以下、各図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。なお、図面において同一機能を有する部分には同一符号が付されており、重複する説明は適宜、省略する。
[第1の実施の形態]
本実施の形態では、放射線画像撮影装置による放射線画像の撮影後に、放射線技師等のユーザにより放射線画像撮影装置に設けられた操作ボタンが操作された場合に、識別情報を付与する場合について説明する。
まず、本実施の形態の放射線画像撮影システムの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態の放射線画像撮影システムの一例を示す概略構成図である。
放射線画像撮影システム10は、放射線照射装置12、放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、及びコンソール18を備えている。
放射線照射装置12は、放射線源13を備えている。放射線照射装置12は、放射線源13から放射線R(例えばエックス線(X線)等)を被写体Wに照射する機能を有している。放射線照射装置12の具体例としては、回診車等が挙げられる。放射線照射装置12に対して放射線Rの照射を実行する指示方法は、特に限定されない。指示方法は、例えば、放射線照射装置12に照射ボタン等を備えておき、ユーザが照射ボタン等を操作することにより照射の実行指示を行うようにしてもよい。また、指示方法は、例えば、携帯情報端末装置16やコンソール18等の外部装置からユーザが照射の実行指示を行うようにしてもよい。
放射線画像撮影装置14は、放射線照射装置12から照射され、被写体Wを透過した放射線Rを検出する本発明の撮影部の一例である放射線検出器20を備えている(詳細後述)。放射線画像撮影装置14は、放射線検出器20を用いて、被写体Wの放射線画像を撮影する機能を有している。本実施の形態では、放射線画像撮影装置14として電子カセッテを用いている。
また、放射線画像撮影装置14は、予め定められた条件を検出した場合に、識別情報を生成して記憶する機能を有する。本実施の形態において「識別情報」とは、予め定められた条件を検出した場合に、記憶部24に記憶される画像データを予め定められた条件の検出前後で区切るための情報であり、被写体Wに関する被写体情報は含まないものである。
本実施の形態の携帯情報端末装置16は、コンソール18の機能の一部(例えば、放射線画像撮影装置14による放射線画像の撮影を制御する機能)を有している。本実施の形態の携帯情報端末装置16は、内蔵バッテリにより駆動可能なものであって、いわゆるPDA(Personal Digital Assistants)であり、具体例としては、タブレット端末装置や、スマートフォン等が挙げられる。
コンソール18は、例えば、RIS(Radiology Information System)等の外部のシステムから入力された指示情報(撮影メニュー情報)に基づいて、放射線画像撮影システム10の全体を制御する機能や、放射線画像撮影装置14による放射線画像の撮影を制御する機能を有している。そのため、コンソール18は、上記外部のシステムから、撮影メニュー情報を含むオーダ情報を受け付ける。
なお、本実施の形態の放射線画像撮影システム10では、病棟、病室、及び手術室等の予め定められた撮影場所で放射線画像の撮影を行う場合は、放射線照射装置12、放射線画像撮影装置14、及び携帯情報端末装置16を対象とする撮影場所に配置して、放射線画像の撮影を行う。一方、この場合、コンソール18は、放射線照射装置12、放射線画像撮影装置14、及び携帯情報端末装置16を配置した撮影場所と異なる場所(例えば、放射線科の診療室等)に配置した状態で撮影を行う。
次に、放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、及びコンソール18の各機能について詳細に説明する。図2は、放射線画像撮影システム10の放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、及びコンソール18の概略構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、放射線検出器20、撮影制御部22、操作検出部23、記憶部24、操作ボタン25、I/O(Input Output)部26、及びI/F(Interface)部28を備えている。放射線検出器20、撮影制御部22、操作検出部23、記憶部24、及びI/O部26は、システムバスやコントロールバス等のバス29を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、被写体Wを透過した放射線Rに応じた放射線画像を撮影する機能を有していれば、特に限定されない。例えば、放射線照射装置12と非同期に、放射線Rの照射開始を自装置で検出して、放射線画像の撮影を行うものであってもよい。
放射線検出器20は、撮影制御部22の制御により、被写体Wを透過した放射線Rを検出する機能を有している。本実施の形態の放射線検出器20は、特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
撮影制御部22は、放射線画像撮影装置14の動作を制御する機能を有している。また、撮影制御部22は、本発明の識別情報付与部の一例であり、識別情報を生成して記憶部24に記憶する機能を有している。
撮影制御部22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びHDD(Hard disk drive)を備えている。CPUは、放射線画像撮影装置14の全体の動作を制御する機能を有している。ROMには、CPUで実行される本発明の識別情報付与プログラムの一例である撮影処理プログラムを含む各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。HDDは、各種データを記憶して保持する機能を有している。なお、HDDは、SSD(Solid State Drive)であってもよく、また、記憶部24と兼用してもよい。
本発明の操作部の一例である操作ボタン25は、放射線画像撮影装置14の筐体(図25、筐体15参照)における、放射線画像の撮影の邪魔にならない位置に設けられている。本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、同一の被写体Wに対する一連の放射線画像の撮影の後に、ユーザにより操作ボタン25が操作される。操作検出部23は、操作ボタン25が操作されたことを検出する機能を有している。
本発明の記憶部の一例である記憶部24には、放射線画像の画像データや識別情報等が記憶される。記憶部24の具体例としては、SSD等が挙げられる。なお、記憶部24は、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード(登録商標)等、放射線画像撮影装置14に着脱可能なものであってもよい。
I/O部26及びI/F部28は、電波や光による無線通信等により、携帯情報端末装置16やコンソール18との間で各種情報の通信を行う機能を有している。
本実施の形態の携帯情報端末装置16は、端末制御部30、記憶部32、ディスプレイドライバ34、ディスプレイ36、操作入力検出部38、操作部40、I/O部42、及びI/F部44を備えている。端末制御部30、記憶部32、ディスプレイドライバ34、操作入力検出部38、及びI/O部42は、システムバスやコントロールバス等のバス47を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
端末制御部30は、携帯情報端末装置16の全体の動作を制御する機能を有している。また、端末制御部30は、コンソール18等の外部装置から撮影のオーダ情報を取得する場合は、I/F部44を介してオーダ情報を取得する機能を有している。
端末制御部30は、CPU、ROM、及びRAMを備えている。CPUは、携帯情報端末装置16の全体の動作を制御する機能を有している。ROMには、CPUで実行される各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。
本実施の形態のディスプレイ36は、放射線画像撮影装置14に関する情報等の各種情報を表示する機能を有している。ディスプレイドライバ34は、ディスプレイ36への各種情報の表示を制御する機能を有している。
操作部40は、放射線画像の撮影に関する指示や各種情報等を、ユーザが入力するために用いられる。本実施の形態では操作部40は、例えば、タッチパネル、タッチペン、複数のキー、及びマウス等を含んでいる。なお、操作部40をタッチパネルとする場合は、ディスプレイ36と一体化してもよい。操作入力検出部38は、操作部40に対する操作状態を検出する機能を有している。
I/O部42及びI/F部44は、電波や光による無線通信等により、放射線画像撮影装置14やコンソール18との間で各種情報の通信を行う機能を有している。
記憶部32には、上述したオーダ情報等が記憶される。記憶部32の具体例としては、SSD等が挙げられる。
本発明の制御装置の一例である本実施の形態のコンソール18は、サーバー・コンピュータである。コンソール18は、制御部50、記憶部52、ディスプレイドライバ54、ディスプレイ56、操作入力検出部58、操作部60、I/O部62、及びI/F部64を備えている。制御部50、記憶部52、ディスプレイドライバ54、操作入力検出部58、及びI/O部62は、システムバスやコントロールバス等のバス67を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
本発明の制御装置の制御部の一例である制御部50は、コンソール18の全体の動作を制御する機能を有しており、CPU、ROM、RAM、及びHDDを備えている。CPUは、コンソール18の全体の動作を制御する機能を有している。ROMには、CPUで実行される各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。HDDは、各種データを記憶して保持する機能を有している。
本発明の制御装置の表示部の一例である本実施の形態のディスプレイ56は、画像データに応じた放射線画像等の各種情報を表示する機能を有している。ディスプレイドライバ54は、ディスプレイ56への各種情報の表示を制御する機能を有している。操作部60は、放射線画像の撮影に関する情報や被写体情報等を、ユーザが入力するために用いられる。本実施の形態では操作部60は、例えば、タッチパネル、タッチペン、複数のキー、及びマウス等を含んでいる。なお、操作部60をタッチパネルとする場合は、ディスプレイ56と一体化してもよい。本発明の制御装置の受付部の一例である操作入力検出部58は、操作部60に対する操作状態を検出する機能を有している。
I/O部62及びI/F部64は、電波や光による無線通信等により、放射線画像撮影装置14や携帯情報端末装置16との間で各種情報の通信を行う機能を有している。
本発明の画像記憶部の一例である記憶部52には、放射線画像の画像データと、被写体情報と、が関連付けられて記憶される。記憶部52の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。
次に、放射線画像を撮影する場合の、本実施の形態の放射線画像撮影システム10の動作について説明する。なお、本実施の形態では、ユーザにより操作ボタン25が操作されたことを検出した場合に識別情報を記憶部24に記憶する場合について説明する。
図3には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が自身のROMに記憶されている撮影処理プログラムを実行することにより、撮影処理を実行する。
なお、本撮影処理は、放射線画像撮影装置14の電源スイッチ(図示省略)が投入されると実行される。
図3のステップS100で撮影制御部22は、放射線検出器20を待機状態にさせる。本実施の形態で「待機状態」とは、放射線画像撮影装置14の電源がオンになっており、放射線画像の撮影が指示されるのを待機している状態をいう。
次のステップS102で撮影制御部22は、放射線画像の撮影を開始するか否か判断する。本実施の形態の放射線画像撮影システム10では、携帯情報端末装置16が放射線画像撮影装置14に対して、放射線画像の撮影を指示する。
携帯情報端末装置16は、撮影に関するオーダ情報をコンソール18から取得した場合は、取得したオーダ情報に基づいて、放射線画像撮影装置14に対して、このオーダ情報に応じた放射線画像の撮影を指示する。また、携帯情報端末装置16は、撮影のオーダ情報を取得していない場合は、ユーザの指示操作により設定された設定に応じて、放射線画像撮影装置14に対して撮影を指示する。
ステップS102で撮影制御部22は、携帯情報端末装置16から放射線画像の撮影が指示された場合、放射線画像の撮影を開始すると判断する。ステップS102で撮影制御部22が、放射線画像の撮影を開始しないと判断した場合は、ステップS100に戻り待機状態になる。一方、撮影制御部22が、放射線画像の撮影を開始すると判断した場合は、ステップS104へ移行する。ステップS104で撮影制御部22は、放射線検出器20を放射線Rの検出が即座に行える状態である撮影モードに移行させ、放射線検出器20をレディ状態にさせる制御を行う。本実施の形態で「レディ状態」とは、放射線検出器20が撮影可能な状態をいい、放射線Rの照射を待機している状態をいう。なお、レディ状態では、例えば、放射線検出器20は放射線Rの照射を検出するための動作等を行っているため、待機状態に比べて電力の消費量が多くなる。
一方、放射線照射装置12は、携帯情報端末装置16から放射線画像の撮影が指示された場合、放射線Rの照射を行う。
以上の撮影制御部22の制御により、放射線検出器20は、放射線照射装置12から照射され、被写体Wを透過した放射線Rを検出することにより、被写体Wに応じた放射線画像を撮影する。
放射線検出器20により放射線画像が撮影されると、次のステップS106で撮影制御部22は、放射線検出器20から放射線画像の画像データを取得し、次のステップS108で、撮影制御部22は、取得した放射線画像の画像データを記憶部24に記憶する。
次のステップS110Aで撮影制御部22は、操作ボタン25が操作されたか否かを判断する。操作ボタン25が操作されたことを操作検出部23が検出していない場合、撮影制御部22は、操作ボタン25が操作されていないと判断し、ステップS100に戻る。例えば、同一の被写体Wの撮影を連続して行う場合や、動画の撮影(複数の静止画の連続的な撮影)を行う場合、ステップS100に戻り、撮影された放射線画像の画像データを放射線検出器20から取得して記憶部24に記憶する処理を繰り返して実行する。
一方、操作ボタン25が操作されたことを操作検出部23が検出した場合、撮影制御部22は、操作ボタン25が操作されたと判断し、ステップS112へ移行する。
ステップS112で撮影制御部22は、識別情報付与処理を実行する。図4には、本実施の形態の撮影制御部22で実行される識別情報付与処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。図4に示した識別情報付与処理では、識別情報として、放射線画像の画像データのダミーデータを適用している。
ステップS150で撮影制御部22は、放射線画像の画像データと同一の仕様(フォーマット及びサイズ)とされたダミーデータを生成する。本ステップで生成するダミーデータが示す画像は特に限定されるものではなく、例えば、白画像、黒画像、及び予め定められたマーク等を示す画像の画像データ等が例示される。
なお、ダミーデータは、予め決められた手順により生成されたデータであれば特に限定されるものではない。例えばダミーデータは、放射線画像の画像データと異なる仕様とされたデータであってもよく、例えば、放射線画像の画像データよりもサイズが小さいデータであってもよい。
次のステップS152で撮影制御部22は、生成したダミーデータを記憶部24に記憶した後、識別情報付与処理を終了する。なお、撮影制御部22は、上記ステップS108の処理で記憶部24に記憶した放射線画像の画像データの直後の記憶領域に、ダミーデータを記憶する。本ステップにより、識別情報としてダミーデータが付与された状態になる。
このようにして識別情報付与処理が終了すると、撮影処理(図3参照)のステップS114に戻り、撮影制御部22は、本撮影処理を終了するか否かを判断する。終了しない場合は、ステップS100に戻り、本撮影処理を繰り返す。例えば、異なる被写体Wの放射線画像の撮影を行う場合は、ステップS100に戻ることにより、本撮影処理が繰り返される。この場合、ステップS106の処理により次に取得された放射線画像の画像データは、先にステップS112の識別情報付与処理により記憶部24に記憶されたダミーデータの直後の記憶領域に記憶される。
図5には、記憶部24に記憶される画像データ及びダミーデータの具体例を示す模式図が示されている。図5に示した具体例では、画像ID(identification)1〜3に対応する画像データとして、一連の放射線画像(例えば、同一の被写体Wの画像)の画像データが記憶され、画像ID4に対応する画像データとして、撮影制御部22により生成されたダミーデータが記憶されている状態を示している。さらに、図5に示した具体例では、画像ID5、6に対応する画像データとして、別の一連の放射線画像(例えば、上記同一被写体Wとは異なる被写体Wの画像)の画像データが記憶され、画像ID7に対応する画像データとして、ダミーデータが記憶されている状態を示している。
一方、放射線画像撮影装置14の電源スイッチがオフ状態にされた場合等は、ステップS114で撮影制御部22により肯定判定とされて、本撮影処理を終了する。
なお、上記撮影処理では、撮影処理の開始後、及び識別情報付与処理後終了しない場合に、待機状態になる場合について説明したが、待機状態に限らず、少なくとも一方において例えば、スリープ状態にしてもよい。なお、「スリープ状態」とは、撮影制御部22のCPUのみが動作している状態であり、待機状態よりも消費電力が少ない状態をいう。また、放射線画像の撮影の終了後に、予め定められた撮影終了処理を行うようにしてもよい。
なお、上記撮影処理では、放射線画像の撮影後にダミーデータを付与していたが、ダミーデータを付与するタイミングは撮影後でなくてもよい。例えば、放射線画像の撮影前にユーザにより操作ボタン25が操作された場合に、識別情報付与処理を行い、ダミーデータを生成して、記憶部24に記憶させてもよい。
このように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、放射線画像の撮影後に操作ボタン25が操作されると、撮影制御部22は、識別情報としてダミーデータを生成して、操作ボタン25が操作されるまでに撮影された放射線画像の画像データの後、またはこれから撮影される放射線画像の画像データの前に、生成したダミーデータを記憶する。
これにより本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、ダミーデータにより、記憶部24に記憶される画像データを予め定められた条件の検出前後で区切る。これは、一連の画像データと、他の一連の画像データとの間にダミーデータが挿入されている場合、一連の画像データの最後にダミーデータが含まれている場合、及び一連の画像データの最初にダミーデータが含まれている場合の全ての場合に対応している。
一方、本実施の形態の放射線画像撮影システム10では、コンソール18の制御部50により、放射線画像撮影装置14で撮影された放射線画像の画像データを、被写体情報と関連付ける関連付け処理が実行される。図6には、本実施の形態の関連付け処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、本関連付け処理は、操作部60を介して実行指示が入力された場合に、実行される。
図6のステップS200で制御部50は、放射線画像撮影装置14から放射線画像の画像データをI/F部64を介して取得する。本実施の形態では、一例として、放射線画像撮影装置14の記憶部24に記憶されている放射線画像の画像データを全て取得し、一旦、記憶部24に記憶されている順と同一の順で記憶部52に記憶する。コンソール18が放射線画像撮影装置14から取得した放射線画像の画像データには、識別情報(本実施の形態ではダミーデータ)が含まれている。以下では、具体例として図5に示したダミーデータを含む放射線画像の画像データを取得した場合について説明する。
ステップS202で制御部50は、取得した放射線画像の画像データからダミーデータを検出する。なお、本実施の形態の制御部50では、記憶部52に記憶されている順に、ダミーデータを1つずつ検出する。そのため、具体例では、まず、画像ID4に対応するダミーデータが検出される。
次のステップS204で制御部50は、検出したダミーデータにより区切られた一連の画像データにより示される放射線画像のうち、少なくとも1つ以上の放射線画像をディスプレイ56に表示させる。上記の具体例では、まず、画像ID4に対応するダミーデータの前の記憶領域に記憶されている、画像ID1〜3に対応する画像データのうちの少なくとも1つの画像データにより示される放射線画像をディスプレイ56に表示させる。
ユーザは、ディスプレイ56に表示された放射線画像を確認した後、表示された放射線画像の被写体Wに関する被写体情報を操作部60を用いて入力する。なお、被写体Wに関する被写体情報は特に限定されるものではなく、例えば、被写体IDや氏名等が挙げられる。なお、コンソール18が、表示させている放射線画像に関するオーダ情報を取得している場合は、放射線画像とともに、オーダ情報を表示するようにしてもよい。
このように本実施の形態のコンソール18では、ユーザにより被写体情報が入力されるため、次のステップS206で制御部50は、被写体情報が入力されたか否かを判断する。被写体情報が入力されるまで待機状態になり、被写体情報が入力された場合は、ステップS208へ移行する。
ステップS208で制御部50は、ディスプレイ56に表示させている放射線画像の画像データに、操作部60を介して入力された被写体情報を関連付けて記憶部52に記憶する。図7には、図5に示した具体例において、画像データと被写体情報とが関連付けられて記憶部52に記憶された状態の具体例を示す模式図が示されている。図7では、被写体情報として被写体W毎に異なるものとして予め付与された被写体IDがユーザにより入力された場合の一例を示している。図7に示す例では、画像ID1〜3に対応する画像データには、ユーザにより入力された被写体IDである「001」が関連付けられて記憶される。また、画像ID5、6に対応する画像データには、ユーザにより入力された被写体IDであある「002」が関連付けられて記憶される。
次のステップS210で制御部50は、本関連付け処理を終了するか否かを判断する。ステップS200で取得した放射線画像の画像データのうち、未だ被写体情報が関連付けられていないものがある場合は否定判定となって、ステップS202に戻り、本関連付け処理を繰り返す。一方、全ての放射線画像の画像データと、被写体情報と、を関連付けた場合は肯定判定となって、本関連付け処理を終了する。
このように本実施の形態のコンソール18によれば、被写体情報と放射線画像の画像データとを容易に関連付けて記憶することができる。この結果、被写体Wと対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、識別情報としてダミーデータを適用する場合について説明したが、本実施の形態では、識別情報として他の情報を適用する場合について説明する。本実施の形態では識別情報として、一連の画像データのグループを識別するために、画像データまたはグループ毎に異なる識別名称を適用している。識別名称としては、例えば、識別記号、識別番号、及びこれらの組合せ等により示される名称が挙げられる。
本実施の形態の放射線画像撮影システム10の構成(図1、図2参照)は第1の実施の形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
本実施の形態の放射線画像撮影装置14により実行される処理では、識別情報付与処理のみが第1の実施の形態と異なるため、以下、本実施の形態の識別情報付与処理について説明する。なお、放射線画像撮影装置14における撮影処理の識別情報付与処理を除く処理の流れ(図3参照)は、第1の実施の形態と同一である。
図8には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される識別情報付与処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
図8に示すように、ステップS180で撮影制御部22は、記憶部24に記憶されている放射線画像の画像データのうち、識別名称が関連付けられていない画像データを特定することで、画像データをグルーピングする。
次のステップS182で撮影制御部22は、新たな識別名称を生成し、ステップS180の処理により特定した画像データに関連付けて記憶部24に記憶した後、識別情報付与処理を終了する。
図9には、本実施の形態の撮影処理によって記憶部24に記憶される画像データ及び識別情報の具体例を示す模式図が示されている。図9に示した具体例では、画像ID1〜3に対応する画像データ、及び画像ID4、5に対応する画像データが各々グルーピングされ、各グループ毎に識別情報として異なる識別名称A、Bが各々付与されて、記憶されている状態を示している。
なお、図9に示した具体例では、各画像データに、各グループ毎に生成された識別名称を関連付けて記憶部24に記憶しておく場合を示しているが、識別名称の付与の方法はこれに限らない。例えば、グループ情報として各グループに含まれる画像データを示す情報を生成し、生成したグループ情報と、識別名称(識別情報)と、を関連付けて記憶部24に記憶するようにしてもよい。
このように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、同一の被写体に対する一連の放射線画像の撮影を行った後に操作ボタン25が操作されると、撮影制御部22は、これら一連の放射線画像の画像データをグルーピングし、グループまたは画像データに対して識別情報を関連付けて記憶部24に記憶する。
本実施の形態におけるコンソール18により実行される関連付け処理は、第1の実施の形態における関連付け処理(図6参照)と全体的な流れは同様である。ただし、本実施の形態の関連付け処理では、ステップS208において実行される画像データと、被写体情報と、を関連付ける処理に代えて、各画像データに付与されている共通の識別情報毎に異なる被写体情報を関連付ける処理を行うことにより、放射線画像の画像データと、被写体情報と、を関連付ける。
このように本実施の形態のコンソール18によれば、被写体情報と、放射線画像の画像データとを容易に関連付けて記憶することができる。この結果、被写体Wと対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
[第3の実施の形態]
上記各実施の形態では、操作ボタン25が操作されたことを検出した場合に識別情報を付与する場合について説明したが、本実施の形態では、その他のタイミングで識別情報を付与する場合について説明する。
本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、自装置の状態が予め定められた状態になった場合に、画像データに識別情報を付与する。
図10には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、及びコンソール18の概略構成の一例を示すブロック図が示されている。
本実施の形態の放射線画像撮影システム10は、第1の実施の形態の放射線画像撮影装置14が備えていた操作検出部23及び操作ボタン25の代わりに、検知部の一例として機能するセンサ27を備えている点を除き、第1の実施の形態の放射線画像撮影システム10と同様の構成である。
センサ27は、放射線画像撮影装置14の状態を検知するセンサである。なお、センサ27が検知する放射線画像撮影装置14の状態とは、撮影動作に関する放射線画像撮影装置14の状態を除く状態である。
上記状態の具体例としては、放射線画像撮影装置14の移動の状態(例えば、運搬による移動)、放射線画像撮影装置14の姿勢の状態、及び放射線画像撮影装置14にかかる圧力の状態等が挙げられる。
以下、上記具体例を本実施の形態の実施例として詳細に説明する。
(実施例3−1)
本実施例では、放射線画像撮影装置14の状態として、放射線画像撮影装置14の移動の状態を適用した場合について説明する。この場合のセンサ27としては、放射線画像撮影装置14が移動したことを検知するセンサであれば特に限定されないが、具体例としては、速度センサ及び加速度センサ等が挙げられる。以下では、センサ27として加速度センサを適用した場合について説明する。
一般的に、放射線画像の撮影を行うためには、撮影を行う場所へ放射線画像撮影装置14を移動させてから撮影が行われる。また、同一の被写体Wに対する撮影が終了すると、次の撮影を行う場所や、放射線画像撮影装置14の収納場所に、放射線画像撮影装置14を移動させることが行われる。そのため、本実施例の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14が移動した状態を同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行う。
図11には、本実施例の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図11の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付して、説明を省略する。
図11に示すように、本実施例の撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS110Aに代えてステップS110Bが適用されている点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ステップS110Bで撮影制御部22は、放射線画像撮影装置14が予め定められた距離以上移動したか否かを判断する。具体的には、移動の開始から終了までの時間として、加速度センサであるセンサ27が検知した加速度が予め定められた閾値以上になってから、予め定められた閾値以下になるまでの時間を計測し、計測した時間が予め定められた時間以上である場合に、放射線画像撮影装置14が予め定められた距離以上移動したと判断する。なお、予め定められた距離とは、放射線画像撮影装置14に電源が投入されてから、撮影場所に配置されるまでの距離に応じた距離である。また、予め定められた距離とは、撮影を行っている間に被写体Wが動いたり、被写体Wのポジショニングを行ったりすること等により、撮影モードに移行してから放射線画像撮影装置14が動いてしまう場合を除外するために予め定める距離である。予め定められた時間は、撮影場所や、被写体Wのポジショニング、及び撮影部位等を考慮して定めるとよい。
撮影制御部22は、ステップS110Bにおいて否定判定となった場合はステップS100に戻り、肯定判定となった場合はステップS112に移行する。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が、加速度センサであるセンサ27の検知結果から放射線画像撮影装置14が予め定められた距離以上移動したと判断した場合に、放射線画像の画像データに識別情報を付与して記憶部24に記憶する。
(実施例3−2)
本実施例では、放射線画像撮影装置14の状態として、放射線画像撮影装置14の姿勢の状態を適用した場合について説明する。
放射線画像の撮影を行う場合と、行わない場合と、で放射線画像撮影装置14の姿勢が異なることがある。例えば、撮影を行う場合には放射線画像撮影装置14を横置きした状態(放射線画像の検出面が上向きとなる状態)で、放射線画像撮影装置14上に被写体Wをポジショニングして撮影が行われる場合がある。この場合、撮影が終了し、放射線画像撮影装置14を移動させる場合、放射線画像撮影装置14を縦にした状態(放射線画像の検出面が横向きとなる状態)として移動させることが多い。
そのため、本実施例では、放射線画像撮影装置14の姿勢の具体例として、放射線画像撮影装置14が縦置き状態の姿勢及び横置き状態の姿勢について説明する。
この場合のセンサ27としては、放射線画像撮影装置14の向き(上向き、横向き)が変化したことを検知するセンサであれば特に限定されないが、具体例としては、ジャイロセンサや加速度センサ等が挙げられる。以下では、センサ27としてジャイロセンサを適用した場合について説明する。
なお、放射線画像撮影装置14の姿勢は、本実施例に限らない。例えば、被写体Wがベッドに上体を傾けた状態で寝ている場合、上向きにかわり、ベッドの角度に応じた角度を適用し、この角度と、横向きとの間の変化をセンサ27で検知してもよい。また、放射線画像撮影装置14の姿勢は、その他の姿勢であってもよく、その場合、姿勢の変化を検知するのに適切なセンサを用いればよい。
そのため、本実施例の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14の姿勢が変化した状態を同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行う。
図12には、本実施例の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図12の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付して、説明を省略する。
図12に示すように、本実施例の撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS110Aに代えてステップS110Cが適用されている点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわちステップS110Cで撮影制御部22は、放射線画像撮影装置14の姿勢が変化したか否かを判断する。具体的には、ジャイロセンサであるセンサ27により放射線画像撮影装置14の角度が予め定められた閾値以上変化したことを検知した場合に、放射線画像撮影装置14の姿勢が変化したと判断する。
撮影制御部22は、ステップS110Cにおいて否定判定となった場合はステップS100に戻り、肯定判定となった場合はステップS112に移行する。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が、ジャイロセンサであるセンサ27の検知結果から放射線画像撮影装置14の姿勢が変化したと判断した場合に、放射線画像の画像データに識別情報を付与して記憶部24に記憶する。
(実施例3−3)
本実施例では、放射線画像撮影装置14の状態として、放射線画像撮影装置14にかかる外力の状態を適用した場合について説明する。なお、本実施例では、外力の具体例として圧力の場合について説明するがこれに限らず、その他の衝撃による外力であってもよい。
外力が圧力である場合のセンサ27としては、放射線画像撮影装置14にかかる圧力が変化したことを検知するセンサであれば特に限定されないが、具体例としては、ひずみセンサ等の各種の圧力センサが挙げられる。
放射線画像の撮影を行う場合、被写体Wが放射線画像撮影装置14の上にポジショニングされたり、放射線画像撮影装置14に接触したりする等して、放射線画像撮影装置14にかかる圧力が、撮影を行わない場合よりも大きくなる場合がある。この場合、撮影の前後で、放射線画像撮影装置14にかかる圧力が変化する。
そのため、本実施例の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14にかかる圧力が予め定められた量以上変化した状態を同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行う。
図13には、本実施例の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図13の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付して、説明を省略する。
図13に示すように、本実施例の撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS110Aに代えてステップS110Dが適用されている点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ステップS110Dで撮影制御部22は、放射線画像撮影装置14にかかる圧力が予め定められた量以上変化したか否かを判断する。具体的には、圧力センサであるセンサ27が放射線画像撮影装置14にかかる圧力を検知し、検知した圧力が予め定められた量以上変化したか否かを判断する。
撮影制御部22は、ステップS110Dにおいて否定判定となった場合はステップS100に戻り、肯定判定となった場合はステップS112に移行する。
このように、本実施例の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が、圧力センサであるセンサ27の検知結果から放射線画像撮影装置14にかかる圧力が予め定められた量以上変化したと判断した場合に、放射線画像の画像データに識別情報を付与して記憶部24に記憶する。
なお、外力がその他の衝撃による外力である場合は、例えば、衝撃量を加速度センサ等で検出し、上記撮影処理において上記圧力量に代えて衝撃量を適用すればよい。
以上のように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14が予め定められた状態になったことを検知した場合に、撮影制御部22が、放射線画像の画像データに識別情報を付与し、画像データと関連付けて記憶部24に記憶する。
本実施の形態におけるコンソール18により実行される関連付け処理は、上記各実施の形態における関連付け処理(図6参照)と同様であるため説明を省略する。
このように本実施の形態のコンソール18によれば、上記各実施の形態のコンソール18と同様に、被写体情報と放射線画像の画像データとを容易に関連付けて記憶することができる。この結果、被写体Wと、対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
なお、センサ27は、上記のものに限らず、放射線画像撮影装置14のその他の状態を検知するものであってもよい。例えば、センサ27は、放射線画像撮影装置14に付与される熱を検知する温度センサであってもよい。放射線画像の撮影を行う場合、被写体Wが放射線画像撮影装置14の上にポジショニングされたり、放射線画像撮影装置14に接触したりする等して、放射線画像撮影装置14に付与された熱が変化する場合がある。この場合、放射線画像撮影装置14の筐体の外側の面における温度を検知し、検知した温度が予め定められた閾値以上変化した状態を同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行うようにしてもよい。
[第4の実施の形態]
第3の実施の形態では、センサによって得られる放射線画像撮影装置14の状態が変化した場合に識別情報を付与する形態例について説明したが、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、予め定められた装置に近付いたことを表す信号を受信した場合に識別情報を付与する場合の形態例について説明する。
放射線画像の撮影を行わない場合、放射線画像撮影装置14を収納装置に収納し、保管する場合がある。このような収納装置としては、例えば、回診車の保管ケース(図25、保管ケース120参照)や、放射線画像撮影装置14が蓄電池を備える場合に、蓄電池に電力を充電する充電機能が設けられた収納装置等が挙げられる。
この場合、放射線画像の撮影を行うためには、放射線画像撮影装置14は、収納装置から取り出されて、撮影場所に配置される。そのため、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14が収納装置に近付いたことを表す信号を受信した状態を、同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行う。
図14には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、コンソール18、及び収納装置90の概略構成の一例を示すブロック図が示されている。
図14に示すように、本実施の形態の収納装置90は、信号生成部92、I/O部94、及びI/F部96を備えている。信号生成部92及びI/O部94は、システムバスやコントロールバス等のバス99を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
なお、図14に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、第1の実施の形態の放射線画像撮影装置14(図2参照)に備えられていた操作検出部23及び操作ボタン25が備えられていない点のみが第1の実施の形態の放射線画像撮影装置14と異なっている。
収納装置90の信号生成部92は、放射線画像撮影装置14が収納装置90に近付いたことを放射線画像撮影装置14自身が検知するための信号(以下、「接近信号」という)を生成する機能を有する。この接近信号は特に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)のビーコン等が挙げられる。
本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、収納装置90から送信された接近信号を受信する機能を有する。放射線画像撮影装置14は、I/F部28が受信部の一例として機能し、収納装置90が送信した接近信号を受信する。
図15には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図15の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付与して、説明を省略する。
図15に示すように、本実施の形態の撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS110Aに代えてステップS110Eが適用されている点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ステップS110Eで撮影制御部22は、収納装置90から接近信号を受信したか否かを判断する。なお、接近信号を受信したか否かの判断は、例えば、受信した信号の信号強度を検出し、信号強度が予め定められた閾値以上になった場合に、接近信号を受信したと判断すればよい。
撮影制御部22は、ステップS110Eにおいて否定判定となった場合はステップS100に戻り、肯定判定となった場合はステップS112に移行する。
このように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が、収納装置90から接近信号を受信したと判断した場合に、放射線画像の画像データに識別情報を付与して記憶部24に記憶する。
本実施の形態におけるコンソール18により実行される関連付け処理は、上記各実施の形態における関連付け処理(図6参照)と同様であるため説明を省略する。
このように本実施の形態のコンソール18によれば、上記各実施の形態のコンソール18と同様に、被写体情報と放射線画像の画像データとを容易に関連付けて記憶することができる。この結果、被写体Wと、対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
[第5の実施の形態]
上記第4の実施の形態では、予め定められた装置として収納装置に近付いた場合に、識別情報を付与する形態例について説明したが、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、電源電力の供給に応じて識別情報を付与する場合の形態例について説明する。
上記第3の実施の形態で説明したように、収納装置に保管する場合、放射線画像撮影装置14は、収納装置から電源電力の供給を受け、放射線画像撮影装置14内の電源部に電力が蓄積(充電)される場合がある。
そのため、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14に収納装置から電源が供給された場合を、同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行う。
図16には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、コンソール18、及び収納装置90の概略構成の一例を示すブロック図が示されている。
図16に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、第3の実施の形態の放射線画像撮影装置14(図14参照)と異なり、電源部21を備えている。また、収納装置90は、第3の実施の形態の収納装置90(図14参照)と異なり、電源供給部97を備えている。電源供給部97は、収納装置90に収納された放射線画像撮影装置14の電源部21に対して電源電力を供給する機能を有している。放射線画像撮影装置14の電源部21は、供給された電源電力を蓄電する機能を有し、放射線画像撮影装置14の放射線検出器20や各部は、電源部21に蓄電された電源電力により駆動する。
図16には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図16の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付与して、説明を省略する。
図16に示すように、本実施の形態の撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS110Aに代えてステップS110Fが適用されている点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ステップS110Fで撮影制御部22は、収納装置90の電源供給部97から電源部21に電源電力が供給されたか否かを判断する。なお、電源電力が供給されたか否かの判断は、電源部21の蓄電量を検出し、蓄電量が増加した場合に、電源電力の供給が開始されたとして、電源電力が供給されたと判断すればよい。なお、電源電力の供給が開始された場合に限らず、電源電力の供給が終了したか否かにより、電源電力が供給されたと判断してもよい。この場合は、電源部21に蓄電量を検出し、蓄電量の増加が停止した場合に、電源電力の供給が終了したと判断すればよい。
撮影制御部22は、ステップS110Fにおいて否定判定となった場合はステップS100に戻り、肯定判定となった場合はステップS112に移行する。
このように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が、収納装置90から電源電力が供給されたと判断した場合に、放射線画像の画像データに識別情報を付与して記憶部24に記憶する。
本実施の形態におけるコンソール18により実行される関連付け処理は、上記各実施の形態における関連付け処理(図6参照)と同様であるため説明を省略する。
このように本実施の形態のコンソール18によれば、上記各実施の形態のコンソール18と同様に、被写体情報と放射線画像の画像データとを容易に関連付けて記憶することができる。この結果、被写体Wと、対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
[第6の実施の形態]
第4の実施の形態では、放射線画像撮影装置14が予め定められた装置に近付いたことを表す信号を受信した場合に識別情報を付与する場合の形態例について説明したが、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、予め定められた設備から離れたことを表す信号を受信した場合に識別情報を付与する場合の形態例について説明する。
特定の被写体Wに対する放射線画像の撮影が終了すると放射線画像撮影装置14を移動させる場合がある。例えば、特定の場所で特定の被写体Wに対する放射線画像の撮影後に次の被写体Wが待機する場所へ放射線画像撮影装置14を移動させる場合がある。具体例としては、病室のベッド上で特定の被写体Wに対する放射線画像の撮影後に、同室または別室のベッド上で次の被写体Wに対する放射線画像の撮影行うことが挙げられる。
そのため、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、放射線画像撮影装置14が被写体Wのベッドから離れたことを表す信号を受信した状態を、同一の被写体Wに対応する一連の放射線画像の画像データの区切りを行う状態であるとして、識別情報の付与を行う。
なお、本実施の形態では、具体例として放射線照射装置12が回診車である場合について説明する。この場合、撮影する被写体Wのベッドに応じた位置に、放射線照射装置12も放射線画像撮影装置14と共に移動させる。
そのため、本実施の形態では、回診車である放射線照射装置12が被写体Wのベッドを特定する情報を読み取って放射線画像撮影装置14に送信する。放射線画像撮影装置14は、被写体Wのベッドを特定する情報を予め定められた設備から離れたことを表す信号として受信する。
図18には、本実施の形態の放射線照射装置12、放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、及びコンソール18の概略構成の一例を示すブロック図が示されている。
図18に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、第1の実施の形態の放射線画像撮影装置14(図2参照)に備えられていた操作検出部23及び操作ボタン25が備えられていない点のみが第1の実施の形態の放射線画像撮影装置14と異なっている。
一方、図18に示すように、本実施の形態の放射線照射装置12は、放射線源13、照射制御部80、読取部82、I/O部84、I/F部86、及びセンサ88を備えている。放射線源13、照射制御部80、読取部82、I/O部84、及びセンサ88は、システムバスやコントロールバス等のバス89を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
照射制御部80は、CPU、ROM、及びRAMを備えている。CPUは、放射線照射装置12の全体の動作を制御する機能を有している。ROMには、CPUで実行される各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。
センサ88は、放射線照射装置12が移動したことを検知するセンサであり、特に限定されないが、具体例としては、速度センサ及び加速度センサ等が挙げられる。また、本実施の形態では、放射線照射装置12を回診車としているため、放射線照射装置12は移動手段として車輪(図25、車輪122参照)を備えている。そのため、移動手段である車輪が回転したことを検出するセンサ等であってもよい。
病院の病室や診療室には設備としてベッド100が複数備えられている。そのため、各ベッド100を特定するための特定情報であるIDがICタグ102に記憶されている。なお、本実施の形態では、ベッド100のIDと、ベッド100を使用する被写体W(患者)とが予め対応付けられている。
読取部82は、センサ88が、放射線照射装置12が移動したことを検知した場合に、ベッド100に設けられたIC(Integrated Circuits)タグ102に記憶されているIDを読み取る。本実施の形態では、具体例として病室や診療室に備えられたベッド100には、個々のベッド100を識別するためのIDが記憶されたICタグ102が付与されている。なお、このようなICタグ102としては、病院等において、設備や備品の管理のためにこれらに対して付与しているICタグを用いてもよい。また、逆に、本実施の形態で用いるICタグ102を設備の管理等に利用してもよい。
読取部82が読み取ったIDは、I/F部86から放射線画像撮影装置14へ送信される。なお、実際には、IDを表す信号が放射線照射装置12から放射線画像撮影装置14へ送信されるが、説明の簡略化のため本実施の形態ではIDを表す信号を単に「ID」と称している。放射線画像撮影装置14は、I/F部28が受信部の一例として機能し、照射制御部80から送信されたIDを受信する。
図19には、本実施の形態の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図19の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付与して、説明を省略する。
図19に示すように、本実施の形態の撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS110Aに代えてステップS110Gが適用されている点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ステップS110Gで撮影制御部22は、放射線照射装置12からIDを受信したか否かを判断する。撮影制御部22は、ステップS110Gにおいて否定判定となった場合はステップS100に戻り、肯定判定となった場合はステップS112に移行する。
なお、本実施の形態の識別情報付与処理(図4参照)では、ステップS150におけるダミーデータの生成において、受信したIDをダミーデータに含ませておくことが好ましい。このようにダミーデータにベッド100を特定するためのIDが含まれていることにより、コンソール18は、IDに基づいて被写体情報と放射線画像の画像データとを関連付けることができるため、関連付けが容易に行える。
一方、放射線照射装置12では、図20に示すようにID読み取り処理が実行される。
ステップS300で照射制御部80は、放射線照射装置12自身が移動を開始したか否かを判断する。センサ88の検知結果に基づいて移動を開始していないと判断した場合は、否定判定となる。
一方、移動を開始したと判断した場合は、肯定判定となりステップS302へ移行する。ステップS302で照射制御部80は、読取部82によってICタグ102からIDを読み取る。
次のステップS304で照射制御部80は、読み取ったIDをI/F部86を介して放射線画像撮影装置14に送信する。
次のステップS306で本ID読取処理を終了するか否かを判断する。例えば、放射線照射装置12に電源が投入された状態のままの場合は否定判定となって、ステップS300に戻り、本ID読取関処理を繰り返す。一方、電源の投入が終了した場合は肯定判定となって、本ID読取処理を終了する。
このように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14では、ベッド100上の被写体Wの撮影を終了してベッド100から移動する場合に放射線照射装置12はベッド100のICタグ102からIDを読み取り、放射線照射装置12に送信する。そして、放射線照射装置12の撮影制御部22が、IDを受信したと判断した場合に、放射線画像の画像データに識別情報を付与して記憶部24に記憶する。
本実施の形態におけるコンソール18により実行される関連付け処理は、上記各実施の形態における関連付け処理(図6参照)と同様であるため説明を省略する。
このように本実施の形態のコンソール18によれば、上記各実施の形態のコンソール18と同様に、被写体情報と放射線画像の画像データとを容易に関連付けて記憶することができる。この結果、被写体Wと、対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
なお、本実施の形態では、放射線照射装置12がベッド100から離れた場合に、ICタグ102からIDを読み取っていたが、IDを読み取る装置はこれに限らない。例えば、放射線画像撮影装置14自身が読取部82や上述したセンサ27をさらに備え、センサ27が移動を検知した場合に、読取部82によりICタグ102からIDを読み取ってもよい。
また例えば、携帯情報端末装置16が図21に示すように読取部82及びセンサ88をさらに備え、センサ88が移動を検知した場合に、読取部82によりICタグ102からIDを読み取ってもよい。
また、本実施の形態では、ベッド100から離れた場合に、ICタグ102からIDを読み取っていたが、IDを読み取るタイミングはこれに限らない。ベッド100に近付いた場合に、ICタグ102からIDを読み取ってもよい。この場合は、例えば、読取部82が所定の間隔でICタグ102からIDを読み取る。移動してベッド100に近付くと、読み取ったIDが変化するため、読み取ったIDが変化した場合に、ICタグ102からIDを読み取ればよい。また、放射線照射装置12が被写体Wの放射線画像を撮影している間にICタグ102からIDを読み取っておき、その後、センサ88が移動の開始を検知した場合に、読み取っておいたIDを放射線照射装置12に送信してもよい。
[第7の実施の形態]
本実施の形態では、放射線画像撮影装置14は画像データに識別情報を付与したことを報知する場合について説明する。本実施の形態では、具体例として、上記第6の実施の形態における放射線画像撮影システム10において、画像データに識別情報を付与したことを報知する場合について説明する。
なお、本実施の形態では、具体例として第6の実施の形態と同様に放射線照射装置12が回診車であり、放射線照射装置12が被写体Wのベッドを特定する情報を読み取って放射線画像撮影装置14に送信する場合について説明する。
図22には、本実施の形態の放射線照射装置12、放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、及びコンソール18の概略構成の一例を示すブロック図が示されている。
図22に示すように、本実施の形態の放射線画像撮影装置14は、報知部110を備えている点のみが第6の実施の形態の放射線画像撮影装置14(図18参照)と異なっている。
また、本実施の形態の、放射線画像撮影装置14は、図23に示した筐体15内に、放射線検出器20、撮影制御部22、記憶部24、I/O部26、及びI/F部28が備えられている。図23に示すように、本実施の形態の筐体15は、放射線Rが照射される面を表側の面、表側の面に対向する面を裏側の面とした矩形状の筐体である。また、筐体15の側面は、裏側から表側にむけて傾斜する傾斜部111を有している。図23に示した一例では、報知部110は、LED(Light Emitting Diode)ライトであり、筐体15の各側面の傾斜部111、または傾斜部111近傍に設けられている。
報知部110は、撮影制御部22が識別情報を付与したことを報知する。具体的には、本実施の形態の報知部110は、識別情報付与処理(図4参照)を実行したことを報知する。
図24には、この場合の放射線画像撮影装置14の撮影制御部22によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。なお、図24の図3に示す撮影処理と同様の処理を行うステップには図3と同一のステップ番号を付与して、説明を省略する。
図24に示すように、撮影処理は、上記第1の実施の形態における撮影処理のステップS112の後に、ステップS113A、S113B、及びS113Cの処理を実行する点を除き、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、ステップS113Aで撮影制御部22は、識別情報を付与したことを報知部110により報知する。上述したように本実施の形態では、報知部110がLEDライトのため、消灯していたLEDライトを点灯させたり、予め定められた色でLEDライトを点灯させたり、LEDライトを点滅させたり等、予め定められた方法に応じてLEDライトライトの点灯状態を制御することにより報知を行う。
本実施の形態では、識別情報の付与を行う場合、すなわち撮影制御部22が識別情報付与処理を行う場合、放射線照射装置12がベッド100から離れる場合、または近付いた場合であるため、放射線画像撮影装置14は、放射線照射装置12の保管ケースに収納された状態である場合が多い。例えば、図25に示した一例のように、放射線画像撮影装置14は、回診車本体121の側面に設けられた保管ケース120に収納される。この場合、一般的に、放射線画像撮影装置14は、放射線Rが照射される表側を回診車本体121側に向けた状態で保管ケース120内に収納される。図25に示した一例では、保管ケース120の上部から放射線画像撮影装置14の一部が出ているため、保管ケース120内に放射線画像撮影装置14が収納された状態であっても報知部110による報知(点灯等)をユーザが視認することができる。
なお、図25に示した一例に限らず、保管ケース120の回診車本体121側の面と対向する面を透明等にして、内部に収納された放射線画像撮影装置14の報知部110による報知をユーザから視認可能にしてもよい。
なお、図25に示した一例では、保管ケース120に1つの放射線画像撮影装置14が収納された状態を示しているが、保管ケース120は、複数の放射線画像撮影装置14を収納するものであってもよい。保管ケース120が複数の放射線画像撮影装置14を、放射線画像撮影装置14同士の裏側及び表側を重ねた状態で収納する場合であっても、本実施の形態では図23に示したように報知部110が側面の傾斜部111またはその近傍に設けられているため、報知部110による報知をユーザが視認することができる。なお、複数の放射線画像撮影装置14を保管ケース120に収納する場合は、大きい(放射線が照射される面積が大きい)放射線画像撮影装置14ほど、回診車本体121側に収納することにより、報知部110による報知が視認しやすくなる。
本実施の形態の放射線画像撮影システム10では、報知部110による報知を視認したユーザは、識別情報を付与したタイミングが適切であるか否か判断することができる。例えば、放射線照射装置12がベッド100から近付いたが被写体Wを間違えた場合や、ベッド100に対する位置を変更するために放射線照射装置12を移動させた場合等でも撮影制御部22は識別情報を付与する場合があるが、この場合、本来、識別情報を付与するタイミングではないため、ユーザは識別情報を付与するタイミングが適切ではないと判断する。
識別情報を付与するタイミングが適切ではないと判断した場合、ユーザは、携帯情報端末装置16の操作部40により所定の操作を行う。所定の操作が行われると、端末制御部30は、識別情報を付与したタイミングが適切ではないことを表す情報を放射線画像撮影装置14に送信する。
そこで、次のステップS113Bで撮影制御部22は、識別情報を付与したタイミングが適切であるか否かを判断する。放射線画像撮影装置14から識別情報を付与したタイミングが適切ではないことを表す情報を受信した場合は、否定判定となり、ステップS113Cへ移行する。
ステップS113Cで撮影制御部22は、ステップS112の識別情報付与処理により付与した識別情報を廃棄した後、ステップS114へ移行する。
一方、上記ステップS113Bで識別情報を付与したタイミングが適切ではないことを表す情報を所定の時間経過しても受信しなかった場合は、肯定判定となり、ステップS114へ移行する。
本実施の形態におけるコンソール18により実行される関連付け処理は、上記各実施の形態における関連付け処理(図6参照)と同様であるため説明を省略する。
このように本実施の形態の放射線画像撮影装置14によれば、識別情報を付与したことを報知部110により報知するため、ユーザは、識別情報を付与したタイミングを認識することができる。
また、放射線画像撮影装置14は、識別情報を付与したタイミングが適切ではない場合、その旨を表す情報に基づいて、誤ったタイミングで付与した識別情報を廃棄するため、適切に識別情報を付与することができる。
なお、本実施の形態では、具体例として、報知部110がLEDライトである場合について説明したが報知部110はこれに限定されるものではない。例えば、その他の可視表示を行うものであってもよいし、スピーカ等の音声再生装置を用いた可聴表示を行うものであってもよいし、可視表示と可聴表示とを組み合わせたものであってもよい。
なお、本実施の形態では、識別情報を付与したタイミングが適切ではない場合、付与した識別情報を廃棄していたが、識別情報を廃棄せずに、付与した識別情報が適切なタイミングではないことを表す情報を識別情報に対応付けて記憶部24等に記憶してもよい。
また、本実施の形態では、識別情報を付与するタイミングが適切ではないと判断した場合、携帯情報端末装置16の操作部40に対してユーザが操作を行う形態について説明したが、この場合にユーザが操作を行う装置は携帯情報端末装置16に限らない。例えば、上記第1実施の形態の放射線画像撮影装置14のように、放射線画像撮影装置14が操作検出部23及び操作ボタン25を備え、ユーザが操作ボタン25に対して操作を行う形態としてもよい。
以上説明したように、上記各実施の形態の放射線画像撮影装置14は、照射された放射線Rに応じて放射線画像を撮影する撮影部として機能する放射線検出器20と、放射線検出器20によって撮影された複数の放射線画像の画像データを記憶する記憶部として機能する記憶部24と、予め定められた条件を検出した場合に、記憶部24に記憶される画像データを予め定められた条件の検出前後で区切るための識別情報を記憶部24に記憶する識別情報付与部として機能する撮影制御部22と、を備える。
また、コンソール18は、放射線画像撮影装置14の記憶部24に記憶されている画像データ及び識別情報を記憶部24から読み出す読出部、及び識別情報に基づいて、画像データと、画像データに対応する被写体Wに関する被写体情報と、を関連付けて画像記憶部として機能する記憶部52に記憶する制御を行う制御部として機能する制御部50を備える。
従って、上記各実施の形態の放射線画像撮影装置14によれば、連続的な撮影によって得られた複数の画像データが予め定められた条件が検出される度に、識別情報により区切られる。識別情報により区切られた後は、再び放射線画像の撮影が繰り返される場合と、撮影が終了する場合とがある。このため、上記予め定められた条件を被写体Wが変化したことを示すものとして予め定めることにより、コンソール18では、識別情報を特定して利用することで、被写体情報と画像データとの関連付けを容易に行うことができる。
従って、上記各放射線画像撮影装置14によれば、被写体情報、すなわち被写体Wと、被写体Wの撮影によって得られた放射線画像の画像データと、を容易に関連付けることができる。
一般的に、オーダ情報を用いて被写体Wを撮影する場合の放射線画像の撮影枚数は予め定められているが、撮影の失敗等により再撮影を行う場合等、予め定められていた撮影枚数と実際の撮影枚数とが異なる場合がある。また、携帯情報端末装置16が予めコンソール18等から取得したオーダ情報とは別途に、撮影の要求(追加オーダ情報等)が発生する場合がある。また、放射線検出器20が誤作動した場合や、ユーザの誤操作等により、予め定められていた撮影枚数と実際の撮影枚数とが異なってしまう場合もある。これらの場合には、撮影した放射線画像の画像データと、被写体情報と、の関連付けが必ずしも容易ではなく、場合によっては不可能となることもある。
これに対して、上記各実施の形態の放射線画像撮影装置14では、撮影制御部22が、上記予め定められた条件を検出した場合に、記憶部24に記憶される画像データを上記予め定められた条件の検出前後で区切るための識別情報を記憶部24に記憶しているため、識別情報を用いてコンソール18により画像データと被写体情報とを関連付けることができる。そのため、予め定められていた撮影枚数と実際の撮影枚数とが異なる場合でも、コンソール18で、被写体情報と、対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。また、オーダ情報の有無とは無関係に、コンソール18で、被写体情報と、対応する放射線画像の画像データとを容易に関連付けることができる。
また、上記各放射線画像撮影装置14によれば、放射線画像撮影装置14が被写体情報を取得していなくても、コンソール18で、被写体情報と、対応する放射線画像の画像データと、を容易に関連付けることができる。
また、上記各放射線画像撮影装置14によれば、放射線画像撮影装置14内において画像データと識別情報との関連付けが行われるため、携帯情報端末装置16やコンソール18等の外部装置を要さずに画像データと識別情報とを関連付けることができる。また、撮影制御部22の制御により関連付けを行うため、従来の放射線画像撮影装置に何ら手を加えることなく、実現することができる。
なお、放射線画像の画像データに識別情報を付与する形態は、上記各実施の形態に限定されない。例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)を用いて、撮影台から所定距離以上離れたことを放射線画像撮影装置14がセンサ27により検知した場合に、記憶部24に記憶された画像データに識別情報を付与する形態としてもよい。また例えば、撮影室のドアにドアが開閉したことを検知する開閉センサを設け、ドアの開閉を開閉センサが検知したことを放射線画像撮影装置14が検知した場合に、記憶部24に記憶された画像データに識別情報を付与する形態としてもよい。
また例えば、上記第6実施の形態のように回診車である放射線照射装置12とベッド100との距離が所定の距離以上離れた場合に、放射線画像撮影装置14に信号を送信し、この信号を放射線画像撮影装置14が受信した場合に、記憶部24に記憶された画像データに識別情報を付与する形態としてもよい。
さらに例えば、撮影台の下の床面に重量計を設置し、重量計の計測値が低下したことを検出した場合に、被写体Wが撮影台の上から移動したと放射線画像撮影装置14が判断して、記憶部24に記憶された画像データに識別情報を付与する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、コンソール18を用いて、ユーザによって画像データと、被写体情報と、を関連付ける場合について説明したがこれに限らず、コンソール18が自動的に画像データと、被写体情報と、を関連付けてもよい。以下、この形態の一例として、コンソール18の記憶部52に被写体情報が含まれるオーダ情報が予め記憶されている場合に、記憶されているオーダ情報に基づいて、画像データと、被写体情報と、をコンソール18が自動的に関連付ける場合について説明する。
図26には、この場合のコンソール18で実行される関連付け処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
図26のステップS250で制御部50は、上記関連付け処理(図6参照)のステップS200と同様に、放射線画像撮影装置14から放射線画像の画像データをI/F部64を介して取得する。
次のステップS252で制御部50は、取得した画像データに対応するオーダ情報を、記憶部52から読み出す。記憶部52に記憶されているオーダ情報から取得した画像データに対応するオーダ情報を特定する方法は特に限定されない。例えば、オーダ情報に、放射線画像を撮影した放射線画像撮影装置14を特定する情報(例えば、ID)及び撮影の順番が含まれている場合は、上記ステップS250における画像データの取得において、画像データとともに放射線画像撮影装置14のIDを取得し、取得したID及び撮影の順番に基づいてオーダ情報を特定すればよい。
次のステップS254で制御部50は、取得した放射線画像の画像データから識別情報を検出する。例えば、第1の実施の形態の場合では、制御部50は、記憶部52に記憶されている順に、ダミーデータを1つずつ検出する。
次のステップS256で制御部50は、取得した放射線画像の画像データに、対応するオーダ情報に含まれる被写体情報を関連付けて記憶部52に記憶する。
次のステップS258で制御部50は、本関連付け処理を終了するか否かを判断する。本ステップS258では、ステップS250で取得した放射線画像の画像データに、被写体情報が関連付けられていないものがある場合は否定判定となって、ステップS254に戻り、本関連付け処理を繰り返す。一方、取得した全ての放射線画像の画像データと、被写体情報と、を関連付けた場合は肯定判定となって、本関連付け処理を終了する。
このようにコンソール18で関連付け処理を行うことにより、ユーザの手を煩わせることなく、自動的に被写体情報と、対応する画像データとを関連付けることができる。
なお、上記各実施の形態を適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。組合せの例としては、第1の実施の形態と第3の実施の形態を組み合わせること等が挙げられる。図27には、この場合の放射線画像撮影装置14、携帯情報端末装置16、コンソール18の概略構成の一例を示すブロック図が示されている。図27に示すように、放射線画像撮影装置14が操作検出部23、操作ボタン25、及びセンサ27を備え、撮影制御部22が、操作ボタン25が操作されたことを検出した場合や、自装置の状態が予め定められた状態になったことをセンサ27により検知した場合に、識別情報を付与すればよい。
また、上記第2〜第6の実施の形態では、放射線画像の撮影後に画像データに識別情報を付与していたが、識別情報を付与するタイミングは撮影後でなくてもよい。例えば、記憶部24に記憶されており、識別情報が付与されていない画像データに対して、撮影前に識別情報を付与するようにしてもよい。
また、放射線画像撮影装置14は、放射線画像の撮影の前及び後とみなせるタイミングを検出して、その間に撮影された(記憶部24に記憶された)画像データに対して、識別情報を付与するようにしてもよい。例えば、第1の実施の形態の放射線画像撮影装置14の場合、撮影の前及び後に操作ボタン25が操作されたことを検出し、その間に記憶部24に記憶された画像データに識別情報を付与する形態としてもよい。
また、放射線画像撮影装置14は、識別情報とともに、他の情報を画像データに関連付けて記憶部24に記憶してもよい。その場合の情報としては、例えば、撮影日時、識別情報を付与した時間、及び経過時間等の少なくとも一つを示す情報が挙げられる。また、第3の実施の形態の場合の放射線画像撮影装置14では、その他の情報として、センサ27が検知した検知結果に基づいた情報(例えば、実施例3−2では、放射線画像撮影装置14の姿勢)が挙げられる。
また、上記各実施の形態では、コンソール18が、画像データと、被写体情報と、を関連付ける場合について説明したが、関連付けを行うのは、コンソール18でなくてもよい。例えば、携帯情報端末装置16を、制御装置として機能させ、画像データと、被写体情報と、を関連付けてもよい。
また、上記各実施の形態では、コンソール18が、画像データと、被写体情報と、を関連付けて記憶部52に記憶する場合について説明したが、これらの情報を記憶する場所は、記憶部52に限らない。例えば、外部の記憶装置(PACS:Picture Archiving and Communication System)等に記憶してもよい。
また、放射線画像撮影装置14は、液晶ディスプレイ等の表示部を備えていてもよい。この場合、放射線画像の撮影が完了する度に、撮影が完了したことを表す情報を表示部に表示させることが好ましい。
また、被写体Wは、人でなくてもよく、人以外の動物や植物等の生物や、他の物体であってもよい。
また、放射線画像の撮影に用いられる放射線Rは特に限定されるものではなく、X線やγ線等を適用することができる。
その他、本実施の形態で説明した放射線画像撮影装置14及びコンソール18等の構成及び動作は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。