JP2016137874A - ステアリング装置及びそれを備えた車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、その場旋回等の特殊転舵に対応できるようにする。【解決手段】車両の後輪の左右車輪wに接続される後輪専用ステアリング装置20において、左右車輪wを転舵するタイロッド22と、タイロッド22間にそれぞれ接続される対のラックバーと、対のラックバーの両方に噛合う少なくとも1つのピニオンギアと、ピニオンギアを回転駆動させるモータ30とを備え、モータ30の駆動力により、対のラックバーをそれぞれラックの歯の並列方向に沿って反対方向へ等距離移動させて、後輪の左右車輪wを互いに相反する方向へ転舵するようにした。ピニオンギアは複数配置され、モータ30からの駆動力によって常に同方向に同角度回転する。また、モータギアの回転をロック、及び、そのロックを解除する回転ロック機構を備えた。【選択図】図2
Description
この発明は、後輪を転舵するステアリング装置、及び、それを備えた車両に関するものである。
左右の車輪(以下、タイヤ、ホイール、ハブ、インホイールモータ等を含めて総合的に「車輪」と称する。)を結ぶステアリングリンク機構を用いて車輪を転舵するものに、アッカーマン・ジャントウ式と呼ばれる転舵機構がある。この転舵機構は、車両の旋回時に、左右の車輪が同一旋回中心をもつように、タイロッドとナックルアームを用いるものである。
また、タイロッドの長さ、左右のタイロッド間の距離、又は、各車輪とナックルアームの成す角度のいずれかを変化させるアクチュエータを設けた転舵機構がある。この転舵機構によれば、通常走行、平行移動、小回りのすべての走行がスムーズに行え、かつ、応答性に優れている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、前後輪の左右車輪間にそれぞれ配置され、軸心周りに回転可能で左右に2分割されたラックバーと、その2分割されたラックバー間に正逆切り替え手段とを備えた転舵機構がある。正逆切り替え手段は、分割されたラックバーの一方の回転を、他方に正逆方向へ切り替えて伝達することができる。この転舵機構によれば、舵角90度等の動きが可能となる(例えば、特許文献2参照)。
なお、前輪の転舵に応じてアクチュエータが作動して、後輪を転舵するようにした4輪転舵車両の技術がある(例えば、特許文献3参照)。
従来の一般的なステアリング機構では、車両のその場旋回等を求める場合、車輪を前後方向に対して90度の方向に操舵することは、ステアリングリンクの長さや他部材との干渉から困難である。このため、その場旋回等の特殊転舵は困難である。
ここで、特許文献1に記載の技術では、車両のその場旋回、小回り等が可能である。しかし、タイロッド長さ、左右タイロッド間距離あるいは車輪とナックルアームのなす角を変化させるアクチュエータを備えるため、アクチュエータが多く制御が複雑である。
また、特許文献2は、その機構上、構造が複雑であるだけでなく、ラックバーの回転で車輪を転舵するために、多数の歯車を使用している。このため、ガタが発生しやすく、円滑に車輪の転舵をすることが困難である。
また、特許文献3は、従来の4輪転舵機構の一例である。この技術では、後輪転舵が可能となるが、この機構だけでは上述する同じ理由によりその場旋回をすることは困難である。
そこで、この発明は、4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、その場旋回等の特殊転舵に対応することを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明のステアリング装置は、車両の後輪の左右車輪に接続される後輪専用ステアリング装置であって、前記後輪の左右車輪を転舵するタイロッドと、前記後輪の左右車輪のタイロッド間にそれぞれ接続される対のラックバーと、前記対のラックバーの両方に噛合う少なくとも1つのピニオンギアと、前記ピニオンギアを回転駆動させるモータとを備え、前記モータの駆動力により、前記対のラックバーをそれぞれラックの歯の並列方向に沿って反対方向へ等距離移動させることにより前記後輪の左右車輪を互いに相反する方向へ転舵するステアリング装置を採用した。
左右に独立して移動可能な2つのラックバーの端に、それぞれタイロッドを介して後輪の左右車輪を接続し、2つのラックバーを車両の車体に対して互いに反対方向へ移動させることにより、後輪の左右車輪を互いに相反する方向へ転舵可能とした。これにより車両は、その場旋回等の特殊転舵が可能となる。
また、後輪専用としては、前輪のような通常転舵(左右車輪を互いに同方向へ転舵する動作)は必ずしも必要ないので、2つのラックバーを車両の車体に対して同方向へ移動させる機構は不要である。このような後輪専用のステアリング装置の設計により、ラックバーの本数やギアの数を減らし、構造の簡易化、コストの低減を実現できる。
上記後輪専用のステアリング装置において、前記ピニオンギアは前記対のラックバーの対向するラックの歯間に配置され、同歯数の前記ピニオンギアが複数個配置される構成を採用することができる。
また、これらの後輪専用のステアリング装置の各構成において、前記複数個のピニオンギアは、前記モータからの駆動力によって、常に同方向に同角度回転する構成を採用することができる。
また、これらの各構成において、前記複数個のピニオンギアから選択される2つのピニオンギアの中央に、前記モータの駆動力が入力されるモータギアを配置し、前記モータギアから前記複数個のピニオンギアに駆動力が伝達される構成を採用することができる。
ここで、前記モータギアの歯数は、前記複数個のピニオンギアの歯数よりも少なく設定される構成を採用することができる。また、前記モータギアの回転をロック、及び、そのロックを解除する回転ロック機構を備えた構成を採用することができる。
上記の各構成からなる後輪専用のステアリング装置を、後輪の左右車輪に接続した車両を採用することができる。
左右に独立して移動可能な2つのラックバーの端に、それぞれタイロッドを介して後輪の左右車輪を接続し、2つのラックバーを車両の車体に対して互いに反対方向へ移動させることにより、後輪の左右車輪を互いに相反する方向へ転舵可能とした。この構成からなるステアリング装置を後輪の左右車輪に接続することにより、車両は、その場旋回や車輪舵角90度以上等の特殊転舵が可能となる。
また、後輪専用としては、前輪のような通常転舵は必ずしも必要ないので、2つのラックバーを車両の車体に対して同方向へ移動させる機構は不要である。このような後輪専用のステアリング装置の設計により、ラックバーの本数やギアの数を減らし、構造の簡易化、コストの低減を実現できる。
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態において、車両1の前後左右すべての車輪wのホイール内にインホイールモータMを装着している。インホイールモータMは、それぞれ別々に回転速度、回転方向の制御が可能であることから、この車両1では、様々な移動パターンが可能となっている。
図1は、この実施形態のステアリング装置を用いた車両1のイメージ図を示す。超小型モビリティで2人乗車(横並び二人乗り)の車体を示している。車両1はステアリング2の操作によって、ステアリングシャフト3を介して車輪wを転舵できるようになっている。ただし、この発明は、超小型モビリティに限定されるものではなく、通常車両にも適応可能である。
図2は、実施形態の車両1の駆動系を示す平面略図である。この実施形態は、前輪の左右車輪w(FL,FR)には、タイロッド12を介して前輪専用のステアリング装置10を、後輪の左右車輪w(RL,RR)には、タイロッド22を介して後輪専用のステアリング装置20を接続している。
前輪専用のステアリング装置10には、通常転舵、すなわち、通常の移動モードにおいて前輪の左右車輪w(FL,FR)を互いに同方向へ転舵して車両の進行方向を制御できる機能を備えている。
後輪専用のステアリング装置20は、通常の移動モードでは、後輪の左右車輪w(RL,RR)を、車両1の車体の前後方向に平行に保持するように設定する機能と、特殊な移動モードでは、後輪の左右車輪w(RL,RR)を互いに相反する方向へ転舵する特殊転舵の機能を備えている。このように後輪専用のステアリング装置20は、平行保持機能と特殊転舵機能のみを備えている。
ただし、前述の種々の特殊な移動モードを、一部の移動モードに限定するような車両の場合には、前輪専用のステアリング装置10に、通常転舵のみを行う一般的なステアリング装置を採用する形態も考えられる。
後輪専用のステアリング装置20は、左右車輪wを転舵するために2つのラックバーが備えられている。図6及び図7に示すように、車両1の車体の前後方向に対して、右側の車輪wに接続されるラックバーを第一のラックバー53と、左側の車輪wに接続されるラックバーを第二のラックバー54と称する。なお、図2において紙面左方向が車両1の前方方向になる。後の図3、図4、図5、図6においても同様に、紙面左方向が車両1の前方方向である。
後輪の左右車輪wには、それぞれタイロッド22を介して各ラックバー53,54の接続用部材21がヒンジ接続されている。タイロッド22と車輪wとの間には、適宜ナックルアーム等の各種部材が介在する。
図8は、インホイールモータMが収容された車輪wとタイロッド22との接続状態を示す。すべての車輪wは、それぞれ車両1のフレームに支持されたアッパーアームUAとロアアームLAの先端に設けられたボールジョイントBJの中心線を結んだキングピン軸Pを中心軸として、転舵が可能となっている。インホイールモータMは、車体内側から車輪wに向かって、モータ部101、減速機102、車輪用軸受103が順番に直列に配置されている。
第一のラックバー53と第二のラックバー54は、図6及び図7に示すように、後輪専用のステアリング装置20において、車両1の直進方向(前後方向)に対して左右方向(幅方向)に伸びるラックケースC内に収容されている。ラックケースCは車両1の図示しないフレームに不動に支持されている。
なお、ラックケースCの車両1への支持は、例えば、ラックケースCに設けられたフランジ部を介して、車両1のフレームに直接又は間接的にネジ固定とすることができる。
第一のラックバー53と第二のラックバー54の間には、その第一のラックバー53と第二のラックバー54の両方のラックの歯53a,54aに噛合うピニオンギア55が設けられている。この実施形態では、第一のラックバー53と第二のラックバー54の対向するラックの歯53a,54a間に、二つのピニオンギア55(第一のピニオンギア55a、第二のピニオンギア55b)が配置されている。ピニオンギア55は、第一のラックバー53と第二のラックバー54の間に、少なくとも一つ配置されていればよいが、この実施形態のように二つ、あるいは、それ以上配置されていると、各ラックバー53,54同士の相対移動が安定する。
また、後輪専用のステアリング装置20は、ピニオンギア55を回転駆動させるモータ(電動機)30を備えている。モータ30の駆動力により、第一のラックバー53と第二のラックバー54を、それぞれラックの歯53a,54aの並列方向に沿って反対方向へ等距離だけ移動させることができるようになっている。これにより、後輪の左右車輪wを、車両1の左右方向に対して互いに相反する方向へ転舵することができる。
モータ30の駆動力をピニオンギア55に伝達するために、図6に示すように、第一のピニオンギア55aと第二のピニオンギア55bの中央に、モータ30の駆動力が入力されるモータギア33が配置されている。モータ30の駆動軸の回転が、モータギア33の回転軸に伝達されるように、駆動力伝達経路が接続されている。また、モータギア33と各ピニオンギア55との間には、それぞれ同期ギア56(第一の同期ギア56a、第二の同期ギア56b)が設けられている。同期ギア56はモータギア33と各ピニオンギア55とのみ噛み合っており、ラックバー53および54のラックの歯53a,54aには噛み合っていない。
モータ30からの駆動力によってモータギア33が回転し、そのモータギア33の回転は、同期ギア56を通じて各ピニオンギア55に伝達される。なお、同期ギア56の設置は、必要に応じて省略することもできる。
この実施形態では、第一のピニオンギア55aと第二のピニオンギア55bは同歯数である。両者は、同一の形状、大きさからなる共通仕様の歯車で構成されている。また、第一の同期ギア56aと第二の同期ギア56bも同歯数である。両者は、同一の形状、大きさからなる共通仕様の歯車で構成されている。
このため、二つのピニオンギア55は、モータ30からの駆動力によって、常に同方向へ同角度回転する。三つ以上のピニオンギア55を配置する場合においても、モータ30からの駆動力によって、全てのピニオンギア55が常に同方向へ同角度回転するように設定するのが望ましい。
この実施形態では、モータギア33の歯数は、ピニオンギア55の歯数よりも少なく設定されている。モータギア33の歯数が、ピニオンギア55の歯数よりも少なければ、モータギア33とピニオンギア55の間で減速させることができる。また、通常走行時の後輪保持時には、ピニオンギア55a,55bのそれぞれがラックバー53,54の両方に噛み合うことができるので、安定して保持することができる。
また、モータ30とモータギア33との間の駆動力伝達経路には、モータ減速機31が備えられている。このため、モータ30の回転は減速されて、適切なトルクでモータギア33に伝達されるようになっている。
また、モータギア33の回転軸には、その回転軸の回転をロック、及び、そのロックを解除する回転ロック機構32(図7(a)参照)が備えられている。
回転ロック機構32は、第一のラックバー53と第二のラックバー54との相対位置が任意の位置にある状態で、モータギア33の軸周りの回転をロックする(規制する)機構である。この回転ロック機構32の構成は特に限定されないが、例えば、モータギア33との間で、噛合状態(ロック状態)と噛合解除状態(ロック解除状態)を切り替えることが可能な固定歯等の係合手段とすることができる。
このように、回転ロック機構32の機能によって、モータギア33が軸周りに回転しない状態になれば、モータギア33に直接及び間接的に嵌合しているギアはすべてロックされ、このため、第一のラックバー53と第二のラックバー54との相対移動も固定される。これにより、後輪の左右車輪wが任意の転舵位置にある状態で、第一のラックバー53と第二のラックバー54とが不用意に左右に移動するのを防止して、種々の移動モードにおける移動を安定させることができる。
なお、この回転ロック機構32は、モータギア33に係合してそのモータギア33の回転をロックするものに限定されず、例えば、第一のラックバー53と第二のラックバー54とに直接噛み合って、その第一のラックバー53と第二のラックバー54の左右への相対的な移動をロックするものとしてもよい。
図7は、後輪専用のステアリング装置20の詳細図である。装置の中央にモータ30が備えられ、そのモータ30に隣接して、第一のラックバー53と第二のラックバー54との並列部分の上方にモータ減速機31が備えられている。モータギア33は、モータ減速機31の真下に配置されている。モータ30の駆動軸の回転により、モータ減速機31、モータギア33を介して、ラックケースC内の第一のラックバー53と第二のラックバー54が移動する。
図7(a)に示すように、回転ロック機構32は、モータギア33の真下に設けられている。回転ロック機構32を構成する前記固定歯(図示せず)が、モータギア33に向かって進退したり、あるいは、定位置で回転したりすることにより、前述のモータギア33との間の噛合状態と噛合解除状態との切り替えが行われる。
図7(b)は、ラックケースC上部の蓋と、モータ30及びモータ減速機31を取り外し、その状態を上面から見た一部切断平面図である。図中の中央にモータギア33が設けられ、その両側にそれぞれ同期ギア56、ピニオンギア55が順に設けられている。二つのピニオンギア55は、それぞれ第一のラックバー53と第二のラックバー54のラックの歯53a,54aに噛み合っている(図6参照)。モータギア33が回転すると、二つのピニオンギア55が等速で回転し、ピニオンギア55に嵌合している第一のラックバー53と第二のラックバー54が等速で等距離だけ互いに反対方向へ移動する。
ここで、第一のラックバー53と第二のラックバー54は、それぞれ伸縮自在の保護カバー23で覆われているので、ラックの歯53a,54aや潤滑用のグリース等の付着部分が外部へ露出しないようになっている。
図6(a)は、第一のラックバー53と第二のラックバー54の先端がそれぞれ最も後退した状態を示す。この状態は、左右車輪wの向きが車両1の前後方向と平行な状態である。図6(b)は、第一のラックバー53と第二のラックバー54の先端がそれぞれ突出した状態を示す。
以下、これらの各構成からなるステアリング装置10,20を、車両1に装着した場合のいくつかの移動モードについて説明する。
(通常走行モード)
図2に示す直進状態の車輪w位置で、運転者がステアリング2の操作を行うと、図3に示すように、前輪の左右車輪wが、右方向へ又は左方向へと転舵される。図3は、右方向に転舵した場合を示す。図2および図3に示す通常走行モードでは、後輪専用のステアリング装置20において、後輪の左右車輪w(RL,RR)を、車両1の車体の前後方向に平行に保持するように設定して、モータギア33の回転は回転ロック機構32(図7参照)によりロックされているので、前輪専用のステアリング装置10によって通常走行、すなわち、通常の車両と同等の走行が可能である。
図2に示す直進状態の車輪w位置で、運転者がステアリング2の操作を行うと、図3に示すように、前輪の左右車輪wが、右方向へ又は左方向へと転舵される。図3は、右方向に転舵した場合を示す。図2および図3に示す通常走行モードでは、後輪専用のステアリング装置20において、後輪の左右車輪w(RL,RR)を、車両1の車体の前後方向に平行に保持するように設定して、モータギア33の回転は回転ロック機構32(図7参照)によりロックされているので、前輪専用のステアリング装置10によって通常走行、すなわち、通常の車両と同等の走行が可能である。
すなわち、通常走行モードでは、運転者のステアリング2の操作により、前輪専用のステアリング装置10を通じて、直進、右折、左折、その他、各場面に応じた必要な転舵が可能である。
(その場旋回モード)
その場旋回モードを図4に示す。回転ロック機構32(図7参照)によるロックを解除することで、第一のラックバー53と第二のラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モータ30の駆動力によってモータギア33が回転すると、第一のラックバー53と第二のラックバー54はそれぞれその先端が突出する方向へ、互いに相反する方向へ等距離だけ移動する。後輪の左右車輪wの中央軸が、車両1の前後方向に向く前輪の左右車輪wの中心軸と、車両1の幅方向中心軸とが交わる点に向くまで、第一のラックバー53と第二のラックバー54を移動させたのち、回転ロック機構32によりモータギア33の回転を固定する。この状態で、後輪の左右車輪wに備えられたインホイールモータMの駆動力によって、車両1は、前輪の左右車輪wの中心軸と車両1の幅方向中心軸が交わる点を旋回中心として、その場旋回が可能となる。
その場旋回モードを図4に示す。回転ロック機構32(図7参照)によるロックを解除することで、第一のラックバー53と第二のラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モータ30の駆動力によってモータギア33が回転すると、第一のラックバー53と第二のラックバー54はそれぞれその先端が突出する方向へ、互いに相反する方向へ等距離だけ移動する。後輪の左右車輪wの中央軸が、車両1の前後方向に向く前輪の左右車輪wの中心軸と、車両1の幅方向中心軸とが交わる点に向くまで、第一のラックバー53と第二のラックバー54を移動させたのち、回転ロック機構32によりモータギア33の回転を固定する。この状態で、後輪の左右車輪wに備えられたインホイールモータMの駆動力によって、車両1は、前輪の左右車輪wの中心軸と車両1の幅方向中心軸が交わる点を旋回中心として、その場旋回が可能となる。
図では、前後輪の左右車輪wにそれぞれインホイールモータMを装備しているが、後輪の左右車輪wのみでも駆動する。その場旋回モードにおいては、少なくとも後輪の左右車輪wどちらか1つにインホイールモータMが装備され作動されれば、その場旋回が可能である。
(坂道でのパーキングモード)
坂道でのパーキングモードの例を図5に示す。図5の転舵状態は、その場旋回モードと同様に、回転ロック機構32(図7参照)によるロックを解除し、モータ30の駆動力によってモータギア33を回転させて、第一のラックバー53と第二のラックバー54のそれぞれの先端を最大位置まで突出させて、後輪の左右車輪wの中央軸を、車両1の前後方向から90°以上向けたのち、回転ロック機構32によりモータギア33の回転を固定している。この状態では、車両1は走行できないので、例えば、坂道でのパーキング時にこの設定とすることができる。
坂道でのパーキングモードの例を図5に示す。図5の転舵状態は、その場旋回モードと同様に、回転ロック機構32(図7参照)によるロックを解除し、モータ30の駆動力によってモータギア33を回転させて、第一のラックバー53と第二のラックバー54のそれぞれの先端を最大位置まで突出させて、後輪の左右車輪wの中央軸を、車両1の前後方向から90°以上向けたのち、回転ロック機構32によりモータギア33の回転を固定している。この状態では、車両1は走行できないので、例えば、坂道でのパーキング時にこの設定とすることができる。
さらに他の機能として、例えば、車両1を制御する電子制御ユニット(ECU)が、車両1が高速走行中であることを認識した時は、そのECUの出力に基づき、後輪の左右車輪wを、平行状態よりも前方側がわずかに閉じた状態(トーイン状態)に設定することができるようにした構成も考えられる。この機能を付加すれば、安定した高速走行が可能となる。このトー調整は、ECUによる車速や車軸にかかる荷重等の走行状態の判断に基づき自動的に行われるようにしてもよいし、運転者の操作による入力信号に基づいて行われるようにしてもよい。
上記に記載した種々の運転モードは例であり、それ以外にも、これらの機構を用いた様々な制御が可能となる。
上記の実施形態では、ピニオンギア55は、第一のラックバー53と第二のラックバー54の対向するラックの歯53a,54a間に直接噛み合っている構成を説明したが、ピニオンギア55は、第一のラックバー53と第二のラックバー54の対向するラックの歯53a,54a間に間接的に噛み合っている態様も考えられる。例えば、ピニオンギア55は、第一のラックバー53のラックの歯53aや、第二のラックバー54のラックの歯54aに対して、別のギアを介して間接的に噛み合っていてもよい。このとき、ピニオンギア55が複数設けられている場合は、その各ピニオンギア55の回転により、モータ30からの駆動力によって、第一のラックバー53と第二のラックバー54とが、互いに反対方向に等速で等距離だけ互いに移動することが望ましい。
1 車両
2 ステアリング
3 ステアリングシャフト(操作軸)
10 前輪専用のステアリング装置
11,21 接続用部材
12,22 タイロッド
20 後輪専用のステアリング装置
30 モータ
31 モータ減速機
32 回転ロック機構
33 モータギア
53 第一のラックバー
54 第二のラックバー
55 ピニオンギア
56 同期ギア
w 車輪
2 ステアリング
3 ステアリングシャフト(操作軸)
10 前輪専用のステアリング装置
11,21 接続用部材
12,22 タイロッド
20 後輪専用のステアリング装置
30 モータ
31 モータ減速機
32 回転ロック機構
33 モータギア
53 第一のラックバー
54 第二のラックバー
55 ピニオンギア
56 同期ギア
w 車輪
Claims (7)
- 車両の後輪の左右車輪に接続される後輪専用ステアリング装置であって、前記後輪の左右車輪を転舵するタイロッドと、前記後輪の左右車輪のタイロッド間に、それぞれ接続される対のラックバーと、前記対のラックバーの両方に噛合う少なくとも1つのピニオンギアと、前記ピニオンギアを回転駆動させるモータとを備え、
前記モータの駆動力により、前記対のラックバーをそれぞれラックの歯の並列方向に沿って反対方向へ等距離移動させることにより前記後輪の左右車輪を互いに相反する方向へ転舵するステアリング装置。 - 前記ピニオンギアは前記対のラックバーの対向するラックの歯間に配置され、同歯数の前記ピニオンギアが複数個配置される請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記複数個のピニオンギアは、前記モータからの駆動力によって、常に同方向に同角度回転することを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記複数個のピニオンギアから選択される2つのピニオンギアの中央に、前記モータの駆動力が入力されるモータギアを配置し、前記モータギアから前記複数個のピニオンギアに駆動力が伝達される請求項2又は3に記載のステアリング装置。
- 前記モータギアの歯数は、前記複数個のピニオンギアの歯数よりも少なく設定される請求項4に記載のステアリング装置。
- 前記モータギアの回転をロック、及び、そのロックを解除する回転ロック機構を備えた請求項4又は5に記載のステアリング装置。
- 請求項1から6のいずれか一つに記載のステアリング装置を、後輪の左右車輪に接続した車両。
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