JP2016134246A - ヒータ装置および物理量検知装置 - Google Patents

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純也 福田
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Abstract

【課題】ヒータ配線の長さ方向である第1の方向におけるヒータ加熱による均熱となる領域を大きくすることを目的とする。
【解決手段】基板と、基板の主面上に形成され、基板の主面における第1の方向に延在する複数の第1のヒータ配線部と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の第2のヒータ配線部と、を有し、第1および第2のヒータ配線部のそれぞれが端部で接続されヒータを形成し、ヒータに流れる電流による第1の方向における中央部側での発熱が小さく、端部側での発熱が大きくなるように第1のヒータ配線部が決定されるヒータ装置である。
【選択図】図1

Description

基板上に形成されたヒータを有するヒータ装置およびヒータ装置と基板上に形成された検知膜を用いて物理量を検知する物理量検知装置に関するものである。
被検知ガスのガス濃度を検知するガス検知装置は、半導体式、接触燃焼式、熱伝導式など様々な手法が試みられている。これらのガス検知装置は、半導体基板あるいは絶縁性基板上に被検知ガスのガス濃度を検知する第1の検知素子を利用する。また、接触燃焼式の場合、目的とする被検知ガスを検知するに当たり被検知ガスと酸素を反応させ反応熱を検知するためには、一対の電極を有する第1の検知素子に隣接して被検知ガスを吸着するための触媒が利用され、さらに、触媒および第1の検知素子を加熱するためのヒータが第1の検知素子および触媒に隣接して配置される。また、熱伝導式の場合、触媒は不要であるが、第1の検知素子上のガスを加熱するためのヒータが第1の検知素子に隣接して配置される。
ここで、ヒータは通常、基板上に第1の検知素子と一体に形成されることが多い。ここで、基板上にヒータと第1の検知素子が順に積層されて形成されることがある。ヒータ加熱による温度を第1の検知素子内で均熱化するために、特許文献1によれば、ヒータの配線ピッチを第1の検知素子の中央部側では疎とし、第1の検知素子の端部側では密とし、配線幅を変える構造が採用される開示がある。特許文献1では実際の温度分布に関して基板の中央部が均熱化されているとしている。しかし、配線ピッチ方向には温度分布の改善があるものの、配線の長さ方向に改善されているとまでは言えない。
特開2007−64908号公報
そこで、本発明はヒータ配線の長さ方向である第1の方向におけるヒータ加熱による均熱となる領域を大きくすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、基板の主面上に形成され、基板の主面における第1の方向に延在する複数の第1のヒータ配線部と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の第2のヒータ配線部と、を有し、第1および第2のヒータ配線部のそれぞれが端部で接続されヒータを形成し、ヒータに流れる電流による第1の方向における中央部側での発熱が小さく、端部側での発熱が大きくなるように第1のヒータ配線部が決定されるヒータ装置
である。
本発明によれば、ヒータに流れる電流による第1の方向における中央部側での発熱が小さく、端部側での発熱が大きくなるように第1のヒータ配線部が決定されるので、第1の方向におけるヒータ加熱による均熱となる領域を大きくすることが可能となる。
また、本発明は、第1のヒータ配線部は、第1の方向における両端部に近い側で線幅が狭い部分を有し、中央部に近い側で線幅が広い部分を有するヒータ装置としてもよい。
また、本発明は、ヒータの第2の方向における中央部から端部に向かうにしたがい線幅が広い部分の線幅が細くなるヒータ装置としてもよい。
また、本発明は、第1のヒータ配線部は、第2の方向に対して異なるピッチを有し、異なるピッチは、第2の方向における第1のヒータ配線部の端部に近い側のピッチをA、中央部に近い側のピッチをBとした時、B>Aである部分を有するヒータ装置としてもよい。
また、本発明は、ヒータの第2の方向における中央部から端部に向かうにしたがい線幅が狭い部分の第1の方向における長さが長くなるヒータ装置としてもよい。
また、本発明は、線幅が広い部分は、第1の方向に連続的に線幅が異なる部分を有するヒータ装置としてもよい。
また、本発明は、線幅が広い部分は、所定の長さを有する2以上の線幅が同一となる部分を有するヒータ装置としてもよい。
また、本発明は、基板に支持されたヒータ装置と、検知膜と、を有し、基板の主面に射影した第1のヒータ配線部と検知膜とが、重なる部分を有する物理量検知装置としてもよい。
また、本発明は、検知膜の第1の方向の長さが第2の方向より長い物理量検知装置としてもよい。
また、本発明は、検知膜に接する一対の電極を有し、基板の主面に射影した一対の電極と検知膜とが、重なる部分を有し、一対の電極が第1の方向に延在する物理量検知装置としてもよい。
また、本発明は、一対の電極が櫛歯状である物理量検知装置としてもよい。
ヒータ配線の長さ方向である第1の方向におけるヒータ加熱による均熱となる領域を大きくすることが可能となる。
実施形態1のヒータ装置100の平面図である。 比較形態1のヒータ装置200の平面図である。 実施形態2のヒータ装置300の平面図である。 実施形態3のヒータ装置400の平面図である。 比較形態2のヒータ装置500の平面図である。 比較形態3のヒータ装置600の平面図である。 実施形態4のヒータ装置700の平面図である。 物理量検知装置800の平面図である。 物理量検知装置800のA−Bにおける断面図である。 実施形態1のヒータ装置100のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 比較形態1のヒータ装置200のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 実施形態2のヒータ装置300のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 実施形態3のヒータ装置400のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 比較形態2のヒータ装置500のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 比較形態3のヒータ装置600のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 実施形態4のヒータ装置700のシミュレーション結果の面内温度分布を示すである。 実施形態5のヒータ装置900の平面図である。 実施形態1のヒータ装置100のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。 比較形態1のヒータ装置200のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。 実施形態2のヒータ装置300のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。 実施形態3のヒータ装置400のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。 比較形態2のヒータ装置500のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。 比較形態3のヒータ装置600のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。 実施形態4のヒータ装置700のシミュレーション結果の第1の方向と第2の方向の温度傾斜を示す図である。
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。
図1は、実施形態1におけるヒータ装置100の平面図である。ヒータ装置100は、ヒータ10および基板14を有し、ヒータ10は基板14の第1の主面に支持されている。また、基板14とヒータ10との間には絶縁膜(図示せず)が形成されている。また、基板14はヒータ10が存在する領域では熱容量を小さくするために基板14の一部を第2の主面側からエッチングなどにて除去し、キャビティ(図示せず)が形成されている。ここで、基板14に支持されるとは、キャビティが存在する領域上に基板14が存在しなくとも基板14に支持される場合も含むこととする。
ヒータ10は複数の第1のヒータ配線部11と複数の第2のヒータ配線部12とを有している。ここで、複数の第1のヒータ配線部11は第1の方向(紙面の横方向)に延在し、複数の第2のヒータ配線部12は第1の方向と直交する第2の方向(紙面の縦方向)に延在している。また、複数の第1のヒータ配線部11と複数の第2のヒータ配線部12とはそれぞれの配線部の端部同士が接続され、一本のヒータ10を形成している。また、第2の方向における両方の最端部側の第1のヒータ配線部(11C、11D)の一方の端部にはそれぞれ第1および第2のパッド(13A、13B)が形成されている。従って、第1および第2のパッド(13A、13B)間に電流を流すことによりヒータ10に電流が流れ、ヒータ10および基板14が加熱される。ここで、第2のヒータ配線部12は直線であるとは限らず、曲率を有する形状であってもよい。また、第2の方向とは第2のヒータ配線部12のそれぞれの配線部の中心を結ぶ線分の接線の方向を指す。従って、曲率を有する形状の場合は、接線は無数に存在するので第2の方向は無数に存在する。
次に第1のヒータ配線部11の線幅について説明する。第1の方向に延在する第1のヒータ配線部11の線幅は、それぞれの配線部の第1の方向における両端部に近い側には、線幅が狭い部分11Bを、中央部に近い側には、線幅が広い部分11Aを有している。また、第1のヒータ配線部11のそれぞれは第1および第2のパッド(13A、13B)に接続される第1のヒータ配線部(11C、11D)を除き、第1の方向における中央部を中心として線対称となっている。また、第2のヒータ配線部12と第1のヒータ配線部11のそれぞれのヒータ配線部(11、12)の接続箇所である端部では同じ線幅となっている。従って、第1のヒータ配線部11の中央部および中央部の近傍部である線幅が狭い部分11Bと第2の配線部12とは同一の線幅となっており、第1のヒータ配線部11の中央部および中央部の近傍部の線幅が広くなっており、線幅が広い部分11Aを形成している。ここで、線幅が広い部分11Aの第1の方向の長さは全体の60%程度である。但し、この限りではない。
図2は比較形態1のヒータ200装置の平面図である。ヒータ装置200は、第1の配線部21および第2の配線部22を有するヒータ20と、第1および第2の電極パッド(23A、23B)と、基板24とを有している。実施形態1と異なるのは、第1のヒータ配線部21の構造である。第1のヒータ配線部21の線幅は同一であり、実施形態1と比較形態1の第2のヒータ配線部22の構造は同一であり、第2のヒータ配線部22と同一の線幅で第1のヒータ配線部21が形成されている。
実施形態1と比較形態1を比較すると、実施形態1では、線幅が広い部分11Aが存在するため抵抗値が低くなるので、同一電流値に対する発熱が小さくなる。従って、比較例1と比較すると、基板14の第1の方向の中央部および中央部の近傍部では発熱が小さくなる。しかし、第1の方向における基板の中央および中央部の近傍部では周囲の第1および第2の配線部(11、12)からの発熱の影響を受けるので、加熱されやすい状況にある。従って、線幅が広い部11Aが存在することによって線幅が広い部分11Aの発熱を抑えることにより第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能となっている。
図3は実施形態2のヒータ300装置の平面図である。ヒータ装置300は、第1の配線部31および第2の配線部32を有するヒータ30と、第1および第2の電極パッド(33A、33B)と、基板34とを有している。実施形態1と異なるのは、第1の配線部31の線幅が広い部分31Aの線幅である。以下に説明する。実施形態2では、第2の方向におけるヒータ300の中央部および中央部の近傍部では線幅が広い部分31Aの線幅が広く、第2の方向におけるヒータ300の両側に近くなるに従い、線幅が広い部分31Aの線幅が狭くなっている。なお、図3では、第1の配線部31の最端部の線幅は同一となっており、線幅が狭い部分31Bと同一となっている。
実施形態2と実施形態1を比較すると、実施形態2では、線幅が広い部分31Aの幅がヒータ300の第2の方向における中央部および中央部の近傍では実施形態1より広くなっているので、発熱を小さくすることが可能となっている。ヒータ300の第1の方向における中央部および中央部の近傍部では周囲の第1および第2の配線部(31、32)からの発熱の影響を受けるので、加熱されやすい状況にある。また、第2の方向における両端部側に近くなるに従い周囲の第1および第2の配線部(31、32)からの影響は小さくなる。従って、第2の方向における基板の中央部および中央部の近傍部では第1の配線部31の線幅が広い部分31Aを広く、基板34の両端部に近くなるに従い第1の配線部31の線幅が広い部分31Aの線幅を狭くすることによって線幅が広い部分31Aの発熱を第1の方向における基板34の中央部と基板34の中央部の近傍部でより小さくすることにより、第1の方向における均熱となる領域をより広くすることが可能となっている。
図4は実施形態3のヒータ400装置の平面図である。ヒータ装置400は、第1の配線部41および第2の配線部42を有するヒータ40と、第1および第2の電極パッド(43A、43B)と、基板44とを有している。実施形態1と異なるのは、第1の配線部41の第2の方向におけるピッチである。以下、説明する。なお、ピッチとは第1の配線21の第1の方向におけるそれぞれの第1のヒータ配線部21の一方の側の端部の第2の方向における第1のヒータ配線部41の間隔を指すものとする。第1のヒータ配線部41は第2の方向における端部に近い側のピッチをA、中央部に近い側のピッチをBとした場合、B>Aの関係を満たす。つまり、第2の方向において、両端部側でピッチが狭く、中央部側でピッチが広くなっている。また、第1の配線部41のそれぞれの配線における線幅が広い部分41Aは同一の線幅となっている。
図5は比較形態2のヒータ500装置の平面図である。ヒータ装置500は、第1の配線部51および第2の配線部52を有するヒータ50と、第1および第2の電極パッド(53A、53B)と、基板54とを有している。実施形態3と異なるのは、第1のヒータ配線部51の構造である。第1のヒータ配線部51の線幅は同一であり、実施形態3と比較形態2の第2のヒータ配線部52の構造は同一であり、第2のヒータ配線部52と同一の線幅で第1のヒータ配線部51が形成されている。
まず、比較形態1と比較形態2を比較すると、比較形態2では、第2の方向における第1の配線部51のピッチが異なっている。ヒータ装置500の第1の方向における中央部および中央部の近傍部では周囲の第1および第2の配線部(51、52)からの発熱の影響を受けるので、加熱されやすい状況にある。また、第2の方向における両端部側に近くなるに従い周囲の第1および第2の配線部(51、52)からの影響は小さくなる。従って、第1のヒータ配線部51は第2の方向における端部に近い側のピッチをA、中央部に近い側のピッチをBとした場合、B>Aの関係とする。つまり、第2の方向におけるピッチを基板の中央部および中央部の近傍部でピッチを広くすることにより、第1の配線部51の発熱を第2の方向における基板34の中央部と基板34の中央部の近傍部でより小さくすることが可能となっている。従って、比較形態2は比較形態2より第2の方向における均熱となる領域をより広くすることが可能となっている。
次に、実施形態3と比較形態2を比較すると、実施形態3では、線幅が広い部分41Aが存在するため抵抗値が低くなるので、同一電流値に対する発熱が小さくなる。従って、比較形態2と比較すると、基板44の第1の方向の中央部および中央部の近傍部では発熱が小さくなる。しかし、第1の方向における基板の中央および中央部の近傍部では周囲の第1および第2の配線部(41、42)からの発熱の影響を受けるので、加熱されやすい状況にある。従って、線幅が広い部41Aが存在することによって線幅が広い部分41Aの発熱を抑えることにより第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能となっている。従って、実施形態3では、比較形態1より第1および第2の方向における均熱となる領域をより広くすることが可能となっている。また、実施形態3では、比較形態2より第1の方向における均熱となる領域をより広くすることが可能となっている。
図6は比較形態3のヒータ600装置の平面図である。ヒータ装置600は、第1の配線部61および第2の配線部62を有するヒータ60と、第1および第2の電極パッド(63A、63B)と、基板64とを有している。実施形態2と異なるのは、第1のヒータ配線部61の構造である。第1のヒータ配線部61の線幅は第2の方向における基板の中央部および中央部の近傍部で広く、基板の両端部に近くなるに従い第1のヒータ配線部61の線幅は狭くなっている。実施形態2と比較形態3の第2のヒータ配線部62の構造は同一である。
実施形態2と比較形態3を比較すると、実施形態2では、線幅が狭い部分31Bが存在するため抵抗値が高くなるので、同一電流値に対する発熱が大きくなる。従って、比較形態3と比較すると、基板64の第1の方向の両端部側では発熱が大きくなる。しかし、第1の方向における基板の中央および中央部の近傍部では周囲の第1および第2の配線部(61、62)からの発熱の影響を受けるので、加熱されやすい状況にある。従って、線幅が狭い部分31Bが存在することによって線幅が狭い部分31Bの発熱を上げることより第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能となっている。
図7は実施形態4のヒータ装置700の平面図である。ヒータ装置700は、第1の配線部71および第2の配線部72を有するヒータ70と、第1および第2の電極パッド(73A、73B)と、基板74とを有している。実施形態1と異なるのは、第1の配線部71の第1の方向における細い部分の長さすなわち、線幅が狭い部分71Bである。以下に説明する。第1の配線部71のそれぞれのヒータ配線部71は第2の方向の両端部側に近くなるに従い、線幅が狭い部分71Bの長さが長くなり、中央部および中央部の近傍部では、線幅が狭い部分71Bの長さが短くなっている。
実施形態4と実施形態1を比較すると実施形態4では第1の配線部71の線が狭い部分71Bが第2の方向における両端部側に近くなるに従い長くなっているので、抵抗が大きくなり、同一電流値に対する発熱が大きくなる。しかし、第1の方向における基板の中央および中央部の近傍部では周囲の第1および第2の配線部(71、72)からの発熱の影響を受けるので、加熱されやすい状況にある。従って、線幅が狭い部分71Bが第2の方向における両端部側で長くすることによって線幅が狭い部分71Bの発熱を上げることより第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能となっている。
次に、実施形態1ないし4のヒータを使用する物理量検知装置800について説明する。図8は物理量検知装置800の平面図であり、図9は物理量検知装置800のA−Bにおける断面図である。ここで、図1に示されるヒータを使用する場合について説明する。物理量検知装置800は基板84に支持されたヒータ81、ヒータ81上に支持された一対の第1の電極(87A、87B)と第1の検知膜86を有している。第1の検知膜86は一対の第1の電極(87A、87B)上および一対の第1の電極(87A、87B)間に連続的に形成されている。ここで、第1の検知膜86とは検知対象となる物理量に応じて抵抗値が変化するものである。また、ヒータ81によって、第1の検知膜86を加熱することも可能となっている。従って、ヒータ81によって加熱される第1の検知膜86は加熱された温度において対象となる物理量を検知することになる。
基板84の第1の主面84A上の第1の絶縁層88A上に形成されたヒータ81は第1の方向(紙面の横方向)に延在するとともに、線幅が広い部分81Aと線幅が狭い部分81Bとを有する複数の第1の配線部81と、第1の配線部の端部と接続されるとともに第1の方向と直交する第2の方向に延在する複数の第2の配線部82とを有する。また、ヒータ81の第2の方向における両端部である第1の配線部(81C、81D)の一方の端部は一対の第1の電極パッド(83A、83B)に接続されている。従って、一対の第1の電極パッド(83A、83B)間に電流が流れることでヒータ81が加熱され、基板84、第1の検知膜86が加熱される。ここで、基板84は絶縁基板、半導体基板、金属基板などが適用可能であり、特にその形態が問われるものではない。また、第1の絶縁層(88A、88B)は酸化物、窒化物などが適用可能である。例えば、基板84がシリコン基板の場合、第1の絶縁層88Aは熱酸化膜としてもよい。
ヒータ81上には第2の絶縁層88Bが形成され、第2の絶縁層88B上に形成された一対の第1の電極(87A、87B)の一方の端部はそれぞれ第2の方向の延在し、一対の第2の電極パッド(83C、83D)に接続される。また、一対の第1の電極(87A、87B)の他方の端部同士は第1および第2の方向に対向している。従って、一対の第2の電極パッド(83C、83D)間に電圧を印加することにより、第1の検知膜86の抵抗変化を検知することが可能となっている。ここで、ヒータ81は基板84の第1の主面84A上に形成可能であれば、金属、金属窒化物、金属酸化物などが適用可能であり、また、多層構造とすることも可能である。一対の電極(87A、87B)も同様であり、金属、金属窒化物、金属酸化物などが適用可能であり、また、多層構造とすることも可能である。また、第2の絶縁層88Cは酸化物、窒化物などが適用可能である。また、一対の第1の電極(87A、87B)の対向する面積を増加させるために櫛歯状であることが好ましい。
ここで、第1の検知膜86は、対象となる物理量に対して抵抗変化するものであれば良く、例えば、検知対象となるガス濃度に応じて抵抗値が変化する酸化錫に代表される半導体層であったり、温度によって抵抗値が変化するサーミスタ層であってもよく、特にその形態が問われるものではない。また、ヒータ81の加熱による第1の方向における均熱となる領域は第2の方向における均熱となる領域より長いので、第1の検知膜86は第1の方向の長さが第2の方向の長さより長く形成されることが好ましい。また、一対の第1の電極(87A、87B)が櫛歯状の場合、対向する部分に存在する第1の検知膜86は均熱となる領域に存在することが好ましく、第2の方向より第1の方向に長いことが好ましい。
第1の検知膜86上には第1の検知膜86を保護するための第3の絶縁層が形成されている。また、第3の絶縁層88Dは酸化物、窒化物などが適用可能である。但し、第1の検知膜86を直接大気に接触させる場合には第3の絶縁層86は必須ではない。
また、基板84には第2の主面84B側からエッチングなどの方法によって、キャビティ89が形成されている。キャビティ89の形成に当たっては、Deep−RIE(Reactive―Ion−Etching)が使用されることが多い。キャビティ89が形成されることで、全体の熱容量が小さくなるので、ヒータ80のオンオフ動作に対してキャビティ89が存在しない場合と比較して温度の追従性が速くなる。また、キャビティ89上の構造物はメンブレンと呼ばれる。
図示してはいないが、第1の検知膜86が酸化錫などの酸化物半導体の場合には、第1の検知膜86上には機能層(図示せず)が存在してもよい。例えば、検知対象となるガスに対して選択性を持たせるためのパラジウム、あるいは白金およびアルミナ、酸化珪素などの絶縁物を含む触媒層を形成してもよい。
なお、検知膜86はキャビティ89より小さく、キャビティ89上に形成されメンブレンとなっているが、検知膜86はキャビティ89より大きく形成されてもよい。また、ヒータ81の両端部である第1のヒータ配線部(81C、81D)はキャビティ89上に形成されているが、キャビティ89の外側に形成されてもよい。また、一対の第1の電極(87A、87B)の対向する場所は回転対称となることが好ましく、回転対称の中心は第1のヒータ配線部81の第1の方向における中心およびヒータ81の両端部第1のヒータ配線部(81C、81D)間の中心であることが好ましい。また、第1の検知膜86上の機能層(図示せず)は、キャビティ89上に形成されることが好ましい。また、検知膜86は5度以内となる均熱となる領域上のみに存在することが、検出感度を安定とする上で更に好ましい。但し、機能層(図示せず)の端部はキャビティ89の外側に形成されてもよい。
(実施例)
以下に物理量装置800の製造方法について説明する。物理量装置800として使用するため、図1に示されるヒータ装置100を採用した。
基板84として、基板表面の面方位が(100)である(100)Si基板を用意し、基板84の第1の主面84Aに第1の絶縁膜88AとしてSi酸化膜を成膜する。また、第2の主面84Bに第1の絶縁膜88AとしてSi酸化膜を成膜する。Si酸化膜を成膜するには、例えば、熱酸化法等を適用すればよい。第1の絶縁膜(88A、88B)の膜厚は、基板84との絶縁性が確保される程度に調整すればよく、例えば、0.1μm〜1.0μm程度が好適である。本実施例では第1の絶縁膜(88A、88B)として、二酸化珪素膜を0.5μm形成した。
次に、基板84における第1の主面84A上の第1の絶縁膜88A上にヒータ10を形成する。ヒータ10を形成するには、例えば、スパッタ法等を用いて第1の絶縁膜88A上に150nm〜600nm程度のヒータ10となる金属薄膜10を堆積し、フォトリソグラフィ工程によってエッチングマスクを形成し、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングでこの金属薄膜を所定のヒータ形状に加工して、ヒータ10を形成する。なお、金属薄膜であるヒータ10と第1の絶縁膜88Aとの間の密着性を高めるには、チタン(Ti)等の密着層を5〜10nm程度介在させるのが好ましい。本実施例ではヒータ10としてPt/Ti膜を使用した。Ptはスパッタ法にて0.5μm形成し、密着層として、二酸化珪素と相性の良い、Tiを選択した。なお、Tiはスパッタ法にて10nm形成した。この後、ドライエッチングを用いて、ヒータ10を形成した。ここで、後述する第1のヒータ露出部のそれぞれの端部が、対応するキャビティ89の外部に存在するように形成した。また、ヒータ10と、ヒータ露出部とが線対称となるように構成した。
ここで、ヒータ10は第1のヒータ配線部81と第2のヒータ配線部82で形成されている。第1のヒータ配線部81は第1の方向に延在し、第2のヒータ配線部82は第1の方向と直交する第2の方向に延在している。第1のヒータ配線部は線幅が25μm長さ100μmの線幅が狭い部分81Bが第1の方向の両端部側に形成され、第1の方向の中央部および中央部の近傍部では線幅が40μm長さ400μmの線幅が広い部分81Aが線幅が狭い部分81Bに接続されて形成されている。また、第1の配線部81は同一ピッチであり、ピッチは145μmでとしている。第2のヒータ配線部82は同一の線幅であり線幅は25μmとして、第1のヒータ配線部の端部で接続されている。
第2の絶縁層88Bとして二酸化珪素膜を形成する。第2の絶縁層88Bとしては二酸化珪素や窒化珪素等、絶縁性、耐湿性を有する膜であれば良い。本実施例では、テトラエトキシシランという有機金属材料を用いたTEOS−CVD法により、0.4μmの膜厚で二酸化珪素を基板全面に成膜した。
次に、第1の主面81A上の第2の絶縁膜88B上に検知膜86に対応する一対の電極(87A、87B)を形成する。一対の電極(87A、87B)を形成するには、例えば、スパッタ法等を用いて第2の絶縁膜88B上に150nm〜600nm程度の一対の電極(87A、87B)となる金属薄膜((87A、87B)を堆積し、フォトリソグラフィ工程によってエッチングマスクを形成し、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングでこの金属薄膜を所定の一対の電極(87A、87B)に加工して、一対の電極(87A、87B)を形成する。なお、金属薄膜である一対の電極(87A、87B)と第2の絶縁膜88Bとの間の密着性を高めるには、チタン(Ti)等の密着層を5〜10nm程度介在させるのが好ましい。本実施例では一対の電極(87A、87B)としてPt/Ti膜(87A、87B)を使用した。Ptはスパッタ法にて0.5μm形成し、密着層として、二酸化珪素と相性の良い、Tiを選択した。なお、Tiはスパッタ法にて10nm形成した。この後、ドライエッチングを用いて、一対の電極(87A、87B)を形成した。ここで、後述する一対の電極(87A、87B)露出部のそれぞれの端部が、対応するキャビティ89の外側に存在するように形成した。また、一対の電極(87A、87B)と、一対の電極(87A、87B)露出部とがそれぞれ線対称となるように構成した。なお、検知膜86がその上部に形成される一対の電極(87A、87B)は櫛歯状に形成し、櫛歯状の最最終部の大きさは、第1の方向の線幅が広い部分81Aの長さと同等の400μm、第2の方向では後述するシミュレーションの5度以内の均熱となる領域となる160μmに設定した。
次に、検知膜86であるサーミスタ薄膜86としての複合金属酸化膜86を、スパッタ法により一対の電極(87A、87B)上および一対の電極(87A、87B)間に堆積し、ウェットエッチングにより複合金属酸化膜86を所定形状にパターニングする。ここで、サーミスタ薄膜86は一対の電極(87A、87B)上の一部および一対の電極(87A、87B)間の一部に連続した形状でパターニングする。また、のサーミスタ薄膜86端部が対応キャビティ86の内部に存在するようにパターニングした。すなわち、一対の電極(87A、87B)間を印加することにより発生する電流はサーミスタ薄膜86に流れる。本実施例では、基板温度600℃、成膜圧力1.0Pa、RFパワー200Wのスパッタ条件でArガスを用い、Mn−Co−Ni系酸化物を一対の電極(87A、87B)上に0.4μm堆積した。次に、塩化第二鉄水溶液を用いたウェットエッチングで所定形状に加工し、焼成炉を用いてMn−Co−Ni系酸化物膜に大気雰囲気で600℃、2時間の熱処理を施した。なお、検知膜86の大きさは第1の方向で400μm、第2の方向で160μmに設定した。
第3の絶縁層88Cとして二酸化珪素膜を形成する。第3の絶縁層88Cとしては二酸化珪素や窒化珪素等、絶縁性、耐湿性を有する膜であれば良い。本実施例では、テトラエトキシシランという有機金属材料を用いたTEOS−CVD法により、0.4μmの膜厚で二酸化珪素を基板全面に成膜した。
次に、第2および第3の絶縁層(88B、88C)の一部を反応性ドライエッチングにより除去し、一対の電極(87A、87B)露出部および一対のヒータ10露出部を形成し、第1および第2の取り出し電極(87A、87B)露出部上にPAD電極(83C、83D)をリフトオフ法により形成した。同様に、ヒータ10露出部上にPAD電極(83A、83B)をリフトオフ法により形成した。第1から第4のPAD電極(83A、83B、83C、83D)の材料はアルミニウム(Al)を使用した。ここで、第1から第4のPAD電極83A、83B、83C、83D)はメンブレン領域85の外部に形成した。
最後に、基板84の第2の主面84B側に、フォトリソグラフィ工程によってエッチングマスクを形成した後、フッ化物系ガスを用いたD−RIE法等の反応性イオンエッチングによって、基板84を第2の主面84Bに対して垂直に深堀し、キャビティ89を開口する。D−RIE法とは、C4F8ガスを用いて反応抑止膜(フルオロカーボン系ポリマー)をキャビティ89の側壁に堆積させることにより、主としてFラジカルによる化学的なサイドエッチングを抑制するためのプラズマデポジション工程と、SF6ガスを用いてFラジカルによる基板84の化学的エッチングとFイオンによる反応抑止膜の物理的エッチングとにより、基板1を略垂直に異方性エッチングするためのプラズマエッチング工程とを交互に繰り返して基板84を深堀する方法である。なお、キャビティ89の大きさは1000μm□に設定した。
ヒータ10の一端はヒータ制御部(図示せず)に接続され、制御する。ヒータ10の他端はGnd電位に接続した。ここで、ヒータ10に流れる電流は10mA前後とし、検知膜(サーミスタ膜)86の温度が設計上、150度〜200度になるように設定した。
一対の電極(87A、87B)の一端は第1の電位に接続され、他端は補償素子(図示せず)の一端に接続され、補償素子の他端はGnd電位に接続した。また、接続点である一対の電極の他端からの出力である第1の信号を信号制御部(図示せず)に入力し、温度を算出することが可能となる。
ここで、第1の信号を温度補正する処理を行い、被検知ガスのガス濃度を算出する。なお、温度検知については、基板84近傍に配置された温度検知素子(図示せず)からの出力である第2の信号を使用する。
物理量装置800では、Mn−Co−Ni系酸化物膜である検知膜86の大きさは第1の方向で400μm、第2の方向で160μmに設定している。つまり、最高温度を約100度に設定した場合のヒータ10に流れる電流による5度以内の均熱となる領域に検知膜86を配置しているので、検知膜10の温度が均熱となっている。従って、ヒータ10に設定する最高温度を同一の温度にする場合、均熱が担保されるので物理量を検知するに当たり、検出感度を上げることが可能となっている。検知膜86の大きさを第1の方向で400μm、第2の方向で160μmに設定して、実施形態1のヒータ10を使用する場合と比較形態1のヒータ20を使用する場合、つまり、ヒータ10を使用する場合では検知膜86の温度範囲は5度以内となり、ヒータ20を使用する場合では検知膜86の温度範囲は5度以上となる。この場合、水素を0.0%から0.5%流した区間における検知膜86の感度は実施形態1では、3.0μV/ppmであり、比較形態1では、2.8μV/ppmであった。従って、温度が均熱となる領域が広ければ、高感度になることが分かった。なお、実施形態2から4でも同様の結果であり、特に実施形態4では、3.2μV/ppmとなり感度が最も高くなった。
次に、図10から図16は実施形態1から実施形態4、比較形態1から比較形態3のそれぞれのヒータパターンに電圧を印加した場合の熱分布を示すシミュレーション結果の面内温度分布を示す図である。また、図18から図24はそれぞれ図10から図16に対応する(a)第1の方向と、(b)第2の方向の温度傾斜を示す図である。ここで、図18から図24における各点の間は中央を基準として温度差5度間隔を示している。従って、各点間が5度以内の温度範囲を示している。シミュレーシンの条件として、第1のヒータ配線部の線幅、長さおよび厚みは以下の通りである。
実施形態1では、第1のヒータ配線は6本で構成され、長さは400μm、線幅が40μm、ピッチは145μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
実施形態2では、第1のヒータ配線は6本で構成され、長さは400μm、ピッチは145μmである。線幅は中央2本が50μm、その外側2本が45μm、さらに外側2本が40μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
実施形態3では、第1のヒータ配線は6本で構成され、長さは400μm、線幅が40μmである。ピッチは中央2本間が200μm、その外側2本間が150μm、さらに外側2本間が100μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
実施形態4では、第1のヒータ配線は6本で構成され、線幅が40μm、ピッチは145μmである。長さは中央2本が400μm、その外側2本が310μm、さらに外側2本が220μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
比較形態1では、第1のヒータ配線は6本で構成され、長さは600μm、線幅が25μm、ピッチは145μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
比較形態2では、第1のヒータ配線は6本で構成され、長さは600μm、線幅が25μmである。ピッチは中央2本間が200μm、その外側2本間が150μm、さらに外側2本間が100μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
比較形態3では、第1のヒータ配線は6本で構成され、長さは600μm、ピッチは145μmである。線幅は中央2本が50μm、その外側2本が45μm、さらに外側2本が40μmである。第1方向の長さが650μmでその中央部分の線幅が広い部分が第1のヒータ配線で、第1方向の両端部と第2方向が第2のヒータ配線部で線幅は25μmである。厚みは1μmである。
実施形態1から実施形態4および比較形態1から比較形態3におけるヒータ配線以外のシミュレーションモデルについて説明する。基板(1500μm□、厚み250μm)があり、基板上に絶縁層(1500μm□、厚み10μm)形成される。基板の中央にキャビティ(1000μm□)が形成されて、絶縁層によるメンブレンが形成される。ヒータ配線はメンブレンの中央に位置するように配置される。シミュレーションモデルの基板、絶縁層、ヒータ配線の厚みは実施形態1から実施形態4および比較形態1から比較形態3で同一としてヒータパターンの違いによる影響のみを比較する。ここで基板はSi、絶縁層はSiO2、ヒータ配線はPtとした。各材料に則した密度(Kg/m3)、熱伝導率(W/m・K)、比熱(J/Kg・K)を設定した。計算モデルの周囲は空気で覆われていて周囲温度は22℃に設定した。また、Si基板のヒータ配線の反対側の面を熱的なGNDとして設定した。熱分布を発生させるためヒータ配線の両端に電圧0.5Vを印加した。以上の条件でシミュレーションを行った。各図(A)に対応するヒータパターンに応じた熱分布は(B)に示されている。ここで、等高線の間隔は同一であり、温度範囲が5度以内であることを示している。シミュレーションはヒータパターンの違いによる影響のみを比較しているので、基板、絶縁層、ヒータ配線の厚みはここでシミュレーションした値に限定されない。基板、絶縁層、ヒータ配線の厚みが変動しても熱分布の関係は維持される。ただし、厚みによって熱容量が変動するのでヒータ配線の両端に印加する電圧は調整して温度範囲を合わせる必要がある。
実施形態1から4と実施形態1から3を比較すると、実施形態1から4は第1の方向における温度差5度以内となる均熱となる領域は明らかに広い。また、第1の配線部の線幅が同一であり、第2の方向における配線ピッチが異なる比較形態1と比較形態2を比較すると第2の方向における温度差5度以内となる均熱となる領域は比較形態2の方が広い。従って、本シミュレーション結果は妥当性があると言える。よって、実施形態1から4に示される通り、線幅が広い領域と線幅が狭い領域を有する第1のヒータ配線部を有するヒータを使用することで、第1の方向における均熱となる領域を広くすることが可能である。また、実施形態2から4は実施形態1より、第2の方向に均熱となる領域が大きくなる点でより好ましい。
また、実施形態1から4では、線幅の狭い部分の抵抗が高く、線幅が広い部分の抵抗が低いので、比較形態1から3と比較して第1の方向における均熱となる領域を広くすることが可能となるとともに、同一電圧に対する消費電力を低くすることが可能となる。特に、実施形態4では、第2の方向における両端部側に近くになるに従い線幅の狭い領域が増えるので実施形態1から3と比較して更なる消費電力の低減も可能となっている。
また、図23および図24より、実施形態4と比較形態3を比較すると、比較形態3の方が第2の方向における均熱となる領域は若干大きいものの、実施形態4の方が第1の方向における均熱となる領域が大きい。従って、全体の均熱となる領域をほぼ同程度の大きさとすることが可能である。よって、実施形態4では、比較形態3と比較すると均熱となる検知膜が同等の面積であっても、一対の電極が均熱となる領域を大きくするために第1の方向と平行に対向する一対の電極とすることで、つまり、一対の電極を第1の方向に延在させることで一対の電極間の間隔が同一であっても一対の電極の対向する長さを長くすることが可能となり、検知膜の変化を高感度で検知することが可能となっている。これは、第1の方向における均熱となる一対の電極の長さの幅が第2の方向における均熱となる一対の電極の長さの幅より長いため、第2の方向の均熱となる一対の電極の長さの幅を長くしたとしても均熱となる一対の電極の長さを第1の電極の長さの幅より長くすることが困難であるからである。また、検知膜についても同様であり、同一面積の検知膜であっても第1の方向の長さを第2の方向より長くすることが可能である。さらに、第1の方向と平行に対向する一対の電極とすることで、検知膜の変化をさらなる高感度で検知することが可能となっている。また、実施形態1から3についても同様である。
図17は実施形態5のヒータ装置900の平面図である。ヒータ装置900は、第1の配線部91および第2の配線部92を有するヒータ90と、第1および第2の電極パッド(93A、93B)と、基板94とを有している。実施形態1と異なるのは、第1のヒータ配線部91の構造であり以下に説明する。第1のヒータ配線部91をミアンダ形状として、さらに、第1の方向における両端部側では第1の方向のピッチを狭く(91B)、中央部側では第1の方向のピッチを広く(91A)する構成とする。この場合、第1の方向における単位面積当たりの発熱が両端部側で大きくなり、中央部側で小さくなる。このような構成としても、第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能である。
本実施形態1から4では、線幅が広い部分と線幅の狭い部分を直接的に接続する構成としたが、線幅が広い部分は、第1の方向に連続的に線幅が異なる部分を有する構成としてもよく、第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能である。
本実施形態1から4では、線幅が広い部分と線幅の狭い部分を直接的に接続する構成としたが、線幅が広い部分は、所定の長さを有する2以上の線幅が同一となる部分を有する構成としてもよく、第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能である。
本実施形態1から5は適宜組み合わせることが可能であり、第1の方向における均熱となる領域を広げることが可能である。
ヒータおよびヒータを用いるガス濃度などの物理量検知装置に適用できる。
10 ヒータ
11 第1のヒータ配線部
12 第2のヒータ配線部
13A 13B 電極PAD
14 基板
100 ヒータ装置
800 物理量検知装置

Claims (11)

  1. 基板と、前記基板の主面上に形成され、前記基板の主面における第1の方向に延在する複数の第1のヒータ配線部と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に延在する複数の第2のヒータ配線部と、を有し、
    前記第1および第2のヒータ配線部のそれぞれが端部で接続されヒータを形成し、
    前記ヒータに流れる電流による前記第1の方向における中央部側での発熱が小さく、端部側での発熱が大きくなるように前記第1のヒータ配線部が決定されるヒータ装置。
  2. 前記第1のヒータ配線部は、前記第1の方向における両端部に近い側で線幅が狭い部分を有し、中央部に近い側で線幅が広い部分を有する請求項1に記載のヒータ装置。
  3. 前記ヒータの第2の方向における中央部から端部に向かうにしたがい前記線幅が広い部分の線幅が細くなる請求項2に記載のヒータ装置。
  4. 前記第1のヒータ配線部は、前記第2の方向に対して異なるピッチを有し、
    前記異なるピッチは、前記第2の方向における前記第1のヒータ配線部の端部に近い側のピッチをA、中央部に近い側のピッチをBとした時、B>Aである部分を有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のヒータ装置。
  5. 前記ヒータの第2の方向における中央部から端部に向かうにしたがい前記線幅が狭い部分の第1の方向における長さが長くなる請求項2ないし4のいずれか一項に記載のヒータ装置。
  6. 前記線幅が広い部分は、前記第1の方向に連続的に線幅が異なる部分を有する請求項2ないし5のいずれか一項に記載のヒータ装置。
  7. 前記線幅が広い部分は、所定の長さを有する2以上の線幅が同一となる部分を有する請求項2ないし5のいずれか一項に記載のヒータ装置。
  8. 前記基板に支持された前記請求項1ないし7のいずれか一項に記載のヒータ装置と、検知膜と、を有し、
    前記基板の主面に射影した前記第1のヒータ配線部と前記検知膜とが、重なる部分を有する物理量検知装置。
  9. 前記検知膜の前記第1の方向の長さが前記第2の方向より長い請求項8に記載の物理量検知装置。
  10. 前記検知膜に接する一対の電極を有し、
    前記基板の主面に射影した前記一対の電極と前記検知膜とが、重なる部分を有し、
    前記一対の電極が前記第1の方向に延在する請求項8または9に記載の物理量検知装置。
  11. 前記一対の電極が櫛歯状である請求項10に記載の物理量検知装置。
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