JP2016140004A - 階層型パス制御システム、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置 - Google Patents

階層型パス制御システム、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、パス制御(再設定)の計算時間短縮効果が得られる、階層型パス制御システム、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置を提供する。【解決手段】階層型パス制御システムの上位制御装置は、境界ノードの故障情報を受信した場合に、その境界ノードが属するドメインを抽象化解除ドメインとして決定し、下位制御装置に送信する。下位制御装置は、故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成し、上位制御装置に送信する。上位制御装置は、受信した抽象化トポロジ情報を用いてネットワーク全体として結合したトポロジを生成し、当該ドメイン間を転送するパスの経路情報であるドメイン間パス情報を計算して、下位制御装置に送信する。【選択図】図8

Description

本発明は、大規模な通信ネットワークにおけるパスの設定・復旧を制御する、階層型パス制御システム、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置に関する。
ネットワーク事業者においては、ネットワーク全体の資源を有効に利用し、転送品質の維持、ネットワークコストの低減を図ることが重要である。キャリア網では、物理的な光インフラ網上に光パスを設定し、光パスによって上位レイヤネットワーク(例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークやMPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワーク等)上の転送装置を接続する論理的なリンクを提供する。転送装置と論理リンクから構成される上位レイヤネットワークにおいて、MPLS等の転送パスを設定することで、ユーザトラヒックの転送を実現する。
ここで、ネットワークの運用時に故障等を契機に、光パスや転送パスを再構成するシナリオを考える。通常、故障資源には複数の光パス・転送パスが収容されるため、正常状態に復旧するには複数回の光パス・転送パスの再設定が必要となり、これらのパスの本数はネットワーク規模に応じて増加する。例えば、転送パスは転送装置間にフルメッシュで設定されるため、転送装置数の2乗に比例して増加する。このため、ユーザ収容局等を含めた1万ノード規模のネットワークの再構成を想定すると、制御装置の並列制御数限界(例えば、CPUコア数、物理インタフェース数等の制限)による、パス設定時間の増大や、パス計算アルゴリズムの計算時間の増大が課題となる。パス計算アルゴリズムとしては、転送装置間の経路を計算するダイクストラアルゴリズムや、パスの設定順序を計算するアルゴリズム(非特許文献1参照)が含まれる。
また、大規模化する通信網を効率的に制御する手法として、複数のネットワーク制御装置を階層配備し、ドメイン分割されたネットワークに対して分散処理を行うことで各装置(IPルータや伝送装置)への設定を高速化する手法が提案されている(非特許文献2参照)。図1に示すように、この階層型のネットワーク制御装置を用いたシステム(階層型パス制御システム1a)では、ネットワーク(全体)を複数の管理範囲であるドメイン(通信ネットワーク50)に分割する。そして、当該システムは、各ドメイン内の光パスや転送パスを制御する複数の下位制御装置20aと、ドメイン間の転送パスを制御する上位制御装置10aとを備える。
各下位制御装置20aは、自ドメイン内のネットワーク情報(トポロジ情報やトラヒック情報)を集約(抽象化)し「ドメイン内ネットワーク情報(ドメイン内NW情報)」として上位制御装置10aに通知する(図1参照)。これにより、上位制御装置10a上で管理されるドメイン内ネットワーク情報のサイズが抑えられ、上位制御装置10a内に配備したパス経路や設定順序を計算するアルゴリズム(非特許文献1参照)の計算時間を短縮させる。
一方で、上位制御装置10aにおける管理情報を必要以上に削減(抽象化)すると、アルゴリズムの計算精度が低下する。例えば、ドメイン内部をブラックボックスとしてパスの経路計算をする場合を考える。このとき、経路長を最小とするため、経由するドメイン数が最小となる経路を計算したとしても、選択したドメイン内部が長経路である場合には、経路長を最小とする目的は達成されない。そこで、非特許文献2に記載の手法では、例えば、故障が発生したドメイン(図1においては、ドメイン「A」)に関しては集約を解除し、詳細情報を上位制御装置10aに通知することにより、計算時間の短縮とアルゴリズムの精度向上を両立させる。
S. Kamamura, et al., "Optimization of Light-path Configuration Order in IP over WDM Networks using Fast Traffic Matrix Estimation," OSA OFC 2014, Mar. 鎌村星平、他6名、"階層型網制御アーキテクチャによる大規模障害からの高速障害復旧に関する検討"、社団法人電子情報通信学会 NS研究会、信学技報、2014.3
しかしながら、上記した非特許文献2に記載の手法では、故障が単一ドメイン内で発生していることを想定している。そのため、ドメイン間の境に位置する境界ノードでの故障のように、複数のドメインに跨った故障が発生した場合、複数ドメインの詳細情報が上位制御装置に通知されることとなる。上位制御装置内のアルゴリズムの計算時間は、例えばノード数の3乗に比例するため(非特許文献1参照)、複数のドメインに跨った故障が発生すると十分な計算時間短縮効果が得られないケースが発生してしまう課題がある。
このような背景を鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、パス制御(再設定)の計算時間短縮効果を得ることができる、階層型パス制御システム、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数のノード、および、前記ノード間を接続するリンクで構成されるネットワーク全体を、所定の管理範囲に分割した個々のネットワークを示すドメイン毎に設けられ、当該ドメイン内のパス制御を行う下位制御装置と、前記下位制御装置それぞれに接続され、前記ネットワーク全体のパス制御を行う上位制御装置とを備える階層型パス制御システムであって、前記下位制御装置のそれぞれが、自身の前記ドメインに属する前記複数のノード間の接続関係を示すトポロジが記憶される記憶部と、自身の前記ドメインに属するノードの故障情報を受け取り、前記上位制御装置に送信するネットワーク情報収集部と、自身の前記ドメインの前記トポロジを参照して、自身以外の他のドメインとの間に位置するノードを示す境界ノードと、前記境界ノード以外の前記自身のドメインに属するノードの全てを1つのノードとして抽象化したノードとに集約したトポロジである集約トポロジ情報を生成するとともに、前記集約トポロジ情報の抽象化を解除する要求である抽象化解除要求を前記上位制御装置から受信した場合に、前記集約トポロジ情報において、前記故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成する抽象網トポロジ情報生成部と、前記生成した集約トポロジ情報を含むドメイン内ネットワーク情報を、前記上位制御装置に送信するとともに、前記生成した抽象化トポロジ情報を含むドメイン内抽象網情報を、前記上位制御装置に送信するドメイン内抽象網情報送信部と、前記上位制御装置が計算したドメイン間を転送するパスの経路情報であるドメイン間パス情報を受信し、自身の前記ドメインの前記トポロジに沿ったパス情報に展開するドメイン間パス展開部と、前記展開したパス情報を、自身の前記ドメイン内の前記ノードに対して設定するパス設定部と、を備え、前記上位制御装置が、前記下位制御装置それぞれから、前記故障情報、前記ドメイン内ネットワーク情報および前記ドメイン内抽象網情報を受信するドメイン内情報収集部と、前記下位制御装置それぞれから受信した、前記ドメイン内ネットワーク情報に含まれる前記集約トポロジ情報を結合し、または、前記ドメイン内抽象網情報に含まれる前記抽象化トポロジ情報を結合し、前記ネットワーク全体のトポロジを示す結合トポロジ情報を生成する結合トポロジ情報生成部と、前記故障情報で示される故障したノードが、前記境界ノードである場合に、前記境界ノードが属する前記ドメインを抽象化解除ドメインとして決定し、前記決定した抽象化解除ドメインを制御対象とする下位制御装置に、前記抽象化解除要求を送信する抽象化解除ドメイン決定部と、前記生成した結合トポロジ情報に基づき、前記ドメイン間を転送するパスの経路を計算するドメイン間パス計算部と、前記ドメイン間を転送するパスの経路を、前記ドメインそれぞれの管理範囲に対応させて分割した経路を示す前記ドメイン間パス情報を生成し、前記下位制御装置それぞれに送信するドメイン間パス設定部と、を備えることを特徴とする階層型パス制御システムとした。
また、請求項2に記載の発明は、複数のノード、および、前記ノード間を接続するリンクで構成されるネットワーク全体を、所定の管理範囲に分割した個々のネットワークを示すドメイン毎に設けられ、当該ドメイン内のパス制御を行う下位制御装置と、前記下位制御装置それぞれに接続され、前記ネットワーク全体のパス制御を行う上位制御装置とを備える階層型パス制御システムのパス制御方法であって、前記下位制御装置のそれぞれが、自身の前記ドメインに属する前記複数のノード間の接続関係を示すトポロジが記憶される記憶部を備えており、自身の前記ドメインに属するノードの故障情報を受け取り、前記上位制御装置に送信するステップと、自身の前記ドメインの前記トポロジを参照して、自身以外の他のドメインとの間に位置するノードを示す境界ノードと、前記境界ノード以外の前記自身のドメインに属するノードの全てを1つのノードとして抽象化したノードとに集約したトポロジである集約トポロジ情報を生成するステップと、前記生成した集約トポロジ情報を含むドメイン内ネットワーク情報を、前記上位制御装置に送信するステップと、を実行し、前記上位制御装置が、前記下位制御装置それぞれから受信した前記ドメイン内ネットワーク情報に含まれる前記集約トポロジ情報を結合し、前記ネットワーク全体のトポロジを示す第1の結合トポロジ情報を生成するステップと、受信した前記故障情報で示される故障したノードが、前記第1の結合トポロジ情報を参照して前記境界ノードであると判定した場合に、前記境界ノードが属する前記ドメインを抽象化解除ドメインとして決定し、前記決定した抽象化解除ドメインを制御対象とする下位制御装置に、前記集約トポロジ情報の抽象化を解除する要求である抽象化解除要求を送信するステップと、を実行し、前記抽象化解除要求を受信した下位制御装置が、前記集約トポロジ情報において、前記故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成するステップと、前記生成した抽象化トポロジ情報を含むドメイン内抽象網情報を、前記上位制御装置に送信するステップと、を実行し、前記上位制御装置が、受信した前記ドメイン内抽象網情報に含まれる前記抽象化トポロジ情報を結合し、第2の結合トポロジ情報を生成するステップと、前記生成した第2の結合トポロジ情報に基づき、前記ドメイン間を転送するパスの経路を計算するステップと、前記ドメイン間を転送するパスの経路を、前記ドメインそれぞれの管理範囲に対応させて分割した経路を示すドメイン間パス情報を生成し、前記抽象化解除要求を受信した下位制御装置に送信するステップと、を実行し、前記抽象化解除要求を受信した下位制御装置が、前記受信したドメイン間パス情報を、自身の前記ドメインの前記トポロジに沿ったパス情報に展開するステップと、前記展開したパス情報を、自身の前記ドメイン内の前記ノードに対して設定するステップと、を実行することを特徴とするパス制御方法とした。
このようにすることで、階層型パス制御システムは、ドメイン間の境界に位置する境界ノードが故障した場合において、下位制御装置が、故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成し、上位制御装置に送信する。上位制御装置は、受信した抽象化トポロジ情報を用いて結合トポロジ情報を生成し、当該ドメイン間を転送するパスの経路情報であるドメイン間パス情報を計算して、下位制御装置に送信し、パス設定を実行させることができる。
つまり、大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、その故障により影響を受けるノード、即ち、故障ノードを経由するパスの端点ノードのみの抽象化を解除すればよいため、上位制御装置において網構成情報を効率的に管理し、パス制御(再設定)の十分な計算時間短縮効果を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のパス制御方法を、コンピュータである、前記上位制御装置および前記下位制御装置それぞれに実行させるためのプログラムとした。
このようなプログラムによれば、請求項2に記載のパス制御方法を、一般的なコンピュータで構成される、上位制御装置および下位制御装置それぞれにおいて実現することができる。
請求項4に記載の発明は、複数のノード、および、前記ノード間を接続するリンクで構成されるネットワーク全体を、所定の管理範囲に分割した個々のネットワークを示すドメイン毎に設けられ、当該ドメイン内のパス制御を行う下位制御装置であって、自身の前記ドメインに属する前記複数のノード間の接続関係を示すトポロジが記憶される記憶部と、自身の前記ドメインに属するノードの故障情報を受け取るネットワーク情報収集部と、自身の前記ドメインの前記トポロジを参照して、自身以外の他のドメインとの間に位置するノードを示す境界ノードと、前記境界ノード以外の前記自身のドメインに属するノードの全てを1つのノードとして抽象化したノードとに集約したトポロジである集約トポロジ情報を生成するとともに、前記集約トポロジ情報の抽象化を解除する要求である抽象化解除要求を受信した場合に、前記集約トポロジ情報において、前記故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成する抽象網トポロジ情報生成部と、前記生成した抽象化トポロジ情報を含むドメイン内抽象網情報を送信するドメイン内抽象網情報送信部と、前記ドメイン内抽象網情報を前記ネットワーク全体として結合したトポロジに基づき計算された、前記ドメイン間を転送するパスの経路情報であるドメイン間パス情報を受信し、自身の前記ドメインの前記トポロジに沿ったパス情報に展開するドメイン間パス展開部と、前記展開したパス情報を、自身の前記ドメイン内の前記ノードに対して設定するパス設定部と、を備えることを特徴とする下位制御装置とした。
このようにすることにより、下位制御装置は、自ドメインのトポロジを集約した集約トポロジ情報の抽象化を解除する抽象化解除要求を受信した場合に、故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成する。そして、下位制御装置は、ドメイン内抽象網情報をネットワーク全体として結合したトポロジに基づき計算されたドメイン間パス情報を受信し、自身のドメインのトポロジに沿ったパス情報に展開し、各ノードに対して設定することができる。
よって、大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、その故障により影響を受けるノード、即ち、故障ノードを経由するパスの端点ノードのみの抽象化を解除すればよいため、下位制御装置は、パス制御(再設定)の十分な計算時間短縮効果を得ることができる。
本発明によれば、大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、パス制御(再設定)の計算時間短縮効果が得られる、階層型パス制御システム、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置を提供することができる。
従来技術における階層型パス制御システムが実行するドメインの集約解除を説明するための図である。 従来技術における階層型パス制御システムが実行するトポロジの集約処理と展開処理を説明するための図である。 比較例の階層型パス制御システムの処理概要と本実施形態に係る階層型パス制御システムの処理概要とを説明するための図である。 本実施形態に係る階層型パス制御システムを含むネットワークシステムの全体構成を示す図である。 本実施形態に係る下位制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係るネットワークのドメイン分割とトポロジの抽象化とを説明するための図である。 本実施形態に係る抽象網作成処理を説明するための図である。 本実施形態に係る結合トポロジ情報の生成処理を説明するための図である。 本実施形態に係る上位制御装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る結合トポロジ情報とその経路計算を説明するための図である。 本実施形態に係る階層型パス制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
<比較例の階層型パス制御システム>
まず、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する前に、比較例として、非特許文献2に記載の階層型パス制御システム1a(図1参照)について説明する。なお、ここでは、階層型パス制御システム1aの下位制御装置20aが実行するドメイン内のトポロジ情報の集約処理と、上位制御装置10aが実行するパス制御(再設定)の計算結果の展開処理について、図2を参照して説明する。なお、図2においては、複数の下位制御装置20aのうちの1つと上位制御装置10aとの間の情報のやりとりを例示して、処理を説明する(図2(a)参照)。
まず、下位制御装置20aは、自身のネットワークのトポロジ情報を集約する。具体的には、下位制御装置20aは、自身のドメイン内のトポロジ(図2(b)参照)について、自身以外の他のドメインとの間の境界ノードおよび境界ノード間の論理リンクを保持しつつ、その他のノードやリンクは全て、ダミーノードと、ダミーノードと境界ノードとを接続するリンクとして抽象化する(図2(c)参照)。そして、この集約したトポロジ情報(集約トポロジ情報)等を含むネットワーク情報(ドメイン内ネットワーク情報)を上位制御装置10へ送信する(ステップS100)。
上位制御装置10aは、下位制御装置20aそれぞれから受信したネットワーク情報(ドメイン内ネットワーク情報)に含まれる各ドメインの集約トポロジ情報を結合して、ネットワーク全体の抽象化されたトポロジ情報(後記する、「結合トポロジ情報100」)を生成する。そして、上位制御装置10は、この生成されたネットワーク全体の抽象化されたトポロジ情報に基づき、転送パスの経路を計算し、その計算した転送パスの経路の設定順序を決定する。上位制御装置10aは、決定した設定順序にしたがい、計算結果である、抽象化された転送パスの情報(後記する、「ドメイン間パス情報」、図2(d)参照)を各下位制御装置20aに送信する(ステップS101)。
下位制御装置20aは、ドメイン間のパス設定情報を自ドメインのトポロジ情報に基づき展開する機能を備え、上位制御装置10aから受信した、抽象化された転送パスの情報(ドメイン間パス情報)を、自身が管理するドメイン内のトポロジに沿った経路(図2(e)参照))に変換(展開)する。
このように、上位制御装置10aに、各下位制御装置20aから集約されたトポロジ情報(集約トポロジ情報)を含むネットワーク情報(ドメイン内ネットワーク情報)が送信されることで、上位制御装置10aに入力される経路計算や設定順序計算の入力ネットワーク規模を削減し、計算負荷を低減させることができる。
ここで、上位制御装置10aは、図2を参照して説明したように、集約(抽象化)されたドメイン内のネットワーク情報を受け取るが、この集約された情報を用いた場合、パスの経路計算や設定順序計算の計算精度が低下してしまう。
そこで、非特許文献2に記載の手法では、さらに、集約解除処理を行う。具体的には、図1に示したように、上位制御装置10aは、故障が発生したノードが属するドメイン(図1においては、ドメイン「A」)に関しては当該ドメインに属するノードすべての抽象化を解除し、パス経路計算や設定順序計算の精度を向上させる。
しかしながら、非特許文献2に記載の手法では、前記したように、故障が単一ドメイン内で発生していることを想定している。そのため、ドメイン間の境に位置する境界ノードでの故障のように、複数のドメインに跨った故障が発生した場合、図3(a)に示すように、その境界ノードが属する複数のドメインすべてが集約解除されてしまう。よって、複数のドメインに跨った故障が発生すると、処理対象となるノード数が増大し、十分な計算時間短縮効果が得られないケースが発生する。図3(a)においては、境界ノードKが故障した場合において、その境界ノードKが属する、ドメイン「1」およびドメイン「2」が集約解除された例を示している。
これに対し、以下において説明する、本実施形態に係る階層型パス制御システム1(図4参照)では、境界ノードKが故障した場合に、その境界ノードKが属するすべてのドメインを集約解除するのではなく、その故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点となるノード(以下、「端点ノードT」と称する。)のみについて抽象化を解除する。例えば、図3(b)に示すように、ドメイン「1」とドメイン「2」との間の境界ノードKが故障した場合に、その境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードである、ドメイン「1」の端点ノードT、ドメイン「2」の端点ノードT,Tについてのみ抽象化を解除する。このようにすることにより、本実施形態に係る階層型パス制御システム1は、パス経路計算や設定順序計算の時間短縮との精度向上とを両立することができる。
次に、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)における、階層型パス制御システム1、上位制御装置10および下位制御装置20について説明する。
<本実施形態のシステム構成>
まず、本実施形態に係る階層型パス制御システム1を含むネットワークシステムの全体構成について、図4を参照して説明する。
図4(a)に示すように、ネットワークシステムは、複数のドメイン(ドメイン「1」「2」…「N」)それぞれにより構成される通信ネットワーク50(物理インフラ網)と、各ドメイン上の光パスおよび転送パスを設定する下位制御装置20(20A,20B,…,20N)と、各下位制御装置20(20A,20B,…,20N)に接続する上位制御装置10とから構成される。なお、ドメインは、前記したように、ネットワーク(全体)を複数の管理範囲(個々の通信ネットワーク50)に分割したものである。このドメインを生成するためのネットワークの分割手法については後記する。また、ネットワークシステム全体のうち、複数の下位制御装置20(20A,20B,…,20N)と上位制御装置10とが階層型パス制御システム1を構成する。
通信ネットワーク50は、図4(b)に示すように、物理網と論理網からなり、この物理網は、転送ノード、伝送ノードおよびそれらを結ぶ物理リンクから構成される。ここで、転送ノードは、例えばIPルータ、MPLSルータ等である。伝送ノードは、例えば、OXC(Optical Cross Connect:光クロスコネクト)等である。また、物理リンクは、例えば、光ファイバ等である。そして、転送ノード(IPルータ等)を始終点として光パスが物理網上に設定され、その光パスが上位レイヤでは論理的なリンク(論理網)を構成する。さらに、論理網上に転送パスを設定することにより、ユーザトラヒックの転送路(転送パス)が生成される。
この下位制御装置20は、図4(a)においては、ドメイン(ドメイン「1」「2」…「N」)毎に1台ずつ配備される例を示しているが、後記するように下位制御装置20は、情報収集やパス設定等の複数の機能を備えるため、機能毎に複数台で構築したり、制御対象のノード種別毎、対象ノード数毎に同一機能の装置を複数台設置するものとしてもよい。なお、以下の説明においては、各ドメインに対して下位制御装置20が1台ずつ配備されるものとして説明する。
<装置構成>
続いて、本実施形態に係る階層型パス制御システム1を構成する下位制御装置20と上位制御装置10について、具体的に説明する。
≪下位制御装置≫
まず、下位制御装置20について説明する。
図5は、本実施形態に係る下位制御装置20の構成例を示す機能ブロック図である。下位制御装置20は、制御部21と、入出力部22と、記憶部23とを備える。
入出力部22は、通信回線を介して、上位制御装置10や、ドメイン内の各ノード、ネットワーク管理装置(不図示)等との間で、情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力手段やモニタ等の出力手段等との間で情報の入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
制御部21は、下位制御装置20全体の制御を司り、ネットワーク情報収集部(NW情報収集部)211と、抽象網作成部212と、ドメイン間パス展開部216と、パス計算部217と、パス設定順序計算部218と、パス設定部219と、抽象化解除要求受信部220とを含んで構成される。なお、この制御部21は、例えば、記憶部23に格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)がRAM(Random Access Memory)に展開し実行することで実現される。
ネットワーク情報収集部(NW情報収集部)211は、ネットワーク管理装置(不図示)やその下位制御装置20自身が制御対象とするドメイン内の各ノード等から、制御対象とするドメインのトポロジ情報や、各論理リンク(光パス)のトラヒック量の情報、故障情報等を収集する。なお、ここで、トポロジ情報とは、物理ノード(転送ノード・伝送ノード)とリンクの接続関係を示す情報やリンク帯域の情報を含むものである。
そして、ネットワーク情報収集部211は、収集した、制御対象とするドメインのトポロジ情報を、記憶部23内のドメイン内網トポロジDB(DataBase)231に記憶する。また、ネットワーク情報収集部211は、収集したドメイン内の各論理リンク(光パス)のトラヒック量の情報を、記憶部23内のドメイン内トラヒックDB232に記憶する。さらに、ネットワーク情報収集部211は、自ドメイン内の各ノード等から、故障情報を受信した場合に、その故障情報に基づき、故障したノードを特定して記憶部23に記憶するとともに、当該故障情報を、上位制御装置10に送信する。
ここで、ネットワーク情報収集部211が情報を収集する対象とするドメイン、つまり、下位制御装置20それぞれが制御対象とするドメインについて、図6を参照して説明する。
ネットワーク(全体)は、複数の管理範囲である(制御対象となる)ドメインにより構成される。図6(a)は、論理網をマルチドメイン(ドメイン「1」,「2」,「3」)として管理する例を示している。このドメインは、ネットワーク管理者のポリシー(例えば、地域毎、サービス毎、収容するノード数毎など)によって分割される。このとき、ポリシーに基づきドメインを分割する境界ノードK(K〜K)が定義され、ドメインは境界ノードKを基準に分割される。この境界ノードKは、図6(a)に示すように複数のドメインに所属する。ここでは、境界ノードKは、ドメイン「1」,「2」に所属し、境界ノードKは、ドメイン「1」,「2」,「3」に所属し、境界ノードKは、ドメイン「1」,「3」に所属し、境界ノードK,Kは、ドメイン「2」,「3」に所属する例を示している。つまり、ドメイン間の論理リンク(光パス)は定義されないものとなる。よって、図6(a)に示すように、ドメイン「1」は、ノードA〜Aと境界ノードK〜Kとにより構成される。ドメイン「2」は、ノードB〜Bと境界ノードK,K,K,Kとにより構成される。また、ドメイン「3」は、ノードC〜Cと境界ノードK〜Kとにより構成される。なお、図6(b)の説明は後記する。
図5に戻り、抽象網作成部212は、自ドメイン内のトポロジ情報とトラヒック情報を抽象化し、上位制御装置10に送信する。また、抽象網作成部212は、上位制御装置10から、抽象化解除要求を、抽象化解除要求受信部220を介して受信した場合に、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTを特定し、その端点ノードTとダミーノードDと(故障していない)境界ノードとで構成される抽象網を作成し、その抽象網のネットワーク情報(抽象化したトポロジ情報、抽象化したトラヒック情報)を示すドメイン内抽象網情報を生成し、上位制御装置10に送信する。
この抽象網作成部212は、抽象網トポロジ情報生成部213、抽象網トラヒック情報生成部214およびドメイン内抽象網情報送信部215を備える。
抽象網トポロジ情報生成部213は、記憶部23内のドメイン内網トポロジDB231に記憶された(自ドメインの)トポロジ情報に基づき、制御対象とするドメインのトポロジを抽象化する。
具体的には、抽象網トポロジ情報生成部213は、初期状態として、自ドメイン内のノードから故障情報を受信していない場合(つまり、後記する抽象化解除要求を受信していない場合)において、自ドメイン内のトポロジについて、境界ノードK、および、境界ノードK間の論理リンクを保持しつつ、その他のノードやリンクは全て、ダミーノードDと、ダミーノードDと境界ノードKとを接続するリンクとして抽象化する。
図6(a)に示すドメイン「1」,「2」,「3」を例に、ドメイン内の(初期状態における)トポロジの抽象化(集約)を説明する。図6(b)に示すように、ドメイン「1」では、ノードA〜AがダミーノードDとして集約される。つまり、ダミーノードDと境界ノードK〜Kと、これらを結ぶリンクとにトポロジが抽象化される。ドメイン「2」では、ノードB〜BがダミーノードDとして集約される。つまり、ダミーノードDと境界ノードK,K,K,Kと、これらを結ぶリンクとにトポロジが抽象化される。ドメイン「3」では、ノードC〜CがダミーノードDとして集約される。つまり、ダミーノードDと境界ノードK〜Kと、これらを結ぶリンクとにトポロジが抽象化される。
このようにして、抽象網トポロジ情報生成部213は、ドメイン内のトポロジを集約した集約トポロジ情報を生成する。
また、抽象網トポロジ情報生成部213は、抽象化解除要求受信部220を介して、上位制御装置10から、抽象化解除要求を受信した場合には、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTの抽象化を解除した抽象網を作成する。なお、この場合、ネットワーク情報収集部211が、自ドメイン内のノード等から故障した境界ノードKの情報を受信しており、その故障した境界ノードKの情報が記憶部23に格納された状態となっている。以下、図7および図8を参照して詳細に説明する。
まず、抽象網トポロジ情報生成部213は、抽象化解除要求を受信すると、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点となるノードを、記憶部23内のドメイン内転送パスDB234を参照することにより抽出する。ここでは、図7(a)に示すように、ドメイン「1」とドメイン「2」との間の境界ノードKが故障し、境界ノードKおよび境界ノードKを経由するリンクが使用できない状態であるとする。この場合に、ドメイン「1」を制御対象とする下位制御装置20およびドメイン「2」を制御対象とする下位制御装置20の各抽象網トポロジ情報生成部213は、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTを抽出する。ここでは、境界ノードKを経由する転送パスとして、ドメイン「1」のノードAとドメイン「2」のノードBとの間の転送パス、ドメイン「1」のノードAとドメイン「2」のノードBとの間の転送パスが検索されることにより、端点ノードTとして、ノードA,B,Bが抽出される。なお、説明の便宜上、ここで抽出されたノードA,B,Bを、それぞれ端点ノードT,T,Tと表記して説明する。
次に、抽象網トポロジ情報生成部213は、図8に示すように、端点ノードTと境界ノードKとを結ぶリンクを設定する。そして、端点ノードTを除くノードをダミーノードDとして集約し、境界ノードKと結ぶリンクを設定する。
このようにすることにより、ドメイン「1」を制御対象とする下位制御装置20の抽象網トポロジ情報生成部213は、図8のドメイン「1」に示す抽象網を作成する。また、ドメイン「2」を管理する下位制御装置20の抽象網トポロジ情報生成部213は、図8のドメイン「2」に示す抽象網を作成する。なお、ドメイン「3」を制御対象とする下位制御装置20は、抽象化解除要求を受信していないため、当該ドメインは初期状態のまま抽象化(集約)される。
このようにして、抽象網トポロジ情報生成部213は、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTの抽象化を解除し、他のノードはダミーノードDとして集約して抽象網トポロジ情報を作成する。
図5に戻り、抽象網トラヒック情報生成部214は、抽象網トポロジ情報生成部213が生成した集約トポロジ情報と、記憶部23内のドメイン内トラヒックDB232に記憶された、各論理リンク(光パス)のトラヒック量の情報との基づき、集約されたトポロジ(集約トポロジ情報)に対応付けて、各トラヒック量を集約した集約トラヒック情報を生成する。具体的には、抽象網トラヒック情報生成部214は、抽象化された論理リンク(ダミーノードDと境界ノードKとの間のリンクトラヒック)のトラヒック量を、境界ノードKに接続するリンクの入出力トラヒック量の総計とする。
例えば、図6(a)のドメイン「3」に示すように、境界ノードKからノードCに向けてのトラヒック量が「10G」であり、同じく境界ノードKからノードCに向けてのトラヒック量が「5G」であるとする。この場合に、抽象網トラヒック情報生成部214は、図6(b)のドメイン「3」に示すように、境界ノードKからダミーノードDに向けてのトラヒック量を、両方のトラヒック量を合計して「15G」とする。
このようにして、抽象網トラヒック情報生成部214は、ドメイン内のトラヒック量を集約した集約トラヒック情報を生成する。
また、抽象網トラヒック情報生成部214は、抽象網トポロジ情報生成部213が生成した抽象網トポロジ情報と、記憶部23内のドメイン内トラヒックDB232に記憶された、各論理リンク(光パス)のトラヒック量の情報との基づき、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTの抽象化を解除した抽象網のトポロジ(抽象網トポロジ情報)に対応付けて、各トラヒック量を集約したトラヒック情報を生成する。具体的には、抽象網トラヒック情報生成部214は、端点ノードTと境界ノードKとの間のリンクのトラヒック量を、端点ノードTからのリンクの入出力トラヒック量と同じとして設定する。また、抽象網トラヒック情報生成部214は、ダミーノードDと境界ノードKとの間のリンクトラヒックのトラヒック量を、境界ノードKに接続するリンクの入出力トラヒック量の総計とする。
このようにして、抽象網トラヒック情報生成部214は、端点ノードTの抽象化を解除した抽象網のトラヒック量を抽象化した抽象網トラヒック情報を生成する。
図5に戻り、ドメイン内抽象網情報送信部215は、抽象網トポロジ情報生成部213が生成した集約トポロジ情報と、抽象網トラヒック情報生成部214が生成した集約トラヒック情報とを含むドメイン内ネットワーク情報を生成し、入出力部22を介して、上位制御装置10に送信する。
また、ドメイン内抽象網情報送信部215は、抽象化解除要求受信部220を介して、上位制御装置10からの抽象網作成部212が抽象化解除要求を受信した場合に、抽象網トポロジ情報生成部213が生成した抽象網トポロジ情報と、抽象網トラヒック情報生成部214が生成した抽象網トラヒック情報とを含むドメイン内抽象網情報を生成し、入出力部22を介して、上位制御装置10に送信する。
ドメイン間パス展開部216は、上位制御装置10から、入出力部22を介して受信したドメイン間パス情報(抽象化されたパス情報)を取得し、パス計算部217連携し、ダミーノードDから境界ノードKまでの経路や、端点ノードTから境界ノードKまでの経路を自身が管理するドメイン内のトポロジに沿ったパス経路に変換(展開)する。なお、このドメイン間パス展開部216のドメイン間パス情報の展開処理は、非特許文献2に記載された手法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
また、ドメイン間パス展開部216は、展開したパス経路の情報をパス設定順序計算部218に出力する。
パス計算部217は、ドメイン内網トポロジDB231に記憶された自身のドメインのトポロジ情報に基づいて、光パスおよび転送パスの経路を、例えば、ダイクストラ法を用いて計算する。
また、パス計算部217は、ドメイン間パス展開部216と連携し、上位制御装置10が計算したドメイン間パス情報(抽象化されたパス情報)を、自身のトポロジに沿ったパス情報に変換する。
パス設定順序計算部218は、パス計算部217が計算したパス情報(光パス・転送パスの経路情報)や、ドメイン間パス展開部216が展開したパス情報(光パス・転送パスの経路情報)について、効率的な設定順序を計算する。なお、ここで「効率的な」とは、複数のパスを再設定する際に、トラヒック量の多いパスを優先して設定し、トラヒック疎通流量が例えば80%に達するまでの設定時間が短縮されることを意味する。そして、パス設定順序計算部218は、効率的な設定順序にソートした光パスの情報を、ドメイン内光パスDB233に記憶する。また、パス設定順序計算部218は、効率的な設定順序にソートした転送パスの情報を、ドメイン内転送パスDB234に記憶する。
なお、このパス設定順序計算部218は、例えば、前記した非特許文献1に記載の手法により、効率的なパスの設定順序を決定する。
パス設定部219は、ドメイン内光パスDB233に記憶された光パスの情報と、ドメイン内転送パスDB234に記憶された転送パスの情報とを、パス設定順序計算部218が決定した設定順序に基づき、自身が管理するドメイン内のノードに対して設定する。
抽象化解除要求受信部220は、入出力部22を介して、上位制御装置10から抽象化解除要求を受信する。そして、抽象化解除要求受信部220は、その受信した抽象化解除要求を、抽象網作成部212に出力する。
記憶部23は、ハードディスクやフラッシュメモリ、RAM等の記憶手段からなり、前記した、ドメイン内網トポロジDB231と、ドメイン内トラヒックDB232と、ドメイン内光パスDB233と、ドメイン内転送パスDB234とを格納する。
このように、本実施形態に係る下位制御装置20によれば、大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、その故障により影響を受けるノード、即ち、故障ノードを経由するパスの端点ノードTのみの抽象化を解除すればよいため、パス制御(再設定)の十分な計算時間短縮効果を得ることができる。
≪上位制御装置≫
次に、上位制御装置10について説明する。
図9は、本実施形態に係る上位制御装置10の構成例を示す機能ブロック図である。上位制御装置10は、制御部11と、入出力部12と、記憶部13とを備える。
入出力部12は、通信回線を介して、各下位制御装置20やネットワーク管理装置(不図示)等との間で、情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力手段やモニタ等の出力手段等との間で情報の入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
制御部11は、上位制御装置10全体の制御を司り、ドメイン内情報収集部111と、結合トポロジ情報生成部112と、ドメイン間パス計算部113と、ドメイン間パス設定順序計算部114と、ドメイン間パス設定部115と、抽象化解除ドメイン決定部116とを含んで構成される。なお、この制御部11は、例えば、記憶部13に格納されたプログラムをCPUがRAMに展開し実行することで実現される。
ドメイン内情報収集部111は、各ドメインを管理する下位制御装置20それぞれから、ドメイン内ネットワーク情報を取得する。そして、ドメイン内情報収集部111は、取得したドメイン内ネットワーク情報に含まれる、集約トポロジ情報を記憶部13内の網トポロジDB131に記憶し、同じく取得したドメイン内の集約トラヒック情報を記憶部13内のトラヒックDB132に記憶する。そして、ドメイン内情報収集部111は、取得したドメイン内ネットワーク情報を、結合トポロジ情報生成部112に出力する。
また、ドメイン内情報収集部111は、各下位制御装置20から各ドメイン内の故障情報を取得する。そして、ドメイン内情報収集部111は、取得した故障情報を、抽象化解除ドメイン決定部116に出力する。
さらに、ドメイン内情報収集部111は、各ドメインを管理する下位制御装置20それぞれから、ドメイン内抽象網情報を取得する。そして、ドメイン内情報収集部111は、取得したドメイン内抽象網情報に含まれる、抽象網トポロジ情報を記憶部13内の網トポロジDB131に記憶し、同じく取得したドメイン内の抽象網トラヒック情報を記憶部13内のトラヒックDB132に記憶する。そして、ドメイン内情報収集部111は、取得したドメイン内抽象網情報を、結合トポロジ情報生成部112に出力する。
結合トポロジ情報生成部112は、各下位制御装置20から収集したドメイン内のトポロジ情報を結合し、1つのトポロジ情報(結合トポロジ情報100)を生成する。
具体的には、結合トポロジ情報生成部112は、各下位制御装置20からドメイン内ネットワーク情報(初期状態で各ドメイン内のノードが故障していない状態でのネットワーク情報)を取得した場合には、そのドメイン内ネットワーク情報に含まれる集約トポロジ情報(図6(b)参照)を用いて、図10(a)に示すように、境界ノードK(K〜K)において各ドメイン(「1」〜「3」)を結合させ、結合トポロジ情報100を生成する。
また、結合トポロジ情報生成部112は、各下位制御装置20からドメイン内抽象網情報(故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTの抽象化を解除した抽象網の情報)を取得した場合には、そのドメイン内抽象網情報に含まれる抽象網トポロジ情報を用いて、図8に示すように、故障した境界ノードK(ここでは境界ノードK)を除いた、境界ノードK(ここでは境界ノードK〜K)において、各ドメイン(「1」〜「3」)を結合させ、結合トポロジ情報100を生成する。
図9に戻り、ドメイン間パス計算部113は、結合トポロジ情報生成部112が生成した、結合トポロジ情報100に基づき、転送パスの経路計算を行う。
具体的には、ドメイン間パス計算部113は、結合トポロジ情報生成部112が生成した結合トポロジ情報100が、図10(a)に示す情報である場合には、境界ノードK(K〜K)を除いたダミーノードD(D,D,D)間の転送パスの経路計算を行う。この計算は、例えば、ダイクストラアルゴリズムを用いて、最短経路を計算することにより、図10(b)に示すように、ダミーノードDとダミーノードD間の経路(転送パスA−B)、ダミーノードDとダミーノードD間の経路(転送パスA−C)、ダミーノードDとダミーノードD間の経路(転送パスB−C)が計算される。
同様に、ドメイン間パス計算部113は、結合トポロジ情報生成部112が生成した結合トポロジ情報100が、図8に示す情報である場合には、境界ノードK(K〜K)を除いた、ダミーノードD(D,D,D)および端点ノードT(T,T,T)間の転送パスの経路計算を行う。
図9に戻り、ドメイン間パス設定順序計算部114は、ドメイン間パス計算部113が計算したドメイン間の転送パスについて、効率的な設定順序を計算する。そして、ドメイン間パス設定順序計算部114は、効率的な設定順序にソートしたドメイン間の転送パスの情報(転送パス情報)を記憶部13内の転送パスDB133に記憶する。
なお、このドメイン間パス設定順序計算部114は、例えば、前記した非特許文献1に記載の手法により、効率的な転送パスの設定順序を決定し、そのドメイン間の転送パス情報を転送パスDB133に記憶する。
ドメイン間パス設定部115は、転送パスDB133に記憶されたドメイン間の転送パス情報を各ドメインの管理範囲に対応させて分割した経路を示す情報であるドメイン間パス情報を生成する。そして、ドメイン間パス設定部115は、ドメイン間パス設定順序計算部114が決定した設定順序にしたがい、そのドメイン間パス情報を各下位制御装置20に対して送信する。
抽象化解除ドメイン決定部116は、各下位制御装置20から故障情報を受信すると、その故障情報に示されるノードが、境界ノードKであるか否かを網トポロジDB131に記憶されたトポロジ情報(集約トポロジ情報)に基づき判定し、境界ノードKの故障情報である場合に、その境界ノードKが属するドメイン(複数のドメイン)を抽象化解除ドメインとして決定する。そして、抽象化解除ドメイン決定部116は、抽象化解除ドメインとして決定したドメインを制御対象とする下位制御装置20に、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTの抽象化を解除させる指示情報として、抽象化解除要求を送信する。
なお、抽象化解除ドメイン決定部116は、故障情報に示されるノード(故障ノード)が、境界ノードKではない場合に、非特許文献2に記載の技術と同様に、その故障ノードが属するドメイン内のノードの集約(抽象化)をすべて解除する指示情報(集約解除情報)を生成し、当該ドメインを管理する下位制御装置20に送信するようにしてもよい。
記憶部13は、ハードディスクやフラッシュメモリ、RAM等の記憶手段からなり、前記した、網トポロジDB131と、トラヒックDB132と、転送パスDB133とを格納する。
<処理に流れ>
次に、本実施形態に係る階層型パス制御システム1全体の処理の流れを説明する。
図11は、本実施形態に係る階層型パス制御システム1の処理に流れを示すフローチャートである。
ここでは、図7(a)に示すように、ドメイン「1」とドメイン「2」との間の境界ノードKにおいて、故障が発生したものとして説明する。また、図11においては、ドメイン「1」を制御対象とする下位制御装置20(20A)と、ドメイン「2」を制御対象とする下位制御装置20(20B)とを示し、その他の下位制御装置20の記載を省略している。
まず、初期状態として、以下に示す処理が行われているものとする。
各下位制御装置20のネットワーク情報収集部211は、制御対象とする自ドメインのトポロジ情報や各論理リンク(光パス)のトラヒック量の情報等を収集する。そして、各下位制御装置20の抽象網作成部212は、ドメイン内のトポロジを集約した集約トポロジ情報と、ドメイン内のトラヒック量を集約した集約トラヒック情報とを含むドメイン内ネットワーク情報を生成して、上位制御装置10に送信する(ステップS0)。
これにより、図示を省略するが、上位制御装置10が各ドメインのトポロジ情報を集約した結合トポロジ情報100(図10(a)参照)を生成し、転送パス経路やパス設定順序を計算した上で、その情報を各下位制御装置20に送信し、パス設定が行われているものとする。
ここで、境界ノードK(ここでは、境界ノードK)に故障が発生した場合、その自ドメイン内のノード等から下位制御装置20のネットワーク情報収集部211がその故障情報を受け付ける。そして、ネットワーク情報収集部211は、その故障情報を自身の記憶部23に記憶した上で、上位制御装置10に送信する(ステップS1)。
ここで、境界ノードKにおいて故障が発生した場合、通常、複数のドメインを管理する下位制御装置20から、故障情報が上位制御装置10に送信される。
次に、上位制御装置10のドメイン内情報収集部111は、下位制御装置20から故障情報を受信すると、その故障情報を抽象化解除ドメイン決定部116に出力する。
そして、抽象化解除ドメイン決定部116は、各下位制御装置20から故障情報を受信すると、その故障情報に示されるノードが、境界ノードKであるか否かを網トポロジDB131に記憶されたトポロジ情報(集約トポロジ情報)に基づき判定し、境界ノードKの故障情報である場合に、その境界ノードKが属するドメインを抽象化解除ドメインとして決定する(ステップS2)。ここでは、故障情報に示されるノードが境界ノードKであり、その境界ノードKが属するドメインとして、ドメイン「1」およびドメイン「2」が、抽象化解除ドメインとして決定されたものとする。
続いて、抽象化解除ドメイン決定部116は、決定した抽象化解除ドメインを制御対象とする下位制御装置20に対して、抽象化解除要求を送信する(ステップS3)。
下位制御装置20の抽象網作成部212は、抽象化解除要求を受信すると、故障した境界ノードKを経由する転送パスの端点ノードTの抽象化を解除し、他のノードはダミーノードDとして集約して抽象網トポロジ情報を作成する(ステップS4:抽象網作成処理)。
そして、下位制御装置20の抽象網作成部212は、作成した抽象網トポロジ情報と、そのトポロジ情報に基づき、ドメイン内のトラヒック量を抽象化した抽象網トラヒック情報とを含むドメイン内抽象網情報を生成して、上位制御装置10に送信する(ステップS5)。
次に、上位制御装置10の結合トポロジ情報生成部112は、各下位制御装置20からドメイン内抽象網情報を取得し、そのドメイン内抽象網情報に含まれる抽象網トポロジ情報に基づき、境界ノードK(ここでは故障した境界ノードKを除く、境界ノードK〜K)において、各ドメイン(ドメイン「1」〜「3」)を結合させ、結合トポロジ情報100(図8参照)を生成する(ステップS6)。
そして、その結合トポロジ情報100に基づき、ドメイン間パス計算部113が転送パスの経路を計算し、ドメイン間パス設定順序計算部114がその設定順序を計算する(ステップS7)。続いて、上位制御装置10のドメイン間パス設定部115は、計算した転送パスの経路をドメイン毎に分割したドメイン間パス情報を生成し、抽象化解除ドメインに決定されたドメインを制御対象とする下位制御装置20それぞれに送信する(ステップS8)。
次に、各下位制御装置20において、ドメイン間パス展開部216が、受信したドメイン間パス情報を、自身が管理するドメイン内のトポロジに沿ったパス情報(光パス・転送パスの経路情報)に変換(展開)する。そして、パス設定順序計算部218が、展開したパス情報の効率的な設定順序を計算し、パス設定部219が、自身が管理するドメイン内のノードに、パス(光パス、転送パス)設定する(ステップS9)。
このようにすることにより、本実施形態に係る、階層型パス制御システム1、パス制御方法およびプログラム、並びに、下位制御装置20によれば、大規模網における複数のドメインに跨った故障が発生した場合において、その故障により影響を受けるノード、つまり、故障ノードを経由するパスの端点ノードTのみの抽象化を解除すればよいため、上位制御装置10において網構成情報を効率的に管理し、パス制御(再設定)の十分な計算時間短縮効果を得ることができる。
1 階層型パス制御システム
10 上位制御装置
11,21 制御部
12,22 入出力部
13,23 記憶部
20 下位制御装置
50 通信ネットワーク(ドメイン)
100 結合トポロジ情報
111 ドメイン内情報収集部
112 結合トポロジ情報生成部
113 ドメイン間パス計算部
114 ドメイン間パス設定順序計算部
115 ドメイン間パス設定部
116 抽象化解除ドメイン決定部
131 網トポロジDB
132 トラヒックDB
133 転送パスDB
211 ネットワーク情報収集部(NW情報収集部)
212 抽象網作成部
213 抽象網トポロジ情報生成部
214 抽象網トラヒック情報生成部
215 ドメイン内抽象網情報送信部
216 ドメイン間パス展開部
217 パス計算部
218 パス設定順序計算部
219 パス設定部
220 抽象化解除要求受信部
231 ドメイン内網トポロジDB
232 ドメイン内トラヒックDB
233 ドメイン内光パスDB
234 ドメイン内転送パスDB
K 境界ノード
D ダミーノード
T 端点ノード

Claims (4)

  1. 複数のノード、および、前記ノード間を接続するリンクで構成されるネットワーク全体を、所定の管理範囲に分割した個々のネットワークを示すドメイン毎に設けられ、当該ドメイン内のパス制御を行う下位制御装置と、前記下位制御装置それぞれに接続され、前記ネットワーク全体のパス制御を行う上位制御装置とを備える階層型パス制御システムであって、
    前記下位制御装置のそれぞれは、
    自身の前記ドメインに属する前記複数のノード間の接続関係を示すトポロジが記憶される記憶部と、
    自身の前記ドメインに属するノードの故障情報を受け取り、前記上位制御装置に送信するネットワーク情報収集部と、
    自身の前記ドメインの前記トポロジを参照して、自身以外の他のドメインとの間に位置するノードを示す境界ノードと、前記境界ノード以外の前記自身のドメインに属するノードの全てを1つのノードとして抽象化したノードとに集約したトポロジである集約トポロジ情報を生成するとともに、
    前記集約トポロジ情報の抽象化を解除する要求である抽象化解除要求を前記上位制御装置から受信した場合に、前記集約トポロジ情報において、前記故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成する抽象網トポロジ情報生成部と、
    前記生成した集約トポロジ情報を含むドメイン内ネットワーク情報を、前記上位制御装置に送信するとともに、
    前記生成した抽象化トポロジ情報を含むドメイン内抽象網情報を、前記上位制御装置に送信するドメイン内抽象網情報送信部と、
    前記上位制御装置が計算したドメイン間を転送するパスの経路情報であるドメイン間パス情報を受信し、自身の前記ドメインの前記トポロジに沿ったパス情報に展開するドメイン間パス展開部と、
    前記展開したパス情報を、自身の前記ドメイン内の前記ノードに対して設定するパス設定部と、を備え、
    前記上位制御装置は、
    前記下位制御装置それぞれから、前記故障情報、前記ドメイン内ネットワーク情報および前記ドメイン内抽象網情報を受信するドメイン内情報収集部と、
    前記下位制御装置それぞれから受信した、前記ドメイン内ネットワーク情報に含まれる前記集約トポロジ情報を結合し、または、前記ドメイン内抽象網情報に含まれる前記抽象化トポロジ情報を結合し、前記ネットワーク全体のトポロジを示す結合トポロジ情報を生成する結合トポロジ情報生成部と、
    前記故障情報で示される故障したノードが、前記境界ノードである場合に、前記境界ノードが属する前記ドメインを抽象化解除ドメインとして決定し、前記決定した抽象化解除ドメインを制御対象とする下位制御装置に、前記抽象化解除要求を送信する抽象化解除ドメイン決定部と、
    前記生成した結合トポロジ情報に基づき、前記ドメイン間を転送するパスの経路を計算するドメイン間パス計算部と、
    前記ドメイン間を転送するパスの経路を、前記ドメインそれぞれの管理範囲に対応させて分割した経路を示す前記ドメイン間パス情報を生成し、前記下位制御装置それぞれに送信するドメイン間パス設定部と、を備えること
    を特徴とする階層型パス制御システム。
  2. 複数のノード、および、前記ノード間を接続するリンクで構成されるネットワーク全体を、所定の管理範囲に分割した個々のネットワークを示すドメイン毎に設けられ、当該ドメイン内のパス制御を行う下位制御装置と、前記下位制御装置それぞれに接続され、前記ネットワーク全体のパス制御を行う上位制御装置とを備える階層型パス制御システムのパス制御方法であって、
    前記下位制御装置のそれぞれは、
    自身の前記ドメインに属する前記複数のノード間の接続関係を示すトポロジが記憶される記憶部を備えており、
    自身の前記ドメインに属するノードの故障情報を受け取り、前記上位制御装置に送信するステップと、
    自身の前記ドメインの前記トポロジを参照して、自身以外の他のドメインとの間に位置するノードを示す境界ノードと、前記境界ノード以外の前記自身のドメインに属するノードの全てを1つのノードとして抽象化したノードとに集約したトポロジである集約トポロジ情報を生成するステップと、
    前記生成した集約トポロジ情報を含むドメイン内ネットワーク情報を、前記上位制御装置に送信するステップと、を実行し、
    前記上位制御装置は、
    前記下位制御装置それぞれから受信した前記ドメイン内ネットワーク情報に含まれる前記集約トポロジ情報を結合し、前記ネットワーク全体のトポロジを示す第1の結合トポロジ情報を生成するステップと、
    受信した前記故障情報で示される故障したノードが、前記第1の結合トポロジ情報を参照して前記境界ノードであると判定した場合に、前記境界ノードが属する前記ドメインを抽象化解除ドメインとして決定し、前記決定した抽象化解除ドメインを制御対象とする下位制御装置に、前記集約トポロジ情報の抽象化を解除する要求である抽象化解除要求を送信するステップと、を実行し、
    前記抽象化解除要求を受信した下位制御装置は、
    前記集約トポロジ情報において、前記故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成するステップと、
    前記生成した抽象化トポロジ情報を含むドメイン内抽象網情報を、前記上位制御装置に送信するステップと、を実行し、
    前記上位制御装置は、
    受信した前記ドメイン内抽象網情報に含まれる前記抽象化トポロジ情報を結合し、第2の結合トポロジ情報を生成するステップと、
    前記生成した第2の結合トポロジ情報に基づき、前記ドメイン間を転送するパスの経路を計算するステップと、
    前記ドメイン間を転送するパスの経路を、前記ドメインそれぞれの管理範囲に対応させて分割した経路を示すドメイン間パス情報を生成し、前記抽象化解除要求を受信した下位制御装置に送信するステップと、を実行し、
    前記抽象化解除要求を受信した下位制御装置は、
    前記受信したドメイン間パス情報を、自身の前記ドメインの前記トポロジに沿ったパス情報に展開するステップと、
    前記展開したパス情報を、自身の前記ドメイン内の前記ノードに対して設定するステップと、を実行すること
    を特徴とするパス制御方法。
  3. 請求項2に記載のパス制御方法を、コンピュータである、前記上位制御装置および前記下位制御装置それぞれに実行させるためのプログラム。
  4. 複数のノード、および、前記ノード間を接続するリンクで構成されるネットワーク全体を、所定の管理範囲に分割した個々のネットワークを示すドメイン毎に設けられ、当該ドメイン内のパス制御を行う下位制御装置であって、
    自身の前記ドメインに属する前記複数のノード間の接続関係を示すトポロジが記憶される記憶部と、
    自身の前記ドメインに属するノードの故障情報を受け取るネットワーク情報収集部と、
    自身の前記ドメインの前記トポロジを参照して、自身以外の他のドメインとの間に位置するノードを示す境界ノードと、前記境界ノード以外の前記自身のドメインに属するノードの全てを1つのノードとして抽象化したノードとに集約したトポロジである集約トポロジ情報を生成するとともに、
    前記集約トポロジ情報の抽象化を解除する要求である抽象化解除要求を受信した場合に、前記集約トポロジ情報において、前記故障情報に示される境界ノードを経由するパスの端点となる端点ノードの抽象化を解除したトポロジである抽象化トポロジ情報を生成する抽象網トポロジ情報生成部と、
    前記生成した抽象化トポロジ情報を含むドメイン内抽象網情報を送信するドメイン内抽象網情報送信部と、
    前記ドメイン内抽象網情報を前記ネットワーク全体として結合したトポロジに基づき計算された、前記ドメイン間を転送するパスの経路情報であるドメイン間パス情報を受信し、自身の前記ドメインの前記トポロジに沿ったパス情報に展開するドメイン間パス展開部と、
    前記展開したパス情報を、自身の前記ドメイン内の前記ノードに対して設定するパス設定部と、
    を備えることを特徴とする下位制御装置。
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