JP2016136056A - ナットの脱落防止機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナットを変形させることなく嵌合部材を取り付けることができるナットの脱落防止機構を提供する。
【解決手段】ボルト53に螺合するナットの脱落防止機構において、ボルト53のネジ溝55aに対して径方向内側に指向する弾発力を有して係合する係合部33を有し、係合部33を、ナット10の外側に接触する嵌合部31に設ける。嵌合部31を、ナット10の下面に接触するワッシャ32と一体に形成する。嵌合部31は、ナット10に係合する工具50に押圧されることで変形するたわみ部35を有し、たわみ部35の変形に伴って、係合部33に生じている弾発力が減じられるように構成する。これにより、ナットに対して「かしめ」加工等を行うことなく、弾発力に起因する摩擦力による脱落防止機能を有する係合部を、ナットに取り付けることが可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナットの脱落防止機構に係り、特に、ナットに対してかしめ加工を行わずに取り付けることができるナットの脱落防止機構に関する。
従来から、ボルトに締結したナットが、その締結後に緩んだり脱落したりしないようにする脱落防止機構が知られている。
特許文献1には、ナットの一端面にワッシャ状の2枚の円環部材を固定した脱落防止機構が開示されている。この脱落防止機構によれば、ボルトにナットを螺合させることで、円環部材の内径部がボルトのネジ溝に係合すると共に、円環部材がボルトのネジ山に押されて弾発力および摩擦力が生じる。円環部材のナットへの固定は、所定位置に円環部材を配置した状態で、ナットの一端面に設けた円環状の突起部をプレス機で折り曲げるように変形させる「かしめ」加工によって行われる。
実開平6−35637号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ナットの母材に対して「かしめ」加工を許容する靱性が要求されるので、例えば、鉄等に比して軽量であるものの靱性が低いアルミニウム合金でナットを形成することができなった。すなわち、ナットの材料を軽量な材料に変更することで、脱落防止ナットの軽量化を図ることが難しいという課題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、ナットを変形させることなく嵌合部材を取り付けることができるナットの脱落防止機構を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、ボルト(53)に螺合するナットの脱落防止機構において、前記ボルト(53)のネジ溝(55a)に対して径方向内側に指向する弾発力を有して係合する係合部(33,72,92)を有し、前記係合部(33,72,92)が、ナット(10,60,80)の外側に接触する嵌合部(31,71,90)に設けられている点に第1の特徴がある。
また、前記嵌合部(31,71)が、前記ナット(10,60)の下面に接触するワッシャ(32,75)と一体に形成される点に第2の特徴がある。
また、前記嵌合部(90)が、前記ナット(80)の下面に接触するワッシャ(95)と別体に形成される点に第3の特徴がある。
また、前記嵌合部(31,71,90)は、前記ナット(10,60,80)に係合する工具(50)に押圧されることで変形するたわみ部(35,73,93)を有し、前記たわみ部(35,73,93)の変形に伴って、前記係合部(33,73,93)に生じている前記弾発力が減じられるように構成されている点に第4の特徴がある。
また、前記係合部(33)と前記たわみ部(35)との間は、接続部(34)によって接続されており、前記接続部(34)は、前記工具(50)によって前記たわみ部(35)が変形されても前記工具(50)に接触しないように構成されている点に第5の特徴がある。
また、前記ナット(10)が、フランジ部(13)を有する6角ナットであり、前記ナット(10)の側面部(11)に前記嵌合部(31)が係合する溝(16)が形成されており、前記嵌合部(31)は、前記ワッシャ(32)の外周部から軸方向に延びる少なくとも2本の板状部材であり、前記嵌合部(31)は、前記フランジ部(13)の外径に対応して湾曲するたわみ部(35)と、前記側面部(11)に沿う平板状の接続部(34)と、該接続部(34)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(33)とから構成されており、前記フランジ部(13)の上面と前記たわみ部(35)との間に、前記たわみ部(35)の変形を許容する隙間(17)が形成されており、前記嵌合部(31)が、前記接続部(34)および前記係合部(33)が前記溝(16)に収まることによって所定の位置に保持される点に第6の特徴がある。
また、前記ナット(60)が、フランジ部のない6角ナットであり、前記ナット(60)の側面部(61)に前記嵌合部(71)が係合する溝(66)が形成されており、前記嵌合部(71)は、前記ワッシャ(75)の外周部から軸方向に延びる少なくとも2本の板状部材であり、前記嵌合部(71)は、前記側面部(11)から突出するように径方向外側に湾曲するたわみ部(73)と、該たわみ部(73)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(72)とから構成されており、前記嵌合部(71)が、前記たわみ部(73)および前記係合部(72)が前記溝(66)に収まることによって所定の位置に保持される点に第7の特徴がある。
さらに、前記ナット(80)が、フランジ部(83)を有する6角ナットであり、前記ナット(80)の側面部(81)に前記嵌合部(90)が係合する溝(86)が形成されており、前記嵌合部(90)は、前記ナット(80)の外側に係合する少なくとも2本の板状部材であり、前記嵌合部(90)は、前記フランジ部(83)の外径に対応して湾曲するたわみ部(93)と、前記側面部(81)に沿う平板状の接続部(91)と、該接続部(91)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(92)から構成されており、前記フランジ部(83)の上面と前記たわみ部(93)との間に、前記たわみ部(93)の変形を許容する隙間が形成されており、前記嵌合部(90)が、前記接続部(91)および前記係合部(92)が前記溝(86)に収められて前記ナット(80)に固定される点に第8の特徴がある。
第1の特徴によれば、前記ボルト(53)のネジ溝(55a)に対して径方向内側に指向する弾発力を有して係合する係合部(33,72,92)を有し、前記係合部(33,72,92)が、ナット(10,60,80)の外側に接触する嵌合部(31,71,90)に設けられているので、ナットに対して「かしめ」加工等を行うことなく、弾発力に起因する摩擦力による脱落防止機能を有する係合部を、ナットに取り付けることが可能となる。これにより、ナットの材料にアルミニウム合金等の靱性の低い材料を使用して、脱落防止ナットの軽量化を図ることができる。
第2の特徴によれば、前記嵌合部(31,71)が、前記ナット(10,60)の下面に接触するワッシャ(32,75)と一体に形成されるので、嵌合部材をナットの外形に沿った形状とすることで、ナットに対する嵌合部材の位置決めおよび保持が可能となる。また、ナットの締結と同時にワッシャの組み付けを行うことができるため、作業性を向上させることができる。
第3の特徴によれば、前記嵌合部(90)が、前記ナット(80)の下面に接触するワッシャ(95)と別体に形成されるので、嵌合部とワッシャが一体式の構成に比して、嵌合部材の形成が容易になると共に、嵌合部材のナットへの取り付け作業が容易となる。
第4の特徴によれば、前記嵌合部(31,71,90)は、前記ナット(10,60,80)に係合する工具(50)に押圧されることで変形するたわみ部(35,73,93)を有し、前記たわみ部(35,73,93)の変形に伴って、前記係合部(33,73,93)に生じている前記弾発力が減じられるように構成されているので、工具によってたわみ部を変形させることで、係合部とネジ溝との間に生じている摩擦力を低減させることができる。これにより、ナットの着脱時に摩擦力を低減させて、係合部およびネジ溝の摩擦および損傷を抑制することが可能となる。
第5の特徴によれば、前記係合部(33)と前記たわみ部(35)との間は、接続部(34)によって接続されており、前記接続部(34)は、前記工具(50)によって前記たわみ部(35)が変形されても前記工具(50)に接触しないように構成されているので、たわみ部が変形しても、係合部を支持している接続部が工具に接触することがなく、たわみ部の変形に伴って係合部の位置を的確に変更することができる。
第6の特徴によれば、前記ナット(10)が、フランジ部(13)を有する6角ナットであり、前記ナット(10)の側面部(11)に前記嵌合部(31)が係合する溝(16)が形成されており、前記嵌合部(31)は、前記ワッシャ(32)の外周部から軸方向に延びる少なくとも2本の板状部材であり、前記嵌合部(31)は、前記フランジ部(13)の外径に対応して湾曲するたわみ部(35)と、前記側面部(11)に沿う平板状の接続部(34)と、該接続部(34)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(33)とから構成されており、前記フランジ部(13)の上面と前記たわみ部(35)との間に、前記たわみ部(35)の変形を許容する隙間(17)が形成されており、前記嵌合部(31)が、前記接続部(34)および前記係合部(33)が前記溝(16)に収まることによって所定の位置に保持されるので、一般的なフランジ付き6角ナットの側面部に溝を設けることで、工具の押圧動作に応じて係合部による摩擦力が低減する機能を有する脱落防止機構を得ることができる。
第7の特徴によれば、前記ナット(60)が、フランジ部のない6角ナットであり、前記ナット(60)の側面部(61)に前記嵌合部(71)が係合する溝(66)が形成されており、前記嵌合部(71)は、前記ワッシャ(75)の外周部から軸方向に延びる少なくとも2本の板状部材であり、前記嵌合部(71)は、前記側面部(11)から突出するように径方向外側に湾曲するたわみ部(73)と、該たわみ部(73)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(72)とから構成されており、前記嵌合部(71)が、前記たわみ部(73)および前記係合部(72)が前記溝(66)に収まることによって所定の位置に保持されるので、一般的な6角ナットの側面部に溝を設けることで、工具の押圧動作に応じて、係合部による摩擦力が低減する機能を有する脱落防止機構を得ることができる。
第8の特徴によれば、前記ナット(80)が、フランジ部(83)を有する6角ナットであり、前記ナット(80)の側面部(81)に前記嵌合部(90)が係合する溝(86)が形成されており、前記嵌合部(90)は、前記ナット(80)の外側に係合する少なくとも2本の板状部材であり、前記嵌合部(90)は、前記フランジ部(83)の外径に対応して湾曲するたわみ部(93)と、前記側面部(81)に沿う平板状の接続部(91)と、該接続部(91)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(92)とから構成されており、前記フランジ部(83)の上面と前記たわみ部(93)との間に、前記たわみ部(93)の変形を許容する隙間が形成されており、前記嵌合部(90)が、前記接続部(91)および前記係合部(92)が前記溝(86)に収められて前記ナット(80)に固定されるので、一般的なフランジ付き6角ナットの側面部に溝を設けることで、工具の押圧動作に応じて係合部による摩擦力が低減する機能を有する脱落防止機構を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る脱落防止機構を適用した脱落防止ナットの斜視図(上面側)である。 本発明の一実施形態に係る脱落防止ナットの斜視図(下面側)である。 本発明の一実施形態に係るナットの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る嵌合部材の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る脱落防止ナットの斜視図(側面側)である。 工具を係合した状態を示す側面図である。 工具を係合した状態における断面図である。 工具を脱落防止ナット側に押し付けた状態における断面図である。 図8の一部拡大図である。 本発明の変形例に係る脱落防止ナットの斜視図である。 本発明の変形例に係るナットの斜視図である。 本発明の変形例に係る嵌合部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る脱落防止ナットの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る嵌合部材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る脱落防止ナットに工具を係合した状態における断面図である。 本発明の第3実施形態に係る脱落防止ナットの斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る脱落防止機構を適用した脱落防止ナット1を上面側からみた斜視図である。また、図2は脱落防止ナット1を下面側からみた斜視図である。さらに、図3は、脱落防止ナット1を構成するナット10の斜視図、図4は脱落防止ナット1を構成する嵌合部材30の斜視図、図5は脱落防止ナット1を側面側からみた斜視図である。
脱落防止ナット1は、フランジ付き6角タイプのナット10と、ナット10の外側に嵌合する薄板状の嵌合部材30とによって構成されている。すなわち、脱落防止機構は、ナット10および嵌合部材30の組み合わせにより構成される。
ナット10は、6つの側面部11、上面部12、雌ネジ部14およびフランジ部13からなる一般的なフランジ付き6角ナットに対し、嵌合部材30を保持するための3本の溝16を設けた構造とされている。幅広で浅い溝16は、上面部12からフランジ部13の一部にかけて形成されている。ナット10は、アルミニウム合金等の金属で構成され、溝16は切削加工によって形成することができる。
嵌合部材30は、開口36を有するワッシャ32の外周部から、120度の等間隔で3本のアーム状の嵌合部31を伸ばした構造とされる。嵌合部31は、フランジ部13の外径に対応して湾曲するたわみ部35、側面部11に沿う平板状の接続部34、接続部34の上端部から径方向に屈曲する係合部33から構成される。嵌合部材30は、型抜きした単一の鋼板によって形成することができる。嵌合部材30のワッシャ32は、脱落防止ナット1を締結する際に通常のワッシャとして機能する。
嵌合部材30のナット10への取り付けは、嵌合部31を所定の形状に変形させるプレス機等で行うことができる。ナット10に取り付けられた嵌合部材30は、接続部34および係合部33がナット10の溝16に収まることによって所定の位置に保持される。
接続部33および係合部34は、嵌合部材30をナット10に取り付けた状態において、ナット10の溝16の底面に接触またはほぼ接触している。接続部33および係合部34の厚さ寸法は、溝16の深さ寸法より小さいため、接続部34の表面はナット10の側面部11より内側に収まると共に、係合部33の上面はナット10の上面部12の内側に収まることとなる。これにより、ボックスレンチやスパナ等の工具を係合した際でも、接続部34および係合部33が工具と接触することはない。
一方、係合部33の径方向内側の端部は、雌ネジ部14のネジ山外径より径方向内側に突出している。これにより、脱落防止ナット1に対してボルトを螺合していくと、係合部33の端部がボルトのネジ溝に係合しながら径方向外側に押される。これに対し、係合部33は、アーム状の嵌合部31が全体でバネとして作用するため、径方向内側への弾発力を生じる。これにより、係合部33がボルトのネジ溝に押し付けられて、脱落防止効果を生じる摩擦力が発生することとなる。
また、嵌合部材30のたわみ部35は、ナット10のフランジ部13に対して外径部分で接触またはほぼ接触している。一方、フランジ部13の上面側では、溝16がフランジ部13の上面にまで形成されていることもあり、たわみ部35とナット10のフランジ部13との間に比較的大きな隙間17が形成されている。
図6は、工具50を係合した状態における側面図である。図7は、工具50を係合した状態における断面図である。図8は工具50を脱落防止ナット1側に押し付けた状態における断面図であり、図9は図8の一部拡大図である。
本実施形態に係る脱落防止ナット1の着脱は、スパナやメガネレンチで行うことも可能であるが、本来の機能を発揮させるには、脱落防止ナット1に対向する端面52を有するソケットレンチやボックスレンチが好適である。工具50を脱落防止ナット1に係合させると、通常のナットと同様に、6つの側面部11に工具50の内壁面が当接する。
図7では、説明のため、単一の板部材56に形成された貫通孔57にボルト53を通し、脱落防止ナット1を締結した状態を示している。この締結状態では、嵌合部材30の係合部33が、ボルト53の軸55に形成されたネジ山のネジ溝に係合して、脱落防止機能を発揮している。さらに、この図では、工具の端面52がたわみ部35に接触する手前まで工具50を係合させた状態を示している。なお、脱落防止ナット1の着脱時には、ボルト53の頭54を他の工具で固定するのが好ましい。
図8,9を参照して、図7の状態から、工具50の端面52を脱落防止ナット1側に移動させると、端面52が嵌合部材30のたわみ部35に当接し、さらに工具50を押し付けると、たわみ部35が変形すると共に接続部34および係合部33の位置が変わる。より具体的には、たわみ部35は最大で隙間17がなくなる位置まで変形することが可能で、この変形により接続部34が径方向外側に傾斜すると共に、係合部33が溝16から離間するように傾斜する。すると、係合部33の端部がボルト53のネジ溝から離間して、摩擦力が消失する。すなわち、工具50を脱落防止ナット1の方向に押し付けることで、着脱時に摩擦力が作用しないようにして作業性を高めると共に、着脱時における係合部33の端部およびボルト53のネジ溝の摩耗を防いで、両者の再利用も可能となる。
また、係合部33がナット10の上面側、すなわち、ボルト53の進入方向との反対側に設けられているため、脱落防止ナット1の着脱時に係合部33がネジ溝を摺動する距離が短くなり、これによっても、係合部3およびネジ溝55aの摩耗を抑制できる。
なお、たわみ部35の的確な変形は、ナット10のフランジ部13の上面に沿ってたわみ部35が形成されており、工具50による押し付け圧力をフランジ部13の上面で受けることができるために可能となっている。
また、接続部34は、工具50によってたわみ部35が変形されても工具50に接触しないように構成されている。これにより、たわみ部35が変形しても、係合部33を支持している接続部34が工具に接触することがなく、たわみ部35の変形に伴って係合部33の位置を的確に変更することができる。
さらに、本実施形態に係る嵌合部材30では、たわみ部35を変形させた際にも嵌合部31が工具50に接触しないように構成しているが、工具側に逃げ部としての凹部を設けて嵌合部31が工具50に接触しないようにして、ナット10の溝16を浅くして嵌合部31がナット10の側面部11より径方向外側に突出した構造としてもよい。
図10は、本発明の変形例に係る脱落防止ナット2の斜視図である。また、図11はナット10aの斜視図であり、図12は嵌合部材30aの斜視図である。前記と同一の符号は同一または同等部分を示す。
本変形例に係る脱落防止ナット2は、嵌合部材30aの嵌合部31およびこれに対応するナット10aの溝16が、それぞれ2本とされている点に特徴がある。嵌合部材30を2本とした場合は、これが3本である場合に比して係合部33による摩擦力が小さくなるぶん着脱作業も容易になる。
図13は、本発明の第2実施形態に係る脱落防止ナット3の斜視図である。また、図14は、嵌合部材70の斜視図である。本実施形態に係る脱落防止ナット3は、ナット60がフランジ部を持たないことに合わせて、嵌合部材70が独自の形状を有する点に特徴がある。
脱落防止ナット3は、6角タイプのナット60と、ナット60の外側に嵌合する薄板状の嵌合部材70とによって構成されている。ナット60は、6つの側面部61、上面部62、雌ネジ部64からなる一般的な6角ナットに対し、嵌合部材70を保持するための3本の溝66を設けた構造とされている。幅広で浅い溝66は、上面部62から側面部61の下端部にかけて形成されている。ナット60は、アルミニウム合金等の金属で構成され、溝66は切削加工によって形成することができる。
嵌合部材70は、開口74を有するワッシャ75の外周部から、120度の等間隔で3本のアーム状の嵌合部71を伸ばした構造とされる。嵌合部71は、溝66から離間するように湾曲するたわみ部73と、たわみ部73の上端部から径方向に屈曲する係合部72とから構成される。嵌合部材70は、型抜きした単一の鋼板によって形成することができる。
係合部72は、嵌合部材70をナット60に取り付けた状態において、ナット60の溝16の底面に接触またはほぼ接触している。係合部72の厚さ寸法は、溝66の深さ寸法より小さいため、係合部72の表面はナット10の上面部12の内側に収まることとなる。一方、湾曲形状とされるたわみ部73は、全体がアーチ状に湾曲しており、頂部の前後は側面部61より外側に突出している。換言すれば、たわみ部73が溝66の底部と接触またはほぼ接触するのは、溝66の上端部および下端部のみとなる。
係合部72の径方向内側の端部は、雌ネジ部64のネジ山外径より径方向内側に突出している。これにより、脱落防止ナット3に対してボルトを螺合していくと、係合部72の端部がボルトのネジ溝に係合しながら径方向外側に押される。これに対し、係合部72は、嵌合部71が全体でバネとして作用するため、径方向内側への弾発力を生じる。これにより、係合部72がボルトのネジ溝に押し付けられることとなる。本実施形態では、湾曲するたわみ部73が、前記実施形態で示した「接続部」としても機能する。
なお、上記した脱落防止ナット3を変形して、以下のような構成とすることもできる。まず、ワッシャ75と嵌合部71とを別体に構成してもよい。この場合、嵌合部71は、たわみ部73の下端部がナット60の下面に回り込むようにし、ナット60の下面で支持するように構成できる。また、ワッシャ75と嵌合部71とを別体に構成した場合には、ワッシャ75の形状に自由度が増すほか、ワッシャ75を廃することもできる。ワッシャ75を廃した場合には、たわみ部73の下端部がナット60の下面に突出しないように、ナット60の下面に形成した凹部に面一に収まるように構成することができる。さらに、たわみ部73がナット60の下面に回り込まない形状とし、ナット60の側面部61に形成された溝66の下端部で嵌合部71を支持するように構成してもよい。
図15は、脱落防止ナット3に工具50を係合した状態における断面図である。脱落防止ナット3の着脱には、安定した押し付け作業がしやすいソケットレンチやボックスレンチが好適である。工具50を脱落防止ナット3に係合させるためには、工具50を脱落防止ナット3の方向に押し付けて、ナット60の側面部61から径方向外側に突出している接続部71を変形させる。本実施形態では、この接続部71の変形に伴って係合部72が溝66から離間するように傾斜する。すると、係合部72の端部がボルトのネジ溝から離間して、摩擦力が消失する。すなわち、工具50を脱落防止ナット3に押し付けて所定位置に係合させることで、着脱時に摩擦力が作用しないようにして作業性が高められることとなる。
図16は、本発明の第3実施形態に係る脱落防止ナット4の斜視図である。脱落防止ナット4は、図1〜8に示した第1実施形態に係る脱落防止ナットにおいて、嵌合部とワッシャとを別体式とし、嵌合部をナットに直接固定した構造とされている。
より具体的には、脱落防止ナット4は、フランジ付き6角タイプのナット80と、ナット80の外側に嵌合する3つの嵌合部90とによって構成されている。すなわち、脱落防止機構は、ナット80および嵌合部90の組み合わせにより構成される。ワッシャ95には、嵌合部90と接触しないようにする切欠き96が形成されている。
ナット80は、6つの側面部81、上面部82、雌ネジ部84およびフランジ部83からなる一般的なフランジ付き6角ナットに対し、嵌合部90を保持するための3本の溝86を設けた構造とされている。幅広で浅い溝86は、上面部82からフランジ部83の一部にかけて形成されている。
嵌合部90は、3本のアーム状の薄板部材からなり、それぞれ、フランジ部83の外径に対応して湾曲するたわみ部93、側面部81に沿う平板状の接続部91、接続部91の上端部から径方向に屈曲する係合部92から構成される。嵌合部90は、たわみ部92の下端でナット80に固定されている。嵌合部90の固定は、凹凸による係合や「かしめ」加工等の種々の方法が適用できる。
このような嵌合部90の構成によれば、嵌合部とワッシャが一体式の構成に比して、嵌合部材の形成が容易になると共に、嵌合部材のナットへの取り付け作業が容易となる。
本実施形態に係る脱落防止ナット4においても、係合部の径方向内側の端部を、雌ネジ部84のネジ山外径より径方向内側に突出させることによって、ボルトとの締結時に摩擦力を生じさせることができる。また、脱落防止ナット4に工具を押し付けてたわみ部93を変形させ、これにより摩擦力を消失させて着脱作業を容易にすることもできる。
なお、上記した脱落防止ナット4を変形して、以下のような構成とすることもできる。まず、ワッシャ95の外径を小さくして、切欠き96のない円形としてもよい。また、ワッシャ95を廃してもよく、この場合には、嵌合部90のたわみ部90がフランジ部83の下面に突出しないように、フランジ部83の下面に形成した凹部に嵌合部90が面一に収まるように構成することができる。さらに、嵌合部90のたわみ部93がフランジ部83の下面に回り込まない形状とし、フランジ部83の外径端面で嵌合部90を支持するように構成してもよい。
上記したように、本発明に係るナットの脱落防止機構によれば、ナットに対して「かしめ」加工を行うことなく、ボルトのネジ溝と係合して摩擦力を生じる嵌合部を取り付けることができるので、「かしめ」加工に適さないアルミニウム合金等でナットを形成して、軽量な脱落防止ナットを得ることが可能となる。
なお、ナットや嵌合部材の形状や構造、ナットに対する嵌合部材の取り付け方法、ナットおよび嵌合部材に施す加工等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、嵌合部材の嵌合部の数は、2〜6本の任意の数とすることができる。また、嵌合部は、ナットの外周を囲繞するように連続的に設けてもよい。さらに、ナットは袋ナット等の各種ナットや、鋳造により形成したもの、鋼製のもの等を適用できる。なお、上記した各実施形態においては、ナットの締め付け工具を係合させることで嵌合部材の係合部をボルトのネジ溝から離脱するための「たわみ部」を有していたが、このたわみ部を持たない構造としてもよい。
1…脱落防止ナット、10…ナット、11…側面部、12…上面部、13…フランジ部、14…雌ネジ部、30…嵌合部材、31…嵌合部、32…ワッシャ、33…係合部、34…接続部、3…脱落防止ナット、60…ナット、61…側面部、12…上面部、64…雌ネジ部、70…嵌合部材、71…嵌合部、72…係合部、73…たわみ部、4…脱落防止ナット、80…ナット、81…側面部、90…嵌合部、91…接続部、92…係合部、93…たわみ部、95…ワッシャ

Claims (8)

  1. ボルト(53)に螺合するナットの脱落防止機構において、
    前記ボルト(53)のネジ溝(55a)に対して径方向内側に指向する弾発力を有して係合する係合部(33,72,92)を有し、
    前記係合部(33,72,92)が、ナット(10,60,80)の外側に接触する嵌合部(31,71,90)に設けられていることを特徴とするナットの脱落防止機構。
  2. 前記嵌合部(31,71)が、前記ナット(10,60)の下面に接触するワッシャ(32,75)と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のナットの脱落防止機構。
  3. 前記嵌合部(90)が、前記ナット(80)の下面に接触するワッシャ(95)と別体に形成されることを特徴とする請求項1に記載のナットの脱落防止機構。
  4. 前記嵌合部(31,71,90)は、前記ナット(10,60,80)に係合する工具(50)に押圧されることで変形するたわみ部(35,73,93)を有し、
    前記たわみ部(35,73,93)の変形に伴って、前記係合部(33,73,93)に生じている前記弾発力が減じられるように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のナットの脱落防止機構。
  5. 前記係合部(33)と前記たわみ部(35)との間は、接続部(34)によって接続されており、
    前記接続部(34)は、前記工具(50)によって前記たわみ部(35)が変形されても前記工具(50)に接触しないように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のナットの脱落防止機構。
  6. 前記ナット(10)が、フランジ部(13)を有する6角ナットであり、
    前記ナット(10)の側面部(11)に前記嵌合部(31)が係合する溝(16)が形成されており、
    前記嵌合部(31)は、前記ワッシャ(32)の外周部から軸方向に延びる少なくとも2本の板状部材であり、
    前記嵌合部(31)は、前記フランジ部(13)の外径に対応して湾曲するたわみ部(35)と、前記側面部(11)に沿う平板状の接続部(34)と、該接続部(34)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(33)とから構成されており、
    前記フランジ部(13)の上面と前記たわみ部(35)との間に、前記たわみ部(35)の変形を許容する隙間(17)が形成されており、
    前記嵌合部(31)が、前記接続部(34)および前記係合部(33)が前記溝(16)に収まることによって所定の位置に保持されることを特徴とする請求項2に記載のナットの脱落防止機構。
  7. 前記ナット(60)が、フランジ部のない6角ナットであり、
    前記ナット(60)の側面部(61)に前記嵌合部(71)が係合する溝(66)が形成されており、
    前記嵌合部(71)は、前記ワッシャ(75)の外周部から軸方向に延びる少なくとも2本の板状部材であり、
    前記嵌合部(71)は、前記側面部(11)から突出するように径方向外側に湾曲するたわみ部(73)と、該たわみ部(73)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(72)とから構成されており、
    前記嵌合部(71)が、前記たわみ部(73)および前記係合部(72)が前記溝(66)に収まることによって所定の位置に保持されることを特徴とする請求項2に記載のナットの脱落防止機構。
  8. 前記ナット(80)が、フランジ部(83)を有する6角ナットであり、
    前記ナット(80)の側面部(81)に前記嵌合部(90)が係合する溝(86)が形成されており、
    前記嵌合部(90)は、前記ナット(80)の外側に係合する少なくとも2本の板状部材であり、
    前記嵌合部(90)は、前記フランジ部(83)の外径に対応して湾曲するたわみ部(93)と、前記側面部(81)に沿う平板状の接続部(91)と、該接続部(91)の上端部から径方向に屈曲する前記係合部(92)から構成されており、
    前記フランジ部(83)の上面と前記たわみ部(93)との間に、前記たわみ部(93)の変形を許容する隙間が形成されており、
    前記嵌合部(90)が、前記接続部(91)および前記係合部(92)が前記溝(86)に収められて前記ナット(80)に固定されることを特徴とする請求項3に記載のナットの脱落防止機構。
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