JP2016138173A - 着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐オゾン性、耐光性、印画濃度、色相、ブロンズ光沢抑制、及びインク貯蔵安定性のすべてにおいて優れた画像を形成することができる着色組成物、インク及びインクジェット用記録インク、インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供する。【解決手段】例えば化合物(1A)と、例えば化合物(3)とを含む着色組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録・再現するためにカラーフィルターが使用されている。
これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の染料や顔料が使用されているが、好ましい色再現域を実現出来る吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。
また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
このようなインクジェット記録用インクに用いられるシアンの色素骨格としてはフタロシアニン化合物が広く使用されている。
フタロシアニン色素としては、たとえば特許文献1には、特定の置換基を有するフタロシアニン色素が記載されている。
アザフタロシアニン色素としては、たとえば特許文献2〜4に特定の置換基を有するアザフタロシアニン色素が記載されている。
アザフタロシアニン色素としては、たとえば特許文献2〜4に特定の置換基を有するアザフタロシアニン色素が記載されている。
また、特許文献5においては、特定の置換基を有するフタロシアニン色素と、特定の置換基を有するアザフタロシアニン色素とを含む着色組成物が記載されている。
しかしながら、染料の分野については更なる性能の向上が求められており、耐オゾン性、耐光性、印画濃度、色相、ブロンズ光沢抑制、及びインク貯蔵安定性のすべてをより向上させることができる着色組成物が要求されている。
本発明は、耐オゾン性、耐光性、印画濃度、色相、ブロンズ光沢抑制、及びインク貯蔵安定性のすべてにおいて優れた画像を形成することができる着色組成物、インク及びインクジェット用記録インクを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定構造のフタロシアニン染料と特定の置換基を有するアザフタロシアニン染料とを混合して用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
特に、フタロシアニン染料は、フタロシアニン核の置換基の置換位置(α位、β位)の比率を分子内で調整し、会合を制御することで、印画濃度と耐オゾン性などの堅牢性のバランスをとることが行われるが、これらの性能はトレードオフの関係にあった。本発明は、特定のα位置換フタロシアニン染料と特定のアザフタロシアニン染料の混合によって、このトレードオフを脱却できることを見出した。
特に、フタロシアニン染料は、フタロシアニン核の置換基の置換位置(α位、β位)の比率を分子内で調整し、会合を制御することで、印画濃度と耐オゾン性などの堅牢性のバランスをとることが行われるが、これらの性能はトレードオフの関係にあった。本発明は、特定のα位置換フタロシアニン染料と特定のアザフタロシアニン染料の混合によって、このトレードオフを脱却できることを見出した。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<1>
下記一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、下記一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料とを含む着色組成物。
下記一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、下記一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料とを含む着色組成物。
一般式(1)中、
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
一般式(2)中、
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。ただし、Pを含む4つの環において、それぞれ、窒素原子を表すPは2以下である。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
<2>
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料が、下記一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)から選ばれる少なくとも1種の誘導体である、<1>に記載の着色組成物。
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。ただし、Pを含む4つの環において、それぞれ、窒素原子を表すPは2以下である。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
<2>
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料が、下記一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)から選ばれる少なくとも1種の誘導体である、<1>に記載の着色組成物。
一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)中、G1、G2、及びG3はそれぞれ独立に置換基を有しない含窒素6員ヘテロ環残基を表す。上記含窒素6員ヘテロ環残基における窒素原子の数は1または2であり、G1、G2、及びG3は同一であっても異なっていても良い。−SO2−R1、−SO2−R2、−SO2−R3中のR1、R2、R3、x、y、及びzは、それぞれ一般式(2)中のR1、R2、R3、x、y、及びzと同義である。
<3>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料におけるZ1、Z2、Z3、及びZ4が、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4>
一般式(2)、(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、又は(2−3)で表されるアザフタロシアニン染料におけるR1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜12のアルキル基である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<5>
一般式(2)、(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、又は(2−3)で表されるアザフタロシアニン染料におけるR1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜8のアルキル基である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<6>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料におけるl、m、n及びpが1である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<7>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が50/50〜5/95である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<8>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が30/70〜5/95である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<9>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料の含有量が1〜5質量%である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<10>
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料の含有量が1〜10質量%である<1>〜<9>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<11>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインク。
<12>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
<13>
<12>に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
<14>
<12>に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
<15>
<12>に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
<3>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料におけるZ1、Z2、Z3、及びZ4が、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4>
一般式(2)、(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、又は(2−3)で表されるアザフタロシアニン染料におけるR1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜12のアルキル基である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<5>
一般式(2)、(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、又は(2−3)で表されるアザフタロシアニン染料におけるR1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜8のアルキル基である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<6>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料におけるl、m、n及びpが1である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<7>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が50/50〜5/95である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<8>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が30/70〜5/95である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<9>
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料の含有量が1〜5質量%である<1>〜<8>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<10>
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料の含有量が1〜10質量%である<1>〜<9>のいずれか1項に記載の着色組成物。
<11>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインク。
<12>
<1>〜<10>のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
<13>
<12>に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
<14>
<12>に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
<15>
<12>に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
本発明によれば、耐オゾン性、耐光性、印画濃度、色相、ブロンズ光沢抑制、及びインク貯蔵安定性のすべてにおいて優れた画像を形成することができる着色組成物、インク及びインクジェット用記録インクを提供することができる。
本発明において、置換基群Aを下記のように定義する。
(置換基群A)
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子);炭素数1〜12の直鎖状または分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状または分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基(上記基の具体的例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル):アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル);アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ;ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン);カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル);アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミ);ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イオン性親水性基(例えば、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基);その他シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基。
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子);炭素数1〜12の直鎖状または分岐状鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖状または分岐鎖状アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基(上記基の具体的例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル):アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル);アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ;ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、オクタデカン);カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル);アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミ);ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イオン性親水性基(例えば、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基);その他シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基。
本発明の着色組成物は、下記一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、下記一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料とを含有する。本発明の着色組成物は詳細な理由は不明であるが異なる2種類のフタロシアニン誘導体を混合する事で染料の凝集を抑制しつつ、(1)ブロンズ抑止、(2)画像堅牢性を低下させる事なく、上記(1)、(2)の要求性能を両立できることを見出した。
〔一般式(1)で表されるフタロシアニン染料〕
まず、一般式(1)で表されるフタロシアニン染料について詳細に説明する。
まず、一般式(1)で表されるフタロシアニン染料について詳細に説明する。
一般式(1)中、
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基及び無置換のアルキル基が含まれる。アルキル基は、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、1〜8のアルキル基がより好ましく、1〜5のアルキル基が更に好ましい。置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、アルキルアミノ基(RNH−、RR’N−)、カルバモイル基(―CONHR)、スルファモイル基(―SO2NHR、―SO2NRR’)、スルホニルアミノ基(―NHSO2R)、−SONHR基、−SONRR’基、ハロゲン原子及びイオン性親水性基が含まれる。
なおR及びR’は各々独立にアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)又はアリール基(好ましくはフェニル基)を表し、さらにこれらは置換基を有してもよく、置換基としては、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、イオン性親水性基などが挙げられる。R、R’は化学結合により環を形成していてもよい。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアルキル基の例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、2−ヒドロキシプロピルスルファモイル基が含まれる。
なおR及びR’は各々独立にアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)又はアリール基(好ましくはフェニル基)を表し、さらにこれらは置換基を有してもよく、置換基としては、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、イオン性親水性基などが挙げられる。R、R’は化学結合により環を形成していてもよい。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアルキル基の例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、2−ヒドロキシプロピルスルファモイル基が含まれる。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基及び無置換のシクロアルキル基が含まれる。シクロアルキル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すシクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基が含まれる。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアルケニル基には、置換基を有するアルケニル基及び無置換のアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が2〜12のアルケニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアルケニル基の例には、ビニル基、アリル基等が含まれる。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアラルキル基としては、置換基を有するアラルキル基及び無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアラルキル基の例には、ベンジル基、及び2−フェネチル基が含まれる。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すアリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。アリール基の例には、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基、m−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基、m−スルホフェニル基が含まれる。置換基の例には、アルキル基(R−)、アルコキシ基(RO―)、アルキルアミノ基(RNH−、RR’N−)、カルバモイル基(―CONHR)、スルファモイル基(―SO2NHR)、スルホニルアミノ基(―NHSO2R)、ハロゲン原子、イオン性親水性基が含まれる。なおR及びR’は各々独立にアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)又はアリール基(好ましくはフェニル基)を表し、さらにこれらはイオン性親水性基を有してもよい。
Z1、Z2、Z3、及びZ4が表すヘテロ環基は、置換基を有するヘテロ環基及び無置換のヘテロ環基が含まれ、さらに他の環と縮合環を形成していてもよい。ヘテロ環基としては、5員または6員環のヘテロ環基が好ましい。ヘテロ環基は、さらに他の環と縮合環を形成していてもよい。へテロ環基の例には、ヘテロ環の置換位置を限定せずに環としての構造を挙げると、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピロール、ベンゾピロール、インドール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ベンゾフラン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノクサリン、トリアジン等が含まれる。置換基の例には、アルキル基(R−)、アリール基(R−)、アルコキシ基(RO―)、アルキルアミノ基(RNH−、RR’N−)、カルバモイル基(―CONHR)、スルファモイル基(―SO2NHR)、スルホニルアミノ基(―NHSO2R)、スルホニル基(−SO2R)、アシルアミノ基(−NHCOR)、ハロゲン原子、イオン性親水性基が含まれる。なおR及びR’は各々独立にアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)又はアリール基(好ましくはフェニル基)を表し、さらにこれらはイオン性親水性基、又はイオン性親水性基を有する置換基を有してもよい。
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、置換のアルキル基、置換のアリール基、置換のヘテロ環基がより好ましく、置換のアルキル基、置換のアリール基が更に好ましく、置換のアルキル基であることが特に好ましい。
Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、及び4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基が好ましく、特にスルホ基が好ましい。カルボキシル基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アンモニウムイオン、及び有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
上記対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、リチウムイオンがより好ましく、リチウムイオンが更に好ましい。
上記対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、リチウムイオンがより好ましく、リチウムイオンが更に好ましい。
一般式(1)中、l、m、n及びpは、それぞれ独立に1又は2を表す。すなわち、4≦l+m+n+p≦8を満たす。好ましくは4≦l+m+n+p≦6を満たすことであり、最も好ましくは、それぞれが1(l=m=n=p=1)である場合である。
〔フタロシアニン染料の合成〕
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料は、−SO2−Zで表される特定の置換基を有することが、良好な堅牢性のために重要である。
Zは、上記一般式(1)におけるZ1、Z2、Z3、及びZ4を表す。
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料は、−SO2−Zで表される特定の置換基を有することが、良好な堅牢性のために重要である。
Zは、上記一般式(1)におけるZ1、Z2、Z3、及びZ4を表す。
一般式(1)で表されるフタロシアニン染料の具体例を、下記一般式(IV)を用いて以下に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
〔一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料〕
次に一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料について詳細に説明する。
次に一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料について詳細に説明する。
一般式(2)中、
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。ただし、Pを含む4つの環において、それぞれ、窒素原子を表すPは2以下である。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。ただし、Pを含む4つの環において、それぞれ、窒素原子を表すPは2以下である。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料は、下記一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)から選ばれる少なくとも1種の誘導体であることが好ましい。
一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)中、G1、G2、及びG3はそれぞれ独立に置換基を有しない含窒素6員ヘテロ環残基を表す。上記含窒素6員ヘテロ環残基における窒素原子の数は1または2であり、G1、G2、及びG3は同一であっても異なっていても良い。−SO2−R1、−SO2−R2、−SO2−R3中のR1、R2、R3、x、y、及びzは、それぞれ一般式(2)中のR1、R2、R3、x、y、及びzと同義である。
一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)中、−SO2−R1、−SO2−R2、−SO2−R3は、G1、G2、及びG3ではなく、ベンゼン環に置換することが好ましい。
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料が、下記一般式(3−1)又は一般式(3−2)で表されるアザフタロシアニン染料であることが好ましい。
一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
一般式(2)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)におけるx、y、z、R1、R2、及びR3について説明する。
R1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基としては、置換若しくは無置換の総炭素数が1〜12のアルキル基が好ましい。
より好ましくは1〜8のアルキルであり、R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、又はt−ブチル基が好ましく、n−ブチル基又はn−プロピル基がより好ましく、n−プロピル基が更に好ましい。
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、又はイオン性親水性基が挙げられる。これらの基は、さらに置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい。
なかでも、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、又はイオン性親水性基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、又はイオン性親水性基がより好ましく、スルファモイル基、スルホニル基、又はイオン性親水性基が更に好ましく、イオン性親水性基が最も好ましい。
アルキル基が有する置換基としてのスルファモイル基は、下記一般式(Q1)、又は一般式(S1)で表される基であることが好ましい。
一般式(Q1)中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
R21及びR22が表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基が更に好ましい。置換基としては、置換基群Aが挙げられ、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子及びイオン性親水性基が好ましく、ヒドロキシル基又はイオン性親水性基がより好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、又はt−ブチル基が好ましく、メチル基、又はn−プロピル基がより好ましく、n−プロピル基が更に好ましい。
R21はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
R22は水素原子又は置換若しくは無置換の炭素原子数が1〜4のアルキル基を表すことが好ましく、置換基を有する場合の置換基はヒドロキシル基であることが好ましく、n−プロピル又は水素原子を表すことが好ましい。
R21はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
R22は水素原子又は置換若しくは無置換の炭素原子数が1〜4のアルキル基を表すことが好ましく、置換基を有する場合の置換基はヒドロキシル基であることが好ましく、n−プロピル又は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(S1)中、R23は水素原子又は置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。
R24は置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。
R23及びR24は窒素原子と共に互いに結合して置換若しくは無置換のヘテロ環を形成してもよい。
R24は置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。
R23及びR24は窒素原子と共に互いに結合して置換若しくは無置換のヘテロ環を形成してもよい。
一般式(S1)中、R23及びR24が表す置換若しくは無置換の炭化水素基としては、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のヘテロ環基又は置換若しくは無置換のアリール基が好ましい。
R23及びR24が表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基が更に好ましい。置換基としては、置換基群Aが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が好ましい。
R23及びR24が表す置換若しくは無置換のヘテロ環基としては、5員または6員環のヘテロ環基が好ましい。置換基としては、置換基群Aが挙げられ、イオン性親水性基が好ましい。へテロ環基としては、2−ピリジル基、2−チエニル基及び2−フリル基が好ましい。
R23及びR24が表す置換若しくは無置換のアリール基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましい。置換基の例には、置換基群Aが挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基及びイオン性親水性基が好ましい。アリール基としては、フェニル、又はナフチルが好ましい。
R23はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
R24は下記一般式(T1)で表される置換基であることが好ましい。
R24は下記一般式(T1)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(T1)中、
Lは単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
Xはそれぞれ独立に−OR25、−SR25、及び−NR25R26より選択される置換基を表し、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R25及びR26の少なくとも一つはイオン性親水性基を置換基として有する。
R27は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
Lは単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
Xはそれぞれ独立に−OR25、−SR25、及び−NR25R26より選択される置換基を表し、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R25及びR26の少なくとも一つはイオン性親水性基を置換基として有する。
R27は水素原子又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
Lが表す置換若しくは無置換のアルキレン基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素原子数が1〜8のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキレン基が更に好ましい。置換基としては、置換基群Aが挙げられる。アルキレン基としては、メチレン、エチレン、ブチレン、イソプロピレン、t−ブチレンが好ましい。
Xは−NR25R26が好ましい。
R25及びR26が表す置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基としては、R23及びR24が表すものと同様の基が挙げられる。
R27が表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基が更に好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が好ましい。置換基としては、置換基群Aが挙げられる。
R27はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
R25及びR26が表す置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基としては、R23及びR24が表すものと同様の基が挙げられる。
R27が表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、置換基を除いたときの炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基が更に好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が好ましい。置換基としては、置換基群Aが挙げられる。
R27はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
上記一般式(T1)で表される置換基が、下記一般式(T2)で表される置換基であることが好ましい。
一般式(T2)中、
Lは単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
R27、R29、R210、及びR211はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R212は、置換アルキル基、置換アリール基、又は置換ヘテロ環基を表し、イオン性親水性基を少なくとも一つ置換基として有する。
Lは単結合又は置換若しくは無置換のアルキレン基を表す。
R27、R29、R210、及びR211はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、R212は、置換アルキル基、置換アリール基、又は置換ヘテロ環基を表し、イオン性親水性基を少なくとも一つ置換基として有する。
L及びR27は一般式(T1)におけるL及びR27と同義であり好ましいものも同様である。
R29、R210、及びR211が表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、一般式(T1)におけるR27で挙げたものと同義であり好ましいものも同様である。
R27、R29、R210、及びR211はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
R29、R210、及びR211が表す置換若しくは無置換のアルキル基としては、一般式(T1)におけるR27で挙げたものと同義であり好ましいものも同様である。
R27、R29、R210、及びR211はメチル基又は水素原子を表すことが好ましく、水素原子を表すことがより好ましい。
R212は、置換アリール基を表すことが好ましく、置換基としては置換基群Aが挙げられ、イオン性親水性基を少なくとも一つ置換基として有する。置換基として好ましくはイオン性親水性基であり、スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、及び4級アンモニウム基が好ましく、カルボキシル基及びスルホ基がより好ましく、スルホ基が更に好ましい。カルボキシル基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
R212は1〜3個のイオン性親水性基で置換されたアリール基であることが好ましく、2個のイオン性親水性基(好ましくはカルボキシル基又はスルホ基)で置換されたアリール基であることがより好ましい。
R212は1〜3個のイオン性親水性基で置換されたアリール基であることが好ましく、2個のイオン性親水性基(好ましくはカルボキシル基又はスルホ基)で置換されたアリール基であることがより好ましい。
以下に、一般式(T1)で表される置換基の具体例を挙げるが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基としては、置換若しくは無置換の総炭素数が2〜8のアルケニル基が好ましい。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアルケニル基としては、ビニル基、又はアリル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアルケニル基としては、ビニル基、又はアリル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基としては、置換若しくは無置換の総炭素数2〜8のアルキニル基が好ましい。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアルキニル基としては、又はエチニル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアルキニル基としては、又はエチニル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基としては、置換若しくは無置換の総炭素数2〜8のアラルキル基が好ましい。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアラルキル基としては、ベンジル基、又は2−フェネチル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアラルキル基としては、ベンジル基、又は2−フェネチル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基としては、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基が好ましい。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアリール基としては、フェニル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのアリール基としては、フェニル基が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基としては、置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基が好ましい。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのヘテロ環基としては、ピリジン環、ピロリジン環及びピペリジン環が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3が表す置換基を除いたときのヘテロ環基としては、ピリジン環、ピロリジン環及びピペリジン環が好ましい。
置換基としては、上述のR1、R2、及びR3が表す置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基が有することができる置換基が挙げられ、好ましい例も同じである。
R1、R2、及びR3としては、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12アルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のへテロ環基が好ましく、置換の総炭素数1〜12アルキル基が最も好ましい。
R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、特にスルホ基が好ましい。
カルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が含まれる。
R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、スルホ基で置換された総炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(2)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。
x+y+zは1以上4以下である。
x+y+zは2〜4であることが好ましく、2又は3であることが染料の水溶性の観点から、より好ましい。
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン化合物は、化合物一分子中、イオン性親水性基を少なくとも1個以上有するものが好ましく、特に、イオン性親水性基がスルホ基であるのが好ましい。その中でもスルホ基を2個以上有するものが最も好ましい。
一般式(2)で表されるアザフタロシアニン化合物は、分子内に少なくとも1つ以上のイオン性親水性基を有しているので、水性媒体中に対する溶解性または分散性が良好である。
〔アザフタロシアニン染料の合成〕
本発明にかかる一般式(2)で表されるアザフタロシアニン化合物は、特許第4516744号公報に記載の方法により合成することができる。
本発明にかかる一般式(2)で表されるアザフタロシアニン化合物は、特許第4516744号公報に記載の方法により合成することができる。
以下に、一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、上記一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料とを含有する。α−位置換型の一般式(1)の染料とフタロシアニン骨格の一部に窒素原子を有する一般式(2)のアザフタロシアニン染料とを用いることにより、会合の制御が可能となり、結果、良好な堅牢性と高い印画濃度とを両立することが可能となる。
本発明の着色組成物は、好ましくは画像形成用着色組成物として用いることができる。本発明の着色組成物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱転写型画像記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等であり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。また、米国特許4808501号明細書、特開平6−35182号公報などに記載されているLCDやCCDなどの固体撮像素子で用いられているカラーフィルタ、各種繊維の染色のための染色液にも適用できる。
本発明に用いるフタロシアニン染料は、その用途に適した溶解性、熱移動性などの物性を、置換基により調整して使用する。また、本発明に用いるフタロシアニン染料は、用いられる系に応じて均一な溶解状態、乳化分散のような分散された溶解状態で使用する事が出来る。
本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合はインク、特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、上記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、上記一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料とを含有する。α−位置換型の一般式(1)の染料とフタロシアニン骨格の一部に窒素原子を有する一般式(2)のアザフタロシアニン染料とを用いることにより、会合の制御が可能となり、結果、良好な堅牢性と高い印画濃度とを両立することが可能となる。
本発明の着色組成物は、好ましくは画像形成用着色組成物として用いることができる。本発明の着色組成物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱転写型画像記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等であり、好ましくはインクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくはインクジェット方式記録材料である。また、米国特許4808501号明細書、特開平6−35182号公報などに記載されているLCDやCCDなどの固体撮像素子で用いられているカラーフィルタ、各種繊維の染色のための染色液にも適用できる。
本発明に用いるフタロシアニン染料は、その用途に適した溶解性、熱移動性などの物性を、置換基により調整して使用する。また、本発明に用いるフタロシアニン染料は、用いられる系に応じて均一な溶解状態、乳化分散のような分散された溶解状態で使用する事が出来る。
本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合はインク、特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、上記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
着色組成物中、一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が50/50〜5/95であることが好ましい。より好ましくは30/70〜5/95であり、最も好ましいのは20/80〜10/90である。染料の質量比を上記範囲内とすることで、着色組成物の高濃度での経時安定性(粘度変化や析出など)に優れ、また着色組成物を用いた印画サンプルのオゾン堅牢性に優れ、また印画濃度に優れるという特徴を得ることができる。
また、着色組成物中、一般式(1)で表されるフタロシアニン染料の含有量は0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。0.1質量%以下になると印画濃度及び印画サンプルのオゾン堅牢性が劣り、10質量%以上になるとインク貯蔵安定性が低下する。
また、着色組成物中、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料の含有量は0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。0.1質量%以下になると、印画サンプルのオゾン堅牢性、及び印画濃度が劣り、10質量%以上になるとインク貯蔵安定性が低下する。
本発明においては、着色組成物中の染料含有量(すなわち一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との合計量)が15〜20質量%の濃厚染料溶液とした場合においても、染料の経時析出が抑制できることがわかった。このことから、本発明の着色組成物は、濃厚インクジェット用インクとしても有用である。
[インクジェット記録用インク]
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。本発明のインクジェット記録用インクは本発明の着色組成物を含む。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。本発明のインクジェット記録用インクは本発明の着色組成物を含む。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明で使用することができる添加剤としては、特開2013−133394号公報〔0091〕〜〔0101〕記載の添加剤が挙げられる。使用形態や使用方法などについては、上記特許文献に記載されている内容を好ましく参照することができる。
本発明のインクジェット記録用インク100質量%中に、一般式(1)で表される化合物を0.2質量%以上10質量%以下含有し、一般式(2)で表される化合物を0.2質量%以上10質量%以下含有するのが好ましく、それぞれ1質量%以上6質量%以下含有するのがより好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物とともに、他の色素を併用してもよい。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。特にシアン色調のインクジェット記録用インクとして好ましく利用される。
本発明のインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクジェット記録方法]
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
[インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物]
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
〔フタロシアニン染料(1A)〜(1D)の合成〕
本発明にかかる一般式(1)で表されるフタロシアニン染料は、特許第3949385号公報に記載の方法により合成した。
本発明にかかる一般式(1)で表されるフタロシアニン染料は、特許第3949385号公報に記載の方法により合成した。
一般式(1)で表される染料(1A)〜(1D)
本発明にかかる一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料混合物は、特許第4516744号公報に記載の方法により合成した。
一般式(2)で表される本発明のアザフタロシアニン染料(3)〜(6)
〔アザフタロシアニン染料混合物(7)〜(10)の合成〕
下記に例示する、アザフタロシアニン染料混合物(7)、(8)、(10)は、特許第4516744号公報に記載の方法に基づき、対応するフタロニトリル誘導体と含窒素フタロニトリル誘導体を、中心金属(銅)となる塩化銅に対して、1:3の当量(仕込み比)及びアザフタロシアニン染料混合物(9)は、対応するフタロニトリル誘導体と含窒素フタロニトリル誘導体を、中心金属(銅)となる塩化銅に対して2:2の当量(仕込み比)にて縮合反応後に、所定の処理・精製を行って得た染料混合物である。
一般式(2)で表される染料混合物(7)は、(7−3)を主成分とする(7−2a)、(7−2b)、(7−1)染料混合物であることが、LC−Mass分析により確認できた。上記染料混合物の水溶液中のλmax(626nm)、ε(52300)であった。
一般式(2)で表される染料混合物(8)は、(8−3)を主成分とする(8−2a)、(8−2b)、(8−1)染料混合物であることが、LC−Mass分析により確認できた。上記染料混合物の水溶液中のλmax(625nm)、ε(56300)であった。
一般式(2)で表される染料混合物(9)は、(9−2a)、(9−2b)を主成分とする、(9−3)、(9−1)染料混合物であることが、LC−Mass分析により確認できた。上記染料混合物の水溶液中のλmax(621nm)、ε(48000)であった。
一般式(2)で表される染料混合物(10)は、(10−3)を主成分とする(10−2a)、(10−2b)、(10−1)染料混合物であることが、LC−Mass分析により確認できた。上記染料混合物の水溶液中のλmax(623nm)、ε(52000)であった。
(実施例1)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後NaOH10mol/LにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しシアン用インク液を調製した。
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後NaOH10mol/LにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過しシアン用インク液を調製した。
フタロシアニン染料(化合物1A) 0.5g
フタロシアニン染料(化合物3) 3.0g
トリエチレングリコール2g
グリセリン 12g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 23g
2−ピロリドン 8g
トリエタノールアミン 1.79g
ベンゾトリアゾール 0.006g
サーフィノール465(商品名、エアープロダクツ社製) 0.85g
PROXEL XL2 (商品名、富士フイルムイメージングカラランツ社製) 0.18g
フタロシアニン染料(化合物3) 3.0g
トリエチレングリコール2g
グリセリン 12g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 23g
2−ピロリドン 8g
トリエタノールアミン 1.79g
ベンゾトリアゾール 0.006g
サーフィノール465(商品名、エアープロダクツ社製) 0.85g
PROXEL XL2 (商品名、富士フイルムイメージングカラランツ社製) 0.18g
(実施例2〜18、比較例1〜16)
フタロシアニン染料及び染料添加量を、下記表11及び表12に示すように変更した以外は、実施例1のインク液の調製と同様にして、実施例2〜18及び比較例1〜16のインク液を調製した。
フタロシアニン染料及び染料添加量を、下記表11及び表12に示すように変更した以外は、実施例1のインク液の調製と同様にして、実施例2〜18及び比較例1〜16のインク液を調製した。
<画像記録及び評価>
以上の各実施例(実施例1〜18)及び比較例(比較例1〜16)のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行った。その結果を表11及び表12に示した。なお、画像記録は、各インクジェット記録用インクを、インクジェットプリンター(キヤノン社製;PIXUS Pro9000MkII)でフォト光沢紙(PT−101、Canon)、及び普通紙(GF500、Canon)に画像を記録した。
以上の各実施例(実施例1〜18)及び比較例(比較例1〜16)のインクジェット記録用インクについて、下記評価を行った。その結果を表11及び表12に示した。なお、画像記録は、各インクジェット記録用インクを、インクジェットプリンター(キヤノン社製;PIXUS Pro9000MkII)でフォト光沢紙(PT−101、Canon)、及び普通紙(GF500、Canon)に画像を記録した。
(耐オゾン性)
上記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が10ppm±1ppm、23℃50%RHに設定されたボックス内に3日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR(商品名)、エックスライト社製)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、画像濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
上記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が10ppm±1ppm、23℃50%RHに設定されたボックス内に3日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR(商品名)、エックスライト社製)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、画像濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
(印画濃度)
普通紙における印画濃度100%における画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、印画濃度が1.10以上の場合をA、1.05以上1.10未満の場合をB、1.05未満の場合をCとして、三段階で評価した。
普通紙における印画濃度100%における画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、印画濃度が1.10以上の場合をA、1.05以上1.10未満の場合をB、1.05未満の場合をCとして、三段階で評価した。
(ブロンズ光沢)
印画したサンプルの最高濃度部分を白色蛍光灯下で目視で観測し、赤銅がかった光沢が観測されない場合をA、うっすらと観測される場合をB、明らかに観測される場合をCの三段階で評価した。
印画したサンプルの最高濃度部分を白色蛍光灯下で目視で観測し、赤銅がかった光沢が観測されない場合をA、うっすらと観測される場合をB、明らかに観測される場合をCの三段階で評価した。
(色相)
印画したサンプルを目視で観測し、純色のシアンである場合をA、やや赤みがかった青色に近いシアンをB、明らかに青色の場合をCの三段階で評価した。
印画したサンプルを目視で観測し、純色のシアンである場合をA、やや赤みがかった青色に近いシアンをB、明らかに青色の場合をCの三段階で評価した。
(耐光性)
画像を形成したフォト光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を14日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、画像濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
画像を形成したフォト光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を用いて、キセノン光(85000lx)を14日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。なお、画像濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。
何れの濃度でも色素残存率が70%以上の場合をA、1又は2点が70%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
(インク貯蔵安定性)
調製したインクを60℃で14日間放置した後に上記プリンターにセットしインク貯蔵安定性を評価した。評価はノズルチェックで行い、クリーニング1回でムラ・スジがない場合をA、クリーニング2回でムラ・スジがない場合をB、クリーニング2回でムラ・スジがある場合をCとして三段階で評価した。
調製したインクを60℃で14日間放置した後に上記プリンターにセットしインク貯蔵安定性を評価した。評価はノズルチェックで行い、クリーニング1回でムラ・スジがない場合をA、クリーニング2回でムラ・スジがない場合をB、クリーニング2回でムラ・スジがある場合をCとして三段階で評価した。
本発明のインクジェット記録用インクは、比較例のインクと比べて、同等の耐オゾン性を保ちつつ、高い印画濃度を示し、ブロンズ光沢を抑制し、優れた色相を実現している事が分かった。また、耐光性、インク貯蔵安定性についても優れていることが分かった。
Claims (15)
- 下記一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、下記一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料とを含む着色組成物。
一般式(1)中、
Z1、Z2、Z3、及びZ4は、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。但し、Z1、Z2、Z3、及びZ4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
l、m、n、及びpは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
一般式(2)中、
Pはそれぞれ独立に窒素原子又はCHを表し、少なくとも1つのPは窒素原子を表す。ただし、Pを含む4つの環において、それぞれ、窒素原子を表すPは2以下である。
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に、置換若しくは無置換の総炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜20のアルケニル基、置換若しくは無置換の総炭素数2〜12のアルキニル基、置換若しくは無置換の総炭素数7〜20のアラルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜20のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜20のヘテロ環基を表す。但し、R1、R2、及びR3のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基を置換基として有する。
x、y、及びzはそれぞれ独立に0以上4以下を表す。
x+y+zは1以上4以下である。 - 一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料が、下記一般式(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、及び(2−3)から選ばれる少なくとも1種の誘導体である、請求項1に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表されるフタロシアニン染料におけるZ1、Z2、Z3、及びZ4が、それぞれ独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す請求項1又は2に記載の着色組成物。
- 一般式(2)、(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、又は(2−3)で表されるアザフタロシアニン染料におけるR1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜12のアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 一般式(2)、(2−1)、(2−2a)、(2−2b)、又は(2−3)で表されるアザフタロシアニン染料におけるR1、R2、及びR3のうち少なくとも1つがスルホ基で置換された総炭素数1〜8のアルキル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表されるフタロシアニン染料におけるl、m、n及びpが1である請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が50/50〜5/95である請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表されるフタロシアニン染料と、一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料との質量比が30/70〜5/95である請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 一般式(1)で表されるフタロシアニン染料の含有量が1〜5質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 一般式(2)で表されるアザフタロシアニン染料の含有量が1〜10質量%である請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインク。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
- 請求項12に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
- 請求項12に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
- 請求12に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015012823A JP2016138173A (ja) | 2015-01-26 | 2015-01-26 | 着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015012823A JP2016138173A (ja) | 2015-01-26 | 2015-01-26 | 着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016138173A true JP2016138173A (ja) | 2016-08-04 |
Family
ID=56558954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015012823A Pending JP2016138173A (ja) | 2015-01-26 | 2015-01-26 | 着色組成物、インク、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016138173A (ja) |
-
2015
- 2015-01-26 JP JP2015012823A patent/JP2016138173A/ja active Pending
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