<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「大当たりB」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(たとえば、100変動回数)は普通図柄の時短状態となる時短大当たりのことである。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率変動中(特別図柄の確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。一方で、「特別図柄の低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「特別図柄の低確率状態」のうちの普通図柄の時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで普通図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。なお、普通図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)に移行する「大当たりA」の場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われ、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態に移行する「大当たりB」の場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、5回(5ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
図7(a)は、主制御装置110のROM202の内容の一部を模式的に示した図である。図7(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり図示せず乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。なお、この第1当たり乱数テーブル202aの詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述する。第1当たり種別選択テーブル202b(図7(b))は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細については、第1当たり種別カウンタC2の説明と共に後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図7(c))は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。なお、この第2当たり乱数テーブル202cの詳細については、第2当たり乱数カウンタC4の説明と共に後述する。変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図16参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図24参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図16参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202内に設けられる第1当たり乱数テーブル202a(図7(a)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
図6に戻って説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。ここで、第1当たり乱数カウンタC1の値が特別図柄の大当たりとなる乱数か否かは、第1当たり乱数テーブル202a(図7(a)参照)により規定されている。また、第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)と、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)とが設けられ、特別図柄の低確率時か特別図柄の高確率時かに応じて第1当たり乱数テーブル202aの種類が使い分けられている。
特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の大当たりとなる3つの乱数値として、「7,307,582」が格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が900ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の大当たりとなる30個の乱数値として、「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が900ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、主制御装置110のROM202内に設けられた第1当たり種別選択テーブル202b(図7(b)参照)により、第1当たり種別カウンタC2の値毎に大当たり種別が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図24参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA用の変動パターンとして、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図7(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用の第2当たり乱数テーブル202c(図7(c)参照)と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用の第2当たり乱数テーブル202c(図7(c)参照)との2種類に分けられ、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図7(c)に示すように、普通図柄の低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cには、普通図柄の当たりとなる乱数値が24個格納されており、その範囲は「5〜28」となっている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、当たりとなる乱数値の総数が24なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cには、普通図柄の当たりとなる乱数値が200個格納されており、その範囲は「5〜204」となっている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図16参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図24参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図24参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図25参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図5に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、確変フラグ203fとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測(推定)する。
そして、予測した各種情報を入賞情報コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113が、入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに記憶する。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図18のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図18のS206、図20のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図21のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図20のS605参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図21のS705)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図21のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「大当たりB」と判定される度に、時短中カウンタ203eに100が設定される。即ち、「大当たりB」になった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、時短中カウンタ203eに100が新たに設定される。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203eの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図20のS610,S611参照)。
確変フラグ203fは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203fがオンであれば、特別図柄の高確率状態であることを示し、確変フラグ203fがオフであれば、特別図柄の低確率状態であることを示す。この確変フラグ203fは、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、「大当たりA」と判定された場合にオンされ、「大当たりB」と判定された場合にオフされる(図17のS213,S214参照)。
特別図柄の大当たり抽選が行われる場合には、確変フラグ203fがオンであるか否かが参照され、オンであれば高確率時用の第1当たり種別選択テーブル202bに基づいて特別図柄の大当たり抽選が行われる一方、確変フラグ203fがオフであれば、低確率時用の第1当たり種別選択テーブル202bに基づいて特別図柄の大当たり抽選が行われる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、計時装置262などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222a(図示せず)と、演出切替テーブル222b(図8参照)とが格納されている。
変動パターンテーブル222aは、第3図柄表示装置81に表示される変動パターンの態様を決定するために用いられるテーブルである。ここで、主制御装置110からの変動パターンコマンドにより、「外れノーマルリーチ」、「共用ノーマルリーチ」、「共用スペシャルリーチ」等の大まかな変動パターンの態様が音声ランプ制御装置113に通知される。変動パターンテーブル222aは、変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターンの態様に基づいて、変動パターンの詳細な態様を定めるために用いられるものであり、変動パターンコマンドにより通知される変動パターンの大まかな態様毎に、選択し得る複数の詳細な変動パターンの態様が規定されている。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時刻が計時装置262により計時(計測)されている。そして、その計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づき、一定時間経過毎に第3図柄表示装置81に表示される変動パターンの態様や背景画像等の演出態様を、特別な演出態様に変更するように制御を行っている。このため、変動パターンテーブル222aには、特別な演出態様の変動パターンと、通常の演出態様の変動パターンとが規定されている。そして、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて、特別な演出態様で演出が実行されると判断される場合は、変動パターンテーブル222aの、特別な演出態様の変動パターンの中から1の変動パターンの態様が選択される。一方、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて、特別な演出態様で演出が実行されない(即ち、通常の演出態様で演出が実行される)と判断される場合には、変動パターンテーブル222aの、通常の演出態様の変動パターンの中から1の変動パターンの態様が選択される。
即ち、変動パターンテーブル222aには、主制御装置110からの変動パターンコマンドにより通知される変動パターンの大まかな態様毎に、複数の詳細な態様が規定されており、その複数の詳細な態様には、通常の演出態様の変動パターンの態様と、特別な演出態様の変動パターンの態様とが規定されている。
次に、図8を参照して、演出切替テーブル222bについて説明する。上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて、演出態様を通常の演出態様とするか特別な演出態様とするかを判断している。そして、演出切替テーブル222bは、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出を、通常の演出態様で行わせるか、特別な演出態様で行わせるかを決定するために用いられる。
この演出態様の決定は、音声ランプ制御装置113のMPU221で実行されるメイン処理の経過時間確認処理(図28のS1311参照)の中で行われ、図8に示す演出切替テーブル222bの判定値と、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて判断される経過時間T(図29のS1602参照)とに応じて演出態様が特定される(図29のS1603参照)。
図8は、ROM222に記憶される演出切替テーブル222bの一例を模式的に示した図である。図8に示すように、演出切替テーブル222bでは、演出期間の種別が、遊技機に対する電源投入を行った後の経過時間Tの値に対応付けられて規定されている。経過時間Tの値が通常演出期間を示すものであった場合は、後述する音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた特別演出フラグ223e、及び表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた表示用特別演出フラグ233kがオフとなる。そして、これらのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が通常の演出態様で行われる。一方、経過時間Tの値が特別演出期間を示すものであった場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた特別演出フラグ223e、及び表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた表示用特別演出フラグ233kがオンとなる。そして、これらのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が特別な演出態様で行われる。
図8に示す通り、本実施形態では、電源投入から60分以内の場合は通常演出期間であり、60分が経過してからの10分間は特別演出期間とされる。そして、その特別演出期間とされる10分間が経過した後は再び通常演出期間とされ、その通常演出期間が50分間継続する。そして、以降は10分間の特別演出期間と50分間の通常演出期間とが交互に繰り返される。
このように、電源投入直後の60分間を除き、1時間遊技をしていれば必ず異なる演出期間に切り替わるので、演出期間が切り替わったことにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、長時間遊技を行っていても同じような演出しか発生せず、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、10分間の特別演出期間と50分間の通常演出期間とが周期的に繰り返されるので、遊技者は特別演出期間となる時間帯や通常演出期間となる時間帯を容易に把握することができる。よって、各遊技者に対して、自分の趣向に合った演出態様の演出が行われる演出期間を狙って遊技を開始させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図8において経過時間Tが180分以降における経過時間Tと演出期間との対応関係を省略して記載しているが、実際には180分以降も、10分間の特別演出期間と50分の通常演出期間とが交互に繰り返されるように設定される。この演出切替テーブル222bにおける経過時間Tの範囲は最低限ホールの1日の営業時間分だけ設定されていればよく、例えば経過時間Tが1440分(24時間)未満の範囲で経過時間Tと演出期間との対応関係を設定しておいても良いし、数日分の対応関係を設定しておいてもよい。また、演出期間の種類は必ずしも通常演出期間と特別演出期間との2種類に限られるものではなく、実行される演出の態様が互いに異なる3種類以上の演出期間を設けても良い。
更に、本実施形態では経過時間Tの値毎に演出期間の種別を規定したテーブルを規定しているが、必ずしも全てのTの値に対応させたテーブルを用意しておかなくても良い。例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲とを1種類ずつ規定しておき、経過時間Tの値が規定されている値の範囲外となる際は、規定されている経過時間Tの値の範囲に所定の値を加算するように構成しても良い。具体例としては、例えば、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲を0分00秒〜50分00秒、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲を50分00秒〜60分00秒と規定しておき、経過時間Tの値が60分00秒に達する際に、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲と、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲とにそれぞれ60分00秒を加算し、60分00秒〜120分00秒までの経過時間Tの値の範囲における演出期間の種別を再設定するように制御しても良い。
より詳述すると、演出切替テーブル222bには、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は0分00秒〜50分00秒であり、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲は50分00秒〜60分00秒であるとの情報のみが規定される。そして、電源投入に基づいて、演出切替テーブル222bに規定された情報がRAM223の所定の領域に複製され、その複製された情報に基づいて演出期間の種別が判別される。そして、経過時間Tが、複製された情報に規定されている経過時間Tの値の最大値である60分00秒に達する場合には、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新する。即ち、通常演出期間となる経過時間Tの値の範囲は60分00秒〜110分00秒であり、特別演出期間となる経過時間Tの値の範囲は110分00秒〜120分00秒であるとの情報に更新される。以降、60分00秒が経過する毎に、複製された情報に60分00秒を加えて新たな情報に更新するように制御し、更新された情報と、経過時間Tとに基づいて演出期間の種別を判別する。
この場合、演出切替テーブル222bのデータ量が少なくなるため、ROM222の容量を削減することができる。よって、ROM222の低価格化を図ることができる。
図5に戻って説明を続ける。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dと、特別演出フラグ223eと、時刻情報格納エリア223fとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図31のS1407参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図32のS2701参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図30のS1702参照)。また、変動開始フラグ223cは、パチンコ機10への電源供給が断された電断状態となった場合にもオフされる。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図31のS1404参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図30のS1707参照)。また、停止種別選択フラグ223dは、パチンコ機10への電源供給が断された電断状態となった場合にもオフされる。
特別演出フラグ223eは、現在の演出期間が特別演出期間であるか否かを示すフラグである。この特別演出フラグ223eは、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の経過時間確認処理(図28のS1311参照)の中で、演出切替テーブル222bに基づいて、通常演出期間から特別演出期間へ切り替わると判別される場合にオンされる(図29のS1610参照)。一方、演出切替テーブル222bに基づいて、特別演出期間から通常演出期間へ切り替わると判別される場合にオフされる(図29のS1606参照)。また、特別演出フラグ223eは、パチンコ機10への電源供給が断された電断状態となった場合にもオフされる。特別演出フラグ223eがオンされると、特別演出コマンドが出力されるので(図29のS1611参照)、その特別演出コマンドを受信することに基づいて、表示制御装置114等は、ラウンド演出やデモ演出等の演出を特別な演出態様で実行する。そして、その特別な演出態様は、表示制御装置114等が、特別演出フラグ223eがオフされることに基づいて出力される通常演出コマンド(図29のS1607参照)を受信するまで継続する。
特別演出フラグ223eがオンであるかオフであるかによって、特別演出期間であるか通常演出期間であるかが示されるので、コマンド判定処理(図30参照)の変動パターン選択処理(図30のS1402参照)において、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンの態様を選択する際に、計時装置262の計時情報(時刻情報)を確認して特別演出期間であるか否かを判別する必要が無く、単に特別演出フラグ223eがオンであるか否かを確認するだけで良い。よって、変動パターンの態様を選択するための処理を簡素化し、処理負荷を軽減することができる。
なお、ホールにおいて、本実施形態のパチンコ機10を複数並べて(島を構成させて)設置しておけば、島を構成する複数のパチンコ機10によって実行される演出の演出態様を、時間帯に応じて一斉に異なる演出態様に切り替える(島連動する)ことができる。島連動を行うことにより、遊技を行うタイミングに応じて、表示演出(背景や第3図柄の表示態様、予告を行うキャラクター等)、音声演出(効果音やバックミュージック等)等が全く異なる態様で実行されるので、各遊技者は、自己の嗜好に合った演出態様の演出が行われるタイミングで遊技を開始することができる。ここで、本実施形態のパチンコ機10では、経過時間に応じて演出期間の種別を切り替えているが、曜日や日付、季節等に応じて島連動を行っても良い。
時刻情報格納エリア223fは、パチンコ機10への電源を投入した際に、計時装置262の時刻情報(計時情報)が格納される領域である。MPU221により実行される立ち上げ処理(図26参照)の時刻取得処理(図26のS1211参照)の中で、計時装置262より取得した現在の時刻情報(計時情報)が格納される。格納された計時情報は、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の経過時間確認処理(図28のS1311参照)の中で、電源投入からの経過時間Tを算出し、通常演出期間であるか特別演出期間であるかを判別するために用いられる(図29のS1604参照)。なお、RAM223に記憶された内容はバックアップされないため、パチンコ機10の電源供給が断された電断状態となった場合、時刻情報格納エリア223fに格納された計時情報はクリアされる。
本実施形態のパチンコ機10では、立ち上げ処理の際に計時装置262より取得され、時刻情報格納エリア223fに格納された時刻情報に基づいて演出期間の種別を判断するので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の時刻情報格納エリア223fに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。時刻情報格納エリア223fに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(S1311)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。なお、複数のパチンコ機10に対して一斉に電源を投入する方法としては、例えば、複数のパチンコ機10で構成される島を設けておき、島単位で電源を投入することのできる外部電源を設けておけばよい。
また、本実施形態では、計時装置262の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理(S1311)の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図11を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図22参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
計時装置262は、音声ランプ制御装置113に接続され、現在時刻を計時することができるリアルタイムクロック(RTC)を有して構成されている。この計時装置262の電気的構成について、図9を参照して説明する。図9は、計時装置262の電気的構成を示すブロック図である。計時装置262は、入出力ポート350と、装置制御部351と、レジスタ352とを有している。また、計時装置262には、計時装置用電源263が接続されている。この計時装置用電源263は、パチンコ機10の電源とは異なる計時装置262専用の電源であり、パチンコ機10の電源が断された電断状態でも計時装置262に電力を供給することができる。この計時装置用電源263には、ボタン型電池が用いられている。
計時装置262の装置制御部351には、入出力ポート350と、レジスタ352とが接続されている。入出力ポート350は音声ランプ制御装置113と相互通信可能に接続されている。装置制御部351は、レジスタ352を利用(制御)して、現在時刻の計時や設定時刻でのアラームの実行など各種の制御を行う。ここで、レジスタ352は、図10に示すように、複数のレジスタからなるレジスタテーブルを有している。このレジスタテーブルには、計時レジスタ352aと、投入時刻格納エリア352bとが含まれている。即ち、図9に示す通り、計時装置262のレジスタ352には、計時レジスタ352aと、投入時刻格納エリア352bとが少なくとも設けられている。
計時レジスタ352aは、現在時刻を計時するためのレジスタであり、1秒毎にレジスタ値が更新される。また、投入時刻格納エリア352bは、計時情報等の様々な情報を書き込むことができ、記憶された情報を上書きすることができる記憶領域である。投入時刻格納エリア352bには、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で、電源断の発生情報があった場合にRAM223の時刻情報格納エリア223fに格納された計時情報が書き込まれるエリアである(図28のS1317参照)。
ここで、図10を参照して、レジスタ352の有するレジスタテーブルについて詳細に説明する。図10は、レジスタ352のレジスタテーブルの一部を模式的に表した図である。図10に示す通り、レジスタ352は、レジスタテーブルの0H〜EHの15のアドレスのそれぞれに最大8ビットのデータを保持することができる。これらのアドレスのうち、アドレス0H〜6Hが計時レジスタ352aに相当し、各アドレスは、秒、分、時間、曜日、日、月、年をそれぞれ表している。
計時レジスタ352bの詳細について、秒を表すアドレス0Hを例に取って説明する。アドレス0Hのbit7はL固定の書き換え不能なbitとなっており、bit0〜bit6を用いて現在の秒数が表現される。なお、図10のbit7に付された”○”との記号は、書き換え不能なbitであることを示す記号であり、他のアドレスにおいても同一の意味を示すものである。また、bit0〜bit6は、それぞれ1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒に対応しており、各bitがHかLかによって現在時刻の秒数がいくつであるかが示される。
例えば、現在時刻の秒数が5秒である場合は、1秒を表すbit0と、4秒を表すbit2とが共にHとなり、bit1,3,4,5,6は全てLとなる。これにより、Hのbitにより表される秒数の和である5秒が現在時刻の秒数であると表現することができる。また、現在時刻の秒数が29秒である場合は、1秒を表すbit0と、8秒を表すbit3と、20秒を表すbit5とがHとなり、bit1,2,4,6は全てLとなる。これにより、Hのbitにより表される秒数の和である29秒が現在時刻の秒数であると表現することができる。
分を表すアドレス1H、時間を表すアドレス2H、日を表すアドレス4H、月を表すアドレス5H、年を表すアドレス6Hに関しても、秒を表すアドレス0Hと同様に、Hとなっているbitに対応した数値の総和によって現在時刻が表現される。なお、年を表すアドレス6Hに関しては、西暦の下2桁を表しており、西暦の上2桁は20固定となっている。つまり、年を表すアドレス6Hでは、2000年〜2099年の間のみを表現することができる。
また、曜日を表すアドレス3Hに関しては、bit0〜bit6が、それぞれ日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日に対応しており、いずれか1つのbitがHとなり、その他のbitがLとなることで特定の曜日を表現することができる。例えば、現在が水曜日であれば、bit3がHとなり、bit0,1,2,4,5,6,はLとなる。
アドレス7H〜9Hは投入時刻格納エリア352bに相当し、最大3バイトのデータを格納することができる。投入時刻格納エリア352bには、秒を格納するレジスタ(アドレス7Hに対応)、分を格納するレジスタ(アドレス8Hに対応)、時間を格納するレジスタ(アドレス9Hに対応)がそれぞれ1バイトずつ割り当てられている。また、各bitと秒、分、時間との対応関係は、アドレス0H〜2Hと同様の対応関係となっている。
即ち、秒を格納するレジスタのbit0〜bit6は、それぞれ1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒に対応しており、分を格納するレジスタのbit0〜bit6は、それぞれ1分、2分、4分、8分、10分、20分、40分に対応しており、時間を格納するレジスタのbit0〜bit5は、それぞれ1時間、2時間、4時間、3時間、10時間、20時間に対応している。なお、図10に置いては、全てのbitに”●”との記号が付されているが、これは情報の書き換え及び読み出しが可能なbitであることを示す記号であり、他のアドレスにおいても同一の意味を示すものである。
計時レジスタ352aおよび投入時刻格納エリア352bの各bitと秒数や分数等との対応関係は本実施形態の形態に限られるものではない。例えば、各bitの数値に2のべき乗を対応付けても良い。また、本実施形態では、投入時刻格納エリア352bを3バイトで構成しているが、例えば記憶する時間の情報として、時間と分の値のみを格納することによりバイト数を減らしても良い。また、秒、分、時間に加えてミリ秒が格納可能なレジスタを加えることでバイト数を増やしても良い。更に、計時情報を投入時刻格納エリア352bに記憶させるのではなく、計時装置262の外部にRAM等の記憶手段を設けるようにしても良い。この場合、記憶手段への電源供給を計時装置用電源263により行うよう構成しても良いし、記憶手段専用の電源を別個に設けても良い。
アドレスAH〜CHは設定した時刻にアラーム信号を出力させるために用いられるレジスタであり、アドレスDH,EHは設定した周期毎に割込信号を出力させることができるレジスタである。なお、アラーム機能や割込機能を使用しない場合は、アドレス7H〜9Hの代わりにアドレスAH〜EHを投入時刻格納エリア352bとして使用することもできる。この場合、アドレス7H〜9Hの3バイトを削減することができるので、レジスタが少なくて済むため、計時装置262の低価格化を図ることができる。
なお、図10にはアドレス0H〜EHに割り当てられたレジスタのみが記載されているが、これらの他に、0H〜EH以外のアドレスが割り当てられたレジスタが設けられており、例えば、アラーム機能や割込機能等の設定を変更するためのレジスタ等が設けられている。
次に、図11を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図11は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図34のS1801参照)の終了後に実行される初期化処理(図34のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図16参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図36(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図33のS1803,S1804参照)。
ここで、図12を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図12は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図12(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図12(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図12(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図12(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図12(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図12(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図11に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、通常演出用データテーブル格納エリア233b1、特別演出用データテーブル格納エリア233b2、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、表示用特別演出フラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
通常用データテーブル格納エリア233b1及び特別用データテーブル格納エリア233b2は、それぞれ通常演出期間及び特別演出期間において、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
通常演出用データテーブル格納エリア233b1及び特別演出用データテーブル格納エリア233b2には、ラウンド演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図13を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図13は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図13の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図15参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図14を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図14は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図14のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図14のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図14の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図16参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図14の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図12(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図33参照)の中でオンに設定される(図33のS1805参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図45(b)のS3405参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図35(b)のS2101参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図35(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図35(b)のS2109参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図36〜図40参照)および表示設定処理(図41〜図44参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図45(a)のS3301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図45(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図46参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図16参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図15参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図35(b)のS2103参照)の中で、ポインタ更新処理(図41のS3005参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図15参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図15を参照して、描画リストの詳細について説明する。図16は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図16に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図35(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図41のS3007参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図33のS1802参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図46参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図46のS3509参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図46のS3510参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図47のS3602参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図35(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図47のS3602参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
表示用特別演出フラグ233kは、現在の演出期間が特別演出期間であるか否かを示すフラグである。この表示用特別演出フラグ233kは、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する経過時間確認処理(図29のS1311)のS1604の処理において計時装置262から取得した計時データが特別演出期間であると判別した場合に特別演出フラグ223eがオンに設定されると共に、特別演出コマンドが表示制御装置113に対して出力されるように設定される(S1610〜S1611)。そして、表示制御装置113のMPU231は、この特別演出コマンドを受信したことに基づいて、表示用特別演出フラグ233kをオンに設定することにより、表示用制御装置113において、現在の状態が特別演出期間であることを判別できる構成となっている。
なお、この表示用特別演出フラグ233kは、状態が通常演出期間であることを示す通常演出コマンドを受信した場合に、オフに設定されて(図36のS2207)、状態が通常演出期間であることが表示制御装置114のMPU231により判別できるように構成されている。なお、電源が投入された場合に実行される初期設定では、この表示用特別演出フラグ233kは、初期状態としてオフに設定されるように構成されている。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図16から図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、および始動入賞処理の詳細は、図17〜図19を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図22および図23を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図17は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図19を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図18を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり種別が大当たりAであるかを判定する(S213)。
大当たり種別が大当たりAであると判定した場合は(S212:Yes)、確変フラグ203fをオンに設定する(S213)。また、大当たり種別が大当たりAでない(即ち、大当たりBである)と判断した場合は(S212:No)、確変フラグ203fをオフに設定し、時短中カウンタ223eに100をセットする(S214)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。S215の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図25参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、S1101:Yesへ分岐して、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図18は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図16参照)の特別図柄変動処理(図17参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S302)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「7,307,582」の3個であり、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」の30個である。
また、現在が特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかは、確変フラグ203fの状態を参照することにより判断することができる。具体的には、確変フラグ203fがオンであれば特別図柄の高確率状態であり、確変フラグ203fがオフであれば、特別図柄の低確率状態である。S302の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、確変フラグ203fの状態に応じた第1当たり乱数テーブル202aに格納された乱数値とを比較し、これらの値が一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
S302の処理において、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S303)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、3種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別がどちらであるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(確変大当たり)であると判定し、「49〜99」の範囲にあれば、大当たりB(時短大当たり)であると判定する(図7(b)参照)。
このS303の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S304)。S304の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA用の変動パターンとしては、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S302の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S302:No)、外れ時の表示態様を設定する(S305)。S305の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S306)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S304の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S304の処理またはS306の処理が終わると、次に、S304の処理またはS306の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S307)。次いで、S303又はS305の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S308)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図24)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S308の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図19のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図19は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S407の処理では、S406の処理で格納された各種カウンタ値に基づいて、特別図柄における抽選の当否(大当たりか否か)と、その停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、その変動パターンとを予測する(S407)。ここで、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202a(図7(a)参照)に格納されている乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「7,307,582」の3個であり、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりとなる乱数値は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている、「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」の30個である。
また、現在が特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかは、確変フラグ203fの状態を参照することにより判断することができる。具体的には、確変フラグ203fがオンであれば特別図柄の高確率状態であり、確変フラグ203fがオフであれば、特別図柄の低確率状態である。S302の処理では、第1当たり乱数カウンタC1の値と、確変フラグ203fの状態に応じた第1当たり乱数テーブル202aに格納された乱数値とを比較し、これらの値が一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
そして、特別図柄の大当たりであると判定された場合には、S406の処理で格納された第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄大当たり種別テーブルに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別がどちらであるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲にあれば、大当たりA(確変大当たり)であると判定し、「49〜99」の範囲にあれば、大当たりB(時短大当たり)であると判定する(図8(a)参照)。
一方、特別図柄の外れであると判定された場合には、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを判定する。ここでは、確変フラグ203fがオンであれば、S406の処理で格納された停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。一方、確変フラグ203fがオフであれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を判定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れであると判定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチであると判定し、「98,99」であれば前後外れリーチであると判定する。
次に、第3図柄表示装置81における変動パターンを判定する。第3図柄表示装置81における変動パターンは、ROM202に格納された変動パターン選択テーブル(図7(a))の中から、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて選定される。変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA用の変動パターンとして、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
S407の処理によって、特別図柄における抽選の当否と、停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)と、変動パターンとが予測されたら、次に、予測した抽選の当否と、予測した停止種別と、予測した変動パターンとを含む入賞情報コマンドを設定し(S408)、タイマ割込処理へ戻る。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、当否と、停止種別と、変動パターンとを抽出し、それらの情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納すると共に、連続予告演出の表示の開始するか否かを判定する。
次に、図20を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図20は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定する(S608)。なお、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図7(c)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図7(c)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203fの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図26参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図21は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図16参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図23を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図23は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図24のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図24を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図24は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図16参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図16参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図17参照)や始動入賞処理(図19参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理(図19参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図25参照)で設定されたラウンド数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS304の処理またはS306の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図18参照)のS303の処理またはS305の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図20参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図20参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図22のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図25は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図24参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図17参照)のS215の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1102)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1102の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1102:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1103の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(1102:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1103)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1103:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1104)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1105)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図24参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1104の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1103:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1106)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1106の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1106:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1107)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1106:No)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図26から図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図26を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図26は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1318の電源断処理(図28参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図28を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図28のS1314参照)、S1318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1318の電源断処理の実行時にオンされる(図28のS1316参照)。つまり、電源断フラグは、S1318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定する(S1210)。そして時刻取得処理を実行し(S1211)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。時刻取得処理の詳細は、図27を参照して後述する。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、時刻取得処理を実行し(S1211)、割込み許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理の中でMPU221により実行される時刻取得処理(S1211)について説明する。この時刻取得処理(S1211)は、電源投入を行った時刻を記憶するための処理である。本処理により取得された時刻情報が、後述する音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で行われる経過時間確認処理(図28のS1311参照)において、電源投入からの経過時間を判断するために用いられる。
図27は、この時刻取得処理(S1211)を示したフローチャートである。時刻取得処理(S1211)が実行されると、まず、RAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1501)、オンされていなければ(S1501:No)、計時装置262の計時レジスタ352aから現在時刻の情報を取得して(S1504)、処理をS1505に移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされていれば(S1501:Yes)、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出し(S1502)、投入時刻格納エリア352bに時刻情報が格納されているかを判別する(S1503)。その結果、時刻情報が格納されていないと判別した場合は(S1503:No)、計時装置262の計時レジスタ352aから現在時刻の情報を取得して(S1504)、処理をS1505に移行する。これに対し、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに時刻情報が格納されていると判別した場合は(S1503:Yes)、S1504の処理をスキップして処理をS1505に移行する。
S1505の処理では、S1502の処理又はS1504の処理で読み出した時刻情報をRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納し(S1505)、本処理を終了する。
このように、本処理によって、演出期間の種別を判断するための時刻情報がRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納されるので、ホールの複数のパチンコ機10において、立ち上げ処理が行われるタイミングを合わせておけば、各パチンコ機10の時刻情報格納エリア223fに時刻情報が格納されるタイミングも合わせることができる。時刻情報格納エリア223fに時刻情報が格納されるタイミングが合っていれば、各パチンコ機10において経過時間確認処理(図28のS1311参照)の中で算出される経過時間Tも合わせることができるので、その経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。これにより、ホールの関係者は、ホールの複数のパチンコ機10に対して一斉に電源投入をしておくだけで、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができる。よって、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、計時装置262の時刻情報から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、RAM消去スイッチ122がオンされていない状態(即ち、オフ状態)でパチンコ機10の電源が投入された場合に、電源投入を行った際の時刻情報がRAMの時刻情報格納エリア223fへ格納されるが、その時刻情報格納エリア223fへ格納された時刻情報は、後述するメイン処理(図28)において、パチンコ機10が電断状態とされる場合に、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶される。計時装置262は、パチンコ機10が電断状態であっても、計時装置用電源263からの電源供給に基づいて動作するため、投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報は、パチンコ機10が電断状態中であっても保持される。そして、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10へ電源が投入された場合は、現在の時刻情報の代わりに、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶され、電断状態中も保持されていた時刻情報が読み出され、RAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納される。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、営業中に一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122をオフした状態で電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納され、電断状態とする際に計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報を、再度RAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納させることができる。よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122をオフした状態で一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122をオンしておくだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報を時刻情報格納エリア223fに格納させることができるので、電源投入の前後で、同一の時刻情報に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、時刻取得処理において(図26のS1211参照)、RAM消去スイッチ122がオンされていると検出された場合に計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出して(S1502参照)、RAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納するように制御しているが(S1505参照)、この形態に限られるものではない。例えば、RAM消去スイッチ122とは異なる時刻取得処理に専用に用いられるスイッチ手段を設けておき、時刻取得処理(S1211)において、そのスイッチ手段がオンであった場合に計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。
これにより、電断状態とされる前にRAM203に記憶されていた情報を保持したまま、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報をRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納することができる。よって、保留球が残っている状態で電断状態とされた場合や、特別図柄の高確率状態中に電断状態とされた場合であっても、電源の再投入に基づいて、残っていた保留球が消滅したり、特別図柄の高確率状態から低確率状態へ移行してしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益が発生することを抑制することができる。
また、RAM消去スイッチ122等のスイッチ手段を用いるのではなく、計時装置262の計時する時刻が所定の時間帯であった場合に、計時装置262の投入時刻格納エリア352bに記憶された時刻情報を読み出すように構成しても良い。この場合において、所定の時間帯としては、例えば10:00〜22:45のようにホールの営業時間を設定しても良い。
これにより、ホールの従業員が、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10に対し、ミスによりRAM消去スイッチ122をオンとしないまま再度電源を投入してしまうことで、その電源の再投入を行った時刻がRAM233の時刻情報格納エリア223fに格納されてしまい、経過時間Tが電断状態とされなかった他のパチンコ機10とずれてしまうことを抑制できる。よって、営業時間中に電断状態とされたパチンコ機10と、電断状態とされなかったパチンコ機10とで、演出期間が切り替えられるタイミングを確実に合わせることができる。また、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)に応じて、時刻情報格納エリア233fに格納される時刻情報が選択されるので、ホールの従業員は、電源投入の際に特別な操作をする必要がなく、ホールの従業員の手間を軽減することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、S1502の処理又はS1504の処理で読み出した時刻情報を時刻情報格納エリア223fに格納するように構成されているが、これに代えて、レジスタ352に設けられたレジスタテーブル(図10参照)の使用していないbitに記憶させるように構成しても良い。ここで言う使用していないbitとは、例えば、アドレスBHのbit6や、アドレスEHのbit4〜bit7を指し、図10において”●”の符号が付されたbitのうち、投入時刻格納エリア352b以外のbitを指す。前述の通り、これらのbitは情報の書き換え、及び読み出しが可能なbitであり、データを書き換えたとしても、計時装置262の動作には一切の影響を与えないbitである。これにより、レジスタ352に設けられたレジスタテーブルを効率的に用いることができるので、投入時刻格納エリア352bに割り当てるアドレスを減らすことができる。
具体的には、例えば、アドレス7Hのbit0〜bit6に秒を表す情報を記憶させ、アドレス7Hのbit7、及びアドレス8Hのbit0〜bit5に分を表す情報を記憶させ、アドレス8Hのbit6、bit7、及びアドレスEHのbit4〜bit7に時間を表す情報を記憶させても良い。これにより、データの記憶に使用しないアドレス9Hを削減することができ、レジスタ352の容量を削減することができるので、計時装置262の低価格化を図ることができる。
なお、本実施形態のレジスタ352に設けられたレジスタテーブルでは、図10において、”○”の符号が付されたbitはL固定の書き換え不能なbitとされていたが、これら”○”の符号が付されたbitを書き換え可能に構成し、S1502の処理又はS1504の処理で読み出した時刻情報を、”○”の符号が付されたbitにも記憶させるように構成しても良い。これにより、”●”の符号が付されたbitのみに時刻情報を記憶させるよりも、更にレジスタテーブルを効率的に用いることができるので、レジスタ352の容量を更に削減することができ、計時装置262の更なる低価格化を図ることができる。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1311の処理を行わずにS1312の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1311が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1312のコマンド判定処理や、S1313の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1312の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1313の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1m秒以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1312の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する(S1309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、経過時間確認処理が実行される(S1311)。経過時間確認処理(S1311)では、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて現在の演出期間が判別される。この経過時間確認処理(S1311)の詳細については、図29を参照して後述する。
S1312の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理が実行される(S1312)。このコマンド判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1313)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図31を参照して後述する。
S1313の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1314)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1314の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1314:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1316)、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納されている時刻情報を、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ書き込み(S1317)、電源断処理を実行する(S1318)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1319)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1314の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1314:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1315)、RAM223が破壊されていなければ(S1315:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1315:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される経過時間確認処理(S1311)について説明する。図29は、この経過時間確認処理(S1311)を示したフローチャートである。この経過時間確認処理(S1311)では、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて現在の演出期間が判別される。
経過時間確認処理(S1311)では、まず、計時装置262の計時レジスタ352aより現在時刻の情報を読み出し(S1601)、読み出した現在時刻と、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納されている時刻情報とに基づいて、電源投入からの経過時間Tを算出する(S1602)。ここで、経過時間Tの算出方法としては、計時装置262の計時レジスタ352aより読み出した現在時刻を示す情報から、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納されている時刻情報を減算すればよい。例えば、計時レジスタ352aより読み出した現在時刻の情報がAM10:15を示す情報(即ち、アドレス0Hの全てのbitがL、アドレス1Hのbit0,2,4がH、bit1,3,5〜7がL、アドレス2Hのbit4がH、bit0〜3,5〜7がL)であり、時刻情報格納エリア223fに格納されている時刻情報がAM9:00を示す情報(即ち、アドレス0H,1Hの全てのbitがL、アドレス2Hのbit0,3がH、bit1,2,4〜7がL)であった場合、経過時間Tは10:15と9:00との差分を取って、75分と算出される。
そして、算出した経過時間Tと、ROM222の演出切替テーブル(図8参照)とに基づいて、現在の演出期間を特定し(S1603)、現在の演出期間が特別演出期間であるか否かを判別する(S1604)。
S1604の処理の結果、特別演出期間でない(即ち、通常演出期間である)と判別された場合には(S1604:No)、特別演出フラグ223eがオンであるか否かを判別する(S1605)。特別演出フラグ223eがオンであった場合は(S1605:Yes)、今回のメイン処理において、特別演出期間から通常演出期間へ切り替わったことを意味するので、特別演出フラグをオフする(S1606)。次に、表示制御装置114により実行されるラウンド演出やデモ演出の演出態様を通常の演出態様とするための通常演出コマンドを設定し(S1607)、更に第3図柄表示装置81に表示される背面画像を通常の態様の背面画像に変更するための背面画像変更コマンドを設定して(S1608)、本処理を終了する。また、S1605の処理において、特別演出フラグがオフであった場合は(S1605:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1604の処理の結果、特別演出期間であると判断された場合は(S1604:Yes)、特別演出フラグ223eがオンであるか否かを判別する(S1609)。特別演出フラグ223eがオンであった場合は(S1609:Yes)、本処理を終了する。また、特別演出フラグ223eがオフであった場合は、今回のメイン処理において、通常演出期間から特別演出期間へ切り替わったことを意味するので、特別演出フラグをオンにする(S1610)。次に、表示制御装置114により実行されるラウンド演出やデモ演出の演出態様を特別な演出態様とするための特別演出コマンドを設定し(S1611)、更に第3図柄表示装置81に表示される背面画像を通常の態様の背面画像に変更するための背面画像変更コマンドを設定して(S1612)、本処理を終了する。
特別演出フラグ223eがオンであるかオフであるかによって特別演出期間であるか通常演出期間であるかが示されるので、コマンド判定処理(図30参照)の変動パターン選択処理(図30のS1402参照)において、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンの態様を選択する際に、計時装置262の時刻情報(計時情報)を確認して特別演出期間であるか否かを判別する必要が無く、単に特別演出フラグ223eがオンであるか否かを確認するだけで良い。よって、変動パターンの態様を選択するための処理を簡素化し、処理負荷を軽減することができる。
本実施形態のパチンコ機10において、特別演出フラグ223eの切り替えは、演出期間が切り替わる際に行っているが、経過時間確認処理の度に特別演出フラグ223eを更新しても良い。また、通常演出コマンドの設定(S1607)又は特別演出コマンドの設定(S1611)を、経過時間確認処理の度に行うようにしても良い。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1312)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1312)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、変動パターンの態様を選択する変動パターン選択処理を行い(S1402)、メイン処理に戻る。ここで選択された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図31参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。変動パターン選択処理(S1402)の詳細については、図32を参照して後述する。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1403)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1403:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1404)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1405)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図33参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1403:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1406)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1406:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1407)。また、S1407の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1407の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1407の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。なお、S1408の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1407の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1406:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1408)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1408:Yes)、受信した入賞情報コマンドから、各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として抽出する(S1409)。S1409の処理が終了したら、次に、S1409の処理で抽出した入賞情報(当否、停止種別、変動パターン)を、入賞情報格納エリア223aの空きエリア(第1エリア〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1410)、メイン処理に戻る。
S1408の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1408:No)、次いで、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1411)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1411:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1412)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1413)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図28参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1411の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1411:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1419)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(図30のS1402参照)について説明する。図31は、この変動パターン選択処理(S1402)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S1402)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1312)の中で実行され、主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動パターンの種別を選択するための処理である。
変動パターン選択処理(S1402)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンし(S2701)、次いで、特別演出フラグ223eがオンか否かを判別する(S2702)。
そして、特別演出フラグ223eがオンであると判別された場合は、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいた変動パターン種別のうち、特別演出期間用の変動パターン種別を抽出し(S2703)、本処理を終了する。一方、特別演出フラグ223eがオンでない(即ち、オフである)と判別された場合(S2702:No)、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいた変動パターン種別のうち、通常演出期間用の変動パターン種別を抽出して(S2704)、本処理を終了する。
S2703又はS2704の処理により抽出された変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81において変動パターン演出が実行される。
このように、特別演出フラグ223eがオンであるか否かに応じて異なる演出期間用の変動パターン種別が選択されるので、多種多様な演出を実行させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。よって、長時間遊技を行っていても同じような演出しか発生せず、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、前述の通り、10分間の特別演出期間と50分間の通常演出期間とが周期的に繰り返されるので、遊技者は特別演出期間となる時間帯や通常演出期間となる時間帯を容易に把握することができる。よって、各遊技者に対して、自分の趣向に合った演出態様の演出が行われる演出期間を狙って遊技を開始させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1313)について説明する。図32は、この変動表示設定処理(S1313)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1313)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S1313)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1701)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1701:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1706の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1701:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1702)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)の変動パターン選択処理(S1402参照)において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1703)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1704)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1705)。S1705の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1706の処理へ移行する。
S1706の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1706)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1706:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1706:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1707)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1406の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1708)。
次に、S1709の処理では、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1709)、S1710の処理へ移行する。S1710の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S1710)、この変動表示設定処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図33から図47を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図33を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図33は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図35を参照して、ブート処理(S1801)について説明する。図35は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S1801)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S1901)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S1902)。これにより、MPU231は、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S1902の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S1902の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S1903)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S1904)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図33のS1801参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図33のS1802参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S1905)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S1801)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図34に示すブート処理では、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
また、S1901の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S1901及びS1902の処理を含めて複数回繰り返した後、S1903〜S1905の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S1901及びS1902の処理を行わずに、S1903〜S1905の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図33の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S1802)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S1803)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S1803の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S1804)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S1804の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S1805)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図45(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図45(a)のS3302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図35(b)参照)において、図11に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図35(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図35(b)のS2109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図12(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S1805の処理の後、割込許可を設定し(S1806)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S1806の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図35(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図35(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図35(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図35(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図15参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図35(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図12に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2102)を実行し、次いで、表示設定処理(S2103)を実行する。
コマンド判定処理(S2102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド割込処理の詳細については、図36〜図40を参照して後述する。
表示設定処理(S2103)では、コマンド判定処理(S2102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図41〜図43を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2104)。このタスク処理では、表示設定処理(S2103)もしくは簡易表示設定処理(S2109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図45および図46を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2106)。この描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示とから、図15に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図47を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2107)。そして、V割込処理を終了する。S2107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図12に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2109)を実行して、S2104の処理へ移行する。
次いで、図36〜図40を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2102)の詳細について説明する。まず、図36は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図36に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、特別演出コマンドがあるか否かを判別し(S2204)、特別演出コマンドがあると判別されれば(S2204:Yes)、表示用特別演出フラグ233kをオンとして(S2205)、S2201の処理へ戻る。特別演出フラグがオンされれば、後述するラウンド数コマンド処理(S2213)において、特別な演出態様のラウンド演出に対応するラウンド数表示データテーブルが選択される。また、後述するデモ表示処理(S3017)において、特別な演出態様のデモ演出に対応するデモ表示データテーブルが選択される。よって、第3図柄表示装置81において、ラウンド演出やデモ演出が特別な演出態様で実行されるようになる。
それまで通常の演出態様で実行されていた演出が特別な演出態様へと切り替わることにより、遊技者に対して目新しさを感じさせることができるので、遊技が単調になってしまうことを抑制でき、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
S2304の処理において、特別演出コマンドがないと判別されれば(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、通常演出コマンドがあるか否かを判別する(S2206)。そして、通常演出コマンドがあると判別されれば(S2206:Yes)、表示用特別演出フラグ233kをオフとして(S2207)、S2201の処理へ戻る。特別演出フラグがオフされれば、後述するラウンド数コマンド処理(S2213)において、通常の演出態様のラウンド演出に対応するラウンド数表示データテーブルが選択される。また、後述するデモ表示処理(S3017)において、通常の演出態様のデモ演出に対応するデモ表示データテーブルが選択される。よって、第3図柄表示装置81において、ラウンド演出やデモ演出が通常の演出態様で実行されるようになる。
それまで特別な演出態様で実行されていた演出が通常の演出態様へと切り替わることにより、遊技者に対して目新しさを感じさせることができるので、遊技が単調になってしまうことを抑制でき、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113より出力される特別演出コマンドに基づいて、第3図柄表示装置において実行される演出の演出態様を特別な演出態様と通常の演出態様とのいずれの演出態様で実行するかを決定しているが、これに替えて、表示制御装置114により計時装置262の時刻情報を読み出し可能に構成し、読み出した時刻に基づいて特別演出期間か通常演出期間かを判断させてもよい。
S2206の処理において、通常演出コマンドがないと判別されれば、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S2208)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2208:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2209)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図37を参照して、変動パターンコマンド処理(S2209)の詳細について説明する。図37は、変動パターンコマンド処理(S2209)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S2209)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2303)。表示設定処理では、S2303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2304)、ポインタ233fを0に初期化する(S2305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2306)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図36の説明に戻る。S2208の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2210)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2210:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2211)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図38を参照して、停止種別コマンド処理(S2211)の詳細について説明する。図38は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図35(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2403)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2403によって設定された停止図柄判別フラグからS2402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図36に戻り、説明を続ける。S2210の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2210:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2212)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2212:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2213)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図39を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2213)の詳細について説明する。図39は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用特別演出フラグ233kがオンであるか否かを確認し(S2601)、表示用特別演出フラグ233kがオンであれば(S2601:Yes)、受信したコマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを特別演出用データテーブル格納エリア233b2より選択して表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2602)。一方、表示用特別演出フラグ233kがオフであれば(S2601:No)、受信したコマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを通常演出用データテーブル格納エリア233b1より選択して表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2602)。
特別演出フラグがオンかオフかに応じて、通常演出用データテーブル233b1と特別演出用データテーブル233b2のいずれかより選択したラウンド数表示データテーブルを表示データテーブル233dに設定するので、定期的に演出態様を切り替えることができる。よって、演出態様の切り替わりの度に遊技者に対して目新しさを感じさせることができるので、遊技が単調になってしまうことを抑制でき、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2604)。
そして、S2602又はS2603の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2605)、ポインタ233fを0に初期化する(S2606)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2607)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図36の説明に戻る。S2212の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2212:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2214)、背面画像変更コマンドがあれば(S2214:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2215)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図40(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2215)の詳細について説明する。図40(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2801)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S2801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図36の説明に戻る。S2214の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2214:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2216)、エラーコマンドがあれば(S2216:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2217)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図40(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2217)の詳細について説明する。図40(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図37の説明に戻る。S2216の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2216:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2218)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2218の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2218の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図35(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2108)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図12に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図37参照)および停止種別コマンド処理(図38参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図37参照)では、S2301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図41〜図44を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2103)の詳細について説明する。図42は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図41に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3002〜S3004の処理をスキップし、S3005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3002)、S3003〜S3004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3004)。
ここで、図42を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図42は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3101)。
タスク処理(S2104)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図41の説明に戻る。警告画像設定処理(S3004)の後、又は、S3003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3003:No)、次いで、S3005の処理へ移行する。
S3005では、ポインタ更新処理を実行する(S3005)。ここで、図43を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図43は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3202)。その結果、End情報であれば(S3202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3203)、デモ用表示データテーブルであれば(S3203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図41に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3006)。タスク処理(S2104)では、先に展開された警告画像などと共に、S3006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3009の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示処理を実行して(S3017)、V割込処理に戻る。
ここで、図44を参照して、デモ表示処理の詳細について説明する。図44は、デモ表示処理を示すフローチャートである。この処理は、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理である。
デモ表示演出では、まず、表示用特別演出フラグ233kがオンであるか否かを判別する(S3801)。そして、表示用特別演出フラグ233kがオンであると判別されると(S3801:Yes)、現在が特別演出期間であることを示すので、特別な演出態様でデモ演出を実行させるために、特別演出用データテーブル格納エリア233b2よりデモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S3802)、S3804の処理へ移行する。
一方、表示用特別演出フラグ233kがオンでない(即ち、オフである)と判別されると(S3801:No)、現在が通常演出期間であることを示すので、通常の演出態様でデモ演出を実行させるために、通常演出用データテーブル格納エリア233b1よりデモ表示データテーブルを取得して表示データテーブル格納エリア233dへ設定し(S3803)、S3804の処理へ移行する。
S3802又はS3803の処理の後で行われるS3804の処理では、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3804)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3805)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3006)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3007)、本処理を終了し、表示設定処理(S2103)に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図35(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図12(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図45及び図46を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2105)の詳細について説明する。まず、図45(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図45(b)を参照して後述する。
一方、S3301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図46を参照して後述する。
次いで、図45(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3302)について説明する。図45(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3401)、転送指示を送信していれば(S3401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3402:Yes)、S3403の処理へ移行する。また、S3401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3401:No)、S3403の処理へ移行する。
S3403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図35(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図35(b)のS2108参照)および簡易表示設定処理(図35(b)のS2109参照)ではなく、コマンド判定処理(図36〜図40参照)および表示設定処理(図41〜図44参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図46参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図45(a)のS3301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図46を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2105)の一処理である通常画像転送設定処理(S3303)について説明する。図46は、この通常画像転送設定処理(S3303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2103)のポインタ更新処理(S3005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3502)、転送データ情報であれば(S3502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3504)、S3505の処理へ移行する。
また、S3502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3502:No)、S3503及びS3504の処理をスキップして、S3505の処理へ移行する。S3505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3505)、転送指示を設定していれば(S3505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3506)。
このS3506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3506:Yes)、S3507の処理へ移行する。また、S3505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3505:No)、S3507の処理へ移行する。
S3507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3507)、転送開始フラグがオンであれば(S3507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3508)、S3503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3517の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3509)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3512)、S3513の処理へ移行する。
S3513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3513)。このS3513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3513:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3513:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2106)の詳細について説明する。図47は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2105)により設定された転送指示から、図15に示す描画リストを生成する(S3601)。即ち、S3601の処理では、タスク処理(S2104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図35(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、通常の演出態様で演出が実行される期間(通常演出期間)と、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様で演出が実行される期間(特別演出期間)との二種類の期間が存在し、現在どちらの期間であるかが、音声ランプ制御装置114により、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて判別される。そして、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合は、判別された演出期間に対応する変動パターン種別が選択され、その選択された変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81において変動パターン演出が実行される。
また、音声ランプ制御装置114により、演出期間が異なる演出期間に切り替わったと判別される度に、その切り替わった後の演出期間に対応するコマンドが表示制御装置114へ出力される。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置114により出力されたコマンドに基づいて現在の演出期間を判別し、判別した演出期間に基づいて、ラウンド演出やデモ演出に対応する表示データテーブルを選択する。
これにより、第3図柄表示装置81において実行される変動パターン演出、ラウンド演出、及びデモ演出の演出態様が、経過時間に応じて通常の演出態様で実行されたり、特別な演出態様で実行されたりする。よって、異なる演出態様へと切り替わる度に、遊技者に対して目新しさを感じさせることができるので、遊技が単調になってしまうことを抑制でき、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置114により演出期間を判別する場合に、計時装置262の時刻情報(計時情報)から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、複数のパチンコ機10が設置されたホールにおいて、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。
よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、電断状態とされる場合に、電源投入に基づく立ち上げ処理の際に取得した時刻情報を、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ格納され、計時装置262は電断状態中も計時装置用電源263より電源が供給され続けるので、電断状態中も投入時刻格納エリア352bへ格納された時刻情報が保持される。そして、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源が投入された場合には、その電源投入時点で計時装置262が計時する時刻情報ではなく、投入時刻格納エリア格納エリア352bへ格納されていた時刻情報が、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納され、経過時間Tを判別するために用いられる。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122をオフした状態で電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納され、電断状態とする際に計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報を、再度RAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納させることができる。
よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122をオフした状態で一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122をオンしておくだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、図48〜53を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、パチンコ機10に対して電源を投入したことに基づいて、計時装置262より時刻情報(計時情報)を取得し、その取得した時刻情報に基づいて演出期間の種別を判別するように構成されている。
より具体的には、電源を投入したことに基づいて計時装置262より取得した時刻情報(計時情報)を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておき、その格納した時刻情報と、計時装置262の計時する現在の時刻情報(計時情報)とから経過時間Tを算出する。そして、経過時間Tの値と演出期間との対応関係を規定した演出切替テーブル222bに基づいて、現在の演出期間が通常演出期間であるか、特別演出期間であるかを判別し、その特定した演出期間に応じた演出を実行させるように構成されている。
また、電断状態とされる場合に、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておいた時刻情報を、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bへ記憶させておき、電源を投入する際にRAM消去スイッチ122がオンとされていた場合は、電源投入を行った際の時刻に代えて、投入時刻格納エリア352bに記憶させた時刻情報を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納させるように構成されている。
これに対して第2実施形態では、計時装置262により電源投入からの経過時間をカウントさせるように構成し、その経過時間に基づいて現在の演出期間の種別を判別し、その判別した演出期間に対応した演出を実行するように構成されている。
より具体的には、計時装置262のレジスタ352に1秒毎にカウント値が更新される経過時間カウンタ352cを設け、その経過時間カウンタ352bのカウント値に基づいて、パチンコ機10への電源投入からの経過時間Tを特定している。そして、その経過時間Tと、演出切替テーブル222bとに基づいて、演出期間の種別を特定できるように構成している。
また、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオフの状態であった場合には、経過時間カウンタ352cのカウント値を初期化し、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンであった場合には、経過時間カウンタ352cのカウント値を初期化せずに保持するように構成されている。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、計時装置262のレジスタ352において、投入時刻格納エリア352bに代えて経過時間カウンタ352cが設けられている点である。また、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される立ち上げ処理(図26)およびメイン処理(図28)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図48を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の計時装置262の電気的構成について説明する。図48は、第2実施形態におけるパチンコ機10の計時装置262の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態の計時装置262は、第1実施形態と同様に、レジスタ352を有しており、そのレジスタ352は、図49に示す複数のレジスタからなるレジスタテーブルを有している。そして、このレジスタテーブルには、計時レジスタ352aと、経過時間カウンタ352cとが含まれている。即ち、本実施形態の計時装置262は、第1実施形態におけるレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに代えて、経過時間カウンタ352cが設けられている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
経過時間カウンタ352cは、そのカウント値に基づいて電源投入からの経過時間を特定するために用いられるカウンタである。この経過時間カウンタ352cのカウント値は、1秒毎に更新され、パチンコ機10への電源投入に基づいて初期化(リセット)される。この経過時間カウンタ352cのカウント値は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される経過時間確認処理2(図52のS1331参照)において、電源投入からの経過時間Tを特定し、演出切替テーブル222bに基づいて演出期間の種別を特定するために用いられる。
ここで、図49を参照して、経過時間カウンタ352cの詳細について説明する。図49は、レジスタ352の有するレジスタテーブルの一部を模式的に表した図である。レジスタテーブルのアドレス0H〜6Hに割り当てられたレジスタ(計時レジスタ352a)、及びアドレスAH〜EHに割り当てられたレジスタは、第1実施形態におけるアドレス0H〜6Hに割り当てられたレジスタ、及びアドレスAH〜EHに割り当てられたレジスタと同様の構成及び機能を有するものである。一方、アドレス7H〜9Hは、経過時間カウンタ352cに相当する。第1実施形態では投入時刻格納エリア352bのうち、秒を格納するレジスタ、分を格納するレジスタ、時間を格納するレジスタがアドレス7H〜9Hにそれぞれ割り当てられていたが、本実施形態では、秒をカウントするレジスタ、分をカウントするレジスタ、時間をカウントするレジスタがアドレス7H〜9Hにそれぞれ割り当てられている。
アドレス7Hに割り当てられた秒をカウントするレジスタは、第1実施形態で説明した、計時レジスタ352aの秒を表すレジスタ(アドレス0Hに割り当てられたレジスタ)と同じ構成となっており、1秒、2秒、4秒、8秒、10秒、20秒、40秒にそれぞれ対応したbit0〜bit6の各bitがHかLかによって経過時間のうち秒数がいくつであるかが表現される。この秒をカウントするレジスタは、0秒の状態(全てのbitがLの状態)から1秒経過毎に1ずつ更新されていき、59秒の状態でレジスタが更新されると0秒の状態(全てのbitがLの状態)に戻る構成となっている。
また、アドレス8Hに割り当てられた分をカウントするレジスタは、計時レジスタ352aの分を表すレジスタ(アドレス1Hに割り当てられたレジスタ)と同じ構成となっており、1分、2分、4分、8分、10分、20分、40分にそれぞれ対応したbit0〜bit6の各bitがHかLかによって経過時間のうち分数がいくつであるかが表現される。この分をカウントするレジスタは、秒をカウントするレジスタが59秒の状態から0秒の状態(全てのbitがLの状態)へ更新される毎に1ずつ更新されていき、59分の状態でレジスタが更新されると0分の状態(全てのbitがLの状態)に戻る構成となっている。
更に、アドレス9Hに割り当てられた時間をカウントするレジスタは、計時レジスタ352aの時間を表すレジスタ(アドレス2Hに割り当てられたレジスタ)と同じ構成となっており、1時間、2時間、4時間、3時間、10時間、20時間にそれぞれ対応したbit0〜bit5の各bitがHかLかによって経過時間のうち時間数がいくつであるかが表現される。この時間をカウントするレジスタは、分をカウントするレジスタが59分の状態から0分の状態(全てのbitがLの状態)へ更新される毎に1ずつ更新されていき、24時間の状態でレジスタが更新されると0時間の状態(全てのbitがLの状態)に戻る構成となっている。
これら秒、分、時間をそれぞれカウントするレジスタのカウント値を参照することにより、電源投入からの経過時間を特定することができる。そして、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオフである場合は、経過時間カウンタ352cのカウント値が初期化される。よって、複数のパチンコ機10が設置されているホールにおいて、その複数の遊技機に対してRAM消去スイッチ122がオフの状態で一斉に電源を投入しておくだけで、各パチンコ機10の経過時間カウンタ352cのカウント値が全て初期化される。従って、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、前述の通り、計時装置262は、パチンコ機10の電源とは異なる電源である、計時装置用電源263から供給される電源に基づいて動作する。よって、パチンコ機10が電断状態中であっても、経過時間カウンタ352cによるカウント値の更新を継続させることができる。そして、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオンである場合は、経過時間カウンタ352cのカウント値は初期化されず、電源を投入する際の経過時間カウンタ352cのカウント値の続きからカウント値の更新が行われる。従って、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、経過時間カウンタ352cのカウント値が初期化されることを回避することができるので、電断状態とされなかった他のパチンコ機10に対して経過時間カウンタ352cのカウント値がずれてしまうことを抑制することができる。これにより、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、計時装置262のレジスタ352に、計時レジスタ352aとは別に経過時間カウンタ352cを設ける構成としているが、RAM消去スイッチがオフの状態で電源を投入される度に計時レジスタ352aの計時情報をリセットしてbit0〜bit6を全てLにしても良い。これにより、計時レジスタ352aを経過時間カウンタ352cと同様に用いることができる。よって、経過時間カウンタ352cを設ける必要が無く、レジスタを削減できるので、低価格化を図ることができる。
また、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において、計時装置262から取得した時刻情報(計時情報)に基づいて経過時間Tを算出していたが、これに代えて、固定時刻の情報(例えば、10:00)と計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)とに基づいて経過時間Tを判断するように構成しても良い。この場合において、固定時刻の情報は、音声ランプ制御装置113のROM222に規定しておいても良いし、計時装置262のレジスタ352に記憶させておいても良い。これにより、電源投入時に計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)を取得したり、電断状態となる場合に、時刻情報格納エリア223fに格納された時刻情報を計時装置262のレジスタ352の投入時刻格納エリア352bへ記憶させる必要がなくなるので、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理を簡略化することができ、MPU221の処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態における制御処理について>
次いで、図50〜53を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図50は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動される。
この立ち上げ処理のうち、S1201〜S1210およびS1212の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図26参照)のS1201〜S1210およびS1212の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における立ち上げ処理では、S1210の処理が完了すると、第1実施形態における立ち上げ処理(図26)の時刻取得処理(S1211)に代えて、経過時間カウンタ初期化処理(S1221)を実行する。
即ち、第2実施形態における立ち上げ処理では、S1210の処理によりRAM223の初期値を設定した後(S1210)、経過時間カウンタ初期化処理を実行し(S1221)、割込許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。この、経過時間カウンタ初期化処理(S1221)は、経過時間カウンタ352cのカウント値を初期化する処理であり、電源の投入を起点として経過時間をカウントさせるための処理である。
ここで、図51を参照して、経過時間カウンタ初期化処理(S1221)の詳細について説明する。経過時間カウンタ初期化処理(S1221)では、まず、RAM消去スイッチ122がオンであるか否かを判別する(S1511)。そして、RAM消去スイッチがオンであると判別した場合は(S1511:Yes)、本処理を終了して立ち上げ処理に戻る。一方、RAM消去スイッチがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1511:No)、計時装置262のレジスタ352に設けられた経過時間カウンタ352cのカウント値を初期化して(S1512)、本処理を終了する。
このように、経過時間カウンタ初期化処理では、RAM消去スイッチ122がオフである場合は、経過時間カウンタ352cのカウント値が初期化される。よって、複数のパチンコ機10が設置されているホールにおいて、その複数の遊技機に対してRAM消去スイッチ122がオフの状態で一斉に電源を投入しておくだけで、各パチンコ機10の経過時間カウンタ352cのカウント値が全て初期化される。従って、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、経過時間カウンタ初期化処理では、RAM消去スイッチ122がオンである場合は、経過時間カウンタ352cのカウント値は初期化されず、電源を投入する際の経過時間カウンタ352cのカウント値の続きからカウント値の更新が行われる。従って、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、経過時間カウンタ352cのカウント値が初期化されることを回避することができるので、電断状態とされなかった他のパチンコ機10に対して経過時間カウンタ352cのカウント値がずれてしまうことを抑制することができる。これにより、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次いで、図52を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図52は、音声ランプ制御装置113のメイン処理を示すフローチャートである。
この音声ランプ制御装置113のメイン処理のうち、S1301〜S1310、S1312〜S1316、S1318、及びS1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28参照)のS1301〜S1310、S1312〜S1316、S1318、及びS1319の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、S1310の処理が完了すると、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)の経過時間確認処理(S1311)に代えて、経過時間確認処理2(S1331)を実行する。
即ち、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、液晶演出実行管理処理(S1310)の実行後に、経過時間確認処理2を実行し(S1331)、コマンド判定処理へ移行する(S1313)。この、経過時間確認処理2(S1331)は、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて電源投入からの経過時間を特定し、演出期間の種別を決定するための処理である。
なお、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)のS1317の処理に相当する処理は行われない。第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)のS1317の処理は、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納された電源投入時の時刻情報を計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに記憶させ、電断状態中も時刻情報を保持させるために行われる処理であり、RAM消去スイッチ122がオンされた状態で電源が再投入された場合に、電断状態とされる前と同じ時刻情報に基づいて経過時間Tを特定するために必要な処理であった。一方、第2実施形態では、電源投入時の時刻情報に基づいて経過時間Tを判断するのではなく、計時装置262のレジスタ352に設けられた経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて電源投入からの経過時間Tを特定する構成となっているため、電源投入時の時刻情報を電断状態中に保持しておく必要がなく、S1317に相当する処理を行う必要がない。
次に、図53を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される経過時間確認処理2(S1331)について説明する。経過時間確認処理2(S1331)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で実行される処理であり、電源投入からの経過時間Tに基づいて現在の演出期間の種別を判別するための処理である。
この経過時間確認処理2(S1331)のうち、S1603〜1612の各処理では、それぞれ第1実施形態における経過時間確認処理(S1311)S1603〜1612の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における経過時間確認処理2(S1331)では、第1実施形態における経過時間確認処理(S1311)のS1601、及びS1602の各処理に代えて、S1621、及びS1622の各処理が実行される。
即ち、経過時間確認処理2(S1331)が実行されると、計時装置262の経過時間カウンタ352cのカウント値を読み出して(S1621)、その読み出したカウント値に基づいて電源投入からの経過時間Tを特定し(S1622)、S1603の処理に移行する。そして、前述の通り、S1603以降の各処理に関しては、第1実施形態における経過時間確認処理(S1311)のS1603以降の各処理と同一の処理が実行される。
この経過時間確認処理2(S1331)により、現在の演出期間の種別が判別され、その判別された演出期間の種別に応じて、特別演出フラグ223eの状態が変更される。よって、特別演出フラグ223eがオンであるかオフであるかに応じて特別演出期間であるか通常演出期間であるかが示されるので、コマンド判定処理(図30参照)の変動パターン選択処理(図30のS1402参照)において、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンの態様を選択する際に、計時装置262の時刻情報(計時情報)を確認して特別演出期間であるか否かを判別する必要が無く、単に特別演出フラグ223eがオンであるか否かを確認するだけで良い。従って、変動パターンの態様を選択するための処理を簡素化し、処理負荷を軽減することができる。
以上のように、第2実施形態のパチンコ機10では、計時装置262のレジスタ352に1秒毎にカウント値が更新される経過時間カウンタ352cを設け、その経過時間カウンタ352bのカウント値に基づいて、パチンコ機10への電源投入からの経過時間Tを特定している。そして、その経過時間Tと、演出切替テーブル222bとに基づいて、演出期間の種別を特定できるように構成している。
また、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオフの状態であった場合には、経過時間カウンタ352cのカウント値を初期化し、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンであった場合には、経過時間カウンタ352cのカウント値を初期化せずに保持するように構成されている。
これにより、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオフである場合は、経過時間カウンタ352cのカウント値が初期化されるので、複数のパチンコ機10が設置されているホールにおいて、その複数の遊技機に対してRAM消去スイッチ122がオフの状態で一斉に電源を投入しておくだけで、各パチンコ機10の経過時間カウンタ352cのカウント値が全て初期化される。よって、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、前述の通り、計時装置262は、パチンコ機10の電源とは異なる電源である、計時装置用電源263から供給される電源に基づいて動作する。よって、パチンコ機10が電断状態中であっても、経過時間カウンタ352cによるカウント値の更新を継続させることができる。そして、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオンである場合は、経過時間カウンタ352cのカウント値は初期化されず、電源を投入する際の経過時間カウンタ352cのカウント値の続きからカウント値の更新が行われる。従って、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、経過時間カウンタ352cのカウント値が初期化されることを回避することができるので、電断状態とされなかった他のパチンコ機10に対して経過時間カウンタ352cのカウント値がずれてしまうことを抑制することができる。これにより、経過時間カウンタ352cのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
<第3実施形態における変形例>
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される経過時間確認処理2(S1331)の中で、計時装置262のレジスタ352に設けられた経過時間カウンタ352cのカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいて判断される経過時間Tと、演出期間テーブル222bとから演出期間の種別を判断するように構成しているが、計時装置262において経過時間カウンタ352bのカウント値に基づいて演出期間の種別を判断するように構成し、判断結果のみを音声ランプ制御装置113に通知するようにしても良い。
この場合、演出期間の種別を判断する毎に判断結果を通知するように構成しても良いし、異なる演出期間に切り替わる場合にのみ通知するように構成しても良い。また、演出期間の種別を判断するにあたって、ROM222に設けられた演出期間テーブル222bを読み出して演出期間の種別を判断しても良いし、レジスタ352に、演出期間テーブル222bに規定された情報と同等の情報を規定しておき、これを参照して演出期間の種別を判断するように構成しても良い。これにより、経過時間確認処理2を簡素化することができるので、MPU221の処理負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、経過時間カウンタ352cを計時装置262のレジスタ352にのみ設ける構成としたが、音声ランプ制御装置113のRAM223にも同様のカウンタ手段を設けておいても良い。この場合、RAM223はバックアップされていないので、電断状態になった場合にはカウンタ値がクリア(リセット)されてしまうが、RAM消去スイッチ122がオンされた状態で電源が投入された場合は、計時装置262のレジスタ352に設けられた経過時間カウンタ352cの値を参照して、音声ランプ制御装置113のカウンタ手段にカウンタ値を設定すれば良い。これにより、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される経過時間確認処理2(S1331)毎に、計時装置262の経過時間カウンタ352cからカウンタ値を取得する必要がなく、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたカウンタ手段の値を参照すれば良いので、MPU221の処理負荷を軽減することができる。
<第3実施形態>
次いで、図54〜図60を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、パチンコ機10に対して電源を投入したことに基づいて、計時装置262より時刻情報(計時情報)を取得し、その取得した時刻情報に基づいて演出期間の種別を判別するように構成されている。
より具体的には、電源を投入したことに基づいて計時装置262より取得した時刻情報(計時情報)を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておき、その格納した時刻情報と、計時装置262の計時する現在の時刻情報(計時情報)とから経過時間Tを算出する。そして、経過時間Tの値と演出期間との対応関係を規定した演出切替テーブル222bに基づいて、現在の演出期間が通常演出期間であるか、特別演出期間であるかを判別し、その特定した演出期間に応じた演出を実行させるように構成されている。
また、電断状態とされる場合に、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておいた時刻情報を、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bへ記憶させておき、電源を投入する際にRAM消去スイッチ122がオンとされていた場合は、電源投入を行った際の時刻に代えて、投入時刻格納エリア352bに記憶させた時刻情報を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納させるように構成されている。
これに対して第3実施形態におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、1m秒毎にカウンタ値が1ずつ減算されることにより更新される計時カウンタ223gを設け、その計時カウンタ223gのカウンタ値に基づいて、演出期間の種別を特定できるように構成している。
また、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオフの状態であった場合には、計時カウンタ223gのカウンタ値に初期値である3599999(1時間に相当するカウンタ値)を設定するように構成されている。なお、このカウンタ値は、電断状態にされる場合に、計時装置262のレジスタ352に設けられたカウンタ値格納エリア352eへ格納されて、電断状態中も保持される。そして、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンであった場合には、計時カウンタ223gのカウンタ値に、計時装置262のレジスタ352に設けられたカウンタ値格納エリア352eへ格納されているカウンタ値と、電断状態の期間とに基づいて、計時カウンタ223gの初期値を設定する。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のRAM223において、計時カウンタ223gが設けられている点、及び計時装置262のレジスタ352において、投入時刻格納エリア352bに代えて断時刻格納エリア352dと、カウンタ値格納エリア352eとが設けられている点である。また、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される立ち上げ処理(図26)およびメイン処理(図28)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図54を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図54は、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113には、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、RAM223が設けられている。そして、RAM223には、第1実施形態のパチンコ機10において設けられていた時刻情報格納エリア223fに代えて、計時カウンタ223gが設けられている。その他の構成については、第1実施形態のパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
計時カウンタ223gは、そのカウンタ値に応じて演出期間の種別を特定するために用いられるものである。計時カウンタ223gは、音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で実行されるカウンタ更新処理(S1341)により、音声ランプ制御装置113のメイン処理が実行される毎に、前回値から1が減算され、0に達した後初期値である3599999に戻るループカウンタとなっている。音声ランプ制御装置113のメイン処理は1m秒毎に行われるため、計時カウンタ223gは3600秒(即ち、1時間)毎に初期値に戻る。なお、計時カウンタ223gのカウンタ値と演出期間の種別との関係性としては、カウンタ値が0〜2999999(50分間に相当するカウンタ値)の範囲では通常演出期間と判断され、カウンタ値が3000000〜3599999(10分間に相当するカウンタ値)の範囲では特別演出期間と判断される。即ち、カウンタが一周する毎に、50分間の通常演出期間と10分間の特別演出期間とが訪れる。
このように、1時間遊技をしていれば必ず異なる演出期間に切り替わるので、演出期間が切り替わったことにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、長時間遊技を行っていても同じような演出しか発生せず、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、50分間の通常演出期間と10分間の特別演出期間とが周期的に繰り返されるので、遊技者は特別演出期間となる時間帯や通常演出期間となる時間帯を容易に把握することができる。よって、各遊技者に対して、自分の趣向に合った演出態様の演出が行われる演出期間を狙って遊技を開始させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図55を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の計時装置262の電気的構成について説明する。図55は、第3実施形態におけるパチンコ機10の計時装置262の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態の計時装置262は、第1実施形態と同様に、レジスタ352を有しており、そのレジスタ352は、図56に示す複数のレジスタからなるレジスタテーブルを有している。そして、このレジスタテーブルには、計時レジスタ352aと、断時刻格納エリア352dと、カウンタ値格納エリア352eとが含まれている。即ち、本実施形態の計時装置262は、第1実施形態におけるレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに代えて、断時刻格納エリア352dと、カウンタ値格納エリア352eとが設けられている。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
断時刻格納エリア352dは、パチンコ機10が電断状態とされる場合に、その時点で計時装置262が計時している時刻情報(計時情報)を記憶するレジスタである。また、カウンタ値格納エリア352eは、パチンコ機10が電断状態とされる場合に、その時点における計時カウンタ223gのカウンタ値を記憶するレジスタである。
これら断時刻格納エリア352d、及びカウンタ値格納エリア352eについて、図56を参照してより詳細に説明する。図56は、レジスタ352の有するレジスタテーブルの一部を模式的に表した図である。レジスタテーブルのアドレス00H〜06Hに割り当てられたレジスタ(計時レジスタ352a)、及びアドレス0DH〜11Hに割り当てられたレジスタは、第1実施形態におけるアドレス0H〜6Hに割り当てられたレジスタ、及びアドレスAH〜EHに割り当てられたレジスタと同様の構成及び機能を有するものである。一方、アドレス07H〜09Hは、断時刻格納エリア352dに相当し、アドレス0AH〜0CHは、カウンタ値格納エリア352eに相当する。第1実施形態では投入時刻格納エリア352bのうち、秒を格納するレジスタ、分を格納するレジスタ、時間を格納するレジスタがアドレス7H〜9Hにそれぞれ割り当てられていたが、本実施形態の断時刻格納エリア352dにおいても、これと同一の構成となっている。
これに対してカウンタ値格納エリア352eは、各bitに2のべき乗が対応付けられている。具体的には、アドレス0Aに割り当てられたレジスタのbit0〜bit7には、順に2の0乗(即ち、1),2の1乗(即ち、2),2の2乗(即ち、4),2の3乗(即ち、8),2の4乗(即ち、16),2の5乗(即ち、32),2の6乗(即ち、64),2の7乗(即ち、128),2の7乗(即ち、256)がそれぞれ対応付けられている。同様に、アドレス0Bに割り当てられたレジスタのbit0〜bit7には、2の8乗(即ち、512)〜2の15乗(即ち、32768)が対応付けられており、アドレス0Cに割り当てられたレジスタのbit0〜bit7には、2の16乗(即ち、65536)〜2の23乗(即ち、8388608)が対応付けられている。これら3バイト分の記憶領域を用いる事で、計時カウンタ223gが取りうる値である0〜3599999までの全ての値を表現することができる。
これら断時刻格納エリア352d、及びカウンタ値格納エリア352eは、いずれもパチンコ機10への電源投入時にRAM消去スイッチ122がオンされている場合に、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられている計時カウンタ223gの初期値を設定するために用いられる。詳細については立ち上げ処理の中で実行されるカウンタ初期値設定処理(S1231)の説明を行う際に後述するが、断時刻格納エリア352dに記憶された時刻情報に基づいて電断状態となっていた期間を特定し、その電断状態の期間に基づいて、その期間が何回分のカウンタ値の更新に相当するかを特定する。そして、特定したカウンタ値と、カウンタ値格納エリア352eに記憶されたカウンタ値に基づいて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた計時カウンタ223gの初期値を設定する。
このように、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオンである場合は、計時カウンタ223gに、電断状態であった期間を加味した初期値が設定されるので、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、電断状態とされなかった遊技機の計時カウンタ223gのカウンタ値に相当するカウンタ値を初期値として設定することができる。よって、電断状態とされなかった他のパチンコ機10に対して計時カウンタ223gのカウンタ値がずれてしまうことを抑制することができる。これにより、計時カウンタ223gのカウンタ値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、カウンタ値格納エリア352eのアドレス0AHおよび0BHの全てのbitがHとなり、アドレス0CHの0〜5bit目がH、6bit目、7bit目がLであった場合を計時カウンタ223gのカウンタ値に換算すると、4194303に相当し、カウンタ値の最大値である3599999を超えることとなる。つまり、アドレス0CHに割り当てられたレジスタの上位2bitを用いなくても計時カウンタ223gの取り得る全ての値を表現することができる。よって、このアドレス0CHの上位2bitに他の情報を記憶させておくようにしても良い。これにより、レジスタ352のレジスタテーブルを効率良く使用することができるので、レジスタ352の容量の増加を抑制し、コストアップを抑制することができる。
<第3実施形態における制御処理について>
次いで、図57〜60を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図57は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動される。
この立ち上げ処理のうち、S1201〜S1210およびS1212の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図26参照)のS1201〜S1210およびS1212の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における立ち上げ処理では、S1210の処理が完了すると、第1実施形態における立ち上げ処理(図26)の時刻取得処理(S1211)に代えて、カウンタ初期値設定処理(S1231)を実行する。
即ち、第3実施形態における立ち上げ処理では、S1210の処理によりRAM223の初期値を設定した後(S1210)、カウンタ初期値設定処理を実行し(S1231)、割込許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。この、カウンタ初期値設定処理(S1231)は、計時カウンタ223gのカウンタ値に初期値を設定する処理であり、電源の投入を起点としてカウンタ値の更新を開始させ、そのカウンタ値を演出期間の判別に用いることができるようにするために実行される処理である。
ここで、図58を参照して、カウンタ初期値設定処理(S1231)の詳細について説明する。カウンタ初期値設処理(S1231)では、まず、RAM消去スイッチ122がオンであるか否かを判別する(S1521)。そして、RAM消去スイッチがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1521:No)、RAM223の計時カウンタ223gに初期値である3599999をセットして(S1522)、特別演出フラグをオフとし(S1523)、本処理を終了して立ち上げ処理に戻る。
一方、RAM消去スイッチがオンであると判別した場合は(S1521:Yes)、計時装置262のレジスタ352に設けられた断時刻格納エリア352dから、前回パチンコ機10が電断状態となる際に計時装置262の計時した時刻情報を取得する(S1524)。次に、計時装置262の計時レジスタ352aより、現在時刻の情報を取得し、その現在時刻と、S1524の処理で取得した電断時の時刻情報とに基づいて、パチンコ機10が電断状態となっていた期間を算出し(S1525)、カウンタ値格納エリア352eから、前回パチンコ機10が電断状態となる際に記憶した、計時カウンタ223gのカウンタ値を取得する(S1526)。そして、S1525の処理で算出した電断状態の期間と、S1526の処理で取得したカウンタ値とから、電断状態とならずに計時カウンタ223gのカウンタ値の更新が継続したと仮定した場合における、現在の計時カウンタ223gのカウンタ値に相当する値を算出し(S1527)、算出したカウンタ値を計時カウンタ223gの初期値として設定する(S1528)。その後、設定した計時カウンタ223gの初期値が、特別演出期間に相当する値であるか否か、即ち、設定した初期値が3000000〜3599999の範囲内であるか否かを判別し(S1529)、特別演出期間でない(即ち、通常演出期間である)と判別した場合は(S1529:No)、特別演出フラグをオフとし(S1523)、本処理を終了して立ち上げ処理に戻る。一方、S1529の処理により、特別演出期間であると判別した場合は(S1529:Yes)、特別演出フラグをオンとし(S1530)、本処理を終了して立ち上げ処理に戻る。
このように、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオンである場合は、計時カウンタ223gに、電断状態となる際の計時カウンタ223gのカウンタ値と、電断状態であった期間とを加味した初期値が設定されるので、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、電断状態とされなかった遊技機の計時カウンタ223gのカウンタ値に相当するカウンタ値を初期値として設定することができる。よって、電断状態とされなかった他のパチンコ機10に対して計時カウンタ223gのカウンタ値がずれてしまうことを抑制することができる。これにより、計時カウンタ223gのカウンタ値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次いで、図59を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図52は、音声ランプ制御装置113のメイン処理を示すフローチャートである。
この音声ランプ制御装置113のメイン処理のうち、S1301〜S1310、S1312〜S1316、S1318、及びS1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28参照)のS1301〜S1310、S1312〜S1316、S1318、及びS1319の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、S1310の処理が完了すると、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)の経過時間確認処理(S1311)に代えて、カウンタ更新処理(S1331)が実行される。更に、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、S1316の処理が完了すると、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)の経過時間確認処理(S1311)に代えて、S1332、及びS1333の処理が実行される。
即ち、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、液晶演出実行管理処理(S1310)の実行後に、カウンタ更新処理を実行し(S1341)、コマンド判定処理へ移行する(S1313)。この、カウンタ更新処理(S1341)は、計時カウンタ223gのカウンタ値に基づいて電源投入からの経過時間を特定し、演出期間の種別を決定するための処理である。また、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、S1315の処理で電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合に(S1314:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1316)、計時装置262の計時レジスタ352aにより更新されている現在時刻を示す情報を、断時刻格納エリア352dへ記憶し(S1332)、計時カウンタ223gのカウンタ値を計時装置262のカウンタ値格納エリア352eへ記憶する(S1333)。その後、電源断処理を実行し(S1318)、電源断処理中フラグをオフして(S1319)、処理を、無限ループする。これらS1332、及びS1333の処理は、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源が投入された場合に、計時カウンタ223gのカウンタ値の初期値を設定するために用いられる情報を、電断状態中も保持しておくために、計時装置262のレジスタ352へ記憶させるための処理である。
ここで、図60を参照して、音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で実行されるカウンタ更新処理(S1331)について説明する。図60は、カウンタ更新処理(S1331)を示すフローチャートである。カウンタ更新処理は、計時カウンタ223gの値を更新し、その更新後のカウンタ値に基づいて現在の演出期間の種別を判別するための処理である。
このカウンタ更新処理では、計時カウンタ223gのカウンタ値が0であるか否かを確認し(S3701)、カウンタ値が0であれば(S3701:Yes)、計時カウンタ223gに、初期値である3599999を設定し(S3703)、S3704の処理に移行する。一方、カウンタ値が0以外の値であれば(S3701:No)、計時カウンタ223gのカウンタ値を1減算し(S3702)、S3704の処理に移行する。
S3704の処理では、S3702、またはS3703の処理により更新された計時カウンタ223gのカウンタ値が、特別演出期間を示す値であるか否か、即ち、3000000〜3599999の範囲内にあるか否かを判別する(S3704)。
そして、計時カウンタ223gのカウンタ値が特別演出期間を示す値であると判別した場合は(S3704:Yes)、特別演出フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S3709)、特別演出フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3709:Yes)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。一方、特別演出フラグ223eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S3709:No)、特別演出フラグをオンとし(S3710)、特別演出コマンドを設定し(S3711)、背面画像変更コマンドを設定して(S3712)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。
S3704の処理において、計時カウンタ223gのカウンタ値が特別演出期間を示す値でない(即ち、通常演出期間を示す値である)と判別した場合は(S3704:No)、特別演出フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S3705)、特別演出フラグ223eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S3705:No)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。一方、特別演出フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3705:Yes)、特別演出フラグをオフとし(S3706)、通常演出コマンドを設定し(S3707)、背面画像変更コマンドを設定して(S3708)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。
特別演出フラグ223eがオンであるかオフであるかによって特別演出期間であるか通常演出期間であるかが示されるので、コマンド判定処理(図30参照)の変動パターン選択処理(図30のS1402参照)において、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンの態様を選択する際に、計時装置262の時刻情報(計時情報)を確認して特別演出期間であるか否かを判別する必要が無く、単に特別演出フラグ223eがオンであるか否かを確認するだけで良い。よって、変動パターンの態様を選択するための処理を簡素化し、処理負荷を軽減することができる。
以上のように、第3実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のRAM223にメイン処理が実行される毎にカウンタ値が更新される計時カウンタ223gを設け、その計時カウンタ223gのカウンタ値に基づいて、演出期間の種別を特定できるように構成している。
また、パチンコ機10が電断状態とされる場合には、時装置262の計時レジスタ352aにより更新されている現在時刻を示す情報と、計時カウンタ223gのカウンタ値とを計時装置262のレジスタ352へ記憶するように構成している。そして、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオンであった場合には、電断状態とされた際の時刻情報と、計時カウンタ223gのカウンタ値とに基づいて、計時カウンタ223gのカウンタ値に、電断状態とならずに計時カウンタ223gのカウンタ値の更新が継続したと仮定した場合における、現在の計時カウンタの223gのカウンタ値に相当する値を設定する。一方、電源投入の際にRAM消去スイッチ122がオフの状態であった場合には、計時カウンタ223gのカウンタ値に初期値(即ち、3599999)を設定するように構成されている。
これにより、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオフである場合は、計時カウンタ223gのカウンタ値に初期値である3599999が設定されるので、複数のパチンコ機10が設置されているホールにおいて、その複数の遊技機に対してRAM消去スイッチ122がオフの状態で一斉に電源を投入しておくだけで、各パチンコ機10の計時カウンタ223gのカウンタ値が全て初期値である3599999に設定される。よって、計時カウンタ223gのカウント値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、前述の通り、計時装置262は、パチンコ機10の電源とは異なる電源である、計時装置用電源263から供給される電源に基づいて動作する。よって、パチンコ機10が電断状態中であっても、電断状態となる際に、断時刻格納エリア352dに記憶された電断状態とされる時点の時刻情報や、カウンタ値格納エリア352eに記憶された電断状態とされる時点の計時カウンタ223gのカウンタ値を保持できる。
そして、パチンコ機10に対して電源を投入する際に、RAM消去スイッチ122がオンである場合は、計時カウンタ223gのカウンタ値に初期値である3599999が設定されるのでなく、電断状態となる際の計時カウンタ223gのカウンタ値と、電断状態であった期間とを加味したカウンタ値が設定されるので、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、電断状態とされなかった遊技機の計時カウンタ223gのカウンタ値に相当するカウンタ値を初期値として設定することができる。
従って、電断状態とされなかった他のパチンコ機10に対して計時カウンタ223gのカウンタ値がずれてしまうことを抑制することができる。これにより、計時カウンタ223gのカウンタ値に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、計時カウンタ223gにおいて、1時間に対応するカウンタ値を初期設定して、それを減算して構成したが、加算して構成して、対応する時間のカウンタ値まで加算されることにより判別するように構成してもよい。また、カウンタを複数設けて、8ビットずつのカウンタで構成して、それぞれ上限値で桁上げするように構成してもよい。このように構成することで、それぞれのカウンタのビット数を少なくすることができ、容易にカウンタを構成することができる。また、カウンタを計時用のカウンタIC等で構成してもよい。
<第4実施形態>
次に、図61〜67を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、パチンコ機10に対して電源を投入したことに基づいて、計時装置262より時刻情報(計時情報)を取得し、その取得した時刻情報に基づいて演出期間の種別を判別するように構成されている。
より具体的には、電源を投入したことに基づいて計時装置262より取得した時刻情報(計時情報)を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておき、その格納した時刻情報と、計時装置262の計時する現在の時刻情報(計時情報)とから経過時間Tを算出する。そして、経過時間Tの値と演出期間との対応関係を規定した演出切替テーブル222bに基づいて、現在の演出期間が通常演出期間であるか、特別演出期間であるかを判別し、その特定した演出期間に応じた演出を実行させるように構成されている。
また、電断状態とされる場合に、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておいた時刻情報を、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bへ記憶させておき、電源を投入する際にRAM消去スイッチ122がオンとされていた場合は、電源投入を行った際の時刻に代えて、投入時刻格納エリア352bに記憶させた時刻情報を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納させるように構成されている。
これに対して第4実施形態では、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)と、時刻毎に演出期間の種別が規定された期間情報テーブルとに基づいて、現在の演出期間の種別を判別するように構成されている。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のROM222において、演出切替テーブル222bに代えて期間情報テーブル222cが設けられている点、RAM223において、時刻情報格納エリア223fに代えて期間情報格納エリア223hが設けられている点、及び計時装置262のレジスタ352において、投入時刻格納エリア352bが設けられていない点である。また、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される立ち上げ処理(図26)およびメイン処理(図28)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態における電気的構成について>
まず、図61を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図61は、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113には、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、ROM222、及びRAM223が設けられている。そして、ROM222には、第1実施形態のパチンコ機10において設けられていた演出切替テーブル222bに代えて期間情報テーブル222cが設けられている。また、RAM223には、第1実施形態のパチンコ機10において設けられていた時刻情報格納エリア223fに代えて、期間情報格納エリア223hが設けられている。その他の構成については、第1実施形態のパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
期間情報テーブル222cは、時刻毎に演出期間の種別を規定したものであり、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)を参照して、現在の演出期間の種別を特定するために用いられる。また、期間情報格納エリア223hは、期間情報テーブル222cに規定された時刻毎の演出期間の種別を記憶する領域であり、立ち上げ処理(図64)のテーブル取得処理(S1241)において、ROM222の期間情報テーブル222cに規定された情報を読み出して記憶する。
ここで、図62を参照して、ROM222に設けられた期間情報テーブル222cの詳細について説明する。図62は、期間情報テーブル222cの一例を模式的に示した図である。図62に示すように、期間情報テーブル222cには、演出期間の種別が、時刻に対応付けられて規定されている。時刻が通常演出期間を示すものであった場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた特別演出フラグ223e、及び表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた表示用特別演出フラグ233kがオフとなる。そして、これらのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が通常の演出態様で行われる。一方、時刻が特別演出期間を示すものであった場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223内に設けられた特別演出フラグ223e、及び表示制御装置114のワークRAM233内に設けられた表示用特別演出フラグ233kがオンとなる。そして、これらのフラグに基づいて、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227により行われる演出が特別な演出態様で行われる。
図62に示す通り、本実施形態では、9:00から10:00までの間の60分間は通常演出期間であり、その後の10分間である、10:00から10:10分までの間は特別演出期間とされる。そして、その特別演出期間とされる10分間が経過した後は再び通常演出期間とされ、その通常演出期間が11:00まで50分間継続する。そして、以降は10分間の特別演出期間と50分間の通常演出期間とを交互に繰り返される。
このように、9:00から10:00までの60分間を除き、1時間遊技をしていれば必ず異なる演出期間に切り替わるので、演出期間が切り替わったことにより遊技者に対して目新しさを感じさせることができる。よって、長時間遊技を行っていても同じような演出しか発生せず、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、10分間の特別演出期間と50分間の通常演出期間とが周期的に繰り返されるので、遊技者は特別演出期間となる時間帯や通常演出期間となる時間帯を容易に把握することができる。よって、各遊技者に対して、自分の趣向に合った演出態様の演出が行われる演出期間を狙って遊技を開始させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図62において時刻が12:00以降における時刻と演出期間の種別(期間情報テーブル)との対応関係を省略して記載しているが、実際には12:00以降も、10分間の特別演出期間と50分の通常演出期間とが交互に繰り返されるように設定される。この期間情報テーブル222cの時刻は、最低限ホールの営業終了時間まで設定しておけば良く、例えば9:00〜22:45までの間の対応関係を規定しておいても良い。また、9:00から翌日の9:00までの範囲で対応関係を設定しておいてもよい。なお、演出期間の種類は必ずしも通常演出期間と特別演出期間との2種類に限られるものではなく、実行される演出の態様が互いに異なる3種類以上の演出期間を設けても良い。
次に、図63を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の計時装置262の電気的構成について説明する。図63は、第2実施形態におけるパチンコ機10の計時装置262の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態の計時装置262は、第1実施形態と同様に、レジスタ352を有しており、第1実施形態におけるレジスタ352に設けられた計時レジスタ352aを有しているが、投入時刻格納エリア352bを有していない。即ち、本実施形態では、レジスタ352は時刻を計時する目的のみのために用いられ、第1実施形態のように電断状態中に情報を保持するために用いられるものではない。なお、その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
<第4実施形態における制御処理について>
次いで、図64〜67を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図64は、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動される。
この立ち上げ処理のうち、S1201〜S1210およびS1212の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図26参照)のS1201〜S1210およびS1212の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における立ち上げ処理では、S1210の処理が完了すると、第1実施形態における立ち上げ処理(図26)の時刻取得処理(S1211)に代えて、テーブル取得処理(S1241)を実行する。
即ち、第4実施形態における立ち上げ処理では、S1210の処理によりRAM223の初期値を設定した後(S1210)、テーブル取得処理を実行し(S1241)、割込許可を設定して(S1212)、メイン処理へ移行する。この、テーブル取得処理(S1241)は、ROM222の期間情報テーブル222cに規定された時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)を取得する処理であり、期間情報テーブル222cに規定された対応関係を、演出期間の判別に用いることができるようにするために実行される処理である。
ここで、図65を参照して、テーブル取得処理(S1241)の詳細について説明する。テーブル取得処理(S1241)では、ROM222より期間情報テーブルに規定された時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)を読み出して(S1531)、読み出した対応関係を期間情報格納エリア223hへ格納する(1532)。その後、計時装置の262の計時する現在の時刻情報(計時情報)を読み出して、その時刻情報と、期間情報格納エリア223hへ格納した対応関係とに基づいて、現在の演出期間の種別を特定する(S1533)。
S1534の処理では、S1533の処理による特定結果が特別演出期間であるか否かを判別し(S1534)、特別演出期間であると判別した場合は(S1534:Yes)、特別演出フラグ223eをオンとして(S1535)本処理を終了し、立ち上げ処理に戻る。一方、S1534の処理の結果、特別演出期間でない(即ち、通常演出期間である)と判別した場合は(S1534:No)、特別演出フラグ223eをオフとして(S1536)本処理を終了し、立ち上げ処理に戻る。
このように、パチンコ機10に対して電源を投入する毎に、期間情報テーブル222cに規定された対応関係を、期間情報格納エリア223hへ格納するので、時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)は電断状態となったか否かに拘わらず毎回同じものを参照することができる。よって、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、電源を再度投入すれば、電断状態とされなかった他のパチンコ機10が演出期間の種別を判断するために用いている時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)と同じ対応関係を、RAM223の期間情報格納エリア223hに格納させることができる。従って、期間情報格納エリア223hに格納された対応関係に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次いで、図66を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図66は、音声ランプ制御装置113のメイン処理を示すフローチャートである。
この音声ランプ制御装置113のメイン処理のうち、S1301〜S1310、S1312〜S1316、S1318、及びS1319の各処理では、それぞれ第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28参照)のS1301〜S1310、S1312〜S1316、S1318、及びS1319の各処理と同一の処理が実行される。そして、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、S1310の処理が完了すると、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)の経過時間確認処理(S1311)に代えて、時刻確認処理(S1351)を実行する。
即ち、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、液晶演出実行管理処理(S1310)の実行後に、時刻確認処理(S1351)を実行し、コマンド判定処理へ移行する(S1313)。この、時刻確認処理(S1351)は、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)と、RAM223の期間情報格納エリアに格納された、時刻と演出種別との対応関係(期間情報テーブル)とに基づいて現在の演出期間の種別を決定するための処理である。
なお、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理では、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)のS1317の処理に相当する処理は行われない。第1実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理(図28)のS1317の処理は、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納された電源投入時の時刻情報を計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに記憶させ、電断状態中も時刻情報を保持させるために行われる処理であり、RAM消去スイッチ122がオンされた状態で電源が再投入された場合に、電断状態とされる前と同じ時刻情報に基づいて経過時間Tを特定するために必要な処理であった。一方、第4実施形態では、経過時間Tを用いずに、計時装置262の計時する時刻情報そのものを用いて演出期間の種別を判別する構成となっているため、電源投入時の時刻情報を電断状態中に保持しておく必要がなく、S1317に相当する処理を行う必要がない。
次に、図67を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される時刻確認処理(S1351)について説明する。時刻確認処理(S1351)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理の中で実行される処理であり、計時装置の計時する時刻情報に基づいて演出期間の種別を判断する処理である。
この時刻確認処理では、計時装置262の計時する現在の時刻情報を読み出し(S3801)、読み出した時刻情報と、RAM223の期間情報格納エリアに格納された、時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)とを比較する(S3802)。
そして、比較した結果、現在の時刻が特別演出期間を示すものであるか否かを判別し(S3803)、計時カウンタ223gのカウンタ値が特別演出期間を示す値であると判別した場合は(S3803:Yes)、特別演出フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S3808)、特別演出フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3808:Yes)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。一方、特別演出フラグ223eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S3808:No)、特別演出フラグをオンとし(S3809)、特別演出コマンドを設定し(S3810)、背面画像変更コマンドを設定して(S3811)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。
S3803の処理において、計時カウンタ223gのカウンタ値が特別演出期間を示す値でない(即ち、通常演出期間を示す値である)と判別した場合は(S3803:No)、特別演出フラグ223eがオンであるか否かを判別し(S3804)、特別演出フラグ223eがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S3804:No)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。一方、特別演出フラグ223eがオンであると判別した場合は(S3804:Yes)、特別演出フラグをオフとし(S3805)、通常演出コマンドを設定し(S3806)、背面画像変更コマンドを設定して(S3807)、本処理を終了し、音声ランプ制御装置113のメイン処理に戻る。
特別演出フラグ223eがオンであるかオフであるかによって特別演出期間であるか通常演出期間であるかが示されるので、コマンド判定処理(図30参照)の変動パターン選択処理(図30のS1402参照)において、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づいて変動パターンテーブル222aから変動パターンの態様を選択する際に、計時装置262の時刻情報(計時情報)を確認して特別演出期間であるか否かを判別する必要が無く、単に特別演出フラグ223eがオンであるか否かを確認するだけで良い。よって、変動パターンの態様を選択するための処理を簡素化し、処理負荷を軽減することができる。
以上のように、第4実施形態のパチンコ機10では、RAM223に設けられた期間情報格納エリア223hに記憶された時刻と演出期間との対応関係に基づいて、演出期間の種別を特定できるように構成している。
また、RAM223はバックアップされていない揮発性のメモリであるため、パチンコ機10が電断状態とされる場合には、期間情報格納エリア223hに記憶された情報はクリアされてしまうが、不揮発性メモリで構成されているROM222の期間情報テーブル222cに、時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)が規定されているので、電源の再投入時に期間情報テーブル222cに規定された期間情報テーブルを期間情報格納エリア223hに記憶させるだけで、電断状態となる前と同じ期間情報テーブルに基づいて演出期間の種別を判断することができる。
よって、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、電源を再度投入すれば、電断状態とされなかった他のパチンコ機10が演出期間の種別を判断するために用いている時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)と同じ対応関係を、RAM223の期間情報格納エリア223hに格納させることができる。従って、期間情報格納エリア223hに格納された対応関係に基づいて判断される演出期間の種別も各パチンコ機10で一致させることができるので、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態では、計時装置262のレジスタ352に、電源投入時の時刻情報や電断状態へ移行する際の時刻情報を記憶させたり、周期的に値が更新されるカウンタを設けたりしていない。即ち、計時装置262は在時刻を取得するためにのみ用いられるので、レジスタ352の容量が他の実施形態に比較して少なくて済む。よって、記憶容量の削減により、計時装置262の低コスト化を図ることができる。
なお、本実施形態では時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)を規定した期間情報テーブル格納エリア222cを、音声ランプ制御装置113のROM222に設けているが、主制御装置110のROM202に時刻と演出期間の種別との対応関係を規定しておいても良いし、計時装置262のレジスタ352に時刻と演出期間の種別との対応関係を記憶させておいても良い。この場合、立ち上げ処理(図64)のテーブル取得処理(S1231)において、時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)を、主制御装置110のROM202、又は計時装置262のレジスタ352から読み出して、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた機関情報格納エリア223gへ格納するように制御すれば良い。
また、計時装置262のレジスタ352に時刻と演出期間の種別との対応関係を記憶させた場合において、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)と、レジスタ352に記憶された時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)とに基づいて、計時装置262に現在の演出期間を判別させるように構成しても良い。この場合、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図66)の中で実行される時刻確認処理(S1351)のS3801〜S3803の処理を計時装置262に行わせ、音声ランプ制御装置113に対して現在の演出期間の種別が特別演出期間であるかを通知すれば良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)と、期間情報格納エリア223hに格納された時刻と演出期間の種別との対応関係(期間情報テーブル)とから演出期間の種別を判断しているが、これに代えて、音声ランプ制御装置113にカウンタ手段を設けておき、電源投入に基づいて周期的に値が更新されるように構成し、そのカウンタ手段の値に基づいて経過時間Tを判断しても良い。
<第5実施形態>
次に、図68〜73を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、電断状態とされる場合に、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておいた時刻情報を、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bへ記憶させておき、電源を投入する際にRAM消去スイッチ122がオンとされていた場合は、電源投入を行った際の時刻に代えて、投入時刻格納エリア352bに記憶させた時刻情報を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納させるように構成されている。
これに対して第5実施形態では、遊技者が時刻情報を設定することができ、その設定した時刻となったことに基づいて、第3図柄表示装置81等に所定の報知態様を報知するように構成されている。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のRAM223において、遊技者が操作入力部23を操作することにより設定された設定時刻情報を記憶するための設定時刻格納エリア223iが追加されており、その設定時刻格納エリア223iに設定された時刻情報であると判別した場合には報知態様を報知する処理が追加されている点で、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201において実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第5実施形態における電気的構成について>
次に、図68を参照して、第5実施形態における電気的構成について説明する。第5実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223に設定時刻格納エリア223iが追加され、音声ランプ制御装置113に操作入力部23が電気的に接続されている。その他の構成については、第1実施形態と同一である。
設定時刻格納エリア223iは、遊技者が操作入力部23を操作して設定する時刻情報が格納されるエリアである。設定時刻格納エリア223iに時刻情報が格納されると、その設定時刻になったことに基づいて、第3図柄表示装置81に報知態様が表示されるように設定される。なお、この設定時刻格納エリア223iに設定された時刻情報は、パチンコ機10の電源が断されると初期化される。初期設定では、予め設定された初期データが設定される。この初期データが設定されている場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221は、設定時刻格納エリア223iに時刻情報が設定されていない状態であると判別するように構成されている(図71のS4002:No)。
操作入力部23は、遊技者が操作することが可能なように枠ボタン22の左側(図示せず)に設けられており、遊技者が任意の時刻を設定できるように入力操作部とその設定された時刻を確認できる表示部とが設けられている。入力操作部は、時・分・秒を設定するようにそれぞれの操作部(押下ボタン)が設けられている。操作部を遊技者が操作すると、操作した操作部に対応する情報(時・分・秒)のいずれかが加算(例えば、時であれば、1時間、分であれば、1分、秒であれば1秒毎)されるように構成されている。なお、それぞれ上限値まで加算されると初期値である0に設定される。そして、操作入力部23には決定操作部が設けられており、遊技者がその決定操作部を操作すると、現在表示部に表示されている時刻が設定時刻としてパチンコ機10に設定されるように構成されている。
具体的には、決定操作部が操作されることに基づいて、表示部に表示されている時刻情報が音声ランプ制御装置113のRAM223における設定時刻格納エリア223iに格納される。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221がその設定された設定時刻になったと判断すると、第3図柄表示装置81に「設定時刻になりました!」という文字を表示するための表示用コマンドを設定する。
なお、本実施形態では、操作入力部23は、時刻を設定するように構成したが、それに限らず、第3図柄表示装置81に表示される態様(例えば、文字、図柄、キャラクタ、背景色等)を設定できる入力部を備えるように構成してもよいし、音声出力装置226から出力される音声の種類や、ランプ表示装置227で点灯される点灯色や点灯態様等を設定可能なように構成してもよい。
また、本実施形態は、遊技者が設定した時刻となると、報知態様を報知するように構成したが、それに限らず、音声ランプ制御装置113のROM222に設定されている特別図柄の変動パターンテーブルの種別を切り替えるように設定したり、変動パターンテーブルの種別(モード)を指定して切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が設定した時刻となると、特別図柄の変動パターンが切り替えられるので、遊技をしながら他の遊技者に気づかれることなく、設定時間となったことを認識することができる。また、遊技者が任意の時間に所定の変動パターンを楽しむことができる。
ここで、切り替える変動パターンテーブルは、変動時間や変動種別(外れ、リーチ外れ等)はそれぞれ主制御装置110より指示されたものと変わらないように設定されており、表示されるキャラクタの種別や、背景色、効果音、予告演出等が変更されるように構成されたものである。
更に、本実施形態では、パチンコ機10の電源が断されると設定時刻格納エリア223iに設定された時刻情報が初期化されるように構成したが、これに限らず、操作入力部23の入力操作部に、時刻情報の初期化に対応した操作部(押下ボタン)を設けておいても良い。これにより、報知を行わせる時刻情報を設定した遊技者が、設定した時刻になる前に遊技を止めてしまった場合であっても、次に遊技を行う遊技者は、操作入力部23の入力操作部を操作するだけで時刻情報を初期化することができる。
また、設定時刻情報を記憶させるための記憶領域(設定時刻格納エリア223i)を音声ランプ制御装置113のRAM223に設けるのではなく、計時装置262のレジスタ352に設けておき、パチンコ機10が電断状態中であっても設定時刻情報が初期化されずに保持されるように構成しても良い。これにより、パチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、設定時刻情報を設定した遊技者の意に反してパチンコ機10が電断状態にされてしまったとしても、設定時刻情報が初期化されることを抑制することができるので、遊技者が設定した設定時刻情報に基づいて、遊技者に対して確実に報知を行うことができる。
<第5実施形態における制御処理について>
次に、図69〜71を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。第5実施形態では、第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図28)の経過時間確認処理(図29のS1311)に代えて、報知時刻設定処理(図70のS1361)と報知処理(図71のS1362)とがそれぞれ追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行される。
次に、図70を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図60)の一処理である報知時刻設定処理(S1361)について説明する。図70は、この報知時刻設定処理(S1361)のフローチャートである。
報知時刻設定処理(図70のS1361)では、まず、操作入力部23の決定操作部が操作されたかを判別する(S3901)。操作入力部23の決定操作部が操作されていないと判別した場合には(S3901:No)、この処理を終了する。一方、操作入力部23の決定操作部が操作されたと判別した場合には(S3901:Yes)、操作入力部23に入力されている時刻情報を設定時刻格納エリア223iに格納して(S3902)、この処理処理を終了する。
次に、図71を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図69)の一処理である報知処理(S1362)について説明する。図71は、この報知処理(S1362)のフローチャートである。
報知処理(S1362)では、まず、計時装置262が計時する計時データを計時レジスタ352aより計時データを取得して、現在時刻の読み出しを実行する(S4001)。時刻情報格納エリア223iに時刻情報が格納されているか判別する(S4002)。時刻情報格納エリア223iに時刻情報が格納されていないと判別した場合には(S4002:No)、この処理を終了する。
一方、時刻情報格納エリア223iに時刻情報が格納されている、即ち、遊技者により時刻設定が実行されていると判別した場合には(S4002:Yes)、S4001で読み出した時刻と設定時刻とが一致するか判別する(S4003)。設定時刻であると判別した場合には(S4003)、報知コマンドを設定し(S4004)、その後、この処理を終了する。
この報知コマンドが表示制御装置114に出力されると、表示制御装置114のMPU231により第3図柄表示装置81に「設定時刻になりました!」という文字が表示される設定が実行される。
このように、本実施形態では、遊技者が設定した時刻をパチンコ機10に設定できるように構成されており、その設定時刻となると、遊技者に設定時刻となったことを示す報知態様が報知されるので、遊技者は、設定時刻に電話をしたり、メールをする等の予定を思い出すことができたり、遊技を開始してからの時間経過を容易に判別することができる。
次に、図72〜73を参照して、第5実施形態における表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理について説明する。第5実施形態では、第1実施形態のコマンド判定処理(図36のS2102)に対して、S2251、及びS2252の処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行される。
次に、図72を参照して、第5実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理(S2102)について説明する。図72は、このコマンド判定処理(S2102)を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(図72のS2102)のS2206の処理において、通常演出コマンドを受信していないと判別した場合には(S2206:No)、報知コマンドを受信しているか判別する(S2251)。報知コマンドを受信したと判別した場合には(S2251:Yes)、報知コマンド処理を実行する(S2252)。
ここで、図73を参照して、この報知コマンド処理(S2252)について説明する。図73は、この報知コマンド処理(S2252)を示したフローチャートである。
報知コマンド処理(図73のS2252)では、まず、「設定時間になりました!」という文字表示に対応した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4101)。
次いで、S2301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4102)。
次いで、S4101の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する表示時間を基に、その表示時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4103)、ポインタ233fを0に初期化する(S4104)。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態における構成では、遊技者が設定した時間に基づいて、第3図柄表示装置81に報知態様を表示することで、遊技者に設定時間となったことを容易に報知することができる。
また、本実施形態の構成に加えて、遊技者が設定した時間となることで、特別の変動パターンが選択されたり、特定の背景(例えば、赤色の背景)等が選択されるように構成することで、遊技の演出の中で、設定時間となったことを自然に認識することができる。よって、遊技者が遊技に集中したまま設定時間となったことを認識できる。
また、任意の時間に変動パターンを切り替えることができるので、遊技時間の経過により遊技の演出を変えることができ、遊技者に合わせた設定が可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制できる。
なお、本実施形態では、遊技者が設定した時間に基づいて、第3図柄表示装置81に報知態様を表示する構成としているが、計時装置262の計時する時刻情報(計時情報)を常に表示させておき、遊技者が設定した時間となった場合には、時刻情報に加えて報知態様を表示するように構成しても良い。これにより、遊技者は、設定した時間となる前であっても現在時刻を把握することができるので、遊技者に対して、より確実に設定した時刻になったことを認識せることができる。
<第6実施形態>
次に、図74〜図83を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、電断状態とされる場合に、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納しておいた時刻情報を、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bへ記憶させておき、電源を投入する際にRAM消去スイッチ122がオンとされていた場合は、電源投入を行った際の時刻に代えて、投入時刻格納エリア352bに記憶させた時刻情報を、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納させるように構成されている。
これに対して第6実施形態では、電源を投入する場合に、投入時刻格納エリア352bから取得した時刻情報と計時装置262から取得した現在の時刻情報とを比較して、日付情報が異なっている場合には、RAM消去スイッチ122がオンされている場合にも、投入時刻格納エリア352bに格納されている時刻情報を時刻情報格納エリア223fに格納せずに、計時装置262から取得した時刻情報を時刻情報格納エリア223fに格納するように構成した点で第1実施形態とは相違する。
また、第6実施形態では、レジスタ2353を新たに設けて、そのレジスタ353に選択された変動パターンの情報や電源断時に選択されている背景画像情報や設定されている遊技状態の情報等が記憶され、電源投入時にバックアップされるように構成した点で第1実施形態とは相違する。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第6実施形態における電気的構成について>
次に、図74〜図76を参照して、第6実施形態における電気的構成について説明する。本第6実施形態におけるパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10に対して、計時装置262の構成が相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その説明は省略する。
図74は、本第6実施形態における計時装置262の電気的構成を示したブロック図である。本第6実施形態では、第1実施形態に対して、レジスタ353が追加されている。また、レジスタ1(352)は、図75に示すように、投入時刻格納エリア352bが1バイトのRAM領域(アドレス7)と、アドレスA〜EのMIN Alarm、HOUR Alarm、WEEK Alarm、DAY Alarm、Timer Counter0、Timer Counter1とで構成されている。
レジスタ1(352)について、図75を参照して詳細について説明する。第1実施形態では、3バイトで構成された投入時刻格納エリア352b(図10参照)が設定されていたが、本第6実施形態では、図75に示すように、投入時刻格納エリア352bとして、7バイトの領域が設定されている。また、アドレスA〜Eは、アラーム領域としても設定されており、アドレスD〜Eは、カウンタとしても設定されている。
投入時刻格納エリア352bの7バイトの領域のうち、RAMの領域(アドレス7)は、計時レジスタ352aで計時されるYEARの情報(年データ)が記憶される記憶領域である。MIN Alarm(アドレスA)は、計時レジスタ352aで計時されるMONTHの情報(月情報)が記憶され、HOUR Alarm(アドレスB)は、計時レジスタ352aで計時されるDAYの情報(日にち情報)が記憶され、WEEK Alarm(アドレスC)は、計時レジスタ352aで計時されるWEEKの情報(週情報)が記憶され、DAY Alarm(アドレスC)は、計時レジスタ352aで計時されるHOURの情報(時間情報)が記憶され、Timer Counter0(アドレスD)は、計時レジスタ352aで計時されるMINの情報(分情報)が記憶され、Timer Counter1(アドレスE)は、計時レジスタ352aで計時されるSECの情報(秒情報)が記憶されるように構成されている。なお、記憶される方法としては、第1実施形態で説明した計時レジスタ352aで計時される場合に設定される情報と同様であり、各ビットに対して、それぞれの単位が割り付けされている。
このように、本第6実施形態では、投入時刻格納エリア352bの専用記憶エリアとしては、1バイトのRAM記憶領域として、その他の領域としては、アラーム機能やカウンタ機能として通常時は用いる領域を使用するように構成した。このように構成することで、専用の記憶領域を小さく構成することができ、レジスタ1(352)の領域を小さく構成することができ、安価に構成で、大型化することも抑制できる。また、投入時刻格納エリア352bの記憶領域(記憶容量)を大きくすることができ、詳細な時刻情報(年月日情報を含めた情報)を記憶することができる。
次に、図76を参照して、レジスタ2(353)について説明する。レジスタ2は、図76に示すように、アドレス0〜Fで示された17バイトの記憶領域で構成されている。アドレス0は、ミリ秒を記憶する記憶領域として設定されており、書き込みができない領域として設定されている。アドレス1は、SECとして秒を記憶する領域であり、アドレス2は、MINとして分を記憶する領域であり、アドレス3は、HOURとして時間を記憶する領域であり、アドレス4は、WEEKとして週を記憶する領域であり、アドレス5は、DAYとして日を記憶する領域であり、アドレス6は、MONTHとして月を記憶する領域であり、アドレス7は、YEARとして年を記憶する領域であり、アドレス8は、MIN Alarmとして、アラーム機能としての分を記憶する領域であり、アドレス9は、HOUR Alarmとして、アラーム機能としての時間を記憶する領域であり、アドレスAは、WEEK Alarmとして、アラーム機能としての週を記憶する領域、DAY Alarmとして、アラーム機能としての日を記憶する領域、アドレスBは、Timer Counter0としてカウンタ領域、アドレスCは、Timer Counter1としてカウンタ領域、アドレスDは、Extension Registerとして、レジスタの記憶領域であり、アドレスEは、Flag Registerとしてフラグの記憶領域であり、アドレスFは、Contorol Registerとしてレジスタの記憶領域である。
アドレス1〜アドレスFまでの記憶領域は、各種データを書き込むことが可能に構成された記憶領域である。さらに、予め定義されているデータ種別以外にも、設定されている記憶容量内でデータを記憶することが可能に構成されている。このように、書き込みが可能な領域を利用して、電断時に音声ランプ制御装置113から各種データを記憶させておくことでバックアップ領域としてレジスタ2を利用することができる。
本第6実施形態では、レジスタ2には、確変報知カウンタ格納エリア353a、背景画像情報格納エリア353b、時短回数格納エリア353c、エンドデータ格納エリア353d、選択データ格納エリア353e、その他データ格納エリア353zがそれぞれ設定されている。
確変報知カウンタ格納エリア353aは、音声ランプ制御装置113のMPU221により決定される確変報知カウンタの値が電源断時に音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)のバックアップ処理(図82、S1380)内のS1382の処理において記憶される記憶領域である。この確変報知カウンタ格納エリア353aは、レジスタ2(図76参照)のアドレス1〜2に設定されている。ここで、確変報知カウンタ格納エリア353aに記憶される確変報知カウンタ(図示せず)は、音声ランプ制御装置113のRAM223のその他記憶エリア223z内に設定されるカウンタであり、当否判定結果が大当たりとなり大当たりAが選択された場合に、大当たり遊技後に確変遊技状態であることを遊技者に報知するまでの抽選遊技(特別図柄が変動表示されて当否判定結果が報知される遊技)の回数を決定するためのカウンタである。本第6実施形態では、大当たりA、大当たりBのどちらに当選したかは、第3図柄や大当たり遊技の演出からは判別が困難に構成されており、大当たりAに当選すると、確変報知カウンタの値が1〜99のいずれかより抽選により決定されて設定されて決定される。大当たり遊技後に、特別図柄(第3図柄)が変動開始される毎に確変報知カウンタの値は1ずつ減算され、確変報知カウンタの値が0となった場合に、第3図柄表示装置81に表示された背景画像の色が赤色に変更されて、表示領域の右上に「確変突入」という文字が表示されて遊技者に遊技状態が確変遊技状態(高確率遊技状態)であることが報知されるように構成されている。
このように構成することで、大当たり後に確変遊技状態であるか否かが遊技者が判別困難にすることができ、確変遊技状態で遊技しているのではないかと遊技者に期待を持たせて遊技を行うことができる。また、ランダムな契機で確変遊技状態であることが報知されるので、遊技者に新鮮味のある演出を提供できる。
また、確変報知カウンタ格納エリア353aに、電断時に確変報知カウンタの値がバックアップされ、電源が再投入された場合に、確変報知カウンタ格納エリア353aに格納されている値を確変報知カウンタに初期値として設定することで、電源断が発生しても、遊技者に確変報知のタイミングを変えることがなく報知できる。
なお、本実施形態では、確変報知カウンタの値を電断時に確変報知カウンタ格納エリア353aに記憶させるように構成したが、それに限らず、電断時に確変報知カウンタの値が0より大きい、即ち、確変遊技状態であり、まだ遊技者に報知される前の状態である場合に、確変報知カウンタ格納エリア353aに確変非報知状態であることを示す情報を設定しておき、電源が再投入された場合に、確変報知カウンタの値を確変非報知状態であることを判別して再抽選して設定するように構成してもよい。
背景画像情報格納エリア353bは、電断時に第3図柄表示装置81に表示されている背景画像データに関する情報が記憶される記憶領域である。この背景画像情報格納エリア353bは、レジスタ2(図76参照)のアドレス8〜アドレスAの記憶領域に設定されている。
電源断時には、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図80参照)内のバックアップ処理(図82、S1380)のS1383の処理において設定されている背景画像データ(背景モード)に関する情報が背景画像情報格納エリア353bに格納される。また、その後の電源投入時には、立ち上げ処理(図77参照)内の各種データ設定処理(図79、S1260)のS1265の処理により背景画像情報格納エリア353bに格納されている背景画像に関する情報に基づいて、設定されるべき背景画像の情報が背景モード記憶エリア(図示せず)に設定される。
これにより、遊技者が枠ボタン22を押下して、好みの背景画像を選択している場合にも、電源復帰がされると、その背景画像で遊技が再開されることが可能となる。また、実際は確変非報知の状態で、確変遊技状態であることが遊技者に報知されていない状態であっても、その非報知の状態を維持して復帰することが可能となる。これにより遊技者に違和感や、電源が断したことにより遊技性が低下する不具合を抑制できる。
時短回数格納エリア353cは、時短遊技状態である場合に電源断が発生すると、その時点での時短回数(或いは残時短回数)が記憶される記憶領域である。この時短回数格納エリア253cは、レジスタ2(図76参照)のアドレスBに設定されている。
エンドデータ格納エリア353dは、電源断時にレジスタ2(図76参照)にバックアップすべきデータをすべて格納したことを示す情報(以下、エンド情報)が格納される記憶領域である。このエンドデータ格納エリア353dには、電断が発生した場合に実行されるメイン処理(図80参照)のバックアップ処理(図82、S1380)の最後の処理としてエンド情報が記憶されるので、バックアップすべきすべてのデータが格納されていることを示す情報として利用できる。また、電源断後に電源が再投入される場合には、立ち上げ処理(図77参照)の各種演出データ設定処理(図79、S1260)におけるS1264の処理において、エンド情報格納エリア353dにエンド情報が格納されているかを判別して、格納されていれば、レジスタ2(図76参照)に格納されているデータを対応するRAM223の記憶領域に設定するように構成しているので、バックアップが不完全であった場合には、中途半端なデータで復帰しないようにすることで、演出の辻褄等が一致しなくなる不具合を抑制できるように構成している。
なお、本実施形態では、エンド情報が記憶されていない場合には、レジスタ2に設定されているデータにより復帰する処理を実行しないように構成したが、それに限らず、設定されているデータ内で復帰するように構成してもよい。この場合には、バックアップ処理(図82、S1380)において、優先順序の高い情報からレジスタ2にバックアップするように設定しておくように構成するとよい。また、復帰する場合に、記憶されているデータを判別して、辻褄が合わないような場合には、合うように調整して復帰するように構成するとよい。
選択データ格納エリア353eは、選択された変動パターンの種別とその当否判定結果とに基づいて統計情報に基づいた統計情報が記憶される記憶領域である。この選択データ格納エリア353eは、レジスタ2(図76参照)のアドレスD〜Eに設定されている。選択データ格納エリア353eには、変動パターンが音声ランプ制御装置113のMPU221により決定される毎にその当否判定結果とに基づいた統計情報が作成されて、その統計情報が記憶される。
統計情報としては、リーチとなる変動パターンが選択された場合に、そのリーチ表示態様別に当たり、外れの回数が統計されて統計情報として設定される。この統計情報は、例えば、大当たり遊技中のラウンド表示中であったり、リーチ表示態様が表示されている際中に、そのリーチ表示態様で当たりとなった回数の割合等が表示されるように用いられる。統計情報をレジスタ2に記憶させるように構成することで、電源を落とした後でも情報を保持することができ、日にちを跨いだ統計情報を遊技者に提供することができる。
これにより、遊技者は、リーチ演出の実際の期待度等をより正確に判別することができる。よって、当たりの場合に選択される頻度の低いリーチ表示態様であっても、実際に当たりとなっている事象を確認できることで、大当たりへの期待を持って遊技を行うことができる。
その他データ格納エリア353zは、その他の演出情報や、遊技状態等が電源断時や、遊技中に記憶される記憶領域である。このその他データ格納エリア353zは、レジスタ2のアドレスFに設定されている。
<第6実施形態における制御処理について>
次に、図77〜図83を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10により実行される制御処理について説明する。本第6実施形態では、第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が変更されている。第1実施形態と同一の構成については、その図示と説明を省略する。
図77〜図83を参照して、本第6実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、立ち上げ処理(図26)、メイン処理(図28)、コマンド判定処理(図30、S1312)の処理がそれぞれ変更されている。同一の構成については、その詳細な説明は省略して、変更点のみについて説明する。
図77は、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。本第6実施形態における立ち上げ処理(図77参照)は、第1実施形態における立ち上げ処理(図26参照)に対して、時刻取得処理(図27、S1211)が時刻取得処理2(図78、S1250)に変更され、各種演出データ設定処理(図79、S1260)が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
立ち上げ処理(図77参照)のS1210の処理が実行された後には、時刻取得処理2(図78、S1250)が実行される。ここで、この時刻取得処理2(S1250)について、図78を参照して説明する。
図78は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される立ち上げ処理(図77参照)内の一処理である時刻取得処理2(S1250)の内容を示したフローチャートである。
時刻取得処理2(S1250)では、まず、計時装置262の計時する現在の時刻情報を取得する(S1251)。ここで取得される時刻情報は、年月日時分秒の情報が取得される。投入時刻格納エリア352aに格納されている時刻情報が取得される(S1252)。投入時刻格納エリア352aに時刻情報が格納されていない場合には、デフォルトの情報が取得される。本実施形態では、デフォルトの情報は0データで構成されている。
RAM消去スイッチ122がオンに操作されているか判別する(S1253)。RAM消去スイッチ122がオンであると判別した場合には(S1253:Yes)、S1251とS1252とで取得した時刻情報の日付が一致するか判別する(S1254)。ここで、日付情報を一致を判別することで、日付情報が一致しない場合には、誤ってRAM消去スイッチ122が操作されているか、一日営業が終わって、次の営業開始の場合に、パチンコ機10をリセット処理するためにRAM消去スイッチ122をオンにしているので、投入時刻情報をバックアップしてしまうと他のパチンコ機10と投入時刻情報が一致しない不具合が発生するが、本実施形態では、一致しない場合には、新たに計時装置262から取得した時刻情報を投入時刻情報として設定するように構成したので、不具合を抑制できる。
S1254の処理において、日付情報が一致すると判別した場合には(S1254:Yes)、計時装置262の投入時刻格納エリア352aに記憶された時刻情報を時刻情報格納エリア223fに設定する(S1255)。その後、この処理を終了する。
このように、日付情報が一致する場合には、同一営業内で電源が再投入されているので、バックアップされている投入時刻情報を音声ランプ制御装置113のRAM223に設定するので、他のパチンコ機10と投入時刻情報を一致させて、演出がずれてしまう不具合を抑制できる。
一方、RAM消去スイッチ122がオフであると判別した場合(S1253:No)または日付情報が一致しないと判別した場合(S1254:No)、計時装置262から新たに取得した時刻情報(S1251の処理で取得した時刻情報)を時刻情報格納エリア223fに設定する(S1256)。計時装置262から取得した時刻情報を投入時刻格納エリア352aに設定する(S1257)。その後、この処理を終了する。
このように、本第6実施形態では、新たに計時装置262から取得した時刻情報が時刻情報格納エリア223fに設定されることに基づいて、その同じ時刻情報が投入時刻格納エリア352aに格納されるので、電断時にする処理を減らすことができる。さらに、確実に投入時刻情報を設定することができる。
図77に戻って説明を続ける。時刻取得処理2(図78、S1250)が実行された後には、各種演出データ設定処理を実行する(S1260)。各種演出データ設定処理(S1260)については、図79を参照して詳細について説明する。図79は、この各種演出データ設定処理(S1260)の内容を示したフローチャートである。
各種演出データ設定処理(図79、S1260)では、まず、RAM消去スイッチ122がオンに操作されているか判別する(S1261)。RAM消去スイッチ122がオンであると判別した場合には(S1261:Yes)、計時装置262から現在の時刻情報を取得する(S1262)。取得した現在の時刻情報が営業時間内(本実施形態では、9時〜23時)であるか判別する(S1263)。取得した時間が営業時間内であると判別した場合には(S1263:Yes)、エンドデータ格納エリア353dにエンドデータが格納されているか判別する(S1264)。エンドデータ格納エリア353dにエンドデータが格納されていると判別した場合には(S1264:Yes)、レジスタ2(図76参照)に記憶された各種データを対応するRAM223に設定する(S1265)。
レジスタ2(図76参照)から取得した各データに基づいて、表示用コマンドを設定する(S1266)。その後、S1267の処理を実行する。一方、S1261の処理において、RAM消去スイッチ122がオフであると判別された場合(S1261:No)、またはS1263の処理において営業時間外であると判別した場合(S1263:No)、またはS1264の処理においてエンドデータが格納されていないと判別した場合には(S1264:No)、S1267の処理を実行する。S1267の処理では、時刻情報格納エリア223fに設定されたデータに基づいて、特別演出を実行する時間をアラーム情報としてレジスタ2のアラーム情報格納エリア(背景情報格納エリア353b)に設定する(S1267)。
このように、本第6実施形態では、設定された投入時刻情報に基づいて、特別演出を実行する時間(電源投入時刻から1時間毎)をアラーム情報として設定するので、パチンコ機10が特別演出を実行する時間を管理する処理を低減することができる。なお、計時装置262は、アラーム情報として設定した時間となると音声ランプ制御装置113に対して、アラーム信号を出力するように構成されている。
なお、本実施形態では、エンドデータが記憶されていないと判別した場合には、バックアップされているデータをRAM223の対応する記憶領域に設定しない構成としたが、それに限らず、0データが設定されている格納エリアを判別して、0データ設定されている格納エリアに対してバックアップ順序の2つ前の格納エリアのデータまでをRAM223の対応する記憶領域に設定するように構成してもよい。ここで、0データで設定されている2つ前のバックアップ順序までとする理由は、0データで設定されている1つ前のバックアップ順序のデータは正しくバックアップが完了しているかは判別できないため、2つ前の順序までを正しくバックアップが完了されているデータとして判別できるためである。
次に、図80を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図80は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。本第6実施形態におけるメイン処理(図80参照)は、第1実施形態におけるメイン処理(図28参照)に対して、経過時間確認処理(図29、S1311)が経過時間確認処理2(図81、S1370)に変更され、バックアップ処理(図82、S1380)が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図81を参照して、本第6実施形態におけるメイン処理(図80参照)内の一処理である経過時間確認処理2(S1370)について説明する。図81は、この経過時間確認処理2(S1370)の内容を示したフローチャートである。
経過時間確認処理2(図81、S1370)では、まず、計時装置262よりアラーム信号を受信しているか判別する(S1371)。ここで、アラーム信号は、電源が投入されてから60分が経過した時間と、その後5分が経過した時間に出力される。その後には、同様に、5分が経過してから60分が経過した時間に出力され、その後、5分が経過した時間で繰り返し出力される。このアラーム時間は、パチンコ機10に電源が投入された時間に基づいて、計時手段のアラーム領域にそれぞれ設定される。
アラーム信号を受信していないと判別した場合には(S1371:No)、この処理を終了する。一方、アラーム信号を受信していると判別した場合には(S1371:Yes)、特別演出フラグがオンであるか判別する(S1372)。特別演出フラグがオンであると判別した場合には(S1372:Yes)、特別演出フラグをオフに設定する(S1373)。その後、通常演出コマンドを設定する(S1374)。背面画像変更コマンドを設定する(S1375)。その後、この処理を終了する。
ここで、アラーム信号を受信して、特別演出フラグがオンであると判別された場合には、受信したアラーム信号は、特別演出の終了を示すタイミングで出力されている信号であるので、特別演出を終了を設定する処理が実行される(S1373〜S1375の処理が該当)。
一方、S1372の処理において、特別演出フラグがオフであると判別した場合には(S1372:No)、特別演出フラグをオンに設定する(S1376)。特別演出コマンドを設定する(S1377)。背景画像変更コマンドを設定する(S1378)。その後、この処理を終了する。
ここで、アラーム信号を受信した場合に、特別演出フラグがオフである場合には、特別演出期間の開始を示すアラーム信号を受信していることと判別して、特別演出の設定をする処理が実行される(S1376〜S1378の処理が該当)。
このように、本実施形態では、計時手段より特別演出の開始タイミングと終了タイミングになるとアラーム信号が出力されて音声ランプ制御装置113に対して通知するので、音声ランプ制御装置113が特別演出期間の管理をする処理を低減することができる。よって、音声ランプ制御装置113の制御負荷を低減することができる。
なお、本実施形態では、アラーム信号を受信したかを判別するように構成したが、アラーム信号受信すると、INT割込により強制的にこの経過時間確認処理(図81、S1370)の内容の処理を実行するように構成してもよい。このように構成することで、アラーム信号を受信したかを監視する処理の負荷を低減することができ、音声ランプ制御装置113の制御負荷を低減できる。
図80に戻って説明を続ける。電源断の発生情報があると判別した場合(S1314:Yes)に実行されるS1316の処理を実行した後には、バックアップ処理を実行する(S1380)。このバックアップ処理(S1380)については、図82を参照して詳細を説明する。
図82は、このバックアップ処理(S1380)の内容を示したフローチャートである。バックアップ処理(図82、S1380)では、まず、レジスタ2(353)の各格納エリア(353a〜353e,353zが該当)を初期値である0データでクリアする初期化処理を実行する(S1381)。これにより、レジスタ2に設定されているデータを電断時に初期化することができ、それまでに設定されていたデータが電断時に不要に残ってしまう不具合を抑制できる。確変報知カウンタ(図示せず)の値が0より大きい値であるか判別する(S1382)。確変報知カウンタの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1382:Yes)、確変報知カウンタの値をレジスタテーブル2の確変報知カウンタ格納エリアに格納する(S1383)。その後、S1384の処理を実行する。一方、S1382の処理において、確変報知カウンタの値が0であると判別した場合には(S1382:No)、S1384の処理を実行する。
S1384の処理では、現在の背景モードに関する情報(第3図柄表示装置81に表示されている背景画像の種別情報)をレジスタテーブル2の背景画像情報格納エリアに格納する(S1384)。現在の遊技状態が時短遊技状態であるか判別する(S1385)。現在の遊技状態が時短遊技状態であると判別した場合には(S1385:Yes)、現在の時短回数をレジスタテーブル2の時短回数格納エリアに格納する(S1386)。その後、S1387の処理を実行する。一方、S1385の処理において、時短遊技中でないと判別した場合には(S1385:No)、S1387の処理を実行する。
S1387の処理では、その他各データをレジスタ2の対応するエリアに格納する(S1387)。エンドデータをレジスタ2のエンドデータ格納エリアに設定する(S1388)。その後、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、電断時にパチンコ機10に設定されている各種データを音声ランプ制御装置113のMPU221が計時装置262のレジスタ2にバックアップするように構成されている。これにより、バックアップ電源を有さない音声ランプ制御装置113であっても、バックアップをすることができる。また、バックアップされるデータとして、確変報知カウンタの値を記憶することで、演出上確変遊技状態であることを隠している状態を電源が再投入されても維持することができる。さらに、バックアップされた確変報知カウンタの値が、電源再投入後に、再び設定されるので、抽選いよって決定されたカウンタ値の回数で特別図柄が変動表示された後に、遊技者に確変遊技状態であることを報知できる。
また、第3図柄表示装置81に表示されている背景の情報がバックアップされるので、電源が再投入されると、電断時での背景で復帰することが可能となる。これにより、電源の瞬断等が発生した場合にも、遊技者に違和感を与える不具合を抑制できる。また、時短遊技状態である場合には、時短回数がまた、エンドデータが最後の処理で記憶されるので、バックアップが正常に終了したか否かを判別することができる。
ここで、バックアップ処理(図82、S1380)で設定されるバックアップの各データは8ビット単位で構成され、初期値である0データと同一とならないように設定されたデータが設定されるように構成されている。具体的には、S1385の時短回数をバックアップする処理では、時短遊技状態であれば、先頭ビットが0に設定され、残りの7ビットにより残りの時短回数が設定される。一方、時短遊技状態でなければ、先頭ビットが1に設定され、残りの7ビットが0データで設定される。このように構成されることで、時短遊技中でない状態、即ち、残りの時短回数が0回である状態であっても、時短回数格納エリア353cの値が0データとなってしまうことが抑制できる。このように、他の格納エリアについても、0データとなるデータについては、先頭ビットが1に設定されることによりデータが0データとなることを抑制できるように構成している。
このように構成することで、本実施形態で構成したエンドデータが設定されていない場合にも、0データで設定されている格納データを判別してその2つ前の順序で格納されるデータまで正しくバックアップが終了されたデータとして判別するように構成してもよい。これにより、正しくバックアップされたデータを判別して電源断後の復帰設定を実行することができる。
次に、図83を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図示せず)内の一処理である変動パターン選択処理2(S1420)について説明する。なお、本第6実施形態におけるコマンド判定処理(図示せず)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S1312)に対して、変動パターン選択処理(図31、S1402)が変動パターン選択処理2(図83、S1420)に変更された点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略した。
図83は、この変動パターン選択処理2(S1420)の内容を示したフローチャートである。変動パターン選択処理2(図83、S1420)では、まず、変動開始フラグをオンに設定する(S1421)。特別演出フラグがオンであるか判別する(S1422)。変動開始フラグがオンであると判別した場合には(S1422:Yes)、受信したコマンドから特別演出期間用の変動パターンを抽出する(S1423)。その後、S1425の処理を実行する。一方、特別演出フラグがオフであると判別した場合には(S1422:No)、受信したコマンドから通常演出期間の変動パターンを抽出する(S1424)。その後、S1425の処理を実行する。
ここで、本実施形態では、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドでは、当否判定結果と、変動時間と、大まかな変動態様(リーチ、非リーチ、ど外れ等)が指定されている。音声ランプ制御装置113では、遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態等)に対して、それぞれ変動選択テーブルが設定されている。この変動パターン選択テーブルでは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドと、音声ランプ制御装置113が選択した選択用のカウンタとにより詳細な変動パターンの内容が決定される。更に、通常遊技状態である場合には、特別演出期間であると、特別演出期間専用の変動パターン選択テーブルより変動パターンが選択される。
即ち、遊技状態や、特別演出期間であるか否かの違い、選択用のカウンタの違いにより、主制御装置110から同じ変動パターンコマンドを受信していても、音声ランプ制御装置113が選択する変動態様の内容は異なってくる。尚、詳細な内容は異なっていても、選択される変動時間は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドで指定されている変動時間となっている。
S1425の処理では、レジスタ2の選択データ格納エリアよりデータを取得する(S1425)。その取得した選択データ格納エリアのデータと、S1423またはS1424で抽出した変動パターンに基づくデータとに基づいて、統計データを作成して、選択データ格納エリアに格納する(S1426)。
なお、S1426の処理で作成される統計データは、抽出された変動パターンの種別毎に、その当否判定結果が当たりであったか外れであったかの回数がそれぞれ統計されたデータとなる。例えば、スーパーリーチAに対して、大当たり、外れの場合が設定されているが、大当たりのスーパーリーチAの回数と、外れのスーパーリーチAの回数がそれぞれ記憶される。このように構成された統計データは、例えば大当たり遊技中のラウンド表示で表示されたり、例えば、スーパーリーチAが変動表示開始された場合に、予告表示として、これまでの、スーパーリーチAでの大当たりした確率が統計データに基づいて表示される。
このように構成することで、各変動パターンが表示されたときに、実際の大当たり期待度を遊技者に報知できる。また、実際は大当たりの場合に選択され難い変動パターンであっても、実際に大当たりした実績等を報知できることで、遊技者に大当たりへの期待を持たせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1〜第6実施形態では、音声ランプ制御装置113と計時装置262とが電気的に接続され、計時装置262から取得した情報に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221により演出期間の種別を判断していたが、これに代えて、主制御装置110と計時装置262とを電気的に接続し、計時装置262から取得した情報に基づいて、主制御装置110のMPU201により演出期間の種別を判別させるように構成しても良い。この場合において、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へ出力するコマンドに演出期間の種別の情報も含めておけば良い。音声ランプ制御装置113のMPUの代わりに、主制御装置110のMPU201に演出期間の種別を判別させることで、MPU221の処理負荷を軽減することができる。
上記第1実施形態、第3実施形態では、計時装置262のレジスタ352に記憶領域を設けておき、パチンコ機10が電断状態となる場合に、RAM223に記憶されていた情報を記憶させておくことにより電断状態中も情報を保持するように構成していたが、これに代えて、パチンコ機10が電断状態中であっても記憶された情報を保持することができる記憶手段を、計時装置262とは別に設けておいても良い。記憶手段の具体例としては、フラッシュメモリ等が該当する。これにより、計時装置262のレジスタ352の記憶領域を削減することができるので、計時装置262の低価格化を図ることができる。
上記第1実施形態では、電源投入の際に、RAM消去スイッチ122がオンであるかオフであるかに基づいて、時刻情報格納エリア223fに格納する時刻情報に、計時装置262のレジスタ352に設けられた投入時刻格納エリア352bに格納された時刻情報を格納するか、計時装置262の計時する時刻情報を格納するかを判断していたが(時刻取得処理(S1211)のS1501)、これに代えて、複数のパチンコ機10に接続されたホールコンピュータから出力される信号に基づいて時刻情報格納エリア223fに格納する時刻情報を判断するように構成しても良い。
具体的には、ホールコンピュータによって、接続された各パチンコ機10の電源がオンであるか否かを判別可能に構成し、各パチンコ機10の電源が全てオフの状態でパチンコ機10に電源が投入されたと判別した場合は(即ち、各パチンコ機10一斉に電源を投入したと判別した場合は)、電源が投入された各パチンコ機10に、電源が一斉投入されたことを示す信号を出力するように構成する。一方で、ホールコンピュータに接続された各パチンコ機10のうち、一のパチンコ機10の電源のみがオフであり、他のパチンコ機10の電源がオンであると判別されている状態で、電源がオフされている一のパチンコ機10へ電源が投入されたと判別した場合は、その電源が投入された一のパチンコ機10に対して、単独で電源が投入されたことを示す信号を出力するように構成する。そして、電源投入の際にホールコンピュータより出力された信号の種別に応じて、時刻情報格納エリア223fに格納する時刻情報を判断するように構成すれば良い。
同様に、第2実施形態において、RAM消去スイッチ122がオンであるかオフであるかに応じて経過時間カウンタ352cを初期化するか否かを判別していたが(経過時間カウンタ初期化処理(S1221)のS1511)、これに代えて、ホールコンピュータにより出力される信号の種別に応じて経過時間カウンタ352cを初期化するか否かを判別しても良い。また、第3実施形態において、RAM消去スイッチ122がオンであるかオフであるかに応じて計時カウンタ223gへセットすべきカウンタ値を判別していたが(カウンタ初期値設定処理(S1231)のS1521)、これに代えてホールコンピュータにより出力される信号の種別に応じて計時カウンタ223gへセットすべきカウンタ値を判別しても良い。
これにより、電断状態とされる前にRAM203に記憶されていた情報を保持したまま、電源を投入することができる。よって、保留球が残っている状態で電断状態とされた場合や、特別図柄の高確率状態中に電断状態とされた場合であっても、電源の再投入に基づいて、残っていた保留球が消滅したり、特別図柄の高確率状態から低確率状態へ移行してしまうことを抑制することができるので、遊技者に不利益が発生することを抑制することができる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以下に、本発明のパチンコ機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(電源投入時に電源投入時刻を記憶し、電源投入時に所定の条件が成立している場合は電源投入時刻の記憶を回避)
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、を有した遊技機において、その計時手段が計時する計時情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記計時情報が記憶される計時情報記憶手段と、その計時情報記憶手段に、電源投入に基づいて前記取得手段により計時情報を前記計時手段から取得して記憶するように制御可能な計時情報記憶制御手段と、その計時情報記憶制御手段により記憶された計時情報に基づいて、電源投入後に経過した経過時間を判別する経過時間判別手段と、その経過時間判別手段により判別された前記経過時間に基づいて、前記表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かを判断する演出切替判断手段と、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかを判断可能な条件判断手段と、その条件判断手段により、前記所定の条件が成立していると判断された場合には、前記取得手段により新たに前記計時手段より取得された計時情報が、前記計時情報記憶手段へ前記計時情報記憶制御手段により記憶されることを回避させる回避手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、計時手段が計時する計時情報が取得手段により取得され、その取得手段により取得された計時情報が計時情報記憶手段に記憶される。そして、その計時情報記憶手段に、電源投入に基づいて取得手段により計時情報を計時手段から取得して記憶するよう計時情報記憶制御手段により制御され、その計時情報記憶手段により記憶された計時情報に基づいて、経過時間判別手段により電源投入後に経過した経過時間が判別される。また、その経過時間判別手段により判別された経過時間に基づいて、表示制御手段により表示される演出態様を特定態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断され、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかが条件判断手段により判断される。ここで、その条件判断手段により、所定の条件が成立していると判断された場合には、取得手段により新たに計時手段より取得された計時情報を、計時情報記憶手段へ計時情報記憶制御手段により記憶されることが回避手段により回避される。これにより、遊技場の複数の遊技機に対して、所定の条件を成立させずに電源を一斉に投入しておけば、一の遊技機を電断状態にしたとしても、所定の条件を成立させた状態で電源を再投入すれば、時間情報記憶手段への時間情報の上書きが回避手段により回避されるので、特定の演出態様に切り替えられるタイミングが電断状態にされること等によりずれる不具合を抑制できる。よって、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記計時手段は、所定の記憶情報を記憶可能であり、前記電断状態でも記憶情報を保持可能な電断記憶手段を備え、前記計時情報記憶制御手段は、前記電断状態となる場合に、前記計時情報記憶手段に記憶されている計時情報を前記電断記憶手段へ記憶するように制御するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段において、所定の記憶情報が、電断状態でも記憶情報を保持可能な電断記憶手段により記憶される。ここで、計時情報記憶手段において、電断状態となる場合に、計時情報記憶手段に記憶されている計時情報を電断記憶手段へ記憶するように制御される。これにより、一の遊技機を電断状態にしたとしても、計時情報記憶手段に記憶されていた計時情報が、電断記憶手段に記憶されることにより保持される。よって、電源を再投入した場合は、電断状態中も保持され続ける計時情報を参照するだけで、特定の演出態様へと切り替えるタイミングを、電源断状態とされなかった他の遊技機と合わせることができる。従って、特定の演出態様に切り替えられるタイミングがずれる不具合を抑制できるので、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A2において、前記電断記憶手段に計時情報が記憶されているか否かを判断可能な記憶判断手段を備え、前記計時情報記憶制御手段は、所定の条件が成立していると前記条件判断手段により判断され、前記電断記憶手段に計時情報が記憶されていると前記記憶判断手段により判断された場合に、前記電断記憶手段に記憶された計時情報を前記計時情報記憶手段へ記憶するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電断記憶手段に計時情報が記憶されているか否かが記憶判断手段により判断される。そして、所定の条件が成立していると条件判断手段により判断され、電断記憶手段に計時情報が記憶されていると記憶判断手段により判断された場合に、電断記憶手段に記憶された計時情報が計時情報記憶制御手段により計時情報記憶手段へ記憶される。これにより、電断記憶手段に計時情報が記憶されていないにも関わらず、所定の条件が成立した状態で電源が投入されてしまった場合に、電断記憶手段から計時情報記憶手段へ計時情報が記憶されることを抑制することができるので、不適切な計時情報が計時情報記憶手段に記憶され、その不適切な計時情報に基づいて特定態様に切り替えるか否かを切替判断手段により判断されることを抑制することができる。よって、特定の演出態様に切り替えられるタイミングがずれる不具合を抑制できるので、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記計時情報記憶制御手段は、電源投入に基づいて所定の条件が成立したと前記条件判断手段により判断され、前記電断記憶手段に計時情報が記憶されていないと前記記憶判断手段により判断された場合に、前記取得手段が新たに取得した計時情報を前記計時情報記憶手段へ記憶するように制御することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電源投入に基づいて所定の条件が成立したと条件判断手段により判断され、電断記憶手段に計時情報が記憶されていないと記憶判断手段により判断された場合に、取得手段が新たに取得した計時情報が計時情報記憶手段へ記憶されるように計時情報記憶制御手段により制御される。これにより、例えば出荷初期状態等のため、電断記憶手段に計時情報が記憶されていない複数の遊技機に対して一斉に電源を投入する際に、誤って所定の条件が成立した状態で電源を投入してしまったとしても、取得手段が新たに取得した計時情報を記憶させることができる。よって、不適切な計時情報が計時情報記憶手段に記憶され、その不適切な計時情報に基づいて特定の演出態様に切り替えるか否かを切替判断手段により判断されることを抑制することができる。従って、特定の演出態様に切り替えられるタイミングが遊技機毎にずれてしまうという不具合を抑制できるので、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1〜A4において、前記演出切替判断手段は、前記特定の演出態様で演出が実行される状態において、その特定の演出態様とは異なる通常の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かと、その通常の演出態様で演出が実行される状態において、前記特定の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かとを判断するものであり、その演出切替判断手段により現在の演出態様とは異なる演出態様で演出が実行される状態に切り替えると判断された場合に、前記表示制御手段へ切り替え後の演出態様に応じた情報を通知する演出態様通知手段を備え、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段による通知に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1〜A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常の演出態様と特定の演出態様とを繰り返すので、演出態様が切り替わる度に目新しさを感じさせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A5において、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段により通知される演出態様に応じた情報に基づいて、前記通常の演出態様で演出が実行される状態であるか、前記特定の演出態様で演出が実行される状態であるかを示す情報を記憶する状態情報記憶手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報記憶手段に記憶された情報に基づいて演出態様を特定すればよいので、表示制御手段が計時手段の計時する計時情報を取得して現在の演出態様を判別する必要がなく、表示制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機A6において、遊技に関する制御を行う制御手段を備え、前記表示制御手段は、
複数の表示態様の中から前記制御手段より受信したコマンドに対して表示する表示種別を特定する表示特定手段と、複数の前記表示種別毎に設けられ、その表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を1画面毎に規定した規定情報を記憶する規定情報記憶手段と、前記表示特定手段により特定された前記表示種別に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定する選定手段とを備え、その選定手段は、前記状態情報記憶手段に記憶された情報に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出を実行するにあたり、画像を描画するために必要な全ての画像情報を、表示制御手段が1画面毎に判断するのではなく、表示制御手段は規定情報記憶手段に記憶された規定情報に従って画像情報を展開したり転送したりすれば良いので、表示制御手段の処理負荷を軽減することができ、確実に毎フレーム破綻のない映像を表示手段に表示することができるという効果がある。
<特徴B群>(RAM以外のAddressの空きbitに記憶)
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、を有した遊技機において、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、その計時手段が計時情報を更新する毎に、所定の記憶領域のうち複数ビットで構成された第1記憶領域の一部のビットで更新された計時情報が記憶され、前記電断状態でも記憶された情報を保持可能な第1記憶手段と、その第1記憶手段に記憶された情報を記憶可能な第2記憶手段と、その第2記憶手段に電源投入に基づいて前記第1記憶領域に記憶された計時情報を取得して記憶するように制御する記憶制御手段と、その記憶制御手段により前記第2記憶手段に記憶された計時情報に基づいて、電源投入後に経過した経過時間を判別する経過時間判別手段と、その経過時間判別手段により判別された前記経過時間に基づいて、前記表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かを判断する演出切替判断手段と、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかを判断可能な条件判断手段とを備え、前記記憶制御手段は、前記電断状態となる場合に、前記第2記憶手段に記憶された計時情報に応じた電断時情報を、少なくとも前記第1記憶領域の前記計時情報が記憶されないビットへ記憶するように制御し、前記条件判断手段により所定の条件が成立していると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶された前記電断情報に基づいた計時情報を前記第2記憶手段へ記憶するよう制御するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、電断状態でも計時可能な計時手段が計時情報を更新する度に、所定の記憶領域のうち複数ビットで構成された第1記憶領域の一部のビットで更新された計時情報が第1記憶手段により記憶される。その第1記憶手段に記憶された情報は、電断状態でも保持される。そして、その第1記憶手段に記憶された情報が第2記憶手段に記憶され、その第2記憶手段に電源投入に基づいて第1記憶領域に記憶された計時情報を取得して記憶するように記憶制御手段により制御される。また、その記憶制御手段により第2記憶手段に記憶された計時情報に基づいて、表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断され、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかが条件判断手段により判断される。ここで、電断状態となる場合に、第2記憶手段に記憶された計時情報に応じた電断時情報を、少なくとも第1記憶領域の計時情報が記憶されないビットへ記憶するように記憶制御手段により制御され、条件判断手段により所定の条件が成立していると判断された場合に、第1記憶手段に記憶された電断情報に基づいた計時情報が第2記憶手段へ記憶されるように記憶制御手段により制御される。これにより、複数の遊技機に対して、所定の条件を成立させずに電源を一斉に投入しておけば、一の遊技機を電断状態にしたとしても、その電断状態にされることに基づいて、電断状態でも記憶された情報を保持可能な第1記憶手段に、電断時情報が記憶され、電断状態中も電断時情報が保持される。よって、所定の条件を成立させた状態で電源を再投入すれば、電断状態中も保持されていた電断時情報に基づいた計時情報を第2記憶手段へ記憶させることができるので、特定の演出態様に切り替えられるタイミングが電断状態にされることによりずれてしまう不具合の発生を抑制できる。また、電断時情報を第1記憶手段へ記憶する場合に、情報が何ら記憶されていない記憶領域だけでなく、第1記憶領域の一部にも記憶することができるので、第1記憶手段を効率的に使用することができ、電断時情報のサイズが大きくなったとしても、情報を正確に記憶することができる。従って、より詳細な電断時情報を第1記憶手段へ記憶させることができるので、特定の演出態様に切り替えられるタイミングの誤差もより少ないものとすることができる。以上より、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1記憶手段は、複数ビットで構成され、全てのビットに電断時情報を記憶可能な電断時情報記憶領域を備え、前記記憶制御手段は、前記電断状態となる場合に、前記第2記憶手段に記憶された計時情報に応じた電断時情報を、前記電断時情報記憶領域と、前記第1記憶領域の前記計時情報が記憶されないビットとへ記憶するように制御するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1記憶手段において、電断時情報が、複数ビットで構成され、全てのビットに電断時情報を記憶可能な電断時情報記憶領域に記憶される。そして、電断状態となる場合に、第2記憶手段に記憶された計時情報に応じた電断時情報を、電断時情報記憶領域と、第1記憶領域の計時情報が記憶されないビットとへ記憶するように記憶制御手段により制御される。これにより、電断時情報を電断時情報記憶領域と第1記憶領域の計時に使用しないビットとに記憶できるので、どちらか一方のみに電断時情報を記憶させる場合に比べて第1記憶手段を効率良く使用することができる。よって、第1記憶手段に記憶させることができる電断時情報のデータ量を増やすことができるので、電断時情報のサイズが大きくなったとしても、情報を正確に記憶することができ、より詳細な電断時情報を第1記憶手段へ記憶させることができる。従って、特定の演出態様に切り替えられるタイミングの誤差もより少ないものとすることができるので、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記第1記憶手段に前記電断時情報が記憶されているか否かを判断可能な記憶判断手段を備え、前記記憶制御手段は、前記条件判断手段により所定の条件が成立していると判断され、前記記憶判断手段により前記第1記憶手段に前記電断時情報が記憶されていると判断された場合に、前記第1記憶手段に記憶された前記電断時情報に基づいた計時情報を前記第2記憶手段へ記憶するよう制御するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1記憶手段に電断時情報が記憶されているか否かが記憶判断手段により判断される。そして、条件判断手段により所定の条件が成立していると判断され、記憶判断手段により第1記憶手段に電断時情報が記憶されていると判断された場合に、第1記憶手段に記憶された電断時情報に基づいた計時情報が第2記憶手段へ記憶されるように記憶制御手段により制御される。これにより、第1記憶手段に電断時情報が記憶されていないにも関わらず、所定の条件が成立した状態で電源が投入されてしまった場合に、不適切な情報に基づいて第2記憶手段へ計時情報が記憶されることを抑制することができるので、不適切な計時情報が計時情報記憶手段に記憶され、その不適切な計時情報に基づいて特定態様に切り替えるか否かを切替判断手段により判断されることを抑制することができる。よって、特定の演出態様に切り替えられるタイミングがずれる不具合を抑制できるので、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機B3において、前記計時情報記憶制御手段は、電源投入に基づいて所定の条件が成立したと前記条件判断手段により判断され、前記第1記憶手段に前記電断時情報が記憶されていないと前記記憶判断手段により判断された場合に、前記第1記憶領域の一部のビットで更新された計時情報を前記第2記憶手段へ記憶することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電源投入に基づいて所定の条件が成立したと条件判断手段により判断され、第1記憶手段に電断時情報が記憶されていないと記憶判断手段により判断された場合に、第1記憶領域の一部のビットで更新された計時情報が計時情報記憶制御手段により第2記憶手段へ記憶される。これにより、例えば出荷初期状態等のため、第1記憶手段に電断時情報が記憶されていない複数の遊技機に対して一斉に電源を投入する際に、誤って所定の条件が成立した状態で電源を投入してしまったとしても、第1記憶領域の一部のビット出更新された計時情報を第2記憶手段へ記憶させることができる。よって、不適切な計時情報が第2記憶手段へ記憶され、その不適切な計時情報に基づいて特定の演出態様に切り替えるか否かを切替判断手段により判断されることを抑制することができる。従って、特定の演出態様に切り替えられるタイミングが遊技機毎にずれてしまうという不具合を抑制できるので、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1〜B4において、前記演出切替判断手段は、前記特定の演出態様で演出が実行される状態において、その特定の演出態様とは異なる通常の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かと、その通常の演出態様で演出が実行される状態において、前記特定の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かとを判断するものであり、その演出切替判断手段により現在の演出態様とは異なる演出態様で演出が実行される状態に切り替えると判断された場合に、前記表示制御手段へ切り替え後の演出態様に応じた情報を通知する演出態様通知手段を備え、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段による通知に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1〜B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常の演出態様と特定の演出態様とを繰り返すので、演出態様が切り替わる度に目新しさを感じさせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機B5において、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段により通知される演出態様に応じた情報に基づいて、前記通常の演出態様で演出が実行される状態であるか、前記特定の演出態様で演出が実行される状態であるかを示す情報を記憶する状態情報記憶手段を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報記憶手段に記憶された情報に基づいて演出態様を特定すればよいので、表示制御手段が計時手段の計時する計時情報を取得して現在の演出態様を判別する必要がなく、表示制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機B6において、遊技に関する制御を行う制御手段を備え、前記表示制御手段は、複数の表示態様の中から前記制御手段より受信したコマンドに対して表示する表示種別を特定する表示特定手段と、複数の前記表示種別毎に設けられ、その表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を1画面毎に規定した規定情報を記憶する規定情報記憶手段と、前記表示特定手段により特定された前記表示種別に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定する選定手段とを備え、その選定手段は、前記状態情報記憶手段に記憶された情報に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出を実行するにあたり、画像を描画するために必要な全ての画像情報を、表示制御手段が1画面毎に判断するのではなく、表示制御手段は規定情報記憶手段に記憶された規定情報に従って画像情報を展開したり転送したりすれば良いので、表示制御手段の処理負荷を軽減することができ、確実に毎フレーム破綻のない映像を表示手段に表示することができるという効果がある。
<特徴C群>(RTCにカウンタを設けて電源投入からの経過時間をカウントさせる)
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、を有した遊技機において、その計時手段が計時する計時情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された計時情報に基づいて、前記表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かを判断する演出切替判断手段と、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているか否かを判断可能な条件判断手段と、その条件判断手段により、前記所定の条件が成立していると判断された場合に、計時手段が計時する計時情報を初期化する初期化手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、計時手段が計時する計時情報が取得手段により取得される。そして、取得手段により取得された計時情報に基づいて、表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断される。また、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかが条件判断手段により判断される。ここで、条件判断手段に拠り、所定の条件が成立していると判断された場合に、計時手段が計時する計時情報が初期化手段により初期化される。これにより、遊技場の複数の遊技機に対して、所定の条件を成立させた状態で電源を一斉に投入しておけば、計時手段の計時する計時情報が初期化手段により一斉に初期化され、同じタイミングで新たに計時が開始されるので、各遊技機の計時手段が計時する計時情報を合わせることができる。そして、特定の演出態様に切り替えるか否かの判断は、計時情報に基づいて判断されるので、各遊技機の計時情報が一致していれば、特定の演出態様に切り替えられるタイミングがずれる不具合を抑制できる。よって、複数の遊技機において、特定の演出態様に切り替わるタイミングが互いにずれてしまうことにより、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記条件判断手段により前記所定の条件が成立していないと判断された場合に、計時手段の計時する計時情報が初期化手段によって初期化されることを回避する初期化回避手段を備えることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、条件判断手段により所定の条件が成立していないと判断された場合に、計時手段の計時する計時情報の初期化が初期化回避手段により回避される。これにより、遊技場の複数の遊技機に対して、所定の条件を成立させた状態で電源を一斉に投入し、各遊技機の計時手段が計時する計時情報を合わせた後で、一の遊技機を電断状態にしたとしても、所定の条件が不成立の状態で電源を再投入すれば、初期化回避手段による計時情報の初期化が回避される。よって、計時手段の計時する計時情報が、他の電断状態とされなかった遊技機の計時手段が計時する計時情報に対してずれてしまうことを抑制できるので、複数の遊技機において、計時情報に基づいて特定の演出態様に切り替えるタイミングが互いにずれてしまうことにより、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記計時手段は、時刻を計時する時刻計時手段と、経過時間を計時する経過時間計時手段とを備え、前記初期化手段は、経過時間計時手段が計時する経過時間を初期化するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、現在時刻を把握しつつ、電源投入からの経過時刻を把握することができる。
遊技機C1〜C3において、前記演出切替判断手段は、前記特定の演出態様で演出が実行される状態において、その特定の演出態様とは異なる通常の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かと、その通常の演出態様で演出が実行される状態において、前記特定の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かとを判断するものであり、その演出切替判断手段により現在の演出態様とは異なる演出態様で演出が実行される状態に切り替えると判断された場合に、前記表示制御手段へ切り替え後の演出態様に応じた情報を通知する演出態様通知手段を備え、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段による通知に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1〜C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常の演出態様と特定の演出態様とを繰り返すので、演出態様が切り替わる度に目新しさを感じさせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機C4において、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段により通知される演出態様に応じた情報に基づいて、前記通常の演出態様で演出が実行される状態であるか、前記特定の演出態様で演出が実行される状態であるかを示す情報を記憶する状態情報記憶手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報記憶手段に記憶された情報に基づいて演出態様を特定すればよいので、表示制御手段が計時手段の計時する計時情報を取得して現在の演出態様を判別する必要がなく、表示制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C5において、遊技に関する制御を行う制御手段を備え、前記表示制御手段は、複数の表示態様の中から前記制御手段より受信したコマンドに対して表示する表示種別を特定する表示特定手段と、複数の前記表示種別毎に設けられ、その表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を1画面毎に規定した規定情報を記憶する規定情報記憶手段と、前記表示特定手段により特定された前記表示種別に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定する選定手段とを備え、その選定手段は、前記状態情報記憶手段に記憶された情報に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定するものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出を実行するにあたり、画像を描画するために必要な全ての画像情報を、表示制御手段が1画面毎に判断するのではなく、表示制御手段は規定情報記憶手段に記憶された規定情報に従って画像情報を展開したり転送したりすれば良いので、表示制御手段の処理負荷を軽減することができ、確実に毎フレーム破綻のない映像を表示手段に表示することができるという効果がある。
<特徴D群>(電源が断されている期間に基づいてカウント手段の初期値を決定)
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、を有した遊技機において、電源投入に基づいて所定周期毎にカウント値を更新するカウント手段と、そのカウント手段のカウント値に基づいて、前記表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かを判断可能な演出切替判断手段と、前記計時手段が計時する計時情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記計時情報を記憶可能な計時情報記憶手段と、その計時情報記憶手段に、前記電断状態となる場合に前記取得手段により計時情報を前記計時手段から取得して記憶するように制御可能な計時情報記憶制御手段と、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかを判断可能な条件判断手段と、その条件判断手段により、前記所定の条件が成立していると判断された場合には、前記計時情報記憶制御手段により計時情報記憶手段に記憶された計時情報と、前記取得手段により新たに取得された計時情報とに基づいて、前記カウント手段の初期値を決定する初期値決定手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、電源投入に基づいて所定周期毎にカウント値がカウント手段により更新され、そのカウント手段のカウント値に基づいて、表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断される。そして、計時手段が計時する計時情報が取得手段により取得され、その取得手段により取得された計時情報が計時情報記憶手段に記憶される。また、その計時情報記憶手段に、電断状態となる場合に取得手段により計時情報を計時手段から取得して記憶するように計時情報記憶制御手段により制御される。ここで、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかが条件判断手段により判断され、その条件判断手段により、所定の条件が成立していると判断された場合には、計時情報記憶制御手段により計時情報記憶手段に記憶された計時情報と、取得手段により新たに取得された計時情報とに応じて、カウント手段の初期値が初期値決定手段により決定される。これにより、遊技場の複数の遊技機に対して、所定の条件を成立させずに電源を一斉に投入しておけば、一の遊技機が電断状態となる場合であっても、計時情報記憶手段に記憶された計時情報と、取得手段により新たに取得された計時情報とから電断状態であった期間を特定することができるので、電断状態であった期間に基づいて、カウント手段の初期値を初期値決定手段により決定することができる。よって、電断状態中に他の遊技機のカウント手段により更新されていたカウント値に相当する値を初期値として決定することで、特定の演出態様に切り替えられるタイミングがずれる不具合を抑制できる。従って、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記カウント手段のカウント値に基づくカウント情報を記憶可能であり、前記電断状態でも記憶された情報を保持可能なカウント情報記憶手段と、前記電断状態となる場合に、前記カウント手段のカウント値に基づくカウント情報を前記カウント情報記憶手段へ記憶するカウント情報記憶制御手段とを備え、前記初期値決定手段は、前記条件判断手段により、前記所定の条件が成立していると判断された場合には、前記カウント情報記憶制御手段により前記カウント情報記憶手段へ記憶されたカウント情報と、前記計時情報記憶制御手段により計時情報記憶手段に記憶された計時情報と、前記取得手段により新たに取得された計時情報とに基づいて、前記カウント手段の初期値を決定するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カウント手段のカウント値に基づくカウント情報が、電断状態でも記憶された情報を保持可能なカウント情報記憶手段により記憶される。そして、電断状態となる場合に、カウント手段のカウント値に基づくカウント情報がカウント情報記憶制御手段によりカウント情報記憶手段へ記憶される。ここで、条件判断手段により、前記所定の条件が成立していると判断された場合には、前記カウント情報記憶制御手段により前記カウント情報記憶手段へ記憶されたカウント情報と、前記計時情報記憶制御手段により計時情報記憶手段に記憶された計時情報と、前記取得手段により新たに取得された計時情報とに基づいて、初期値決定手段によりカウント手段の初期値が決定される。これにより、電断状態となる直前のカウント手段のカウント値を加味してカウント手段の初期値を決定することができるので、電断状態となる前のカウント値と、電断状態であった期間とから、他の電断状態とされなかった遊技機のカウント手段のカウント値に相当する値を、初期値決定手段により正確にカウント手段の初期値として決定することができる。よって、電断状態とされた遊技機と、電断状態とされなかった遊技機とで、特定の演出態様に切り替えられるタイミングがずれる不具合を抑制できる。従って、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D2において、前記カウント手段のカウント値は、特定の最小値と特定の最大値との間の値を取りうるものであり、その値は更新の度に減算されていき、その値が前記特定の最小値となった後に値が更新される場合は、前記特定の最大値に更新されるものであり、前記初期値決定手段は、前記条件判断手段により、前記所定の条件が成立していないと判断された場合には、前記特定の最大値を前記カウント手段の初期値として決定するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、カウント手段のカウント値は、特定の最小値と特定の最大値との間の値を取りうる。そして、その値は更新の度にカウント手段により減算されていき、その値が特定の最小値となった後に値が更新される場合は、カウント手段により特定の最大値に更新される。ここで、条件判断手段により、所定の条件が成立していないと判断された場合には、特定の最大値が初期値決定手段によりカウント手段の初期値として決定される。これにより、カウント手段のカウント値は、特定の最大値から特定の最小値までの一定の範囲を所定周期で更新されるので、カウント値が特定の最大値となってから特定の最小値となるまでにかかる時間を一定とすることができる。よって、所定の条件が成立した状態で電源が再投入された場合に、電断状態の期間に基づいて、初期値決定手段により容易にカウント値の初期値を決定することができる。また、カウント手段のカウント値が一周するまでに要する時間が一定なので、特定の演出態様に切り替わる時間も一定とすることができる。従って、遊技者は、特定の演出態様となる時間帯を容易に推測することができるので、特定の演出態様の時間を狙って遊技を行ったり、逆に特定の演出以外の通常の演出態様の時間を狙って遊技を行ったりすることができる。以上より、様々な嗜好を持った遊技者に対して、嗜好に合った演出態様となる時間帯を簡単に認識させることができるという効果がある。
遊技機D1〜D3において、前記演出切替判断手段は、前記特定の演出態様で演出が実行される状態において、その特定の演出態様とは異なる通常の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かと、その通常の演出態様で演出が実行される状態において、前記特定の演出態様で演出が実行される状態に切り替えるか否かとを判断するものであり、その演出切替判断手段により現在の演出態様とは異なる演出態様で演出が実行される状態に切り替えると判断された場合に、前記表示制御手段へ切り替え後の演出態様に応じた情報を通知する演出態様通知手段を備え、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段による通知に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1〜D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通常の演出態様と特定の演出態様とを繰り返すので、演出態様が切り替わる度に目新しさを感じさせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機D4において、前記表示制御手段は、前記演出態様通知手段により通知される演出態様に応じた情報に基づいて、前記通常の演出態様で演出が実行される状態であるか、前記特定の演出態様で演出が実行される状態であるかを示す情報を記憶する状態情報記憶手段を備えることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報記憶手段に記憶された情報に基づいて演出態様を特定すればよいので、表示制御手段が計時手段の計時する計時情報を取得して現在の演出態様を判別する必要がなく、表示制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機D5において、遊技に関する制御を行う制御手段を備え、前記表示制御手段は、複数の表示態様の中から前記制御手段より受信したコマンドに対して表示する表示種別を特定する表示特定手段と、複数の前記表示種別毎に設けられ、その表示種別において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を1画面毎に規定した規定情報を記憶する規定情報記憶手段と、前記表示特定手段により特定された前記表示種別に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定する選定手段とを備え、その選定手段は、前記状態情報記憶手段に記憶された情報に対応する前記規定情報を前記規定情報記憶手段より選定するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出を実行するにあたり、画像を描画するために必要な全ての画像情報を、表示制御手段が1画面毎に判断するのではなく、表示制御手段は規定情報記憶手段に記憶された規定情報に従って画像情報を展開したり転送したりすれば良いので、表示制御手段の処理負荷を軽減することができ、確実に毎フレーム破綻のない映像を表示手段に表示することができるという効果がある。
<特徴E群>(特定演出への切り替えを行う時刻を記憶手段に記憶)
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、を有した遊技機において、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能であり、所定の設定情報を記憶可能な記憶領域を有した計時手段と、その計時手段が計時する計時情報と、前記記憶領域に記憶された所定の設定情報とに基づいて、前記表示制御手段により表示される前記演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かを判断する演出切替判断手段と、前記電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているか判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記所定条件が成立していると判別されたことに基づいて、前記演出態様を前記特定の演出態様に切り替えるか否かを前記所定の設定情報と前記計時手段が計時する計時情報とから判別する投入時判別手段とを備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、所定の設定情報が、遊技機への電力供給が断された状態でも計時可能な計時手段の有する記憶領域により記憶される。そして、その計時手段が計時する計時情報と、記憶領域に記憶された所定の設定情報とに基づいて、表示制御手段により表示される演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断される。また、電源投入に基づいて、所定の条件が成立しているかが条件判別手段により判別される。ここで、その条件判別手段により所定条件が成立していると判別されたことに基づいて、演出態様を特定の演出態様に切り替えるか否かを所定の設定情報と計時手段が計時する計時情報とから投入時判別手段により判別される。これにより、複数の遊技機のうち一の遊技機の電源が断されたとしても、記憶領域を有した計時手段は電力供給が断された後も動作するので、記憶領域に記憶された所定の設定情報を電源供給が断された後も保持させることができる。よって、その所定の設定情報に基づいて、特定の演出態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断されるので、特定の演出態様に切り替えられるタイミングが、電力供給が断されなかった他の遊技機に対してずれてしまうという不具合の発生を抑制できる。従って、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記計時手段は、前記演出切替判断手段により前記演出態様を特定の演出態様に切り替えると判断された場合に、前記表示制御手段へ通知する特定態様通知手段を備え、その特定態様通知手段による通知に基づいて、前記表示制御手段は前記表示手段に表示させる演出態様を特定の演出態様に切り替えるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段において、演出切替判断手段により演出態様を特定の演出態様に切り替えると判断された場合に、特定態様通知手段により表示制御手段へ通知される。そして、その特定態様通知手段による通知に基づいて、表示手段に表示させる演出態様が表示制御手段により特定の演出態様に切り替えられる。これにより、表示制御手段は、特定態様通知手段からの通知に基づいて演出態様を特定の演出態様に切り替えれば良いので、特定の演出態様に切り替えるか否かを判断させるために、計時手段の計時情報を頻繁に取得して経過時間を確認させる必要がない。よって、表示制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機E2において、前記演出切替判断手段は、前記計時手段が計時する計時情報と、前記記憶領域に記憶された所定の設定情報とに基づいて、前記表示制御手段により表示される前記演出態様を通常の演出態様に切り替えるか否かを判断するものであり、前記計時手段は、前記演出切替判断手段により前記演出態様を通常の演出態様に切り替えると判断された場合に、前記表示制御手段へ通知する通常態様通知手段を備え、その通常態様通知手段による通知に基づいて、前記表示制御手段は前記表示手段に表示させる演出態様を通常の演出態様に切り替えるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段が計時する計時情報と、記憶領域に記憶された所定の設定情報とに基づいて、表示制御手段により表示される演出態様を通常の演出態様に切り替えるか否かが演出切替判断手段により判断される。そして、計時手段は、演出切替判断手段により演出態様を通常の演出態様に切り替えると判断された場合に、通常態様通知手段により表示制御手段へ通知される。ここで、通常態様通知手段による通知に基づいて、表示手段に表示させる演出態様が表示制御手段により通常の演出態様に切り替えられる。これにより、表示制御手段は、通常態様通知手段からの通知に基づいて演出態様を通常の演出態様に切り替えれば良いので、通常の演出態様に切り替えるか否かを判断させるために、計時手段の計時情報を頻繁に取得して経過時間を確認させる必要がない。よって、表示制御手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴F群>(遊技者の設定時刻に報知を行う)
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、遊技機への電力供給が断された状態でも計時可能な計時手段とを備えた遊技機において、遊技者が設定情報を設定することが可能な設定手段と、前記計時手段が計時する計時情報と、前記設定手段に設定されている設定情報とに基づいて、所定の条件が成立しているかを判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記所定の条件が成立していると判断された場合に、前記設定情報に基づいて報知手段により報知される報知態様を選択する報知態様選択手段とを備えることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、設定情報が設定手段により設定される。そして、計時手段が計時する計時情報と、設定手段に設定されている設定情報とに基づいて、所定の条件が成立しているかについて条件判別手段により判別される。ここで、その条件判別手段により所定の条件が成立していると判断された場合に、設定情報に基づいて報知手段により報知される報知態様が報知態様選択手段によって選択される。これにより、設定手段に設定情報を設定した遊技者は、報知手段による報知に基づいて所定の条件が成立したことを認識することができるので、遊技に集中するあまりに、所定の条件が成立したことに気づかずに遊技を継続してしまうことを抑制できる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記表示制御手段は、前記報知態様選択手段により選択された報知態様に基づいた演出態様を、前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知態様選択手段により選択された演出態様が表示制御手段により表示手段に表示される。これにより、所定の条件が成立した場合に、遊技者が遊技において注目する頻度の高い箇所である表示手段に、報知態様に基づいた演出態様が表示されるので、遊技者が報知に気づかずに遊技を続行してしまうことを抑制することができるという効果がある。遊技機F1又はF2において、前記設定手段により設定された設定情報を消去可能な消去手段を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段により設定された設定情報が消去手段により消去される。これにより、他の遊技者が設定手段により設定したが、設定情報に基づく所定の条件が成立する前に遊技を辞めてしまった場合に、消去手段に拠り設定情報を消去しておくことができる。よって、次にその遊技機で遊技を行う遊技者が、前の遊技者が設定した設定情報に基づく所定の条件が成立したことにより報知手段によって報知されてしまうことを抑制することができる。従って、報知手段による報知が遊技の邪魔になることで、遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F1〜F3において、遊技に関する制御を行う制御手段を備え、前記表示制御手段は、複数の前記報知態様毎に設けられ、その報知態様において表示すべき画像の描画に必要な情報を示す描画情報を1画面毎に規定した規定情報を記憶する規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段に記憶された複数の前記規定情報の中から、前記報知態様選択手段が選択した報知態様に対応した規定情報を選定する選定手段とを備え、前記表示制御手段は、その選定手段により選定された規定情報に基づいて、報知態様を実行するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1〜F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出を実行するにあたり、画像を描画するために必要な全ての画像情報を、表示制御手段が1画面毎に判断するのではなく、表示制御手段は規定情報記憶手段に記憶された規定情報に従って画像情報を展開したり転送したりすれば良いので、表示制御手段の処理負荷を軽減することができ、確実に毎フレーム破綻のない映像を表示手段に表示することができるという効果がある。
<特徴G群>アラームエリアへ各種データをバックアップ
演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段に前記演出態様を表示させる表示制御手段と、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、を有した遊技機において、前記計時手段は、外部より設定される時間情報を記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された時間情報に基づいて、外部に所定の信号を出力する信号出力手段と、を有し、遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に電断状態と判別する電断状態判別手段と、その電断状態判別手段により電断状態と判別されたことに基づいて、前記記憶手段に前記演出態様を選択するための選択情報を記憶させる記憶制御手段と、電断状態から復帰した場合に、前記記憶手段に記憶されている選択情報を取得する選択情報取得手段と、前記信号出力手段により信号が出力されたことに基づいて、前記演出態様として特定の演出態様を前記表示制御手段により前記表示手段に表示させる特定演出手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、演出態様が表示制御手段により表示手段に表示される。遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時手段により計時される。計時手段には、外部より設定される時間情報が記憶手段に記憶される。その記憶手段に記憶された時間情報に基づいて、外部に所定の信号が信号出力手段により出力される。遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に電断状態判別手段により電断状態と判別される。その電断状態判別手段により電断状態と判別されたことに基づいて、記憶手段に演出態様を選択するための選択情報が記憶制御手段により記憶される。電断状態から復帰した場合に、記憶手段に記憶されている選択情報が選択情報取得手段により取得される。信号出力手段により信号が出力されたことに基づいて、演出態様として特定の演出態様が特定演出手段により表示手段に表示される。これにより、記憶領域が過剰に増大することを抑制して、遊技機を構成できる。よって、コストが増大してしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機G1において、前記選択情報取得手段により選択情報が取得された後に、前記記憶手段に前記時間情報を設定する設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の効果に加え、選択情報取得手段により選択情報が取得された後に、記憶手段に時間情報が設定手段により設定されるので、電断時に記憶した選択情報をより確実に設定することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、抽選条件の成立に基づいて、所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果を示す識別情報を前記表示手段に動的表示する動的表示手段と、を有し、前記演出態様として前記識別情報の動的表示態様と、前記識別情報が動的表示される背景画像とが少なくとも設定されていることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、所定の抽選が抽選手段により実行される。その抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示手段に動的表示手段により動的表示される。演出態様として識別情報の動的表示態様と、識別情報が動的表示される背景画像とが少なくとも設定される。これにより、演出を多様にすることができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機G3において、複数の前記背景画像が記憶された背景画像記憶手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて、前記背景画像記憶手段より1の前記背景画像を選択して、前記表示手段に表示させる背景画像表示手段と、を有し、前記記憶手段には、前記選択情報として前記電断状態判別手段により前記電断状態であると判別された場合に表示されている背景画像の情報が少なくとも記憶されるものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の背景画像が背景画像記憶手段により記憶される。遊技者が操作可能な操作手段が操作されたことに基づいて、背景画像記憶手段より1の背景画像を選択して、表示手段に背景画像表示手段により表示される。選択情報として電断状態判別手段により電断状態であると判別された場合に表示されている背景画像の情報が記憶手段により少なくとも記憶される。これにより、電源断が発生した場合に選択されている背景画像が記憶されているので、電源復帰後に、選択されていた背景画像を識別できる。よって、電源断前の状態に復帰させることができるという効果がある。
遊技機G4において、前記選択情報取得手段により取得された前記背景画像の情報に基づいた前記背景画像を前記表示手段に表示させるものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、選択情報取得手段により取得された背景画像の情報に基づいた背景画像が表示手段に表示されるので、電源復帰した後にも遊技者に違和感を与える不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、遊技機に電力が供給されたことに基づいて、前記計時手段より時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、その時刻情報取得手段により取得された時刻情報に基づいて、前記記憶手段に設定される時間情報を決定する時間情報決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技機に電力が供給されたことに基づいて、計時手段より時刻情報が時刻情報取得手段により取得される。その時刻情報取得手段により取得された時刻情報に基づいて、記憶手段に設定される時間情報が時間情報決定手段により決定される。これにより、複数の遊技機で同じタイミングで電力が供給されるようにすることで、計時手段から同じ時刻情報を取得することができる。よって、同じ時刻情報に基づいて時間情報が設定されるので、複数の遊技機で同じ時間情報を決定できる。従って、複数の遊技機で演出を同期して実行することができるという効果がある。
<特徴H群>隠れ確変をバックアップ
成立条件について決定する決定手段と、その決定手段により決定された成立条件を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記成立条件が成立したかを判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記成立条件が成立したと判別されたことに基づいて、特定の演出を実行する演出実行手段と、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、を有した遊技機において、前記計時手段は、前記電断状態でも記憶を保持可能な保持記憶手段を有し、遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に、前記電断状態であると判別する電断判別手段と、その電断判別手段により前記電断状態であると判別されたことに基づいて、前記保持記憶手段に前記成立条件に基づいた成立情報を記憶させる電断時制御手段と、遊技機に電源が供給されたことに基づいて、前記保持記憶手段に記憶されている前記成立情報を取得して、前記記憶手段に記憶させる初期制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、成立条件について決定する決定手段により決定された成立条件が記憶手段により記憶される。その記憶手段に記憶された成立条件が成立したかが条件判別手段により判別される。その条件判別手段により成立条件が成立したと判別されたことに基づいて、特定の演出が演出実行手段により実行される。遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時手段により計時される。前記計時手段では、電断状態でも記憶が保持記憶手段により保持される。遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に、電断状態であると電断判別手段により判別される。その電断判別手段により電断状態であると判別されたことに基づいて、保持記憶手段に成立条件に基づいた成立情報が電断時制御手段により記憶される。遊技機に電源が供給されたことに基づいて、保持記憶手段に記憶されている成立情報が初期制御手段により取得され、記憶手段に記憶される。これにより、電断前に決定した成立条件を電断中にも記憶することができるので、電源断から復帰した場合に、電断前の状態に復帰することができる。よって、電源断による遊技が初期化されてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機J1において、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に従って遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記従制御手段は前記決定手段を有し、その従制御手段の決定手段は、前記抽選信号に基づいて前記成立条件を決定するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の制御が主制御手段により実行される。その主制御手段からの制御信号に従って遊技の制御が従制御手段により実行される。従制御手段が有する決定手段では、抽選信号に基づいて成立条件が従制御手段の有する決定手段により決定される。これにより、電源断発生後にも、主制御手段が決定しているない成立条件を従制御手段により保持することが可能となり、電源断直前の状態に復帰することができるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、抽選条件の成立に基づいて、所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果が抽選された場合に、遊技者に有利な特典遊技を付与する特典付与手段と、前記特典遊技が実行された後の遊技状態を通常時よりも遊技者に有利となる特別遊技状態を設定するか否かを決定する状態決定手段と、を有し、前記決定手段は、前記状態決定手段により前記特別遊技状態が決定された場合に、その特別遊技状態が設定されていることが遊技者に報知される成立条件を決定するものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、所定の抽選が抽選手段により実行される。その抽選手段により所定の抽選結果が抽選された場合に、遊技者に有利な特典遊技が特典付与手段により付与される。特典遊技が実行された後の遊技状態を通常時よりも遊技者に有利となる特別遊技状態を設定するか否かが状態決定手段により決定される。状態決定手段により特別遊技状態が決定された場合に、その特別遊技状態が設定されていることが遊技者に報知される成立条件が決定手段により決定される。これにより、電源断前に決定された報知される成立条件を電源断中も保持できる。よって、電源断により遊技者に不利益を与えてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機H3において、前記表示制御手段は、前記抽選手段による抽選結果を示す識別情報を前記表示手段に動的表示するものであり、前記成立条件は、前記識別情報の動的表示が開始された回数で設定されるものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段による抽選結果を示す識別情報が表示制御手段により表示手段に動的表示される。識別情報の動的表示が開始された回数で成立条件が設定される。これにより、成立条件で設定された回数まで動的表示が実行されるまで、報知を遅延させることができる。よって、遊技者に特別遊技状態であることを期待させて遊技を実行させることができる。従って、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、前記電断時制御手段は、前記電断判別手段により前記電断状態であると判別された場合に、前記保持記憶手段に前記成立情報を含めた遊技情報を所定の優先順序で記憶するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4の奏する効果に加え、電断時制御手段は、電断判別手段により電断状態であると判別された場合に、保持記憶手段に成立情報を含めた遊技情報が電断時制御手段により所定の優先順序で記憶されるので、より重要な遊技情報を確実に保持することができる。よって、電断による不具合を低減できるという効果がある。
遊技機H5において、前記電断時制御手段は、前記遊技情報を全て前記保持記憶手段に記憶した後に、特定の情報を記憶するものであり、前記初期制御手段は、前記保持記憶手段に前記特定の情報が記憶されていない場合には、前記保持記憶手段に記憶されている前記成立情報を前記記憶手段に記憶することを回避するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、電断時制御手段は、遊技情報を全て保持記憶手段に記憶した後に、特定の情報が電断時制御手段により記憶される。保持記憶手段に特定の情報が記憶されていない場合には、保持記憶手段に記憶されている成立情報を記憶手段に記憶することが初期制御手段により回避される。これにより、電源断時において遊技情報が完全に記憶されていないかを特定の情報が記憶されているかにより判別できる。よって、完全に記憶されていない場合には、成立情報が記憶手段に記憶されないことにより、誤った可能性のある成立情報が電断後の復帰時に設定されることを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA7,B1からB7,C1からC6,D1からD6,E1からE3,F1からF4,G1からG6,H1からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB7,C1からC6,D1からD6,E1からE3,F1からF4,G1からG6,H1からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7,B1からB7,C1からC6,D1からD6,E1からE3,F1からF4,G1からG6,H1からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
遊技機A1からA7,B1からB7,C1からC6,D1からD6,E1からE3,F1からF4,G1からG6,H1からH6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
主制御装置とその主制御装置からの制御信号に従って遊技の制御を行う遊技機において、主制御装置が決定した内容に基づいて、従制御装置が演出を実行する条件等を決定している遊技機が提案されている(例えば、特許文献1:特開2006−198033号公報)。
しかしながら、かかる遊技機において、電源断が発生した場合には、従制御装置において遊技の設定等が初期化されることにより、電源が供給されて復帰した場合に実行する演出の設定により遊技者に違和感を与えてしまう虞があった。
本技術的思想は上述した問題点を解決するためになされたものであり、電源断における不具合の低減をすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、成立条件について決定する決定手段と、その決定手段により決定された成立条件を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記成立条件が成立したかを判別する条件判別手段と、その条件判別手段により前記成立条件が成立したと判別されたことに基づいて、特定の演出を実行する演出実行手段と、遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時可能な計時手段と、を有し、前記計時手段は、前記電断状態でも記憶を保持可能な保持記憶手段を有し、遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に、前記電断状態であると判別する電断判別手段と、その電断判別手段により前記電断状態であると判別されたことに基づいて、前記保持記憶手段に前記成立条件に基づいた成立情報を記憶させる電断時制御手段と、遊技機に電源が供給されたことに基づいて、前記保持記憶手段に記憶されている前記成立情報を取得して、前記記憶手段に記憶させる初期制御手段と、を有するものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号に従って遊技の制御を実行する従制御手段と、を有し、前記従制御手段は前記決定手段を有し、その従制御手段の決定手段は、前記抽選信号に基づいて前記成立条件を決定するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2記載の遊技機において、抽選条件の成立に基づいて、所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段により所定の抽選結果が抽選された場合に、遊技者に有利な特典遊技を付与する特典付与手段と、前記特典遊技が実行された後の遊技状態を通常時よりも遊技者に有利となる特別遊技状態を設定するか否かを決定する状態決定手段と、を有し、前記決定手段は、前記状態決定手段により前記特別遊技状態が決定された場合に、その特別遊技状態が設定されていることが遊技者に報知される成立条件を決定するものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、成立条件について決定する決定手段により決定された成立条件が記憶手段により記憶される。その記憶手段に記憶された成立条件が成立したかが条件判別手段により判別される。その条件判別手段により成立条件が成立したと判別されたことに基づいて、特定の演出が演出実行手段により実行される。遊技機への電力供給が断された電断状態でも計時手段により計時される。
前記計時手段では、電断状態でも記憶が保持記憶手段により保持される。遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に、電断状態であると電断判別手段により判別される。その電断判別手段により電断状態であると判別されたことに基づいて、保持記憶手段に成立条件に基づいた成立情報が電断時制御手段により記憶される。遊技機に電源が供給されたことに基づいて、保持記憶手段に記憶されている成立情報が初期制御手段により取得され、記憶手段に記憶される。
これにより、電断前に決定した成立条件を電断中にも記憶することができるので、電源断から復帰した場合に、電断前の状態に復帰することができる。よって、電源断による遊技が初期化されてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技の制御が主制御手段により実行される。その主制御手段からの制御信号に従って遊技の制御が従制御手段により実行される。従制御手段が有する決定手段では、抽選信号に基づいて成立条件が従制御手段の有する決定手段により決定される。
これにより、電源断発生後にも、主制御手段が決定しているない成立条件を従制御手段により保持することが可能となり、電源断直前の状態に復帰することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、所定の抽選が抽選手段により実行される。その抽選手段により所定の抽選結果が抽選された場合に、遊技者に有利な特典遊技が特典付与手段により付与される。特典遊技が実行された後の遊技状態を通常時よりも遊技者に有利となる特別遊技状態を設定するか否かが状態決定手段により決定される。状態決定手段により特別遊技状態が決定された場合に、その特別遊技状態が設定されていることが遊技者に報知される成立条件が決定手段により決定される。
これにより、電源断前に決定された報知される成立条件を電源断中も保持できる。よって、電源断により遊技者に不利益を与えてしまう不具合を抑制できるという効果がある。