JP2016140312A - 柑橘類風味ノンアルコール飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造後経時的に劣化臭が発生し難く、難消化デキストリン由来の雑味及び味のもたつきが改善された柑橘類風味ノンアルコール飲料を提供すること。【解決手段】柑橘類のフレーバー、リンゴ酸、及び0.7〜2.1w/v%の難消化性デキストリンを含有する柑橘類風味ノンアルコール飲料。【選択図】なし

Description

本発明はノンアルコール飲料に関し、特に、柑橘類のフレーバーを含有するノンアルコール飲料に関する。
ノンアルコール飲料は、実質的にアルコールを含まないアルコールテイストの飲料である。ノンアルコール飲料には、ノンアルコールビール(ビールテイスト飲料)、ノンアルコールワイン、ノンアルコールカクテル、ノンアルコール酎ハイ(酎ハイテイスト飲料)、ノンアルコール日本酒及びノンアルコール焼酎(焼酎テイスト飲料)等が含まれる。ノンアルコール飲料のアルコール濃度は、酒税法上は温度15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量が1%未満である。
近年では、消費者の安全志向及び健康指向が高まり、アルコールを含有しないノンアルコール飲料が要求されている。アルコールを含有しないノンアルコール飲料は多量に飲用しても酔うことがなく、また、アルコールを摂取することによる人体に対する悪影響が発生しない。例えば、自動車運転者等の危険防止のために酔うことが許されない消費者、及び妊婦等の健康上の理由でアルコールの摂取が制限される消費者も存在し、アルコールを含有しないアルコールテイスト飲料に対する需要が存在する。
アルコールを含有しないアルコールテイスト飲料は、アルコールを使用することなくアルコール飲料を想起できる風味を呈する必要があり、配合する成分の種類及び量を選択することが困難である。
柑橘類は、それらの甘味、酸味、香りが清涼感を与えるため清涼飲料の素材によく使用される。一般に、柑橘類風味飲料は、柑橘類の果汁を使用して柑橘類の甘味、酸味及び香りを付与して、飲料のおいしさを向上させている。柑橘類風味飲料としては、例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジなどの果汁を含有させた商品が多く市販されている。
特許文献1には水溶性食物繊維とクエン酸とを含有するノンアルコール飲料が記載されている。このノンアルコール飲料では、含有する水溶性食物繊維とクエン酸の量を特定割合に調節することで、水溶性食物繊維特有の平坦な香味を改善し、味の厚みと飲みやすさが増強されている。特許文献1のノンアルコール飲料には、レモンや梅といった各種果実の果汁を添加することができる。
柑橘類の果汁は糖質、クエン酸、アミノ酸等の成分によって味に厚み、ボディ感を付与し、炭酸の苦味を軽減する効果を有し、美味しさの向上に有益である。その一方、果汁含有ノンアルコール飲料はボディ感が後を引くように残り、香味にべたつき感が生じることがある。
甘味と酸味のバランスがよく、美味しさに優れ、スッキリ感にも優れたノンアルコール飲料を提供するためには、柑橘類の果汁を使用することなく柑橘類風味を再現することが好ましく、柑橘類については果汁ではなく果皮成分を使用することが考えられる。柑橘類の果皮成分は柑橘類のフレーバーとして市販されている。
しかしながら、柑橘類のフレーバーを含有するノンアルコール飲料は風味の経時変化が早く、製造後短期間のうちに劣化臭が発生する問題がある。
また、柑橘類のフレーバーを含有するノンアルコール飲料は味が薄くなり易い。柑橘類のフレーバーを含有するノンアルコール飲料の中でも、特に、果汁を使用しないもの、又は低カロリー化されたものは、厚み、ボディ感や味わいが不足し、苦味が目立ち易くなる。
近年では、消費者の健康指向が高まり、カロリーをできるだけ低下させた飲料が要求されている。可能な限りカロリーを低減した飲料の一例として、カロリーゼロ飲料がある。「カロリーゼロ」との表示は、日本の健康増進法に基づく栄養表示基準の規定によれば、飲料に含まれるエネルギー量が、飲料100mlあたり5kcal未満のものに対して表示することができる。
特許文献2には、炭酸飲料中にDE6〜30の澱粉分解物を0.5〜5質量%添加することで、刺激性、クリーミー性、コク味などの味質を改善した炭酸飲料が記載されている。
非特許文献1には難消化性デキストリンは匂いをマスキングする効果を有すること、大豆タンパクの匂いを緩和する目的で使用されること、鉄臭、酢の刺激臭をマスキングする効果が認められていることが記載されている。
しかしながら、難消化性デキストリンが柑橘類のフレーバーの劣化臭をマスキングすることは知られていない。また、難消化性デキストリンには、原料であるジャガイモやトウモロコシに由来する香味がある。そのため、飲料の香味が柑橘系のものである場合は、難消化性デキストリンの香味は飲料本来の香味と調和せず、これを損なってしまう。つまり、難消化性デキストリンを含有する柑橘類風味ノンアルコール飲料には、雑味又は味のもたつきを感じさせ、飲用後のスッキリ感が劣るという問題がある。
特開2014−161293号公報 特開2002−330735号公報
岸本由香 「難消化性デキストリンの特性と用途」、ジャパンフードサイエンス、第46巻第2号、2007年、第36〜41頁
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、難消化性デキストリンを含有するものでありながら雑味又は味のもたつきを感じさせず、飲用後のスッキリ感に優れた柑橘類風味ノンアルコール飲料を提供することにある。
本発明は、柑橘類のフレーバー、リンゴ酸、及び0.7〜2.1w/v%の難消化性デキストリンを含有する柑橘類風味ノンアルコール飲料を提供する。
ある一形態においては、上記柑橘類風味ノンアルコール飲料は重曹を含有する。
ある一形態においては、上記柑橘類風味ノンアルコール飲料は果汁を含有しない。
ある一形態においては、前記柑橘類のフレーバーがレモンのフレーバー又はグレープフルーツのフレーバーである。
ある一形態においては、上記柑橘類風味ノンアルコール飲料は2.8〜3.9のpHを有する。
ある一形態においては、上記柑橘類風味ノンアルコール飲料は0.1〜0.7w/v%のクエン酸換算した酸度を有する。
ある一形態においては、上記柑橘類風味ノンアルコール飲料は高甘味度甘味料を含有する。
ある一形態においては、上記柑橘類風味ノンアルコール飲料はエネルギー量が5kcal/100ml未満である。
また、本発明は、飲用水に、柑橘類のフレーバー、リンゴ酸、及び0.7〜2.1w/v%の難消化性デキストリンを含有させる工程を包含する、難消化性デキストリンを含有する柑橘類風味ノンアルコール飲料の難消化デキストリン由来の雑味及び味のもたつきを低減させる方法を提供する。
本発明は、アルコール飲料らしいコク感と複雑味のあるバランスのよい味わいを呈し、難消化性デキストリンを含有するものでありながら雑味又は味のもたつきを感じさせず、スッキリ爽快な味わいを呈する柑橘類風味ノンアルコール飲料を提供する。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は、柑橘類のフレーバー、酸味物質、及び難消化性デキストリンを含有する。
柑橘類のフレーバーとは、柑橘類の香りを再現した食品添加物である。柑橘類のフレーバーは飲料の清涼感及びスッキリ感を増強させて、飲みやすくするために含有させる。また、一般に、フレーバーは、ノンアルコール飲料に含有させた場合でも、飲用後に苦味が後を曳いたり、香味がべたつく等の問題が生じ難い。柑橘類風味ノンアルコール飲料の飲用後の後味をすっきりさせる観点から、本発明で使用する柑橘類のフレーバーは、原料に柑橘類の果皮を使用して製造されたものであることが特に好ましい。
柑橘類の種類としては、爽やか、すっきりした香りのものであれば、特に限定されない。例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、シークァーサー、シトラス等が挙げられる。中でも好ましい柑橘類はレモン及びグレープフルーツである。
柑橘類のフレーバーとしては、一種類のフレーバーが用いられてもよく、複数の種類のフレーバーが用いられてもよい。好ましくは、柑橘類のフレーバーは、レモンのフレーバー及びグレープフルーツのフレーバーである。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は果汁を含有しないことが好ましい。その場合、ボディ感が後を曳かなくなり、香味にべたつき感がなく、また、果汁由来成分の劣化による苦味、渋味の増大が防止される。その結果、飲用後の清涼感、スッキリ感が増強される。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料に含まれる柑橘類のフレーバーの量は適宜設定できるが、一般に、0.02〜0.4w/v%である。柑橘類のフレーバーの含有量が0.02w/v%未満であると柑橘類風味ノンアルコール飲料の清涼感又は飲みやすさが不十分になり、0.4w/v%を超えると柑橘類風味ノンアルコール飲料に発生する劣化臭が強くなり易い。柑橘類のフレーバーの含有量は、好ましくは0.05〜0.35w/v%であり、より好ましくは0.1〜0.3w/v%である。
酸味物質とは、飲料に酸味を付与することができる物質をいう。一般に、酸味料は酸味物質、及び人体に無害な酸又はその塩である。ここでいう酸味料とは、厚生労働大臣が指定した「指定添加物」と長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」に「酸味料」と分類されている物質をいう。「指定添加物」及び「既存添加物」に含まれる物質は日本食品添加物協会のホームページに記載されている。
酸味料の具体例としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム及びリン酸が挙げられる。これらは、カリウム塩やナトリウム塩といった塩の形態で用いることも可能であるし、緩衝液の形態で用いることも可能である。
酸味物質としては、リンゴ酸を使用することが好ましい。そのことで、柑橘類風味ノンアルコール飲料は、難消化性デキストリン由来の雑味又は味のもたつきが低減し、スッキリとした後味になる。酸味物質としてリンゴ酸のみを使用してもよい。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料に含まれるリンゴ酸の量は甘味などとのバランスを考慮して設定できるが、一般に、クエン酸換算した酸度で0.1〜0.7w/v%である。リンゴ酸の含有量がクエン酸換算した酸度で0.1w/v%未満であると、難消化性デキストリン添加による雑味、味のもたつきが目立ちやすくなる。リンゴ酸の含有量がクエン酸換算した酸度で0.7w/v%を超えると、酸味の後味が目立ちやすくなる。リンゴ酸の含有量は、クエン酸換算した酸度で、好ましくは0.15〜0.6w/v%であり、より好ましくは0.2〜0.5w/v%である。
難消化性デキストリンはデンプン分解物であり、デンプンを酸焙焼して得られるデキストリンにアルファーアミラーゼなどの酵素を作用させて酵素分解を行った後、食物繊維成分を分取したものである。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料に含まれる難消化性デキストリンの量は、一般に、0.7〜2.1w/v%である。難消化性デキストリンの含有量が0.7w/v%未満であると、製造後短期間のうちに柑橘類風味ノンアルコール飲料における劣化臭が認識され易くなる。また、その場合、アルコール飲料らしいボディ感が不足し易い。難消化性デキストリンの含有量が2.1w/v%を超えると、難消化性デキストリン添加による雑味、味のもたつきが目立ち、柑橘類風味ノンアルコール飲料の風味が悪くなることがある。難消化性デキストリンの含有量は、好ましくは0.8〜1.5w/v%であり、より好ましくは0.85〜1.45w/v%である。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は、pH2.8〜3.9を示す。柑橘類風味ノンアルコール飲料がこの範囲のpHを示すことで、適度な酸味と味のしまりが確保される。その結果、難消化性デキストリン添加によるべたつき、重い後味感が無くなり、すっきりした後味が感じられる。柑橘類風味ノンアルコール飲料のpHは、pH調整剤を適量添加することにより、調整することができる。柑橘類風味ノンアルコール飲料のpHは、好ましくは2.9〜3.6であり、より好ましくは3.0〜3.5である。
pH調整剤としては、重曹、即ち、炭酸水素ナトリウムを使用することが好ましい。そのことで、柑橘類風味ノンアルコール飲料は、難消化性デキストリン由来の雑味又は味のもたつきが改善され、スッキリとした後味になる。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料に含まれる重曹の量は、柑橘類風味ノンアルコール飲料のpHを考慮して適宜設定できるが、一般に、0.01〜0.15w/v%である。重曹の含有量が0.01w/v%未満であると、pH調整剤としての効果が少なくなる。重曹の含有量が0.15w/v%を超えると、香味への影響が懸念される。重曹の含有量は、好ましくは0.02〜0.1w/v%であり、より好ましくは0.03〜0.08w/v%である。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は甘味物質を適度に含有することが好ましい。甘味物質とは、飲料に甘味を付与することができる物質をいう。例えば、高甘味度甘味料、糖類及び糖アルコールは甘味物質に該当する。ここでいう高甘味度甘味料とは、上記「指定添加物」及び「既存添加物」に「甘味料」と分類されている物質をいう。
高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、アラビノース、カンゾウ抽出物、キシロース、ステビア、タウマチン、ラカンカ抽出物、ラムノース及びリボースが挙げられる。
糖類の具体例としては、異性化糖、ブドウ糖、果糖、砂糖、麦芽糖及び乳糖が挙げられる。
糖アルコールの具体例としては、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール及びマルチトールが挙げられる。
甘味物質としては、一種類の物質が用いられてもよく、複数の種類の物質が用いられてもよい。好ましくは、甘味物質は高甘味度甘味料であり、中でも好ましい高甘味度甘味料はアセスルファムカリウム又はスクラロース、又はこれらの組み合わせである。
甘味物質として高甘味度甘味料を使用する場合、本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料に含まれる高甘味度甘味料の量は高甘味度甘味料の種類を考慮して適宜設定できるが、一般に、0.003〜0.04w/v%である。高甘味度甘味料の含有量が0.003w/v%未満であると、酸味が目立ち、香味のバランスが悪くなる。高甘味度甘味料の含有量が0.04w/v%を超えると、甘味の後味が目立ち、スッキリ感が低下する。高甘味度甘味料の含有量は、好ましくは0.005〜0.03w/v%であり、より好ましくは0.01〜0.02w/v%である。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は砂糖に換算すると8.0g/100ml以下に相当する甘味度を有する。砂糖を1.00とした甘味度(以下、単に「甘味度」ということがある。)とは、砂糖の甘さを1.00とした場合の、甘味の強さを官能検査により評価したものである。砂糖を1.00とした甘味度は甘味料の甘味度及び甘味料の使用量から算出する。甘味料の甘味度はアセスルファムカリウムであれば約200、スクラロースであれば約600である。本値は精糖工業会発行「甘味料の総覧」(1990年5月発行)及び株式会社光琳発行「高甘味度甘味料スクラロースのすべて」(2003年5月発行)に記載されている値を採用する。本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は、砂糖に換算すると、好ましくは2.0g/100ml〜6.0g/100ml、より好ましくは3.0g/100ml〜5.0g/100mlに相当する甘味度を有する。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料はクエン酸換算した酸度が0.1〜0.7w/v%である。クエン酸換算した酸度は、国税庁所定分析法にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出する。クエン酸換算した酸度は、好ましくは、0.15〜0.6w/v%である。
砂糖換算した甘味度及びクエン酸換算した酸度を上記範囲に調節することにより、甘味と酸味のバランスがよくなり、柑橘類風味ノンアルコール飲料の美味しさが向上する。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料は、好ましくは、エネルギー量が5kcal/100ml未満である。5kcal/100ml未満のエネルギー量は、上記の高甘味度甘味料を使用する事で達成しやすく、香味における「バランスの良さ」も維持される。更に好ましくは、糖質の含有量は0.5g/100ml未満である。糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質を低減することで、肥満、糖尿病等の糖質の摂取に起因した健康に対する悪影響が生じ難くなる。また、糖質を低減することで、柑橘類風味ノンアルコール飲料の清涼感やスッキリ感が実現できる。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料では、更に必要に応じて、色素、香料、ビタミン類、アミノ酸、水溶性食物繊維、安定化剤、乳化剤等、柑橘類風味ノンアルコール飲料の分野で通常用いられている原料や食品添加物を用いてもよい。色素の具体例としては、カラメル、アントシアニン色素、フラボノイド色素、カロテノイド色素、キノン色素、ポリフィリン、ジケトン色素、ベタシアニン色素、アザフィロン色素、クチナシ色素等が挙げられる。
本発明の柑橘類風味ノンアルコール飲料の製造方法は、一例として次に説明するとおり、柑橘類風味ノンアルコール飲料を製造する際に通常行われる工程を包含する。飲用水、柑橘類のフレーバー、酸味物質、pH調整剤、難消化性デキストリン、甘味物質、食品添加物を所定量、均一に混合する。次いで、得られた混合液を冷却し、必要に応じてカーボネーションを行う。その後、容器に充填・密封することにより目的とする柑橘類風味ノンアルコール飲料を製造することができる。容器に充填する前に膜ろ過フィルターを用いてろ過してもよい。また、濃厚な状態で中間液を作成した後に、炭酸水を添加して柑橘類風味ノンアルコール飲料を調製してもよい。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
レモンテイストノンアルコール飲料の製造
レモンのフレーバーとしてアイ・エフ・エフ日本株式会社製のレモン香料を準備した。
難消化性デキストリンとして松谷化学工業株式会社製「ファイバーソル2」(商品名)を準備した。リンゴ酸として龍山化学株式会社製「DL-リンゴ酸」(商品名)を準備した。重曹として旭硝子株式会社製「重炭酸ナトリウム」(商品名)を準備した。クエン酸として扶桑化学工業株式会社製「クエン酸フソウ(無水)」(商品名)を準備した。クエン酸ナトリウムとして扶桑化学工業株式会社製「精製クエン酸ナトリウム」(商品名)を準備した。
表1に掲げる原料について数値で示した配合量及び炭酸を水に溶解し、完成量1リットル、ガス圧2.3VOLのレモンテイストノンアルコール飲料を製造した。
[表1]
Figure 2016140312
製造した飲料のpHを測定した。次いで、この飲料を官能試験に供した。
比較例1
リンゴ酸の代わりにクエン酸(無水)2.3gを、及び重曹の代わりにクエン酸ナトリウム0.6gを使用すること以外は実施例1と同様にしてレモンテイストノンアルコール飲料を製造した。製造した飲料のpHを測定した。次いで、この飲料を官能試験に供した。
実施例2
レモンテイストノンアルコール飲料の製造
表2に掲げる原料について数値で示した配合量及び炭酸を水に溶解し、完成量1リットル、ガス圧2.3VOLのレモンテイストノンアルコール飲料を製造した。
[表2]
Figure 2016140312
製造した飲料のpHを測定した。次いで、この飲料を官能試験に供した。
比較例2
リンゴ酸の代わりにクエン酸(無水)2.3gを、及び重曹の代わりにクエン酸ナトリウム0.6gを使用すること以外は実施例2と同様にしてレモンテイストノンアルコール飲料を製造した。製造した飲料のpHを測定した。次いで、この飲料を官能試験に供した。
実施例3
レモンテイストノンアルコール飲料の製造
表3に掲げる原料について数値で示した配合量及び炭酸を水に溶解し、完成量1リットル、ガス圧2.3VOLのレモンテイストノンアルコール飲料を製造した。
[表3]
Figure 2016140312
製造した飲料のpHを測定した。次いで、この飲料を官能試験に供した。
比較例3
リンゴ酸の代わりにクエン酸(無水)2.3gを、及び重曹の代わりにクエン酸ナトリウム0.6gを使用すること以外は実施例3と同様にしてレモンテイストノンアルコール飲料を製造した。製造した飲料のpHを測定した。次いで、この飲料を官能試験に供した。
官能試験
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた飲料の官能試験は次のようにして行った。
スピリッツ・リキュール類専門パネル8人が上記飲料を試飲し、難消化性デキストリン由来の雑味、後味のスッキリさについて、次の基準に従って評価を行った。評点の平均値を表4に示す。
Figure 2016140312
尚、雑味については、点数が高いほど悪い結果を意味し、後味のスッキリさについては点数が高いほど良い結果を意味する。
[表4]
Figure 2016140312

Claims (9)

  1. 柑橘類のフレーバー、リンゴ酸、及び0.7〜2.1w/v%の難消化性デキストリンを含有する柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  2. 重曹を含有する請求項1に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  3. 果汁を含有しない請求項1又は2に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  4. 前記柑橘類のフレーバーがレモンのフレーバー又はグレープフルーツのフレーバーである請求項1〜3のいずれか一項に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  5. 2.8〜3.9のpHを有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  6. 0.1〜0.7w/v%のクエン酸換算した酸度を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  7. 高甘味度甘味料を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  8. エネルギー量が5kcal/100ml未満である請求項1〜7のいずれか一項に記載の柑橘類風味ノンアルコール飲料。
  9. 飲用水に、柑橘類のフレーバー、リンゴ酸、及び0.7〜2.1w/v%の難消化性デキストリンを含有させる工程を包含する、難消化性デキストリンを含有する柑橘類風味ノンアルコール飲料の難消化デキストリン由来の雑味及び味のもたつきを低減させる方法。
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