JP2016135203A - 酸素濃縮装置と送風ファンの制御方法 - Google Patents

酸素濃縮装置と送風ファンの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素濃縮装置を使用している際にハンドルに不具合が出た場合に、ハンドルを容易に交換できる酸素濃縮装置を提供する。【解決手段】原料空気を取り込んで、コンップレッサで圧縮し、圧縮空気を吸着剤に供給して酸素を吸着することにより、分離した前記酸素を送り出すとともに、不要な窒素を排出する酸素濃縮装置であって、前記コンプレッサを冷却するための送風ファンと、前記コンプレッサの温度を計測するコンプレッサ温度の計測部と、前記送風ファンの回転数を制御する制御部とを有し、前記制御部が前記コンプレッサ温度の計測部の計測結果に基づいて、前記送風ファンの回転数を決める構成とした。【選択図】図7

Description

本発明は、空気中から酸素を分離生成する移動型の酸素濃縮装置とその送風ファンの制御方法に関する。
酸素濃縮装置は、肺に疾病を抱える患者を含む使用者が高濃度の酸素を吸引するために使用する。この酸素濃縮装置では、コンプレッサが空気を取り込んで圧縮空気を作り、この圧縮空気は吸着筒の内部に送り込み、吸着筒内の吸着剤に空気の窒素を吸着させる。これにより、酸素濃縮装置は、濃縮酸素を生成する。この生成した濃縮酸素は、カニューラを用いて患者を含む使用者に摂取させる。
患者を含む使用者が移動可能な移動型の酸素濃縮装置は、特許文献1に開示されている。この移動型の酸素濃縮装置は、装置本体と、この装置本体に取り付けられた車輪と、装置本体に取り付けられて上下に移動可能なハンドルと、このハンドルを適当な長さにして締めることでハンドルを装置本体に固定する2カ所の固定つまみを有している。
患者を含む使用者は、このハンドルを装置本体から適当な長さに伸ばして、2カ所の固定つまみでハンドルを固定した後、ハンドルを持って装置本体を移動することができる。そして、患者を含む使用者は、装置本体の移動が完了すると、固定つまみを緩めてこのハンドルを装置本体側へ押し込んで納める。
特開平11−262526号公報
ここで、特許文献1のような酸素濃縮装置では、外部から原料空気を取り込んで、装置内のコンプレッサでこの原料空気を圧縮し、吸着筒に導いて、内部で窒素を吸着させ、濃縮した酸素成分を鼻カニューラを通じて患者に供給する構成である。
例えば、コンプレッサは電動のレシプロ機関を備え、これを駆動して回転式の空気ポンプにより上記原料空気の圧縮を行うようにしている。
このコンプレッサの回転駆動における回転数を上げていき、出力を高めると、ピストンの往復動が激しくなり、これに応じて熱を発する。
この熱による加熱を防ぐため、送風ファンを設け、コンプレッサに冷却用の風を送って空冷する必要がある。また、コンプレッサの冷却と同時に送風ファンによる風は、濃縮酸素を得るための過程で分離した窒素を排出するために利用される。
ところが、従来の酸素濃縮装置では、特に、低出力運転時、装置から異音が発生することがある。
本発明者等は、このような異音発生を取り除くため、その原因を究明したところ、送風により、コンプレッサが過冷却になり、シリンダ内径の収縮によって、コンプレッサのピストン(ヘッド)とシリンダの間隙が減少し、当接して擦れ合うことで、異音が出ていることが判明した。
そして、これを放置すると異音の発生だけでは済まないで、長期間の使用によりピストンが摩耗し、損傷の原因となるし、より高出力による駆動時には、圧力損出が増大し、出力低下を招くおそれがある。
そこで、コンプレッサの低出力時、すなわち、装置起動直後や酸素の供給量が少ないときには、冷却用の送風ファンの駆動を停止して、コンプレッサの過冷却を防止する手法も考えられる。
しかしながら、このような手法により送風ファンを完全に停止すると、原料空気から分離した不要な窒素の排気を効率よく行えなくなり、装置の性能が低下するという問題がある。
本発明は以上のような新規な課題を解決するためになされたものであり、本発明は、酸素濃縮装置を使用している際に窒素の排気を継続して運転効率を維持しつつ、できるだけ、コンプレッサの駆動部の摩耗を原因とする異音発生や性能低下を防止することができる酸素濃縮装置と、その送風ファンの制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、原料空気を取り込んで、コンプレッサで圧縮し、圧縮空気を吸着剤に供給して酸素を吸着することにより、分離した前記酸素を送り出すとともに、不要な窒素を排出する酸素濃縮装置であって、前記コンプレッサを冷却するための送風ファンと、前記コンプレッサの温度を計測するコンプレッサ温度の計測部と、前記送風ファンの回転数を制御する制御部とを有し、前記制御部が前記コンプレッサ温度の計測部の計測結果に基づいて、前記送風ファンの回転数を決める構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、前記制御部が前記コンプレッサ温度の計測部の計測結果に基づいて、前記送風ファンの回転数を決める構成としたから、送風ファンによる冷却が過大になることが無く、過冷却を防止して、過度な体積収縮を招くことが無い。これにより、異音の発生を防止して、摩耗による性能低下を防ぐことができる。
好ましくは、前記制御部は前記コンプレッサ温度の計測部による計測結果に基づいて、前記コンプレッサの駆動部の動作性能の維持を損なわない範囲で、前記送風ファンの回転を継続する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、送風ファンによる冷却が過大になることが無く、過冷却を防止できるだけでなく、さらに、送風ファンが停止することが無いようにしたので、低回転時においても、不要な窒素を排出することができ、装置の性能低下を防止することができる。
好ましくは、前記制御部は、前記送風ファンを一定回転数によりファン回転の継続維持することを特徴とする。
上記構成によれば、装置の動作中は常に窒素を同じ割合で排出することができ、装置性能を安定化できる。
本発明は、また、原料空気を取り込んで、コンプレッサで圧縮し、圧縮空気を吸着剤に供給して酸素を吸着することにより、分離した前記酸素を送り出すとともに、不要な窒素を排出する酸素濃縮装置の前記コンプレッサを冷却するための送風ファンの回転制御方法であって、前記送風ファンの制御部は、前記コンプレッサの起動とともに前記送風ファンの制御を開始すると、前記送風ファンの回転を停止しないでコンプレッサ温度の計測部による計測結果に基づいて、前記送風ファンの回転制御を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、前記コンプレッサが起動されると、制御部がコンプレッサの温度をモニタしながら送風ファンの回転制御を行う。これにより、コンプレッサの過熱状態に応じた空冷制御をおこなうことができる。しかも、制御部は送風ファンを完全に停止させることはないので、コンプレッサの過熱状態の程度に関わらず、コンプレッサが動作して酸素濃縮動作が行われている限り必ず生じる窒素を確実に排出することができ、装置性能を確実に保持できる。
好ましくは、前記送風ファンの制御部が、所定時間ごとに前記コンプレッサ温度の計測部の計測結果をモニタして、当該計測結果による現在温度が前記コンプレッサの駆動性能に与える影響を判断し、判断結果に対応した回転数で前記送風ファンの回転を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、所定時間毎に送風ファンの回転数を調整することができ、精度よく装置の運転制御ができる。
本発明は、酸素濃縮装置を使用している際に窒素の排気を継続して運転効率を維持しつつ、できるだけ、コンプレッサの駆動部の摩耗を原因とする異音発生や性能低下を防止することができる酸素濃縮装置と、その送風ファンの制御方法を提供することができる。
本発明の酸素濃縮装置の好ましい実施形態を示す斜視図である。 図1に示す酸素濃縮装置の背面図である。 図1に示す酸素濃縮装置の正面図である。 操作部の例を示す図である。 本発明の実施形態の概略構成例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態の電気的構成の一例を示すブロック図である。 図5および図6に示す実施形態の動作例を示すことで、送風ファンの制御例を説明するためのフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
<酸素濃縮装置1の全体構成>
図1は、本発明の酸素濃縮装置の好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す酸素濃縮装置1の背面図であり、図3は、酸素濃縮装置1の正面図である。図1に示す酸素濃縮装置1では、片方の車輪が取り外された状態を示している。
図1から図3に示す酸素濃縮装置1は、患者を含む使用者や医療従事者等が移動できる移動型の装置である。この酸素濃縮装置1は、例えば、慢性閉塞性肺疾患等の低酸素血症等を有する患者を含む使用者が酸素吸入療法を行う際に、酸素供給源として使用する例えば圧力スイング吸着方式により高濃度酸素を発生する装置である。
図1に示すように、酸素濃縮装置1は、患者を含む使用者等による移動を意図した移動型の酸素濃縮装置(可搬型の酸素濃縮装置ともいう)である。患者を含む使用者による酸素濃縮装置1の移動を考慮して、酸素濃縮装置1の小型化と軽量化を図っている。一例として、酸素濃縮装置1の重量は、好ましくは10kgを下回る例えば9.9kgであり、外形寸法例としては、高さ×幅×奥行が、590mm×330mm×293mmである。この酸素濃縮装置1は、比較的軽量であり、コンパクトなサイズを有しているので、患者を含む使用者は、酸素濃縮装置1の移動を容易に行える。
図1から図3に示す酸素濃縮装置1は、概略的には、装置本体2と、伸縮ハンドル3と、左右の大型の車輪4,4を有している。装置本体2は、好ましくはプラスチック製の筐体5を有している。筐体5は、前面カバー部6と、背面カバー部7と、下部本体部8と、ハンドルカバー部材9を有する。
図1に示すように、大型の左右の車輪4,4は、軽量化のために、例えばプラスチックにより形成されている。左右の車輪4,4の直径は、例えば180mmである。左右の軸部4Aは、下部本体部8において左右反対方向に突出して設けられている。左右の車輪4,4の中央の円形の取付け穴4Eには、軸部4Aがそれぞれはめ込まれる。そして、この取付け穴4Eには、固定用の円形部材4Bがはめ込まれるとともに、固定ネジ4Cが軸部4Aのメネジにねじこまれる。その後、取付け穴4Eには、カバー部材4Dがはめ込まれるようになっている。
このようにして、左右の車輪4,4は、軸部4Aに対して着脱可能に取り付けることができる。このため、仮に車輪4が破損した場合には、患者を含む使用者あるいは患者を含む使用者のサポートをする人が、車輪4を簡単に交換できる。
<ハンドルカバー部材9>
図1と図3に示すハンドルカバー部材9は、伸縮ハンドル3と後で説明する伸縮ハンドル支持機構部等を覆うための覆い部材である。ハンドルカバー部材9は、前面カバー部6の正面部分10を覆うようにして、前面カバー部6に対して着脱可能に装着されている。
前面カバー部6と背面カバー部7は、下部本体部8に対して着脱可能に取り付けられている。前面カバー部6と背面カバー部7は、互いに着脱可能である。
これにより、装置本体2内の各種構成要素のメンテナンス等を行う際には、前面カバー部6と背面カバー部7とハンドルカバー部材9は、容易に分解して取り外すことができる。
前面カバー部6と背面カバー部7と下部本体部8とハンドルカバー部材9は、同系統色であっても良いし、別系統色であっても良い。背面カバー部7とハンドルカバー部材9は、例えばホワイトなどの明るい色を採用し、前面カバー部6と下部本体部8は、例えば暗めの色を採用することで、外観的に見栄えが良くなる。
<前面カバー部6>
図1と図3と図4を参照して、前面カバー部6について説明する。
図4は、操作部14の例を示している。
図1に示すように、前面カバー部6は、正面部分10と、上面部分11と、左右の側面部分12,13を有している。正面部分10は、図1と図3では、ハンドルカバー部材9によりほぼ覆われている。上面部分11は、患者を含む使用者側に見やすいようにハンドルカバー部材9側へ傾斜して形成されている。
<操作部14>
図1に示す上面部分11には、図4に示す操作部14が配置されている。
図4に示すこの操作部14は、例えば電源スイッチ15と、流量インジケータ16と、流量設定ボタン17と、メンテナンスボタン18と、酸素ランプ19と、表示部20と、バッテリ残量モニタ21と、充電中ランプ21を有している。
電源スイッチ15は、患者を含む使用者等が押すことで電源のオンオフを行うことで、装置本体2の運転と停止ができる。流量インジケータ16は、患者を含む使用者に供給されている酸素流量の設定値をデジタルで示す。流量設定ボタン17は、押すことで酸素流量の増減を設定できる。
メンテナンスボタン18は、メンテナンス時に押す。酸素ランプ19は、正常に患者を含む使用者側に酸素を送っている状態であれば、例えば緑色で点灯することで通知する。バッテリ残量モニタ21は、バッテリの残量を例えば5段階で表示する。充電中ランプ22は、バッテリが充電中に点灯する。
図4に示す表示部20は、酸素供給用のチューブが折れたことの警報発生時に点灯するチューブ折れアイコン20Aと、コンセントが外れたことの警報発生時に点灯するコンセントアイコン20Bと、酸素濃縮装置における警報発生時に連絡をすべきときに点灯する要連絡アイコン20Cと、火気の検知の警報発生時に点灯する火気検知アイコン20Dと、酸素濃度の低下の警報発生時に点灯する濃度低下アイコン20Eを有する。
図5を参照して、上述した酸素濃縮装置1の概略構成例を説明する。
図5に示す二重線は、原料空気、酸素、窒素ガスの流路となる配管を示している。また、細い実線は電源供給または電気信号の配線を示している。図5に示す酸素濃縮装置1の主筐体22は破線で示しており、この主筐体は内部に配置された要素を密閉している密閉容器である。
図5に示すように、図1ないし図3で説明した各カバー部等により構成される主筐体22は、外気である原料空気を導入するための空気取り入れ口25と空気取り入れ口フィルタ27および排気するための排気口26を有している。空気取り入れ口25には、空気中の塵埃等の不純物を除去するための空気取り入れ口フィルタ27が交換可能に配置されている。原料空気は、コンプレッサ10が作動すると、空気取り入れ口フィルタ27を介して、内部の配管37と吸気フィルタ兼消音バッファ38と配管40,41を通じてコンプレッサ10側に導入されるようになっている。
このように原料空気は、コンプレッサ10加圧ポンプ52に導入されて圧縮空気になるが、原料空気を圧縮する際に熱が発生する。このため、コンプレッサ10、特にスリーブ11,12は、冷却用の送風ファンから送られる風により冷却される。この実施形態では、送風ファンはファン34であるが、送風ファンは一つでもよく2つ以上でもよい。
本実施形態では、コンプレッサ10が加圧ポンプと真空ポンプを有し、内部には、それぞれ駆動されるピストンを収容している。そして、コンプレッサ10から配管15を通じて送られる圧縮空気は、ラジエータ13により冷却される。
このように圧縮空気を冷却することで、高温では機能低下してしまう吸着剤であるゼオライトの昇温を抑制できる。これにより、窒素の吸着により酸素を生成するための吸着剤として十分に機能できるようになり、酸素を90%程度以上にまで濃縮できる。
第1吸着筒体31と第2吸着筒体32は、並べて配置された吸着部材の一例であり、縦方向に並列に配置されている。これら第1吸着筒体31と第2吸着筒体32には、それぞれ電磁弁で構成された三方向切換弁14B,14Cが接続されている。一方の3方向切換弁14Bの一端部が配管15に接続されている。配管15の途中には、配管15内を通過する圧縮空気を冷却するためのラジエータ13が配置されている。一方の3方向切換弁14Bと他方の3方向切換弁14Cとが互いに接続され、さらに、他方の3方向切換弁14Cの一端部が配管15Rに接続されている。配管15Rの端部は、排気口26に達している。
3方向切換弁14B、14Cは、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32にそれぞれ対応して接続されている。コンプレッサ10から発生する圧縮空気は、配管15と3方向切換弁14B、14Cを介して、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32に対して交互に供給される。
触媒吸着剤であるゼオライトは、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内にそれぞれ貯蔵されている。このゼオライトは、例えばSi203/Al2O3比が2.0〜3.0であるX型ゼオライトであり、かつこのAl2O3の四面体単位の少なくとも88%以上をリチウムカチオンと結合させたものを用いることで、単位重量当たりの窒素の吸着量を増
やせるようにしている。このゼオライトは、特に1mm未満の顆粒測定値を有するとともに、四面体単位の少なくとも88%以上をリチウムカチオンと融合させたものが好ましい。ゼオライトを使用することで、他の吸着剤を使う場合に比べて酸素を生成するために必要となる原料空気の使用量を削減できるようになる。この結果、圧縮空気を発生するためのコンプレッサ10のより小型化が図れ、コンプレッサ10の低騒音化を図ることができる。
図5に示すように、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32の出口側には、逆止弁と絞り弁と開閉弁とからなる均等圧弁107が接続されている。均等圧弁107の下流側には、合流する配管60が接続されており、この配管60にはバッファ61が接続されている。
このバッファ61は、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32において分離生成された90%程度以上の濃度の酸素を貯蔵するための酸素貯蔵容器である。
図5に示すように、バッファ61の下流側には、圧力調整器62が接続されており、圧力調整器62はバッファ61の出口側の酸素の圧力を一定に自動調整するレギュレータである。圧力調整器62の下流側には、比例開度弁65が接続されている。この比例開度弁65は、中央制御部200の指令により流量制御部202からの信号により、酸素流量設定ボタン102の設定ボタン操作に連動して開閉する。比例開度弁65には酸素流量センサ66が接続されている。
図5に示すように、この酸素流量センサ66には、ジルコニア式あるいは超音波式の酸素濃度センサ64が接続されており、酸素濃度センサ64は、酸素濃度の検出を間欠的に(10〜30分毎に)または連続的に行うようになっている。酸素濃度センサの後段には、フィルタ63、酸素出口部100が接続されている。
酸素出口部100には、鼻カニューラ70のカプラソケット71が着脱可能に接続される。カプラソケット71は、チューブ72を介して鼻カニューラ70に接続されている。
患者は、鼻カニューラ70を経て、例えば最大流量3L/分の流量で、約90%程度以上に濃縮された酸素の吸入が可能である。
次に、図5を参照して電源系統を説明する。
図5に示すACアダプタ電源のコネクタ203は、電源制御回路39に電気的に接続され、電源制御回路39はACアダプタと電池(「バッテリ」)204の電源切換えを行う。電池204は、主筐体22に着脱可能とされている。電池204は、繰り返し充電可能な2次電池であり、電池204は電源制御回路39からの電力供給を受けて充電できる。
これにより、マイクロコンピュータなどのCPUとCPUにより実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROM(図示せず)とワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAM(図示せず)などを備えて装置全体の動作の制御・判断を行なう図1の中央制御部200が電源制御回路39を制御することで、電源制御回路39は、例えばACアダプタ203からの電力供給を受けて作動する第1電力供給状態と、電池204からの電力供給を受けて作動する第2電力供給状態のうちの1つの供給状態に自動切換して使用できる。電池204は好ましくは、充電時のメモリ効果が少なく再充電時にも満充電できるリチウムイオン、リチウム水素イオン2次電池が良いが、これに限らず、ニッカド電池やニッケル水素電池でも良い。
図5の中央制御部200は、モータドライバ210とファンモータドライバ211に電気的に接続されている。中央制御部200は生成する酸素量に応じた最適な動作モードに切り替えるプログラムが記憶されている。モータドライバ210とファンモータドライバ211は、中央制御部200の指令により、多くの酸素生成をする場合は自動的にコンプレッサ10とファン34とを高速駆動し、少ない酸素生成時の場合にはコンプレッサ10とファン34を低速に回転駆動する制御を行う。
この送風ファンによるコンプレッサの冷却のための回転数制御に関しては、後で詳しく説明する。
図5に示す3方向切換弁14B、14Cと均等圧弁107とをオンオフ制御することで、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内の不要ガスを脱離させるように制御する制御回路(図示せず)と、圧力調整器62と、流量制御部202と、酸素濃度センサ64が、中央制御部200に電気的に接続されている。流量制御部202は、比例開度弁65を制御し、酸素流量センサ66の酸素流量値は、中央制御部200に送られる。図2に示す中央制御部200には、酸素流量設定ボタン102と、表示部128と、電源スイッチ101と、表示スイッチ128Sが電気的に接続されている。
酸素流量設定ボタン102は、例えば90%程度以上に濃縮された酸素を毎分当たり0.25L(リットル)から最大で3Lまで0.25L段階で操作するごとに、酸素流量を設定できる。表示部128は、例えば、7セグメント表示の液晶ディスプレイなどの表示装置が利用されている。表示部128には、例えば酸素流量、酸素ランプ、警報アイコン(チューブ折れ、加湿器外れ、酸素濃度低下、電源供給停止、バッテリ残量、バッテリ運転中、充電ランプ)、積算時間等の表示項目を表示することができる。
図5に示すコンプレッサ10は、すでに説明したように圧縮および真空状態を発生させることで真空正圧変動吸着法(VPSA)により、圧縮空気を第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内に送り、第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内の吸着剤により圧縮空気中の窒素を吸着させる。コンプレッサ10の駆動用モータ53は、直流ブラシレスモータであっても、その他に例えば単相交流誘導モータであっても良いし、単相4極交流同期モータであっても良いし、特に種類は限定されない。
次に、上述した酸素濃縮装置1の動作例を説明する。
図5に示す中央制御部200がモータドライバ210に指令して、モータドライバ210がコンプレッサ10の駆動用モータ53を始動して、駆動用モータ53の出力軸が連続回転をする。
コンプレッサ10が動作すると、原料空気は、図2に示す空気取り入れ口5から取り入れられてフィルタ7により塵埃等の不純物を取り除き、内部の配管37と吸気フィルタ兼消音バッファ38と配管40,41を通じてコンプレッサ10側に導入される。図2に示すコンプレッサ10の加圧ポンプが発生する圧縮空気は、配管15を介して、第1吸着筒体13と第2吸着筒体32側に供給できる。
一方、図5に示す中央制御部200は、モータドライバ211に指令を与えて第1ファン34を回転させる。コンプレッサ10の加圧ポンプが原料空気を圧縮して圧縮空気を発生する際に、ファン34の送風により冷却され、しかも配管15を通る圧縮空気は、ラジエータ13を通過することで冷却される。そして、圧縮空気は、配管15と3方向切換弁14B、14Cを経て第1吸着筒体31と第2吸着筒体32内の吸着剤を通過して窒素を吸着することにより、酸素が分離して生成される。製品タンク111は、分離して生成された90%程度以上の濃度の酸素を貯蔵することができる。
図5の酸素濃度センサ64は、バッファ61からの酸素の濃度の検出を行う。比例開度弁65は、酸素流量設定ボタン102に連動して開閉する。そして、酸素は、酸素出口部100を経て、鼻カニューレ70に供給される。これにより、患者は、鼻カニューレ70を経て例えば最大流量3L/分の流量で、約90%程度以上に濃縮された酸素の吸入が可能である。
<送風ファンの制御例>
次に、本実施形態の酸素濃縮装置1での送風ファンの制御例を説明する。
図6は、送風ファンの制御に必要な主要な電気的構成を示すブロック図であり、図7は制御に係るフローチャートである。
図6において、図5と同じ符号を付した箇所は同一の構成であるから重複する説明は省略する。図6において、温度検出手段としてのサーミスタ35が、コンプレッサ10の近傍に配置されている。サーミスタ35は、装置の運転中にコンプレッサ35がどの程度加熱しているかを知るための手段であり、サーミスタ35は、これを制御するための制御部にコンプレッサ35の現在の温度の計測値を送るために、中央制御部200と接続されている。
図7において、装置使用の開始(ST1)御、直ちに、中央制御部200は、コンプレッサ10の駆動と同時に、第1ファン34と第2ファン36を回転駆動する(ST2)。
図8は、送風ファンと、コンプレッサ10の温度(℃)の計測値の例を示すグラフである。この例では、環境温度5℃ないし40℃における計測結果である。
中央制御部200は、酸素濃縮装置1が連続運転している限り、所定時間毎に、サーミスタ35の計測結果を得るようにしており、この場合、例えば3分ごとの計測結果に基づいて送風ファンを制御して、回転数を切換える(ST3)。
この切り替えタイミングにおいては、中央制御部200は、当該計測結果による現在温度が前記コンプレッサの駆動性能に与える影響を判断し、判断結果に対応した回転数で前記送風ファンの回転を行うものである。しかも、送風ファンの回転は、予め決定された一定回転数以下にはしない(ST4)。
すなわち、ステップ4では、中央制御部200は、図8に示されているように、実施形態で採用したコンプレッサに対して、その駆動性能に与える影響を考慮する構成とするものとし、この実施形態では、「(コンプレッサ温度−15℃)×67」が1000(回転=送風ファンの回転数)となるか否かを判断する。
ここで、コンプレッサの制御において、コンプレッサ温度については、30℃という温度、回転数としては1000回転/分というポイントが重要である。
コンプレッサ温度が30℃を超えなければ、劣化の問題はほとんどないので、ほぼ30℃を目安に冷却の必要性を制御に組み込む。
そうすると、例えば、「(コンプレッサ温度−15℃)×67」の式にコンプレッサ温度として30℃を代入すると、−15℃×67は1005(回転)となる。
すなわち、このコンプレッサ温度30度とコンプレッサ回転数1000回転が、この式を導くのである。
なお、1000回転/分は、通常の冷却用の送風ファンが回転を維持できる最低回転数である。したがって、このような駆動可能な回転数の下限が変わると、それに応じて制御上で用いる条件も変化する。
ステップ4で肯定結果を得た場合には、制御部200は、送風ファンの回転数を「コンプレッサ温度−15℃×67」と一致するようにフィードバック制御する。
ステップ4で制御部200が否定結果を得た場合には、送風ファンの回転数を1000回転の定回転として送風するように制御する。
このように、電源がオフされない限り、以上の送風ファンは以上の運転制御が繰り返しなされるようになっている。
この実施形態によれば、中央制御部200がコンプレッサ10の温度の計測結果に基づいて、送風ファンの回転数を決める構成としたから、送風ファンによる冷却が過大になることが無く、過冷却を防止して、過度な体積収縮を招くことが無い。これにより、異音の発生を防止して、摩耗による性能低下を防ぐことができる。
さらに、送風ファンの回転数を低く駆動した場合にも、送風ファンが停止することが無いようにしたので、低回転時においても、不要な窒素を排出することができ、装置の性能低下を防止することができる。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形例を採用することができる。上述の本発明の実施形態では、上記本発明の実施形態に記載された事項は、その一部を省略してもよいし、上記で説明しない他の構成と組み合わせることによっても本発明の範囲を逸脱するものではない。
上述した本発明の実施形態では、送風ファンは2つ設けているが、それ以上の数を設けてもよい。あるいは送風ファンの性能や、装置部品の構成によっては、その位置等が異なる場合に、送風ファンはひとつでもよい。
送風ファンの回転数を決定するに当たり、実施形態の回転数は発明の目的に適合するように適宜変更して良いし、モニタリングの間隔も同様に変更可能である。
温度計測手段は「サーミスタ」に限らず他の温度計測装置を用いることができるのは勿論である。
1・・・酸素濃縮装置、2・・・装置本体、3・・・伸縮ハンドル(ハンドルの例)、4・・・車輪、35・・・サーミスタ、200・・・中央制御装置

Claims (5)

  1. 原料空気を取り込んで、コンプレッサで圧縮し、圧縮空気を吸着剤に供給して酸素を吸着することにより、分離した前記酸素を送り出すとともに、不要な窒素を排出する酸素濃縮装置であって、
    前記コンプレッサを冷却するための送風ファンと、
    前記コンプレッサの温度を計測するコンプレッサ温度の計測部と、
    前記送風ファンの回転数を制御する制御部と
    を有し、
    前記制御部が前記コンプレッサ温度の計測部の計測結果に基づいて、前記送風ファンの回転数を決める構成とした
    ことを特徴とする酸素濃縮装置。
  2. 前記制御部は前記コンプレッサ温度の計測部による計測結果に基づいて、前記コンプレッサの駆動部の動作性能の維持を損なわない範囲で、前記送風ファンの回転を継続する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
  3. 前記制御部は、前記送風ファンを一定回転数によりファン回転の継続維持することを特徴とする請求項2に記載の酸素濃縮装置。
  4. 原料空気を取り込んで、コンプレッサで圧縮し、圧縮空気を吸着剤に供給して酸素を吸着することにより、分離した前記酸素を送り出すとともに、不要な窒素を排出する酸素濃縮装置の前記コンプレッサを冷却するための送風ファンの回転制御方法であって、
    前記送風ファンの制御部は、前記コンプレッサの起動とともに前記送風ファンの制御を開始すると、前記送風ファンの回転を停止しないでコンプレッサ温度の計測部による計測結果に基づいて、前記送風ファンの回転制御を行う
    ことを特徴とする前記送風ファンの制御方法。
  5. 前記送風ファンの制御部が、所定時間ごとに前記コンプレッサ温度の計測部の計測結果をモニタして、当該計測結果による現在温度が前記コンプレッサの駆動性能に与える影響を判断し、判断結果に対応した回転数で前記送風ファンの回転を行うことを特徴とする請求項4に記載の送風ファンの制御方法。
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