次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、遊技盤20の後側に、図柄変動演出を実行可能な図柄表示装置(識別情報表示手段)17が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視可能に保護する透明部材13aで前後に開口する窓口を覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
前記前枠13には、図1に示す如く、下球受け皿15の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられる。この操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下領域75a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下領域75b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち」とを打ち分け得るようになっている。
前記前枠13には、窓口の外周を囲繞するようランプ装置(発光演出手段)18が配設されると共に、該前枠13における上部の左右の隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域75に、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞部29、特別入賞部40,100、ゲート部48a,48b等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域75の最下部位置には、該遊技領域75に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域75の略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の図柄表示部分が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域75内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域75を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域75を流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域75を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口30,31を有する始動入賞部29および特別入賞口41を有する第1の特別入賞部40が取り付けられている。
前記枠状装飾体25の外側に画成される遊技領域75は、図2に示す如く、該枠状装飾体25の左側方をパチンコ球が流下する第1球流下領域75aおよび枠状装飾体25の右側方をパチンコ球が流下する第2球流下領域75bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域75内に向けて発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて第1球流下領域75aか、或いは第2球流下領域75bの何れかを流下するよう構成される。また、枠状装飾体25には、表示窓口25aの下側(枠状装飾体25の内周下縁部)に、ステージ28が設けられると共に、表示窓口25aの左側に、前記第1球流下領域75a(遊技領域75)に開口して該第1球流下領域75aを流下するパチンコ球を枠状装飾体25の内側(ステージ28)に取り込む球導入部28aが設けられ、該球導入部28aがステージ28に連通するよう構成される。そして、球導入部28aからステージ28に通出されたパチンコ球は、ステージ28上を左右に転動した後に、前記始動入賞部29が設けられている遊技領域75に排出される。
(始動入賞部29について)
図2に示すように、前記始動入賞部29は、前記始動入賞口(始動入賞手段)30,31が上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口30は、遊技領域75内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口31を挟む左右両側には、該第2始動入賞口31を開閉可能に構成された始動口開閉部材(開閉部材)33,33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の始動口開閉部材33,33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域75を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。このように、実施例の始動入賞部29において、上側に位置する第1始動入賞口30がパチンコ球の入賞態様を可変不能な固定始動口として機能し、下側に位置する第2始動入賞口31がパチンコ球の入賞態様を可変可能な開閉手段を備えた可変始動口として機能するよう構成されている。ここで、前記始動口開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域75を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記始動口開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、始動口開閉部材33,33で受け止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域75を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記始動口開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態において前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31を開放させるようにしてもよい。
前記始動入賞部29は、前記第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御基板60が備えるメイン制御CPU(遊技制御手段)60aが各種入賞情報(後述する各種乱数情報等の遊技情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(大当り判定および小当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する第1または第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が実行されるようになっている。すなわち、図柄表示装置17は、第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機としてメイン制御CPU60aにより当り判定(大当り判定や小当り判定)が実行されることを契機として図柄変動演出を実行可能に構成されている。そして、前記第1または第2特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、該第1または第2特図表示部50A,50Bに所定の当り表示(大当り表示や小当り表示)となる特図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って特別入賞部40,100を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
また、第1または第2特図表示部50A,50Bでの特図変動表示に関連して、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われ、第1または第2特図表示部50A,50Bの特図変動表示の結果に合わせて、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示や小当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が停止表示されるように構成されている。すなわち、メイン制御CPU60aによる当り判定(大当り判定や小当り判定)が当りの判定結果の場合に、当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が行われることを示す当り表示が、図柄変動演出の結果として図柄表示装置17に停止表示されるようになっている。そして、パチンコ機10では、図柄表示装置17に当り表示が停止表示されることで当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されるよう構成されている。また、メイン制御CPU60aによる当り判定(大当り判定や小当り判定)がはずれの判定結果の場合には、当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が行われないことを示す後述するはずれ表示を、図柄変動演出の結果として図柄表示装置17に停止表示し得るよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号を受信すると、図示しない球払出装置を制御する払出制御基板に制御信号を出力して、該球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
(特別入賞部40,100について)
前記始動入賞部29の下側に配設された前記第1の特別入賞部40の特別入賞口41は、特別入賞開閉部材(開閉手段)43によって開閉されるよう構成される。特別入賞開閉部材43は、駆動手段としての第1特別入賞ソレノイド42(図8参照)に連繋されて、該第1の特別入賞ソレノイド42を駆動することで、特別入賞開閉部材43が特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を阻止する閉鎖位置と該特別入賞口41へのパチンコ球の入賞を許容する開放位置との間を移動するよう構成される。また、第1の特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての第1特別入賞検出センサ44が配設されている。第1特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図8参照)、第1特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、該メイン制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1の特別入賞部40は、特別入賞開閉部材43により特別入賞口41を常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、後述する当り遊技(小当り遊技)の発生に伴って特別入賞口41を開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。すなわち、第1の特別入賞部40は、当り遊技状態(特定の遊技状態)で開放可能な入賞装置として機能する。前記特別入賞開閉部材43は、前記始動入賞部29の第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、メイン制御基板60における当り判定(小当り判定)の結果として当りが発生した場合に開放されるようになっており、実施例では、メイン制御基板60における当り判定(小当り判定)の判定結果が当りであることによって、特別入賞開閉部材43を開放するための所定条件(第1の特定条件)が成立するよう設定されている。
後述する第2装飾ユニット86に配設された第2の特別入賞部100の特別入賞口101は、特別入賞開閉部材(開閉手段)102によって開閉されるよう構成される。特別入賞開閉部材102は、駆動手段としての第2特別入賞ソレノイド103(図8参照)に連繋されて、該第2の特別入賞ソレノイド103を駆動することで、特別入賞開閉部材102が特別入賞口101へのパチンコ球の入賞を阻止する閉鎖位置と該特別入賞口101へのパチンコ球の入賞を許容する開放位置との間を移動するよう構成される。また、第2の特別入賞部100には、前記特別入賞口101に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての第2特別入賞検出センサ104が配設されている。第2特別入賞検出センサ104は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており(図8参照)、第2特別入賞検出センサ104がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60に出力し、該メイン制御基板60の制御下に予め設定された数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第2の特別入賞部100は、特別入賞開閉部材102により特別入賞口101を常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、後述する当り遊技(大当り遊技)の発生に伴って特別入賞口101を開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。すなわち、第2の特別入賞部100は、当り遊技状態(特定の遊技状態)で開放可能な入賞装置として機能する。前記特別入賞開閉部材102は、前記始動入賞部29の第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、メイン制御基板60における当り判定(大当り判定)の結果として当りが発生した場合に開放されるようになっており、実施例では、メイン制御基板60における当り判定(大当り判定)の判定結果が当りであることによって、特別入賞開閉部材102を開放するための所定条件(第2の特定条件)が成立するよう設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り判定の判定結果が当りの場合に付与される大当り遊技に際しては、第2の特別入賞部100の特別入賞口101を開閉すると共に、小当り判定の判定結果が当りの場合に付与される小当り遊技に際しては、第1の特別入賞部40の特別入賞口41を開閉するよう構成されている。
(装飾ユニット81,86について)
前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記始動入賞部29の左側方に第1装飾ユニット81が配設されると共に、該始動入賞部29の右側方に第2装飾ユニット86が配設されている。第1装飾ユニット81は、該装飾ユニット81に設けた複数の普通入賞口85に入賞したパチンコ球を検出する第1普通入賞検出センサ84が設けられている。また、第2装飾ユニット86には、該装飾ユニット86に設けた普通入賞口88に入賞したパチンコ球を検出する第2普通入賞検出センサ89が設けられている。第1および第2普通入賞検出センサ84,89は、前記メイン制御基板60に配線接続されており(図8参照)、該普通入賞検出センサ84,89からメイン制御基板60への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。実施例では、第2装飾ユニット86が第2球流下領域75bに位置しており、該第2装飾ユニット86に、前記第2の特別入賞部100および後述する第2ゲート部48bが設けられている。
(ゲート部48a,48bについて)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、第1球流下領域75a(遊技領域75)を流下するパチンコ球が通過(入球)可能な第1ゲート部48aが設けられている。前記第1ゲート部48aには第1ゲートセンサ49a(図8参照)が配設されており、該第1ゲート部48aを通過するパチンコ球を第1ゲートセンサ49aで検出するよう構成されている。また、前記第2装飾ユニット86には、第2球流下領域75b(遊技領域75)を流下するパチンコ球が通過(入球)可能な第2ゲート部48bが設けられている。前記第2ゲート部48bには第2ゲートセンサ49b(図8参照)が配設されており、該第2ゲート部48bを通過するパチンコ球を第2ゲートセンサ49bで検出するよう構成されている。前記第1および第2ゲートセンサ49a,49bは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該ゲートセンサ49a,49bからメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49a,49bのパチンコ球の検出(ゲート部48a,48bのパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り抽選(普図当り判定)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞部29の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動口開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域75外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、図2に示す如く、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、右打ち表示部58および状態表示部59等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技情報表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(特別図柄表示手段)50A,50Bは、始動入賞部29(第1および第2始動入賞口30,31)への入賞を契機(始動条件の成立を契機)として作動するものであって、実施例では、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34の検出)を契機として変動表示を開始する第1表示手段としての第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35の検出)を契機として変動表示を開始する第2表示手段としての第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての1種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示(大当り表示や小当り表示)としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。ここで、小当り抽選(小当り判定)は、大当り抽選(大当り判定)に当選しなかった場合に行われるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報等の遊技情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留情報)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報等の遊技情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留情報)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技情報表示部Mに、第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が右から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が右から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ49a,49bのパチンコ球の検出(ゲート部48a,48bのパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ49a,49bのパチンコ球の検出(ゲート部48a,48bのパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では3種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様,左側LEDだけが点灯する発光態様および左右のLEDが点灯する発光態様により3種類の普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Aとし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、左右のLEDが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当り判定の結果がはずれの場合に普図表示部55に普図Aが表示され、当りの場合に普図表示部55に普図Bまたは普図Cが表示されるよう構成されている。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当り表示となり、はずれを認識できる普図が普図はずれ表示となる。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部48a,48bをパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報等の遊技情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部48a,48bをパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技情報表示部Mに設けられている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では8個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「4回」、「10回」、「16回」の3種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて規定ラウンド数が報知されるようになっている。なお、パチンコ機10において設定される大当り遊技の全ての規定ラウンド数が同一である場合には、当該ラウンド表示部57を省略することができる。
(右打ち表示部58について)
前記右打ち表示部58は、前記第2球流下領域75bへパチンコ球を打ち出して遊技を実行する右打ち遊技状態であることを特定可能に表示する表示部である。すなわち、右打ち遊技状態では、第2球流下領域75bへパチンコ球を打ち出して遊技を行うことで、第1球流下領域75aへパチンコ球を打ち出して遊技を行う場合と比べて、遊技者により多くの特典が付与される状態であり、右打ち表示部58が右打ち遊技状態であることを報知するようになっている。具体的に、前述のように第2球流下領域75bに第2ゲート部48bや第2の特別入賞部100が配置された実施例のパチンコ機10では、後述する変短状態が付与された状態および大当り遊技が付与された状態等が右打ち遊技状態に該当する。実施例の右打ち表示部58は、所定数のLED(実施例では1個)から発光表示部が構成されており、当該右打ち表示部58のLEDを点灯することで右打ち遊技状態であることを報知するようになっている。また、前記右打ち表示部58は、前記第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに特図が確定停止されて右打ち遊技状態に移行した後に点灯し、右打ち遊技状態が終了するのに伴い消灯するようになっている。
(状態表示部59について)
前記状態表示部59は、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では2個)のLEDにより構成されている(図2参照)。ここで、実施例ではパチンコ機10に対しては、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部59のLEDが異なった点灯パターンで点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を特定するようになっている。具体的に、左側のLEDを点灯することにより確変状態であることを報知すると共に、右側のLEDを点灯することにより変短状態であることを報知するよう構成されている。ここで、パチンコ機10は、当選した大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態が定まるよう設定され、大当りの当選を契機に遊技状態を変更可能になっている。また、前記状態表示部59は、特図表示部50A,50Bが大当り図柄を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後の大当り遊技が行われる時に、当選した大当り図柄に対応した大当り遊技の終了後の遊技状態を表示するパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部59は、特図表示部50A,50Bにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
ここで、前記特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、ラウンド表示部57、右打ち表示部58、状態表示部59等は、対応する情報を表示乃至報知し得るものであれば、複数のLEDからなる発光表示部に限らず、7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他の表示手段を採用できる。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17は、外周に複数の図柄が表示され、回転によって飾図を変動する円筒状の図柄ドラム(回転表示体)17a,17b,17cと、該図柄ドラム17a,17b,17cにおける停止位置の飾図を照明可能な発光手段としてのLED38a,38b,38cとを備え、図柄ドラム17a,17b,17cの動作とLED38a,38b,38cの発光態様との組み合わせによって識別情報を表示し得る複数(実施例では3つ)の表示ユニット37a,37b,37cを左右方向に並列に配置して構成されている。なお、図柄ドラム17a,17b,17cに表示される図柄は、演出用の図柄(以後、飾図と指称する場合もある)であって、該図柄(飾図)は、図柄ドラムの外周面に直接印刷されたり図柄(飾図)が印刷されたシールを外周面に貼着することで図柄ドラムに設けられる。ここで、識別情報とは、前記当り判定(大当り判定や小当り判定)の判定結果を識別可能に表わす情報であって、図柄表示装置17に表示された識別情報によって遊技者が当り判定の結果を認識し得るようになっている。なお、表示ユニット37a,37b,37cについて、以下左側から右側の順で、左表示ユニット37a、中表示ユニット37b、右表示ユニット37cと指称すると共に、図柄ドラム17a,17b,17cおよびLED38a,38b,38cについては、各表示ユニット37a,37b,37cに対応して左図柄ドラム17aおよび左LED38a、中図柄ドラム17bおよび中LED38b、右図柄ドラム17cおよび右LED38cと指称する場合がある。
前記図柄表示装置17は、各図柄ドラム17a,17b,17cが夫々ステッピングモータ等のドラム用駆動モータ90a,90b,90c(図8参照)によって回転駆動されるよう構成される。ドラム用駆動モータ90a,90b,90cは、後述する演出制御基板65に配線接続されており、該演出制御基板65に設けられた演出制御CPU65aによって各ドラム用駆動モータ90a,90b,90cが個別に駆動制御されて、各図柄ドラム17a,17b,17cを独立して回転し得るよう構成されている。また、図柄表示装置17は、前記枠状装飾体25の表示窓口25aに対して各図柄ドラム17a,17b,17cの回転方向に並ぶ3つの飾図を1度に臨ませ(表示させ)得るよう構成されている。そして、図柄表示装置17は、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として、各図柄ドラム17a,17b,17cが回転することで表示窓口25aに臨む飾図が変動開始されて所要の図柄変動演出を行い、各図柄ドラム17a,17b,17cが回転停止することで表示窓口25aに各種図柄(飾図)の組み合わせを停止状態で表示可能に構成される。なお、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出を前側から視認可能とする表示窓口25aによって、図柄表示装置27の図柄表示領域が規定されている。
前記図柄表示装置17には、前記図柄表示領域において、各図柄ドラム17a,17b,17cの回転によって飾図が変動する図柄列26a,26b,26cが設定されている。また、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置(停止位置)S1〜S9が各図柄列26a,26b,26c毎に定められている。具体的には、図10に示す如く、図柄表示装置17には、図柄ドラム17a,17b,17cに対応して左右に並んだ3列の図柄列26a,26b,26cが設定されると共に、該図柄列26a,26b,26cの夫々に3箇所の有効停止位置が縦並び状に定められており、3列・3段の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称し、各図柄列26a,26b,26cにおける上側の有効停止位置から順に、上有効停止位置S1,S4,S7、中有効停止位置S2,S5,S8、下有効停止位置S3,S6,S9と指称する場合がある。
また、実施例のパチンコ機10では、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9を1つずつ直線的に組み合わせて、図柄変動演出の結果として有効停止位置S1〜S9に停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出する5つの有効ラインL1〜L5が設定されている(図10参照)。以下の説明では、各図柄列26a,26b,26cの上有効停止位置S1,S4,S7を組み合わせた左右直線状の有効ラインを上有効ラインL1と指称し、各図柄列26a,26b,26cの中有効停止位置S2,S5,S8を組み合わせた左右直線状の有効ラインを中有効ラインL2と指称し、各図柄列26a,26b,26cの下有効停止位置S3,S6,S9を組み合わせた左右直線状の有効ラインを下有効ラインL3と指称する場合がある。また、左図柄列26aの上有効停止位置S1、中図柄列26bの中有効停止位置S5および右図柄列26cの下有効停止位置S9を組み合わせた右下がり直線状の有効ラインを第1傾斜有効ラインL4と指称し、左図柄列26aの下有効停止位置S3、中図柄列26bの中有効停止位置S5および右図柄列26cの上有効停止位置S7を組み合わせた左下がり直線状の有効ラインを第2傾斜有効ラインL5と指称する場合がある。実施例では、上有効ラインL1、中有効ラインL2および下有効ラインL3が、飾図の変動方向に並ぶ有効ラインとして設定される。ここで、前記各図柄列26a,26b,26cにおける各有効停止位置S1〜S9の表示領域は、特図表示部50A,50Bに比較して大きな表示態様で飾図を表示可能に構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。すなわち、各図柄ドラム17a,17b,17cに表示される飾図が、各有効停止位置S1〜S9の表示領域に合わせて大きく形成されている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の有効ラインL1〜L5に停止表示された図柄組み合わせから当り(大当りや小当り)またははずれを認識できる。
ここで、実施例では、前記当り判定の判定結果が当り(大当りや小当り)の場合に図柄表示装置17に表示される識別情報(飾図の当り表示)が、特定の表示結果であって、該当り表示となる識別情報が図柄表示装置17に停止表示された場合に、特定の遊技状態としての大当り遊技や小当り遊技が付与されるようになっている。
前記各図柄ドラム17a,17b,17cに検出部(図示せず)が夫々設けられると共に、図柄表示装置17は、該検出部を検出可能な原点検出センサ(原点検出手段)91a,91b,91cを備えている。各原点検出センサ91a,91b,91cは、対応する図柄ドラム17a,17b,17cが1回転する毎に検出部を検出し得るよう構成される。また、原点検出センサ91a,91b,91cは、演出制御基板65に配線接続され、該原点検出センサ91a,91b,91cの検出信号が演出制御基板65に入力されるよう構成される。そして、演出制御基板65に設けられた演出制御CPU65aは、原点検出センサ91a,91b,91cからの検出信号によって各図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置(検出部)を認識し、該原点位置に基づいて該図柄ドラム17a,17b,17cに設けられている飾図の位置を認識し得るよう構成される。演出制御CPU65aは、原点検出センサ91a,91b,91cで検出した図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置に基づいて該図柄ドラム17a,17b,17cを所定角度回動して停止するようにドラム用駆動モータ90a,90b,90cを駆動制御することで、後述する特図開始処理によって決定された所定の特図に対応する飾図を前記有効停止位置S1〜S9に停止表示し得るよう構成される。具体的には、原点位置から各飾図までの図柄ドラム17a,17b,17cの回動角と、ステッピングモータであるドラム用駆動モータ90a,90b,90cの1ステップ当りの回転角との既知の関係から、該ドラム用駆動モータ90a,90b,90cを回転させるステップ数を制御することで、特定の飾図を前記有効停止位置S1〜S9に停止表示することができる。なお、3つのドラム用駆動モータ90a,90b,90cおよび3つの原点検出センサ91a,91b,91cを区別する場合は、対応する左、中、右の各図柄ドラム17a,17b,17cに対応して、左ドラム用駆動モータ90a、中ドラム用駆動モータ90b、右ドラム用駆動モータ90c、左原点検出センサ91a、中原点検出センサ91b、右原点検出センサ91cと指称する場合もある。
実施例のパチンコ機10では、前記表示窓口25aに表われる図柄表示装置17の図柄列26a,26b,26cによる表示態様を、後述する可動手段95によって全ての有効ラインL1〜L5を露出する第1状態と、一部の有効ラインL1,L3,L4,L5を隠した第2状態とに切り替えるよう構成されている。実施例では、第2状態で中有効ラインL2のみが露出するように設定される。なお、「有効ラインを隠す」とは、有効ラインを構成する有効停止位置の全てを隠す場合に限らず、一部の有効停止位置を隠すことで有効ラインが構成できなくなる状態を含んでいる。すなわち、各図柄列26a,26b,26cの上有効停止位置S1,S4,S7を可動手段95で隠すことで、上有効停止位置S1、中有効停止位置S5、下有効停止位置S9を組み合わせた第1傾斜有効ラインL4および下有効停止位置S3、中有効停止位置S5、上有効停止位置S7を組み合わせた第2傾斜有効ラインL5での3つの飾図による図柄組み合わせは形成されなくなる。そして、第1状態および第2状態は遊技状態に応じて切り替えられるよう構成されており、実施例では非確変状態で第1状態となり、確変状態および変短状態で第2状態となるよう設定される。なお、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aでの抽選によって決定された特図変動パターンの種類に応じて第1状態および第2状態が切り替わるようにしてもよい。
前記図柄表示装置17には、図柄列26a,26b,26cの前側から退避する第1位置および図柄列26a,26b,26cの前側に臨む第2位置との間を進退移動する一対の可動部材95a,95bを備える可動手段95が配設される(図9参照)。一対の可動部材95a,95bは、前記枠状装飾体25の表示窓口25aを挟んで上下(図柄ドラムの回転方向)に対向し、移動手段としての可動部材用駆動モータ96(図8参照)によって相互に近接離間移動するよう構成される。可動部材用駆動モータ96は、後述する演出制御基板65に配線接続されており、該演出制御基板65に設けられた演出制御CPU65aからの制御信号に基づいて可動部材95a,95bを第1位置および第2位置に移動するよう構成されている。また、各可動部材95a,95bは、図柄列26a,26b,26cにおける横方向に並ぶ3つの有効停止位置を一度に覆い隠すことが可能な大きさに設定されている。そして、一対の可動部材95a,95bは、表示窓口25aにおける上下の縁部の外側の第1位置(図10(a)参照)から相互に近接した第2位置(図10(b)参照)では、上有効停止位置S1,S4,S7および下有効停止位置S3,S6,S9を覆い隠し、両可動部材95a,95bの間に中有効停止位置S2,S5,S8のみが表示窓口25aを介して前側から視認可能に構成される。実施例では、可動手段95と、可動部材用駆動モータ96と、演出制御基板65とから第1状態および第2状態を切り替える状態切替手段が構成される。
前記図柄表示装置17の各図柄列には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向に沿って飾図が移動するよう変動表示されて、予め定められた停止順序で各図柄列26a,26b,26cに変動表示されている飾図が有効停止位置S1〜S9に停止表示されるようになっている。ここで、実施例では、各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図が上から下方向へ移動する変動態様を基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図が下から上方向となる逆方向へ移動するよう構成される。なお、以下の説明では、各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図が上から下方向へ移動する変動態様を順変動と指称し、飾図が下から上方向へ移動する変動態様を逆変動と指称する場合もある。また、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容等に応じて各図柄列26a,26b,26cの飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
(発光手段について)
前記図柄表示装置17の各表示ユニット37a,37b,37cに設けられた前記LED38a,38b,38cは、演出制御基板65に配線接続されている(図8参照)。そして、該演出制御基板65に設けられた演出制御CPU65aによって、各LED38a,38b,38cが個別に制御されて、各図柄ドラム17a,17b,17cの有効停止位置S1〜S9に停止した飾図を照明し得るよう構成される。具体的に、左LED38aを点灯または点滅することで、左図柄列26aにおける有効停止位置S1,S2,S3の飾図が照明され、中LED38bを点灯または点滅することで、中図柄列26bにおける有効停止位置S4,S5,S6の飾図が照明され、右LED38cを点灯または点滅することで、右図柄列26cにおける有効停止位置S7,S8,S9の飾図が照明される。各LED38a,38b,38cは、演出制御CPU65aによって点灯、点滅、消灯の3つの状態に切り替え制御されるよう構成されている。また、実施例では、各LED38a,38b,38cとしてフルカラーLEDが用いられて、各有効停止位置S1〜S9に停止した飾図を各種の発光色によって照明し得るようになっている。
ここで、前記図柄表示装置17では、前記各表示ユニット37a,37b,37cの図柄ドラム17a,17b,17cの動作と、各表示ユニット37a,37b,37cのLED38a,38b,38cの発光態様との組み合わせによって、前記特図当り抽選の結果に基づいて前記第1または第2特図表示部50A,50Bで実行される特図変動表示の開始に基づいて変動を開始した識別情報の変動状態と、該変動を開始した識別情報が変動を停止した変動停止状態とを識別可能に表示し得るよう構成されている。そして、図柄表示装置17において識別情報が変動停止状態となることで、特図当り抽選の結果が確定的に報知されるので、該識別情報の変動停止状態について、確定停止と指称する場合もある。また、図柄表示装置17での識別情報の変動は、前記1つの特図始動保留情報に基づいて1回実行されるものであって、1回の識別情報の変動は、識別情報の変動開始から確定停止までを単位としている。
実施例では、図柄表示装置17での識別情報の確定停止は、全ての図柄ドラム17a,17b,17cが停止し、かつ全てのLED38a,38b,38cが同じ特定色で予め設定された有効時間に亘って継続して点灯して飾図を照明する状態となることで表示される。なお、識別情報の確定停止を表わす際のLED38a,38b,38cの有効時間は、該LED38a,38b,38cを点滅する際の点滅周期より長く設定されている。言い替えると点灯と消灯とを繰り返す点滅における点灯時間は、前記有効時間より短く設定されているる。実施例では、前記特図始動保留情報が複数溜っている状態で、先の特図始動保留情報に基づく識別情報の確定停止から次の特図始動保留情報に基づく識別情報を開始するまでの間に設定される特図変動インターバル時間が有効時間として設定されている。具体的に、実施例では有効時間は1000ms(ミリ秒)となっている。
また、前記識別情報の確定停止の状態を表わす特定色として、実施例では白色が設定されている。すなわち、全ての図柄ドラム17a,17b,17cが停止しても、全てのLED38a,38b,38cの発光色が白色でない場合は、確定停止でなく変動状態(変動中)を表わすようになっている。ここで、LED38a,38b,38cの発光態様とは、点灯、点滅、消灯の発光状態のみでなく、発光色が異なるものを含んでいる。そして、実施例では、LED38a,38b,38cを白色の発光色で点灯する発光態様を第1の発光態様と指称し、該第1の発光態様とは異なる発光態様を第2の発光態様と指称するものとする。具体的に、第2の発光態様としては、白色以外の発光色での点灯、白色を含む各種の発光色での点滅、輝度や色の階調または消灯がある。また、全てのLED38a,38b,38cが同じ白色の発光色でなければ、確定停止を表わさないので、3つの表示ユニット37a,37b,37cの内の1つまたは2つの表示ユニットにおけるLEDが第1の発光態様となっていたとしても、その他の表示ユニットにおけるLEDが第2の発光態様であれば、確定停止でなく変動状態を表わしている。なお、全てのLED38a,38b,38cが白色の発光色で点灯していたとしても、何れかの図柄ドラム17a,17b,17cが回動している状態(飾図の変動状態)は、当然識別情報の変動状態となる。
ここで、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置S1〜S9に留まるように飾図が表示されると共に各LED38a,38b,38cが白色で点灯した状態(第1の発光態様)が有効時間だけ継続しない状態について、識別情報または飾図(図柄)の「仮停止」と指称する場合がある。なお、仮停止には、有効停止位置S1〜S9において飾図が、後述する1コマ分より小さい範囲で動くゆれ変動状態で表示されている状態を含んでいる。
前記第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する識別情報(図柄変動演出)が開始され、特図1と識別情報(飾図)とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する識別情報(図柄変動演出)が開始され、特図2と識別情報(飾図)とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、始動入賞口30,31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報は、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
実施例の図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに変動表示される飾図は当り表示(大当り表示や小当り表示)やリーチ表示等として有効な図柄組み合わせを形成可能な複数の有効図柄と、当り表示やリーチ表示等として有効な図柄組み合わせを形成不能なブランク図柄とからなり、図柄列26a,26b,26c毎に変動表示される飾図の順序を規定する図柄配列が設定されている(図11参照)。具体的には、左図柄列26aおよび中図柄列26bでは、前記有効図柄とブランク図柄とを交互に配置する部分と有効図柄を連続して配置した部分とから図柄配列が定められるのに対し、右図柄列26cでは、有効図柄とブランク図柄とを交互に配置する部分とブランク図柄を連続して配置した部分とから図柄配列が定められている。そして、該図柄配列に定められた順序で各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に有効図柄およびブランク図柄が表示されるようになっている。実施例では、有効図柄として、大当り表示を形成可能な大当り有効図柄と、小当り表示を形成可能な小当り有効図柄とが設定されている。以下、必要に応じて飾図を大当り有効図柄、小当り有効図柄またはブランク図柄として区別する場合がある。
具体的に、左図柄列26a用の図柄配列は、図11に示すように、前記大当り有効図柄としての3個(「3」,「5」,「7」)の数字および1個のBIG図柄(詳細は後述)と、小当り有効図柄としての1個(「○」)の図形および3個のブランク図柄とが交互に配置される。なお、左図柄列26aでは、大当り有効図柄の「3」と「BIG図柄」との間に、1個の小当り有効図柄が配置されている。そして、左図柄列26aでは、図柄変動(順変動)に伴って左図柄列26aの上有効停止位置S1に、「3」,「7」,「5」,「BIG図柄」,「○」の順序で飾図が表れるように設定されている。また、中図柄列26b用の図柄配列は、前記大当り有効図柄としての3個(「3」,「5」,「7」)の数字および1個のBIG図柄と、小当り有効図柄としての1個(「◎」)の図形および3個のブランク図柄とが交互に配置される。なお、中図柄列26bでは、大当り有効図柄の「5」と「7」との間に、1個の小当り有効図柄が配置されている。そして、中図柄列26bでは、図柄変動(順変動)に伴って中図柄列26bの上有効停止位置S4に、「3」,「7」,「◎」,「5」,「BIG図柄」の順序で飾図が表れるように設定されている。このように、左および中の図柄列26a,26b用の図柄配列は、4個の大当り有効図柄の順序が同じで、1個の小当り有効図柄の順序のみが異なるように配置してある。なお、BIG図柄は、上中下の3つの有効停止位置に臨む大きさに設定されて1つの大きな意匠を形成する飾図であって、その中央に大当り有効図柄として機能する「☆」の飾図が表示されている。例えば、BIG図柄が左図柄列26aの有効停止位置S1,S2,S3に臨むように停止した場合は、中有効停止位置S2に「☆」が停止表示され、上有効停止位置S1および下有効停止位置S3には、「☆」の上下の図柄部分が停止表示される。そして、「☆」の上下の図柄部分については、ブランク図柄として機能するよう設定されており、該上下の図柄部分によって他の図柄列26b,26cで停止表示された飾図との間でリーチ表示が形成されたり当り表示が形成されないようになっている。なお、図中および以下の説明において、BIG図柄における「☆」の上側の図柄部分については「☆上」で表し、「☆」の下側の図柄部分については「☆下」と表すものとする。また、図中および以下の説明において、ブランク図柄については「・」で表す。
前記右図柄列26c用の図柄配列は、図11に示す如く、前記大当り有効図柄としての3個(「3」,「5」,「7」)の数字および1個のBIG図柄と、小当り有効図柄としての1個(「○」)の図形および3個のブランク図柄とが交互に配置される。なお、右図柄列26cでは、大当り有効図柄の「7」と「BIG図柄」とが続いて配置されると共に、大当り有効図柄の「5」と「BIG図柄」との間に、1つの小当り図柄が配置され、更に大当り有効図柄の「5」と「3」との間に、2つのブランク図柄が続いて配置されている。そして、右図柄列26cでは、図柄変動(順変動)に伴って右図柄列26cの上有効停止位置S7に、「7」,「3」,「5」,「○」,「BIG図柄」の順序で飾図が表れるように設定されている。このように、実施例の右図柄列26c用の図柄配列は、左および中の図柄列26a,26b用の図柄配列とは大当り有効図柄の配置順が異なると共に、ブランク図柄が一部で続くように設定されている。なお、各図柄列26a,26b,26cに表示される飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。
前述した図柄配列で飾図が表示された図柄列26a,26b,26cでは、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に飾図が停止表示された状態では、各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示態様は、2つの大当り有効図柄としての数字と1つのブランク図柄(「☆上」および「☆下」を含む)からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様か、1つの大当り有効図柄と2つのブランク図柄(「☆上」および「☆下」を含む)からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様か、1つの大当り有効図柄、小当り有効図柄および1つのブランク図柄(「☆上」および「☆下」を含む)からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様か、2つの大当り有効図柄と小当り有効図柄からなる3つの飾図が一度に停止表示される表示態様の何れかの表示態様となる。なお、上中下の有効停止位置に亘ってBIG図柄が停止表示された状態は、1つの有効図柄と2つのブランク図柄からなる3つの飾図が一度に停止表示された状態と同じである。
また、以下の説明では、前記各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に表示された飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)が各図柄列26a,26b,26cの図柄配列に従って変動方向にN個(N:自然数)だけ移動する変動態様を「飾図がNコマ移動(変動)する」または「図柄列がNコマ移動(変動)する」と表す場合もある。具体的には、左図柄列26aおよび中図柄列26bの中有効停止位置S2,S5に「5」の飾図が表示された状態を基準とした場合に、3コマ移動するよう左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図を順変動させると、左図柄列26aおよび中図柄列26bの中有効停止位置S2,S5に「☆」が表示された状態となり、8コマ移動するよう順変動させると、左図柄列26aおよび中図柄列26bの中有効停止位置S2,S5に「7」が表示された状態となる。これに対し、右図柄列26cの中有効停止位置S8に「5」の飾図が表示された状態を基準とした場合に、3コマ移動するよう右図柄列26cの飾図を順変動させると、右図柄列26cの中有効停止位置S8に「☆」が表示された状態となる一方で、8コマ移動するよう順変動させると、右図柄列26cの中有効停止位置S8に「5」と「3」との間の2つのブランク図柄の内の「3」側のブランク図柄が表示された状態となる。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9(有効ラインL1〜L5)に停止表示された各図柄列26a,26b,26cの有効図柄が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列26a,26b,26cの何れかの有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に同じ大当り有効図柄が停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「333」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、大当り表示となり、図柄変動演出(識別情報の変動表示)の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、小当りの図柄組み合わせは、各図柄列26a,26b,26cの何れかの有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に小当り有効図柄が停止表示される図柄組み合わせ(「○◎○」)が設定されている。この小当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、小当り表示となり、図柄変動演出(識別情報の変動表示)の終了後に遊技者に有利な小当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の各有効ラインL1〜L5上の有効停止位置S1〜S9に停止表示された図柄の組み合わせにおいて、1つでも異なる種類の飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)が含まれる場合には、その図柄組み合わせ(例えば「3・5」、「7・☆」「5・5」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識でき、このはずれを認識可能な飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示となる。
実施例では、前記当り判定の判定結果が当り(大当りや小当り)の場合に図柄表示装置17に表示される識別情報(飾図の当り表示(大当り表示または小当り表示))が、特定の表示結果であって、該当り表示となる識別情報が図柄表示装置17に停止表示された場合に、特定の遊技状態としての大当り遊技や小当り遊技が付与されるようになっている。
ここで、前記BIG図柄は、3つの飾図を一体に表示して1つの意匠を表したものであって、3つの飾図と言い替えることができ、実施例では各図柄列26a,26b,26cには10個の飾図が等間隔で配置されている。そして、各図柄列26a,26b,26cでは、該図柄列26a,26b,26cが1コマ移動する毎に、各有効停止位置S1〜S9に異なる飾図が移動するようになっている。すなわち、各図柄ドラム17a,17b,17cに表示された飾図は、該図柄ドラム17a,17b,17cを36度回動する毎に、1コマ分ずつ移動(変動)するよう構成される。実施例では、後述する特定の演出パターンにおいて1回の図柄変動演出(識別情報)において図柄ドラム17a,17b,17cを回動する角度として設定される特定角度として、飾図を1つ分変動する角度である36度が設定されている。すなわち、特定の演出パターンで特定される1回の図柄変動演出では、飾図が1コマ分だけ変動するようになっている。
また、実施例の図柄表示装置17の図柄列26a,26b,26cは、1つの図柄列に同じ種類の大当り有効図柄や小当り有効図が複数設けられていない。具体的には、各図柄列26a,26b,26cに、大当り有効図柄の「3」、「5」、「7」、「BIG図柄の☆」および小当り有効図柄の「○」または「◎」が複数設けられていない。この構成によって、前記有効ラインの1つに特定の飾図(例えば「5」)での大当り表示が形成された状態から、3つの内の何れか1つの図柄列26a,26b,26cを1コマ送りする場合に、該図柄列を1回転させる途中に同じ有効ラインに同じ種類の飾図が大当り表示を形成することはない。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列26a,26b,26cの内で、所定の2つの図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)の何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ有効図柄が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに有効図柄が停止表示された状態で、何れかの有効ラインL1〜L5上に同じ有効図柄が停止表示された図柄組み合わせ(「3↓3」、「5↓5」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。ここで、実施例では、左右直線状の上有効ラインL1、中有効ラインL2、下有効ラインL3、第1傾斜有効ラインL4および第2傾斜有効ラインL5の内の何れか1つの有効ラインで前記リーチ表示となるシングルリーチと、斜めに延在する2つの第1および第2傾斜有効ラインL4,L5上で同時にリーチ表示となるダブルリーチとを生起させることができる。また、リーチ表示を形成する図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)されるまでの間、仮停止表示の状態とされ、その後に全ての図柄列の飾図が停止表示されるようになっている。
前記図柄表示装置17には、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図(特図表示部50A,50Bの表示結果)に応じた飾図の図柄組み合わせ(識別情報の組み合わせ)が表示されように後述する演出制御CPU65aで制御される。すなわち、特図表示部50A,50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、特図表示部50A,50Bに特図が確定停止されると、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が停止表示されると共に各LED38a,38b,38cが第1の発光態様で有効時間に亘って制御されることで識別情報が確定停止される。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記第2特別入賞口101へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口101へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、大当り遊技(当り遊技)の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率(実施例では、509/65536)から高確率(実施例では、510/65536)に変動させる確変状態を付与可能とする機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。また、前記低確率および高確率は一例であって、これに限られるものではない。実施例では、確変状態が付与される場合には、大当り遊技終了後、所定回数(規定回数)の識別情報の変動表示(図柄変動演出、特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある(図3参照)。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間(以下、確変状態が継続する識別情報の変動表示(図柄変動演出、特図変動表示)の変動回数を確変回数という)としては、上記のものに限られない。例えば、次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにしたり、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に確変状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変フラグに「1」が設定されると共に、確変状態が付与されない場合は該確変フラグは「0」に設定される。なお、実施例のように確変回数を規定回数とする構成では、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された確変回数カウンタに確変回数が設定され、識別情報の変動表示(図柄変動演出、特図変動表示)毎にカウンタ値が1減算され、「0」になった場合に確変フラグを「0」とするよう設定される。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。言い換えると、入賞率向上状態は、前記ゲートセンサ49a,49bの検出に伴って行われる普図当り判定において単位時間に普図当りと判定される割合が向上した状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動口開閉部材33,33の開放時間を増やすこと等により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する始動口開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、始動口開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また始動口開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
なお、前記非確変状態でかつ非変短状態を通常状態というものとする。また、後述する大当り遊技の種類を示す図3では、非確変状態でかつ非変短状態を低確非変短、確変状態でかつ非変短状態を高確非変短、非確変状態でかつ変短状態を低確変短、確変状態でかつ変短状態を高確変短と夫々示している。
実施例の変短状態では、大当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、2622/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、520msに設定されている。
また、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記始動口開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、始動口開閉部材33,33の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類と、大当りに当選したときの遊技状態とに応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、遊技状態が非変短状態で、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄D,E,Fおよび図柄d,e,f)の場合に限り、大当り遊技の終了後、16回の識別情報の変動表示(図柄変動演出、特図変動表示(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数))が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、その他の条件では大当り遊技の終了後、100回の識別情報の変動表示(図柄変動演出、特図変動表示(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数))が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている(図3参照)。
ここで、後述するように大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」が設定されると共に、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。また、前記変短回数は、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短回数カウンタに設定され、該カウンタの値は、識別情報の変動表示(図柄変動演出、特図変動表示)に1減算され、「0」になった場合は変短フラグが「0」に設定されるようになっている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では4ラウンド、10ラウンド、16ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当り遊技の種類に応じた開閉動作で第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口101に規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ特別入賞開閉部材102が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102の開閉態様(開閉パターン)は、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作に設定されている。実施例では、長時間開放動作において特別入賞開閉部材102が最大で25秒間開放するよう設定される(図3参照)。また、各ラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。なお、特別入賞開閉部材102の開閉態様(開閉パターン)としては、長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも特別入賞開閉部材102の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成することもできる。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では6種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、6種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、図3に示すように、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な大当り図柄としての特図1(実施例では100種類の特図1)は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Fの6つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図1が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄A,B,C,D,E,F)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。また、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な大当り図柄としての特図2(実施例では100種類の特図2)は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄e、図柄fの6のグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図2が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄a,b,c,d,e,f)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに3種類、図柄Bに3種類、図柄Cに3種類、図柄Dに30種類、図柄Eに30種類、図柄Fに31種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに3種類、図柄bに3種類、図柄cに3種類、図柄dに30種類、図柄eに30種類、図柄fに31種類が夫々振り分けられている。なお、大当り図柄は、後述する乱数と判定値とを用いて決定される。
実施例のパチンコ機10に設定される6種類の大当り遊技の全ては、当該大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。また、大当り遊技が決定された場合に付与される確変状態の付与期間(確変回数)についても、6種類の大当り遊技で共通して100回が設定されている(図3参照)。そこで、各大当り遊技については、6種類の大当り遊技において共通していない構成についてのみ説明するものとする。
(第1の大当り遊技について)
図柄Aに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合および図柄aに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第1の大当り遊技が付与されるようになっている。第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「10個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回目から16回目までの全てのラウンドにおいて、第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が長時間開放動作するよう設定される。また、図柄A,a(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、図柄A,a(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態に関係なく100回が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
図柄Bに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合および図柄bに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第2の大当り遊技が付与されるようになっている。第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「10回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「10個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回目から10回目までの全てのラウンドにおいて、第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が長時間開放動作するよう設定される。また、図柄B,b(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、図柄B,b(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態に関係なく100回が設定されている。
(第3の大当り遊技について)
図柄Cに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合および図柄cに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第3の大当り遊技が付与されるようになっている。第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「10個」に設定されている。また第3の大当り遊技では、1回目から4回目までの全てのラウンドにおいて、第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が長時間開放動作するよう設定される。また、図柄C,c(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間(変短回数)は、図柄C,c(第3の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態に関係なく100回が設定されている。
(第4の大当り遊技について)
図柄Dに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合および図柄dに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第4の大当り遊技が付与されるようになっている。第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「10個」に設定されている。また第4の大当り遊技では、1回目から16回目までの全てのラウンドにおいて、第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が長時間開放動作するよう設定される。
第4の大当り遊技では、図柄D,d(第4の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄D,d(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。具体的に、図柄D,d(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第4の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として16回が設定されている。また、図柄D,d(第4の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第4の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。
(第5の大当り遊技について)
図柄Eに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合および図柄eに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第5の大当り遊技が付与されるようになっている。第5の大当り遊技は、規定ラウンド数が「10回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「10個」に設定されている。また第5の大当り遊技では、1回目から10回目までの全てのラウンドにおいて、第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が長時間開放動作するよう設定される。
第5の大当り遊技では、図柄E,e(第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄E,e(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。具体的に、図柄E,e(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として16回が設定されている。また、図柄E,e(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。
(第6の大当り遊技について)
図柄Fに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示部50Aに表示された場合および図柄fに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、大当り遊技として第6の大当り遊技が付与されるようになっている。第6の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンドの入賞上限個数が「10個」に設定されている。また第6の大当り遊技では、1回目から4回目までの全てのラウンドにおいて、第2の特別入賞部100の特別入賞開閉部材102が長時間開放動作するよう設定される。
第6の大当り遊技では、図柄F,f(第6の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄F,f(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(非変短状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。具体的に、図柄F,f(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非変短状態である場合には、当該第6の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として16回が設定されている。また、図柄F,f(第6の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が変短状態である場合には、当該第6の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、発生した小当り遊技の種類に応じた開閉動作で第1の特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が開閉動作した後に、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるよう設定されている。ここで、小当り遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能な時間だけ第1の特別入賞部40の特別入賞開閉部材43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り判定の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り判定の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態が付与されることはない。また、小当り判定の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態が付与されることはない。
実施例では、第1特図表示部50Aに表示可能な小当り図柄としての特図1(実施例では1種類の特図1)は、図柄Gに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特図1が小当り図柄の場合に小当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な小当り図柄として特図2(実施例では1種類の特図2)は、図柄gに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特図2が小当り図柄の場合に小当り遊技が付与されるようになっている。実施例における小当り遊技は、図3に示す如く、1回の開放時間が「1.5(秒)」に設定された開放動作を第1の特別入賞部40の特別入賞開閉部材43に1回行わせるよう設定されている。また、小当り遊技では、前記第1の特別入賞部40の特別入賞口41への入賞上限個数が「2個」に設定されている。なお、小当り遊技では、大当り遊技の場合のように開始を示すオープニング演出は行われず、小当り遊技の終了を示すエンディング演出のみが行われるようになっている。また、実施例では、小当り遊技を1種類のみ設定したが、特別入賞開閉部材43の開放時間等を異ならせた複数種類の小当り遊技を、特図の種類に応じて設定するようにしてもよい。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される識別情報の変動表示(図柄変動演出)の演出態様が異なる複数(実施例では2つ)の遊技演出モードを備えている。すなわち、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる識別情報の変動表示(図柄変動演出)の演出内容(後述する特図変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態や変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆演出を、前記ランプ装置18やスピーカ19等の演出装置に実行させるようになっている。すなわち、遊技状態示唆演出の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当り遊技の発生および大当り遊技後の識別情報の変動表示(図柄変動演出、第1および第2特図変動表示)の変動回数(実施例では100回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(通常状態)に対応する通常モードと、確変状態を付与することが決定された遊技状態(確変状態)に対応した確変モード(特殊演出モード)とが設定されている。実施例の確変モードは、変短状態が付与されている遊技状態および変短状態が付与されていない遊技状態の何れの場合も含んでいる。確変モードは、通常モードにおいて確変を付与する大当りに当選(大当り遊技の発生)したことを条件として移行するモードであって、実施例では全ての大当りが確変を付与する大当りに設定されているので、実施例では大当りに当選(大当り判定の判定結果が肯定)することが特殊モード移行条件の成立として設定されている。なお、遊技演出モードの種類としては、これらに限定されるものではなく、その他の遊技演出モードを設定することもできる。また、各遊技演出モード(通常モード、確変モード)の夫々において各種の演出装置で実行される遊技状態示唆演出は1種類である必要はなく、これらの遊技演出モード毎に複数種類の遊技状態示唆演出を設定することができる。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,72,73とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,72,73に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、パチンコ機10が備える各種ランプ装置18等の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65がランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。実施例では、演出制御基板65が図柄表示装置17を直接制御するよう構成されており、該演出制御基板65によって図柄表示装置17に表示される識別情報の変動表示の内容(図柄(飾図)の図柄変動演出の表示内容)を制御するよう構成されている。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える前記ランプ装置18等の各種発光演出装置の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44,104、普通入賞検出センサ86,89、ゲートセンサ49a,49b等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56等の各表示部が接続されて、各センサ34,35,49a,49bの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部50A,50B,55の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記始動入賞部29および特別入賞部40,100に設けられたソレノイド32,42,103が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42,103を駆動させることで、対応する開閉部材33,43,102が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別入賞開閉部材43,102が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42,103を駆動制御し、該特別入賞開閉部材43,102を長時間開放動作させる長時間開放制御を実行するよう構成される。
前記メイン制御基板60には、変動タイマが設けられている。この変動タイマは、前記図柄表示装置17で行われる識別情報の変動表示(図柄変動演出)の変動開始からの時間を計るよう構成される。具体的に、変動タイマには、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンで特定される変動時間が設定されて、該変動タイマは識別情報の変動表示(図柄変動演出)の変動開始から変動時間を減算し、該変動時間が「0」となった場合に、メイン制御CPU60aは演出制御CPU65aに全図柄停止コマンドを出力し、該全図柄停止コマンドに基づいて前記図柄表示装置17に予め決められた演出結果表示(当り表示やはずれ表示)が停止表示されるよう構成されている。すなわち、変動時間が経過することで、図柄表示装置17で行われる識別情報の変動表示(図柄変動演出)の停止条件が成立し、該停止条件の成立に基づいて図柄表示装置17での識別情報の変動表示(図柄変動演出)が確定停止するようになっている。また、変動タイマで計時される変動時間が「0」となった場合に、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドを出力し、該特図指定コマンドに基づいて前記特図表示部50A,50Bに予め決められた特図が停止表示される。
前記メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する判定用乱数(入賞情報)としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
前記特図当り判定用乱数は、特図変動表示(識別情報の変動表示(図柄変動演出))の結果として当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定および小当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「101」の全102通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りの当選を示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態や変短状態が付与される可能性(実施例では100%)が定められており、特図決定用乱数が確変状態や変短状態を付与するか否かを決定可能な乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定または小当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技および小当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、識別情報の変動表示(図柄変動演出)における演出時間を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記ゲート部48a,48bをパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49a,49bがパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ49a,49bの検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ49a,49bの検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサ49a,49bをパチンコ球が通過した際に取得される通過(入球)検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて前記普図表示部55で普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
前記普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として始動入賞部29の始動口開閉部材33を開放して第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を可能とする普図当り(普通当り)か否かを判定する普図当り判定(普通当り判定)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン決定用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部48a,48bをパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49a,49bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、前記メイン制御ROM60bには、特図変動表示(識別情報の変動表示(図柄変動演出))の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では510)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では509)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、前記メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した102種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「101」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、前記メイン制御ROM60bには、普図変動表示の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では2622個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、前記メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の特図変動パターン(変動パターン)が記憶されており(図12参照)、各特図変動パターンに対応して特図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される表示内容(特図変動表示の内容、識別情報の変動表示(図柄変動演出)の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(特図変動表示および識別情報の変動表示(図柄変動演出)の時間)を特定している。特図変動パターン振分判定値は、前記特図変動パターン振分用乱数を用いて特図変動パターンの決定に用いる判定値であり、特図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された特図変動パターン振分用乱数に対応する特図変動パターン振分判定値が割り当てられた特図変動パターンが特定されるようになっている。ここで、実施例では、特図変動パターン振分判定値には、前述した102種類の特図変動パターン振分用乱数に対応した「0」〜「101」の整数値が設定されており、特図変動パターン振分判定値の夫々に個別に特図変動パターンが対応付けられている。
前記メイン制御ROM60bに記憶される特図変動パターンには、当り用の特図変動パターンと、はずれ用の特図変動パターンとに分類されており、遊技演出モードに応じて特図変動パターン毎に特定の特図変動パターン振分判定値が定められている。なお、当り用の特図変動パターンは、大当り判定または小当り判定の結果が肯定の場合に決定可能な特図変動パターンである。また、はずれ用の特図変動パターンは、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に選択される特図変動パターンである。そして、はずれ用の特図変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするリーチはずれ特図変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ特図変動パターンとがある。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、当り表示(大当り表示または小当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
ここで、前記リーチ演出は、当り表示が表示される可能性を示唆する演出であって、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われる。なお、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、リーチ演出以外に、1回の図柄組合せ演出において各図柄列26a,26b,26cの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出がある。
すなわち、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞(始動条件の成立)を契機として、当り遊技(特定の遊技状態)を付与するかを判定する当否判定手段の機能を備えている。具体的に、実施例のメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として大当りか否かを判定する大当り判定手段の機能を備えている。また、メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として実行された当り判定で当りの場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)の種類を決定する当り遊技決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(識別情報の変動表示後(図柄変動演出終了後))に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターンから特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、識別情報の変動表示(図柄変動演出)の変動時間が特定されている特図変動パターンを決定するメイン制御CPU60aは、識別情報の変動表示(図柄変動演出)の変動時間を決定する変動時間決定手段としての機能を備えている。更に、メイン制御CPU60aは、当否判定手段の判定結果に基づいて特別図柄(特図)を変動表示および停止表示するよう特別図柄表示手段(第1および第2特図表示部50A,50B)を制御する遊技制御手段としての機能を備えている。具体的に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン決定手段が決定した特図変動パターンで特定される変動内容で特別図柄を変動表示するように特別図柄表示手段を制御すると共に、該特図変動パターンで特定される変動時間の経過によって特別図柄を停止表示するよう特別図柄表示手段を制御するよう構成される。
前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当否判定手段による判定結果が大当りとなる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するかを決定する確変決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が大当りの場合)にのみ、確変状態を付与するかを判定するようになっている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が大当りの場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するかを判定する入賞率向上状態判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(識別情報の変動表示(図柄変動演出))が実行されるまでの間の期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定の判定結果が当りの場合に、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するかを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で識別情報の変動表示(図柄変動演出)が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報(遊技情報)を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報(遊技情報)を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報(遊技情報)を第2始動保留情報第として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、前記メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、前記第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bにおいて特図1または特図2が変動表示中(図柄表示装置17において識別情報の変動表示中)であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数および特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、509/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、確変フラグは、確変フラグの終了条件が満たされると、確変フラグが「0」に設定され、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した特図当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(特図当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、569/65536に設定されている。そして、ステップB27における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB28)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB29)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の小当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB30)。
ステップB27の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB31)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB31の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB32)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB33)。
また、ステップB31での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB34)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
前記ステップB25,B30,B33,B35において特図変動パターンを決定したメイン制御CPU60aは、演出制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cが備える変動タイマに、決定された特図変動パターンに定められている変動時間を設定し、特図変動パターンを指定すると共に識別情報の変動表示(図柄変動演出)の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、変動タイマでの計時(減算)を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、飾図の状態(変動、停止)および発光態様で構成される識別情報を確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。具体的には、前記変動タイマが変動時間の経過を計時した場合(変動タイマの時間が「0」となった場合)に、メイン制御CPU60aは、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御すると共に、飾図の変動停止を指示し、全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態や変短状態の終了条件を満たした場合には、確変終了コマンドや変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および特図変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得し(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB36)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、506/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、510/65536に設定されている。そして、ステップB36における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB37)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB38)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技状態を示す確変フラグおよび変短フラグを、前述したと同様に設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
一方、ステップB36の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB41)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した特図当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(特図当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、569/65536に設定されている。そして、ステップB41における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB42)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB43)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1の小当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで小当り図柄を決定することになる。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB44)。
ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB47)。
ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB47)。
また、ステップB45での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB48)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB49)。
前記ステップB39,B44,B47,B49において特図変動パターンを決定したメイン制御CPU60aは、演出制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB40)。具体的には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cが備える変動タイマに、決定された特図変動パターンに定められている変動時間をセットし、特図変動パターンを指定すると共に識別情報の変動表示(図柄変動演出)の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力し、変動タイマで計時(減算)を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、飾図の状態(変動、停止)および発光態様で構成される識別情報を確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。具体的には、前記変動タイマが変動時間の経過を計時した場合(変動タイマの時間が「0」となった場合)に、メイン制御CPU60aは、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御すると共に、飾図の変動停止を指示し、全図柄停止コマンドを出力する。また、確変状態や変短状態の終了条件を満たした場合には、確変終了コマンドや変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(演出制御基板65について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図8に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。前記演出制御ROM65bには、図柄表示装置17、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(演出制御について)
次に、前記演出制御基板65で実行される処理について説明する。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、演出制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、遊技演出モード毎に分類されており、当該遊技演出モードにおいて選択可能な演出パターンから特図変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定され、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が小当り図柄の場合には、小当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、前記メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、次の図柄変動演出を実行する際に演出パターンを決定する基準となる遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグを演出制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左の図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右の図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中の図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記演出制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄がはずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。そして、演出制御CPU65aは、リーチはずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、演出制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、演出制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを図柄表示装置17やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
前記演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、確変状態および変短状態の開始および終了に係る各指定コマンドと、遊技演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に遊技演出モードフラグを更新する。遊技演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、演出制御RAM65cに設定される。演出制御CPU65aは、遊技演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを図柄表示装置17、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(識別情報の変動表示制御について)
前記図柄表示装置17では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応するドラム用駆動モータ90a,90b,90cを駆動制御することで図柄ドラム17a,17b,17cを回転して図柄変動演出が実行される。また、図柄表示装置17は、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応するLED38a,38b,38cの発光態様を、前記第2の発光態様で制御することで、識別情報が変動表示中であることを表示する。そして、図柄表示装置17は、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置S1〜S9に飾図指定コマンドで指示された飾図を停止表示させると共に、LED38a,38b,38cを第1の発光態様に切り替えて識別情報を確定停止し、識別情報の変動表示(図柄変動演出)を終了させる。
ここで、前記演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが取得した入賞情報(遊技情報)に基づき該メイン制御CPU60aから入力されたコマンド(遊技情報)に基づいて、図柄変動演出の演出内容(識別情報の変動表示内容)を定めた複数種類の演出パターンから1つの演出パターンを決定する演出パターン決定手段としての機能を備える。すなわち、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが取得した遊技情報に基づいて演出パターンを決定している。また、演出制御CPU65a(演出制御基板65)は、決定された演出パターンに定められた演出内容の図柄変動演出(識別情報の変動表示)を図柄表示装置17で開始させると共に、停止条件の成立に基づいて図柄変動演出(識別情報の変動表示)を停止させるように該図柄表示装置17を制御する演出制御手段としての機能を備える。前記停止条件の成立とは、具体的には前記特図変動パターンに定められた変動時間の経過であって、メイン制御CPU60aから出力される全図柄停止コマンドが演出制御CPU65aに入力されることで停止条件が成立して、該演出制御CPU65aが図柄変動演出(識別情報の変動表示)を停止させるように図柄表示装置17を制御するよう構成されている。また、前述したように、図柄ドラム17a,17b,17cの回動(1回転未満の回転)、回転(1回転以上の回転)、停止等の動作と、LED38a,38b,38cの発光態様との組み合わせによって識別情報の変動と識別情報の停止とが表示されるよう構成されたパチンコ機10では、始動入賞口30,31への入賞による始動条件の成立に基づいて決定された演出パターンに定められた内容で図柄ドラム17a,17b,17cの動作およびLED38a,38b,38cの発光態様を制御して識別情報の変動を開始させ、該識別情報の変動を停止条件の成立に基づいて停止させる演出制御手段としての機能を演出制御CPU65a(演出制御基板65)が備えている。なお、前記図柄表示装置17で実行される識別情報の変動表示の内容(図柄変動演出の内容)は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは演出制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが識別情報の変動表示の内容(図柄変動演出の内容)を特定する演出内容を決定する演出決定手段としての機能を有している。
(特図変動パターンの詳細について)
次に、実施例のメイン制御ROM60bに記憶されているはずれ変動用および当り変動用(大当り用および小当り用)の特図変動パターンの詳細について説明する。実施例では、前記遊技状態(演出モード)に応じて前記メイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンの種類が異るようになっている。前記メイン制御ROM60bには、図12に示すように、通常状態(通常モード)においてメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンTP01〜TP04を定めた通常特図変動パターンテーブルNT、確変状態(確変モード)においてメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンTP11〜TP14,TP21〜TP24を定めた第1特殊特図変動パターンテーブルST1および第2特殊特図変動パターンテーブルST2が設定されている。
(通常特図変動パターンテーブルNTについて)
図12(a)に示す如く、前記通常特図変動パターンテーブルNTには、前記特図開始処理においてリーチを行わないはずれと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能なはずれ特図変動パターンとして、変動時間が12000msに設定された通常はずれ特図変動パターンTP01が設定されている。また、特図開始処理においてリーチした後にはずれ表示するリーチはずれ特図変動パターンとして、変動時間が110100msに設定された通常リーチはずれ特図変動パターンTP02が設定されている。更に、特図開始処理において大当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な大当り特図変動パターンとして、変動時間が142700msに設定された通常リーチ大当り特図変動パターンTP03が設定され、特図開始処理において小当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な小当り特図変動パターンとして、変動時間が38800msに設定された通常リーチ小当り特図変動パターンTP04が設定されている。そして、通常状態(通常モード)においては、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて行われる大当り判定、小当り判定および演出実行判定の判定結果に基づいて、メイン制御CPU60aが何れか1つの特図変動パターンTP01〜TP04を決定するよう構成される。なお、通常特図変動パターンテーブルNTに設定される通常はずれ特図変動パターンTP01、通常リーチはずれ特図変動パターンTP02、通常リーチ大当り特図変動パターンTP03および通常リーチ小当り特図変動パターンTP04の夫々について、変動時間が異なる複数種類が設定されてもよく、その設定数はパチンコ機10に設ける演出のバリエーションに応じて適宜に増減されるものであることは云うまでもない。
(第1特殊特図変動パターンテーブルST1について)
図12(b)に示す如く、前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1には、前記特図開始処理においてリーチを行わないはずれと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能なはずれ特図変動パターンとして、変動時間が600msに設定された特定はずれ特図変動パターンTP11が設定されている。また、特図開始処理においてリーチした後にはずれ表示するリーチはずれ特図変動パターンとして、変動時間が33200msに設定された第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12が設定されている。更に、特図開始処理において大当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な大当り特図変動パターンとして、変動時間が36300msに設定された第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13が設定され、特図開始処理において小当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な小当り特図変動パターンとして、変動時間が4600msに設定された第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14が設定されている。なお、第1特殊特図変動パターンテーブルST1に設定される特定はずれ特図変動パターンTP11、第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12、第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13および第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14の夫々について、変動時間が異なる複数種類が設定されてもよく、その設定数はパチンコ機10に設ける演出のバリエーションに応じて適宜に増減されるものであることは云うまでもない。
(第2特殊特図変動パターンテーブルST2について)
図12(c)に示す如く、前記第2特殊特図変動パターンテーブルST2には、前記特図開始処理においてリーチを行わないはずれと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能なはずれ特図変動パターンとして、変動時間が2600msに設定された第2特殊はずれ特図変動パターンTP21が設定されている。また、特図開始処理においてリーチした後にはずれ表示するリーチはずれ特図変動パターンとして、変動時間が11000msに設定された第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP22が設定されている。更に、特図開始処理において大当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な大当り特図変動パターンとして、変動時間が27100msに設定された第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP23が設定され、特図開始処理において小当りと判定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な小当り特図変動パターンとして、変動時間が2600msに設定された第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP24が設定されている。なお、第2特殊特図変動パターンテーブルST2に設定される第2特殊はずれ特図変動パターンTP21、第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP22、第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP23および第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP24の夫々について、変動時間が異なる複数種類が設定されてもよく、その設定数はパチンコ機10に設ける演出のバリエーションに応じて適宜に増減されるものであることは云うまでもない。
そして、確変状態(確変モード)においては、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて行われる大当り判定、小当り判定および演出実行判定の判定結果に基づいて、メイン制御CPU60aが何れか1つの特図変動パターンTP11〜TP14,TP21〜TP24を決定するよう構成される。なお、確変状態では、前述したように図柄表示装置17は第2状態(図10(b)参照)で、中有効ラインL2のみが有効となっているので、第1および第2特殊特図変動パターンテーブルST1,ST2に設定されているリーチ用の特図変動パターンTP12〜TP14,TP22〜TP24で特定されるリーチ表示は、中有効停止位置S2,S8にリーチ表示となる飾図を仮停止させる形態で設定されている。
(通常特図変動パターンテーブルNTに設定される各特図変動パターンについて)
前記通常はずれ特図変動パターンTP01は、図柄変動演出において、通常状態(通常モード)で有効となっている5つの有効ラインL1〜L5の何れにもリーチ表示を形成することなく最終的にはずれとなる図柄組み合わせで飾図を停止表示した後に、識別情報を確定停止させる演出を特定している。また、通常リーチはずれ特図変動パターンTP02は、図柄変動演出において、通常状態(通常モード)で有効となっている5つの有効L1〜L5ラインの何れかにリーチ表示を形成してリーチ演出を実行した後に、最終的にはずれ表示(リーチはずれ表示)となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定している。更に、通常リーチ大当り特図変動パターンTP03および通常リーチ小当り特図変動パターンTP04は、図柄変動演出において、通常状態(通常モード)で有効となっている5つの有効ラインL1〜L5の何れかにリーチ表示を形成してリーチ演出を実行した後に、最終的に大当り表示および小当り表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定している。なお、通常状態(通常モード)において前記メイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンTP01〜TP04は、図柄変動演出において全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させる変動を行わせて、その変動中にリーチ表示を形成することなく、またはリーチ表示を形成した後に、有効ラインL1〜L5に大当り表示、小当り表示またははずれ表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定するものであって、後述する第2種特図変動パターンに分類される。
(第1および第2特殊特図変動パターンテーブルST1,ST2に設定される各特図変動パターンについて)
(特定はずれ特図変動パターンTP11)
前記特定はずれ特図変動パターンTP11では、図柄変動演出において何れか1つの図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)のみを1コマ分または2コマ分だけ変動させて、確変状態(確変モード)で有効となっている中有効ラインL2にはずれ表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示した後に、識別情報を確定停止させる演出を特定している。
(第2特殊はずれ特図変動パターンTP21)
前記第2特殊はずれ特図変動パターンTP21は、図柄変動演出において全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させる変動を行わせて、確変状態(確変モード)で有効となっている中有効ラインL2にリーチ表示を形成することなく最終的にはずれとなる図柄組み合わせで飾図を停止表示した後に、識別情報を確定停止させる演出を特定している。第2特殊はずれ特図変動パターンTP21の変動時間は、前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1においてリーチ表示することなくはずれ表示で飾図を停止表示させる特定はずれ特図変動パターンTP11に比べて長く設定されている。
(第1および第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12,TP22)
前記第1および第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12,TP22は、図柄変動演出において全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させて、その変動中に確変状態(確変モード)で有効となっている中有効ラインL2にリーチ表示を形成した後に、該中有効ラインL2にはずれ表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定している。第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12と第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP22とでは、変動時間が異なっている。
(第1および第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13,TP23)
前記第1および第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13,TP23は、図柄変動演出において全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させて、その変動中に確変状態(確変モード)で有効となっている中有効ラインL2にリーチ表示を形成した後に、該中有効ラインL2に大当り表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定している。第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13と第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP23とでは、変動時間が異なっている。
(第1および第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14,TP24)
前記第1および第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14,TP24は、図柄変動演出において全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させて、その変動中に確変状態(確変モード)で有効となっている中有効ラインL2にリーチ表示を形成した後に、該中図柄列26bに小当り表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定している。第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14と第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP24とでは、変動時間が異なっている。
ここで、前記確変状態(確変モード)において前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照してメイン制御CPU60aが決定可能な第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12、第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13および第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14は、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが取得した遊技情報が、リーチした後に当り(大当りまたは小当り)またははずれを表示する変動を特定する特図変動パターンであって、該第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12、第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13および第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14をメイン制御CPU60aが決定する遊技情報を特定遊技情報と指称する場合がある。また、確変モード(確変状態)において第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照してメイン制御CPU60aが決定可能な特定はずれ特図変動パターンTP11は、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが取得した遊技情報が、リーチすることなくはずれを表示する変動を特定する特図変動パターンであって、該特定はずれ特図変動パターンTP11をメイン制御CPU60aが決定する遊技情報を、前記特定遊技情報とは異なる非特定遊技情報と指称する場合がある。
また、前記確変状態でメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンにおいて、前記当り判定(大当り判定および小当り判定)および演出実行判定の判定結果が何れも否定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な特定はずれ特図変動パターンTP11は、1回の図柄変動演出(識別情報の変動表示)において、少なくとも1つの図柄ドラム17a,17b,17cを1回転未満の特定角度だけ回動させる第1種特図変動パターンとして設定される。これに対し、前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1に設定されて、当り判定(大当り判定および小当り判定)および演出実行判定の判定結果の何れかが肯定された場合にメイン制御CPU60aが決定可能な第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12、第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13、第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14は、1回の図柄変動演出(識別情報の変動表示)において、全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する第2種特図変動パターンとして設定されている。また、前記第2特殊特図変動パターンテーブルST2に設定されている全ての特図変動パターンTP21〜TP24は、1回の図柄変動演出(識別情報の変動表示)において、全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する第2種特図変動パターンとして設定されている。すなわち、実施例では、メイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンとして、図柄ドラム17a,17b,17cを1回転未満の特定角度だけ回動する第1種特図変動パターンと、該図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する第2種特図変動パターンとが設定されている。
ここで、前記図柄表示装置17における各表示ユニット37a,37b,37cにおいて、各図柄ドラム17a,17b,17c(図柄列26a,26b,26c)を1回転させる場合に、前記ドラム用駆動モータ90a,90b,90cの励磁から回転開始に100ms、1コマ移動に225ms、停止制御に250msが必要となり、図柄ドラム17a,17b,17cに10個の飾図(BIG図柄を3つの飾図とした場合)が形成されている実施例では2600msで図柄ドラム17a,17b,17cを1回転し得るようになっている。なお、2600msで図柄ドラム17a,17b,17cを1回転させるドラム用駆動モータ90a,90b,90cの速度は、回転中(変動中)の飾図が遊技者に識別可能に視認し得る値になっている。また、実施例において、変動時間が600msに設定されて図柄ドラム17a,17b,17cを1回転させない特定はずれ特図変動パターンTP11は、他の特図変動パターンと対比して短縮変動の特図変動パターンとして設定されたものである。
(演出パターンについて)
前記演出制御ROM65bには、特図変動パターンで特定される演出の具体的内容および第1〜第9有効停止位置S1〜S9に確定停止する飾図を規定する演出パターンが記憶されている。そして、演出制御基板65の演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。すなわち、演出制御CPU65aは、前述したように、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容を特定する演出パターンを決定する演出パターン決定手段としての機能を有する。ここで、演出制御CPU65aが決定可能な演出パターンは、図13に示す如く、特図変動パターン毎に分類されており、演出制御基板65(演出制御CPU65a)に入力される特図変動パターン指定コマンドで指定された特図変動パターンに対応する演出パターンを、該演出制御CPU65aが決定する。
ここで、前記演出パターンは、前記図柄表示装置17で実行させる図柄変動演出の具体的内容を特定するものである。また、演出パターンは、前記LED38a,38b,38c、ランプ装置18およびスピーカ19で実行される演出(動作)を特定する情報も含んでいる。すなわち、LED38a,38b,38cの発光態様の切り替え、ランプ装置18における発光体の点灯,消灯(点滅)による演出およびスピーカ19から出力する特定効果音による演出等が演出パターンによって特定されるものであって、該演出パターンに基づいて演出制御CPU65aがLED38a,38b,38c、ランプ装置18およびスピーカ19を制御するよう構成されている。演出パターンは、特図変動パターンに対応して演出内容が異なる複数種類が設定されるものであって、例えば、リーチ用の特図変動パターンに対応する演出パターンでは、該演出パターンに基づいてランプ装置18やスピーカ19においてもリーチ演出が実行される。
ここで、図14は、前記演出パターンで特定されるLED38a,38b,38cの発光態様の一例を示すものであって、前記第1の発光態様は、LED38a,38b,38cを白色の発光色で点灯させるように設定される。これに対し、前記第2の発光態様としては、LED38a,38b,38cを青色の発光色で点灯させるように設定されたA種、LED38a,38b,38cを赤色の発光色で点灯させるように設定されたB種、LED38a,38b,38cを白色の発光色で点滅させるように設定されたC種、LED38a,38b,38cを消灯させるように設定されたD種の複数種類がある。そして、各演出パターンには、識別情報の変動表示中においてLED38a,38b,38cを1種類の第2の発光態様で制御する種類と、識別情報の変動表示中においてLED38a,38b,38cを複数種類の第2の発光態様を組み合わせて制御する種類とが設定されて、識別情報(図柄変動演出)の変動表示が画一的にならないよう構成されている。但し、全ての演出パターンにおいて、LED38a,38b,38cが制御される第1の発光態様は1種類であって、当該第1の発光態様でLED38a,38b,38cが制御されることで、識別情報の確定停止を明確に識別し得るようになっている(図15参照)。なお、識別情報の確定停止を表わす特定色は、白色に限定されるものではなく、その他各種の色に設定できる。また、前記第2の発光態様の種類については、図14に示す種類に限定されるものではない。
ここで、演出パターンとしては、全てのLED38a,38b,38cをB種またはC種の第2の発光態様で制御するよう設定された演出パターンがあり、該演出パターンを演出制御CPU65aが決定した場合は、識別情報の変動表示中において全ての図柄列26a,26b,26cの飾図が青色または赤色の同じ発光色(第1の発光態様の発光色とは異なる発光色)で照明される。また、3つのLED38a,38b,38cの何れか1つをB種、その他をC種の第2の発光態様で制御するよう設定された演出パターンがあり、該演出パターンを演出制御CPU65aが決定した場合は、識別情報の変動表示中において全ての図柄列26a,26b,26cの飾図が同じ発光色で照明されることがない。すなわち、第1の発光態様の発光色とは異なる発光色で全ての図柄列26a,26b,26cが照明されたり、照明されている3列の図柄列26a,26b,26cの発光色が揃わないことで、第2の発光態様で照明されている状態と第1の発光態様で照明されている状態での違いを明確にすることができる。更に、少なくとも1つのLED38a,38b,38cをD種の第2の発光態様で制御するよう設定された演出パターンがあり、該演出パターンを演出制御CPU65aが決定した場合は、識別情報の変動表示中において3列の図柄列26a,26b,26cの飾図の何れか1つが照明されないので、この態様であっても3列全ての図柄列26a,26b,26cが白色の発光色で照明される第1の発光態様との違いが明確となる。
(通常モードで決定される演出パターンについて)
前記演出制御ROM65bに記憶される演出パターンとして、図13に示す如く、前記通常はずれ特図変動パターンTP01で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する通常はずれ演出パターEP01、前記通常リーチはずれ特図変動パターンTP02で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する通常リーチはずれ演出パターンEP02、前記通常リーチ大当り特図変動パターンTP03で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する通常リーチ大当り演出パターンEP03、前記通常リーチ小当り特図変動パターンTP04で特定される図柄変動演出演出の具体的内容を規定する通常リーチ小当り演出パターンEP04が設定される。なお、通常はずれ演出パターンEP01、通常リーチはずれ演出パターンEP02、通常リーチ大当り演出パターンEP03および通常リーチ小当り演出パターンEP04は夫々複数種類が設定される。そして、演出制御CPU65aは、通常はずれ特図変動パターンTP01、通常リーチはずれ特図変動パターンTP02、通常リーチ大当り特図変動パターンTP03および通常リーチ小当り特図変動パターンTP04の何れかを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、演出パターンとして対応する通常はずれ演出パターンEP01、通常リーチはずれ演出パターンEP02、通常リーチ大当り演出パターンEP03および通常リーチ小当り演出パターンEP04を決定し、決定した演出パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。
前記通常はずれ演出パターンEP01は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成することなく最終的にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものであり、通常リーチはずれ演出パターンEP02は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、最終的にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。また、前記通常リーチ大当り演出パターンEP03および通常リーチ小当り演出パターンEP04は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、最終的に大当りおよび小当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。
ここで、通常状態(通常モード)において前記演出制御CPU65aが決定可能な演出パターンEP01〜EP04は、対応する特図変動パターンTP01〜TP04で特定される如く、図柄変動演出において全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させる変動を行わせて、その変動中にリーチ表示を形成することなく、またはリーチ表示を形成した後に、有効ラインL1〜L5に大当り表示、小当り表示またははずれ表示となる図柄組み合わせで飾図を停止表示し、識別情報を確定停止させる演出を特定するものであって、後述する第2種演出パターンに分類される。
(確変モードで決定される演出パターンについて)
前記演出制御ROM65bに記憶される演出パターンとして、図13に示す如く、前記特定はずれ特図変動パターンTP11で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する第1特定はずれ演出パターンEP11−1および第2特定はずれ演出パターンEP11−2、前記第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する第1特殊リーチはずれ演出パターンEP12、前記第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する第1特殊リーチ大当り演出パターンEP13、前記第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14で特定される図柄変動演出演出の具体的内容を規定する第1特殊リーチ小当り演出パターンEP14が設定される。なお、第1特定はずれ演出パターンEP11−1、第2特定はずれ演出パターンEP11−2、第1特殊リーチはずれ演出パターンEP12、第1特殊リーチ大当り演出パターンEP13および第1特殊リーチ小当り演出パターンEP14は夫々複数種類が設定される。そして、演出制御CPU65aは、特定はずれ特図変動パターンTP11、第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12、第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13および第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14の何れかを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、演出パターンとして対応する第1特定はずれ演出パターンEP11−1、第2特定はずれ演出パターンEP11−2、第1特殊リーチはずれ演出パターンEP12、第1特殊リーチ大当り演出パターンEP13および第1特殊リーチ小当り演出パターンEP14を決定し、決定した演出パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。
前記第1特定はずれ演出パターンEP11−1は、図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)の何れか一つの図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)のみを1コマ分だけ変動して、有効ラインL2にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものであり、前記第2特定はずれ演出パターンEP11−2は、図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)の何れか一つの図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)のみを2コマ分だけ変動して、有効ラインL2にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。そして、第1および第2特定はずれ演出パターンEP11−1,EP11−2は、図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)の少なくとも1つを1回転未満の特定角度だけ回動させる演出を特定する第1種演出パターンとして設定されている。なお、第1および第2特定はずれ演出パターンEP11−1,EP11−2に対応する特定はずれ特図変動パターンTP11で特定される変動時間は600msに設定されているが、ドラム用駆動モータ90a,90b,90cの速度を高速と低速とに切り替えることで、同一時間で1コマ送りまたは2コマ送りを行い得るようになっている。
ここで、前記第1および第2特定はずれ演出パターンEP11−1,EP11−2において変動させる図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)は、抽選によって決定される。すなわち、前記演出制御CPU65aは、特定はずれ特図変動パターンTP11を指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、3つの図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)の内の何れの図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を変動させるかを抽選によって決定する。なお、特定はずれ特図変動パターンTP11を指定する特図変動パターン指定コマンドが演出制御CPU65aに入力された場合に、該演出制御CPU65aが第1および第2特定はずれ演出パターンEP11−1,EP11−2の何れの演出パターンを決定するかの条件については後述する。
また、第1特殊リーチはずれ演出パターンEP12は、全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転すると共に、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、有効ラインL2にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。また、前記第1特殊リーチ大当り演出パターンEP13は、全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転すると共に、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、有効ラインL2に大当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。更に、前記第1特殊小当り演出パターンEP14は、全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転すると共に、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、有効ラインL2に小当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。そして、第1特殊リーチはずれ演出パターンEP12、第1特殊リーチ大当り演出パターンEP13および第1特殊リーチ小当り演出パターンEP14は、何れも全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させる演出を特定する第2種演出パターンとして設定されている。
ここで、後述するように、前記確変モード(確変状態)においてメイン制御CPU60aが前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照して特図変動パターンを決定する期間では、演出制御CPU65aは、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが取得した遊技情報が特定遊技情報であった場合(第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12、第1特殊リーチ大当り特図変動パターンTP13または第1特殊リーチ小当り特図変動パターンTP14が決定された場合)には、対応して全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させる演出を特定する第2種演出パターン(第1特殊リーチはずれ演出パターンEP12、第1特殊リーチ大当り演出パターンEP13または第1特殊リーチ小当り演出パターンEP14の何れか)を決定する。また、メイン制御CPU60aが第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照して特図変動パターンを決定する期間において、始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが取得した遊技情報が非特定遊技情報であった場合(特定はずれ特図変動パターンTP11が決定された場合)に、演出制御CPU65aは、図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)の少なくとも1つを1回転未満の特定角度だけ回動させる演出を特定する第1種演出パターン(第1または第2特定リーチはずれ演出パターンEP11−1,EP11−2の何れか)を決定するよう設定されている。すなわち、メイン制御CPU60aが第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照して特図変動パターンを決定する期間において、リーチ、大当りまたは小当り等のように図柄の組み合わせによって特定の状態となる可能性を報知したり、特定の状態が付与されることを報知するために、決められた飾図を有効停止位置に停止させる必要のある特図変動パターンが決定された場合には、全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させて原点位置を検出した後に、検出した原点位置を基準として図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を変動させる演出パターンを決定することで、決められた飾図を正確に有効停止位置に停止させるよう構成されている。
前記演出制御ROM65bに記憶される演出パターンとして、図13に示す如く、前記第2特殊はずれ特図変動パターンTP21で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する第2特殊はずれ演出パターンEP21、前記第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP22で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する第2特殊リーチはずれ演出パターンEP22、前記第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP23で特定される図柄変動演出の具体的内容を規定する第2特殊リーチ大当り演出パターンEP23、前記第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP24で特定される図柄変動演出演出の具体的内容を規定する第2特殊小当り演出パターンEP24が設定される。なお、第2特殊はずれ演出パターンEP21、第2特殊リーチはずれ演出パターンEP22、第2特殊リーチ大当り演出パターンEP23および第2特殊リーチ小当り演出パターンEP24は夫々複数種類が設定される。そして、演出制御CPU65aは、第2特殊はずれ特図変動パターンTP21、第2特殊リーチはずれ特図変動パターンTP22、第2特殊リーチ大当り特図変動パターンTP23および第2特殊リーチ小当り特図変動パターンTP24の何れかを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されると、演出パターンとして対応する第2特殊はずれ演出パターンEP21、第2特殊リーチはずれ演出パターンEP22、第2特殊リーチ大当り演出パターンEP23および第2特殊リーチ小当り演出パターンEP24を決定し、決定した演出パターンに基づいて図柄表示装置17を制御する。
前記第2特殊はずれ演出パターンEP21、第2特殊リーチはずれ演出パターンEP22、第2特殊リーチ大当り演出パターンEP23および第2特殊リーチ小当り演出パターンEP24は、何れも全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転した後に、有効ラインL2にはずれまたは当り(大当りや小当り)となる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。すなわち、第2特殊はずれ演出パターンEP21は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成することなく有効ラインL2にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものであり、第2特殊リーチはずれ演出パターンEP22は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、有効ラインL2にはずれとなる飾図(有効図柄およびブランク図柄を含む)の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。また、前記第2特殊リーチ大当り演出パターンEP23は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、有効ラインL2に大当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。更に、前記第2特殊リーチ小当り演出パターンEP24は、図柄変動演出の途中でリーチ表示を形成し、有効ラインL2に小当りとなる有効図柄の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定するものである。すなわち、第2特殊はずれ演出パターンEP21、第2特殊リーチはずれ演出パターンEP22、第2特殊リーチ大当り演出パターンEP23および第2特殊リーチ小当り演出パターンEP24は、何れも全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させる演出を特定する第2種演出パターンとして設定されている。
前記各演出パターンEP01〜EP24には、各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミング(仮停止や確定停止のタイミング)が設定されている。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図停止制御信号を図柄表示装置17(ドラム用駆動モータ90a,90b,90c)に出力する。具体的には、演出制御CPU65aは、左図柄列26aでの飾図の停止タイミング(左図柄ドラム17aの停止タイミング)において左飾図停止制御信号を出力し、右図柄列26cでの飾図の停止タイミング(右図柄ドラム17cの停止タイミング)において右飾図停止制御信号を出力し、中図柄列26bでの飾図の停止タイミング(中図柄ドラム17bの停止タイミング)において中飾図停止制御信号を出力する。
前記演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの種類を決定し、当該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、演出制御RAM65cに設定される。演出制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、演出モードに応じた制御信号を図柄表示装置17、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
ここで、実施例のパチンコ機10では、確変モード(確変状態)において前記メイン制御CPU60aから入力される特定はずれ特図変動パターンTP11を指定する特図変動パターン指定コマンドに基づいて前記第1特定はずれ演出パターン(第1種演出パターン)EP11−1が決定されると、図柄ドラム17a,17b,17cはコマ送りされるので、該図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置を前記原点検出センサ91a,91b,91cが検出できず、以後の図柄変動演出での飾図の停止位置精度が低下するおそれがある。そこで、実施例のパチンコ機10では、第1特定はずれ演出パターンEP11−1(特定はずれ特図変動パターンTP11)が所定回数だけ連続して決定された場合は、次の図柄変動演出の内容を特定する演出パターンとしては、強制的に全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する演出パターン(第2種演出パターン)を決定するよう構成されている。具体的に、実施例では、確変モード(確変状態)において、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが特図変動パターンを決定する場合は、1回目から8回目までは前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1から特図変動パターンを決定すると共に、9回目には前記第2特殊特図変動パターンテーブルST2から特図変動パターンを決定するよう設定される。これにより、メイン制御CPU60aが8回連続して特定はずれ特図変動パターンTP11を決定することで8回連続して第1特定はずれ演出パターンEP11−1に基づく図柄変動演出が図柄表示装置17で実行されたとしても、9回目には全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する変動時間に設定された特図変動パターンが決定されるので、図柄表示装置17においても限ず全ての全図柄ドラム17a,17b,17cが1回転以上回転することで、原点検出センサ91a,91b,91cが図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置を検出し、以後の図柄変動演出での飾図の停止位置精度を高めることができる。言い替えれば、確変モードでは、始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが所定回数連続して特定はずれ特図変動パターン(非特定遊技情報に基づく特図変動パターン)TP11を決定した場合に、演出制御CPU65aは、所定回数目の次に入力された特図変動パターン指定コマンドで特定された特図変動パターンの種類に関係なく、全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する第2種演出パターンを決定するよう構成されている。
また、確変モードでは、第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照して特図変動パターンを8回決定すると共に第2特殊特図変動パターンテーブルST2を参照して特図変動パターンを1回決定する合計9回の選択パターンが繰り返されるよう設定される(図16参照)。これにより、確変モードでは、始動入賞口30,31への入賞を契機として保留された特図始動保留情報に基づく特図変動パターンの決定では、9回毎の周期で限ず全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する変動時間に設定された特図変動パターンが決定される。言い替えれば、確変モードにおいて、前記演出制御CPU65aは、全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する演出パターンを周期的(9回毎)に決定するようになっている。なお、特図変動パターンの決定回数は、メイン制御CPU60aが備える決定回数カウンタによりカウントし、9回毎にリセットするようにすればよい。前記選択パターンにおける特図変動パターンの決定回数は一例であって、任意の数に設定することができる。
ここで、実施例では、第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照して特図変動パターンを8回決定した後に、9回目の特図変動パターンの決定に際しては第2特殊特図変動パターンテーブルST2を参照するよう構成したが、第1特殊特図変動パターンテーブルST1を参照して決定した特図変動パターンが、8回連続して前記特定はずれ特図変動パターン(非特定遊技情報)TP11であった場合に、次(9回目)の特図変動パターンの決定に際して第2特殊特図変動パターンテーブルST2を参照するようにしてもよい。すなわち、実施例の第1特殊特図変動パターンテーブルST1に設定される第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12で特定される変動時間は、第2特殊特図変動パターンテーブルST2に設定される各特図変動パターンと同様に、全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転させ得る長さに設定されているので、特定はずれ特図変動パターンTP11が8回連続する前に第1特殊リーチはずれ特図変動パターンTP12が決定されれば、図柄表示装置17では全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する演出パターンが実行されて原点位置を検出できるからである。言い替えると、確変モードにおいて、特定はずれ特図変動パターンTP11が所定回数連続する毎に、特図変動パターンの種類(特定遊技情報および非特定遊技情報)に関係なく演出制御CPU65aが全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する演出パターン(第2種演出パターン)を決定するようにしてもよい。
(当り判定と飾図の図柄組み合わせが齟齬しない構成について)
ここで、確変モード(確変状態)において、当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)後に、前記第1特定はずれ演出パターンEP11−1が連続して決定されると、始動入賞口30,31への入賞に基づいて行われる当り判定(大当り判定および小当り判定)が否定結果であるのにも関わらず、図柄表示装置17には当り表示の図柄組み合わせが停止表示されてしまうおそれがある。また、リーチ用の演出パターンの図柄変動演出(識別情報の変動表示)が行われた後においても、リーチを形成していない中図柄ドラム17bを回動する第1特定はずれ演出パターンEP11−1が所定回数(リーチ表示されている飾図の位置によって変わる数)決定されると、始動入賞口30,31への入賞に基づいて行われる大当り判定や小当り判定が否定結果であるのにも関わらず、図柄表示装置17には大当り表示や小当り表示の図柄組み合わせが停止表示されてしまう。
そこで、実施例のパチンコ機10では、上記始動入賞口30,31への入賞に基づいて行われる判定結果と図柄表示装置17に停止表示される図柄組み合わせとが齟齬しないように、前記第1特定はずれ演出パターンEP11−1が決定された場合に、当り判定の結果(特図表示の結果)と飾図の図柄組み合わせ表示とが齟齬すると演出制御CPU65aが判定した場合は、該演出制御CPU65aは、第2特定はずれ演出パターンEP11−2を決定するよう構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記原点検出センサ91a,91b,91cで検出した各図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置に基づいて、コマ送りされる図柄ドラム17a,17b,17c(図柄列26a,26b,26c)の各飾図の位置を把握しており、当り判定の結果が否定の場合に、抽選により決定したコマ送りする図柄列26a,26b,26cが1コマ変動すると中有効ラインL2に当り表示が表示されると判定した場合に、演出制御CPU65aは第2特定はずれ演出パターンEP11−2を決定し、抽選により決定したコマ送りする図柄列26a,26b,26cを2コマ変動することで中有効ラインL2に当り表示が表示されるのを回避するよう構成されている。なお、抽選により決定したコマ送りする図柄列26a,26b,26cが1コマ変動すると中有効ラインL2に当り表示が表示されると演出制御CPU65aが判定した場合に、変動する図柄列26a,26b,26cを変更するようにしてもよい。
図11に示す実施例の図柄配列において、コマ送りすることで当り判定と飾図の図柄組み合わせ表示とが齟齬する具体例を説明する。図11に示す図柄配列において、中有効ラインL2に「555」の飾図の組み合わせで大当りに当選し、大当り遊技後に確変状態が付与された場合では、左、中、右図柄列26a,26b,26cの何れか1つの図柄列のみが順変動で10回連続して1コマ送りされると、再び「555」の飾図の組み合わせが表示されてしまう。また、同じく中有効ラインL2に「555」の飾図の組み合わせで大当りに当選し、大当り遊技後に確変状態が付与された場合に、各図柄列26a,26b,26cの夫々が順変動で3回ずつ1コマ送りされると、中有効ラインL2に「☆☆☆」の飾図の組み合わせが表示されてしまう。このように、特定の大当り表示となった後、第1特定はずれ演出パターンEP11−1が所定回数連続して決定された場合に、大当り表示が表示されてしまうのを防止するため、実施例のパチンコ機10では、所定回数目の図柄変動演出(当り判定の結果と飾図の図柄組み合わせ表示とが齟齬してしまうと演出制御CPU65aが判定した回数目の図柄変動演出)では、前記第2特定はずれ演出パターンEP11−2に基づく図柄変動演出が行われるよう構成される。すなわち、演出制御CPU65aが、入力された特定はずれ特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドに基づいて特定はずれ演出パターンを決定する場合に、抽選により決定したコマ送りする図柄列26a,26b,26cが1コマ変動しても中有効ラインL2に当り表示が表示されないと判定した場合は、第1特定はずれ演出パターンEP11−1を決定し、抽選により決定したコマ送りする図柄列26a,26b,26cが1コマ変動すると中有効ラインL2に当り表示が表示されると判定した場合は、第2特定はずれ演出パターンEP11−2を決定する。言い替えると、演出制御CPU65aは、第1特定はずれ演出パターンEP11−1に基づいて少なくとも1つの図柄列26a,26b,26cを1コマ分ずつ変動する図柄変動演出が繰り返えされることで、始動入賞口30,31への入賞に基づく当り判定の判定結果が否定である場合に、図柄表示装置17の有効ラインL2に当り表示が表示されるおそれがあるときには、当り表示が形成されない演出パターンを決定することで、当り判定の結果と図柄組み合わせとが齟齬しないよう構成されている。
なお、前記演出制御CPU65aは、前述したように、前記全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する演出パターン(第2種演出パターン)を実行した際に前記原点検出センサ91a,91b,91cで検出した各図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置に基づいて、確変モード(確変状態)においてコマ送りされる図柄ドラム17a,17b,17c(図柄列26a,26b,26c)の各飾図の位置を把握し得るよう構成されている。従って、第1特定はずれ演出パターンEP11−1において抽選によって変動する図柄列26a,26b,26cが決定されたとしても、演出制御CPU65aは、コマ送り後における各図柄列26a,26b,26cの飾図の位置を把握し、前述したように当り判定の結果と図柄組み合わせとが齟齬しないように演出パターンを選択し得る。
ここで、実施例では、前述したように確変モード(確変状態)において周期的に第2種演出パターンを演出制御CPU65aが決定するよう構成されており、該演出制御CPU65aが第2種演出パターンを決定する周期は、図柄ドラム17a,17b,17c(図柄列26a,26b,26c)に表示されている全飾図の数(10個)より少なく設定されている。言い替えると、演出制御CPU65aが第1種演出パターンを、図柄ドラム17a,17b,17c(図柄列26a,26b,26c)に表示されている全飾図より少ない数だけ連続して決定した場合には、次の演出パターンについては第2種演出パターンを決定するよう構成されている。従って、図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置を検出するために周期的に実行される第2種演出パターンに基づく図柄変動演出によっても、当り判定の結果と図柄組み合わせとが齟齬するのを防ぎ得るようになっている。なお、演出制御CPU65aが第2種演出パターンを決定する周期は、前述したように9回に限らず、図柄ドラム17a,17b,17c(図柄列26a,26b,26c)に表示されている全飾図より少ない任意の数に設定可能である。
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
〔通常状態(通常モード)の場合について〕
通常状態(通常モード)では、前記可動手段95の可動部材95a,95bは第1位置に保持されて、前記図柄表示装置17の全ての有効ラインL1〜L5が露出した状態となっている(図10(a)参照)。この状態で、前記始動入賞口30,31への入賞を契機とした乱数抽選によって、前記メイン制御CPU60aが前記通常特図変動パターンテーブルNTに設定されている1つの特図変動パターンTP01〜TP04を決定する。そして、決定された特図変動パターンTP01〜TP04を指定する特図変動パターン指定コマンドがメイン制御CPU60aから出力され、該指定コマンドが演出制御CPU65aに入力されると、該演出制御CPU65aは対応する演出パターンEP01〜EP04の中から1つの演出パターンを乱数抽選により決定する。そして、演出制御CPU65aは、決定した演出パターンに基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において識別情報の変動表示(図柄変動演出)が実行される。
図15に示す如く、前記図柄表示装置17において、識別情報の変動表示中(図柄変動演出中)には、前記LED38a,38b,38cは演出パターンで特定される第2の発光態様で制御されることで、遊技者は、識別情報の変動表示中(図柄変動演出中)であることを認識することができる。そして、前記特図変動パターン(演出パターン)に特定される変動時間の経過(停止条件の成立)に基づいて、図柄表示装置17には、最終的に特図変動パターンに対応する当り表示(大当りや小当り)またははずれ表示となる図柄組み合わせで飾図が停止表示される。また、前記LED38a,38b,38cが第1の発光態様で制御され、有効停止位置S1〜S9に停止表示された飾図が全て白色の発光色で有効時間に亘って継続して照明されることにより、1回の識別情報が確定停止される。前記LED38a,38b,38cにおける第1の発光態様は、前記第2の発光態様とは異なるので、1回の識別情報が確定停止したことを遊技者に確実に認識させることができる。
〔確変状態の場合について〕
(特定はずれ特図変動パターンTP11が決定された場合)
確変状態(確変モード)では、前記可動手段95の可動部材95a,95bは第2位置に保持されて、前記図柄表示装置17の上有効停止位置S1,S4,S7(上有効ラインL1)および下有効停止位置S3,S6,S9(下有効ラインL3)が隠され、中有効停止位置S2,S5,S8(中有効ラインL2)のみが露出した第2状態となっている(図10(b)参照)。この状態で、前記始動入賞口30,31への入賞を契機とした乱数抽選によって、前記メイン制御CPU0aが前記第1特殊特図変動パターンテーブルST1(図12(b))を参照して特定はずれ特図変動パターンTP11が決定され、該特定はずれ特図変動パターンTP11を指定する特図変動パターン指定コマンドが演出制御CPU65aに入力された場合は、該演出制御CPU65aは対応する第1特定はずれ演出パターンEP11−1を決定する。そして、演出制御CPU65aは、決定した第1特定はずれ演出パターンEP11−1に基づいて、前記図柄表示装置17を制御することで、該図柄表示装置17において識別情報の変動表示(図柄変動演出)が実行され、前述したと同様に特定はずれ特図変動パターンTP11(第1特定はずれ演出パターンEP11−1)に特定される変動時間の経過(停止条件の成立)に基づいて、最終的にはずれ表示となる図柄組み合わせで識別情報の変動表示が確定停止される。
前記第1特定はずれ演出パターンEP11−1で特定される演出は、3つの図柄列26a,26b,26cの何れか1つを1コマ分だけ変動する演出であるので、1回の識別情報の変動表示は短時間でスピーディに演出が進行する。また、識別情報の確定停止は、図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)が停止表示されると共に、全ての図柄列26a,26b,26cの有効停止位置(確変状態ではS2,S5,S8)に停止表示されている飾図が白色で照明された状態が有効時間に亘って継続することで表示される。従って、図柄列26a,26b,26cの変動量が短かく(1コマ分)でも、LED38a,38b,38cの発光態様の違いによって変動中と誤認することはなく、遊技者は1回の識別情報の変動表示(図柄変動演出)が何時終了したのかを明確に認識することができる。すなわち、前記始動入賞口30,31への入賞に基づく特図始動保留情報が複数溜っている場合に、短時間で変動開始と確定停止とが繰り返される状況であっても、LED38a,38b,38cの発光態様を変えることで、識別情報の変動状態と停止状態とを明確に識別することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。
また、実施例のパチンコ機10では、液晶式の図柄表示装置でなく、ドラム式の図柄表示装置17を採用することで、他機種との差別化を図り得るもとで、図柄ドラム17a,17b,17cを用いたスピード感のある演出により興趣を向上し得ると共に遊技効率を向上し得る。そして、第1特定はずれ演出パターンで特定される演出での図柄ドラム17a,17b,17cの変動量(回動角度)を、飾図を1つ分だけ変動させる角度に設定しているので、遊技者にとって有利な状態を付与する可能性のないはずれの図柄変動演出に係る時間を大幅に短縮することができ、演出の興趣および遊技効率を更に向上し得る。なお、実施例のパチンコ機10では、始動入賞口30,31への入賞を契機として実行された当り判定の判定結果が表示される特図表示部50A,50Bを、演出用の飾図が表示された複数の図柄ドラム17a,17b,17cを備える図柄表示装置17とは別に設けたので、特図表示部50A,50Bの表示態様に規制されることなく該図柄表示装置17による図柄変動演出の自由度を高め得る。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第2の発光態様として、第1の発光態様とは発光色が異なる複数種類(青色、赤色)が設定されているので、識別情報の変動状態でのLED38a,38b,38cの発光色の違いによって、識別情報の変動状態と停止状態との識別が容易となる。また、3列の図柄列26a,26b,26cにおいて、識別情報の変動状態で各図柄列26a,26b,26cに対応する全てのLED38a,38b,38cの発光色を異なるように制御することで、識別情報の変動状態と停止状態との識別が容易となる。更に、第2の発光態様として、LED38a,38b,38cを消灯する態様を備えているので、識別情報の変動状態では少なくとも1つのLED38a,38b,38cが発光しない場合があり、識別情報の変動状態と停止状態との識別が容易となる。
前記確変状態(確変モード)において、前記始動入賞口30,31への入賞に基づき特定はずれ特図変動パターンTP11が連続して8回決定され、図柄表示装置17において第1特定はずれ演出パターンEP11−1での図柄変動演出(識別情報の変動表示)が8回実行された場合、次の(9回目)の始動入賞口30,31への入賞に基づき特図変動パターンを決定する際には、メイン制御CPU60aは、前記第2特殊特図変動パターンテーブルST2に設定されている特図変動パターンTP21〜TP24の中から1つの特図変動パターンを決定する(図16参照)。第2特殊特図変動パターンテーブルST2に設定されている全ての特図変動パターンTP21〜TP24は、何れも全ての図柄列26a,26b,26cを1回転以上回転するように設定されている。従って、当該特図変動パターンに対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定することで、図柄表示装置17では、全ての図柄列26a,26b,26cが1回転以上回転する図柄変動演出が実行される。すなわち、全ての図柄ドラム17a,17b,17cが1回転以上回転することで、前記原点検出センサ91a,91b,91cによって各図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置が検出され、演出制御CPU65aは各図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置から飾図の位置を認識することができる。このように、確変状態(確変モード)において図柄列26a,26b,26cをコマ送りする図柄変動演出が続いても、所定回数毎(所定周期毎)に全ての図柄ドラム17a,17b,17cを1回転以上回転する図柄変動演出を行うことで、演出制御CPU65aは飾図の位置を把握して適正な飾図を決められた有効停止位置S2,S5,S8に停止表示することができ、始動入賞口30,31への入賞に基づきメイン制御CPU60aが取得した特定遊技情報や非特定遊技情報と図柄表示装置17に停止表示された飾図の組み合わせとに齟齬を来たすことはない。
また、実施例では、大当り遊技後の確変状態(確変モード)において、図柄表示装置17に当り表示(大当り表示または小当り表示)が表示された状態から前記第1特図はずれ演出パターンEP11−1が続けて決定され、第1特図はずれ演出パターンEP11−1に基づく図柄列26a,26b,26cのコマ送りにより移動した飾図の位置を認識するよう構成された演出制御CPU65aが、当り判定の結果と飾図の図柄組み合わせ表示とが齟齬すると判定した場合は前記第2特図はずれ演出パターンEP11−2を決定するので、図柄表示装置17に意図せずに大当り表示が表示されるのを回避することができる。すなわち、ドラム式の図柄表示装置17でコマ送りという斬新な演出を行って興趣を向上したもとで、図柄表示装置17に当り表示(大当り表示または小当り表示)が表示されたにも関わらず、当り遊技が行われないことで遊技者に不信感を与えることを回避することができる。また、実施例のように、図柄ドラム17a,17b,17cに1個所の原点位置(検出部)しかない簡単な構成において、有効停止位置に決められた飾図を正確に停止させる必要のある特図変動パターン(リーチ、大当りまたは小当を特定する特図変動パターン)が決定された場合は、全ての図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を1回転以上回転させて原点位置を検出した後に、検出した原点位置を基準として図柄列26a,26b,26c(図柄ドラム17a,17b,17c)を変動させる演出パターンを決定するので、決められた飾図を正確に有効停止位置に停止させることができる。
(別実施例について)
実施例では、大当り遊技後の確変状態(確変モード)において、図柄表示装置17に当り表示が表示された状態から前記第1特図はずれ演出パターンEP11−1が続けて決定されることで、意図しないときに当り表示が表示されてしまうことを防ぐために、第1特図はずれ演出パターンEP11−1に基づく図柄列26a,26b,26cのコマ送りにより移動した飾図の位置を認識するよう構成された演出制御CPU65aが、当り表示が表示されるおそれのある場合は第2特図はずれ演出パターンEP11−2を決定することで、図柄表示装置17に意図せずに当り表示が表示されるのを回避している。これに対し、別実施例では、前記演出制御ROM65bに、確変状態において有効となっている中有効ラインL2に当り表示(大当り表示および小当り表示)やリーチ表示となる飾図の組み合わせが表示されている状態から、図柄列26a,26b,26cを1コマ送りする第1種演出パターンを複数組み合わせた複数種類の演出シナリオが設定記憶されている。そして、中有効ラインL2に当り表示(大当り表および小当り表示)となる飾図の組み合わせが表示されている状態に対応す演出シナリオは、該演出シナリオに設定されている順序で第1種演出パターンが実行されても、中有効ラインL2に当り表示(大当り表示および小当り表示)となる飾図の組み合わせが表示されることのないように設定されている。また、中有効ラインL2にリーチ表示となる飾図の組み合わせが表示されている状態に対応す演出シナリオは、該演出シナリオに設定されている順序で第1種演出パターンが実行されても、中有効ラインL2に当り表示(大当り表示および小当り表示)およびリーチ表示となる飾図の組み合わせが表示されることのないように設定されている。
前記演出シナリオについて、一例を挙げて説明する。図17では、大当り遊技の終了直後における図柄表示装置17の図柄組み合わせ表示が、「555」の大当り表示となっている。この場合に対応する演出シナリオでは、1回目の第1種演出パターンは、中図柄列26bを1コマ順変動するよう設定され、2回目の第1種演出パターンは、左図柄列26aを1コマ順変動するよう設定され、3回目の第1種演出パターンは、中図柄列26bを1コマ順変動するよう設定され、4回目の第1種演出パターンは、中図柄列26bを1コマ順変動するよう設定され、5回目の第1種演出パターンは、左図柄列26aを1コマ順変動するよう設定され、6回目の第1種演出パターンは、右図柄列26cを1コマ順変動するよう設定され、7回目の第1種演出パターンは、中図柄列26bを1コマ順変動するよう設定され、8回目の第1種演出パターンは、左図柄列26aを1コマ順変動するよう設定され、9回目の第1種演出パターンは、右図柄列26cを1コマ順変動するよう設定される。そして、演出シナリオの10回目(最終回)には、図柄ドラム17a,17b,17cの原点位置を検出するための前記第2種演出パターンが組み込まれている。なお、図17では、演出シナリオの各回数目の演出パターンで指定される図柄列の飾図を1コマ移動した状態での飾図の組み合わせを表すと共に、1コマ順変動した図柄列を示す枠を太く表示している。
そして、別実施例では、確変状態(確変モード)において、前記始動入賞口30,31への入賞を契機としてメイン制御CPU60aが特定はずれ特図変動パターンTP11を決定した場合には、演出制御CPU65aは、当り遊技後に図柄表示装置17の中有効ラインL2に表示されている当り表示(またはリーチ表示)に対応する演出シナリオに定められた順で第1種演出パターンを決定するよう構成されている。すなわち、予め当り表示が表示されないように第1種演出パターンが組み合わせられた演出シナリオに基づいて図柄変動演出が行われるので、周期的に原点位置を検出しなくても、意図しない飾図の組み合わせが図柄表示装置17に表示されてしまうのを防止することができ、制御が容易となる。また、別実施例においても、始動入賞口30,31への入賞を契機とした当り判定(大当り判定や小当り判定)の結果と、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出や停止表示される飾図の組み合わせとの間に齟齬が生ずることはない。
なお、別実施例のように演出シナリオを用いる場合に、図柄列を順変動する第1種演出パターンのみの組み合わせに限らず、逆変動する第1種演出パターンを組み込んだり、または複数コマ送りする第1種演出パターンを組み込むようにすることができる。すなわち、図17に示す如く、大当り表示(小当り表示)から1コマ変動の第1種演出パターンを行うと、1回目の変動後はリーチ表示となることから、大当り表示(小当り表示)に対応する演出シナリオについては、1回目の第1種演出パターンとして図柄列を2コマ以上変動する演出パターンを組み込んでおくことで、リーチ表示を形成させないようにすることができる。また、同じ当り表示やリーチ表示に対応して、第1種演出パターンの組み合わせ数が異なる複数種類の演出シナリオを設定し、図柄表示装置17に当り表示やリーチ表示された後の最初の特図変動パターン指定コマンドで指定される特図変動パターンがはずれ特図変動パターン(非特定遊技情報に基づく特図変動パターン)である場合に、演出制御CPU65aが乱数抽選によって複数種類の演出シナリオから1つの演出シナリオを決定する構成を採用し得る。
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、確変状態において可動手段により一部の有効ラインを隠す第2状態としたが、非確変状態においても予め設定された条件が成立したときに可動手段により一部の有効ラインを隠す第2状態とするようにしてもよい。また、各演出パターンを決定するのに合わせて第1状態とするか第2状態とするかを乱数抽選により決定するようにしてもよい。
(2) 実施例では、5つの有効ラインを設定したが、通常状態および確変状態の何れにおいても有効ラインが1つ(実施例の中有効ラインL2)の構成を採用し得る。
(3) 実施例では、メイン制御CPUが特定はずれ特図変動パターンを決定した場合に、演出制御CPUは図柄列を1コマ分だけ変動する第1特定はずれ演出パターンまたは図柄列を2コマ分だけ変動する第2特定はずれ演出パターンの何れかを決定するよう構成したが、メイン制御CPUが特定はずれ特図変動パターンを決定した場合に、演出制御CPUが変動するコマ数を0コマ、1コマ、2コマ等の複数種類の中から抽選によって決定するようにしてもよい。また、各図柄列毎に個々に変動するコマ数を抽選によって決定することができる。このように、各図柄列毎に個々に変動するコマ数を抽選する場合は、全ての図柄列が変動しなかったり、全ての図柄列が同一または異なるコマ数分変動する等、演出の幅が広がって遊技の興趣を向上し得る。
(4) 実施例では、確変状態(確変モード)において図柄列の飾図を1コマずつ移動するよう構成したが、変短状態のみが付与されている変短モードにおいて、図柄列の飾図を1コマずつ移動するよう構成したり、確変状態と変短状態との両方が付与されている複合モードにおいて、図柄列の飾図を1コマずつ移動するよう構成することができる。すなわち、通常モードに比較して、遊技者に有利な特殊演出モードにおいて、図柄列の飾図を1コマずつ移動する構成を採用し得るものである。
(5) 実施例では、選択パターンとして、第1特殊特図変動パターンテーブルを参照して特図変動パターンを8回決定すると共に第2特殊特図変動パターンテーブルを参照して特図変動パターンを1回決定する合計9回の選択パターンが繰り返されるよう構成したが、該選択パターンにおける特図変動パターンの決定回数は、これに限定されるものではない。例えば第1特殊特図変動パターンテーブルを参照して特図変動パターンを9回決定すると共に第2特殊特図変動パターンテーブルを参照して特図変動パターンを1回決定する合計10回の選択パターンが繰り返されるものであってもよい。言い替えると、図柄列の飾図を1コマ分(1回転未満)移動させる演出パターンを9回決定する毎に図柄列を1回転以上回転させる演出パターンを1回決定する合計10回の選択パターンが繰り返されるようにすることができる。
なお、実施例では、図11に示す図柄配列において、中有効ラインのみが有効となる確変モードにおいて「555」の飾図の組み合わせが中有効ラインに揃った状態で、各図柄列の夫々が順変動で3回ずつ1コマ送りされることで「☆☆☆」の飾図の組み合わせが中有効ラインに揃う場合があるので、前記選択パターンにおいて9回目に図柄列を1回転以上変動させる特図変動パターン(演出パターン)を決定することで、1コマ送りされる図柄列を抽選により決定する構成においても意図しないときに当り図柄が中有効ラインに揃うのを防ぎ得るようになっている。しかしながら、実施例のように通常モードから確変モードに移行することで有効ラインの数が変更される構成では、確変モードに移行する契機となる大当り表示が確変モードで有効となる左右直線状の一つの有効ラインとは異なる有効ライン(上有効ラインや下有効ライン)に表示された場合には、9回よりも少ない数のコマ送り数で、確変モードで有効となった有効ラインに当り表示を形成する飾図の組み合わせが揃うおそれがある。また、モード移行で有効ライン数が変更されない場合においても、9回よりも少ない数のコマ送り数で有効ラインに、当り表示を形成する飾図の組み合わせが揃うおそれがある。すなわち、有効ラインに当り表示の飾図の組み合わせが揃った位置から任意の図柄列を任意の順序で飾図のコマ送りを実行した場合に、次に有効ラインに当りの組み合わせで飾図が揃うまでのコマ送りの回数は、図柄配列や各図柄列における有効図柄の移動方向の離間コマ数によって決まることから、選択パターンにおける図柄列を1回転以上変動させる回数目は、各図柄列の図柄配列や有効図柄の移動方向の離間コマ数に応じて決まる飾図が揃う可能性のある最小の回数目より少ない回数に設定するようにすればよい。また、有効な一つの有効ラインに揃った当りを表示する飾図の種類および図柄配列に応じて、選択パターンにおける図柄列を1回転以上変動させる回数目を変えるようにしてもよい。
(6) 実施例では、確変状態(確変モード)において特定はずれ演出パターンでは図柄列を順方向にコマ送りするようにしたが、図柄列を逆方向にコマ送りする特定はずれ演出パターンを設定し、演出制御CPUが乱数抽選によって何れかの種類の演出パターンを決定するようにしてもよい。
(7) 演出パターンとして、複数の図柄列の何れか1つを1コマ分だけ回動して仮停止する変動を所定回数繰り返し、所定回数目の変動で特図変動パターンで特定される当り表示やはずれ表示を表示するように演出が展開する演出パターンを設けることができる。このような演出パターンにおいても、飾図の仮停止中に発光手段は第2の発光態様で制御されるので、仮停止が確定停止と誤認されるのを防ぐことができる。
(8) 実施例では、図柄表示装置として3つの表示ユニットを備えたが、表示ユニットは2つある4つ以上であってもよい。
(9) 実施例では、図柄ドラムを1回転未満の特定角度だけ回動させる第1種演出パターンとして、図柄ドラムを1コマまたは2コマ分だけ変動する演出パターンを設定した場合で説明したが、図柄ドラムに表示される飾図の数に応じて、該図柄ドラムを1回転させない3以上のコマ数だけ回動させる演出パターンを設けることができる。例えば、何れか一つの図柄ドラムのみを7コマ分や9コマ分だけ変動して、有効ラインにはずれとなる飾図の図柄組み合わせを停止表示させた後に、識別情報を確定停止させるように展開される演出を特定する演出パターンを設定することができる。
(10) 図柄表示装置に当り表示が表示された状態(当り遊技が終了した直後の状態)において最初に第1種演出パターン(第1特定はずれ演出パターン)が決定された場合に、該演出パターンで1コマ送りされる図柄列(図柄ドラム)を決定し、続いて第1種演出パターン(第1特定はずれ演出パターン)が決定される場合には先に決定した図柄列(図柄ドラム)を順方向に1コマ送りするように構成する。そして、第1種演出パターン(第1特定はずれ演出パターン)が連続して決定される回数が、図柄列に表示された飾図の数より1少ない所定回数となった場合には、次に第1種演出パターン(第1特定はずれ演出パターン)が決定された場合であっても、複数コマあるいは別の図柄列をコマ送りする演出パターンを決定するよう構成するようにしてもよい。このように構成することで、当り判定や演出実行判定の結果と、図柄表示装置で実行される図柄変動演出や停止表示される飾図の組み合わせとの間に齟齬が生ずるのを防止し得る。
(11) 実施例では、複数の図柄列を左右方向に並列に設けて各図柄列において飾図を縦方向に変動するよう構成したが、複数の図柄列を上下方向に並列に設けて各図柄列において飾図を横方向に変動する構成を採用することができる。そして、この構成における有効ラインは、図10に示す図柄表示装置を90度転回した状態と同じとなる。
(12) 各図柄列に設定する有効停止位置は3つに限られるものではなく、各図柄列に1つの有効停止位置を設定してもよく、任意数の有効停止位置を設定することができる。また、各図柄列の有効停止位置の数は、同じである必要はなく、例えば左右の図柄列に3つの有効停止位置を設定する一方で、中図柄列に中有効停止位置に相当する1つの有効停止位置のみを設定することもできる。
(13) 実施例では、小当り有効図柄の組み合わせが有効ラインに揃うことで小当り表示となり、図柄変動演出(識別情報の変動表示)の終了後に遊技者に有利な小当り遊技が付与されるよう構成したが、前記確変状態(確変モード)においては、中図柄列に設けられている小当り有効図柄(「◎」)のみが中有効停止位置に停止表示されることで小当り表示となり、図柄変動演出(識別情報の変動表示)の終了後に遊技者に有利な小当り遊技が付与されるようにしてもよい。すなわち、中図柄列における小当り有効図柄(「◎」)を、確変状態(確変モード)において単独で小当り表示を形成し得る特殊な図柄として設定するようにしてもよい。
(14) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。この構成では、特図始動保留情報は、第1始動入賞手段および第2始動入賞手段への遊技球の入賞順で記憶されて、該入賞順の特図始動保留情報に基づいて特図変動および識別情報の変動表示(図柄変動演出)が順に実行される。
(15) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段(ランプ制御装置)や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段(演出制御基板)が兼用することができる。
(16) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(17) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球やコイン等の遊技媒体を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。なお、スロットマシンでは、スタートレバーのON検出が始動条件の成立となり、ストップボタンの操作(ボタン検出手段の検出)が図柄変動演出(識別情報の変動表示)の停止条件の成立となる。また、スロットマシンにおいては、始動条件の成立に基づいて制御手段が取得した遊技情報に基づく図柄を変動表示するメインリールとは別に、演出用の図柄を変動表示するサブリールを設けた構成において、該サブリールを1コマ送りする制御を行うようにしてもよい。