JP2016137285A - 液体加熱容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本体部が転倒した際に蒸気経路が閉塞された場合でも、貯水部内の圧力が上昇しすぎないようにした、安全性の高い液体加熱容器を得ること。【解決手段】貯水部10と貯水部内の液体を加熱するように配置されたヒータ12とを備えた本体部1と、本体部の外殻11に固着された把手2と、本体部における把手とは径方向反対側の上端部に形成された注口部5と、本体部の開口部を開閉可能に封鎖する蓋体3とを備え、蓋体に、貯水部内の液体を注口部へと導く給湯経路13と、貯水部内の蒸気を外部に放出する蒸気経路14とが形成されていて、給湯スイッチ7に連動して給湯経路を開閉する可動閉塞部材18の、把手を下側にして本体部が転倒した場合に最高水面位置HLよりも高くなる部分に、給湯経路と蒸気経路がいずれも閉塞されている状態で貯水部と注口部とを空間的に接続する圧抜き孔21が形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、電源台に着脱自在に載置される本体部でお湯を沸かすことができる電気ケトルなど、液体加熱容器に関し、特に、転倒時に蒸気経路からお湯がこぼれない構造を備えた液体加熱容器に関する。
近年普及が進んでいる液体加熱容器の一例として、使いたいときに少量のお湯を素早く沸かしたいというユーザのニーズに応え、電源台に着脱自在に載置される本体部を備えた電気ケトルがある。
電気ケトルは、0.15リットルから1.2リットルぐらいの比較的小容量のものであり、本体部内の貯水部に水を入れて電源台上に載置すると、電源台を通じて本体部内のヒータに通電されて、1〜3分程度の短時間で沸騰したお湯を沸かすことができる。ほとんどの電気ケトルは、電気ポットのような保温機能を有しておらず、また、お湯が沸くと、電源台から本体部だけを持ち上げて、従来のやかんでお湯を注ぐように本体部を傾けて注口部からコーヒーカップなどにお湯を注ぐことができる。
このような電気ケトルとして、沸騰したお湯を取り扱うことから安全性が考慮され、貯水部の上部を覆う蓋体に、お湯を注ぐ際に本体部の内部から注口部への通路を開通させる給湯スイッチを備えて、使用時以外は注口部が下側となるように傾けてもお湯が出ないようにする機能を備えたものがある。また、誤って電気ケトルの本体部を転倒させてしまった場合でも、蓋体に設けられた蒸気の排出口からお湯がこぼれてしまうことを防止する機能を備えたものが知られている。
このような安全性を高めた構成の蓋体を備えた電気ケトルの一例として、給湯スイッチと転倒時止水機能を果たす止水弁とを備え、給湯スイッチにより注湯量を調節できるものが提案されている(特許文献1参照)。
従来の転倒時止水機能を備えた電気ケトルは、貯水部から蓋体の上面に設けられた蒸気放出口に繋がる蒸気経路内に止水弁が配置されていて、本体部が転倒した場合には、止水弁が蒸気経路を閉塞して貯水部と蒸気放出口との間を閉塞することで、貯水部内部の熱湯が蒸気放出口から流出することを防ぐものである。
しかし、止水弁により蒸気経路が閉塞されるため、本体部が転倒している状態では蒸気経路からの蒸気の放出ができない。この状態で時間が経過すると、貯水部内部の圧力が上昇して湯漏れが生じるなどの危険な状態となることがあった。
本発明はこのような従来技術の課題を解決するものであり、本体部が転倒した際に蒸気経路が閉塞された場合でも、貯水部内の圧力が上昇しすぎないようにした、安全性の高い液体加熱容器を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の液体加熱容器は、貯水部と前記貯水部内の液体を加熱するように配置されたヒータとを備えた本体部と、前記本体部の外殻に固着された把手と、前記本体部における前記把手とは径方向反対側の上端部に形成された注口部と、前記本体部の開口部を開閉可能に封鎖する蓋体とを備え、前記蓋体に、前記貯水部内の液体を前記注口部へと導く給湯経路と、前記貯水部内の蒸気を外部に放出する蒸気経路とが形成されていて、給湯スイッチに連動して前記給湯経路を開閉する可動閉塞部材の、前記把手を下側にして前記本体部が転倒した場合に最高水面位置よりも高くなる部分に、前記給湯経路と前記蒸気経路がいずれも閉塞されている状態で前記貯水部と前記注口部とを空間的に接続する圧抜き孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の液体加熱容器は、貯水部から注口部への給湯経路を開閉する可動閉塞部材の、転倒時に最高水面位置よりも高くなる部分に、貯水部と注口部とを空間的に接続する圧抜き孔が形成されている。このため、本体部が転倒して蒸気経路が塞がれた場合でも、貯水部内の圧力が高くなることを防止することができる。
本発明の液体加熱容器は、貯水部と前記貯水部内の液体を加熱するように配置されたヒータとを備えた本体部と、前記本体部の外殻に固着された把手と、前記本体部における前記把手とは径方向反対側の上端部に形成された注口部と、前記本体部の開口部を開閉可能に封鎖する蓋体とを備え、前記蓋体に、前記貯水部内の液体を前記注口部へと導く給湯経路と、前記貯水部内の蒸気を外部に放出する蒸気経路とが形成されていて、給湯スイッチに連動して前記給湯経路を開閉する可動閉塞部材の、前記把手を下側にして前記本体部が転倒した場合に最高水面位置よりも高くなる部分に、前記貯水部と前記注口部とを空間的に接続する圧抜き孔が形成されている。
本発明の液体加熱容器は、上記構成を備えることで、本体部が転倒した場合に蒸気通路が塞がれても、給湯経路を開閉する可動閉塞部材の本体部が転倒した場合の最高水面位置よりも高くなる部分に設けられた圧抜き孔によって、貯水部内部と注口部とが空間的に接続されている。このため、貯水部内部の圧力が高くなって生じる不所望な湯こぼれを防止することができる、安全面に高い配慮がなされた液体加熱容器を得ることができる。
上記本発明にかかる液体加熱容器において、前記圧抜き孔は、前記可動閉塞部材の中心と前記注口部側の端部とを結ぶ線上に形成されていることが好ましい。また、前記圧抜き孔は、前記可動閉塞部材の中心と前記注口部側の端部とを結ぶ線に対して互いに線対称となる位置に少なくとも一対形成され、前記一対の圧抜き孔の内の少なくともいずれか一方が、前記本体部が転倒した状態における前記最高水面位置よりも高くなる部分に形成されていることが好ましい。このようにすることで、可動閉塞部材の転倒時の最高水面位置よりも高くなる部分に圧抜き孔を位置させることができる。
また、前記圧抜き孔を開閉可能に覆う圧抜き弁が配置されていることが好ましい。このようにすることで、給湯スイッチがオフとなっている状態で本体部を注口部側に傾けた場合に、注口部からお湯が出てしまうことを防止することができる。
この場合において、前記可動閉塞部材の周辺部上面を覆う栓パッキンが、前記圧抜き弁を兼ねることが好ましい。このようにすることで、部材の追加なく圧抜き弁を形成することができる。
また、上記本発明にかかる液体加熱容器において、前記注口部が前記貯水部内の蒸気を外部に放出する蒸気放出口を兼ねていることが好ましい。このようにすることで、蓋体の上部に高温の蒸気を放出する蒸気放出口を形成する必要がなく、転倒時に貯水部内部のお湯が漏れ出ることを効果的に防止することができるため、安全性の高い液体加熱容器を得ることができる。
また、上記本発明にかかる液体加熱容器において、前記蓋体に前記貯水部内の蒸気を外部に放出する蒸気放出口が形成され、前記本体部が転倒した場合に前記蒸気経路を閉塞する転倒時止水機構が設けられていることが好ましい。このようにすることで、転倒時に蒸気放出口から貯水部内部のお湯が漏れ出ることを防止することができ、安全性の高い液体加熱容器を得ることができる。
以下、本発明にかかる液体加熱容器の実施形態として、電気ケトルを例示して説明する。本実施形態で説明する電気ケトルは、本体部内部に貯水部としての金属製の内容器を備えた構成のものである。また、本実施形態で説明する電気ケトルは、本体部の開口部を封鎖する蓋体に、注口部からお湯を注ぐときに給湯経路の開閉を制御する給湯スイッチに連動した可動閉塞部材を備え、さらに、転倒時に蒸気経路からの湯こぼれを防ぐ構成を備えたものである。
図1は、本実施形態の電気ケトルの外観を示す斜視図である。
この電気ケトルは、本体部1と、本体部1の外殻に固着された把手2と、本体部1の上部の開口部を開閉自在に封鎖する蓋体3とを備え、本体部1は電源台4に着脱可能に載置される。
本実施形態の電気ケトルは、本体部1において、把手2とは径方向反対側の側面の上端部に形成された、水やこの水を沸騰させたお湯などの本体部1内に貯水された液体をコーヒーカップなどに注ぐための注口部5を備えている。なお、通常は、電気ケトル内に貯水する液体は水であり、この水を沸かしてお湯とすることから、本明細書では注口部5から注がれる液体の例として、基本的にはお湯を用いて説明を進める。
また、本実施形態の電気ケトルは、蓋体3が、本体部1の上方から挿入されることによって、本体部1の開口部を封鎖する構造となっていて、蓋体3には、本体部1に蓋体3を固着しているバネ機構を解除するための着脱レバー6、本体部1の内部に貯水されているお湯などを注ぐ際に、本体部1の内部から注口部5への給湯通路を開通させる給湯スイッチ7が設けられている。なお、本実施形態で説明する電気ケトルは、貯水部内の液体を注ぎ出す注口部5が、蒸気を放出する蒸気経路の蒸気放出口を兼ねる構成のものであるため、蓋体3上面の把手2側に配置されることが多い蒸気放出口は形成されていない。また、蓋体3の注口部5側の端部には、注口部5の上面を部分的に覆う張り出し部8が形成されている。
把手2には、本体部1内部に貯水された水などの液体を加熱して沸騰させることができる、加熱ヒータへの通電を開始させる電源スイッチ9が設けられている。この電源スイッチ9は、本体部1内部のお湯が沸いたことを検出して、自動的にヒータへの通電を停止して空だきを防止する機能を備えている。
この電気ケトルの内部構造を図2に示す。
図2は、本実施形態の電気ケトルを注口部5と把手2とを結ぶ直線の側方から見た断面図である。
電気ケトルの本体部1は、貯水部であるステンレス鋼などよりなる金属製の内容器10を外殻である樹脂製の外装ケース11に収容して構成されている。本体部1の下部には内容器10に接してヒータ12が配置され、内容器10に貯蔵された水をヒータ12により加熱して湯沸かしを行うことができる。
蓋体3には、内容器10内に貯水された液体を注口部5から注出させる際の通路である図2に実線矢印で示す給湯経路13と、内容器10内の蒸気を外部に放出するための図2に点線矢印で示す蒸気経路14とが形成されている。
給湯経路13は、内容器10内の貯水空間10aから、蓋体3底面の注口部5側に形成された注水口15、蓋体3内部に広がる注水空間16を経て、注口部5に連なる注出路17によって構成される経路である。注水空間16内には、給湯経路13を開閉する可動閉塞部材である中子18が配置されている。
中子18は、円板状の本体部18aと本体部18aの中央部上面に配置された柱状の突出部18bとから構成されていて、突出部18bの先端部が蓋体3の上面に露出している給湯スイッチ7の下面部に取り付けられている。給湯スイッチ7は、中子18の突出部18bの周囲に配置されたバネ部材20によって蓋体3の上面側に押しつけられていて、給湯スイッチ7が押し下げられていない状態では、中子18の本体部18aの周辺部分が注水空間16の上部開口16aに押しつけられてこれを封鎖し、給湯経路13を閉塞する。一方、給湯スイッチ7が押し下げられた状態でロックされると、中子18の本体部18a周辺と注水空間16の上部開口16aとの間にすき間が生じて、注水空間16と注出路17とが接続され、貯水空間10a内のお湯を注口部5から注ぐことができるようになる。なお、中子18の本体部18a周辺部には、注水空間16の上部開口16aとの密着性を高めるための栓パッキン19が配置されている。
中子18の本体部18aにおいて、中心部である突出部18bが形成されている部分と注口部5側の端部との間には、本体部18aを貫通する圧抜き孔21が形成されている。この圧抜き孔21によって、内容器10の貯水空間10aと注口部5が空間的に接続されて、本体部1が転倒した場合に貯水空間10a内部の圧力を注口部5から外部へ放出することができる。なお、図2に示すように、貯水空間10aの圧力が高くない状態では、圧抜き弁22が圧抜き孔21を塞いでいる。中子18の詳細な形状と圧抜き孔21の役割については、図3以下を用いて後に詳述する。
本実施形態の電気ケトルの蒸気経路14は、蓋体3底面の把手2側に形成された蒸気口23から蓋体3内を経由して把手2の上方に配置された沸騰検出部24に向い、沸騰検出部24から再び蓋体3内部に戻って、蓋体3内部を把手2側から注口部5側に向かって略水平方向に貫通する蒸気通路25を経て、給湯経路13の注水空間16の上部に形成された上部空間26に接続される。上部空間26は、給湯経路13の一部でもある注出路17に接続されていて、注出路17を経て蒸気経路14が注口部5に至ることとなる。このように、本実施形態の電気ケトルでは、貯水空間10aと注口部5とを接続する蒸気経路14が常時開放されていることで、湯沸かし時およびそれ以降に発生する蒸気を外部に放出することができ、本体部1内の貯水空間10aの圧力が上昇することを防止する。本実施形態の電気ケトルでは、蒸気通路14の出口が蒸気放出口として蓋体3の上面に形成されずに、給湯に用いられる注口部5となっているため、ユーザが給湯スイッチ7を操作するなどの場合に手を触れやすい蓋体3上面が熱くならず、また、蒸気放出口から排出される蒸気に直接触れてしまったりする危険性を回避することができる。
把手2の上部に設けられた電源スイッチ9の下側には、電源スイッチ9に連動してヒータ12への通電を制御する接点部27が配置されている。また、本実施形態の電気ケトルでは、蒸気経路14が把手2内部を経由して沸騰検出部24に導入されている。沸騰検出部24には、例えば温度によりその形状が変化するバイメタルスイッチが配置されていて、蒸気経路14を経て所定の温度以上の蒸気が沸騰検出部24に到達するとバイメタルスイッチが動作し、ヒータ12への通電を停止する。このようにして、内容器10内のお湯が沸いた後に必要以上の電力を消費しないようになっている。
本体部1が載置される電源台4は、本体部1底部の下面28に対応した形状の定置面29を有している。そして、この定置面29に本体部1の下面28が載置された際に、本体部1の電源プラグ30が電源台4の電源ソケット31に嵌合するようになっている。このように、本体部1が電源台4上に載置されることで、商用電源に差し込まれる図示しない電源ケーブルを介して電源台4に供給される電力が、本体部1の下部に配置されたヒータ12に供給可能となる。
このように、本実施形態の電気ケトルは、本体部1が電源台4の定置面29上に載置された状態で内容器10に貯水された水を温めてお湯を沸かし、湯沸かし完了後は、電源台4から本体部1を取り外して把手2により持ち運ぶことができる。そして、把手2を持って本体部1を傾けることで、本体部1内の貯水部10で沸かしたお湯をコーヒーカップなどに注ぐことができるとともに、本体部1をテーブル上などの所望の位置に単独で定置することもできる。
さらに、本実施形態の電気ケトルは、蓋体3に形成された給湯経路13内に、給湯スイッチ7に連動してこれを開閉可能な可動閉塞部材である中子18が配置されているため、蓋体3によって本体部1の上面を閉じ、給湯スイッチ7により中子18を押し下げたときに内容器10内のお湯を注口部5から注出できる。一方、ユーザが給湯スイッチ7を操作していない湯沸かし時を含む非注出時に本体部1が転倒しても、給湯経路13を中子18が閉塞しているために、お湯など貯水空間10a内の液体が注口部5から流出してしまうことを防げることができる。
なお、本実施形態の電気ケトルの上記した全体の構成は従来公知のものであり、本発明にかかる電気ケトルの具体的構成の一例を示すものに過ぎない。このため、本発明の電気ケトルとしては、例えば本体部内に貯水部としての内容器を有さずに、外殻と内容器とを兼ねる1層構造の本体部内に直接貯水することができる構成としてもよい。また、蒸気を放出する蒸気経路の具体的な構成、電源スイッチの位置やその構成なども、上記図示した以外のさまざまな構成を適宜採用することができる。
図3は、本実施形態の電気ケトルの蓋体3内部において、給湯スイッチ7に連動して給湯経路13を開閉する可動閉塞部材である中子18の形状を示す斜視図である。
図3に示すように、中子18は、円板状の本体部18aと本体部18aの中心から上方に突出した柱状の突出部18bとから構成されている。
本実施形態として例示する中子18の本体部18aは、周辺部18cの厚さが中央部18dよりも薄く形成されていて、この周辺部18cに図2に示した栓パッキン19がはめ込まれることで、中子18の上面側と注水空間16の上部開口16aとの間がしっかりとシールできるようになっている。
中央部18dの上面には突出部18bを挟むようにして一対の規制ピン18eが配置されている。規制ピン18eは蓋体3内の図2では図示しない規制孔と嵌合して、突出部18bの上端に接触して配置される給湯スイッチ7が上下に移動する際に、中子18が不所望に回転したり、給湯スイッチ7に対して中心線がずれてしまったりして、スムーズな給湯経路13の開閉動作が行われなくなってしまう事態を回避する。
なお、上記は中子の18の基本形態の一例を示すものに過ぎず、本体部の周囲に薄肉部が形成されていることや、突出部を挟むように規制ピンが形成されていることは、中子の必須の要件ではない。
中子18の本体部18aの中心18fと、中子18の本体部18aの注口部5側の端部18gとを結ぶ線18h上には、本体部18aを貫通する圧抜き孔21が2つ形成されている。前述のように、圧抜き孔21によって内容器10内の貯水空間10aと注口部5が空間的に接続される。圧抜き孔21の周囲には、圧抜き孔21を塞ぐ圧抜き弁22を配置、固定するための開口32が2つの圧抜き孔21の中間部分に形成されている。なお、図3に例示する中子18の構成では、圧抜き孔21と開口32とが形成されている本体部18aの注口部5側の部分が、周辺部18cと同じく薄肉部分となっていて、後述する圧抜き弁22が配置されたときに、圧抜き弁22が中子18の本体部18aの上側に大きく突出することを防ぐ構成となっている。また、図3では、圧抜き孔21を本体部18aの中心18fと注口部5側の端部18gとの中間部分に2つ設けた例を示したが、圧抜き孔21は、1つでもよく、また、その配置位置も本体部18aの中心18fと注口部5側の端部18gとを結ぶ線18h上であれば、中心18fに近い部分に設けることができ、また、注口部5側の端部18gに近い部分に設けることもできる。
本実施形態の電気ケトルでは、可動閉塞部材である中子18の、中心18fと注口部5側の端部18gとを結ぶ線18h上に圧抜き孔21が形成されることで、本体部1が転倒した際に、貯水部10の内部の圧力が不所望に上昇することを防止することができる。以下、その理由について説明する。
図4は、本体部1が転倒した場合の状態を示す図である。図4(a)および図4(b)は、いずれも転倒した本体部1を蓋体3側から見た状態を示していて、図4(a)が蓋体側から見て把手2が右側に位置している場合を、図4(b)が蓋体側から見て把手2が左側に位置している場合を、それぞれ示している。
電気ケトルでは、一般的に略円筒状の本体部の、注口部とは反対の側の側面から張り出すように把手が配置される。この把手部分が一定の重さを有するために、転倒した本体部は、把手が下側になり注口部が上側になる姿勢で安定する。すなわち、載置面に本体部1と把手2の一方の側面2aとが接触した図4(a)に示す状態、もしくは、載置面に本体部1と把手2の他方の側面2bとが接触した図4(b)に示す状態のいずれかとなる。
本体部が転倒した場合に、本体部の内部の内容器に貯水されていた液体の水面は、水平状態となる。そして、内容器が満水状態であった場合の水面位置が、転倒時において水面の位置が最も高くなる最高水面位置HLとなる。
図4(a)に示す状態で転倒した本体部1内の最高水面位置を線HL1と、図4(b)に示す状態で転倒した本体部1内の最高水面位置を線HL2として、それぞれの図中に表す。内容器の内部に貯蔵された液体を沸かす際に、液体が沸騰して吹きこぼれが生じないように、内容器に入れることができる液体の上限水位は、内容器の上端に対して所定の裕度を持って少し下側の位置に設定されている。このため、図4(a)および図4(b)に示す最高水面位置HL1およびHL2は、貯水空間の内、転倒時に最も上側に位置する部分である内容器側面の内壁位置よりも下側に位置することになる。本実施形態の電気ケトルの場合には、図4(a)および図4(b)に示すように、最高水面位置HL1、HL2がちょうど給湯スイッチ7の中心部分近傍を通っていて、把手2が転倒した本体部1の左右どちらの方向にある場合でも、注口部5は常に最高水面位置HL1、HL2よりも高い位置に来る。本実施形態の電気ケトルでは、図2を用いて説明したように注口部5が蒸気経路14の出口である蒸気放出口を兼ねる構成となっているが、上記のように本体部1が転倒した状態で注口部5は常に最高水面位置HL1、HL2よりも高い位置に来るため、本体部1が転倒して図4(a)および図4(b)のいずれの状態となった場合でも、蒸気経路14の出口である注口部5から内容器内部のお湯が漏出することを防ぐことができる。
しかし、本体部1が転倒した状態では蒸気経路14内にお湯が入り込むために、給湯スイッチ7を閉じている場合には内容器10内部の貯水空間10aが外部から遮断される。このため、貯水空間10aの圧力が上昇した場合には、その圧力によって蒸気経路14内のお湯が注口部5から押し出されたり、蓋体3が本体部1の上部に正しく固定されていない場合には蓋体3が外れたり、蓋体3と本体部1とに隙間がある場合には、その隙間からお湯がしみ出したりするなどの問題が生じるおそれがある。本実施形態の電気ケトルでは、本体部が転倒した場合に最高水面位置よりも高い位置となる部分に圧抜き孔が設けられているため、本体部が転倒している状態でも、貯水空間10aと注口部とが接続されるため、貯水空間10a内部の圧力が高くなることを防止することができる。
図4(a)および図4(b)から、本実施形態の電気ケトルの場合には、注口部5と把手2とを結ぶ蓋体3の中心線CLとHL1とが給湯スイッチ7の中心部分において角度αで交差し、また、CLとHL2とが給湯スイッチ7の中心部分において角度βで交差していることがわかる。すなわち、給湯スイッチ7の中心から注口部5に向かって中心角がα+βの扇形の部分は、本体部1が転倒した場合に常に最高水面位置よりも高い位置となることがわかる。したがって、可動閉塞部材である中子18のこの扇形部分に相当する位置に圧抜き孔を設ければよい。なお、本実施形態の電気ケトルの場合は、角度α=角度βである。
上記図4を用いて説明したように、本実施形態の電気ケトルの場合、本体部1が転倒した場合に常に最高水面位置HL1、HL2よりも高い位置となる部分は、給湯スイッチ7の中心から注口部5側を見込んだ中心角α+βの扇形部分である。給湯スイッチ7の中心部分は、中子18の本体部18aの中心と一致するため、図4(a)および図4(b)に示した最高水面位置HL1とHL2とを、図3上に表すことができる。
図3に示すように、本実施形態の電気ケトルに用いられる中子18では、本体部18aの中心18fと注口部5側の端部18gとを結ぶ線18h上に圧抜き孔21が形成されている。この圧抜き孔21が形成された、本体部18aの中心18fと注口部5側の端部18gとを結ぶ線18h上の位置は、HL1およびHL2で区切られた本体部1が転倒した場合に常に最高水面位置よりも高い位置となる部分である。このため、本実施形態の中子18に形成された圧抜き孔21は、本体部1が転倒した場合でも内容器10内に貯水されていた液体で塞がれることがなく、貯水空間10aの圧力が高くなった場合にはこの圧力を注口部5から開放することができる。
次に、中子に形成された圧抜き孔を開閉可能に覆う圧抜き弁について説明する。
図5は、本実施形態の中子18に取り付けられた圧抜き弁22を説明するための斜視図である。図5に示すように、中子18の本体部18aにおける、注口部5側の端部18g側の薄肉部分には、圧抜き孔21を覆って圧抜き弁22が配置されている。
圧抜き弁22は、中子18が蓋体3内部の所定位置に取り付けられている状態で、中子18の下側に位置する貯水空間10aの圧力と中子18の上側に位置する注出路17側の圧力が同じである場合には、圧抜き孔21を閉塞している。一方、本体部1が転倒して蒸気経路14が塞がれてしまい、貯水空間10a内部の圧力が注出路17側の圧力よりも高くなった場合には、圧抜き弁22が注出路17側に押し上げられて開き、圧抜き孔21によって貯水空間10aと注口部5とを空間的に接続して、貯水空間10a内部の圧力を注口部5から外部へと逃がす構成となっている。このため、圧抜き弁22は、例えば、弁部分の厚さが0.5mmの、シリコーンゴムなどの比較的柔軟な樹脂部材により構成されている。
図5では図示していないが、圧抜き弁22の裏側中央部分には係持用突起22b(図2参照)が形成されていて、この係持用突起22bが図3に示した開口32に嵌合することで、中子18の本体部18aに変形可能に固定されている。なお、図5に図示する圧抜き弁22は円形の板状であるが、中子18の本体部18aに変形可能に固着することができて圧抜き孔21を開閉可能に塞ぐことができれば、圧抜き弁22の形状は図示されたものに限られない。
次に、図6を用いて、本実施形態の電気ケトルに使用される可動閉塞部材である中子の変形例について説明する。
図6は、変形例の中子33を示す斜視図である。変形例の中子33も、図3で示した中子18と同様に、円板状の本体部33aと本体部33aの中心から上方に突出した柱状の突出部33bとから構成されている。また、本体部33aの周辺部33cは、図2に示した栓パッキン19がはめ込まれる薄肉部分となっていて、厚肉部分である中央部33dに突出部33bを挟むようにして一対の規制ピン33eが配置されている。
変形例の中子33では、本体部33aの注口部5側端部33g側に位置する薄肉部分に、本体部33aの中心33fと注口部5側の端部33gとを結ぶ線33hに対して線対称となる位置に、一対の圧抜き孔34aと34bとが形成されている。
図6においても、図3と同様に、図4(a)および図4(b)で示した最高水面位置HL1とHL2とを図示している。図6に示すように、変形例の中子33の本体部33aに形成された一対の圧抜き孔34a、34bは、いずれも本体部33aの中心33fから注口部5側の端部33g側を見込む、中心角がα+βの扇形部分には存在していない。このため、変形例の中子33の場合には、図3に示した中子18の圧抜き孔21のように、本体部1が転倒した場合に圧抜き孔34a、34bが常に最高水面位置よりも高い位置に位置するということはない。しかし、最高水面位置がHL1となっている場合には圧抜き孔34bが、また、最高水面位置がHL2となっている場合には圧抜き孔34aが、それぞれ最高水面位置よりも高い位置に位置することになり、一対の圧抜き孔34a34bの内の少なくともいずれか一方が、貯水空間10aと注口部5とを空間的に接続することができる。
このように、変形例の中子33によっても、本体部1が転倒して蒸気経路が塞がれた場合に貯水空間10aと注口部5とを空間的に接続することができる。なお、変形例の中子33において、一対の圧抜き孔34aと34bとを、本体部33aの中心33fから注口部5側の端部33g側を見込む中心角がα+βの扇形部分に形成することもできる。また、図6では、一対の圧抜き孔34aと34bとを、本体部33aの中心部33fと注口部5側の端部33gとの間の略中間部分に配置した例を示したが、一対の圧抜き孔の配置位置は、本体部1が転倒した場合に、少なくともいずれか一方が最高水面位置よりも高くなる位置に配置されていれば、例えば、本体部33aの注口部5側の端部33g近傍に配置することもできる。
次に、図7を用いて、中子に形成された圧抜き孔を塞ぐ圧抜き弁の変形例について説明する。
図7は、本実施形態の電気ケトルに用いられる、変形例の圧抜き弁を備えた中子の形状を示す斜視図である。図7に示す変形例の圧抜き弁35は、中子18の周辺部を環状に覆うとともに、本体部の注口部側に配置された圧抜き弁をも覆う構成となっている。このようにすることで、中子と、蓋体の注水空間の上部開口との密着性を高める栓パッキンとしての作用と、圧抜き孔を閉塞する圧抜き弁としての作用とを、一つの部材を用いて果たすことができ、部品点数を低減することができる。また、中子への取り付け工数を減らすことができるため、電気ケトルの低コスト化を実現することができる。さらに、図5に示した圧抜き弁22のように、中子18の本体部18aに取り付けるための係持用突起を圧抜き弁に設けたり中子18に係持用突起を嵌入させる開口32を形成する必要がなくなる。
図7に示した変形例の圧抜き弁35の場合には、図3に示した、中子18本体部18aの中心18fと注口部5側端部18gとを結ぶ線18h上に形成された圧抜き孔21の場合でも、図6に示した、中子33本体部33aの中心33fと注口部5側端部33gとを結ぶ線33hに対して線対称となる位置に配置された一対の圧抜き孔34a、34bの場合でも、同じ一つの形態の圧抜き弁でいずれの形態の圧抜き孔をも覆うことができる。特に、図6に示した、一対の圧抜き孔34a、34bの場合には、圧抜き孔34の配置場所が離れているために、図6に示した圧抜き弁22のように、中子の本体部に開口を形成して貫通させて固着する形状のものと比較して、容易に一対の圧抜き孔の両方を同時に覆う構成を実現することができる。
次に、本実施形態の電気ケトルにおける、蓋体の構成の変形例について説明する。
上記図2に断面構成を示した蓋体3では、蓋体3に形成された蒸気経路14の出口を注口部5が兼ねていた。しかし、本発明の電気ケトルに用いられる蓋体の構成としては、図2に例示した構成に限られず、本体部が転倒したときに蒸気経路からの湯漏れを防ぐために、蒸気経路を閉塞する他の構成を備えた蓋体を用いることができる。
図8は、本実施形態の電気ケトルに採用可能な、変形例の蓋体の構成を示す断面図である。図8においても、図2と同様に、電気ケトルの注口部と把手とを結ぶ線に沿って分割した状態の断面構成を示している。
図8に示すように、変形例の蓋体40は、図2に示した蓋体3と同様に、蓋体40の上面の注口部側に給湯スイッチ41を備えている。また、注口部の上部を覆う張り出し部43が形成されている。一方、変形例の蓋体40は、給湯スイッチ41の把手側に蒸気放出口42を備えている点が、図2に示した蓋体3と異なる。
図8に示す変形例の蓋体40においても、内容器内部の貯水空間と注口部とをつなぐ、図中実線矢印で示す給湯経路44と、内容器内部の貯水空間と蒸気放出口42とをつなぐ、図中点線矢印で示す蒸気経路45とが形成されている。
蓋体40における給湯経路44は、蓋体40底面の注口部側に形成された注水口46、注水口46から蓋体3内部に広がる注水空間47を経て、注口部に連なる注出路49によって構成されている。注水空間47内には、給湯経路44を開閉する可動閉塞部材である中子48が配置されている。中子48は、円板状の本体部48aと本体部48aの中央部上面に配置された柱状の突出部48bとから構成されていて、突出部48bの先端部が蓋体40の上面に露出している給湯スイッチ41の下面部に取り付けられている。給湯スイッチ41が押し下げられていない状態では、中子48の本体部48aの周辺部分が注水空間47の上部開口47aに押しつけられてこれを封鎖し、給湯経路44を閉塞する。一方、給湯スイッチ41が押し下げられた状態でロックされると、中子48の本体部48a周辺と注水空間47の上部開口47aとの間にすき間が生じて、注水空間47と注出路49とが接続されて、貯水空間内のお湯を注口部から注ぐことができるようになる。なお、中子48の本体部48a周辺部には、注水空間47の上部開口47aとの密着性を高めるための栓パッキン50が配置されている。このように、変形例の蓋体40においても、例示している注口部形状の違いにより注出路49の角度や長さが異なるものの、給湯経路44は図2に示した蓋体3と同じ構成となっている。
一方、変形例の蓋体40における蒸気経路45は、蓋体40底面の把手側に形成された蒸気口53から蓋体40内を経由して、蓋体40の上面に形成された蒸気放出口42に向かう第1の蒸気経路45aと、把手の上方に配置された図示しない沸騰検出部へと向かう第2の蒸気経路45bとに分かれる。蒸気経路45の蒸気口53上部には、転倒時止水機構54が形成されていて、本体部が転倒したときに転倒時時止水機構54内の転倒時止水弁55が蒸気経路45を塞ぐことで、本体部が転倒したときに、貯水空間内部のお湯が蒸気経路45を経由して蒸気放出口42から外部に漏れ出ることを防止するようになっている。
このように、変形例の蓋体40では、蒸気経路45中に設けられた転倒時止水機構54によって、本体部が転倒した際に蒸気経路45が閉塞されるため、図2に示した蓋体3を適用した場合と同様に、転倒時に貯水空間内部の圧力が高くなるという課題が生じる。このため、変形例の蓋体40においても、可動閉塞部材である中子48に、圧抜き孔51とこれを覆う圧抜き弁52とを設けて、安全性の高い電気ケトルを得ることができる。
以上説明したように、本実施形態で説明した電気ケトルは、ユーザが給湯時に押下する給湯スイッチに連動して給湯経路を開閉する可動閉塞部材において、本体部が転倒した際の最高水面位置よりも高くなる部分に圧抜き孔が形成されているため、本体部が転倒したときに蒸気経路を閉塞する構成を採用しているために生じる、転倒時の貯水部内部の圧力の上昇を回避することができる。このため、本体部が転倒してしまった場合でも、給湯経路と蒸気経路からの湯漏れを防ぐとともに、貯水部の内部の圧力が上昇することによる湯漏れも防止することができる、安全性に高い配慮が為された電気ケトルを得ることができる。
なお、図4を用いて説明した転倒時の最高水面位置は、本体部の外殻に固着された把手の大きさや形状、本体部内部の貯水部である内容器の大きさ、内容器における満水位置の設定などによって変動する。このため、最高水面位置HL1、HL2は、図4に示した本実施形態の電気ケトルのように、常に給湯スイッチ7の中心を通るとは限らない。また、図4に示した、注口部5と把手2とを結ぶ蓋体3の中心線CLと最高水面位置HL1との交差角度α、CLとHL2との交差角度βも、電気ケトルの設計によって都度異なる値となり、しかも、角度αと角度βとが異なる可能性もある。さらに、可動閉塞部材の形状も上記図3および図6を用いて示したような、本実施形態の電気ケトルの中子とは異なることが考えられる。
しかし、いずれの場合においても、給湯経路を開閉する可動閉塞部材において、転倒時の最高水面位置よりも高くなる部分に圧抜き孔を設けることによって、転倒時に生じる貯水部内での圧力の上昇による湯漏れなどの弊害を回避することができる。特に、電気ケトルが、把手を持って本体部を注口部側に傾けて貯水部内のお湯を注口部から注ぐ形態であるために、給湯経路は把手側よりも注口部側に設けられることになり、給湯経路を開閉する可動閉塞部材も、蓋体の中心部よりも注口部側に配置されている。このため、可動閉塞部材の注口部側の少なくとも一部は、本体部が転倒した状態で最高水面位置よりも上方に位置することになるため、可動閉塞部材は圧抜き孔を設ける部材として適切である。また、それ自体が独立した部材であり、かつ、特性上比較的薄い本体部を備える点においても、可動閉塞部材は圧抜き孔を設ける部材として好ましい。
なお、本発明の液体加熱容器としては、上記例示した電気ケトルの他にも、ヒータにより内部の液体を加熱することができる本体部を、給湯経路と蒸気経路とが形成された蓋体で覆う構成の、ハンディポット型の電気ポットなどにも適用することができる。
本発明の液体加熱容器は、本体部が転倒した場合でも貯水部内部の圧力の上昇を回避することができる安全性の高いものとして有用である。
1 本体部
2 把手
3 蓋体
5 注口部
7 給湯スイッチ
10 内容器(貯水部)
11 外装ケース(外殻)
12 ヒータ
13 給湯経路
14 蒸気経路
18 中子(可動閉塞部材)
HL1、HL2 最高水面位置
21 圧抜き孔
2 把手
3 蓋体
5 注口部
7 給湯スイッチ
10 内容器(貯水部)
11 外装ケース(外殻)
12 ヒータ
13 給湯経路
14 蒸気経路
18 中子(可動閉塞部材)
HL1、HL2 最高水面位置
21 圧抜き孔
Claims (1)
- 貯水部と前記貯水部内の液体を加熱するように配置されたヒータとを備えた本体部と、
前記本体部の外殻に固着された把手と、
前記本体部における前記把手とは径方向反対側の上端部に形成された注口部と、
前記本体部の開口部を開閉可能に封鎖する蓋体とを備え、
前記蓋体に、前記貯水部内の液体を前記注口部へと導く給湯経路と、前記貯水部内の蒸気を外部に放出する蒸気経路とが形成されていて、
給湯スイッチに連動して前記給湯経路を開閉する可動閉塞部材の、前記把手を下側にして前記本体部が転倒した場合に最高水面位置よりも高くなる部分に、前記給湯経路と前記蒸気経路がいずれも閉塞されている状態で前記貯水部と前記注口部とを空間的に接続する圧抜き孔が形成されていることを特徴とする液体加熱容器。
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