JP2016135856A - 接着剤組成物、フィルム状接着剤及び積層体の製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、フィルム状接着剤及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非弾性基板、接着剤層及び弾性基板をこの順に圧着及び積層して積層体を製造する際に、非弾性基板及び弾性基板の接着面からのはみ出しを抑制でき、かつ十分な接着力を有する接着剤層を形成するための接着剤組成物、前記接着剤組成物を用いて得られたフィルム状接着剤、及び前記フィルム状接着剤を用いる前記積層体の製造方法の提供。【解決手段】非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13をこの順に積層し、これらを加熱しながら積層方向において力を加えて圧着させ、フィルム状接着剤12を熱硬化させて接着剤層14を形成し、積層体1とする。フィルム状接着剤12は、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)を含有し、固形分の総含有量に対するアクリル系樹脂(a)の含有量の割合が15〜45質量%であり、熱硬化前の150℃での粘度が600Pa・s以上である接着剤組成物を用いて形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤組成物、前記接着剤組成物を用いて得られたフィルム状接着剤、及び前記フィルム状接着剤を用いる積層体の製造方法に関する。
半導体装置の製造時には、例えば、回路面とは反対側の面にフィルム状接着剤が貼付された半導体チップを、この接着剤によりリードフレームや基板にダイボンディングする工程が行われる。フィルム状接着剤は熱硬化性を有し、最終的には耐衝撃性を有する硬化物となる。このとき使用されるフィルム状接着剤としては、半導体ウエハのダイシングにより半導体チップを作製する工程においては、ダイシングシートの一部としても使用でき、十分な接着特性を有するものが開示されている。
このようなフィルム状接着剤は、半導体装置の製造時において、硬化前又は硬化後に目的とする形状とは異なる形状に変形してしまうことがある。例えば、ダイシングシートの一部としても使用される上述のフィルム状接着剤の場合、ダイシングブレードの摩擦熱の影響等で変形し得ることが知られており、このような変形が抑制されたフィルム状接着剤が開示されている(特許文献1及び2参照)。
一方で、半導体装置の製造時には、半導体チップ等の非弾性基板をフィルム状接着剤によりフレキシブル基板等の弾性基板に貼付して固定する工程が行われることもある。この場合、非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板をこの順に積層したものを、これらの積層方向において加熱しながら圧着させる。これにより、フィルム状接着剤を熱硬化させて接着剤層とすると共に、非弾性基板、接着層及び弾性基板を圧着させて、積層体を得る。
このような積層体においては、硬化したフィルム状接着剤(接着剤層)は、圧着によって非弾性基板及び弾性基板の接着面よりも広がって、これらの接着面からはみ出すことがある。このようにはみ出した接着剤層は、以降の半導体装置の製造工程において、トラブルの発生原因となり得る。そこで、圧着させても接着面からのはみ出しを抑制可能な接着剤層を形成するための接着剤組成物が望まれている。
特開2012−167174号公報 特開2013−203795号公報
しかし、このような接着面からの接着剤層のはみ出しを抑制可能な接着剤組成物については、これまでに十分な検討が為されていない。ダイシングシートの一部としても使用できる特許文献1及び2に記載のフィルム状接着剤は、硬化後におけるこのようなはみ出しの抑制を目的としたものではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、非弾性基板、接着剤層及び弾性基板をこの順に圧着及び積層して積層体を製造する際に、非弾性基板及び弾性基板の接着面からのはみ出しを抑制でき、かつ十分な接着力を有する接着剤層を形成するための接着剤組成物、前記接着剤組成物を用いて得られたフィルム状接着剤、及び前記フィルム状接着剤を用いる前記積層体の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、非弾性基板、接着剤層及び弾性基板がこの順に圧着及び積層されてなる積層体の、前記接着剤層の形成に用いるための接着剤組成物であって、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)を含有し、前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対するアクリル系樹脂(a)の含有量の割合が15〜45質量%であり、熱硬化前の150℃での粘度が600Pa・s以上であることを特徴とする接着剤組成物を提供する。
本発明の接着剤組成物は、さらに無機充填材(c)を含有し、前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対する無機充填材(c)の含有量の割合が5〜25質量%であるものが好ましい。
また、本発明は、前記接着剤組成物を用いて、フィルム状に形成して得られたことを特徴とするフィルム状接着剤を提供する。
また、本発明は、非弾性基板、接着剤層及び弾性基板がこの順に圧着及び積層されてなる積層体の製造方法であって、前記接着剤層が、前記フィルム状接着剤から形成されたものであり、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板がこの順に積層されてなる中間構造体を加熱しながら、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板の積層方向において力を加えることにより、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板を圧着させ、さらに前記フィルム状接着剤を熱硬化させて前記接着剤層を形成することにより、前記積層体を得ることを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、非弾性基板、接着剤層及び弾性基板をこの順に圧着及び積層して積層体を製造する際に、非弾性基板及び弾性基板の接着面からのはみ出しを抑制でき、かつ十分な接着力を有する接着剤層を形成するための接着剤組成物、前記接着剤組成物を用いて得られたフィルム状接着剤、及び前記フィルム状接着剤を用いる前記積層体の製造方法が提供される。
本発明に係る積層体の製造方法の一実施形態を説明するための概略断面図である。 図1に示す積層体を拡大して模式的に示す図であり、(a)は非弾性基板側から見た平面図、(b)は(a)のI−I線における断面図である。
<接着剤組成物>
本発明に係る接着剤組成物は、非弾性基板、接着剤層及び弾性基板がこの順に圧着及び積層されてなる積層体の、前記接着剤層の形成に用いるための接着剤組成物であって、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)を含有し、前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対するアクリル系樹脂(a)の含有量の割合が15〜45質量%であり、熱硬化前の150℃での粘度が600Pa・s以上であることを特徴とする。
本発明に係る接着剤組成物は、アクリル系樹脂(a)の含有量、及び熱硬化前の150℃での粘度が、特定の範囲内であることで、前記積層体の製造時において、非弾性基板及び弾性基板の接着面からのはみ出しを抑制でき、かつ十分な接着力を有する接着剤層を形成できる。
[アクリル系樹脂(a)]
アクリル系樹脂(a)は、後述するフィルム状接着剤を形成するためのものであり、さらにフィルム状接着剤を用いて前記接着剤層を形成できる。アクリル系樹脂(a)は、フィルム状接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、フィルム状接着剤の被着体への接着性(貼付性)を向上させるための重合体化合物である。
アクリル系樹脂(a)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂(a)としては、公知のアクリル重合体を用いるこができる。
アクリル系樹脂(a)の重量平均分子量(Mw)は、10000〜2000000であることが好ましく、100000〜1500000であることがより好ましい。アクリル系樹脂(a)の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、被着体に対する接着力がより適正となり、アクリル系樹脂(a)の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へのフィルム状接着剤の追従がより良好となり、被着体との間でボイド等の発生が抑制される。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
アクリル系樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−50〜50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂(a)のTgがこのような範囲であることで、被着体に対する接着力がより適正となる。
アクリル系樹脂(a)を構成するモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート(ミリスチル(メタ)アクリレート)、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート(パルミチル(メタ)アクリレート)、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート(ステアリル(メタ)アクリレート)等の、アルキル基が鎖状で炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;
シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが例示できる。
また、アクリル系樹脂(a)は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等のモノマーが共重合されたものでもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念とする。同様に、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。
アクリル系樹脂(a)を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
アクリル系樹脂(a)は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。他の化合物との結合は、後述する架橋剤(f)を介して行われてもよいし、架橋剤(f)を介さずに前記官能基が他の化合物と直接結合していてもよい。
ただし、アクリル系樹脂(a)中の繰り返し単位の総量に対する、前記官能基を有する繰り返し単位の量の割合は、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、15モル%以下であることが特に好ましい。
前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対するアクリル系樹脂(a)の含有量の割合(前記フィルム状接着剤のアクリル系樹脂の含有量)は、15〜45質量%であり、15〜43質量%であることが好ましい。アクリル系樹脂(a)の前記含有量の割合がこのような範囲であることで、後述する積層体製造時における、接着剤層のはみ出しが十分に抑制される。また、後述する接着剤層の剥離強度(前記積層体における非弾性基板と弾性基板との間の剥離強度)が十分に高くなる。
[エポキシ樹脂(b1)]
エポキシ樹脂(b1)は、後述するフェノール系熱硬化剤(b2)と共に、エポキシ系熱硬化性樹脂(以下、「エポキシ系熱硬化性樹脂(b)」と称する)として機能する。
エポキシ樹脂(b1)としては、公知のものが挙げられ、具体的には、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物等が例示できる。
また、エポキシ樹脂(b1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ基の一部が不飽和炭化水素基を含む基に変換されてなる化合物が例示できる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へアクリル酸を付加反応させることにより製造できる。また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物等が例示できる。不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、具体的には、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が例示でき、アクリロイル基が好ましい。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂(a)との相溶性が高い。
エポキシ樹脂(b1)の数平均分子量は、特に限定されないが、前記フィルム状接着剤の硬化性や硬化後の強度及び耐熱性の観点から、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量は、100〜1000g/eqであることが好ましく、150〜800g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂(b1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[フェノール系熱硬化剤(b2)]
フェノール系熱硬化剤(b2)は、フェノール性水酸基を有する熱硬化剤であり、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能する。
フェノール系熱硬化剤(b2)としては、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂等が例示できる。
フェノール系熱硬化剤(b2)は、不飽和炭化水素基を有するものでもよい。
不飽和炭化水素基を有するフェノール系熱硬化剤(b2)としては、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を含む基で置換されてなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物等が例示できる。フェノール系熱硬化剤(b2)における不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
フェノール系熱硬化剤(b2)の数平均分子量は、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
フェノール系熱硬化剤(b2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)におけるフェノール系熱硬化剤(b2)の含有量の割合は、エポキシ樹脂(b1)の含有量100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。フェノール系熱硬化剤(b2)の含有量の割合が少な過ぎると、硬化不足でフィルム状接着剤は接着性が得られないことがあり、熱硬化剤(b2)の含有量の割合が過剰であると、フィルム状接着剤の吸湿率が高まって、接着剤層の信頼性が低下することがある。
前記接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)における、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)の総含有量の割合(エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量の割合)は、アクリル系樹脂(a)の含有量100質量部に対して、50〜1000質量部であることが好ましく、65〜700質量部であることがより好ましく、80〜400質量部であることが特に好ましい。エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)の総含有量の割合がこのような範囲であることで、接着剤組成物は熱硬化後において、より適切な接着性を発現できる。
[無機充填材(c)]
前記接着剤組成物は、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)以外に、さらに無機充填材(c)を含有するものが好ましい。接着剤組成物が無機充填材(c)を含有することにより、後述する積層体製造時における、接着剤層のはみ出しの抑制がより容易となる。また、フィルム状接着剤及び接着剤層の熱膨張係数の調整が容易となる。さらに、接着剤層の吸湿率を低減することもできる。
好ましい無機充填材(c)としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これらシリカ等を球形化したビーズ;これらシリカ等の単結晶繊維;ガラス繊維等が例示できる。
これらの中でも、無機充填材(c)は、球状シリカ、シリカフィラー又はアルミナフィラーであることが好ましい。
無機充填材(c)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機充填材(c)は、球状等の粒状であるものが好ましく、その平均粒径は0.01〜1μmであることが好ましく、0.04〜0.8μmであることがより好ましい。なお、本明細書において「平均粒径」とは、特に断りのない限り、レーザー回折散乱法によって求められた粒度分布曲線における、積算値50%での粒子径(D50)の値を意味する。
無機充填材(c)を用いる場合、前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対する無機充填材(c)の含有量の割合(前記フィルム状接着剤の無機充填材(c)の含有量)は、5〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、6〜17質量%であることが特に好ましい。無機充填材(c)の前記含有量の割合がこのような範囲であることで、無機充填材(c)を用いた場合の上述の効果を得ることがより容易となる。
[他の成分]
前記接着剤組成物は、前記フィルム状接着剤の各種物性を改良するために、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)、フェノール系熱硬化剤(b2)及び無機充填材(c)以外に、さらに必要に応じて、これらに該当しない他の成分を含有していてもよい。
接着剤組成物が含有する前記他の成分としては、硬化促進剤(d);カップリング剤(e);架橋剤(f);前記アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)のいずれにも該当しないその他の樹脂(g);光重合開始剤(h);フェノール系熱硬化剤(b2)以外の熱硬化剤(i);汎用添加剤(j)等が例示できる。
前記他の成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(硬化促進剤(d))
硬化促進剤(d)は、接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。
好ましい硬化促進剤(d)としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が例示できる。
硬化促進剤(d)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤(d)を用いる場合、接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)における硬化促進剤(d)の含有量の割合は、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)の総含有量(エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量)100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(d)の含有量がこのような範囲であることで、前記フィルム状接着剤は、高温・高湿度条件下でも優れた接着特性を示す。硬化促進剤(d)の含有量が少な過ぎると、硬化促進剤(d)を用いたことによる効果が十分に得られず、硬化促進剤(d)の含有量が過剰であると、高極性の硬化促進剤(d)は、高温・高湿度条件下でフィルム状接着剤中において被着体との界面側に移動して偏析することにより、接着力が低下する。
(カップリング剤(e))
カップリング剤(e)として、無機化合物と反応する官能基及び有機官能基と反応する官能基を有するものを用いることにより、フィルム状接着剤の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(e)を用いることで、フィルム状接着剤を硬化して得られる硬化物(接着剤層)について、その耐熱性を損なうことなく、耐水性を向上させることができる。
カップリング剤(e)は、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)、フェノール系熱硬化剤(b2)等が有する官能基と反応する官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることが好ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が例示できる。
カップリング剤(e)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤(e)を用いる場合、接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)におけるカップリング剤(e)の含有量の割合は、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)の総含有量100質量部に対して、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。カップリング剤(e)の含有量が少な過ぎると、カップリング剤(e)を用いたことによる上述の効果が得られないことがあり、カップリング剤(e)の含有量が多過ぎると、アウトガスが発生する可能性がある。
(架橋剤(f))
アクリル系樹脂(a)等の重合体成分として、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有するものを用いる場合、この官能基を他の化合物と結合させて架橋するために架橋剤(f)を用いることができる。架橋剤(f)を用いて架橋することにより、フィルム状接着剤の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(f)としては、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が例示できる。
前記有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物並びにこれら化合物の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物、例えば、トリメチロールプロパンアダクトキシリレンジイソシアネート等)や、有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が例示できる。
前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート;2,6−トリレンジイソシアネート;1,3−キシリレンジイソシアネート;1,4−キシレンジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート;3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて若しくは一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートのいずれか一方又は両方を付加した化合物;リジンジイソシアネート等が例示できる。
前記有機多価イミン化合物としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が例示できる。
架橋剤(f)としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、アクリル系樹脂(a)等の重合体成分としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(f)がイソシアネート基を有し、前記重合体成分が水酸基を有する場合、架橋剤(f)と前記重合体成分との反応によって、前記フィルム状接着剤に架橋構造を簡便に導入できる。
接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)における架橋剤(f)の含有量の割合は、前記重合体成分の含有量100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましい。接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)における架橋剤(f)の含有量が多くなると、後述する接着剤層の剥離強度(前記積層体における非弾性基板と弾性基板との間の剥離強度)が低下してしまう。したがって、前記剥離強度を向上させるという点においては、接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)は架橋剤(f)を含有しないことが好ましい。
(その他の樹脂(g))
その他の樹脂(g)としては、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂のいずれも用いることができ、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が例示できる。
その他の樹脂(g)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー及びフェノキシ樹脂は、アクリル系樹脂(a)と同様に、フィルム状接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、フィルム状接着剤の被着体への接着性(貼付性)を向上させることができる。
また、ポリエステル、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン又はポリスチレン等の熱可塑性樹脂を用いることで、被着体の凹凸面へのフィルム状接着剤の追従性が向上し、ボイド等の発生抑制効果が向上する。
その他の樹脂(g)を用いる場合、前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対するその他の樹脂(g)の含有量の割合(前記フィルム状接着剤のその他の樹脂(g)の含有量)は、5〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。その他の樹脂(g)の前記含有量の割合がこのような範囲であることで、その他の樹脂(g)を用いた場合の上述の効果を得ることがより容易となる。
(光重合開始剤(h))
紫外線硬化性樹脂を用いる場合、前記粘着剤組成物は、光重合開始剤(h)を含有することが好ましい。
光重合開始剤(h)は、公知のものでよく、具体的には、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が例示できる。
接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)における光重合開始剤(h)の含有量の割合は、紫外線硬化性樹脂の含有量100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましい。
(熱硬化剤(i))
熱硬化剤(i)は、フェノール系熱硬化剤(b2)以外のものであればよく、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が例示できる。前記官能基としてはアルコール性水酸基(フェノール性水酸基を除く)、アミノ基、カルボキシル基、酸基が無水物化された基等が例示できる。
熱硬化剤(i)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物(前記フィルム状接着剤)における熱硬化剤(i)の含有量の割合は、フェノール系熱硬化剤(b2)の含有量100質量部に対して、1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましい。
(汎用添加剤(j))
汎用添加剤(j)としては、公知の可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、ゲッタリング剤等が例示できる。
汎用添加剤(j)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(溶媒)
前記接着剤組成物は、さらに溶媒を含有することで、希釈によって取り扱い性が良好となる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、特に限定されないが、好ましいものとしては、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が例示できる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
接着剤組成物が含有する溶媒は、接着剤組成物で用いる各成分を均一に混合する点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
前記接着剤組成物は、アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)等、前記フィルム状接着剤を構成するための上述の各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
前記接着剤組成物は、熱硬化前の150℃での粘度が600Pa・s以上であり、625Pa・s以上であることが好ましく、650Pa・s以上であることがより好ましく、675Pa・s以上であることが特に好ましい。接着剤組成物の前記粘度が前記下限値以上であることで、接着剤組成物は適度な濡れ広がり性を有し、後述する積層体の製造時において、非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板を圧着させるときに、フィルム状接着剤の過度な広がりを抑制でき、その結果、非弾性基板及び弾性基板の接着面からの接着剤層のはみ出しを抑制できる。接着剤組成物の前記粘度の上限値は、特に限定されないが、接着剤組成物の取り扱いがより容易となる点から、20000Pa・sであることが好ましい。
前記接着剤組成物の熱硬化前の粘度は、ねじりせん断型粘度測定装置を用いて測定できる。
前記接着剤組成物の熱硬化前の粘度は、接着剤組成物の含有成分の種類と含有量によって調節でき、特にアクリル系樹脂(a)の含有量によって大きな影響を受け、接着剤組成物が無機充填材(c)を含有する場合には、この無機充填材(c)の含有量の影響も受け易い。
<フィルム状接着剤>
本発明に係るフィルム状接着剤は、前記接着剤組成物を用いて、フィルム状に形成して得られたことを特徴とする。
本発明に係るフィルム状接着剤は、前記積層体の製造に用いるためのものであり、前記積層体において接着剤層を形成する。
例えば、本発明に係るフィルム状接着剤を基材上に備えた接着シートは、前記積層体の製造へ用いるのに好適である。
前記フィルム状接着剤は、感圧接着性及び熱硬化性を有する。フィルム状接着剤は感圧接着性を有することで、未硬化状態で軽く押圧することにより被着体に貼付できる。また、フィルム状接着剤は、加熱して軟化させることで被着体に貼付できるものであってもよい。そして、フィルム状接着剤は、熱硬化性を有することで、加熱により十分な接着特性を保持したまま、耐衝撃性が高い硬化物となる。
フィルム状接着剤の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、2〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。フィルム状接着剤の厚さが前記下限値以上であることにより、被着体に対する接着力がより高くなる。また、フィルム状接着剤の厚さが前記上限値以下であることにより、過剰な厚さとなることが抑制される。
[基材]
前記基材の材質は、各種樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE等))、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらのいずれかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が例示できる。
基材は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、各層の材質はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
基材の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、20〜300μmであることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。基材が複数層からなるものである場合には、すべての層の合計の厚さが、このような数値範囲であることが好ましい。
基材のフィルム状接着剤との接触面は、シリコーン処理等の剥離処理が施されていてもよい。
前記基材は、フィルム状接着剤の一方の面のみに設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
フィルム状接着剤は、前記基材等の支持体の表面に前記接着剤組成物を塗布し、乾燥させることで形成できる。また、剥離材の剥離層表面に接着剤組成物を塗布し、乾燥させることで形成したフィルム状接着剤を、前記支持体の表面に貼り合わせ、必要に応じて前記剥離材を取り除くことでも、支持体上にフィルム状接着剤を形成できる。このとき、前記剥離材として、上述の剥離処理が施された基材を用いてもよい。
このようにして得られた前記支持体及びフィルム状接着剤の積層物は、そのまま前記接着シートとして用いることもできる。
接着剤組成物の塗布は、公知の方法で行えばよく、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が例示できる。
<積層体の製造方法>
本発明に係る積層体の製造方法は、非弾性基板、接着剤層及び弾性基板がこの順に圧着及び積層されてなる積層体の製造方法であって、前記接着剤層が、前記フィルム状接着剤から形成されたものであり、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板がこの順に積層されてなる中間構造体を加熱しながら、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板の積層方向において力を加えることにより、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板を圧着させ、さらに前記フィルム状接着剤を熱硬化させて前記接着剤層を形成することにより、前記積層体を得ることを特徴とする。
本発明に係る製造方法によれば、前記フィルム状接着剤を用いることで、前記積層体において接着剤層は非弾性基板及び弾性基板の接着面からのはみ出しが抑制され、かつ非弾性基板及び弾性基板に対して十分な接着力を有する。
[弾性基板]
前記弾性基板は、例えば、常温(25℃程度)における引張弾性率がおおむね1GPa以上となる弾性を有する基板である。「引張弾性率」は、公知の方法により、例えば、TAインスツルメンツ社製「DMA Q800」等の装置を用いて測定できる。汎用のガラスエポキシ製の基板では、常温(25℃程度)における引張弾性率が10GPa程度であり、これに比べると前記弾性基板は剛性が弱い。また、前記弾性基板は、人の手によって、特に大きな力を加えることなく、折り曲げの角度が0°から180°となるように、破壊せずに折り曲げることが可能なしなやか基板であるということもできる。
弾性基板を構成する、弾性を有する材料(以下、「弾性材料」と略記することがある)としては、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の弾性を有する樹脂(以下、「弾性樹脂」と略記することがある)が例示できる。
弾性基板は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、各層の材質はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
弾性基板は、外形が平坦面だけで構成されていてもよいし、平坦面に任意の形状の構造物を備えて構成されていてもよい。
また、弾性基板は、内部に任意の形状の構造物を備えて構成されていてもよい。
前記構造物としては、回路等の配線構造が例示できる。
弾性基板は、全体として弾性を示すものであればよく、上述の弾性材料以外に、後述する弾性を有しない材料(以下、「非弾性材料」と略記することがある)を含んでいてもよい。
このような非弾性材料を含む弾性基板としては、複数層からなり、そのうちの一部の層が非弾性材料からなるものや、上述の弾性材料からなる層の内部又は上部に、非弾性材料からなる構造物を有するものが例示できる。
弾性基板の厚さは、特に限定されないが、10〜1000μmであることが好ましく、20〜900μmであることがより好ましい。弾性基板が複数層からなるものである場合には、すべての層の合計の厚さが、このような数値範囲であることが好ましい。
上述のように、弾性基板が平坦面に任意の形状の構造物を備えている場合には、これら構造物の最上部を、厚さを規定する一方の基準とする。
前記弾性基板としては、いわゆるフレキシブル基板として使用されるものが好ましい。
[非弾性基板]
前記非弾性基板は、前記弾性基板に該当しない基板である。
したがって、非弾性基板を構成する材料としては、上述の各種弾性樹脂以外のものが例示でき、無機材料及び有機材料のいずれでもよい。
前記無機材料としては、シリコン等が例示できる。
前記有機材料としては、前記接着シートの基材の材質として挙げた各種樹脂のうち、前記弾性樹脂以外のものが例示できる。
非弾性基板は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、各層の材質はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
非弾性基板の形状は、弾性基板の形状と同様である。
非弾性基板は、全体として非弾性を示すものであればよく、上述の非弾性材料以外に、前記弾性材料を含んでいてもよい。
このような弾性材料を含む非弾性基板としては、非弾性材料からなる層の内部又は上部に、弾性材料からなる構造物を有するものが例示できる。
非弾性基板の厚さは、特に限定されないが、10〜1000μmであることが好ましく、20〜900μmであることがより好ましい。非弾性基板が複数層からなるものである場合には、すべての層の合計の厚さが、このような数値範囲であることが好ましい。
非弾性基板が平坦面に任意の形状の構造物を備えている場合には、これら構造物の最上部を、厚さを規定する一方の基準とする。
前記非弾性基板としては、例えば、シリコンチップが好適である。
[接着剤層]
前記接着剤層は、前記接着シートにおけるフィルム状接着剤の熱硬化により形成されたものである。
接着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、0.5〜90μmであることが好ましく、1〜70μmであることがより好ましく、3〜45μmであることが特に好ましい。接着剤層の厚さが前記下限値以上であることにより、被着体に対するより高い接着力を維持できる。また、接着剤層の厚さが前記上限値以下であることにより、過剰な厚さとなることが抑制される。
以下、図面を参照しながら、前記製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明に係る積層体の製造方法の一実施形態を説明するための概略断面図であり、(a)は前記中間構造体を、(b)は前記中間構造体から得られた積層体を、それぞれ例示する図である。
ここに示す中間構造体10は、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13がこの順に積層されてなる。
中間構造体10における、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13の大きさは、特に限定されず、これらの互いに接触する面(非弾性基板11のフィルム状接着剤12側の面(表面)11a、フィルム状接着剤12の非弾性基板11側の面(裏面)12b及び弾性基板13側の面(表面)12a、並びに弾性基板13のフィルム状接着剤12側の面(裏面)13b)の面積はすべて同じであってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。ただし、ここに示すように、弾性基板13の前記裏面13bの面積が、フィルム状接着剤12の前記表面12a及び前記裏面12b、並びに非弾性基板11の前記表面11aの面積よりも大きい場合に、本発明に係る製造方法は特に好適である。その理由については後述する。
中間構造体10において、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13は、これらの互いに接触している領域の面積が最大となるように配置されていることが好ましい。ここで、「互いに接触している領域」とは、非弾性基板11の前記表面11aのうち、フィルム状接着剤12と接触している領域、フィルム状接着剤12の前記裏面12bのうち、非弾性基板11と接触している領域、フィルム状接着剤12の前記表面12aのうち、弾性基板13と接触している領域、及び弾性基板13の前記裏面13bのうち、フィルム状接着剤12と接触している領域、を意味する。
中間構造体10は、製造装置9における固定部91によって、非弾性基板11側の部位が接触及び保持されることで、中間構造体10の水平方向(非弾性基板11の固定部91との接触面(裏面)11bに対して平行な方向)における移動が抑制されるように、製造装置9に固定されている。中間構造体10は、鉛直方向(前記水平方向に対して直交する方向)のうち、少なくとも、ここでの固定状態における非弾性基板11から固定部91へ向かう方向(紙面下側に向かう方向)における移動が抑制されていればよい。
中間構造体10の固定部91における固定方法は特に限定されず、例えば、固定部91に設けられ、中間構造体10の移動を抑制するガイド(図示略)に、中間構造体10の表面の一部を当接させて、中間構造体10を固定する方法が例示できるが、これに限定されない。前記ガイドは、固定部91の中間構造体10との接触面91aに設けられた突起物であってもよいし、前記接触面91aに設けられた凹部であってもよい。
中間構造体10は、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13がこの順に積層されていればよく、例えば、フィルム状接着剤12の前記裏面12bを非弾性基板11に貼付し、前記表面12aを弾性基板13に貼付することで、作製できる。
より具体的には、例えば、前記接着シートを用い、フィルム状接着剤12の両面(前記表面12a及び裏面12b)に基材が設けられている場合には、一方の面の基材を取り除き、フィルム状接着剤12の露出面を非弾性基板11及び弾性基板13のいずれか一方に貼付すると共に、さらに他方の面の基材を取り除いて新たに生じたフィルム状接着剤12の露出面を、非弾性基板11及び弾性基板13の残りの他方に貼付することで、中間構造体10を作製できる。
非弾性基板11及び弾性基板13は、いずれもフィルム状接着剤12に対して、例えば、後述する圧着時と同様の力を加えるなど、通常の貼付で加えられる場合よりも明らかに強い所定以上の力を加えることにより、圧着させてもよいし、圧着させなくてもよい。
中間構造体10は、目的物である積層体を得るための上述の製造装置9を用いて作製してもよいし、製造装置9以外の装置を用いて作製してもよい。製造装置9を用いて中間構造体10を作製した場合には、引き続き製造装置9を用いて前記積層体を製造すればよく、製造装置9以外の装置を用いて中間構造体10を作製した場合には、この中間構造体10を製造装置9に移動させて、前記積層体を製造すればよい。
中間構造体10は、フィルム状接着剤12の一方の面(前記裏面12b)を非弾性基板11に貼付した後、さらにフィルム状接着剤12の他方の面(前記表面12a)を弾性基板13に貼付して作製することが好ましい。この場合、中間構造体10は、非弾性基板11を加熱しながら作製することが好ましい。
このときの加熱は、フィルム状接着剤12の熱硬化が顕著に進行しない程度のものを意味する。このようにすることで、フィルム状接着剤12を非弾性基板11上により安定して貼付できる。
このときの加熱温度は、30〜80℃であることが好ましく、40〜70℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度を考慮して設定すればよいが、0.1〜5秒であることが好ましい。
製造装置9を用いて中間構造体10を作製する場合には、例えば、製造装置9の固定部91を加熱することにより、非弾性基板11を加熱することが好ましい。そのためには、例えば、固定部91の内部に又は固定部91に隣接して加熱手段(図示略)が設けられ、前記加熱手段からの熱伝導によって固定部91が加熱するようにされた製造装置9を用いればよい。
前記製造方法においては、中間構造体10を加熱しながら、図1(a)に示すように、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13の積層方向において、中間構造体10に力(荷重)を加えることにより、非弾性基板11及びフィルム状接着剤12を圧着させ、フィルム状接着剤12及び弾性基板13を圧着させる。図1(a)では、中間構造体10に加える力を矢印Aで示している。
このときの加熱温度は、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13がすべて良好に圧着する温度であればよいが、110〜160℃であることが好ましく、115〜155℃であることがより好ましい。
また、中間構造体10に加える力は、1〜20Nであることが好ましく、2〜16Nであることがより好ましい。
そして、加熱しながら中間構造体10に力を加える時間は、0.5〜30秒であることが好ましく、1〜15秒であることがより好ましい。
このときの加熱温度や加熱しながら力を加える時間等の条件によっては、フィルム状接着剤12の熱硬化が進行する可能性があるが、前記製造方法においては、この圧着時にフィルム状接着剤12の熱硬化の進行が抑制されるように、条件を調節することが好ましい。
前記製造方法においては、上記のように、中間構造体を加熱しながら、非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板を圧着させるときに、適切な条件を選択することで、最終的に得られた積層体において、非弾性基板及び弾性基板の接着面からの接着剤層のはみ出しを、より顕著に抑制できる。
前記製造方法においては、さらに、非弾性基板11、フィルム状接着剤12及び弾性基板13の圧着時以降に、さらにフィルム状接着剤12を加熱して熱硬化させて、図1(b)に示すように接着剤層14を形成する。これにより、非弾性基板11、接着剤層14及び弾性基板13がこの順に圧着及び積層されてなる積層体1が得られる。
このときの加熱温度は、フィルム状接着剤12の熱硬化が良好に進行する温度であればよいが、105〜165℃であることが好ましく、110〜160℃であることがより好ましい。
また、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜調節すればよいが、0.1〜3時間であることが好ましく、0.3〜1.5時間であることがより好ましい。
前記製造方法においては、上記のように、フィルム状接着剤を加熱して熱硬化させて、接着剤層を形成するときに、適切な条件を選択することで、最終的に得られた積層体において、非弾性基板及び弾性基板の接着面からの接着剤層のはみ出しを、より顕著に抑制できる。
前記製造方法においては、図1(a)に示すように、弾性基板13の前記裏面13bの面積が、フィルム状接着剤12の前記表面12a及び前記裏面12b、並びに非弾性基板11の前記表面11aの面積よりも大きい場合には、弾性基板13を通常、その端部又は端部近傍の部位において支持した状態とし、フィルム状接着剤12に圧着する。この場合、弾性基板13は、フィルム状接着剤12とは接触していない端部側の領域において、ここに示すように、フィルム状接着剤12側に向けて凸状にたわむ。これにより、弾性基板13には、図1(a)で中間構造体10に加える力として示している矢印Aとは反対側の向き(非弾性基板11から弾性基板13へ向かう方向、上向き)の反発力(応力)が生じる。すると、製造直後の積層体1等、製造装置9で保持された状態の積層体1においては、中間構造体10の段階から加えられていた上記の力(矢印Aで示す力)が解消されると、図1(b)において矢印Bで示すような弾性基板13に生じている上記の反発力は、弾性基板13や接着剤層14を非弾性基板11から剥離させようとする。しかし、積層体1においては、接着剤層14が本発明に係るフィルム状接着剤から形成されていることで、接着力が十分に高いため、このような剥離が抑制される。これに対して、積層体1において接着剤層14に代えて従来の接着剤層を備えたものでは、上記の反発力によって、弾性基板13と接着剤層との界面における剥離、接着剤層の構造破壊、及び接着剤層と非弾性基板11との界面における剥離等のいずれかが生じて、少なくとも弾性基板13が剥離し、目的とする積層体が得られない可能性がある。
前記製造方法で得られた積層体では、上記のように弾性基板の剥離が抑制されており、接着剤層の剥離強度が高い。接着剤層の剥離強度は、例えば、大きさが12mm×12mm(厚さ20μm)である接着剤層の両面全面に基板が圧着されてなる試験用積層体(以下、「試験用積層体(2)」と称することがある)について、引っ張り速度50mm/分、剥離角度90°の条件で、一方の基板を剥離させたときの力(剥離力)として求められる。前記試験用積層体(2)は、接着剤層として本発明におけるものを備えていればよく、本発明に係る積層体であってもよいし、例えば、基板として弾性基板同士又は非弾性基板同士を用いたもの等、本発明に係る積層体でなくてもよい。試験用積層体(2)として、本発明に係る積層体ではないものを用いることで、本発明に係る積層体を用いることなく、本発明に係る積層体での接着剤層の剥離強度を求められる。
本発明に係る積層体では、接着剤層の前記剥離強度を、7N/10mm以上とすることができる。このような剥離強度であれば、上記のような弾性基板の剥離が十分に抑制され、前記積層体を用いる半導体装置の製造工程で十分にトラブルの発生を防止できる。さらに、本発明に係る積層体では、接着剤層の前記剥離強度を、好ましくは7.4N/10mm以上、より好ましくは7.8N/10mm以上とすることも可能である。
一方、接着剤層の前記剥離強度の上限値は、特に限定されないが、通常は20N/10mm程度である。
前記剥離強度は、例えば、前記接着剤組成物(フィルム状接着剤)の含有成分やその含有量等を調節することで、調節できる。
図2は、積層体1を拡大して模式的に示す図であり、(a)は非弾性基板11側から見た平面図、(b)は(a)のI−I線における断面図である。
前記接着シートを用いた積層体1において、接着剤層14は非弾性基板11及び弾性基板13の接着面からのはみ出しが抑制される。積層体1においては、ここに示すように、非弾性基板11の側面11cからの接着剤層14の突出距離(接着剤層14の先端部までの距離)の最大値D11を接着剤層14のはみ出し量と定義できる。なお、例えば、接着剤層14が非弾性基板11の側面11cから突出しておらず、非弾性基板11の側面11cから内側の方向にへこんでいる場合(接着剤層14の非弾性基板11側の面(裏面)14bの面積が、非弾性基板11の接着剤層14側の面(表面)11aの面積よりも小さい場合)、D11は負の値で示すものとする。したがって、非弾性基板11の場合と同様に、弾性基板13の側面からの接着剤層14の突出距離の最大値をD13とした場合、図2に示す積層体1においては、D13は負の値となる(図示略)。
本発明に係る積層体では、半導体装置の製造工程で使用し得る大きさのものにおいて、接着剤層のはみ出し量を80μm未満とすることができる。このようなはみ出し量であれば、半導体装置の製造時に前記積層体を用いた場合に、例えば、ワイヤーボンディング等、種々の工程でトラブルの発生を十分に防止できる。さらに、本発明に係る積層体では、接着剤層のはみ出し量を、好ましくは75μm以下、より好ましくは65μm以下、さらに好ましくは55μm以下とすることも可能である。
接着剤層のはみ出し量は、例えば上述のように、接着剤組成物の熱硬化前の150℃での粘度を調節することで、調節できる。
なお、ここで「半導体装置の製造工程で使用し得る大きさの積層体」としては、例えば、弾性基板及び非弾性基板のうち、小さい方の、接着剤層側の面の面積が225mm以下であるような積層体が挙げられる。
図2では、本発明に係る積層体の代表的な実施形態として、弾性基板13の前記裏面13bの面積が、フィルム状接着剤12の前記表面12a及び前記裏面12b、並びに非弾性基板11の前記表面11aの面積よりも大きいものについて示しているが、例えば、フィルム状接着剤12の前記表面12a及び前記裏面12bの面積が、弾性基板13の前記裏面13b及び非弾性基板11の前記表面11aの面積よりも大きい場合には、D11及びD13のいずれか大きい方を接着剤層14のはみ出し量と定義できる。このように、非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板の相互の大きさの関係が、図2に示すものとは異なる積層体でも、接着剤層のはみ出し量を、図2に示す積層体の場合と同様に低減できる。
積層体で上記のように接着剤層のはみ出しが抑制されるか否かは、例えば、大きさが8mm×8mm(厚さ20μm)である接着剤層の両面全面に基板が圧着されてなる試験用積層体(以下、「試験用積層体(1)」と称することがある)について、その接着剤層のはみ出し量を測定し、上記のように80μm未満等の所定の値となるか否かを確認することで、判断できる。試験用積層体(1)は、圧着時の荷重及び加熱条件、並びに硬化条件として、前記製造方法における条件を適用して作製すればよい。試験用積層体(1)は、本発明に係る積層体であってもよいし、例えば、基板として弾性基板同士又は非弾性基板同士を用いたもの等、本発明に係る積層体でなくてもよい。試験用積層体(1)として、本発明に係る積層体ではないものを用いることで、本発明に係る積層体を用いることなく、本発明に係る積層体での接着剤層のはみ出し抑制効果の程度を確認できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
<接着シートの製造>
(接着剤組成物の製造)
表1に示す量(固形分)で各成分を配合し、さらにメチルエチルケトンを配合して、接着剤組成物を得た。
なお、表1中の各成分の略号は、それぞれ以下の意味を有する。また、「−」は、その成分が未配合であることを意味する。
・アクリル樹脂(a)
(a)−1:n−ブチルアクリレート(55質量部)、メチルアクリレート(10質量部)、グリシジルメタクリレート(20質量部)及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(15質量部)を共重合してなる、重量平均分子量900000の共重合体。
・エポキシ樹脂(b1)
(b1)−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本触媒社製「BPA328」)
(b1)−2:フェニレン骨格型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EPPN−502H」)
・フェノール系熱硬化剤(b2)
(b2)−1:ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製「BRG−556」)
・充填材(c)
(c)−1:球状シリカ(アドマテックス社製「SC2050MA」)
・硬化促進剤(d)
(d)−1:四国化成工業社製「キュアゾール2PHZ」
・カップリング剤(e)
(e)−1:シランカップリング剤(信越シリコーン社製「KBE−403」)
・その他の樹脂(g)
(g)−1:熱可塑性樹脂、ポリエステル(東洋紡社製「バイロン220」)
(g)−2:紫外線硬化性樹脂(日本化薬社製「KAYARAD R−684」)、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)を0.5%含む。
(接着剤組成物の150℃での粘度の測定)
上記で得られた各接着剤組成物について、ねじりせん断型粘度測定装置(レオメトリックス社製「ARESシリーズ」)を用いて、測定温度150℃、ひずみ25%、サンプル径8mmφ、チャック間長さ1.0mmの条件で、熱硬化前の温度150℃での粘度を測定した。結果を表1に示す。
(接着シートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた接着剤組成物を塗布し、オーブンを用いて100℃で1分間乾燥させることで、厚さが20μmのフィルム状接着剤を形成した。
次いで、このフィルム状接着剤の表面(露出面)に、厚さ100μmのポリオレフィン基材を貼り合せることで、接着シートを得た。
<試験用積層体(1)の製造>
弾性基板に代えて、8mm×8mmのシリコンチップ(厚さ100μm)を用いた点以外は、上述の製造方法に従い、上記で得られた接着シートと、非弾性基板として20mm×20mmのシリコンチップ(厚さ350μm)を用いて、シリコンチップ、接着剤層及びシリコンチップがこの順に圧着及び積層されてなる試験用積層体(1)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
前記接着シートの剥離フィルムを剥離させた後、フィルム状接着剤の8mm×8mmの露出面を8mm×8mmのシリコンチップ(厚さ100μm)の表面に貼付し、さらにポリオレフィン基材を剥離させて、ダイボンダー(キャノンマシナリー社製「BESTEM D02」)を用いて、20mm×20mmのシリコンチップ(厚さ350μm)の表面にフィルム状接着剤を貼付した。このとき、ダイボンダーを用いたボンディング(加熱しながらシリコンチップ、フィルム状接着剤及びシリコンチップの積層物に力を加える処理)は、加熱温度150℃、荷重14N、時間10秒の条件で行った。また、フィルム状接着剤と2枚のシリコンチップは、いずれも中心が一致するように配置した。さらに、この積層物を130℃、1時間の条件で加熱処理することにより、フィルム状接着剤を熱硬化させて接着剤層を形成し、前記試験用積層体(1)を得た。
<試験用積層体(1)における接着剤層のはみ出し量の評価>
デジタル顕微鏡(キーエンス社製「VHX1000」)を用いて、上記で得られた試験用積層体(1)を、8mm×8mmのシリコンチップ側から見下ろすようにして観察し、8mm×8mmのシリコンチップの4辺からの接着剤層のはみ出し量の最大値を計測し、その平均値を算出して、試験用積層体(1)の接着剤層のはみ出し量とした。結果を表1に示す。試験用積層体(1)は、接着剤層のはみ出し量が80μm未満であった場合を合格と判定し、80μm以上であった場合を不合格と判定した。
<試験用積層体(2)の製造>
前記接着シートの剥離フィルムを剥離させた後、フィルム状接着剤の12mm×12mmの露出面を12mm×12mmのシリコンチップ(厚さ350μm)の表面に貼付し、さらにポリオレフィン基材を剥離させて、試験用積層体(1)の場合と同じ方法で、銅箔(仕様:JIS H3100、15mm×50mm×0.35mm)の表面にフィルム状接着剤を貼付した。さらに、この積層物を130℃、1時間の条件で加熱処理することにより、フィルム状接着剤を熱硬化させて接着剤層を形成し、試験用積層体(2)を得た。
<試験用積層体(2)における接着剤層の剥離強度の評価>
引っ張り試験機(島津製作所製「オートグラフAG−IS」)を用いて、上記で得られた試験用積層体(2)の銅箔を、引っ張り速度50mm/分、剥離角度90°の条件で剥離させ、剥離強度を測定した。測定は4回行い、その平均値を算出して、接着剤層の剥離強度とした。結果を表1に示す。試験用積層体(2)は、接着剤層の剥離強度が7N/10mm以上であった場合を合格と判定し、7N/10mm未満であった場合を不合格と判定した。
<接着剤層の特性の総合判定>
上記の接着剤層のはみ出し量及び剥離強度の評価結果について、両方が合格であった場合、接着剤層の特性を合格(○)と総合判定し、少なくとも一方が不合格であった場合、接着剤層の特性を不合格(×)と総合判定した。結果を表1に示す。
Figure 2016135856
上記結果から明らかなように、接着剤組成物として、アクリル系樹脂の含有量が15〜45質量%の範囲内であり、熱硬化前の150℃での粘度が600Pa・s以上の範囲内であるものから形成した接着剤層は、接着面からのはみ出しが抑制され、かつ十分な接着力を有していた。
これに対して、接着剤組成物として、アクリル系樹脂の含有量と、熱硬化前の150℃での粘度が、いずれも上述の範囲外であるものから形成した接着剤層は、接着面からのはみ出しが顕著であり、かつ接着力も不十分であった。
本発明は、半導体装置の製造に利用可能である。
1・・・積層体、10・・・中間構造体、11・・・非弾性基板、11a・・・非弾性基板の表面、11b・・・非弾性基板の裏面、11c・・・非弾性基板の側面、12・・・フィルム状接着剤、12a・・・フィルム状接着剤の表面、12b・・・フィルム状接着剤の裏面、13・・・弾性基板、13b・・・弾性基板の裏面、14・・・接着剤層、14b・・・接着剤層の裏面、9・・・製造装置、91・・・製造装置の固定部、D11・・・非弾性基板の側面からの接着剤層の突出距離の最大値

Claims (4)

  1. 非弾性基板、接着剤層及び弾性基板がこの順に圧着及び積層されてなる積層体の、前記接着剤層の形成に用いるための接着剤組成物であって、
    アクリル系樹脂(a)、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール系熱硬化剤(b2)を含有し、
    前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対するアクリル系樹脂(a)の含有量の割合が15〜45質量%であり、
    熱硬化前の150℃での粘度が600Pa・s以上であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. さらに無機充填材(c)を含有し、前記接着剤組成物の固形分の総含有量に対する無機充填材(c)の含有量の割合が5〜25質量%であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の接着剤組成物を用いて、フィルム状に形成して得られたことを特徴とするフィルム状接着剤。
  4. 非弾性基板、接着剤層及び弾性基板がこの順に圧着及び積層されてなる積層体の製造方法であって、
    前記接着剤層が、請求項3に記載のフィルム状接着剤から形成されたものであり、
    前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板がこの順に積層されてなる中間構造体を加熱しながら、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板の積層方向において力を加えることにより、前記非弾性基板、フィルム状接着剤及び弾性基板を圧着させ、さらに前記フィルム状接着剤を熱硬化させて前記接着剤層を形成することにより、前記積層体を得ることを特徴とする積層体の製造方法。
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