JP2016138510A - 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動送風機の軽量化を図り、軸受を効率良く冷却させ、かつ、モータ効率の向上、すなわち電動送風機効率の向上と、振動や騒音の低減を図ることができる電動送風機及び電気掃除機を提供する。【解決手段】回転自在に設けられた回転軸と、該回転軸の一端部に一体成形されるロータコアと、前記回転軸の他端部に取り付けられる遠心羽根車と、前記ロータコアと前記遠心羽根車との間に前記回転軸を取り付けられる軸受とを有し、該軸受を内包する軸受カバーと、該軸受カバーに一体成形された樹脂製ハウジングと、を備え、ディフューザ羽根と、該ディフューザ羽根の裏面にリターンガイド羽根と、を有する案内翼と、前記遠心羽根車及び前記案内翼を内包するファンケーシングを備え、前記軸受カバー外周にはヒートシンクが設けられ、前記軸受カバーの側面に該ヒートシンクが設けられていない基準面を設け、該基準面は、前記軸受カバーと前記樹脂製ハウジングとのインサート成形時の基準面と前記軸受の外輪を固定する内径切削時の基準である。【選択図】図1(a)

Description

本発明は、電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機に関するものである。
従来の電気掃除機用の電動送風機としては、小型化のためにDCブラシレスモータを用いたもの、例えば、特開2010-196707号公報(特許文献1)に開示されているものがある。
特開2010-196707号公報に開示されている電動送風機を構成しているロータ組立体は、シャフトの一端部にロータコア(マグネット)が取り付けられ、シャフトの他端部に羽根車が取り付けられている。シャフトには、ロータコアと羽根車との間に、軸受カートリッジが取り付けられている。軸受カートリッジは、シャフトに圧入される一対の軸受と、軸受間に配置される予圧ばねと、一対の軸受を包囲するスリーブとを備え、スリーブはシャフトと実質的に一致する熱膨張率を有している。
また、その他の従来技術として、例えば、特開2014-219006号公報(特許文献2)に開示されているものがある。
特開2014-219006号公報に開示されている圧縮機は、フレームと回転子アセンブリとシートシンクアセンブリを備え、回転子アセンブリはシャフトにインペラと軸受アセンブリと、回転子コア(マグネット)が固定され、軸受アセンブリは1対の軸受を備えている。ヒートシンクアセンブリはヒートシンクを有するスリーブを備え、スリーブの端部側に径方向に延伸する複数の脚を有するヒートシンクが設置されている。スリーブは軸受に固定され、ヒートシンクはフレームに固定されている。
特開2010-196707号公報 特開2014-219006号公報
特許文献1のロータ組立体では、軸受カートリッジのスリーブを電動送風機のハウジングに固着する。スリーブとハウジングを別体で製作し固着するため、スリーブとハウジングの寸法精度により、同軸度の精度が低下する恐れがある。これにより、ハウジングに取り付けられるステータコアとロータコアの中心軸が一致せずに、モータ効率の低下や、振動、騒音が発生する恐れがある。
また、円筒形のスリーブをヒートシンクとして機能させているが、円筒形のスリーブのため表面積が小さく軸受の冷却が不十分となり軸受の信頼性を損ねる恐れがあった。
特許文献2に記載の技術においては、スリーブの端部側に径方向に延伸する複数の脚のヒートシンクを有し、ヒートシンクはフレームに固定されているため、ヒートシンクが大きく、質量が重くなるという恐れがあった。
本発明の目的は、上記課題を解決するものであり、電動送風機の軽量化を図り、軸受を効率良く冷却させ、かつ、モータ効率の向上、すなわち電動送風機効率の向上と、振動や騒音の低減を図ることができる電動送風機及び電気掃除機を提供することにある。
さらに、低電圧のバッテリーで駆動するブラシレスモータを用いた場合、電動送風機効率が向上することで、同じ出力を得るのに電動送風機入力を低くすることができ、運転時間を長くした電気掃除機を提供することにある。
上記課題を解決するために、代表的な本発明の電動送風機の一つは、回転自在に設けられた回転軸と、該回転軸の一端部に一体成形されるロータコアと、前記回転軸の他端部に取り付けられる遠心羽根車と、前記ロータコアと前記遠心羽根車との間に前記回転軸を取り付けられる軸受とを有し、該軸受を内包する軸受カバーと、該軸受カバーに一体成形された樹脂製ハウジングと、を備え、ディフューザ羽根と、該ディフューザ羽根の裏面にリターンガイド羽根と、を有する案内翼と、前記遠心羽根車及び前記案内翼を内包するファンケーシングを備え、前記軸受カバー外周にはヒートシンクが設けられ、前記軸受カバーの側面に該ヒートシンクが設けられていない基準面を設け、該基準面は、前記軸受カバーと前記樹脂製ハウジングとのインサート成形時の基準面と前記軸受の外輪を固定する内径切削時の基準であることにより達成される。
本発明によれば、従来のものに比べて電動送風機の軽量化を図り、軸受で発生した熱を軸受カバーに設けたヒートシンクで効果的に放熱させることができ、信頼性が高くかつ高効率な電動送風機及びこれを備えた電気掃除機を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例における電動送風機の外観図。 電動送風機の縦断面図。 (a)は本発明の一実施例における遠心羽根車の斜視図、(b)は遠心羽根車の縦断面図である。 本発明の一実施例における遠心羽根車を構成するシュラウド板の外観図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は背面図である。 本発明の一実施例における遠心羽根車を構成する羽根を有するハブ板の斜視図である。 (a)は本発明における案内翼の一実施例の斜視図、(b)は案内翼の背面図、(c)は案内翼の縦断面図である。 本発明の一実施例におけるディフューザ内の流れを示す説明図である。 (a)は本発明におけるファンケーシングの一実施例の斜視図、(b)はファンケーシングの縦断面図である。 (a)は本発明の一実施例におけるハウジングと軸受カバーを一体化した斜視図、(b)はハウジングと軸受カバーを一体化した背面図である。 図1(a)の電動送風機のA−A線での断面図である。 (a)は図8(a)のB−B線での断面図、(b)は図8(a)のC−C線での断面図である。 本発明の一実施例における軸受カバーの斜視図である。 本発明の一実施例における電動送風機が適用される電気掃除機の斜視図である。 図12の電気掃除機における掃除機本体を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照し説明する。
図12及び図13により、本発明の一実施例に係る電気掃除機300について説明する。図12に本実施例の電動送風機が適用される電気掃除機の斜視図を示す。
図12に示すように、100は塵埃を集塵する集塵室101及び集塵するのに必要な吸込気流を発生させる電動送風機200(図13)を収納する掃除機本体、102は掃除機本体100を取り付ける保持部、103は保持部102の一端部に設けたグリップ部、104はグリップ部に設けられた電動送風機200の入切を行うスイッチ部である。保持部102の他端部には吸口体105が取り付けられ、掃除機本体100と吸口体105は接続部106で繋がれている。107は電池ユニット108(図13)を充電する充電台である。
以上の構成において、グリップ部103のスイッチ部104を操作すると、掃除機本体100に収納された電動送風機200が運転し、吸込気流を発生させる。そして、吸口体105から塵埃を吸込み、接続部106を通して掃除機本体100の集塵室101に集塵する。
次に、図13に示す電気掃除機における掃除機本体100を模式的に示した断面図を用いて、掃除機本体100について説明する。
掃除機本体100の内部には、吸引力を発生させる電動送風機200、電動送風機200を駆動する電池ユニット108、駆動用回路109、集塵室101が配置されている。
掃除機本体100は保持部102から取り外しハンディ掃除機として使用することができ、掃除機本体100には本体ブリップ部110と吸口開口111が備えられている。112(図12)はハンディ掃除機として使用するときの電動送風機200の入切を行う本体スイッチ部である。なお、本体スイッチ112は掃除機本体100を保持部102に取り付けているときでも操作することができる。
次に、図1(a)に示す電動送風機の外観図と、(b)に示す電動送風機の縦断面図を参照して電動送風機200について説明する。この電動送風機200は、送風機部201と電動機部202に大別される。送風機部201は、遠心羽根車203と、該遠心羽根車203を収納するファンケーシング204及び、複数のディフューザ羽根13を備えたディフューザ205aと該ディフューザ205aの裏面に複数のリターンガイド羽根14を備えたリターンガイド205bを備えた案内翼205で構成される。ファンケーシング204には空気吸込口206が設けられている。遠心羽根車203は熱可塑性樹脂製で、回転軸207に直結されている。
本実施例では、遠心羽根車203を回転軸207に圧入固定しているが、回転軸207の端部にねじを設け、遠心羽根車203を固定ナットを用い固定しても良い。
電動機部202は、ハウジング208内に収納される回転軸207に固定されているロータコア209、及びハウジング208に固定されているステータコア210から構成される。ステータコア210の周りには、導線211が巻かれ、一緒になって相巻線を形成する。相巻線は、電動送風機200に備わる図示しない回路部に電気的に接続される。
ロータコア209は、回転軸207における遠心羽根車203が固定されている端部と逆側の端部に形成されており、希土類系のボンド磁石からなる。希土類系のボンド磁石は、希土類系磁性粉末と有機バインダーとを混合して作られる。希土類系のボンド磁石としては、例えば、サマリウム鉄窒素磁石や、ネオジム磁石等を用いることができる。ロータコア209は回転軸207に一体成形されている。
なお、本実施例ではロータコア209に永久磁石を用いているが、これに囚われることがなく、例えば毎分80、000回転以上の高速回転を可能とする無整流子電動機の一種であるリラクタンスモータなどを使用しても良い。
遠心羽根車203とロータコア209の間には軸受212を備え、回転軸207を回転自在に支持している。回転軸207におけるロータコア209側の端部であり、ロータコア209よりも端部にはバランス調整用のリング213が取り付けられている。回転体を回転させて遠心羽根車203の背面とリング213を削ることで2面バランス修正を行うことができる。バランス調整用リング213はロータコア209よりも比重が大きい金属材料で、例えば銅材などの焼結品や機械加工で製作される。
ロータコア209側の軸受212とロータコア209の間には、軸受212の位置決め用スリーブ214が配置されている。
ハウジング208は合成樹脂製であり、軸受212を内包する軸受カバー215を固定する支持部26を有している。軸受カバー215内には、軸受212とスリーブ216と、ばね217を備えている。ばね217は圧縮された状態で配置され、軸受212の外輪にそれぞれ当接して予圧を付与している。
軸受カバー215の外周には軸受212の冷却用のヒートシンクである回転軸方向に長い複数の冷却フィン27が設けられている。軸受カバー215は非磁性金属材料製で、樹脂製ハウジング208とインサート成形によって一体化される。
樹脂製ハウジング208の支持部26の端部には回転軸方向に延在するねじ穴28が形成されている。ねじ穴28には固定ねじ218が螺合可能で、固定ねじ218の螺合によって案内翼205が樹脂製ハウジング208に固定設置されている。
ハウジング208には、ハウジング208内に空気が流れ込むように開口34と、電動送風機200の外部に空気を排出する排気口35が設けられている。
ハウジング208の端部に配置されるステータコア210は、固定ねじ219によってハウジング208に固定されている。
次に、電動送風機200内における空気の流れを説明する。電動機部202を駆動して遠心羽根車203を回転させると、ファンケーシング204の空気吸込口206から空気が流入し、遠心羽根車203内に流入する。流入した空気は遠心羽根車203内で昇圧及び増速され、遠心羽根車203から吐出される。遠心羽根車203から吐出された空気流は、案内翼205に導かれる。
案内翼205のディフューザ205aは複数のディフューザ羽根13(図5)が設けられ、空気流がディフューザ羽根13の羽根間で減速されることによって、空気流のもつ運動エネルギーが圧力エネルギーに変換され圧力が上昇する。ディフューザ205aから吐出された空気流は、ファンケーシング204の内面とディフューザ205aの後縁間で形成された流路18(図6)からリターンガイド205bに流入する。なお、本実施例では羽根付ディフューザを用いているが、羽根無しディフューザとしても良い。その場合は、案内翼の外径側に支柱を複数本設け、ファンケーシング204を支持する。
リターンガイド205bのリターンガイド羽根14を通過した空気流は、ハウジング208の開口34からハウジング208内部に流入し、軸受カバー215の冷却フィン27が冷却され、軸受カバー215を介して軸受212が冷却される。また、ロータコア209、ステータコア210、導線211を冷却して外部へ排出される。これによって、ハウジング208内の各部が冷却される。リターンガイド羽根14を通過した空気流の一部は、ハウジング208の排気口35から外部へ排出される。
本発明の一実施例の送風機部201を図2から図7を用い説明する。図2(a)は本発明による遠心羽根車の一実施例の斜視図で、(b)は遠心羽根車の断面図、図3は遠心羽根車を構成するシュラウド板の外観図で、図4は遠心羽根車を構成する羽根を有するハブ板の斜視図、図5(a)は本発明による案内翼の斜視図で、(b)は背面図、(c)は断面図、図6は本発明による案内翼の平面図でディフューザ内の流れを示す説明図、図7(a)は本発明によるファンケーシングの斜視図で、(b)は断面図である。
先ず図2から図4を用い、本発明に係る一実施例の遠心羽根車203について説明する。本発明に係る一実施例の遠心羽根車203は、シュラウド板1と、ハブ板2と複数枚の羽根3から構成されている。ハブ板2と羽根3は熱可塑性樹脂で一体成形されている。
熱可塑性樹脂製のシュラウド板1は、中央部に空気を吸い込む円環状の吸込開口4が形成されている。吸込開口4は回転軸207と略平行に直線部5が設けられ、先端の板厚は薄く形成されている。シュラウド板1は、吸込開口4から流入した軸方向流れを径方向流れに転向する曲面部6が設けられ、直線部5と曲面部6が滑らかに接続され、曲面部6から外径にかけて半径方向を向くように形成されている。
シュラウド板1の流路面には、曲面部6から外径にかけて羽根3と対応する位置に凹状溝7が形成され、外径側まで延設されている。凹状溝7には貫通穴8が設けられている。
ハブ板2の中央には、回転軸207が挿入されて固定される凸形状のボス9が形成されている。ハブ板2と一体成形されている羽根3は周方向に等間隔で設置されており、内径側から径方向外側に向かうにつれ、回転方向に後退した羽根形状を有する。ボス9は軸方向から径方向に向かうように曲面9aが形成されている。
ハブ板2の羽根3の裏面側の外周には凸部2aが設けられている。回転体を回転させて凸部2aと回転軸207の軸端に取り付けられているバランス調整用のリング213を削ることで2面バランス修正を行うことができる。これにより、遠心羽根車203を含めた回転体のアンバランス量を小さくでき、振動や騒音の低減が図られ、毎分80、000回転以上の高速回転を可能とすることができる。
羽根3の上面には突起状の爪10が形成されている。爪10から外径側の羽根3の上面には溶着用のリブ11が形成されている。羽根3の爪10から内径側の羽根3の上面は、シュラウド板1の曲面部6と密着するように羽根3の圧力面(凸面)側に傾斜面12が形成されている。溶着用のリブ11の形状は三角形や、半円形や、台形としても良い。
羽根3の突起状の爪10とシュラウド板1の貫通穴8、及びシュラウド板1の凹状溝7と羽根3を係合させ、爪10及び溶着リブ11を溶着加工により接合することで遠心羽根車203が形成される。なお、シュラウド板1の曲面部6と羽根3の傾斜面12には溶着加工を施していない。
本実施の形態例では、シュラウド板1の曲面部6と羽根3の傾斜面12には溶着加工を施していないため、シュラウド板1の曲面部6から外径にかけての略軸方向からの溶着加工のみで行うことができる。
溶着リブ11は凹状溝7内で溶融するが、溶着リブ11の体積を凹部溝7に羽根3が挿入された際の隙間の体積よりも小さくしている。そのため、溶融した樹脂材が遠心送風機流路内にはみ出すことを抑制できる。
また、流路中央付近から出口までの圧力の高くなる流路内は、羽根3の溶着リブ11が溶融し、シュラウド板1と溶着されているため、羽根3間での漏れを防止することができる。
また、遠心羽根車203の前縁側となる、羽根3の爪10より前縁側は、シュラウド板1の曲面部6の形状と一致するように、傾斜面12を形成している。遠心羽根車203では、特に入口流れが重要でシュラウド板1の曲面部6には、溶着加工を施していないため、羽根3の傾斜面12部には溶着によるバリなどが発生しない。すなわち、入口側で流れを乱すことが無く、空気を羽根3にスムーズに流入させることができる。
さらに、シュラウド板1の吸込開口4が形成され、直線部5が設けられ、曲面部6と滑らかに形成され、ハブ板2の流路面のボス9は軸方向から径方向に向かうように曲面9aが形成されている。そのため、吸込開口4から流入した軸方向流れを径方向流れにスムーズに転向することができ、羽根3に流入させることができ、入口での曲がり損失を低減することができる。
運転中は遠心力により、前縁側がシュラウド板1の曲面部6と羽根3の傾斜部12が密着するように働くため、入口側で羽根3とシュラウド板1の隙間がなくなり、電動送風機200の効率を向上させることができる。
遠心羽根車203は熱可塑性樹脂製であるが、電動機などにより発生する熱による変形等を防ぐために特に耐熱性が100℃以上、遠心応力に耐えるために引張強度が100MPa以上あるエンジニアリングプラスティック材料が望ましい。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)や、PEEKにカーボン繊維が含まれているものであるとより望ましい。これにより、金属製の遠心羽根車よりも軽量化が図られ、強度を確保し、高速回転に耐えることができる樹脂製遠心羽根車203を実現できる。
次に図5、図6を用い、本発明に係る一実施例の案内翼205について説明する。本発明に係る一実施例の案内翼205は樹脂製であり、複数枚のディフューザ羽根13と、該ディフューザ羽根13の下流側に形成された複数枚のリターンガイド羽根14と、ディフューザ羽根13とリターンガイド羽根14との間を仕切る仕切板15と、が一体に成形されている。
ディフューザ羽根13の上面にはリブ13aが形成され、ファンケーシング204の内面(図7の25)に当接されている。ディフューザ205aはファンケーシング204とディフューザ羽根13、仕切板15とでディフューザ流路が形成され、リターンガイド205bは仕切板15とリターンガイド羽根14でリターンガイド流路が形成されている。ディフューザ羽根13の外径側は軸方向にゆるやかに傾斜し、軸方向に傾斜したディフューザ流路を形成している。
仕切板15には、案内翼205を樹脂製ハウジング208に固定するための貫通穴16が設けられている。貫通穴16に固定ねじ218を差し込み、ハウジング208のねじ穴28と固定ねじ218によって、案内翼205はハウジング208に固定される。
リターンガイド205b側の貫通穴16の外周には円筒状の凸部17が設けられている。この凸部17とハウジング208の凹部29(図10)が嵌め合うことで送風機部201側への漏れを防止するようにしている。
図6に示すように、ディフューザ羽根13の外周端側にディフューザ羽根13から流出した空気をリターンガイド羽根14側に流す略三角形の形状をした流路18が形成されている。ディフューザ羽根13への入流流れ19は、隣り合うディフューザ羽根13と仕切板15及びファンケーシング204で囲まれた流路内で減速されて、ファンケーシング204の内面に当たって、略三角形の形状をした流路18を通って軸方向に転向した流出流れ20となる。流出流れ20は旋回方向の流れ成分を有しており、リターンガイド羽根14によって旋回流れを半径方向内向きの流れに転向する。
リターンガイド羽根14は、ハウジング208の開口34部に位置するように設けられている。リターンガイド羽根14によって半径方向内向きに転向した流れは、ハウジング208の開口34から軸受カバー215の冷却フィン27にあたり、軸受212が効果的に冷却される。これによって、軸受の信頼性が高い電動送風機200が得られる。
ファンケーシング204とディフューザ羽根13、仕切板15とで形成されたディフューザ流路は、ゆるやかに傾斜しているため、略三角形の形状をした流路18からリターンガイド羽根14へスムーズに流れることができ、曲がり損失を低減することができる。これによって、送風機効率を向上させることができる。また、リターンガイド205bの円筒状の凸部17とハウジング208の凹部29で十分な気密が得られ、送風機効率を向上させることができる。
次に図7を用い、本発明に係る一実施例のファンケーシング204について説明する。本発明に係る一実施例のファンケーシング204は、遠心羽根車203及び案内翼205を外方から覆っており、平面視円形状の上板21と、上板21の周縁部に連続して軸方向に延在する円環状の側板22とを備えている。ファンケーシング204の側板22の反上板21側の端部には突起23が設けられ、ファンケーシング204をハウジング208に固定する取付穴24が設けられている。
ファンケーシング204の上板21の中央に空気吸込口206が設けられている。空気吸込口206の外周内面には凹部204aが設けられ、凹部204a内に遠心羽根車203の直線部5が配置される。ファンケーシング204と直線部5の先端は小さな隙間を有するように遠心羽根車203が配置され、遠心羽根車203で昇圧された空気が遠心羽根車203の吸込開口4側へ漏れる空気量を小さくする構造を有している。凹部204a内にシール部材を配設することで、シール効果を高めることができ、送風機効率をさらに向上させることができる。
ファンケーシング204の上板21の内面には弾性体を用いた気密保持部材25が配置されている。気密保持部材25はゴムやエラストマー等の弾性材料からなり、ファンケーシング204に一体成形されている。本実施形態では、インサート成形により弾性部材25とファンケーシング204を一体成形している。ディフューザ羽根13に設けたリブ13aが気密部保持部材25に食い込むことで、ファンケーシング204と案内翼205との気密性が保持される。これによって、案内翼205のディユーザ羽根13間での漏れを防止することができ、送風機効率を向上させることができる。
次に本発明の一実施例の電動機部202を図8から図11を用い説明する。図8(a)は本発明による軸受カバー215とハウジング208を一体化した一実施例の斜視図で、図8(b)は背面図、図9は図1(a)の電動送風機200のA−A線での断面図、図10(a)は図8(a)におけるB−B線での縦断面図で、(b)はC−C線での縦断面図、図11は本発明による軸受カバーの一実施例の斜視図である。
ハウジング208は合成樹脂製であり、軸受212を内包する軸受カバー215を固定する支持部26を有している。支持部26は略2重円筒状を呈しており、ハウジング208の前部の内側に位置している。支持部26の内側の略円筒部26aには、非磁性金属材料で製作された軸受カバー215が固定されている。軸受カバー215の外周の略円筒部26bには軸受212の冷却用のヒートシンクである回転軸方向に長い複数の冷却フィン27が設けられ、ハウジング208の支持部26と一体成形されている。軸受カバー215の外周に冷却フィン27が設けられている複雑形状のため、ダイカストで製作することで生産コストを抑え、高い寸法精度を得ることができる。軸受カバー215と冷却フィン27の使用素材としては、非磁性金属で熱伝導率の高いアルミニウム合金が望ましい。
本実施形態では、軸受カバー215をインサート品とするインサート成形によりハウジング208を形成している。樹脂製ハウジング208の支持部26の端部には回転軸方向に延在するねじ穴28が形成されている。ねじ穴28には固定ねじ218が螺合可能で、固定ねじ218の螺合によって案内翼205がハウジング208に固定設置されている。
ねじ穴28より外径側には凹部29が設けられている。この凹部29とリターンガイド205b側の円筒状の凸部17が嵌め合うことによって、電動機部202側から送風機部201側への空気漏れを防止することができる。
支持部26の外周部はブリッジ30によって、略円筒状のフレーム31につながれている。フレーム31のブリッジ30がある端部にはステータコア210を固定するねじ穴32が設けられている。ねじ穴32には固定ねじ219が螺合可能で、固定ねじ219の螺合によってステータコア210がハウジング208に固定設置されている。
また、フレーム31における送風機部201側の端部には爪状の突起33が設けられ、ファンケーシング204の取付穴24と嵌合接続される。接着剤による接続ではなく嵌合による接続により、ファンケーシングの軸方向の位置決め精度を確保することができ、ファンケーシング204と案内翼205との気密性が確保できる。また、ファンケーシング204の凹部204aと遠心羽根車203の直線部5の先端隙間のばらつきを小さくすることができ、電動送風機200の性能向上と性能ばらつきを小さくすることができる。
ハウジング208には、ハウジング208内に空気が流れ込むようにブリッジ30間で形成される開口34と、ロータコア209、ステータコア210、導線211を冷却せずに直接外部に空気を排出する排気口35が複数個設けられている。
フレーム31の内側は傾斜部36が設けられている。案内翼205の略三角形の形状をした流路18から流出した空気が、リターンガイド羽根14と傾斜部36によって開口34に流入し易い構造となっている。開口34から流入した空気は、軸受カバー215に設けたヒートシンクである回転軸方向に長い複数の冷却フィン27にあたる。冷却フィン27は長方形の板形状である。軸受212で発生した熱は、非磁性金属材料で製作させている軸受カバー215を熱伝導で伝わり、冷却フィン27で放熱され、軸受212が効果的に冷却される。
電動機部202では、ステータコア210に巻かれた導線211で発生する銅損の割合よりも、軸受212で発生する機械損が大きく、軸受212を効果的に冷却することが重要である。ハウジング208を樹脂製としても、軸受212で発生した熱を軸受カバー215に設けたヒートシンクで効果的に放熱させることができ、軸受212を効果的に冷却することができ信頼性が高い電動送風機200を提供することができる。さらに、ハウジング208を樹脂製としているため、ハウジング208は軽量化し、電動送風機200を軽量化することができる。本実施例では、軸受カバー215と樹脂製ハウジング208をインサート成形で一体化しているが、樹脂製ハウジング208に軸受カバー215を圧入しても良い。
図9に示すように、軸受カバー215にはハウジング208の開口34の位置に冷却フィン27が配置されるように設けられている。ハウジング208のブリッジ30部には、冷却フィン27を配置していない。また,図8(b)に示すように,ブリッジ30には冷却フィン27ではなく、リブ26cが設けられている。リブ26cは、ハウジング208の支持部の略2重円筒形状支持部26(26a、26b)とブリッジ30と接続し、ハウジング208の剛性を高める効果を奏する。
略三角形の形状をした流路18から流出した旋回流れ成分を有している空気が、リターンガイド羽根14によって旋回流れを半径方向内向きの流れに転向され、ヒートシンクの冷却フィン27に直接あたるため十分な冷却効果が得られる。ブリッジ30部に冷却フィン27を設けずとも十分な冷却効果が得られ、周方向に均等に冷却フィンの数を設けるよりも、冷却フィンの数を少なくでき、十分な放熱効果を奏しながら軽量化の効果も奏することができる。
樹脂製ハウジング208と非磁性金属材料製の軸受カバー215はインサート成形によって一体化している。図10に示すように、ハウジングの支持部26は略2重円筒形状をしており、内径側の支持部26aは冷却フィン27の端部とほぼ同一端部まで延設されているが、外径側の支持部26bは冷却フィン27長さのおよそ半分程度としている。
軸受カバー215には冷却フィン27が設けられているため剛性が高く、略2重円筒形状支持部26の内側の略円筒部26aと外側の略円筒部26bにより冷却フィン27を包含するように(内側の略円筒部26aと外側の略円筒部26bに冷却フィン27が渡るように)ハウジング208と一体成形されているため、軸受カバー215とハウジング208の剛性を高くすることができ、毎分80、000回転以上の高速回転を可能とすることができる。
なお、本実施例では、外径側の支持部26bは冷却フィン27の長さのおよそ半分程度としているが、ハウジング208の剛性が十分高い場合は、冷却効果を高めるために、外径側の支持部26bの長さを短くし、冷却フィン27における冷却風があたる部分の長さを長くしても良い。
また、軸受カバー215の端部には冷却フィン27が設けられていない円筒の基準面37が設けられている。基準面37は、軸受カバー215と樹脂製ハウジング208をインサート成形するときの基準面で、軸受212の外輪を固定する内径切削時の基準となる。基準面37を円筒形状とすることで、旋盤などによる内径切削時の基準面を容易に構成することができる。しかも、旋盤などによる機械加工する箇所を少なくできる。これにより、寸法精度の向上が図られ、ハウジング208に取り付けられるステータコア210 と回転軸207に取り付けられるロータコア209の中心軸が一致し、電動機部202の高効率化が図られ、さらに振動や騒音の低減を図ることができる電動送風機を得ることができる。なお、本実施例では基準面を円筒形状としているが、これに囚われることがなく、多面体形状としても良く、内径切削する基準とハウジング208をインサート成形する基準とすることができればどのような形状でも良い。
ここで、ロータコア209が着磁された後にハウジング208に組み込まれるが、軸受カバー215は非磁性金属で製作されているため、磁石による吸引力の影響を受けることが無く、組立性に優れている。
本実施例では、ヒートシンクとして回転軸方向に長い複数の冷却フィン27としており、冷却フィン27は長方形の板形状としているが、多数の円柱形、円錐形、角柱形などのピン形状としても良い。つまり、軸受を放熱するために内側の略円筒部26aと外側の略円筒部26bに冷却フィン27が渡るように周方向に突出する形状であれば、どのような形状でもよい。ピン形状とすることで、同一表面積を得るのに体積を小さくすることができ、質量を軽くすることができる。
以上説明した本実施形態の電動送風機200によれば、遠心羽根車203の流路内に溶着による溶融した樹脂材がはみ出すことがなく、流路内の気密性を確実に得ることができる。これによって、電動送風機200の効率を確実に向上させることができる。
また、遠心羽根車203の前縁側は、シュラウド板1の曲面部6の形状と一致するように、傾斜面12を形成している。運転中は遠心力により、前縁側がシュラウド板1の曲面部6と羽根3の傾斜部12が密着するように働くため、遠心羽根車203の入口側で羽根3とシュラウド板1の隙間がなくなり、電動送風機200の効率を向上させることができる。
さらに、ファンケーシング204とディフューザ羽根13、仕切板15とで形成されたディフューザ流路は、ゆるやかに傾斜しているため、略三角形の形状をした流路18からリターンガイド羽根14へスムーズに流れることができ、曲がり損失を低減することができる。これによって、送風機効率を向上させることができる。
また、ディフューザ羽根13に設けたリブ13aがファンケーシング204の気密部保持部材25に食い込むことで、ファンケーシング204と案内翼205との気密性が保持される。これによって、案内翼205のディユーザ羽根13間での漏れを防止することができ、送風機効率を向上させることができる。
また、ハウジング208の凹部29と案内翼205の円筒状の凸部17が嵌め合うことによって、電動機部202側から送風機部201側への漏れを防止することができ、送風機効率を向上させることができる。
さらに、ハウジング208を樹脂製としても、軸受212で発生した熱を軸受カバー215に設けたヒートシンクで効果的に放熱させることができ、軸受212を効果的に冷却することができ信頼性が高く、電動送風機200を軽量化することができる。
また、軸受カバー215の端部には冷却フィン27が設けられていない円筒の基準面37が設けられている。この基準面37を軸受カバー215と樹脂製ハウジング208をインサート成形時の基準面と軸受212の外輪を固定する内径切削時の基準とすることで、寸法精度の向上が図られ、ハウジング208に取り付けられるステータコア210 と回転軸207に取り付けられるロータコア209の中心軸が一致し、電動機部202の高効率化が図られ、さらに振動や騒音の低減を図ることができる電動送風機を得ることができる。
また、軸受カバー215をアルミダイカストで製作することで、生産コストを抑え、高い寸法精度を得ることができる。
また、遠心羽根車203の凸部2aと回転軸207の軸端に取り付けられているバランス調整用のリング213を削ることで、2面バランス修正を行うことができ、振動や騒音の低減を図ることができる電動送風機を得ることができる。
また、軸受カバー215は非磁性金属で製作されているため、磁石による吸引力の影響を受けることが無く、組立性に優れた信頼性の高い電動送風機を得ることができる。
電動送風機200を電気掃除機に搭載することで、電気掃除機の出力を向上させることができる。また、電動送風機200の効率が向上することで、同じ出力を得る場合は電動送風機200の入力を低くすることができ、電池を駆動源とする充電式掃除機では運転時間を長くすることができる。
1 シュラウド板
2 ハブ板
3 羽根
4 吸込開口
5 直線部
6 曲面部
7 凹状溝
8 貫通穴
9 ボス
10 突起状の爪
11 リブ
12 傾斜面
13 ディフューザ羽根
14 リターンガイド羽根
15 仕切板
16 貫通穴
17 凸部
18 略三角形状の流路
19 ディフューザ羽根への流入流れ
20 ディフューザ羽根からの流出流れ
21 ファンケーシング上板
22 ファンケーシング側板
23 突起
24 取付穴
25 気密保持部材
26 ハウジング支持部
27 冷却フィン
28 ねじ穴
29 凹部
30 ブリッジ
31 フレーム
32 ねじ穴
33 爪状突起
34 開口
35 排気口
36 傾斜部
37 基準面
100 電気掃除機本体
200 電動送風機
201 送風機部
202 電動機部
203 遠心送風機
204 ファンケーシング
205 案内翼
205a ディフューザ
205b リターンガイド
206 吸込口
207 回転軸
208 ハウジング
209 ロータコア
210 ステータコア
211 導線
212 軸受
213 バランス調整用リング
214 位置決め用スリーブ
215 軸受カバー
216 スリーブ
217 ばね
218 案内翼固定ねじ
219 ステータコア固定ねじ

Claims (4)

  1. 回転自在に設けられた回転軸と、該回転軸の一端部に一体成形されるロータコアと、前記回転軸の他端部に取り付けられる遠心羽根車と、前記ロータコアと前記遠心羽根車との間に前記回転軸を取り付けられる軸受とを有し、
    該軸受を内包する軸受カバーと、該軸受カバーに一体成形された樹脂製ハウジングと、を備え、
    ディフューザ羽根と、該ディフューザ羽根の裏面にリターンガイド羽根と、を有する案内翼と、前記遠心羽根車及び前記案内翼を内包するファンケーシングを備え、
    前記軸受カバー外周にはヒートシンクが設けられ、前記軸受カバーの側面に該ヒートシンクが設けられていない基準面を設け、
    該基準面は、前記軸受カバーと前記樹脂製ハウジングとのインサート成形時の基準面と前記軸受の外輪を固定する内径切削時の基準であることを特徴とする電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気掃除機。
  2. 前記軸受カバーは非磁性金属材料であることを特徴とする、請求項1に記載の電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気掃除機。
  3. 前記ヒートシンクは前記回転軸方向に長い複数のフィン形状または複数のピン形状としていることを特徴とする、請求項1乃至2に記載の電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気掃除機。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動送風機において、
    前記軸受カバーはダイカストで製造され、前記樹脂製ハウジングとインサート成形で一体化していることを特徴とする電動送風機及びこの電動送風機を備えた電気掃除機。
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