JP2016133009A - 高圧ポンプ - Google Patents

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振一郎 越本
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【課題】 体格を小さくしつつ燃料の吐出効率を向上する高圧ポンプを提供する。【解決手段】 高圧ポンプは、シリンダが有する加圧室に連通する吸入通路を形成する上ハウジング15、上ハウジング15の吸入通路に設けられ加圧室側と加圧室とは反対側とを連通する連通路431及びシート面432を有する弁座43、シート面432に当接すると連通路431と加圧室との間の燃料の流れを遮断しシート面432から離間すると連通路431と加圧室との間の燃料の流れを許容する吸入弁部材44、吸入弁部材44を弁座43側に付勢可能な板ばね45などを備える。板ばね45は、上ハウジング15に固定される固定部451、固定部451から固定部451の内側へ延びるよう固定部451と一体に形成される延伸部452、及び、延伸部452の内側に延伸部452と一体に形成され吸入弁部材44の加圧室側に当接可能な当接部453を有する。【選択図】 図4

Description

本発明は、高圧ポンプに関する。
従来、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられ、燃料を加圧する高圧ポンプが知られている。燃料タンクから汲み上げられ高圧ポンプに供給された低圧燃料は、高圧ポンプが備えるプランジャの下降により加圧室に吸入され、プランジャの上昇により調量及び加圧される。高圧ポンプは、プランジャが上昇するとき、加圧室に吸入された燃料の一部を燃料供給側に戻す。これにより、高圧ポンプから内燃機関に加圧圧送される燃料の量が調節される。例えば、特許文献1には、プランジャが下降するとき開弁することで加圧室に燃料を供給し、プランジャが上昇を開始するときまたは上昇している途中に閉弁することで加圧室の燃料を加圧可能とする燃料供給部を備える高圧ポンプが記載されている。
特許5370792号明細書
特許文献1に記載の高圧ポンプが備える燃料供給部は、弁部材と弁座とが当接するよう弁部材を付勢するコイルスプリング及びコイルスプリングを支持するスプリングガイドを有している。スプリングガイドの外縁部は弁座に固定されており、スプリングガイドの略中央にコイルスプリングの一端が当接している。コイルスプリングは、弁部材が往復移動する方向に伸縮可能なようスプリングガイドと弁部材との間に設けられているため、弁部材とスプリングガイドとの間のコイルスプリングが収容される空間は一定以上の容積となる。コイルスプリングが収容される空間は加圧室と連通しているため、当該空間の容積が比較的大きいと、加圧前の燃料の体積に対する加圧後の燃料の体積の比である圧縮率が低下する。このため、高圧ポンプの体格が大きくなるだけでなく、圧縮率と正の相関関係を有する高圧ポンプの吐出効率も低下する。また、特許文献1に記載の高圧ポンプでは、コイルスプリングとスプリングガイドとは別体に設けられているため、部品点数が多い。
本発明の目的は、部品点数を低減しつつ体格を小さくし、燃料の吐出効率を向上する高圧ポンプを提供することにある。
本発明は、高圧ポンプであって、往復移動可能なプランジャと、プランジャを往復移動可能に支持しプランジャが移動すると容積が変化する加圧室を有するシリンダと、加圧室に連通する連通路を形成する通路形成部材と、連通路に設けられ加圧室側と加圧室とは反対側とを連通し加圧室への燃料が流通する燃料流路、及び、燃料流路の加圧室側の開口の周囲に形成される弁座面を有する弁座と、弁座面に当接可能に設けられ弁座面に当接すると燃料流路と加圧室との間の燃料の流れを遮断し弁座面から離間すると燃料流路と加圧室との間の燃料の流れを許容する弁部材と、弁部材を弁座側に付勢可能な付勢部材と、加圧室の加圧された燃料を外部に吐出する燃料吐出部と、を備える。
本発明の高圧ポンプは、付勢部材が通路形成部材または弁座に固定される環状の固定部、固定部から固定部の内側へ延びるよう固定部と一体に形成される延伸部、及び、延伸部の内側に延伸部と一体に形成され弁部材の加圧室側に当接可能な当接部を有することを特徴とする。
本発明の高圧ポンプでは、付勢部材が有する延伸部は、固定部から固定部の内側へ延びるよう形成されている。また、弁部材の加圧室側に当接可能な当接部は、延伸部の内側に設けられている。これにより、付勢部材の軸方向の長さが比較的短くなり、弁部材を弁座側に付勢する付勢部材を収容する空間の容積を比較的小さくすることができる。したがって、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
また、一般に、高圧ポンプでは、弁部材の加圧室側の空間は、弁座と弁部材とが当接しているか否かにかかわらず加圧室と連通しており、弁部材の加圧室側の空間の容積と加圧前の燃料の体積に対する加圧後の燃料の体積の比である圧縮率とは負の相関関係を有する。また、圧縮率は、高圧ポンプの吐出効率と正の相関関係を有する。すなわち、弁部材の加圧室側の空間の容積と高圧ポンプの吐出効率とは、負の相関関係を有する。
本発明の高圧ポンプでは、軸方向の長さが比較的短い付勢部材が弁部材の加圧室側に設けられる。これにより、弁部材の加圧室側の空間の容積を比較的小さくすることができるため、高圧ポンプの吐出効率を向上することができる。
また、本発明の高圧ポンプが備える付勢部材は、固定部、延伸部、及び、当接部が一体に形成されている。これにより、加圧室側から弁部材を弁座側に付勢するための部品を一つにすることができるため、部品点数を低減することができる。
本発明の第一実施形態による高圧ポンプの断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV部拡大断面図である。 本発明の第一実施形態による高圧ポンプの吸入弁部が有する弁座の模式図である。 本発明の第一実施形態による高圧ポンプの吸入弁部が有する吸入弁部材の模式図である。 本発明の第一実施形態による高圧ポンプの吸入弁部が有する板ばねの模式図である。 本発明の第二実施形態による高圧ポンプの吸入弁部の拡大断面図である。 本発明の第二施形態による高圧ポンプの吸入弁部が有する板ばねの模式図である。 本発明の第三実施形態による高圧ポンプの吸入弁部の拡大断面図である。 本発明の第四実施形態による高圧ポンプの吸入弁部の拡大断面図である。 本発明の第五実施形態による高圧ポンプの吸入弁部の拡大断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による高圧ポンプを図1〜7に示す。高圧ポンプ1は、図示しない燃料タンクから供給される燃料を加圧し、この加圧した燃料を燃料レールに吐出する燃料ポンプである。高圧ポンプ1は、本体部10、燃料貯留部30、プランジャ部20、燃料吸入部38、及び、「燃料吐出部」としての燃料吐出リリーフ部60を備えている。以下の説明では、図1、2の上を「上」、図1、2の下を「下」として説明する。
本体部10は、下ハウジング11、シリンダ13、及び、「通路形成部材」としての上ハウジング15を有する。
下ハウジング11は、円筒状のシリンダ保持部111、シリンダ保持部111の下部から径外方向に突き出す環状のフランジ部112、フランジ部112から下方に突き出す円筒状のエンジン嵌合部113などを有する。
シリンダ保持部111は、圧入孔114を有する。圧入孔114には、後述するシリンダ13が圧入固定される。フランジ部112は、シリンダ保持部111とエンジン嵌合部113との間の位置に連通孔115を有する。連通孔115は、エンジン嵌合部113の内側の空間とフランジ部112の上側の空間とを連通する。
シリンダ13は、プランジャ21を摺動可能に支持する筒部131、筒部131の上端を塞ぐ底部132、シリンダ保持部111よりも下方で径外方向に突き出す環状の突起133などを有する。突起133は、フランジ部112に係合しシリンダ13の上方への移動を規制している。
シリンダ13は、筒部131の内壁と底部132の内壁とプランジャ21の上端面211とが区画形成する加圧室14を有する。加圧室14は、プランジャ21の往復移動により容積が変化する。筒部131は、加圧室14に連通する吸入孔141及び吐出孔142を有する。シリンダ13は、吸入孔141及び吐出孔142をプランジャ21の中心軸に対して対称の位置に有する。
上ハウジング15は、吸入孔141と吐出孔142とを結ぶ方向に長手状をなす直方体形状をなしている。上ハウジング15は、長手方向の中央に圧入孔151を有する。シリンダ13は、上ハウジング15の圧入孔151に圧入により固定されている。
上ハウジング15は、シリンダ13の吸入孔141に連通する「連通路」としての吸入通路152、吸入通路152と上ハウジング15の外側とを連通する複数の連通路153、シリンダ13の吐出孔142に連通する吐出通路154を有する。吸入通路152には、加圧室14が吸入する燃料が流通可能である。吐出通路154には、加圧室14が吐出する燃料が流通可能である。
プランジャ部20は、プランジャ21、オイルシールホルダ22、スプリングシート23及びプランジャスプリング24を有する。プランジャ部20は、往復移動によって容積が変化する加圧室14の燃料を加圧する。
プランジャ21は、大径部212及び小径部213を有する。大径部212は、シリンダ13内に筒部131の内壁と摺動可能に収容されている。小径部213は、大径部212から下方に延び、下端が図示しないタペットなどに当接可能である。タペットは、図示しないカムシャフトに取り付けられたカムに外面を当接させ、カムシャフトの回転によってカムプロファイルに応じて軸方向に往復移動する。
オイルシールホルダ22は、シリンダ13の下方に位置しプランジャ21の小径部213が挿通される筒状のシール保持部221、エンジン嵌合部113に固定されている固定部222などを有する。シール保持部221は、シール223を保持している。シール223は、径方向内側のテフロン(登録商標)リングと、径方向外側のOリングとからなり、小径部213の周囲の燃料油膜の厚さを調整する。また、シール保持部221の下方の端部には、オイルシール224が固定されている。オイルシール224は、小径部213周囲のオイル油膜の厚さを調整する。
スプリングシート23は、プランジャ21の下方の端部に固定されている。
プランジャスプリング24は、一端がスプリングシート23に係止され、他端がオイルシールホルダ22の固定部222に係止されている。プランジャスプリング24は、プランジャ21がタペットに当接するようにプランジャ21を付勢する。プランジャ部20は、カムシャフトの回転に応じてプランジャ21を往復移動させ、加圧室14の容積を変化させる。
燃料貯留部30は、カバー31、パルセーションダンパ33及び燃料インレット35を有する。燃料貯留部30は、燃料吸入部38に供給される燃料を一旦貯留する。
カバー31は、有底筒状の部材であって、カバー底部311及びカバー筒部312を有する。
カバー底部311は、カバー筒部312の上側の開口を塞いでいる。カバー筒部312の下側の端部は、フランジ部112の上側の端面に当接している。カバー31は、上ハウジング15及びシリンダ13の上部を収容している。
カバー筒部312は、周方向で互いに離間するよう形成されている嵌合孔313、314、315を有する。嵌合孔313の位置は吸入通路152に対応し、嵌合孔314の位置は吐出通路154に対応する。嵌合孔313には、燃料吸入部38がカバー31の外側から挿入されている。嵌合孔314には、燃料吐出リリーフ部60がカバー31の外側から挿入されている。嵌合孔315には、燃料インレット35がカバー31の外側から挿入されている。
カバー31とフランジ部112とは溶接により接合されている。また、燃料吸入部38、燃料吐出リリーフ部60及び燃料インレット35は、カバー31に溶接により接合されている。これらの溶接によって、カバー31の下側の端部とフランジ部112との隙間、嵌合孔313を形成する部位と燃料吸入部38との隙間、嵌合孔314を形成する部位と燃料吐出リリーフ部60との隙間、及び、嵌合孔315を形成する部位と燃料インレット35との隙間は液密に封止されている。
カバー31は、カバー31とフランジ部112とによって区画される燃料ギャラリ32を有する。燃料インレット35から燃料ギャラリ32に供給された燃料は、連通路153を経由して燃料吸入部38の内部に供給される。
燃料ギャラリ32には、パルセーションダンパ33が設けられている。パルセーションダンパ33は、外縁部が接合された2枚の円形皿状のダイアフラム331、332からなり、所定圧の気体を内部に密封している。パルセーションダンパ33は、ダイアフラム331、332の外縁部が二つの支持体333、334に挟まれるようにしてカバー31の内壁に固定されている。パルセーションダンパ33は、燃料ギャラリ32内の燃料の圧力変化に応じて弾性変形し燃料ギャラリ32の燃料の圧力脈動を低減する。
燃料吸入部38は、ノーマリオープン型の電磁駆動弁であり、吸入弁部40及び「駆動部」としての電磁駆動部50を有する。燃料吸入部38は、プランジャ21がシリンダ13内で下降するとき開弁し加圧室14に燃料を供給する。また、プランジャ21がシリンダ13内で上昇を開始するときまたは上昇している途中に閉弁し加圧室14の燃料をプランジャ21の上昇によって加圧可能な状態とする。
吸入弁部40は、第一吸入弁ボディ41、第二吸入弁ボディ42、弁座43、「弁部材」としての吸入弁部材44、「付勢部材」としての板ばね45を有する。
第一吸入弁ボディ41は、筒状に形成され、上ハウジング15の吸入通路152に固定されている。第一吸入弁ボディ41の一方の端部には、電磁駆動部50が設けられている。第一吸入弁ボディ41の他方の端部には、上ハウジング15の内側に収容される第二吸入弁ボディ42が設けられている。第二吸入弁ボディ42は、筒状に形成され、連通路153と加圧室14とを連通可能な吸入室400を有する。
吸入弁部40では、電磁駆動部50が出力する押圧力と板ばね45の付勢力とのバランスによって吸入弁部材44が軸方向に移動し、吸入弁部材44が弁座43と離間または離間する。これにより、吸入弁部40が開弁または閉弁し、第二吸入弁ボディ42が有する吸入室400と加圧室14とを連通または遮断する。吸入弁部40の詳細な構成は後述する。
電磁駆動部50は、可動コア51、ニードル52、ニードルガイド53、固定コア54、コイル55などを有する。
可動コア51は、円筒状に形成されており、第一吸入弁ボディ41の一方の端部内で軸方向に移動可能に設けられている。可動コア51は、ニードル52の一方の端部に固定されている。
ニードル52は、第一吸入弁ボディ41及び第二吸入弁ボディ42内でニードルガイド53により軸方向に往復移動可能に支持されている。ニードル52は、可動コア51と一体に往復移動可能であり、ニードル52と弁座43とが当接することでニードル52の位置が決まり、その後、吸入弁部材44と当接する。ニードル52が弁座43と当接しているとき、吸入弁部材44は弁座43から離間している。
ニードル52は、ニードルガイド53に対し可動コア51とは反対側で径外方向に突き出す環状のストッパ部521を形成している。ニードル52は、ストッパ部521がニードルガイド53に当接するまで固定コア54の方向に移動可能である。
ニードルガイド53の可動コア51側の端部は、径内方向に突出する鍔部531を有している。ニードル52は、ニードルガイド53の可動コア51とは反対側の端部に対応する位置で径外方向に突出する鍔部522を形成している。
鍔部531と鍔部522との間には、スプリング56が設けられている。スプリング56は、板ばね45が吸入弁部材44を閉弁方向に付勢する付勢力よりも強い付勢力でニードル52を加圧室14の方向に付勢している。
固定コア54は、磁性材料からなり、可動コア51に対し吸入弁部40とは反対側に設けられている。
コイル55は、固定コア54の径方向外側に設けられている。
電磁駆動部50では、コイル55に電力を供給すると固定コア54がスプリング56の付勢力に抗して可動コア51を吸引する。ニードル52は、固定コア54に吸引される可動コア51と一体となって固定コア54の方向に移動する。また、コイル55への電力の供給を停止すると固定コア54と可動コア51との間の磁気吸引力が失われる。当該磁気吸引力が無くなると、ニードル52は、スプリング56の付勢力により固定コア54とは反対の方向に移動する。
このように、電磁駆動部50は、ニードル52の駆動を制御し、弁座43に対する吸入弁部材44の位置を制御する。
燃料吐出リリーフ部60は、第一吐出弁ボディ61、第二吐出弁ボディ62、吐出弁部材64、リリーフ弁部材66を有する。
第一吐出弁ボディ61は、筒状に形成されており、上ハウジング15の吐出通路154に固定されている。
第二吐出弁ボディ62は、第一吐出弁ボディ61の内側に設けられている。第二吐出弁ボディ62は、筒状に形成されており、加圧室14側に有底筒状の空間を有するよう第一吐出弁ボディ61と上ハウジング15とに挟持されている。
第二吐出弁ボディ62は、吐出通路621と、吐出通路621に非連通のリリーフ通路622とを有する。吐出通路621は、第二吐出弁ボディ62の加圧室14側の壁面の径方向外側に開口するとともに、第二吐出弁ボディ62の加圧室14とは反対側の壁面の中央に開口している。リリーフ通路622は、第二吐出弁ボディ62の加圧室14側の壁面の中央に開口するとともに、第二吐出弁ボディ62の加圧室14とは反対側の壁面のうち径方向外側に開口している。
吐出弁部材64は、第二吐出弁ボディ62に対し加圧室14とは反対側に位置している。吐出弁部材64は、第二吐出弁ボディ62に当接または離間し、吐出通路621を開閉可能である。吐出弁部材64は、吐出弁スプリングホルダ641に保持された吐出弁スプリング65により閉弁方向に付勢されている。
リリーフ弁部材66は、第二吐出弁ボディ62の加圧室14側の有底筒状の空間に収容されており、リリーフ通路622を開閉可能である。リリーフ弁部材66は、リリーフ弁スプリングホルダ661に保持されたリリーフ弁スプリング67により閉弁方向に付勢されている。
第一実施形態による高圧ポンプ1は、燃料吸入部38が有する吸入弁部40の構成に特徴がある。ここで、図4〜7に基づいて吸入弁部40の詳細な構成を説明する。図4は、開弁時の吸入弁部40の断面図である。なお、説明の便宜上、図4における板ばね45は、図7(a)に示す断面線VIIb−VIIb線図で示される断面図を示してある。以下、図4の右側を「加圧室側」、図4の左側を「吸入室側」として説明する。
弁座43は、円柱状の部材である。弁座43は、第二吸入弁ボディ42の加圧室14側の端部に設けられている。弁座43は、第二吸入弁ボディ42及び上ハウジング15に対して相対移動不能である。弁座43は、上ハウジング15の吸入通路152を吸入室400側の吸入室400と加圧室14側とに区画している。
弁座43は、中心に貫通孔430を有している。貫通孔430には、図4に示すように、ニードル52が挿通される。また、貫通孔430の径方向外側には、複数の「燃料流路」としての連通路431を有している。複数の連通路431は、周方向で等間隔に位置している。連通路431は、弁座43の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。弁座43は、加圧室14側に複数の連通路431の開口に対応する複数の「弁座面」としてのシート面432を有する。すなわち、吸入弁部40は、マルチシート型バルブである。
吸入弁部材44は、円板状の部材であって、弁座43の加圧室14側に軸方向に往復移動可能に設けられる。吸入弁部材44は、周方向で等間隔に位置する複数の「弁部材流路」としての連通路441を有する。連通路441は、吸入弁部材44の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。吸入弁部材44の吸入室400側の端面442は複数のシート面432に当接可能に形成されているとともに、ニードル52の一方の端部が当接している。吸入弁部材44の加圧室14側の外縁部443は、加圧室14からの燃料の流れを径方向外側に逃がすようテーパ状に形成されている。
板ばね45は、吸入弁部材44の加圧室14側に設けられる。板ばね45は、板状の部材をプレスし形成される。板ばね45は、固定部451、延伸部452、当接部453などを有する。固定部451、延伸部452及び当接部453は、一体に形成される。板ばね45は、吸入弁部材44の端面442がシート面432に当接するよう付勢する。
固定部451は、板ばね45の径方向外側の端部に周方向で等間隔に四個設けられる。固定部451は、図4に示すように、弁座43と上ハウジング15との間に挟持され上ハウジング15に固定される。
延伸部452は、筒部454及び板部455を有する。
筒部454は、四個の固定部451の径方向内側の端部から加圧室14に向かって延びるよう設けられる筒状の部位である。第一実施形態では、筒部454は、吸入弁部材44の径方向外側の外縁部444に摺動可能に設けられる。
板部455は、筒部454の径方向内側に延びるよう形成されている略円板状の部位である。板部455は、四個の筒部454をつなげるよう設けられる。板部455は、径方向内側に吸入弁部材44の方向に突出する当接部453が設けられている。当接部453は、吸入弁部材44の加圧室14側の端面445の略中央に当接している。
板部455は、周方向で等間隔に複数の「付勢部材流路」としての連通路457を有している。また、板部455の径方向外側の端部のうち筒部454が設けられていない端部の切り欠き部458は、上ハウジング15の内壁との間に隙間450を形成する。連通路457及び隙間450は、板ばね45の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。
次に、高圧ポンプ1の作動を説明する。
(I)吸入行程
カムシャフトの回転によりプランジャ21が上死点から下死点に向かって下降するとき、加圧室14の容積が増加するとともに加圧室14内の燃料の圧力が減少する。このとき、吐出通路621は吐出弁部材64により遮断されている。また、コイル55への電力の供給が停止していると、ニードル52は、スプリング56の付勢力により固定コア54と反対の方向に移動する。これにより、ニードル52が吸入弁部材44を押圧し、吸入弁部材44が図4に示すように弁座43から離間する。弁座43と吸入弁部材44とが離間すると、吸入室400の燃料は、連通路431、441、457を通って加圧室14に吸入される(図4の二点鎖線矢印F11)。また、吸入室400の燃料は、連通路431、吸入弁部材44の径方向外側、及び、隙間450を通っても加圧室14に吸入される(図4の二点鎖線矢印F12)。
(II)調量行程
カムシャフトの回転によりプランジャ21が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室14の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル55への電力の供給が停止しているため、吸入弁部40は開弁したままとなる。このため、吸入行程で加圧室14に吸入された燃料の一部が吸入弁部40を経由して燃料貯留部30に戻る。
プランジャ21が上昇する途中の所定の時期にコイル55に電力を供給すると、固定コア54と可動コア51との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力がスプリング56の付勢力から板ばね45の付勢力を引いた合力より大きくなると、可動コア51及びニードル52が固定コア54の方向に移動する。これにより、ニードル52の吸入弁部材44への押圧力が解除される。燃料の流れによって発生する動圧と板ばね45の付勢力とによって吸入弁部材44が弁座43に当接し、吸入弁部40は閉弁する。
(III)加圧行程
吸入弁部40の閉弁後、プランジャ21の上昇によって加圧室14の容積が減少し、加圧室14の燃料の圧力が増加する。加圧室14の燃圧によって吐出弁部材64に作用する力が燃料吐出口69側の燃圧によって吐出弁部材64に作用する力と吐出弁スプリング65の付勢力との合計よりも大きくなると、吐出弁部材64は開弁する。これにより、加圧室14で加圧された燃料が吐出孔142などを経由して燃料吐出口69から吐出する。
高圧ポンプ1は、吸入行程、調量行程及び加圧行程を繰り返し、吸入した燃料を調量し加圧して燃料吐出口69から吐出する。
(a)第一実施形態による高圧ポンプ1では、吸入弁部材44と弁座43とが当接するよう吸入弁部材44を付勢する板ばね45が設けられている。これにより、プランジャ21の往復移動が比較的低速であってもプランジャ21が上昇を開始するときまたは上昇している途中に迅速に閉弁し、高圧ポンプ1の吐出効率を向上する。
また、板ばね45は、上ハウジング15に固定される固定部451の径方向内側に延びるよう形成されている延伸部452、及び、延伸部452の径方向内側に吸入弁部材44に当接可能な当接部453を有する。これにより、板ばね45の軸方向の長さが比較的短くなり、吸入弁部材44を弁座43側に付勢する板ばね45を収容する吸入弁部材44の加圧室14側の空間の容積を比較的小さくすることができる。したがって、高圧ポンプ1の体格を小さくすることができる。
(b)一般に、高圧ポンプでは、弁部材の加圧室側の空間は加圧室と連通しており、プランジャの上昇によって加圧室の燃料が加圧されるとき、弁部材の加圧室側の空間の容積が小さいほど加圧前の燃料の体積に対する加圧後の燃料の体積の比である圧縮率は高くなる。圧縮率が高くなると、高圧ポンプの吐出効率は向上する。
第一実施形態による高圧ポンプ1では、吸入弁部材44の加圧室14側の空間に収容されている板ばね45の軸方向の長さが比較的短いため、当該空間の容積は小さい。これにより、プランジャ21の上昇によって加圧される燃料の圧縮率は高くなり、高圧ポンプ1の吐出効率を向上することができる。
(c)また、高圧ポンプ1が備える板ばね45は、吸入弁部材44の加圧室14側に設けられ、固定部451、延伸部452、及び、当接部453が一体に形成されている。これにより、加圧室14側から吸入弁部材44を弁座43側に付勢するための部品を一つにすることができる。したがって、高圧ポンプ1を構成する部品点数を低減することができる。
(d)板ばね45は、板状の部材をプレスなどによって容易に成形することができる。これにより、高圧ポンプ1の製造コストを低減することができる。
(e)従来、コイルスプリングによって弁部材を弁座の方向へ付勢するとき、弁部材の径方向への移動を規制する規制部を別部材として設ける必要があった。このため、高圧ポンプを構成する部品の点数が増加する。また、特許文献1に記載の高圧ポンプのように、コイルスプリングの一方の端部と当接する当接部材を弁部材の径方向への移動を規制するよう成形すると、当接部材の形状が複雑になり、高圧ポンプの製造コストが増加する。
第一実施形態による高圧ポンプ1では、板ばね45が有する筒部454によって吸入弁部材44の軸方向の移動を案内することができる。これにより、高圧ポンプ1を構成する部品の点数を低減し、高圧ポンプ1の製造コストを低減することができる。
(f)また、吸入弁部材44の軸方向の移動は、筒部454によって案内されるため、吸入弁部材44を弁座43の複数のシート面432に確実に当接させることができる。
(g)板ばね45は、燃料が流れる複数の連通路457を有している。これにより、吸入行程における加圧室14が吸入する燃料の量や調量行程における加圧室14から吸入室400に戻される燃料の量を十分な量とすることができ、燃料流量の不足による高圧ポンプ1の吐出効率の低下を防止することができる。
(h)また、板ばね45と上ハウジング15との間には、燃料が流れる隙間450が形成されている。これにより、吸入行程における加圧室14が吸入する燃料の量や調量行程における加圧室14から吸入室400に戻される燃料の量を十分な量とすることができ、燃料流量の不足による高圧ポンプ1の吐出効率の低下をさらに防止することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による高圧ポンプを図8、9に基づいて説明する。第二実施形態は、板ばねの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による高圧ポンプが有する吸入弁部70の断面図を図8に示す。図8は、開弁時の吸入弁部70の断面図である。吸入弁部70は、第一吸入弁ボディ41、第二吸入弁ボディ42、弁座43、吸入弁部材44、「付勢部材」としての板ばね75などを有する。なお、説明の便宜上、図8における板ばね75は、図9(a)に示す断面線IXb−IXb線図で示される断面図を示してある。以下、図8の右側を「加圧室側」、図8の左側を「吸入室側」として説明する。
板ばね75は、吸入弁部材44の加圧室14側に設けられる。板ばね75は、板状の部材をプレスし形成される。板ばね75は、固定部451、延伸部752、当接部453、突出部759などを有する。
延伸部752は、筒部454及び板部755を有する。
板部755は、筒部454の径方向内側に延びるよう形成されている略円板状の部位である。板部755は、四個の筒部454をつなげるよう設けられる。板部755は、径方向内側に当接部453が設けられている。
板部755は、周方向で等間隔に複数の「付勢部材流路」としての連通路757を有している。連通路757は、図9(a)に示すように、吸入弁部材44が有する連通路441に対応する位置に形成されている。連通路757の内径は、連通路441の内径と同じである。第二実施形態では、吸入弁部材44が有する九個の連通路441に対して、付勢部753は八個の連通路757を有している。連通路757は、板ばね75の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。また、板部755の径方向外側の端部のうち筒部454が設けられていない端部の切り欠き部758は、上ハウジング15の内壁との間に隙間750を形成する。連通路757及び隙間750は、板ばね75の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。
突出部759は、板部755の吸入弁部材44側に設けられる。突出部759は、板部755から吸入弁部材44の方向に突出するよう設けられている。突出部759は、図8に示すように、吸入弁部材44が有する複数の連通路441の一つの連通路441に入れ込み可能に形成されている。
第二実施形態による高圧ポンプでは、弁座43と吸入弁部材44とが離間すると、吸入室400の燃料は、連通路431、441、757を通って加圧室14に吸入される(図8の二点鎖線矢印F21)。また、吸入室400の燃料は、連通路431、吸入弁部材44の径方向外側、隙間750を通っても加圧室14に吸入される(図8の二点鎖線矢印F22)。
第二実施形態による高圧ポンプでは、突出部759によって板ばね75に対する吸入弁部材44の相対回転が規制される。これにより、同じ内径を有する連通路441と連通路756とが図9(a)に示すように同軸上に位置する。したがって、調量行程において加圧室14から吸入室400に戻る燃料は、連通路757、441をスムーズに流れることができる。したがって、第二実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、加圧室14から吸入室400に戻る燃料の動圧が吸入弁部材44に作用することを防止することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による高圧ポンプを図10に基づいて説明する。第三実施形態は、弁部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による高圧ポンプが有する吸入弁部77の断面図を図10に示す。図10は、開弁時の吸入弁部77の断面図である。吸入弁部77は、第一吸入弁ボディ41、第二吸入弁ボディ42、弁座43、「弁部材」としての吸入弁部材74、板ばね45などを有する。以下、図10の右側を「加圧室側」、図10の左側を「吸入室側」として説明する。
吸入弁部材74は、弁座43の加圧室14側に軸方向に往復移動可能に設けられる。吸入弁部材74は、吸入弁部材74の吸入室400側の端面742は複数のシート面432に当接可能に形成されているとともに、ニードル52の一方の端部が当接している。吸入弁部材74の加圧室14側の外縁部743は、加圧室14からの燃料の流れを径方向外側に逃がすようテーパ状に形成されている。吸入弁部材74は、周方向で等間隔に位置する複数の「弁部材流路」としての連通路741を有する。連通路741は、吸入弁部材74の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。
第三実施形態の吸入弁部材74は、略筒状の突起部745を有する。突起部745は、一方の端部が連通路741の一つに挿入されている。突起部745の他方の端部は、吸入弁部材74の連通路741に対応する位置に形成されている板ばね45の連通路457に入り込み可能に設けられている。連通路457の内径は、連通路741の内径と同じである。
第三実施形態による高圧ポンプでは、弁座43と吸入弁部材44とが離間すると、吸入室400の燃料は、連通路431、741、457を通って加圧室14に吸入される(図10の二点鎖線矢印F31)。また、吸入室400の燃料は、連通路431、吸入弁部材74の径方向外側、隙間450を通っても加圧室14に吸入される(図10の二点鎖線矢印F32)。
第三実施形態による高圧ポンプでは、突起部754によって板ばね45に対する吸入弁部材74の相対回転が規制される。これにより、同じ内径を有する連通路741と連通路457とが同軸上に位置する。したがって、調量行程において加圧室14から吸入室400に戻る燃料は、連通路457、741をスムーズに流れることができる。したがって、第三実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、加圧室14から吸入室400に戻る燃料の動圧が吸入弁部材74に作用することを防止することができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による高圧ポンプを図11に基づいて説明する。第四実施形態は、弁座、吸入弁部材、及び、板ばねの形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第四実施形態による高圧ポンプが有する吸入弁部80の断面図を図11に示す。図11は、開弁時の吸入弁部80の断面図である。吸入弁部80は、第一吸入弁ボディ41、第二吸入弁ボディ42、弁座83、「弁部材」としての吸入弁部材84、「付勢部材」としての板ばね85などを有する。以下、図11の右側を「加圧室側」、図11の左側を「吸入室側」として説明する。
弁座83は、略筒状の部材である。弁座83は、第二吸入弁ボディ42の可動コア51とは反対側の端部に設けられる。弁座83は、後述する板ばね85と第二吸入弁ボディ42との間に設けられ、上ハウジング15に対して相対移動不能である。弁座83は、筒部831及びシート面形成部832を有する。
筒部831は、略筒状に形成され、板ばね85と第二吸入弁ボディ42との間に挟持されている。
シート面形成部832は、筒部831の内壁から筒部831の径内方向に延びるよう設けられている。シート面形成部832は、ニードル52が挿通されるとともに燃料が流通可能な「燃料流路」及び「貫通孔」としての連通路830を有する。シート面形成部832は、加圧室14側に「弁座面」としてのシート面833を有する。シート面833は、後述する吸入弁部材84に当接可能である。
吸入弁部材84は、柱状の部材であって、弁座83内に設けられる。吸入弁部材84は、板ばね85に上ハウジング15の内側を往復移動可能に支持されている。吸入弁部材84は、外径が比較的大きい大径部841、外径が大径部841より小さい小径部842を有している。
大径部841は、加圧室14とは反対側の端面843にニードル52の一方の端部が当接している。端面843は、シート面833に当接可能に形成されている。小径部842は、大径部841の加圧室14側に設けられている。
吸入弁部材84は、図11に示すように、吸入弁部材84の軸方向の長さL1が吸入弁部80が開弁しているときの大径部841と小径部842との間の段差面844とシート面833との間の距離D1に比べて長くなるよう形成されている。
板ばね85は、吸入弁部材84の加圧室14側に設けられる。板ばね85は、板状の部材をプレスし形成される。板ばね85は、固定部851、延伸部852、当接部853などを有する。固定部851、延伸部852及び当接部853は、一体に形成されている。
固定部851は、板ばね85の径方向外側の端部に設けられる環状の部位である。固定部851は、図11に示すように、弁座43と上ハウジング15との間に挟持されている。
延伸部852は、固定部851の径方向内側に設けられる。延伸部852は、固定部851の径方向内側の端部から可動コア51の方向かつ径方向内側に平板状に延びるよう形成されている。延伸部852は、複数の「付勢部材流路」としての連通路854を有している。連通路854には燃料が流れる。連通路854は、板ばね85の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。
当接部853は、延伸部852の径方向内側に設けられる環状の部位である。当接部853は、中央に貫通孔855を有する。貫通孔855には吸入弁部材84の小径部842が嵌合している。また、吸入室400側の端面856は、吸入弁部材84の大径部841が有する段差面844に当接している。これにより、板ばね85の付勢力は、弁座83のシート面833と吸入弁部材84の端面843とが当接するよう吸入弁部材84に作用する。
第四実施形態による高圧ポンプでは、弁座43と吸入弁部材44とが離間すると、吸入室400の燃料は、弁座83のシート面833と吸入弁部材84の端面843との間、吸入弁部材84の径方向外側、連通路854を通って加圧室14に吸入される(図11の二点鎖線矢印F4)。
第四実施形態による高圧ポンプでは、弁座83と吸入弁部材84とが当接するよう吸入弁部材84を付勢する板ばね85が吸入弁部材84の加圧室14側に設けられている。板ばね85は、弁座43と上ハウジング15との間に挟持されている固定部851、固定部851の径方向内側の端部から可動コア51の方向かつ径方向内側に平板状に延びるよう形成されている延伸部852、及び、吸入弁部材84に当接する当接部853などから構成され、これらが一体に形成されている。これにより、第四実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(c)を奏する。
板ばね85は、板状の部材をプレスし成形することが可能である。これにより、第四実施形態は、第一実施形態の効果(d)を奏する。また、板ばね85は、燃料が流れる連通路854を有している。これにより、第四実施形態は、第一実施形態の効果(g)を奏する。
吸入弁部材84の小径部842は、当接部853が有する貫通孔855に挿通され、径方向の移動が規制されている。また、吸入弁部材84の軸方向の長さL1は、吸入弁部80が開弁しているときの段差面844とシート面833との間の距離D1に比べて長い。これにより、第四実施形態は、第一実施形態の効果(e)を奏するとともに吸入弁部材84が板ばね85から外れることを防止することができる。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態による高圧ポンプを図12に基づいて説明する。第五実施形態は、吸入弁部材及び板ばねの形状が第四実施形態と異なる。なお、第四実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第五実施形態による高圧ポンプが有する吸入弁部90の断面図を図12に示す。図12は、開弁時の吸入弁部90の断面図である。吸入弁部90は、第一吸入弁ボディ41、第二吸入弁ボディ42、弁座83、「弁部材」としての吸入弁部材94、「付勢部材」としての板ばね95などを有する。以下、図12の右側を「加圧室側」、図12の左側を「吸入室側」として説明する。
吸入弁部材94は、略円板状の部材であって、弁座83内に設けられる。吸入弁部材94は、板ばね95に上ハウジング15の内側を往復移動可能に支持されている。吸入弁部材94は、吸入室400側の端面941にニードル52の一方の端部が当接している。端面941は、シート面833に当接可能に形成されている。吸入弁部材94の加圧室14側には窪み942が形成されている。窪み942は、軸方向の深さL2が図12に示すように、吸入弁部90が開弁しているときの端面941とシート面833の間の距離D2に比べて長くなるよう形成されている。
板ばね95は、吸入弁部材94の加圧室14側に設けられる。板ばね95は、板状の部材をプレスし形成される。板ばね95は、固定部951、延伸部952、当接部953などを有する。固定部951、延伸部952及び当接部953は、一体に形成されている。
固定部951は、板ばね45の径方向外側の端部に設けられる環状の部位である。固定部951は、図12に示すように、弁座83と上ハウジング15との間に挟持されている。
延伸部952は、固定部951の径方向内側に設けられる。延伸部952は、固定部951の径方向内側の端部から可動コア51の方向かつ径方向内側に曲面状に延びるよう形成されている。延伸部952は、複数の「付勢部材流路」としての連通路954を有している。連通路954には燃料が流れる。連通路954は、板ばね95の吸入室400側と加圧室14側とを連通している。
当接部953は、延伸部952の径方向内側に設けられる。当接部953は、可動コア51の方向に突出している。当接部953は、吸入弁部材94の窪み942に嵌合し当接している。
第四実施形態による高圧ポンプでは、弁座43と吸入弁部材44とが離間すると、吸入室400の燃料は、弁座83のシート面833と吸入弁部材94の端面941との間、吸入弁部材94の径方向外側、連通路954を通って加圧室14に吸入される(図12の二点鎖線矢印F5)。
第五実施形態による高圧ポンプでは、弁座83と吸入弁部材94とを当接するよう吸入弁部材94を付勢する板ばね95が吸入弁部材94の加圧室14側に設けられている。板ばね95は、弁座83と上ハウジング15との間に挟持されている固定部951、固定部951の径方向内側の端部から可動コア51の方向かつ径方向内側に曲面状に延びるよう形成されている延伸部952、及び、吸入弁部材94に当接している当接部953などから構成され、これらが一体に形成されている。これにより、第五実施形態は、第一実施形態の効果(a)〜(c)を奏する。
板ばね95は、板状の部材をプレスし成形することが可能である。これにより、第五実施形態は、第一実施形態の効果(d)を奏する。また、板ばね95は、燃料が流れる連通路954を有している。これにより、第五実施形態は、第一実施形態の効果(g)を奏する。
板ばね95の当接部953は、吸入弁部材94の窪み942に嵌合しているため、吸入弁部材94の径方向の移動が板ばね95によって規制される。また、窪み942の軸方向の深さL2は、吸入弁部90が開弁しているときの端面941とシート面833の間の距離D2に比べて長い。これにより、第五実施形態は、第一実施形態の効果(e)を奏するとともに吸入弁部材94が板ばね95から外れることを防止することができる。
(他の実施形態)
(ア)第一、二実施形態では、高圧ポンプが有する吸入弁部は、マルチシート型バルブであるとした。しかしながら、高圧ポンプが有する吸入弁部は、シングルシート型バルブでもよい。
(イ)第一、二実施形態では、板ばねは、吸入弁部材を径方向の移動を規制する筒部を有するとした。しかしながら、筒部を有していなくてもよい。
(ウ)第一、二実施形態では、板ばねは、板ばねの吸入室側と加圧室側とを連通する連通路及び隙間を有するとした。しかしながら、連通路または隙間のいずれかを有していればよく、板ばねの吸入室側と加圧室側との間で燃料を流通可能であればよい。
(エ)第一、二実施形態では、当接部は板ばねの中心に位置し、吸入弁部材の略中央に当接するとした。しかしながら、当接部が設けられる位置はこれに限定されない。当接部は複数あってもよい。この場合、周方向で等間隔に設けられていることが望ましい。
(オ)第二実施形態では、突出部は、板ばねに設けられるとした。また、第三実施形態では、突起部は、吸入弁部材に設けられるとした。しかしながら、板ばねに対する吸入弁部材の相対回転を規制する突出部または突起部は、板ばねや吸入弁部材と別部材で設けられてもよい。
(カ)第一〜三実施形態では、板ばねが有する筒部は、吸入弁部材の径方向外側の外縁部に摺動可能に設けられるとした。しかしながら、筒部と吸入弁部材の外縁部との関係はこれに限定されない。筒部と吸入弁部材の外縁部とは当接可能に設けられてもよい。
(キ)第四、五実施形態では、吸入弁部材と板ばねとは嵌合しているとした。しかしながら、吸入弁部材と板ばねとの関係はこれに限定されない。固定されていてもよい。
(ク)上述の実施形態では、板ばねは、板状の部材をプレスし成形されるとした。しかしながら、板ばねの成形方法はこれに限定されない。
このように本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
1 ・・・高圧ポンプ、
13 ・・・シリンダ、
14 ・・・加圧室、
15 ・・・上ハウジング(弁ハウジング)、
152 ・・・吸入通路(連通路)、
21 ・・・プランジャ、
43、83・・・弁座、
431 ・・・連通路(燃料流路)、
432 ・・・シート面(弁座面)、
44、84、94・・・吸入弁部材(弁部材)、
45、75、85、95・・・板ばね(付勢部材)、
451、851、951・・・固定部、
452、852、952・・・延伸部、
453、853、953・・・当接部、
60 ・・・燃料吐出リリーフ部(燃料吐出部)、
830 ・・・連通路(燃料流路、貫通孔)、
833 ・・・シート面(弁座面)。

Claims (10)

  1. 往復移動可能なプランジャ(21)と、
    前記プランジャを往復移動可能に支持し、前記プランジャが移動すると容積が変化する加圧室(14)を有するシリンダ(13)と、
    前記加圧室に連通する連通路(152)を形成する通路形成部材(15)と、
    前記連通路に設けられ、前記加圧室側と、前記加圧室とは反対側とを連通し前記加圧室への燃料が流通する燃料流路(431、830)、及び、前記燃料流路の前記加圧室側の開口の周囲に形成される弁座面(432、833)を有する弁座(43、83)と、
    前記弁座面に当接可能に設けられ、前記弁座面に当接すると前記燃料流路と前記加圧室との間の燃料の流れを遮断し、前記弁座面から離間すると前記燃料流路と前記加圧室との間の燃料の流れを許容する弁部材(44、84、94)と、
    前記通路形成部材または前記弁座に固定される環状の固定部(451、851、951)、前記固定部から前記固定部の内側へ延びるよう前記固定部と一体に形成される延伸部(452、852、952)、及び、前記延伸部の内側に前記延伸部と一体に形成され前記弁部材の前記加圧室側に当接可能な当接部(453、853、953)を有し、前記弁部材を前記弁座側に付勢可能な付勢部材(45、85、95)と、
    前記加圧室の加圧された燃料を外部に吐出する燃料吐出部(60)と、
    を備えることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記付勢部材は、前記付勢部材の前記弁部材側と前記加圧室側とを連通する付勢部材流路(457、854、954)を有することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記弁部材は、前記付勢部材流路に入り込み可能な突起部(745)を有していることを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記付勢部材は、前記固定部および前記延伸部を切り欠くようにして形成される切り欠き部(458)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記延伸部は、前記固定部から前記加圧室側へ筒状に延びるよう形成される筒部(454)、及び、前記筒部から内側に板状に延びるよう前記筒部と一体に形成される板部(455)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記付勢部材は、前記筒部の内壁(456)が前記弁部材の外縁部(444)と当接可能であることを特徴とする請求項5に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記筒部は、前記弁部材の外縁部に摺動可能であることを特徴とする請求項5または6に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記弁部材は、前記弁座側と前記加圧室側とを連通する弁部材流路(441、741)を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  9. 前記付勢部材は、前記弁部材流路に入り込み可能な突出部(759)を有していることを特徴とする請求項8に記載の高圧ポンプ。
  10. 前記弁座は、前記加圧室側と、前記加圧室とは反対側とを連通する貫通孔(430、830)を有し、
    前記貫通孔に挿通され、一端が前記弁部材の前記弁座側に当接可能なニードル(52)と、
    前記ニードルを前記加圧室側または前記加圧室とは反対側に駆動可能な駆動部(50)と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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