準備されたパレットを入れ替える必要もない。これにより、電気自動車を入庫する場合に待ち時間が長くなることを抑制できる。また、受電装置をパレットに着脱させるだけで、充電可能なパレットと、充電を行わない車種を載置するパレットとを容易に切り替えることが可能となる。これにより、機械式駐車装置に新たに充電設備を設置する場合に、大掛かりなパレットの改造工事が不要となる。よって、充電設備を有する機械式駐車装置が低コストで実現可能となる。
上記の機械式駐車装置は、前記パレットに前記受電装置が装着された装着状態を検出可能な装着検出部を更に備える。
本発明によれば、装着検出部によって受電装置の装着状態を検出できるため、検出結果を用いた制御が可能となる。
上記の機械式駐車装置において、前記制御装置は、前記車両の入庫の際に前記装着状態が検出された場合、前記入出庫部に配置される前記パレットを、前記送電装置を有する前記格納棚に搬送させる。
本発明によれば、利用者が電気自動車を入庫する旨の入力等を行わなくても、車両の入庫の際に装着状態が検出された場合には、入出庫部に配置されるパレットが自動的に送電装置を有する格納棚に搬送されることになる。これにより、利用者に負担をかけることなく、スムーズな入庫が可能となる。
上記の機械式駐車装置において、前記制御装置は、前記車両の入庫の際に前記装着状態が検出されない場合、前記入出庫部に配置される前記パレットを、前記送電装置を有しない前記格納棚に搬送させる。
本発明によれば、利用者が電気自動車であるか否かの入力等を行わなくても、車両の入庫の際に装着状態が検出されない場合には、入出庫部に配置されるパレットが自動的に送電装置を有しない格納棚に搬送されることになる。これにより、利用者に負担をかけることなく、スムーズな入庫が可能となる。
上記の機械式駐車装置において、前記入出庫部において前記車両の移動を検出可能な移動検出部と、前記利用者に対して情報を出力可能な出力部と、を更に備え、前記制御装置は、前記車両の出庫の際、前記装着状態が検出された状態で前記車両の移動が検出された場合、前記受電装置を取り外すように案内する情報及び前記装着状態であることを通知する情報のうち少なくとも一方を含む情報を前記出力部に出力させる。
本発明によれば、車両の出庫の際に装着状態が検出された状態で車両の移動が検出された場合、出力部から受電装置を取り外すように案内したり、装着状態であることを通知したりすることで、利用者に受電装置の取り外しを促すことができる。これにより、スムーズな出庫が可能となる。
上記の機械式駐車装置において、前記制御装置は、前記格納庫に入庫された前記装着状態の前記パレットの数が前記送電装置を有する前記格納棚の数よりも多い場合、前記送電装置を有する前記格納棚に配置する前記装着状態の前記パレットを所定のタイミングで切り替える。
本発明によれば、送電装置を有する格納棚の数以上の電気自動車が入庫された場合であっても、切り替えて充電することができる。これにより、充電可能な電気自動車の台数を増加させることができる。
上記の機械式駐車装置において、前記入出庫部は、前記受電装置を保管する保管部を有する。
本発明によれば、受電装置を保管する保管部が入出庫部に設けられるため、利用者が入出庫部で受電装置を見つけやすくすることができる。また、保管部で保管することにより、受電装置の紛失を抑制することができる。
上記の機械式駐車装置は、前記保管部に前記受電装置が保管されている保管状態を検出可能な保管検出部を更に備える。
本発明によれば、保管検出部によって受電装置の保管状態を検出できるため、検出結果を用いた制御が可能となる。
上記の機械式駐車装置は、前記パレットに前記受電装置が装着されている装着状態を検出可能な装着検出部を更に備え、前記制御装置は、前記車両の入庫の際に前記装着状態及び前記保管状態のいずれもが検出されない場合、前記装着状態になったことが検出されるか、又は前記保管状態になったことが検出されるまで、前記パレットの搬送を待機させる。
本発明によれば、車両の入庫の際に装着状態及び保管状態のいずれもが検出されない場合にパレットの搬送を待機させるため、受電装置が正常に装着されないまま入庫されたり、受電装置が盗まれたり紛失したりすることを抑制できる。
上記の機械式駐車装置は、前記パレットに前記受電装置が装着されている装着状態を検出可能な装着検出部と、前記利用者に対して情報を出力可能な出力部と、を更に備え、前記制御装置は、前記車両の入庫の際に前記装着状態及び前記保管状態のいずれもが検出されない場合、前記受電装置を前記パレットに装着するか前記受電装置を前記保管部に保管するかを行うように案内する情報、並びに前記装着状態及び前記保管状態のいずれもが検出されないことを通知する情報のうち少なくとも一方を含む情報を前記出力部に出力させる。
本発明によれば、車両の入庫の際に装着状態及び保管状態のいずれもが検出されない場合、受電装置をパレットに装着するか受電装置を保管部に保管するかを行うように案内したり、装着状態及び保管状態のいずれもが検出されないことを通知したりすることで、利用者に受電装置の装着又は保管を促すことができる。これにより、受電装置が正常に装着されないまま入庫されたり、受電装置が盗まれたり紛失したりすることを抑制でき、スムーズな入庫が可能となる。
上記の機械式駐車装置は、前記入出庫部において前記車両の移動を検出可能な移動検出部と、前記利用者に対して情報を出力可能な出力部と、を更に備え、前記制御装置は、前記車両の出庫の際、前記保管状態が検出されない状態で前記車両の移動が検出された場合、前記保管状態が検出されるまで、前記出力部に対して前記車両の退場指示の出力を待機させる。
本発明によれば、車両の出庫の際に保管状態が検出されない状態で車両の移動が検出された場合、保管状態が検出されるまで車両の退場指示の出力を待機させるため、受電装置が盗まれたり紛失したりすることを抑制できる。
上記の機械式駐車装置は、前記入出庫部において前記車両の移動を検出可能な移動検出部と、前記利用者に対して情報を出力可能な出力部と、を更に備え、前記制御装置は、前記車両の出庫の際、前記保管状態が検出されない状態で前記車両の移動が検出された場合、前記受電装置を前記保管部に保管するように案内する情報、及び前記保管状態が検出されないことを通知する情報のうち少なくとも一方を含む情報を前記出力部に出力させる。
本発明によれば、車両の出庫の際に保管状態が検出されない状態で車両の移動が検出された場合、利用者に受電装置を保管するように案内したり、保管状態が検出されないことを通知したりすることにより、受電装置の保管を利用者に促すことができる。これにより、受電装置が盗まれたり紛失したりすることを抑制でき、スムーズな出庫が可能となる。
本発明に係る機械式駐車装置の制御方法は、車両の入庫及び出庫を行う入出庫部と、車両を載置して搬送するためのパレットが配置された複数の格納棚及び前記パレットが配置されない空き領域となる1箇所以上の格納棚が格子状に配置された格納庫と、前記入出庫部と前記格納庫の間を昇降して前記パレットを搬送する昇降装置と、複数の前記格納棚の間及び前記入出庫部と前記格納棚との間で前記パレットを移動させることで前記車両の入出庫を行わせる制御装置と、前記格納棚に設けられ電気自動車に電力を供給するための1つ以上の送電装置と、前記パレットに載置される前記電気自動車に電気的に接続可能であり前記パレットに装着された状態で前記パレットが前記送電装置を有する前記格納棚に配置された場合に前記送電装置に電気的に接続される受電装置と、を備える機械式駐車装置の制御方法であって、前記パレットに着脱可能に設けられた前記受電装置が、前記車両の入庫の際に前記パレットに装着された場合には、前記送電装置を有する前記格納棚に前記パレットを搬送させる。
本発明によれば、利用者が電気自動車を入庫する旨の入力等を行わなくても、車両の入庫の際に装着状態が検出された場合には、入出庫部に配置されるパレットが送電装置を有する格納棚に搬送されることになる。これにより、利用者に負担をかけることなく、スムーズな入庫が可能となる。
本発明に係る機械式駐車装置の制御プログラムは、車両の入庫及び出庫を行う入出庫部と、車両を載置して搬送するためのパレットが配置された複数の格納棚及び前記パレットが配置されない空き領域となる1箇所以上の格納棚が格子状に配置された格納庫と、前記入出庫部と前記格納庫の間を昇降して前記パレットを搬送する昇降装置と、複数の前記格納棚の間及び前記入出庫部と前記格納棚との間で前記パレットを移動させることで前記車両の入出庫を行わせる制御装置と、前記格納棚に設けられ電気自動車に電力を供給するための1つ以上の送電装置と、前記パレットに載置される前記電気自動車に電気的に接続可能であり前記パレットに装着された状態で前記パレットが前記送電装置を有する前記格納棚に配置された場合に前記送電装置に電気的に接続される受電装置と、を備える機械式駐車装置の制御プログラムであって、前記パレットに着脱可能に設けられた前記受電装置が、前記車両の入庫の際に前記パレットに装着された場合には、前記送電装置を有する前記格納棚に前記パレットを搬送させる処理をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、利用者が電気自動車を入庫する旨の入力等を行わなくても、車両の入庫の際に装着状態が検出された場合には、入出庫部に配置されるパレットが送電装置を有する格納棚に搬送されることになる。これにより、利用者に負担をかけることなく、スムーズな入庫が可能となる。
本発明に係る機械式駐車装置、機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置の制御プログラムによれば、電気自動車を入庫する場合に待ち時間が長くなることを抑制できる。
以下、本発明に係る機械式駐車装置の制御装置及び機械式駐車装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。本実施形態では、車両を載置するパレットを水平循環させるパズル式の機械式駐車装置を例に挙げて説明するが、例えばエレベータ式など、他の方式の機械式駐車場においても本発明の適用は可能である。
図1は、本実施形態に係る機械式駐車装置10の概略構成図である。機械式駐車装置10は、車両12を入出庫させる入出庫部14と、車両12を格納する格納庫20と、入出庫部14と格納庫20との間で昇降して車両12を搬送するリフト(昇降装置)22とを備えている。また、機械式駐車装置10は、これら入出庫部14、格納庫20及びリフト22の動作を統括的に制御する制御装置24を備えている。この機械式駐車装置10は、車両12のうち電気自動車12Eを充電する充電機構を有する構成となっている。電気自動車12Eは、充電用ケーブルを接続する接続部を有しており、充電用ケーブルを介して充電を行う。
入出庫部14は、扉26及び操作盤28を有している。扉26は、車両12が入出庫部14に入庫又は出庫する際に開かれる。操作盤28は、機械式駐車装置10の利用者が入庫や出庫などの各種操作を行うためのものである。操作盤28は、入出庫部14の外側に配置される。
操作盤28は、例えば、スイッチ、タッチパネル、ICカード、リモコン装置等の入力部を有している。操作盤28の入力部は、機械式駐車装置10の利用者による入庫操作や出庫操作等の各種操作を受け付ける。
また、操作盤28は、文字や画像、音声などの情報を出力する出力部28aを有している。このような出力部28aとしては、例えば液晶ディスプレイ装置、表示ランプ等の表示装置や、スピーカ等の音声出力部28aなどが挙げられる。また、出力部28aとして音声合成装置が設けられてもよい。操作盤28は、出力部28aを介して、利用者に種々の情報を提供する。
格納庫20は、水平面上に格子状(例えば、N行×M列)に配置された複数の格納棚18を有している。複数の格納棚18は、パレット16が配置される格納棚18と、パレット16が配置されずに空き領域となる格納棚18とを含んでいる。空き領域となる格納棚18は、1箇所以上設けられる。格納棚18は、例えば1台の車両12を収容可能な寸法に形成される。複数の格納棚18には、送電装置60が設けられた充電棚18Eが含まれる。送電装置60は、電気自動車12Eを充電するための電源設備である。送電装置60は、例えば充電棚18Eの角部に配置される。充電棚18Eは、1箇所以上に設けられる。本実施形態においては、格納庫20の最上段右奥に充電棚18Eを2つ設けることとしているが、充電棚18Eの位置及び個数はこれに限定されず、どの位置に何個設けられていてもよい。
パレット16は、板状に形成され、車両12を載置する。パレット16は、1台分の車両12を載置可能であり、かつ1つの格納棚18に収まる寸法に形成される。パレット16は、複数の格納棚18間を行方向及び列方向に移動する。格納庫20では、車両12を載置した在車パレット16が移動することで、車両12の搬送が行われる。パレット16には、各々異なる識別番号が予め付加されている。パレット16の識別番号は、制御装置24によって識別可能である。
図1において、格納庫20の格納棚18は、3段(階)として示されているが、これは一例であって段数は特に限定されず、1段、2段、又は4段以上であってもよい。なお、1つ以上の格納棚18によって構成される1平面の格納庫を格納段(階)と呼ぶ。また、格納庫20は、入出庫部14よりも下段に配置されているが、これに限らず、格納庫20は、入出庫部14よりも上段に配置されていてもよいし、入出庫部14よりも上段及び下段の両方に配置されてもよい。さらに、各段の格納棚18は、リフト22によって接続されており、各段のレイアウト(格納棚の数及び縦横比、配置形状(方形、L字型、ロ字型など)、またパレット16の枚数及び位置等)は、各々同じでも異なっていてもよい。
図1において、リフト(昇降装置)22は1基設けることとして示されているが、複数あってもよい。また、リフト22に接続する入出庫部14は1つ示されているが、入出庫階でリフトの左右に接続されるタイプ、複数の入出庫階を持つタイプなどであってもよい。
また、上記の入出庫部14は、受電装置30を保管する保管部27を有している。受電装置30は、上記の送電装置60に接続され、電気自動車12Eの充電に用いられる。図2は、受電装置30の一例を示す図である。図2に示すように、受電装置30は、受電部31と、コネクタ32と、着脱部33とを有している。受電装置30は、利用者等が持ち運び可能な寸法及び重量となるように形成されている。
受電装置30は、パレット16に着脱可能に設けられる。受電装置30は、図2に示すように水平面に対して立った状態でパレット16に装着される。以下、受電装置30の各部の位置関係を説明する際、図2のように受電装置30が装着された状態を基準として方向等を表記する。
受電部31は、後述する送電装置60に接続され、送電装置60からの給電を受ける。受電部31は、筐体34と、端子保持部材35と、受電端子36とを有している。筐体34は、直方体状に形成され、側面34a、底面34b及び上面34cを有している。側面34aの一つには、凹部34dが形成されている。凹部34dは、側面34aから水平方向に沿って形成されている。
凹部34dの底部34eには、端子保持部材35が保持されている。端子保持部材35は、樹脂やセラミック等の絶縁材料を用いて形成されている。端子保持部材35には、受電端子36が設けられている。受電端子36は、水平方向に例えば3つ並んで配置されている。この3つの受電端子36は、それぞれ正極、負極、及びアースとして用いられる。各受電端子36は、凹部34dの開口部側に向けられており、送電装置60の端子にされる。
コネクタ32は、筐体34の上面34cに設けられている。コネクタ32は、受電部31と一体で形成されている。コネクタ32は、本体部37及びカバー38を有している。本体部37は、ケーブル装着部37aを有している。ケーブル装着部37aは、電気自動車12Eの充電用ケーブル12C(図5等参照)を着脱可能である。ケーブル装着部37aは、例えば不図示のリード線により、本体部37及び端子保持部材35の内部を介して、受電端子36に電気的に接続されている。カバー38は、本体部37を覆うように設けられている。カバー38は、例えば不図示の回動軸を介して筐体34の上面34cに取り付けられている。回動軸を中心として回動させることにより、カバー38を開閉させる構成となっている。また、カバー38には、不図示のロック機構が設けられる。このロック機構により、カバー38を閉じた状態でロック可能となっている。カバー38の上部には、把持部38aが設けられている。把持部38aは、利用者が片手で把持可能に形成されている。これにより、利用者が持ち運びやすい構成となっている。
着脱部33は、受電装置30をパレット16に着脱させる。着脱部33は、例えば筐体34の底面34bに設けられている。着脱部33としては、例えば磁石部材が用いられている。着脱部33は、磁石部材の磁力により、パレット16に吸着されるようになっている。着脱部33は、磁力によってパレット16に装着されるため、取り外しが可能となっている。なお、着脱部33の構成としては、例えば磁石部材に限定するものではなく、クランプ機構など、他の構成であってもよい。
図3は、受電装置30を装着していない状態のパレット16を示している。図4は、受電装置30を装着した状態のパレット16を示している。図3及び図4に示すように、受電装置30は、パレット16の縁石部16aに取り付けられる。受電装置30を取り付ける位置は、固定配置の送電装置60の位置に応じて設定される。ここでは、例えば両縁石部16aの対角位置16b及び16cに設定されているが、これに限定するものではない。また、取り付け位置に目印などの位置基準部16dが形成されてもよい。以下、受電装置30を装着した状態のパレット16を、他のパレットと区別するため充電パレット16Eと表記する。
図5は、電気自動車12Eを載置した充電パレット16Eが充電棚18Eに配置された状態の例を示す図である。図6は、受電装置30と送電装置60との接続部分を拡大して示す図である。図5及び図6に示すように、送電装置60は、基部61と、端子支持部62と、給電端子63とを有している。基部61は、不図示の電源に接続されている。給電端子63は、支持部62及び基部61を介して、不図示の電源に電気的に接続されている。また、給電端子63は、充電パレット16E側に向けられている。充電パレット16Eが充電棚18Eに配置された場合に、給電端子63が受電装置30の受電端子36に電気的に接続されるようになっている。また、充電パレット16Eが充電棚18Eから離脱する場合に、給電端子63と受電端子36の電気的接続が外れるようになっている。
電気自動車12Eは、充電用ケーブル12Cを介して受電装置30に電気的に接続されている。この状態で充電パレット16Eが充電棚18Eに配置されると、受電装置30の受電端子36と送電装置60の給電端子63とが電気的に接続される。これにより、充電棚18Eの電源から送電装置60及び受電装置30を介して電気自動車12Eに電力が供給されるようになっている。また、充電パレット16Eが充電棚18Eから離脱すると、受電端子36と給電端子63との電気的接続が外れる。これにより、電気自動車12Eと電源との電気的接続が外れ、電力の供給が行われなくなる。
続いて、図1に示すように、保管部27は、入出庫部14の内部に配置されている。保管部27は、入庫及び出庫される車両12と干渉しない位置に配置されている。保管部27は、車両12の進行方向上を避けた位置に配置されている。保管部27には、複数の受電装置30並んで配置されている。
保管部27は、保管検出部29を有している。保管検出部29は、受電装置30が保管されている状態(保管状態)を検出する。保管検出部29は、受電装置30のそれぞれを識別して保管状態を検出可能である。保管検出部29は、接触式のセンサであってもよいし、非接触式のセンサであってもよい。保管検出部29は、検出結果を制御装置24に送信可能である。
図7は、本実施形態における保管部27の配置を模式的に示す図である。図1及び図7に示すように、保管部27は、車両12が入出庫部14に出入りする方向に対して側方の壁部に配置されている。なお、図1及び図7では、車両12の出入り方向の側方のうち一側方の壁部にのみ保管部27が配置された例を示しているが、これに限定するものではなく、他側方又は両側方の壁部に保管部27が配置されてもよい。
なお、入出庫部14で車両12又はパレット16が水平方向に移動する場合、保管部27の配置は、車両12又はパレット16の軌道上を避けた位置に配置される。図8及び図9は、入出庫部に対して水平方向上にリフトが配置された場合の保管部27の配置例を模式的に示す図である。図8に示す入出庫部14Aでは、車両12が出入りする方向の右側方にリフト22Aが配置されている。この場合、車両12を載置したパレット16は、入出庫部14Aとリフト22Aとの間を移動する。このため、保管部27は、このパレット16の軌道上を避けるように、例えば入出庫部14Aの左側方に配置される。なお、図8において、リフト22Aが入出庫部14Aの図中左側に配置され、保管部27が入出庫部14Aの図中左側に配置されてもよい。また、図9に示す入出庫部14Bでは、車両12が入る方向の前方にリフト22Bが配置されている。この場合、車両12を載置したパレット16は、入出庫部14とリフト22Bとの間を移動する。このため、保管部27は、このパレット16の軌道上を避けるように、例えば、入出庫部14Bの例えば図中左側方に配置される。なお、保管部27は、入出庫部14Bの図中右側方に配置されてもよい。
また、図1に示すように、入出庫部14には、装着検出部25が設けられている。装着検出部25は、パレット16に受電装置30が装着された状態(装着状態)を検出可能である。装着検出部25は、検出結果を制御装置24に送信可能である。
装着検出部25は、例えば受電装置30が装着される位置に対応する位置に配置されているが、これに限定するものではない。例えば、装着検出部25がパレット16毎に設けられてもよい。この場合、パレット16の移動中などに受電装置30が外れた場合であっても検出可能となる。また、装着検出部25がパレット16に対して着脱可能であり、利用者が受電装置30と共にパレット16に装着する構成であってもよい。装着検出部25は、例えば触覚センサなどの接触式のセンサであってもよいし、変位センサなどの非接触式のセンサであってもよい。また、装着検出部25と受電装置30との間で通信可能な構成であってもよい。装着検出部25は、入出庫部14に配置される構成に限定されず、例えば各受電装置30に設けられてもよい。装着検出部25は、入出庫部14のみならず、リフト22や格納庫20(充電棚18E等)等に設けられてもよい。
また、入出庫部14には、移動検出部が設けられている。移動検出部23は、パレット16に載置された車両12(電気自動車12Eを含む)の移動を検出する。移動検出部23としては、光センサなどの非接触式のセンサが用いられるが、接触式のセンサが用いられてもよい。
図10は、機械式駐車装置10の制御装置24の電気的構成を示すブロック図である。制御装置24は、CPU(Central Processing Unit)40、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)41、CPU40による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)42、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)43を備えている。
CPUは、搬送制御部44と、受電装置管理部45と、出力制御部46と、切替制御部47とを有している。搬送制御部44は、入出庫の際のパレット16の搬送を制御する。また、搬送制御部44は、入庫の際、車両12が載置されたパレット16の搬送先を、通常の格納棚18と充電棚18Eとの間で選択して設定する。受電装置管理部45は、受電装置30毎に場所や状態を管理する。出力制御部46は、出力部28aによる出力動作を制御する。切替制御部47は、格納庫20でのパレット16の配置を設定し、設定した配置となるようにパレット16の位置を切り換えさせる。
HDD43は、格納棚情報記憶部48と、案内情報記憶部49と、受電装置情報記憶部50と、制御プログラム記憶部51とを有している。格納棚情報記憶部48は、格納棚情報を記憶する。格納棚情報は、複数の格納棚18のうち充電棚18Eの個数や配置に関する情報と、それ以外の格納棚18の個数や位置に関する情報とを含む。
案内情報記憶部49は、案内情報を記憶する。案内情報は、第1出力情報と、第2出力情報と、第3出力情報とを含む。第1出力情報は、車両12の出庫の際に装着状態が検出された場合、受電装置30を取り外すように案内する情報、及び装着状態が検出されたことを通知する情報のうち少なくとも一方を含む。第2出力情報は、車両12の入庫の際に装着状態及び保管状態のいずれもが検出されない場合、受電装置30をパレット16に装着するか受電装置30を保管部27に保管するかを行うように案内する情報、並びに装着状態及び保管状態のいずれもが検出されないことを通知する情報のうち少なくとも一方を含む。第3出力情報は、車両12の出庫の際に保管状態が検出されない場合、受電装置30を保管部に保管するように案内する情報、及び保管状態が検出されないことを通知する情報のうち少なくとも一方を含む。これら案内情報は、文字や画像、音声などの情報を含み、出力部28aから出力されるようになっている。例えば、案内情報は、人間の声で構成されてもよいし、アラームやメロディなどの音で構成されてもよい。
受電装置情報記憶部50は、受電装置情報を記憶する。受電装置情報は、受電装置30を識別する識別情報、受電装置30が配置されている場所に関する場所情報、受電装置30の状態に関する状態情報を含む。図11は、受電装置情報記憶部50に記憶される受電装置情報のデータテーブルの一例を示す図である。図11に示すように、受電装置情報記憶部50には、上記の識別情報(「NO.」の列)、場所情報(「場所」の列)及び状態情報(「状態」の列)が受電装置30ごとに対応付けて記憶されている。
識別情報としては、例えば受電装置30の管理番号が記憶される。場所情報としては、受電装置30が入出庫部14にある場合には「入出庫部」と記憶され、格納庫20にある場合には「格納庫」と記憶される。状態情報としては、例えば受電装置30が装着状態にある場合には「使用中」と記憶され、受電装置30が保管状態にある場合には「保管中」と記憶され、装着状態及び保管状態のいずれにもない場合には「着脱中」と記憶される。また、受電装置30が配置される場所や受電装置30の状態が変更された場合、その都度更新されるようになっている。
制御プログラム記憶部51は、パレット16の搬送先を設定する制御プログラムを記憶する。この制御プログラムは、車両の入庫の際にパレット16に受電装置30が装着されて充電パレット16Eとなった場合には、充電棚18Eに充電パレット16Eを搬送させる処理をコンピュータに実行させる。また、この制御プログラムは、車両の入庫の際にパレット16に受電装置30が装着されない場合には、充電棚18Eとは異なる格納棚18にパレット16を搬送させる処理をコンピュータに実行させる。
また、制御装置24は、パレット16やリフト22等を駆動させるためのモータ(不図示)を制御するモータ制御部52、及びパレット16やリフト22等の動作状態を検知するセンサ(不図示)からの信号を受信するセンサ信号受信部53を備えている。センサ信号受信部53は、上記の移動検出部23、装着検出部25及び保管検出部29などの各種検出部の検出信号を受信可能である。
CPU40、RAM41、ROM42、HDD43、モータ制御部52、センサ信号受信部53、及び操作盤28は、システムバス54を介して相互に電気的に接続されている。したがって、CPU40は、RAM41、ROM42、及びHDD43へのアクセス、操作盤28に対する操作状態の把握及び画像の表示、モータ制御部52を介したモータの駆動、並びにセンサ信号受信部53を介したパレット16やリフト22等の動作状態の把握を行なうことができる。
なお、HDD43の代わりに、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ付きのSRAM(Static Random Access Memory)等の記憶素子を用いてもよく、プログラム、利用者情報、及び設定値等のデータの種類に応じて記憶素子を使い分けて記憶させてもよい。
続いて、上記のように構成された機械式駐車装置10の動作を説明する。まず、車両12として、電気自動車12Eとは異なる車両12が入出庫される場合について説明する。
利用者によって操作盤28に入庫の指示が入力された場合、制御装置24は、入庫処理を行わせる。入庫処理では、制御装置24は、まず車両12が載置されていない空きパレット16を1つ選択し、リフト22まで水平方向に移動させる。その後、制御装置24は、リフト22によって当該パレット16を上昇させ、入出庫部14に移動させる。パレット16が入出庫部14に配置された後、制御装置24は扉26を開くようにする。なお、この機械式駐車装置10では、所定期間入庫操作が行われない場合、次の入庫に備えて入出庫部14に空きパレット16が配置される。したがって、この場合、利用者によって入庫の指示が入力されたら、制御装置24は扉26を開状態とする。扉26が開いた後、制御装置24は、操作盤28の出力部28aを介して利用者に車両12を入出庫部14のパレット16に載せるように指示する。車両12がパレット16に載置され、利用者が入出庫部14から外に出た後、制御装置24は、扉26を閉状態とし、車両12が載せられたパレット16をリフト22によって下降させる。その後、制御装置24(搬送制御部44)は、パレット16を水平方向に移動させて格納棚18に格納させる。これにより、入庫処理が完了する。
また、利用者により操作盤28に出庫の指示が入力された場合、制御装置24は、出庫処理を行わせる。出庫処理では、制御装置24は、出庫の指示を行った利用者の車両12が載せられたパレット16を選択し、リフト22まで水平方向に移動させる。その後、制御装置24は、リフト22によって当該パレット16を上昇させ、入出庫部14に移動させる。パレット16が入出庫部14に配置された後、制御装置24は、扉26を開状態とし、操作盤28の出力部28aを介して利用者に車両12を入出庫部14から外に出すように指示する。車両12が入出庫部14から外に出された後、制御装置24は、扉26を閉状態とし、パレット16をリフト22によって下降させる。その後、制御装置24は、パレット16を水平方向に移動させて格納棚18に戻す。これにより、出庫処理が完了する。
続いて、車両12として電気自動車12Eが入庫される場合について説明する。図12は、電気自動車12Eの入庫動作の流れを示すフローチャートである。図13は、利用者、車両12(電気自動車12E)及びパレット16の動作を対応付けて示す図である。以下、図12及び図13を参照して説明する。
受電装置30を着脱可能とすることにより、入庫の待ち時間を短縮するものである。利用者によって入庫の指示が入力されてから扉26が開くまでの動作は上記と同様である。なお、入庫の指示を行う際、これから入庫する車両12が電気自動車12Eである旨を入力してもよい。扉26が開いた後、利用者により、電気自動車12Eが入出庫部14に搬入され、パレット16上に載置される。制御装置24は、パレット16に電気自動車12Eが載置されたことを検出する(ステップS01)。
次に、利用者が電気自動車12Eから降車し、保管部27から受電装置30を取り出す。受電装置30が取り出される前は、保管検出部29では保管状態が検出されている。利用者が受電装置30を取り出した場合、保管検出部29では保管状態が検出されない状態(非検出の状態)となる。なお、受電装置30はこの段階ではパレット16に装着されておらず、装着検出部25では装着状態が非検出の状態である。したがって、受電装置管理部45は、保管状態が非検出になった場合(ステップS02のYES)、当該受電装置30の状態情報を「保管中」から「着脱中」に変更する(ステップS03)。また、保管状態が非検出になっていない場合には(ステップS02のNO)、受電装置管理部45は、受電装置30の状態を「保管中」のまま保持する。なお、ステップS01の後、出力制御部46は、例えば電気自動車12Eを入庫する利用者に対して保管部27から受電装置30を取り出すように案内情報を出力させてもよい。また、保管部27をロック可能な構成とし、入庫車両が電気自動車12Eである旨を入力した場合にロックが解除されるようにしてもよい。
次に、利用者が受電装置30をパレット16に装着した場合、装着検出部25によって装着状態が検出される。したがって、受電装置管理部45は、装着状態が検出された場合(ステップS04のYES)、当該受電装置30の状態情報を「着脱中」から「使用中」に変更する(ステップS5)。なお、受電装置管理部45は、装着検出部25によって装着状態が検出されるまで、受電装置30の状態情報を「着脱中」のまま保持する(ステップS04のNO)。なお、ステップS03の後、出力制御部46は、受電装置30をパレット16に装着するように案内情報を出力させてもよい。受電装置30がパレット16に装着されることにより、パレット16の属性が充電パレット16Eに変更される。
次に、利用者が電気自動車12Eの充電用ケーブル12Cを受電装置30のコネクタ32に接続する。これにより、電気自動車12Eと受電装置30とが電気的に接続される。その後、制御装置24は、利用者によって入庫操作が行われるまで待機する(ステップS06のNO)。入庫操作が行われた場合(ステップS06のYES)、搬送制御部44は、充電パレット16Eを格納庫20に搬送する。このとき、装着状態が検出されているため、搬送制御部44は、充電パレット16Eを充電棚18Eに搬送させる(ステップS07)。
一方、利用者が受電装置30を取り出した状態で装着状態が検出されず(ステップS04のNO)、この状態で入庫操作が行われた場合(ステップS08のYES)、出力制御部46は、第2出力情報を出力部28aに出力させる(ステップS09)。出力部28aから第2出力情報が出力されることで、利用者に受電装置30の装着又は保管を促すことができる。これにより、受電装置30が正常に装着されないまま入庫されたり、受電装置30が盗まれたり紛失したりすることを抑制でき、入庫動作をスムーズに行うことができる。
第2出力情報が出力された後、装着状態が検出された場合(ステップS10のYES)、受電装置管理部45は、当該受電装置30の状態情報を「着脱中」から「使用中」に変更する(ステップS11)。また、受電装置30がパレット16に装着されることにより、パレット16の属性が充電パレット16Eに変更される。その後、制御装置24は、上記ステップS07以降の処理を行わせる。
一方、第2出力情報が出力された後、装着状態が検出されず、保管状態が検出された場合(ステップS10のNO、ステップS12のYES)、受電装置管理部45は、当該受電装置30の状態情報を「着脱中」から「保管中」に変更する(ステップS13)。受電装置30が保管部27に保管されることにより、パレット16の属性は変更されないまま保持される。したがって、搬送制御部44は、パレット16を通常の格納棚18に搬送させる(ステップS14)。
また、第2出力情報が出力された後、装着状態が検出されない場合であって、保管状態が検出されない場合(ステップS12のNO)、制御装置24は、ステップS09に戻って再度処理を行わせる。このように、制御装置24は、装着状態又は保管状態が検出されるまで入庫処理を待機させる。これにより、受電装置が正常に装着されないまま入庫されたり、受電装置が盗まれたり紛失したりすることを抑制できる。
充電パレット16Eが充電棚18Eに配置されるか、またはパレット16が格納棚18に配置されることにより、電気自動車12Eが入庫される。入庫が完了した後、受電装置管理部45は、受電装置30の場所情報を「入出庫部」から「格納庫」に変更する(ステップS15)。以上により、電気自動車12Eの入庫処理が完了する。
充電パレット16Eが格納庫20に入庫された後、制御装置24は、切替制御部47により以下のような制御を行ってもよい。図14は、入庫後の充電パレット16Eの制御を示すフローチャートである。図14に示すように、切替制御部47は、格納庫20に入庫された充電パレット16Eの数が充電棚18Eの数よりも多いかを検出する(ステップS16)。充電パレット16Eの数の方が多い場合(ステップS16のYES)、切替制御部47は、充電棚18Eに配置する充電パレット16Eを所定のタイミングで切り替える(ステップS17)。この場合、所定のタイミングとしては、一定時間経過したタイミングや、新たな電気自動車12Eが入庫されたタイミング、充電中の電気自動車12Eが出庫されるタイミング、電気自動車12Eが最大まで充電されたタイミングなどが挙げられる。これにより、送電装置60の数を増加させることなく、充電可能な電気自動車12Eの台数を増加させることができる。
続いて、電気自動車12Eが出庫される場合について説明する。以下、受電装置30が装着された充電パレット16Eに電気自動車12Eが載置されている場合を例に挙げて説明する。図15は、電気自動車12Eの出庫動作の流れを示すフローチャートである。図16は、利用者、車両12(電気自動車12E)及びパレット16の動作を対応付けて示す図である。以下、図15及び図16を参照して説明する。
まず、利用者により操作盤28に出庫の指示が入力された場合(ステップS21のYES)、搬送制御部44は、電気自動車12Eが載せられた充電パレット16Eを入出庫部14に移動させる(ステップS22)。充電パレット16Eが入出庫部14に配置された後、受電装置管理部45は、当該充電パレット16Eに装着された受電装置30の場所情報を「格納庫」から「入出庫部」に変更する(ステップS23)。
次に、利用者が電気自動車12Eの充電用ケーブル12Cを受電装置30のコネクタ32から抜き取る。これにより、電気自動車12Eと受電装置30との電気的接続が切断される。その後、例えば利用者が受電装置30を取り外した場合には、装着検出部25では装着状態が非検出になる。そこで、受電装置管理部45は、装着状態が非検出になった場合(ステップS24のYES)、受電装置30の状態情報を変更する(ステップS25)。
その後、例えば利用者が、取り外した受電装置30を保管部27に保管した場合には、保管検出部29では保管状態が検出される。そこで、受電装置管理部45は、保管状態が検出された場合(ステップS26のYES)、受電装置30の状態情報を変更する(ステップS27)。受電装置30の状態情報が更新された後、出力制御部46は、出力部28aを介して利用者に電気自動車12Eを退場する指示を出力する(ステップS28)。
一方、ステップS24において、装着状態が非検出になっていない状態で電気自動車12Eの移動が検出された場合(ステップS24のNO、ステップS29のYES)、出力制御部46は、出力部28aに第1出力情報を出力させる(ステップS30)。第1出力情報を出力させることにより、利用者に受電装置30の取り外しを促すことができる。これにより、スムーズな出庫動作を行うことができる。
その後、制御装置24は、ステップS24以降の処理を再度行うようにする。例えば利用者が第1出力情報を認識した後、受電装置30を充電パレット16Eから取り外した場合(ステップS24のYES)、制御装置24は、ステップS25以降の処理を行うようにする。
また、ステップS26において、保管状態が検出されない状態で電気自動車12Eの移動が検出された場合(ステップS26のNO、ステップS31のYES)、出力制御部46は、出力部28aに第3出力情報を出力させる(ステップS32)。第3出力情報を出力することにより、受電装置30の保管を利用者に促すことができる。これにより、受電装置30が盗まれたり紛失したりすることを抑制でき、スムーズな出庫が可能となる。
その後、制御装置24は、ステップS26以降の処理を再度行うようにする。例えば利用者が第3出力情報を認識した後、受電装置30を保管部27に保管した場合(ステップS26のYES)、状態情報の変更(ステップS27)及び退場指示の出力(ステップS28)が行われる。このように、保管状態になるまで電気自動車12Eの退場を待機させることができる。
電気自動車を入庫させる際、固定式の受電装置が取り付けられた充電パレットを有する従来の機械式駐車装置では、入庫の際、当該充電パレットがリフトから離れた位置にしか配置されていない場合、充電パレットを入出庫部まで搬送する際に時間がかかってしまう。また、このような従来の機械式駐車装置では、次の入庫に備えて入出庫部に空きパレットを配置させる場合、一般に、充電設備を有しないパレットを配置させる。そのため、電気自動車の入庫指示があった場合、入出庫部に準備されている空きパレットを格納棚に戻し、その後、改めて格納棚から充電パレットを入出庫部に搬送する必要がある。このように、電気自動車を入庫する際には、入庫の待ち時間が長くなってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、固定型の受電装置を有しないパレット16に着脱可能な受電装置30を装着することにより、パレット16が充電パレット16Eとなり、当該充電パレット16Eにおいて電気自動車12Eの充電が可能となる。したがって、電気自動車12Eを入庫する際にパレットを入れ替える手間を省くことができる。これにより、電気自動車12Eを入庫する場合に待ち時間が長くなることを抑制できる。また、受電装置30をパレット16に着脱させるだけで、充電パレット16Eと、充電を行わない車種を載置するパレット16とを容易に切り替えることが可能となる。これにより、機械式駐車装置10に新たに充電設備を設置する場合に、大掛かりなパレット16の改造工事が不要となる。よって、充電設備を有する機械式駐車装置10が低コストで実現可能となる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、入出庫部14において車両12の入庫及び出庫を1つのリフト22で行う構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、複数の入出庫部が設けられ構成であっても、本発明の適用は可能である。図17は、受電装置情報記憶部50に記憶される受電装置情報のデータテーブルの他の例を示す図である。入出庫部が複数設けられる場合、例えば図17に示すように、受電装置30の場所情報として、複数の入出庫部のうちどの入出庫部に配置されているかを管理するようにする。これにより、複数の入出庫部が設けられる場合であっても受電装置30を確実に管理することができる。
また、上記実施形態では、受電装置30を保管部27に保管する例を挙げて説明したが、これに限定するものではない。例えば、利用者に個別に受電装置30を渡しておき、利用者自身で受電装置30を管理させるようにしてもよい。この場合、入庫時には、利用者は例えば車両12(電気自動車12E)のトランク等に受電装置30を保管しておき、パレット16に装着する際に取り出すようにする。また、出庫時には、利用者は充電パレット16Eから受電装置30を取り外し、電気自動車12Eのトランクに保管するようにする。これにより、利用者の利便性が向上し、機械式駐車装置10側での受電装置30の管理負担を軽減することができる。
また、上記実施形態では、ステップS08において入庫操作を検出した後(ステップS08のYES)、受電装置30が装着された場合であっても、保管された場合であっても、その後に入庫が行われる例を説明したが、これに限定するものではない。例えば、入庫操作を検出し、第2出力情報を出力した後、制御装置24は、ステップS04以降の処理を再度行わせるようにしてもよい。これにより、入庫時に装着状態が検出されるまで入庫処理を行わせないようにすることができる。