JP2016135108A - 刈払機 - Google Patents

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Abstract

【課題】無駄な電力の消費を抑えつつ、負荷の状態(刈り払い対象物の状態)にかかわらず刈り払い作業を適切に行うことが可能な刈払機を提供する。【解決手段】現在設定されている速度モードに対し、上昇条件が成立した場合は、目標回転数が高くなる方向へ速度モードを切り替える。現在設定されている速度モードに対し、下降条件が成立した場合は、目標回転数が低くなる方向へ速度モードを切り替える。上昇条件として、モータに加わる負荷に基づく条件、即ち、モータに加わる負荷が上昇用負荷閾値以上となること、が少なくとも含まれている。下降条件としても、モータに加わる負荷に基づく条件、即ち、モータに加わる負荷が下降用負荷閾値以下となること、が少なくとも含まれている。【選択図】図5

Description

本発明は、刈払機に関する。
電動モータにより回転刃が駆動されるよう構成された刈払機が普及している。特許文献1には、回転刃の目標回転数をユーザがダイヤル操作によって切り替えることが可能な刈払機が開示されている。ユーザは、自らダイヤルを操作することで、草刈り作業時の回転刃の回転数を所望の回転数に調整できる。
特開2014−117267号公報
特許文献1に開示されている刈払機は、ダイヤル操作によって目標回転数を任意に切り替えることができるが、必ずしも、作業状態に応じた適切な目標回転数に設定できるとはいえない。
例えば、省エネのために目標回転数を低めに設定して刈り払い作業を行っている場合、負荷の状態(刈り払い対象物の状態)によっては、作業途中で目標回転数を高めに切り替える必要性が生じる可能性がある。逆に、作業性を考慮して目標回転数を高めに設定して刈り払い作業を行うと、負荷の状態によっては、より低い回転数で十分であるにもかかわらず高い回転数での作業が継続されるという状況が生じる可能性がある。そのような状況においては電力が無駄に消費されることになる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、無駄な電力の消費を抑えつつ、負荷の状態(刈り払い対象物の状態)にかかわらず刈り払い作業を適切に行うことが可能な刈払機を提供することを目的とする。
本発明の1つの局面における刈払機は、操作棹と、操作棹の端部において回転可能に配置される回転刃と、回転刃を駆動する電動モータと、回転刃の回転数を示す物理量を検出する回転検出部と、回転数の目標値を2つ以上の目標回転数の何れかに設定し、回転検出部により検出された物理量に基づいて、回転刃の回転数が、設定されている目標回転数になるように電動モータの回転を制御する制御部と、電動モータに加わる負荷を検出する負荷検出部と、を備える。
また、上記2つ以上の目標回転数のうち最も高い目標回転数を除く他の目標回転数には、負荷検出部により検出される負荷に基づいてその目標回転数をその目標回転数よりも高い目標回転数に切り替えるための上昇用負荷閾値が設定されている。
また、上記2つ以上の目標回転数のうち最も低い目標回転数を除く他の目標回転数には、負荷検出部により検出される負荷に基づいてその目標回転数をその目標回転数よりも低い目標回転数に切り替えるための下降用負荷閾値が設定されている。
そして、制御部は、自動目標切替処理を実行する。この自動目標切替処理は、現在設定されている目標回転数に上昇用負荷閾値が設定されている場合に、負荷検出部により検出された負荷がその上昇用負荷閾値以上となった場合は、現在設定されている目標回転数をより高い目標回転数に切り替え、現在設定されている目標回転数に下降用負荷閾値が設定されている場合に、負荷検出部により検出された負荷がその下降用負荷閾値以下となった場合は、現在設定されている目標回転数をより低い目標回転数に切り替える、という処理である。
このように構成された刈払機によれば、ユーザの操作によらず、モータに加わる負荷に応じて目標回転数が自動的に切り替わる。そのため、無駄な電力の消費を抑えつつ、負荷の状態(刈り払い対象物の状態)に応じた適切な回転数で回転刃を回転させることができ、刈り払い作業を適切に行うことができる。
上記構成の刈払機において、目標回転数は3つ以上用意されていてもよい。3つ以上の目標回転数のうち何れかに切り替わる構成にすることで、電力消費の抑制と作業性向上の両立を良好に実現することが可能となる。
目標回転数が3つ以上用意されている場合は、次のように構成してもよい。即ち、用意されている3つ以上の目標回転数のうち最も高い目標回転数を除く他の各目標回転数に対してそれぞれ設定されている上昇用負荷閾値は、切り替え先の目標回転数が高いほど高い値となるように設定され、用意されている3つ以上の目標回転数のうち最も低い目標回転数を除く他の各目標回転数に対してそれぞれ設定されている下降用負荷閾値は、切り替え先の目標回転数が低いほど低い値となるように設定されている。
このように構成された刈払機によれば、電力消費の抑制と作業性向上の両立をより高いレベルで実現することが可能となる。
上記構成の刈払機において、目標回転数は3つ用意されていてもよい。その場合、制御部は、自動目標切替処理において、負荷検出部により検出される負荷に基づき、回転数の目標値をその3つの目標回転数の何れかに設定するようにしてもよい。
負荷に応じて目標回転数を3種類の何れかに設定することで、負荷に応じた適切な回転数で作業を行うことができる。また、作業時に想定される負荷の変動範囲や使用可能な回転刃の種類・性能などによっては、目標回転数が例えば2種類だと適切な目標回転数で作業できなかったり、逆に例えば目標回転数が4種類以上だと過剰性能になってしまったりする可能性があるが、目標回転数を3種類にすることで、上記例のようなケースに適切に対応することができる。
上記構成の刈払機は、更に、次のように構成してもよい。即ち、上昇用負荷閾値が設定されている目標回転数には、負荷が上昇用負荷閾値以上となっている継続時間を判断するための上昇用時間閾値を設定し、下降用負荷閾値が設定されている目標回転数には、負荷が下降用負荷閾値以下となっている継続時間を判断するための下降用時間閾値を設定する。そして、制御部は、自動目標切替処理において、現在設定されている目標回転数に上昇用負荷閾値及び上昇用時間閾値が設定されている場合に、負荷検出部により検出された負荷がその上昇用負荷閾値以上となっている時間がその上昇用時間閾値以上継続した場合に、現在設定されている目標回転数をより高い目標回転数に切り替える。また、現在設定されている目標回転数に下降用負荷閾値及び下降用時間閾値が設定されている場合に、負荷検出部により検出された負荷がその下降用負荷閾値以下となっている時間がその下降用時間閾値以上継続した場合に、現在設定されている目標回転数をより低い目標回転数に切り替える。
このように構成された刈払機によれば、負荷が負荷閾値以上或いは負荷閾値以下となってもすぐには目標回転数が切り替わらず、その負荷閾値以上或いは負荷閾値以下となっている時間が時間閾値以上継続した場合に目標回転数が切り替わる。そのため、負荷に応じたより適切なタイミングで目標回転数を切り替えることができる。
上記構成の刈払機は、更に、次のように構成してもよい。即ち、下降用時間閾値が設定されている目標回転数を下降元目標とし、その下降元目標からその下降用時間閾値に基づいて切り替えられるその下降元目標よりも低い目標回転数を下降先目標として、下降用時間閾値は、下降先目標に設定されていてその下降先目標から下降元目標への切り替えの際に用いられる上昇用時間閾値よりも、長い時間に設定するようにしてもよい。
負荷が低下したときにすぐに目標回転数が低い方へ切り替わると、作業状態によっては、作業者の作業性や使い勝手を損ねてしまうおそれがある。例えば、刈り払い作業の進行状況によって、負荷が高い状態から一時的に(ごく短時間)低くなって再び高くなることもある。このような場合、作業者としては、負荷が一時的に低くなっても目標回転数は現状のまま維持されることを望むことも予想される。そこで、目標回転数を下降側へ切り替える場合には、逆の上昇側へ切り替える場合よりも長い時間閾値を設定することで、作業性(特に作業中に負荷が一時的に低下するケースにおける作業性)を向上させることができる。
また、上記各構成の刈払機は、次のように構成してもよい。即ち、下降用負荷閾値が設定されている目標回転数を下降元目標とし、その下降元目標からその下降用負荷閾値に基づいて切り替えられるその下降元目標よりも低い目標回転数を下降先目標として、下降用負荷閾値は、下降先目標に設定されていてその下降先目標から下降元目標への切り替えの際に用いられる上昇用負荷閾値よりも、低い値に設定するようにしてもよい。
ある目標回転数に上昇させる際の上昇用負荷閾値と、その目標回転数から元の低い目標回転数に下降させる際の下降用負荷閾値とが同じ値であると、負荷の変動状態によっては、目標回転数の切り替わりが短時間で頻発してしまう可能性がある。そこで、上昇用負荷閾値よりも下降用負荷閾値を低く設定することで、上記問題の発生を抑制することができる。
上記各構成の刈払機は、さらに、設定されている目標回転数を示す情報を報知する目標回転数報知部を備えていてもよい。このような構成の刈払機によれば、設定されている目標回転数を作業者が容易に認識することができる。
上記各構成の刈払機は、さらに、次のような構成であってもよい。即ち、目標回転数の設定入力を受け付ける目標設定入力部を備えている。また、動作モードとして、回転数の目標値が、負荷検出部により検出される負荷にかかわらず目標設定入力部により設定された目標回転数に固定される定回転モードと、自動目標切替処理が行われる自動変速モードと、を有する。また、動作モードを定回転モード及び自動変速モードの何れかに設定するための設定入力を受け付ける動作モード設定入力部を備える。そして、制御部は、動作モード設定入力部によって動作モードが定回転モードに設定されている場合は、自動目標切替処理を実行せず、回転数が目標設定入力部により設定された目標回転数になるように電動モータの回転を制御する。一方、動作モード設定入力部によって動作モードが自動変速モードに設定されている場合は、自動目標切替処理を実行する。
このように構成された刈払機によれば、作業者は、目標回転数が負荷に応じて自動的に切り替わるようにするか、それとも自身で所望の目標回転数に設定(固定)して作業を行うか、を選択することができる。
上記構成の刈払機は、さらに、設定されている動作モードを示す情報を報知する動作モード報知部を備えていてもよい。このような構成の刈払機によれば、作業者は、設定されている動作モードを容易に認識することができる。
上記各構成の刈払機は、更に、次のように構成してもよい。即ち、複数種類の回転刃を選択的に着脱可能に構成されている。そして、その複数種類の回転刃として、少なくとも、円板状に形成されていて外周に鋸歯が形成された構成の回転刃と、紐状の部材を有し、電動モータの回転によりその紐状の部材が伸びた状態で回転してその回転中の紐状の部材を刈り取り対象物に当接させることでその刈り取り対象物を刈り取ることができるように構成された回転刃と、が含まれる。
上記構成の刈払機によれば、刈り取り対象物の種類や規模などに応じた適切な回転刃を選択して作業することができる。
また、上記各構成の刈払機は、繰り返し充電可能なバッテリを着脱可能に構成され、バッテリが装着されているときにそのバッテリの電力によって電動モータが動作できるように構成されていてもよい。このような構成によれば、バッテリ電力の無駄な消費を抑えつつ、刈り払い作業を適切に行うことができる。
実施形態の草刈機の斜視図である。 草刈機の前端部の断面図である。 操作・表示ユニットの拡大平面図である。 草刈機の電気的構成を示すブロック図である。 自動変速モード時に生じうる速度モードの切り替わりパターンを説明するための説明図である。 自動変速モード時の草刈機1の動作例を示す説明図である。 メイン処理の一部を示すフローチャートである。 メイン処理の一部(図7の続き)を示すフローチャートである。 ナイロンコードカッターが装着された草刈機を示す斜視図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
(1)草刈機1の構成
図1に示すように、本実施形態の草刈機1は、メインパイプ2と、制御ユニット3と、駆動ユニット4と、ハンドル7とを備えている。メインパイプ2は、長尺かつ中空の棒状に形成されている。メインパイプ2の後端側に制御ユニット3が設けられ、メインパイプ2の前端側に駆動ユニット4が設けられている。
駆動ユニット4には、回転刃5が、着脱可能且つ回転可能に取り付けられている。回転刃5は、草や小径木などの刈り取り対象物(以下「草等」ともいう)を刈り取るための作業要素である。図1に示す回転刃5は、いわゆるチップソーである。即ち、回転刃5は、金属製であって、円板状の形状をなし、外周全体に渡って鋸刃状の歯が形成されている。各歯の先端には、硬質のチップが取り付けられている。
メインパイプ2の前端側には、カバー6が設けられている。このカバー6は、回転刃5により刈り取られた草等が作業者(草刈機1の使用者)に飛んでくることを抑止するために設けられている。
駆動ユニット4の内部には、図2に示すように、回転刃5を回転駆動させるための駆動源である電動モータ(以下「モータ」と略称する)31が搭載されている。モータ31の回転軸41の先端には駆動ギア42が設けられており、回転軸41の回転と共に回転する。この駆動ギア42には、従動ギア43が噛み合っている。この従動ギア43は、出力軸44の一端に設けられている。出力軸44の他端には、回転刃5が着脱可能に装着される。モータ31が回転(詳しくはその回転軸41が回転)すると、その回転が駆動ギア42、従動ギア43を介して出力軸44に伝達される。そして、出力軸44が、これに装着されている回転刃5と一体的に回転する。
回転刃5がモータ31によって回転駆動されているときに、回転刃5の外周部分を草等に当接させることで、草等を切断することができ、草等の刈り取り作業を行うことができる。
なお、本実施形態のモータ31は、ブラシレスモータである。また、モータ31の後端側には、センサ基板45が設けられている。このセンサ基板45には、モータ31の回転角を検出するための角度センサ36が取り付けられている。角度センサ36は、本実施形態ではホール素子を用いた既知のホールセンサである。角度センサ36から出力される、モータ31の回転角を表す信号(角度検出信号)は、制御ユニット3内の制御部32(図4参照)へ入力される。
ハンドル7は、メインパイプ2の長さ方向における中間位置近傍でメインパイプ2に接続されている。ハンドル7は、作業者が草刈機1を用いて作業を行う際に、作業者によって把持される。ハンドル7は、本実施形態ではループハンドルであるが、これはあくまでも一例であり、他のタイプのハンドルであってもよい。例えば、U字ハンドル、2グリップハンドル、後端ハンドルなどを採用してもよい。
メインパイプ2における、ハンドル7が接続されている位置よりも後端側には、操作・表示ユニット8が設けられている。メインパイプ2における、操作・表示ユニット8が設けられている位置よりも後端側には、ロックオフスイッチ9と操作スイッチ10が設けられている。
操作スイッチ10は、回転刃5の回転又は停止を指示するために作業者により操作されるスイッチである。後述する電源スイッチ21(図3参照)がオンされて草刈機1が起動(詳しくは後述する制御部32(図4参照)が起動)した状態で、作業者が操作スイッチ10を引き操作することによってこの操作スイッチ10をオンすると、モータ31への通電が行われ、モータ31が回転(ひいては回転刃5が回転)する。
ロックオフスイッチ9は、操作スイッチ10のオン操作を機械的にロックするためのスイッチである。ロックオフスイッチ9が押されていない状態では、ロックオフスイッチ9が操作スイッチ10に機械的に係合した状態となって操作スイッチ10の動きが規制され、操作スイッチ10を操作することができない。操作スイッチ10をオンさせるたにはロックオフスイッチ9をオンさせた状態で操作スイッチ10を操作する必要がある。
メインパイプ2の後端側に設けられている制御ユニット3は、ハウジング11と、バッテリパック12とを備えている。バッテリパック12は、ハウジング11に対してその後端部において着脱可能に構成されている。
バッテリパック12には、バッテリ34が内蔵されている。バッテリ34は、ハウジング11内の各部及びモータ31へ電力を供給するための、繰り返し充電可能な電源である。本実施形態のバッテリ34はリチウムイオン2次電池により構成されているが、これはあくまでも一例である。また、バッテリ34の定格電圧は、本実施形態では例えば18Vであるが、これもあくまでも一例である。
操作・表示ユニット8には、複数のスイッチや表示部が設けられている。具体的に、操作・表示ユニット8には、図3に示すように、電源スイッチ21と、モード切替スイッチ22と、回転数表示部23と、状態表示灯24とが設けられている。回転数表示部23は、低速表示灯26、中速表示灯27、及び高速表示灯28を備えている。
なお、低速表示灯26、中速表示灯27、高速表示灯28、及び状態表示灯24は、本実施形態ではいずれもLEDである。ただし、LED以外の他の表示手段を用いてもよい。
電源スイッチ21は、草刈機1を使用可能な状態にするためのスイッチである。作業者が電源スイッチ21をオンすると、草刈機1が起動する。具体的には、ハウジング11内の制御部32(図4参照)が起動する。そして、制御部32の起動後、作業者が操作スイッチ10をオンすると、回転刃5が回転して草等の刈り取り作業が可能となる。電源スイッチ21をオフすると、制御部32の動作が停止し、草刈機1を作動させることができない状態となる。
なお、本実施形態では、電源スイッチ21の操作方法が2種類ある。1つは長押しであり、もう1つは短押しである。長押しは、電源スイッチ21を押下した状態を所定時間(例えば2秒)維持させる操作であり、短押しは、電源スイッチ21を上記所定時間未満の時間押下する操作である。本実施形態において、電源スイッチ21について「オン」,「オフ」と言うときは、いずれも長押しを意味するものとし、短押しと区別する。つまり、電源スイッチ21をオン(長押し)することで制御部32を起動させることができ、起動している状態で電源スイッチ21をオン(長押し)することで制御部32の動作を停止させることができる。
電源スイッチ21は、上述したような制御部32を起動、停止させる機能を有する他、後述する速度モードを切り替える機能も有しており、速度モードの切り替えは電源スイッチ21の短押し操作に従って行われる。
モード切替スイッチ22は、草刈機1の動作モードを定回転モード及び自動変速モードの何れかに設定するために作業者により操作されるスイッチである。
ここで、動作モード及び速度モードについて説明する。本実施形態の草刈機1では、回転刃5の回転数が予め設定された目標回転数に一致するようにモータ31が制御される。つまり、本実施形態の草刈機1では、モータ31の制御方法として、回転数フィードバック制御が採用されている。
なお、モータ31を制御するにあたり、回転刃5の回転数に対して目標回転数を設定することは必須ではない。例えば、モータ31の回転数に対して目標回転数を設定してもよい。回転刃5の回転数を直接又は間接的に表す物理量である限り、どの物理量に対して目標値を設定するかについては適宜決めることができる。つまり、結果として回転刃5の回転数を所望の回転数(目標回転数)になるように制御できる限り、直接的にどの物理量を検出してその物理量に対してどのような目標値を設定するかについては適宜決めることができる。
目標回転数は、速度モードに応じて切り替わる。本実施形態では、速度モードとして、低速モード、中速モード、及び高速モードの3種類が用意されており、何れかの速度モードに設定して動作させることができる。速度モードとして用意されている3種類の各モードそれぞれに目標回転数が設定されており、低速モードでの目標回転数が最も低く、高速モードでの目標回転数が最も高い。具体的に、本実施形態では、低速モードの目標回転数が3500rpmに設定され、中速モードの目標回転数が4500rpmに設定され、高速モードの目標回転数が6000rpmに設定されている。
なお、本実施形態における低速モード時の目標回転数は、無負荷時を想定して設定されているわけではない。低速モード時の目標回転数は、例えばごく少量の草等ならば刈り払うことができるなど、負荷がある一定レベル以下であれば作業を行うことができる程度の回転数に設定されている。
また、各速度モードの目標回転数を具体的にどのように設定するかについては適宜決めることができ、上述した目標回転数の数値例はあくまでも一例である。ただし、上記例のように、目標回転数が最も低い速度モードについては、最小限の作業を行えることができる程度の目標回転数に設定すると、作業性の面で便利である。例えば、必要最小限の作業を行えるようにするためには目標回転数が3000rpm以上であることが好ましい場合には、低速モード時の目標回転数を例えば上記例のように3000rpmに設定してもよい。
草刈機1においては、動作モードとして、定回転モードと自動変速モードの二種類が用意されている。定回転モードは、作業者が自ら速度モードを所望のモードに固定して作業することができる動作モードである。自動変速モードは、速度モードが負荷に応じて自動的に切り替わる動作モードである。
制御部32の起動時には、初期設定として、動作モードは定回転モードに設定され、速度モードは高速モードに設定される。なお、初期設定(起動時の各モードの設定値)をどのようにするかについては適宜決めることができる。
動作モードが定回転モードに設定されている間は、作業者は、電源スイッチ21を短押しすることで、速度モードを切り替えることができる。具体的に、電源スイッチ21を短押しする毎に、速度モードが、高速モード→低速モード→中速モード→高速モード→低速モード→・・・の順で切り替わる。なお、この切り替わり順序はあくまでも一例である。
作業者は、モード切替スイッチ22を操作することで、動作モードを、定回転モード及び自動変速モードの何れかに設定することができる。具体的に、モード切替スイッチ22が長押しされる毎に、動作モードが交互に切り替わる。
動作モードが自動変速モードから定回転モードに切り替わった場合、速度モードは、初期設定値である高速モードに設定される。ただしこれもあくまでも一例であり、例えば、前回定回転モードに設定されていたときの最後の(自動変速モードに切り替わる直前の)速度モードに設定されるようにしてもよい。
動作モードが定回転モードから自動変速モードに切り替わった場合、速度モードは、目標回転数が最も低い定回転モードに設定される。そして、操作スイッチ10がオンされてモータ31が回転している間は、モータ31に加わる負荷に応じた適切な速度モードに自動的に切り替わる。
回転数表示部23は、設定されている動作モード及び速度モードを作業者に報知するために設けられている。動作モードが定回転モードに設定されている場合は、3つの表示灯26〜28が、設定されている速度モードに応じた点灯パターンで点灯する。具体的に、速度モードが低速モードに設定されている場合は、低速表示灯26が点灯する。速度モードが中速モードに設定されている場合は、低速表示灯26及び中速表示灯27が点灯する。速度モードが高速モードに設定されている場合は、低速表示灯26、中速表示灯27、及び高速表示灯28が点灯する。なお、定回転モード時における上記点灯パターンはあくまでも一例であり、他の点灯パターンであってもよい。
動作モードが自動変速モードに設定されている場合は、操作スイッチ10がオンされているか否か(即ちモータ31が通電駆動されているか否か)によって点灯パターンが異なる。操作スイッチ10がオフされている間は、動作モードが自動変速モードに設定されていることを示す点灯パターンで各表示灯26〜28が点灯する。例えば、3つの表示灯26〜281つずつ順に所定周期(例えば0.5秒周期)で点灯していく、という点灯パターンが考えられる。一方、操作スイッチ10がオンされると、設定されている速度モードに応じた点灯パターン(即ち動作モードが定回転モードに設定されているときの点灯パターン)で点灯される。
状態表示灯24は、草刈機1の動作状態に応じて点灯される。状態表示灯24の点灯タイミングや点灯パターンなどについては説明を省略する。
(2)草刈機1の電気的構成
次に、草刈機1の電気的構成について、図4のブロック図を用いて具体的に説明する。図4に示すように、草刈機1は、制御部32と、インバータ33と、電源回路35とを備えている。制御ユニット3にバッテリパック12が装着されると、バッテリパック12内のバッテリ34のバッテリ電圧が、電源回路35及びインバータ33に入力される。
制御部32には、操作・表示ユニット8に設けられている操作スイッチ10、電源スイッチ21、モード切替スイッチ22、回転数表示部23、及び状態表示灯24が電気的に接続されている。操作スイッチ10、電源スイッチ21、及びモード切替スイッチ22からは、それぞれ、操作状態を示す信号が制御部32に入力される。回転数表示部23及び状態表示灯24は制御部32により制御される。
制御部32は、操作スイッチ10から入力される信号に基づいて、操作スイッチ10のオン、オフ状態を判断し、そのオン、オフ状態に応じた制御を行う。また、制御部32は、電源スイッチ21から入力される信号に基づいて、電源スイッチ21の操作状態(長押し又は短押しの有無)を判断し、その操作状態に応じた制御を行う。例えば、電源スイッチ21が長押しされていると判断した場合は、自身を起動又は停止させる。なお、制御部32は、自身の動作を停止させた場合も、少なくとも電源スイッチ21の操作状態は検出できるように構成されている。また、動作モードが定回転モードに設定されている場合は、電源スイッチ21が短押しされる毎に速度モードを順次切り替える。
また、制御部32は、モード切替スイッチ22から入力される信号に基づいて、モード切替スイッチ22の操作状態(長押しの有無)を判断し、その操作状態に応じた制御を行う。具体的には、モード切替スイッチ22が長押しされる毎に、動作モードを切り替える。
また、制御部32には、駆動ユニット4に設けられている角度センサ36が電気的に接続されている。角度センサ36からは、モータ31の回転角を示す信号が制御部32に入力される。制御部32は、角度センサ36から入力される信号に基づいて、モータ31の回転位置を検出し、その検出した回転位置の変化に基づいてモータ31の回転数を検出する。なお、モータ31の回転数と回転刃5の回転数は比例関係にあるため、モータ31の回転数を検出するということは、間接的には回転刃5の回転数を検出することであるとも言える。
制御部32は、本実施形態では、CPU、メモリ、タイマ、A/D変換器などを備えたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部32内のメモリには、モータ31や回転数表示部23、状態表示灯24などを制御するための各種プログラムやデータなどが記憶されている。メモリに記憶されている各種プログラムには、図7,図8に示すメイン処理のプログラムも含まれる。制御部32内のCPUは、メモリに記憶されている各種プログラムやデータに基づいて各種処理を実行することで、各種機能を実現する。
電源回路35は、バッテリ34からバッテリ電圧が入力されている間、そのバッテリ電圧を降圧して直流の所定電圧値(例えば5V)の制御電源電圧を生成する。電源回路35で生成された制御電源電圧は、制御部32を含む各部の動作用電源として用いられる。
制御部32は、電源スイッチ21がオンされることにより起動した後、操作スイッチ10がオンされると、モータ31を回転させるための通電電流のデューティ比である制御デューティ比を演算して、その制御デューティ比を示す制御信号をインバータ33へ出力する。
インバータ33は、例えば、6つの半導体スイッチング素子を用いた三相ブリッジ回路を備えている。インバータ33は、制御部32から入力される制御信号が示す制御デューティ比に従って三相ブリッジ回路の各スイッチング素子をスイッチング動作させることで、制御デューティ比に応じた電流(本実施形態では三相交流電流)をモータ31へ供給する。
バッテリ34からモータ31への通電経路には、モータ31に流れる電流(以下「負荷電流I」という)を検出するための電流検出抵抗37が設けられている。電流検出抵抗37の両端の電圧は、アンプ38によって増幅され、その増幅された電圧が、負荷電流Iを表す電流検出信号として制御部32に入力される。
制御部32は、アンプ38から入力される電流検出信号をAD変換することで負荷電流Iの値を取得する。制御部32は、取得した負荷電流Iを、後述するメイン処理で用いる。なお、負荷電流Iの値は、モータ31にかかる負荷に依存する。即ち、草刈機1を用いて草等の刈り取り作業を行っている間、刈り取り対象の草等の状況に応じて、モータ31に加わる負荷(詳しくは、草等の外部の要素から回転刃5を介してモータ31に加わる、モータ31の回転方向の負荷)は変化する。負荷の変化は、モータ31の負荷電流Iの変化となって現れる。そのため、負荷電流Iを検出するということは、負荷の大きさを検出するということと等価である。
制御部32は、動作モードが自動変速モードに設定されている場合は、モータ31に加わる負荷に応じて速度モードを自動的に切り替える。これを実現するためには、制御部32は負荷の大きさを知る必要があるが、本実施形態では、負荷電流Iの値を取得することで、モータ31の負荷を間接的に検出している。
(3)自動変速制御の説明
次に、動作モードが自動変速モードに設定されている間に制御部32により実行される自動変速制御について説明する。動作モードが自動変速モードに設定されている場合、速度モードが負荷に応じて自動的に切り替わる。
本実施形態では、速度モードを自動的に切り替えるための速度モード切替条件として、上昇条件A、上昇条件B、下降条件A、及び下降条件Bが予め設定されている。
上昇条件Aは、図5に示すように、速度モードを低速モードから中速モードに切り替えるための条件である。上昇条件Aとして、具体的には、上昇電流閾値A、上昇確定時間A、及びマスク時間Aが設定されている。
そして、上昇条件Aを満たすとは、負荷電流Iが上昇電流閾値A以上となっている状態が上昇確定時間A以上継続すること、である。速度モードが低速モードに設定されている場合に、上昇条件Aを満たした場合は、速度モードが低速モードから中速モードに自動的に切り替わる。
なお、モータ31の始動直後は、過渡的に過大な突入電流が流れる。その突入電流に対して上昇条件Aの成否判定を行うと、モータ31の負荷が実際には小さいにもかかわらず大きな負荷がかかっていると判断して上昇条件Aを満たしていると誤判定してしまうおそれがある。そこで、上昇条件Aとしてマスク時間Aを設定し、モータ31の始動後、マスク時間Aが経過するまでは、負荷電流Iに基づく上昇条件Aの成否判定を行わないようにしている。
上昇電流閾値A、上昇確定時間A、及びマスク時間Aは、それぞれ適宜設定することができるが、本実施形態では、例えば、上昇電流閾値A(IuA)が3.3A、上昇確定時間A(TuA)が50ms、マスク時間A(TmA)が2000msに設定されている。
上昇条件Bは、図5に示すように、速度モードを中速モードから高速モードに切り替えるための条件である。上昇条件Bとして、具体的には、上昇電流閾値B、上昇確定時間B、及びマスク時間Bが設定されている。上昇電流閾値Bは、上昇条件Aにおける上昇電流閾値Aよりも大きい値である。
そして、上昇条件Bを満たすとは、負荷電流Iが上昇電流閾値B以上となっている状態が上昇確定時間B以上継続すること、である。速度モードが中速モードに設定されている場合に、上昇条件Bを満たした場合は、速度モードが中速モードから高速モードに自動的に切り替わる。
なお、モータ31の目標回転数が上昇方向に切り替わった直後は、始動時と同様、過渡的に過大な突入電流が流れる。そのため、上昇条件Bにおいても、マスク時間Bが設定されており、速度モードが中速モードから高速モードに切り替わった後、マスク時間Bが経過するまでは、負荷電流Iに基づく上昇条件Bの成否判定を行わないようにしている。
上昇電流閾値B、上昇確定時間B、及びマスク時間Bは、それぞれ適宜設定することができるが、本実施形態では、例えば、上昇電流閾値B(IuB)が8A、上昇確定時間B(TuB)が100ms、マスク時間B(TmB)が1000msに設定されている。
下降条件Bは、図5に示すように、速度モードを高速モードから中速モードに切り替えるための条件である。下降条件Bとして、具体的には、下降電流閾値B及び下降確定時間Bが設定されている。下降電流閾値Bは、上昇条件Bにおける上昇電流閾値Bよりも低い値である。また、下降確定時間Bは、上昇条件Bにおける上昇確定時間Bよりも長い時間である。
そして、下降条件Bを満たすとは、負荷電流Iが下降電流閾値B以下となっている状態が下降確定時間B以上継続すること、である。速度モードが高速モードに設定されている場合に、下降条件Bを満たした場合は、速度モードが高速モードから中速モードに自動的に切り替わる。
下降電流閾値B及び下降確定時間Bは、それぞれ適宜設定することができるが、本実施形態では、例えば、下降電流閾値B(IdB)が6A、下降確定時間B(TdB)が2000msに設定されている。
下降条件Aは、図5に示すように、速度モードを中速モードから低速モードに切り替えるための条件である。下降条件Aとして、具体的には、下降電流閾値A及び下降確定時間Aが設定されている。下降電流閾値Aは、下降電流閾値Bより低く、且つ、上昇条件Aにおける上昇電流閾値Aよりも低い値である。また、下降確定時間Aは、上昇条件Aにおける上昇確定時間Aよりも長い時間である。
そして、下降条件Aを満たすとは、負荷電流Iが下降電流閾値A以下となっている状態が下降確定時間A以上継続すること、である。速度モードが中速モードに設定されている場合に、下降条件Aを満たした場合は、速度モードが中速モードから低速モードに自動的に切り替わる。
下降電流閾値A及び下降確定時間Aは、それぞれ適宜設定することができるが、本実施形態では、例えば、下降電流閾値A(IdA)が2.8A、下降確定時間A(TdA)が2000msに設定されている。
ここで、低速モードと中速モードの間の切り替えにおいて、下降側に切り替える際に用いられる下降確定時間Aは、上昇側に切り替える際に用いられる上昇確定時間Aよりも長い時間に設定されている。中速モードと高速モードの間の切り替えにおいても、下降側に切り替える際に用いられる下降確定時間Bは、上昇側に切り替える際に用いられる上昇確定時間Bよりも長い時間に設定されている。
このように上昇確定時間よりも下降確定時間を長く設定しているのには、次のような理由がある。即ち、刈り払い作業時は、負荷が一時的に低下して再び増加するような負荷変動が発生することが比較的多い。例えば、作業者自らの意思で回転刃5を草等から一旦離してまた接触させるケースもあれば、刈り取り作業の進行状態に応じて急に負荷が軽くなったかと思えばまたすぐ重くなるということも不規則的に発生する。作業中、このような一時的な負荷低下が発生する度に速度モードが自動的に下降側に切り替わってしまうと、作業性、使い勝手が悪くなる。そこで、本実施形態の草刈機1は、下降確定時間を上昇確定時間よりも長めに設定することで、作業者の意図に反して速度モードが下降側に切り替わることを抑制するようにしている。
図6に、動作モードが自動変速モードに設定されている場合における、操作スイッチ10がオンされた場合の動作例を示す。図6において、上段は回転刃5の実際の回転数と目標回転数を示し、下段は負荷電流Iを示している。
図6に例示するように、自動変速モード時の初期状態での速度モードは低速モードである。操作スイッチ10がオンされると、モータ31は始動し、低速モードで制御される。即ち、目標回転数が低速モードに対応した回転数(本実施形態では3000rpm)に設定され、回転刃5の実際の回転数が目標回転数に一致するように制御される。
始動直後は、図6に示すように、過大な突入電流が流れるが、始動後、マスク時間A(TmA)が経過するまでは、負荷電流Iに基づく上昇条件Aの成否判定は行われない。マスク時間A(TmA)経過後、負荷が上昇して負荷電流Iが上昇電流閾値A(IuA)以上となり、その状態が上昇確定時間A(TuA)経過すると、上昇条件Aが成立し、速度モードが低速モードから中速モードに切り替わる。即ち、目標回転数が3000rpmから4500rpmに切り替わる。
速度モードが低速モードから中速モードに切り替わった直後は、図6に示すように、過大な突入電流が流れるが、中速モードへの切り替わり後、マスク時間B(TmB)が経過するまでは、負荷電流Iに基づく上昇条件Bの成否判定は行われない。マスク時間B(TmB)経過後、負荷がさらに上昇して負荷電流Iが上昇電流閾値B(IuB)以上となり、その状態が上昇確定時間B(TuB)経過すると、上昇条件Bが成立し、速度モードが中速モードから高速モードに切り替わる。即ち、目標回転数が4500rpmから6000rpmに切り替わる。
速度モードが中速モードから高速モードに切り替わった後、負荷が低下して負荷電流Iが下降電流閾値B(IdB)以下となり、その状態が下降確定時間B(TdB)経過すると、下降条件Bが成立し、速度モードが高速モードから中速モードに切り替わる。即ち、目標回転数が6000rpmから4500rpmに切り替わる。
速度モードが高速モードから中速モードに切り替わった後、負荷がさらに低下して負荷電流Iが下降電流閾値A(IdA)以下となり、その状態が下降確定時間A(TdA)経過すると、下降条件Aが成立し、速度モードが中速モードから低速モードに切り替わる。即ち、目標回転数が4500rpmから3000rpmに切り替わる。
(4)メイン処理
上述した自動変速制御を実現するために制御部32が実行するメイン処理について、図7〜図8を用いて説明する。制御部32は、電源スイッチ21がオンされることによって起動すると、図7〜図8に示すメイン処理を実行する。
制御部32は、メイン処理を開始すると、S110で、動作モードの設定状態を判定する。なお、本実施形態では、起動直後は、初期設定として動作モードが定回転モードに設定され、速度モードが低速モードに設定されている。
動作モードが定回転モードに設定されている場合は、S120に進む。S120では、設定されている速度モードに応じて回転数表示部23を点灯させる。例えば定回転モード且つ中速モードの場合は、低速表示灯26及び中速表示灯27を点灯させる。
S130では、操作スイッチ10がオンされているか否か判断する。操作スイッチ10がオフされている場合は(S130:NO)、S110に戻る。操作スイッチ10がオンされている場合は(S130:YES)、S140で、回転刃5の回転数が、設定されている速度モードに対応した目標回転数となるように、モータ31の回転を制御する。S140の処理後はS120に戻る。
S110で、動作モードが自動変速モードに設定されている場合は、S150に進む。S150では、自動変速モードを示す点灯パターンで回転数表示部23を点灯させる。S160では、操作スイッチ10がオンされているか否か判断する。操作スイッチ10がオフされている場合は(S160:NO)、S110に戻る。操作スイッチ10がオンされている場合は(S160:YES)、S170で、速度モードを低速モードに設定する。つまり、自動変速モードにおけるモータ始動時は速度モードを低速モードに設定する。
S180では、設定されている速度モード(ここでは低速モード)に応じて回転数表示部23を点灯させる。S190では、回転刃5の回転数が、設定されている速度モードに対応した目標回転数となるように、モータ31の回転を制御する。S200では、操作スイッチ10がオンされた後の経過時間であるオン後経過時間の計時を開始する。
S210では、オン後経過時間に基づき、操作スイッチ10がオンされてからマスク時間Aが経過したか否か判断する。まだマスク時間Aが経過していない場合は(S210:NO)、S160に戻る。マスク時間Aが経過した場合は(S210:YES)、オン後経過時間の計時を停止し且つその計時値をリセットして、S220に進む。S220以下の処理は、図8に示す通りである。
S220では、現在設定されている速度モードから他の速度モードへの切替条件が成立しているか否か判断する。例えば速度モードが低速モードに設定されている場合には、負荷電流Iに基づき,上昇条件Aが成立しているか否か判断する。また例えば、速度モードが中速モードに設定されている場合には、負荷電流Iに基づき,上昇条件B又は下降条件Aが成立しているか否か判断する。また例えば、速度モードが高速モードに設定されている場合には、負荷電流Iに基づき,下降条件Bが成立しているか否か判断する。
現在設定されている速度モードから他の速度モードへの切替条件が成立していない場合は(S220:NO)、S230に進む。S230では、回転刃5の回転数が、設定されている速度モードに対応した目標回転数となるように、モータ31の回転を制御する。S240では、操作スイッチ10がオンされているか否か判断する。操作スイッチ10がオンされている場合は(S240:YES)、S220に戻る。操作スイッチ10がオフされている場合は(S240:NO)、S110(図7)に戻る。
S220で、現在設定されている速度モードから他の速度モードへの切替条件が成立した場合は(S220:YES)、S250に進む。S250では、成立した速度モード切替条件に応じて速度モードを切り替える。例えば、中速モードに設定されている場合に上昇条件Bが成立した場合は、速度モードを高速モードに切り替える。また例えば、中速モードに設定されている場合に下降条件Aが成立した場合は、速度モードを低速モードに切り替える。
S260では、設定されている速度モード(ここでは低速モード)に応じて回転数表示部23を点灯させる。S270では、S250での速度モードの切り替えが上昇側の切り替えであったか否か、即ち目標回転数が高くなる方向の切り替えであったか否か判断する。上昇側の切り替えではなかった場合(つまり下降側の切り替え)であった場合は(S270:NO)、S230に進む。上昇側の切り替えであった場合は(S270:YES)、S280に進む。
S280では、速度モードを切り替えた後の経過時間である切替後経過時間の計時を開始する。S290では、回転刃5の回転数が、設定されている速度モードに対応した目標回転数となるように、モータ31の回転を制御する。
S300では、切替後経過時間に基づき、速度モードが切り替わってからマスク時間Bが経過したか否か判断する。まだマスク時間Bが経過していない場合は(S300:NO)、S310で、操作スイッチ10がオンされているか否か判断する。操作スイッチ10がオンされている場合は(S310:YES)、S290に戻る。操作スイッチ10がオフされている場合は(S310:NO)、S110(図7)に戻る。S300で、速度モードが切り替わってからマスク時間Bが経過した場合は(S300:YES)、切替後経過時間の計時を停止し且つその計時値をリセットして、S220に戻る。なお、図7,図7では図示を省略したが、操作スイッチ10がオンされてモータ31の通電駆動が開始された後、操作スイッチ10がオフされた場合は、モータ31への通電を停止してモータ31の回転を停止させる。
(5)回転刃5のバリエーション
本実施形態の草刈機1においては、チップソーとして構成された回転刃5に代えて、他の各種の回転刃を駆動ユニット4に装着して使用することができる。駆動ユニット4に装着可能な回転刃の種類の1つとして、ナイロンコードカッターがある。図9に、回転刃としてナイロンコードカッター51が装着された状態の草刈機1を示す。
ナイロンコードカッター51は、略円筒状のスプール52と、このスプール52に収容されたナイロンコード53とを備える。ナイロンコードカッター51を駆動ユニット4の出力軸44(図2参照)に装着すると、ナイロンコードカッター51は、図1に示した回転刃5と同様、モータ31の回転駆動力によって回転可能となる。
ナイロンコードカッター51を構成するスプール52の側面2箇所には、ナイロンコード53を引き出すための穴が形成されており、この2箇所の穴からナイロンコード53が引き出されている。なお、図9では、スプール52の2箇所の穴のうち一方から引き出されているナイロンコード53が図示されている。ナイロンコードカッター51が回転している状態で、スプール52から引き出されているナイロンコード53を草等に当接させることで、そのナイロンコード53により草等を刈り取ることができる。
なお、ナイロンコードカッターによる作業性とチップソーによる作業性とを比較すると、同じ回転数においてはチップソーの方がナイロンコードカッターよりも作業性がよい(つまり刈り払い易い)。例えば、ナイロンコードカッターの場合、速度モードが低速モード(目標回転数3000rpm)だと十分な刈り払い性能が得られない可能性があるが、チップソーであれば低速モードでも相対的に十分な刈り払い性能を得ることができる。
(6)実施形態の効果
以上説明した本実施形態の草刈機1によれば、動作モードを自動変速モードに設定すると、作業者の操作によらず、モータ31に加わる負荷に応じて速度モードが自動的に切り替わる。そのため、無駄な電力の消費を抑えつつ、負荷の状態(刈り払い対象物の状態)に応じた適切な回転数で回転刃5を回転させることができ、刈り払い作業を適切に行うことができる。特に、本実施形態の草刈機1は、バッテリ34の電力により動作するよう構成されているため、バッテリ34の放電量を抑えることができるという点でより効果的である。
また、本実施形態では、速度モードとして、低速モード、中速モード及び高速モードの3種類が用意されている。仮に速度モードが2種類だと、負荷によっては適切な作業ができない可能性がある。逆に速度モードが4種類以上だと、制御部32の処理負荷が増大して他の処理に影響を及ぼしたり電力消費量が増大する可能性がある。そのため、3種類という速度モードの種類は、制御部32の処理負荷と作業性とのバランスを最も適切にとることができる種類の1つであるといえる。
また、本実施形態では、自動変速モード時において、単に負荷電流Iと電流閾値との大小比較結果だけで速度モードの切り替えの要否を判定していない。本実施形態では、負荷電流が上昇電流閾値以上の状態が上昇確定時間以上継続した場合に、速度モードの切替条件(上昇側への切り替えの条件)が成立したと判定するようにしている。また、負荷電流が下降電流閾値以下の状態が下降確定時間以上継続した場合に、速度モードの切替条件(下降側への切り替えの条件)が成立したと判定するようにしている。そのため、負荷に応じたより適切なタイミングで速度モードを切り替えることができる。
ここで、低速モードと中速モードの間の切り替えにおいて、下降側に切り替える際に用いられる下降確定時間Aは、上昇側に切り替える際に用いられる上昇確定時間Aよりも長い時間に設定されている。中速モードと高速モードの間の切り替えにおいても、下降側に切り替える際に用いられる下降確定時間Bは、上昇側に切り替える際に用いられる上昇確定時間Bよりも長い時間に設定されている。このように、2つの速度モード間において一方から他方への上昇確定時間よりも他方から一方への下降確定時間を長く設定することで、作業者の意図に反して速度モードが下降側に切り替わることを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、電流閾値についても、上昇側への切り替わり時と下降側への切り替わり時とで同じ値の電流閾値を用いず、いわゆるヒステリシスを設けている。そのため、負荷の変動状態に起因して速度モードの切り替わりが短時間で頻発してしまうことを抑制することができる。ただし、電流閾値について上記のようにヒステリシスを設けることは必須ではない。
また、動作モードが定回転モードに設定されている場合は、回転数表示部23が、現在設定されている速度モードに応じた点灯パターンで点灯する。一方、動作モードが自動変速モードに設定されている場合は、操作スイッチ10がオフされている間は動作モードが自動変速モードであることを示す点灯パターンで回転数表示部23が点灯し、操作スイッチ10がオンされている間は速度モードに応じた点灯パターンで点灯する。つまり、3つの表示灯26,27,28を有する回転数表示部23によって、草刈機1における様々なモードの設定状態を確認することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
(1)モータ31に加わる負荷を、モータ31に流れる電流(負荷電流I)に基づいて検出することは、必須ではない。負荷電流Iに基づく検出方法以外の他の方法によって、モータ31に加わる負荷を検出するようにしてもよい。
(2)動作モードの切り替えや速度モードの切り替えを押しボタン式のスイッチ(電源スイッチ21、モード切替スイッチ22)で行えるようにすることは必須ではない。押しボタン式のスイッチ以外の他の入力手段を用いてこれらモードの切り替えを行えるようにしてもよい。例えば、ダイヤル式のスイッチを用いてモード切り替えを行えるようにしてもよい。
(3)自動変速モード時に、速度モードの上限を作業者が任意に設定できるようにしてもよい。例えば、速度モードの上限を中速モードに設定することで、速度モードが低速モード又は中速モードの何れかに切り替わるようにして高速モードには切り替わらないようにすることができる。
また、自動変速モード時に、目標回転数を作業者が任意に設定できるようにして、その設定された目標回転数を最大値として、目標回転数が負荷に応じて複数段階に切り替わるようにしてもよい。例えば、自動変速モード時においても、目標回転数の最大値自体は、3000rpm、4500rpm、6000rpmの中から作業者が任意に選択できるようにする。そして、例えば3000rpmが選択された場合は、負荷に応じて例えば1000rpm、2000rpm、及び3000rpmの何れかに自動的に設定されるようにする。また例えば、4500rpmが選択された場合は、負荷に応じて例えば1500rpm、3000rpm、及び4500rpmの何れかに自動的に設定されるようにする。
(4)速度モードの種類は、3種類に限定されない。2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。
速度モードを何種類設定するかをどのように決定するかについては種々考えられるが、例えば、選択的に着脱可能な回転刃の種類を踏まえて設定してもよい。例えば、草等を刈る場合において、高速モードに相当する回転数で作業を行った方がよい回転刃(例えば図9に例示したナイロンコードカッター51。以下「第1種回転刃」ともいう。)もあれば、中速モード又は低速モードに相当する回転数でも十分な作業性が得られる回転刃(例えばチップソー。以下「第2種回転刃」ともいう。)もある。
第1種回転刃のみ装着可能な草刈機や、第2種回転刃のみ装着可能な草刈機の場合は、速度モードが2種類であっても、良好な作業性を得ることが可能である。
しかし、第1種回転刃と第2種回転刃を選択的に着脱可能に構成された草刈機の場合、速度モードが2種類だと、第1種回転刃及び第2種回転刃の双方で消費電力を抑えつつ良好な作業性を得ることは容易ではない。
例えば、低速モード相当と中速モード相当の2種類の速度モードが用意されている場合、第2種回転刃での作業は良好に行えるが、第1種回転刃での作業は、回転不足で良好な作業性が得られない可能性がある。また例えば、低速モード相当と高速モード相当の2種類の速度モードが用意されている場合、作業性自体は第1種回転刃及び第2種回転刃のいずれも良好な作業性を得られる。しかしこの場合、第2種回転刃を用いた作業時には、本来適切な回転数の1つである中速モード相当の回転数での作業が行えず、中速モード相当の回転数が必要な負荷領域以上では常に高速モード相当の回転数で作業が行われることになる。そのため、本来は中速モード相当の電力の消費量で作業が行えるにも関わらず、高速モード相当の電力の消費量で作業を行うことになり、無駄な電力の消費が生じる可能性がある。
そのため、第1種回転刃と第2種回転刃を選択的に着脱可能に構成された草刈機においては、消費電力抑制と良好な作業性維持の双方を考慮すると、速度モードが3種類以上設定されている方が好ましい場合がある。
したがって、速度モードは、選択的に着脱可能な回転刃の種類を踏まえて設定するようにしてもよい。
(5)上昇確定時間A及び上昇確定時間Bは、同じ値であってもよいし異なる値であってもよい。下降確定時間A及び下降確定時間Bについても、同じ値であってもよいし異なる値であってもよい。
(6)回転刃5の回転数の検出方法は特に限定されるものではない。例えば、回転刃5の回転数を直接検出するようにしてもよいし、モータ31の回転を回転刃5に伝達する構成部材(例えば駆動ギア42や従動ギア43)の回転数を検出することで間接的に回転刃5の回転数を検出するようにしてもよい。また、いわゆるセンサレスブラシレスモータを用いて、センサを用いずに電気的にモータ31の回転数を検出するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、動作モードが自動変速モードに設定されている場合に、3種類の速度モードが段階的に切り替わる構成であったが、低速モードから高速モードへの直接切り替え、或いは逆に高速モードから低速モードへの直接切り替えといった、間を飛ばした切り替えが行われるようにしてもよい。
例えば、低速モードから高速モードに直接切り替えるための条件として、第3上昇条件を設定してもよい。具体的に、上昇電流閾値として上昇電流閾値C(例えば10A)を設定し、上昇確定時間として上昇確定時間C(例えば50ms)を設定し、マスク時間としてマスク時間C(例えば3000ms)を設定してもよい。
高速モードから低速モードに直接切り替えるための条件についても、例えば第3下降条件を設定してもよい。具体的に、下降電流閾値として下降電流閾値C(例えば4A)を設定し、下降確定時間として下降確定時間C(例えば50ms)を設定してもよい。
(8)上記実施形態では、モータ31がブラシレスモータである例を示したが、モータ31は、ブラシレスモータ以外の各種のモータであってもよい。交流モータであるか直流モータであるかについても特に限定されるものではない。電力供給源についても、バッテリ34はあくまでも一例であり、他の電力供給源によって動作する構成であってもよい。例えば、商用交流電力(例えば交流100Vの電源電力)が入力されてその商用交流電力によって動作する構成であってもよい。
(9)本発明は、上記実施形態で説明した構成の草刈機1に限らず、他の各種の刈払機に対して適用することができる。
(10)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…草刈機、2…メインパイプ、3…制御ユニット、4…駆動ユニット、5…回転刃、6…カバー、7…ハンドル、8…操作・表示ユニット、9…ロックオフスイッチ、10…操作スイッチ、11…ハウジング、12…バッテリパック、21…電源スイッチ、22…モード切替スイッチ、23…回転数表示部、24…状態表示灯、26…低速表示灯、27…中速表示灯、28…高速表示灯、31…モータ、32…制御部、33…インバータ、34…バッテリ、35…電源回路、36…角度センサ、37…電流検出抵抗、38…アンプ、41…回転軸、42…駆動ギア、43…従動ギア、44…出力軸、45…センサ基板、51…ナイロンコードカッター、52…スプール、53…ナイロンコード。

Claims (12)

  1. 操作棹と、
    前記操作棹の端部において回転可能に配置される回転刃と、
    前記回転刃を駆動する電動モータと、
    前記回転刃の回転数を示す物理量を検出する回転検出部と、
    前記回転数の目標値を2つ以上の目標回転数のうち何れかに設定し、前記回転検出部により検出された前記物理量に基づいて、前記回転数が、設定されている前記目標回転数になるように前記電動モータの回転を制御する制御部と、
    前記電動モータに加わる負荷を検出する負荷検出部と、
    を備え、
    前記2つ以上の目標回転数のうち最も高い目標回転数を除く他の目標回転数には、前記負荷検出部により検出される前記負荷に基づいてその目標回転数をその目標回転数よりも高い前記目標回転数に切り替えるための上昇用負荷閾値が設定されており、
    前記2つ以上の目標回転数のうち最も低い目標回転数を除く他の目標回転数には、前記負荷検出部により検出される前記負荷に基づいてその目標回転数をその目標回転数よりも低い前記目標回転数に切り替えるための下降用負荷閾値が設定されており、
    前記制御部は、現在設定されている前記目標回転数に前記上昇用負荷閾値が設定されている場合に、前記負荷検出部により検出された前記負荷がその上昇用負荷閾値以上となった場合は、現在設定されている前記目標回転数をより高い前記目標回転数に切り替え、現在設定されている前記目標回転数に前記下降用負荷閾値が設定されている場合に、前記負荷検出部により検出された前記負荷がその下降用負荷閾値以下となった場合は、現在設定されている前記目標回転数をより低い前記目標回転数に切り替える、自動目標切替処理を実行する、刈払機。
  2. 請求項1に記載の刈払機であって、
    前記目標回転数が3つ以上用意されている、刈払機。
  3. 請求項2に記載の刈払機であって、
    前記3つ以上の前記目標回転数のうち最も高い目標回転数を除く他の各目標回転数に対してそれぞれ設定されている前記上昇用負荷閾値は、切り替え先の前記目標回転数が高いほど高い値となるように設定されており、
    前記3つ以上の前記目標回転数のうち最も低い目標回転数を除く他の各目標回転数に対してそれぞれ設定されている前記下降用負荷閾値は、切り替え先の前記目標回転数が低いほど低い値となるように設定されている、刈払機。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の刈払機であって、
    前記目標回転数が3つ用意されており、
    前記制御部は、前記自動目標切替処理において、前記負荷検出部により検出される前記負荷に基づき、前記回転数の目標値を前記3つの目標回転数の何れかに設定する、刈払機。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の刈払機であって、
    前記上昇用負荷閾値が設定されている前記目標回転数には、前記負荷が前記上昇用負荷閾値以上となっている継続時間を判断するための上昇用時間閾値が設定されており、
    前記下降用負荷閾値が設定されている前記目標回転数には、前記負荷が前記下降用負荷閾値以下となっている継続時間を判断するための下降用時間閾値が設定されており、
    前記制御部は、前記自動目標切替処理において、現在設定されている前記目標回転数に前記上昇用負荷閾値及び前記上昇用時間閾値が設定されている場合に、前記負荷検出部により検出された前記負荷がその上昇用負荷閾値以上となっている時間がその上昇用時間閾値以上継続した場合に、現在設定されている前記目標回転数をより高い前記目標回転数に切り替え、現在設定されている前記目標回転数に前記下降用負荷閾値及び下降用時間閾値が設定されている場合に、前記負荷検出部により検出された前記負荷がその下降用負荷閾値以下となっている時間がその下降用時間閾値以上継続した場合に、現在設定されている前記目標回転数をより低い前記目標回転数に切り替える、刈払機。
  6. 請求項5に記載の刈払機であって、
    前記下降用時間閾値が設定されている前記目標回転数を下降元目標とし、その下降元目標からその下降用時間閾値に基づいて切り替えられるその下降元目標よりも低い前記目標回転数を下降先目標として、前記下降用時間閾値は、前記下降先目標に設定されていてその下降先目標から前記下降元目標への切り替えの際に用いられる前記上昇用時間閾値よりも、長い時間に設定されている、刈払機。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の刈払機であって、
    前記下降用負荷閾値が設定されている前記目標回転数を下降元目標とし、その下降元目標からその下降用負荷閾値に基づいて切り替えられるその下降元目標よりも低い前記目標回転数を下降先目標として、前記下降用負荷閾値は、前記下降先目標に設定されていてその下降先目標から前記下降元目標への切り替えの際に用いられる前記上昇用負荷閾値よりも、低い値に設定されている、刈払機。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の刈払機であって、
    設定されている前記目標回転数を示す情報を報知する目標回転数報知部を備える、刈払機。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の刈払機であって、
    前記目標回転数の設定入力を受け付ける目標設定入力部を備え、
    動作モードとして、前記回転数の目標値が、前記負荷検出部により検出される前記負荷にかかわらず前記目標設定入力部により設定された前記目標回転数に固定される定回転モードと、前記自動目標切替処理が行われる自動変速モードと、を有し、
    前記動作モードを前記定回転モード及び前記自動変速モードの何れかに設定するための設定入力を受け付ける動作モード設定入力部を備え、
    前記制御部は、前記動作モード設定入力部によって前記動作モードが前記定回転モードに設定されている場合は、前記自動目標切替処理を実行せずに前記回転数が前記目標設定入力部により設定された前記目標回転数になるように前記電動モータの回転を制御し、前記動作モード設定入力部によって前記動作モードが前記自動変速モードに設定されている場合は、前記自動目標切替処理を実行する、刈払機。
  10. 請求項9に記載の刈払機であって、
    設定されている前記動作モードを示す情報を報知する動作モード報知部を備える、刈払機。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の刈払機であって、
    複数種類の前記回転刃を選択的に着脱可能に構成されており、
    前記複数種類の回転刃として、少なくとも、
    円板状に形成されていて外周に鋸歯が形成された構成の回転刃と、
    紐状の部材を有し、前記電動モータの回転によりその紐状の部材が伸びた状態で回転してその回転中の紐状の部材を刈り取り対象物に当接させることでその刈り取り対象物を刈り取ることができるように構成された回転刃と、
    が含まれる、刈払機。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の刈払機であって、
    繰り返し充電可能なバッテリを着脱可能に構成されており、
    前記電動モータは、前記バッテリが装着されているときにそのバッテリの電力によって動作できるように構成されている、刈払機。
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