JP2016138088A - エンテカビル含有錠剤、その製造方法及びそれを用いた口腔内崩壊錠 - Google Patents

エンテカビル含有錠剤、その製造方法及びそれを用いた口腔内崩壊錠 Download PDF

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Abstract

【課題】エンテカビルの類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有錠剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一実施形態によると、エンテカビルと、糖アルコールと、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース及びポビドンから選択される結合剤と、を含有する医薬組成物からなることを特徴とする、エンテカビル含有錠剤が提供される。また、一実施形態において、前記糖アルコールは、D−マンニトールである。一実施形態において、前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースである。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンテカビルを含有する安定な錠剤及びその製造方法に関する。特に、エンテカビル由来の類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有錠剤及びその製造方法に関する。
エンテカビル(9-[(1S,3R,4S)-4-Hydroxy-3-(hydroxymethyl)-2-methylenecyclopentyl]guanine)は、B型慢性肝疾患の治療に有効な抗ウイルス剤であり、本邦ではエンテカビル水和物0.53mg(エンテカビルとして0.5mg)を有効成分とするフィルムコート錠が、販売名バラクルード(登録商標)錠として市販されている。しかしながら、バラクルード(登録商標)錠のインタビューフォーム(非特許文献1)には、各種条件下、特に高湿度下の安定性試験において、エンテカビルの錠剤からの溶出速度の低下や類縁物質の増加等がみられる旨が記載されており、更なる安定性を有するエンテカビル含有製剤が求められている。
一方、エンテカビル含有製剤としては、例えば、特許文献1には、低用量のエンテカビルと担体物質とを含む医薬組成物、あるいは担体物質に付着しているエンテカビルを含む低用量のエンテカビル医薬組成物が、錠剤或いはカプセル剤の形態で開示されている。しかしながら、特許文献1では、エンテカビルを含む医薬組成物の各種保存条件下における製剤安定性については、一切検討がなされていない。
特表2004−503467号公報
バラクルード錠 医薬品インタビューフォーム(2011年2月(改訂第5版))
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エンテカビルの類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有錠剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、一般に、B型慢性肝疾患の患者は、長期間に渡って治療薬を服用しなければならないため、服薬コンプライアンスを向上させるような製剤工夫が望まれている。
特にエンテカビル含有製剤は、他の多くの医薬品とは異なり、空腹時に服用する必要があるため、患者が仕事中あるいは外出先や就寝直前でも服用しやすいよう、口腔内の唾液のみで速やかに崩壊する口腔内崩壊錠が望ましい。また、患者が日中の服薬に備えて製剤を携帯することも考えられることから、環境条件によらず安定な製剤が望ましい。
本発明は、一実施形態において、エンテカビルの類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有口腔内崩壊錠も提供するものである。
本発明の一実施形態によると、エンテカビルと、糖アルコールと、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース及びポビドンから選択される結合剤と、を含有する医薬組成物からなることを特徴とする、エンテカビル含有錠剤が提供される。
本発明の一実施形態によると、前記エンテカビル含有錠剤は、口腔内崩壊錠であってもよい。
本発明の一実施形態によると、前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。
本発明の一実施形態によると、前記糖アルコールはD−マンニトールであってもよい。
本発明の一実施形態によると、エンテカビルと、糖アルコールと、を含有する造粒物からなる錠剤の製造方法であって、エンテカビル水和物をヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース及びポビドンから選択される結合剤を含む溶液中に溶解又は懸濁させて造粒液を調製し、前記造粒液を用いて糖アルコールを含む混合物を造粒し、前記造粒物を調製すること、を含むエンテカビル含有錠剤の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るエンテカビル含有錠剤の製造方法において、前記糖アルコールがD−マンニトールであってもよい。
本発明の一実施形態に係るエンテカビル含有錠剤の製造方法において、前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであってもよい。
本発明の一実施形態に係るエンテカビル含有錠剤の製造方法において、前記造粒液が懸濁液であってもよい。
本発明の一実施形態に係るエンテカビル含有錠剤の製造方法において、前記エンテカビル含有錠剤が口腔内崩壊錠であってもよい。
本発明によると、エンテカビルの類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有錠剤が提供される。また、本発明によると、エンテカビルの類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有錠剤の製造方法が提供される。
また、本発明によると、エンテカビルの類縁物質の生成が抑制されたエンテカビル含有口腔内崩壊錠も提供することができる。
本発明の実施例に係るエンテカビル含有錠剤の溶出率を示す図である。
以下、本発明に係るエンテカビル含有錠剤及びその製造方法について説明する。但し、本発明のエンテカビル含有錠剤及びその製造方法は、以下に述べる実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明者らは、エンテカビルの類縁物質の生成が効果的に抑制されたエンテカビル含有錠剤について検討を行ったところ、賦形剤として糖アルコールを添加することにより、エンテカビルの類縁物質の生成が抑制可能であるとことを新たに見出した。
本発明に係るエンテカビル含有錠剤は、エンテカビルと、糖アルコールと、を含有する医薬組成物を含む。本実施形態において、エンテカビル含有錠剤におけるエンテカビルの含有量は、0.5mg/錠であってもよい。
本実施形態において、エンテカビル含有錠剤は、糖アルコールを賦形剤として含む。糖アルコールとしては、D−マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトールなどから選択することができる。そのうち、D−マンニトールが特に好ましい。
また、本実施形態において、エンテカビル含有錠剤は、結合剤として、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース及びポビドンのいずれかを含有してもよい。
本実施形態において、エンテカビル含有錠剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを結合剤として含んでもよい。エンテカビル含有錠剤に添加されるヒドロキシプロピルセルロースは、エンテカビル水和物を100重量部としたときに0.5重量部以上5重量部以下が好ましく、1.5重量部以上3.5重量部以下がより好ましい。
本実施形態のエンテカビル含有錠剤は、糖アルコール以外の賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤などの添加剤をさらに含んでもよい。
糖アルコール以外の賦形剤としては、例えば、澱粉誘導体、セルロース誘導体、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、珪酸塩誘導体、燐酸塩、炭酸塩及び硫酸塩等から選択することができる。澱粉誘導体としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−澱粉、デキストリン等を挙げることができる。セルロース誘導体としては、例えば、結晶セルロース等を挙げることができる。また、珪酸塩誘導体としては、例えば、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等を挙げることができる。燐酸塩としては、例えば、燐酸水素カルシウム等を挙げることができる。炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム等を挙げることができる。硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム等を挙げることができる。
崩壊剤としては、例えば、セルロース誘導体、架橋ポリビニルピロリドン及び化学修飾されたデンプン・セルロース類から選択することができる。セルロース誘導体としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム等を挙げることができる。架橋ポリビニルピロリドンとしては、例えば、クロスポビドン等を挙げることができる。また、化学修飾されたデンプン・セルロース類としては、例えば、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム等を挙げることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、タルク、コロイドシリカ、ワックス類(ビーズワックス、ゲイ蝋等)、硼酸、アジピン酸、硫酸塩(硫酸ナトリウム等)、グリコール、フマル酸、安息香酸ナトリウム、D,L−ロイシン、ラウリル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等)、珪酸類(無水珪酸、珪酸水和物等)及び上記に賦形剤として示した化合物等から選択することができる。
矯味矯臭剤は、例えば、甘味料、酸味料及び香料等から選択することができる。甘味料としては、例えば、スクラロース、サッカリンナトリウム、アスパルテーム等を挙げることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を挙げることができる。また、香料としては、例えば、メントール、レモンエキス、オレンジエキス等を挙げることできる。
(製造方法)
本発明のエンテカビル含有錠剤は、湿式造粒法により製造され、特に流動層造粒法で製造されることが好ましい。例えば、結合剤を含む溶液(例えば、水溶液)にエンテカビル水和物を加え、エンテカビルを含む造粒液を得る。該造粒液と糖アルコールを含む混合物とを用いて造粒を行うことにより、造粒物を得る。得られた造粒物を乾燥させた後、整粒して整粒物とし、滑沢剤及び崩壊剤を混合して常法により打錠することで、本発明に係るエンテカビル含有錠剤を得ることができる。
本発明の製造方法において、前記造粒液は、エンテカビル水和物の溶解液であってもよく、また懸濁液であってもよいが、製造効率を考慮すると、懸濁液であることが一層好ましい。懸濁液中のエンテカビルの濃度としては、0.5%以上2%以下であることが好ましい。
本発明によれば、高温多湿の環境下にあってもエンテカビルの類縁物質の増加が抑制された、安定性の高いエンテカビル含有錠剤を実現することができる。それ故、本発明のエンテカビル含有錠剤には、フィルムコーティングを施す必要がない。
また、本発明のエンテカビル含有造粒物を用いて口腔内崩壊錠を得ることができる。
上述した本発明に係るエンテカビル含有錠剤の具体的な実施例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1として、1錠中にエンテカビル水和物0.53mg(エンテカビルとして0.5mg)を有効成分として含有する錠剤を以下のように製造した。流動層造粒機(MP−01型、フロイント産業株式会社)にて、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)181g、結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)97.5gを混合した。得られた混合物に、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC(L)、日本曹達株式会社)7.5gを精製水492.5gに溶かした水溶液にエンテカビル水和物0.795gを溶解させた液を造粒液として噴霧し、造粒及び乾燥を行った。得られた造粒物を篩22号で整粒し、この整粒物にクロスポビドン(コリドンCL−F、BASF社)12.0g、及びステアリン酸マグネシウム(太平化学製品株式会社)1.5gを加えビニール袋にて混合し、打錠することにより、錠剤重量200mgの錠剤を得た。
(実施例2)
実施例2として、実施例1におけるヒドロキシプロピルセルロースに替えてポビドン(K90、第一工業製薬株式会社)7.5gを添加したこと以外は、実施例1と同様の処方で錠剤重量200mgの錠剤を得た。
(実施例3)
実施例3として、実施例1におけるヒドロキシプロピルセルロースに替えてヒプロメロース(TC−5M、信越化学工業株式会社)7.5gを添加したこと以外は、実施例1と同様の処方で錠剤重量200mgの錠剤を得た。
(比較例1)
比較例1として、特許文献1の実施例1の処方構成に類似した錠剤を製造した。具体的には、流動層造粒機(MP−01型、フロイント産業株式会社)にて、乳糖水和物(200M、DMV社)181g及び結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)97.5gを混合した。得られた混合物に、ポビドン(K90、第一工業製薬株式会社)7.5gを精製水492.5gに溶かした水溶液にエンテカビル水和物0.795gを溶解させた液を造粒液として噴霧し、造粒及び乾燥を行った。得られた造粒物を篩22号で整粒し、この整粒物にクロスポビドン(コリドンCL−F、BASF社)12.0g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学製品株式会社)1.5gを加えてビニール袋にて混合し、打錠することにより、錠剤重量200mgの錠剤を得た。
(比較例2)
比較例2として、比較例1におけるポビドンに替えてヒドロキシプロピルセルロース(HPC(L)、日本曹達株式会社)7.5gを添加したこと以外は、比較例1と同様の処方で錠剤重量200mgの錠剤を得た。
(比較例3)
比較例3として、比較例1におけるポビドンに替えてヒプロメロース(TC−5M、信越化学工業株式会社)7.5gを添加したこと以外は、比較例2と同様の処方で錠剤重量200mgの錠剤を得た。
(安定性試験)
上述した実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3のエンテカビル含有錠剤について安定性を評価した。安定性の評価は、初期状態(イニシャル)、40℃、75%RHの条件下で4週間保存後、60℃、60%RHの条件下で2週間保存後について、液体クロマトグラフィーを用いて純度試験を実施し、類縁物質量を算出した。実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3の個々の総類縁物質量を表1に示す。
Figure 2016138088
表1の結果から、乳糖水和物を含有する比較例1〜比較例3のエンテカビル含有錠剤を高温多湿条件下で保存した場合、結合剤の種類によらず、エンテカビル由来の類縁物質が多く生成していた。一方、糖アルコールの1種であるD−マンニトールを用いた実施例1〜実施例3のエンテカビル含有錠剤では、同じ保存条件下の比較例1〜比較例3に比して、エンテカビル由来の類縁物質の生成が抑制されていた。
(比較例4)
比較例4として、1錠中にエンテカビル水和物0.53mg(エンテカビルとして0.5mg)を有効成分として含有する錠剤を以下のように製造した。流動層造粒機(MP−01型、フロイント産業株式会社)にて、エンテカビル水和物1.59g、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)172.41g、結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)105gを混合した。得られた混合物に、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC(L)、日本曹達株式会社)7.5gを精製水492.5gに溶かした水溶液を造粒液として噴霧し、造粒及び乾燥を行った。得られた造粒物を篩22号で整粒し、この整粒物にクロスポビドン(コリドンCL−F、BASF社)12.0g、及びステアリン酸マグネシウム(太平化学製品株式会社)1.5gを加えてビニール袋にて混合し、打錠することにより、錠剤重量100mgの錠剤を得た。
(実施例4)
実施例4として、1錠中にエンテカビル水和物0.53mg(エンテカビルとして0.5mg)を有効成分として含有する錠剤を以下のように製造した。流動層造粒機(MP−01型、フロイント産業株式会社)にて、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)172.41g、結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)105gを混合した。得られた混合物に、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC(L)、日本曹達株式会社)7.5gを精製水992.5gに溶かした水溶液にエンテカビル水和物1.59gを溶解させた液を造粒液として噴霧し、造粒及び乾燥を行った。得られた造粒物を篩22号で整粒し、この整粒物にクロスポビドン(コリドンCL−F、BASF社)12.0g、及びステアリン酸マグネシウム(太平化学製品株式会社)1.5gを加えビニール袋にて混合し、打錠することにより、錠剤重量100mgの錠剤を得た。
(実施例5)
実施例5として、1錠中にエンテカビル水和物0.53mg(エンテカビルとして0.5mg)を有効成分として含有する錠剤を以下のように製造した。まず、流動層造粒機(MP−01型、フロイント産業株式会社)にて、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)179.01g及び結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)75gを混合した。得られた混合物に、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC(L)、日本曹達株式会社)7.5g、スクラロース(P、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)0.9gを精製水142.5gに溶かした水溶液にエンテカビル水和物1.59gを懸濁させた液(エンテカビル濃度は約1.06%)を造粒液として噴霧し、造粒及び乾燥を行った。得られた造粒物を篩22号で整粒し、この整粒物にクロスポビドン(コリドンCL−F、BASF社)33.0g、及びステアリン酸マグネシウム(太平化学製品株式会社)3.0gを加えビニール袋にて混合し、打錠することにより、錠剤重量100mgの錠剤を得た。
先の実施例と同様に、比較例4、実施例4及び実施例5のエンテカビル含有錠剤について安定性試験を行った。安定性の評価は、初期状態(イニシャル)、40℃、75%RHの条件下で4週間保存後、及び60℃、60%RHの条件下で2週間保存後について、液体クロマトグラフィーを用いて純度試験を実施し、類縁物質量を算出した。比較例4、実施例4及び実施例5の個々の総類縁物質量を表2に示す。
Figure 2016138088
表2の結果より、比較例4、実施例4及び実施例5のいずれも、錠剤中のエンテカビル由来の類縁物質の生成が抑制されていた。しかしながら、エンテカビル水和物を粉添加した比較例4のエンテカビル含有錠剤は、製造工程中において2%の有効成分含量のロスが発生したのみならず、エンテカビルの溶出率が低下する傾向を示した。
(溶出試験)
実施例4のエンテカビル含有錠剤について、第16改正日本薬局方 溶出試験法 パドル法に準じ、有効成分であるエンテカビルの所定時間当りの溶出率を測定した。溶出試験液として精製水を用いて、5分値、10分値、15分値及び30分値の溶出率を測定した。また、実施例4について、錠剤を無包装で初期状態(initial)、40℃、75%RHの条件下で1ヶ月、40℃、75%RHの条件下で6ヶ月保管した後の同値を測定した。実施例4の測定結果を図1に示す。
図1より、実施例4のエンテカビル含有錠剤は40℃、75%RHの条件下で1ヶ月、40℃、75%RHの条件下で6ヶ月保存した後でも、溶出遅延は認められなかった。
(実施例6)
実施例6として、1錠中にエンテカビル水和物0.53mg(エンテカビルとして0.5mg)を有効成分として含有する錠剤を以下のように製造した。まず、流動層造粒機(MP−01型、フロイント産業株式会社)にて、D−マンニトール(マンニットP、三菱商事フードテック株式会社)149.01g及び結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ株式会社)105gを混合した。得られた混合物に、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC(L)、日本曹達株式会社)7.5g、スクラロース(P、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)1.5gを精製水142.5gに溶かした水溶液にエンテカビル水和物1.59gを懸濁させた液(エンテカビル濃度は約1.0%)を造粒液として噴霧し、造粒及び乾燥を行った。得られた造粒物を篩22号で整粒し、この整粒物にトウモロコシデンプン(コーンスターチXX16(W)、日本食品化工)27.0g、クロスポビドン(コリドンCL−F、BASF社)6.0g、及びステアリン酸マグネシウム(太平化学製品株式会社)2.4gを加えビニール袋にて混合し、打錠することにより、錠剤重量100mgの口腔内崩壊錠を得た。
このエンテカビル含有口腔内崩壊錠の口腔内崩壊時間は26秒であり、また、流通過程並びに日常の取り扱いに十分耐えうる錠剤硬度6.4kgを有していた。
以上説明したように、本発明に係るエンテカビル含有錠剤は、糖アルコールを添加することにより、エンテカビル由来の類縁物質の生成が有意に抑制され、安定性の向上を実現することができる。また、本発明のエンテカビル含有錠剤は安定性が高いため、錠剤にフィルムコーティングを施す必要がない。さらには、本発明に係るエンテカビル含有造粒物を用いることにより、口腔内崩壊錠とすることができる。

Claims (9)

  1. エンテカビルと、糖アルコールと、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース及びポビドンから選択される結合剤と、を含有する医薬組成物からなることを特徴とする、エンテカビル含有錠剤。
  2. 前記糖アルコールは、D−マンニトールであることを特徴とする、請求項1に記載のエンテカビル含有錠剤。
  3. 前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする、請求項1または2に記載のエンテカビル含有錠剤。
  4. 前記エンテカビル含有錠剤は、口腔内崩壊錠であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一に記載のエンテカビル含有錠剤。
  5. エンテカビルと、糖アルコールと、を含有する造粒物からなる錠剤の製造方法であって、
    エンテカビル水和物をヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース及びポビドンから選択される結合剤を含む溶液中に溶解又は懸濁させて造粒液を調製し、
    前記造粒液を用いて糖アルコールを含む混合物を造粒し、前記造粒物を調製すること、を含むエンテカビル含有錠剤の製造方法。
  6. 前記糖アルコールがD−マンニトールであることを特徴とする、請求項5に記載のエンテカビル含有錠剤の製造方法。
  7. 前記結合剤がヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする、請求項5または6に記載のエンテカビル含有錠剤の製造方法。
  8. 前記造粒液が懸濁液であることを特徴とする、請求項5乃至7の何れか一に記載のエンテカビル含有錠剤の製造方法。
  9. 前記エンテカビル含有錠剤が口腔内崩壊錠であることを特徴とする、請求項5乃至8の何れか一に記載のエンテカビル含有錠剤の製造方法。
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