JP2016132472A - 充填装置及び粉体が充填された容器の製造方法 - Google Patents

充填装置及び粉体が充填された容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、螺旋部の上側に突起が設けられてない螺旋体を備えた充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の部分の粉体の嵩密度を局所的に高くする充填装置の提供を目的とする。【解決手段】充填装置10は、下端に穴22Bが形成され、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有し、粉体Tを収容する収容部22と、筒状で、収容部22と穴22Bの縁で繋がって粉体Tを下側に搬送する搬送路24Cを形成している搬送部24と、搬送部24内に配置され、軸32と軸32の周りに形成されている螺旋部34とを有し、軸32の周りに回転して搬送部24内の粉体Tを搬送させる螺旋体30であって、螺旋部34の上面110に突起120が設けられている螺旋体30と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、充填装置及び粉体が充填された容器の製造方法に関する。
特許文献1には、ホッパ3内に粉体2を供給して粉体2内の空気を吸引除去した後に容器4側へ粉体2の導入が行われることで、容器4内へ粉体2を高密度に充填する方法が記載されている。
特許文献2には、螺旋状の羽根を備えたオガー54を有し、オガー54の回転によって粉体を送りながら粉体の充填量を計量する計量部20と、計量部20の内張り出し部およびオガー54に設けられた通気性部材とを有する粉体充填機が記載されている。そして、特許文献2の粉体充填機は、これら通気性部材を介して計量部20内に加圧空気を吐出させる粉体充填機が記載されている。
特許文献3には、粉体11を排出する粉体排出口14a近傍に設けられた脱気機構26によって気体を含む粉体11を脱気した後に包装材34に所定量充填する充填装置10の運転方法が記載されている。そして、特許文献3の充填装置10の運転方法では、充填装置10の充填運転の開始と同時に脱気を開始し、開始後全充填時間の30〜70%の時間で脱気を停止することが記載されている。
特許文献4には、粉体Pを貯留するタンク1と、タンク1の底部1aに連続する排出通路筒10と、底部1aと排出通路筒10内に跨がって挿通され且つ外周面に螺溝23を形成した棒状体2と、を備えた粉体微量供給装置が記載されている。そして、特許文献4の粉体微量供給装置には、棒状体2が空気の通過を許容し粉体Pの通過を阻止し得る多孔質材で中空に形成され、棒状体2の中空部21に真空吸引装置6と圧縮空気供給装置7とが選択的に連通されることが記載されている。
特開2001−97302号公報 特開平8−72821号公報 特開平8−231051号公報 特開平8−217253号公報
本発明は、螺旋部の上面に突起が設けられてない螺旋体を備えた充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の部分の粉体の嵩密度を局所的に高くする充填装置の提供を目的とする。
請求項1の充填装置は、下端に穴が形成され、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有し、粉体を収容する収容部と、筒状で、前記収容部と前記穴の縁で繋がって粉体を下側に搬送する搬送路を形成している搬送部と、前記搬送部内に配置され、軸と前記軸の周りに形成されている螺旋部とを有し、前記軸の周りに回転して前記搬送部内の粉体を搬送させる螺旋体であって、前記螺旋部の上面に突起が設けられている螺旋体と、を備えている。
請求項2の充填装置は、請求項1記載の充填装置において、前記突起は、前記螺旋部における内周側から外周側に延びている部位を有する。
請求項3の充填装置は、請求項1又は2記載の充填装置において、前記突起は、前記螺旋部における内周から外周に亘って設けられている。
請求項4の充填装置は、請求項3記載の充填装置において、前記突起における前記外周側の部位は、前記外周側の端部と前記軸の軸心とを結ぶ仮想直線よりも前記軸の逆回転方向上流側に設けられている。
請求項5の充填装置は、請求項1〜4の何れか1項記載の充填装置において、前記突起は、前記軸の逆回転方向下流側の面が上側を向いている。
請求項6の充填装置は、請求項1〜5の何れか1項記載の充填装置において、前記螺旋部には、前記上面よりも上側に張り出している張り出し部が前記螺旋部の外周部に沿って設けられている。
請求項7の粉体が充填された容器の製造方法は、請求項1〜6の何れか1項記載の充填装置を用いて、前記収容部内に粉体を送り込み、前記搬送部の下側に容器を配置し、前記螺旋体を回転させて前記搬送部の下端から粉体を押し出し、前記容器内に粉体を充填する。
請求項1の充填装置は、螺旋部の上面に突起が設けられてない螺旋体を備えた充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の部分の粉体の嵩密度を局所的に高くすることができる。
請求項2の充填装置は、突起が螺旋部における内周側から外周側に延びている部位を有していない充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の部分の粉体の嵩密度を局所的に高くすることができる。
請求項3の充填装置は、突起が螺旋部における内周から外周までの一部にのみ設けられている充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の部分の粉体の嵩密度を局所的に高くすることができる。
請求項4の充填装置は、突起が螺旋部の径方向に沿って螺旋部の内周から外周に亘って設けられている充填装置に比べて、軸方向に隣り合う螺旋部間の粉体のうち外周側にある粉体が下側に落下し難い。
請求項5の充填装置は、突起における軸の逆回転方向下流側の面が下側を向いている充填装置に比べて、軸が逆回転している期間に粉体に与える負荷を低減することができる。
請求項6の充填装置は、螺旋部に前記突起とは異なる突起であって螺旋部の上面よりも上側に突起する突起が螺旋部の外周面に沿ってが設けられていない充填装置に比べて、軸方向に隣り合う螺旋部間の粉体のうち外周側にある粉体が下側に落下し難い。
請求項7の粉体が充填された容器の製造方法は、螺旋部の上面に突起が設けられてない螺旋体を備えた充填装置を用いた方法に比べて、充填工程終了後にこぼれる粉体の量を低減することができる。
第1実施形態の充填装置を用いて容器にトナーを充填している状態を示す概略図(正面図)である。 第1実施形態の充填装置を示す概略図(正面図)である。 第1実施形態の充填装置を示す概略図(斜視図)である。 第1実施形態の充填装置を構成するオーガの概略図(上面図)である。 第1実施形態の充填装置を構成するオーガの概略図(正面図)である。 比較形態の充填装置を示す概略図(斜視図)である。 第1実施形態の充填装置を構成する収容部内のトナーの嵩密度を示す図(模式図)であって、充填工程において容器へのトナー充填量が所定値に達してオーガの回転を停止した直後(オーガを逆回転させる前)の状態を示す説明図である。 比較形態の充填装置を構成する収容部内のトナーの嵩密度を示す図(模式図)であって、充填工程終了時の状態(オーガが逆回転して搬送部内のトナーを上側に移動した状態)を示す説明図である。 第1実施形態の充填装置を構成する収容部内のトナーの嵩密度を示す図(模式図)であって、充填工程終了時の状態(オーガが逆回転して搬送部内のトナーを上側に移動した状態)を示す説明図である。 第2実施形態の充填装置を構成するオーガの概略図(正面図)である。 第3実施形態の充填装置を構成するオーガの概略図(上面図)である。 第4実施形態の充填装置を構成するオーガの概略図(斜視図)である。 本発明の変形例(第1変形例)の充填装置を構成するオーガの概略図(斜視図)である。 本発明の変形例(第2変形例)の充填装置を構成するオーガの概略図(上面図)である。 本発明の変形例(第3変形例)の充填装置を構成するオーガの概略図(上面図)である。 本発明の参考例の充填装置の概略図(斜視図)である。
≪概要≫
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)である4つの実施形態(第1〜第4実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、図面における矢印H方向を高さ方向とする。
≪第1実施形態≫
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、本実施形態の充填装置10の構成について説明する。次いで、本実施形態の充填装置10を用いての、後述するトナーカートリッジ100の製造工程について説明する。次いで、本実施形態の作用について説明する。
<構成>
充填装置10は、一例として電子写真方式の画像形成装置(図示省略)で用いられるトナーTを、カートリッジ本体90(以下、容器90という。)内に充填するためのものである。充填装置10は、図1に示されるように、充填装置10の下端の開口(後述する搬送部24の開口24C)からトナーTを排出し、下側に配置されている容器90内に充填するようになっている。そのため、容器90の上側には、開口90Aが形成されている。なお、開口90Aは、円形とされている。ここで、トナーTは、粉体の一例である。なお、本実施形態において、トナーTとは、トナーTを構成するトナー粒子の集合体を意味する。
トナーTは、画像形成装置において消耗品とされている。そのため、トナーTが充填された容器90(トナーカートリッジ100)は、画像形成装置の交換部品として用いられる。
充填装置10は、図2及び図3に示されるように、ホッパー20と、オーガ30と、伝達軸40と、アジテータ50と、駆動源60と、移動装置70と、秤(図示省略)と、トナーTの収容高さセンサ(以下、高さセンサという。図示省略)と、制御部80と、を含んで構成されている。ここで、オーガ30は、螺旋体の一例である。
[ホッパー]
ホッパー20は、収容部22と、搬送部24とを有している。
〔収容部〕
収容部22は、トナーTを収容する機能を有する。収容部22は、円錐台状の筒体であって、上側及び下側にそれぞれ開口22A、開口22Bが形成され、上端から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有している。ここで、開口22Bは穴の一例である。なお、収容部22には、開口22Aからトナータンク(図示省略)内のトナーTが送り込まれるようになっている。
〔搬送部〕
搬送部24は、筒状であって、上側及び下側にそれぞれ開口24A、開口24Bが形成され、上端から下端に亘って径が同等の内周面を有している。本実施形態の搬送部24は円筒とされており、搬送部24の軸は図中の軸Cと重なっている。搬送部24は、収容部22の下側に配置されている。開口24Bの径は、収容部22の開口22Bの径と同等とされている。また、開口24Bの径は、容器90の開口90Aの径よりも小さい。そして、搬送部24は、開口24Aの縁で収容部22の開口22Bの縁に繋がって、収容部22内に収容されているトナーTを下側に搬送する搬送路24Cを形成している。
なお、ホッパー20は、軸Cに対し対称に構成されている。また、軸Cは、高さ方向に沿っている。
[オーガ]
オーガ30は、自軸(自らの軸をいう。)の周りに正回転して搬送部24内のトナーTを下側に搬送させ、自軸の周りに逆回転して搬送部24内のトナーTを上側に搬送させる機能を有する。オーガ30は、制御部80に制御される駆動源60に駆動されて後述する自軸の周りに正回転又は逆回転するようになっている。本実施形態における正回転方向とは、図3の矢印R1方向のことである。また、逆回転方向とは、矢印R2方向のことである。
オーガ30は、図2及び図3に示されるように、回転軸32と、螺旋部34と、を有している。ここで、回転軸32は、軸の一例である。オーガ30の自軸は、軸Cに重なっている。
螺旋部34は、回転軸32の外周に螺旋状に形成され、自軸方向に向く面(上側を向く面を上面110、下側を向く面を下面112という。)を有している。オーガ30は、搬送部24内と収容部22内とに配置されている。具体的には、オーガ30(回転軸32及び螺旋部34)の一部は搬送部24内に配置され、オーガ30の一部は搬送部24の上端からはみ出している。そして、オーガ30における搬送部24の上端からはみ出している部分は、収容部22内の下側の部分に配置されている。なお、オーガ30を自軸方向から見ると、螺旋部34の外周は、軸Cを中心とし、搬送部24の内周面の縁と離間した円を形成している。また、螺旋部34の外周面を外周面114とする。
〔突起〕
突起120は、オーガ30が自軸の周りに逆回転してオーガ30が搬送部24内のトナーTを上側に移動させる際、トナーTを引っ掛ける機能を有する。オーガ30の螺旋部34の上面110には、図3及び図5に示されるように、突起120が設けられている。突起120は、図4に示されるように、回転軸32の自軸方向から見ると、螺旋部32の径方向に沿って直線を成している。そして、突起120は、螺旋部34における内周(螺旋部34における径方向の内側端部)から外周(螺旋部34における径方向の外側端部)に亘って設けられている。換言すれば、突起120は、螺旋部34における内周側から外周側に延びている部位を有している。また、突起120は、複数個(本実施形態では一例として10個)設けられている。各突起120は、周方向に同等の位相分ずれた状態で配置されている。
また、突起120の断面形状は、図5に示されるように、軸Cと直交する方向(螺旋部34の径方向)であって突起120の長手方向から見ると、一例として四角形(正方形)とされている。ここで、突起120の側面のうち回転軸32の逆回転方向下流側の側面を側面122、逆回転方向上流側の側面を側面124、上面を上面126とする。そして、突起120の高さ、すなわち、螺旋部34の上面110から上面126までの距離は、一例として本実施形態のトナーTの平均粒径(体積平均粒径)よりも大きい。
なお、突起120は、図3に示されるように、螺旋部34における搬送部24に囲まれた部分のうちの一部に設けられている。具体的には、突起120の設けられている範囲は、その上限が開口24Aとされ、その下限が開口24Bよりも定められた高さだけ上側とされている。
[伝達軸]
伝達軸40は、オーガ30を自軸周りに回転させる駆動源60のトルクをオーガ30に伝達する機能を有する。伝達軸40の自軸は、図2〜図4に示されるように、軸Cに重なっている。伝達軸40は、図1及び図2に示されるように、一部が収容部22の上端からはみ出して、一部が収容部22内に配置されている。そして、伝達軸40における収容部22の上端からはみ出した側の端部には、駆動源60が繋がっている。また、伝達軸40における収容部22内に配置されている側の端部には、オーガ30の回転軸32が固定されている。
[アジテータ]
アジテータ50は、収容部22内に収容されているトナーTを攪拌しながら、トナーTを収容部22内の下側の部分に移動させる機能を有する。アジテータ50は、図2に示されるように、支持棒52と、羽根54と、を有している。支持棒52の一部は収容部22内に配置され、支持棒52の一部は収容部22の上端からはみ出している。そして、支持棒52における収容部22内に配置されている側の端部には羽根54が固定され、支持棒52における収容部22の上端からはみ出している側の端部は収容部22の上側に備えられている駆動源(図示省略)に取り付けられている。羽根54は、下側端部よりも上側端部が軸Cに離れるように軸Cに傾斜した状態で支持棒52に固定されている。
支持棒52は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、駆動源60により駆動されて、軸Cを軸として矢印R2方向に回転するようになっている。これに伴い、羽根54は、軸Cを軸として矢印R2方向に回転してトナーTを攪拌しながら、トナーTを収容部22内の下側の部分に移動させるようになっている。なお、アジテータ50は、軸Cを軸として回転する際、収容部22内に配置されているオーガ30及び伝達軸40と接触せずに、回転するようになっている。図中において、白い太線の矢印はトナーTの流れを、黒い太線の矢印は空気Gの流れを示している。
[駆動源]
駆動源60は、伝達軸40及びアジテータ50を軸Cの周りに回転させる機能を有する。
[移動装置]
移動装置70は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、容器90を矢印R4方向に移動させる機能を有する。移動装置70は、図1に示されるように、容器90を載せて容器90を移動させるためのベルト70Aを有している。本実施形態の移動装置70は、一例としてベルトコンベア方式の装置とされている。
[その他の構成]
充填装置10は、以上説明した構成要素以外に、秤(図示省略)と、高さセンサ(図示省略)と、を有している。秤は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、トナーTが充填されている容器90の質量を測定する機能を有する。秤は、ベルト70Aの下側であって、後述する位置B(図1参照)に配置されている。また、高さセンサは、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22内に収容されているトナーTの収容高さ(収容部22内において、開口22B(基準)からのトナーTが収容されている位置までの高さ)を測定する機能を有する。本実施形態の高さセンサは、一例として光検出方式のセンサとされている。
[制御部]
制御部80は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、充填装置10を構成する構成要素等を制御する機能を有する。前述したオーガ30を駆動させる駆動源は前述の構成要素の一例であるが、具体的な説明は、後述するトナーカートリッジ100の製造工程の説明とともに行う。
[補足]
〔補足1〕
充填装置10は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22内に収容されるトナーTが開口22Bからの収容部22の高さに対し一例として80%以上85%以下の高さ(以下、基準高さという。)で収容されている状態(図3参照)で用いられる。また、収容部22内のトナーTの高さは、後述する準備工程においてトナーTが収容部22内に送り込まれる際及び後述する充填工程において容器90内にトナーTが充填されている際、高さセンサにより測定されるようになっている。そして、制御部80は、高さセンサが測定した測定値に基づいて収容部22内のトナーTが基準高さとなるように、トナータンク内のトナーTを収容部22内に送り込むようなっている。
〔補足2〕
図2以外の図面では、アジテータ50の図示が省略されている。
〔補足3〕
以上、充填装置10について説明したが、本実施形態の充填装置10は、下端に穴22Bが形成され、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有し、粉体Tを収容する収容部22と、筒状で、収容部22と穴22Bの縁で繋がって粉体Tを下側に搬送する搬送路24Cを形成している搬送部24と、搬送部24内に配置され、軸32と軸32の周りに形成されている螺旋部34とを有し、軸32の周りに正回転して搬送部24内の粉体Tを下側に搬送させ、逆回転して搬送部24内の粉体Tを上側に搬送させたオーガ30であって、螺旋部34の上面110に突起120が設けられているオーガ30と、を備えているといえる。
本実施形態の充填装置10の構成の説明は、以上である。
<カートリッジの製造工程>
次に、充填装置10を用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の製造工程は、準備工程と、配置工程と、移動工程と、充填工程と、を含んでいる。
[準備工程]
準備工程では、制御部80が、収容部22内にトナータンク(図示省略)内のトナーTを基準高さとなるように送り込む。次いで、制御部80が一方向に駆動源60を駆動させると、アジテータ50が軸Cの周りに正回転され、伝達軸40によりオーガ30にトルクが伝達され、オーガ30が軸Cの周りに正回転されて、収容部22内のトナーTが搬送部24内に移動される。次いで、制御部80が駆動源60を他方向に駆動させると、伝達軸40によりオーガ30に逆向きのトルクが伝達され、オーガ30が軸Cの周りに逆回転されて、搬送部24内のトナーTが上側に移動される。以上で準備工程は終了する。
収容部22内で基準高さとなるように送り込まれた直後のトナーTの嵩密度は、収容部22の内周面の形状、トナーTの自重、開口22Bの位置等の関係により、下端(開口22B)の近くほど高くなっていると推測される(図7参照)。そして、制御部80がオーガ30を軸Cの周りに正回転させて逆回転させた後の収容部22内のトナーTの嵩密度は、収容部22の下部であって搬送部24の上側の部分が局所的に高くなっていると推測される(図9参照)。別言すれば、準備工程が終了した後の収容部22内のトナーTの嵩密度は、トナーTのうち収容部22における開口22Bが形成されている部位の上側の部分が局所的に高くなっていると推測される。ここで、図7及び図9では、便宜上、収容部22内のトナーTの嵩密度を4水準の網点(網点の密度が高い方が嵩密度が高い)で示しているが、実際の収容部22内のトナーTの嵩密度は、前述のとおり、下端(開口22B)に近くほど高い。
なお、本実施形態では、制御部80が空の状態の収容部22内にトナータンク内のトナーTを基準高さとなるように送り込む時間は一例として約30秒とされている。また、制御部80が、アジテータ50を回転させて収容部22内のトナーTが所定の嵩密度となるまでの時間は一例として約30秒とされている。さらに、制御部80がオーガ30を軸Cの周りに逆回転させてトナーTを搬送部24内を上側に移動させる時間は一例として数秒とされている。すなわち、準備工程は、一例として約60秒で終了する。
[配置工程]
配置工程では、作業者が、移動装置70のベルト70A上の定められた位置に、複数の容器90を配置する。以上で配置工程は終了する。なお、配置工程は終了すると、複数の容器90は、ベルト70Aの移動方向に沿って1列に等間隔(同等のピッチ)で配置される。
[移動工程]
移動工程では、制御部80が、移動装置70を用いてベルト70A上の位置A上に配置されている容器90を、充填装置10を構成する搬送部24の下側であって高さ方向から見て開口90Aの軸が軸Cに重なる位置Bに移動させる(図1参照)。以上で移動工程は終了する。なお、移動工程は、配置工程及び充填工程の後に行われる。
[充填工程]
充填工程では、移動工程の後、制御部80が、充填装置10を用いて、トナーTを容器90内に充填させる。
具体的に充填工程では、制御部80が、図3に示されるように、駆動源60を駆動させてアジテータ50の羽根54を矢印R3方向に回転させながら、制御部80が、オーガ30を正回転させる(矢印R1方向に回転させる)。
オーガ30の正回転に伴い、収容部22内の下側に収容されているトナーTであって収容部22内にはみ出しているオーガ30の軸方向に隣り合う螺旋部34間のトナーTは、収容部22内から搬送部24内に移動される。次いで、搬送部24内に移動されたトナーTは、下側に搬送されて開口24Bに到達した後、その上側のトナーTによって搬送部24の下端から押し出される。次いで、搬送部24の下端から押し出されたトナーTは、自重により下側に落下し、位置Bに配置されている容器90内に充填される。そして、容器90内に充填されたトナーTの量が予め定められた量に達すると、制御部80は、駆動源の駆動を停止しオーガ30の回転を停止する。なお、制御部80は、秤(図示省略)が測定する容器90の質量の測定値に基づいて、予め定められた量に達したことを判断する。また、本実施形態では、制御部80は、一例として約50秒オーガ30を正回転させる。
次いで、充填工程では、制御部80が、定められた期間、駆動源を駆動させ、オーガ30を逆回転させる(矢印R1方向の逆方向に回転させる)ことで、搬送部24内のトナーTを上側に移動させる。以上で充填工程が終了する。なお、収容部22内であって収容部22における開口22Bが形成されている部位の上側の部分に収容されているトナーTは、搬送部24内のトナーTが上側に移動されることに伴い、オーガ30を逆回転させる直前(オーガ30が正回転した直後)に比べて、嵩密度が高くなる。また、本実施形態における定められた期間とは、一例として2秒とされている。
なお、充填工程において、充填装置10が容器90内にトナーTを充填している期間中、収容部22内のトナーTの収容高さは高さセンサにより測定されている。そして、制御部80は、高さセンサが測定した測定値に基づいて収容部22内のトナーTが基準高さとなるように、トナータンク内のトナーTを収容部22内に送り込む。その結果、収容部22内には、充填装置10が容器90内に充填した分のトナーTがトナータンク内から収容部22内に補充される。
以上、本実施形態の製造工程に含まれる準備工程、移動工程、配置工程及び充填工程について説明した。本実施形態の製造工程では、充填工程の後、制御部80が、トナーTが充填された容器90を位置Bから移動させ、別の容器90を位置Bに配置する。そして、本実施形態の製造工程は、移動工程と充填工程とが交互に行われ、ベルト70Aの定められた位置に配置されたすべての容器90内へトナーTの充填がされて、最後にトナーTが充填された容器90がベルト70Aの搬送方向下流側に搬送されて終了する。なお、トナーTが充填された容器90の開口90Aの形成された部分には別の工程で蓋(図示省略)が取り付けられて、トナーカートリッジ100となる。
本実施形態の製造方法の説明は、以上である。
[補足]
以上、本実施形態の製造方法について説明したが、本実施形態の充填装置10を用いたトナーカートリッジ100の製造方法は、本実施形態の充填装置10を用いて、収容部22内にトナーTを送り込み、搬送部24の下側に容器90を配置し、オーガ30を正回転させて搬送部24の下端からトナーTを押し出し、容器90内にトナーTを充填し、オーガ30を逆回転させて搬送部24内のトナーTを上側に搬送させるものである。
<作用>
次に、本実施形態の作用について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、本実施形態と、以下に想定する比較形態とを比較して行う。なお、比較形態において、本実施形態の充填装置10と同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、本実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
比較形態の充填装置10Aは、図6に示されるように、螺旋部34の上面110に突起120が設けられていない。比較形態の充填装置10Aは、螺旋部34の上面110に突起120が設けられていない点以外は、本実施形態の充填装置10と同様とされている。また、比較形態の充填装置10Aを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、比較形態の製造工程という。)は、本実施形態の充填装置10に換えて比較形態の充填装置10Aを用いて行われる点以外は、本実施形態の製造工程と同様とされている。
比較形態の製造工程の場合、充填工程後の移動工程の期間中、換言すれば、充填工程終了後別の容器90への充填工程が開始されるまでの期間中、充填装置10Aの搬送部24の開口24Bから下側にトナー粒子がこぼれる虞がある。そして、トナー粒子がこぼれると、容器90の外壁に付着して容器90を汚してしまう。また、こぼれたトナー粒子は、ロスとなる。このように比較形態の製造工程でトナー粒子がこぼれる理由は、収容部22内における下端(開口22B)付近に収容されているトナーT及び搬送部24内のトナーTの嵩密度ではトナー粒子同士に働く力よりこぼれるトナー粒子に働く重力の方が大きいためと推認される。
これに対して、本実施形態の充填装置10は、搬送部24内に配置されている螺旋部34の上面110に突起120が設けられている。そして、結論として、本実施形態の場合、比較形態の場合に比べて、トナー粒子がこぼれ難い。
以下、この結論に至る理由について説明する。比較形態の製造工程の場合、収容部22内で基準高さとなるように送り込まれた直後のトナーTは、本実施形態の製造工程の場合と同様、下端(開口22B)の近くほど嵩密度が高くなっていると推測される(図7参照)。しかしながら、準備工程終了後において、比較形態の収容部22内のトナーT(図8参照)は、本実施形態の収容部22内のトナーT(図9参照)のようなトナーTの嵩密度のうち搬送部24の上側の部分の嵩密度が局所的に高い状態にはなっていない(嵩密度の上昇が十分でない)と推測される。本実施形態の場合、螺旋部34に突起120が設けられているため、オーガ30を軸Cの周りに逆回転させて搬送部24内のトナーTを上側に移動させる際、突起部120がトナーTに引っ掛かる。これに対して、比較形態の場合、螺旋部34に突起120が設けられていないため、オーガ30を軸Cの周りに逆回転させて搬送部24内のトナーTを搬送部24内で上側に移動させる際、本実施形態の場合に比べて、螺旋部34の上面110でトナーTがすべり易い。つまり、比較形態の場合、螺旋部34の上面110でトナーTがすべりながら移動されると、本実施形態の場合に比べて、搬送部24内のトナーTを収容部22内に移動させる量が少ない。このため、本実施形態の場合、比較形態の場合に比べて、準備工程終了後及び充填工程終了後における収容部22内のトナーTの嵩密度のうち搬送部24の上側の部分の嵩密度が局所的に高くなると推考される。その結果、収容部22内における下端(開口22B)付近に収容されているトナーT及び搬送部24内のトナーTの嵩密度に注目すると、本実施形態の場合は、比較形態の場合に比べ、トナー粒子同士に働く力よりトナー粒子に働く重力の方が大きいトナー粒子の量が少ないため、上記結論に至る。なお、本明細書においては、トナーTの嵩密度に起因してトナー粒子がこぼれる現象をフラッシングという。
したがって、本実施形態の製造工程(充填装置10)によれば、比較形態の製造工程(充填装置10A)に比べ、収容部22内における下端(開口22B)付近に収容されているトナーT及び搬送部24内のトナーTの嵩密度を高くすることができる。これに伴い、本実施形態の製造工程によれば、比較形態の製造工程に比べ、準備工程終了後及び充填工程終了後、搬送部24からこぼれるトナー粒子の量を低減することができる。換言すれば、本実施形態の製造工程によれば、比較形態の製造工程に比べ、フラッシングを抑制することができる。
また、前述のとおり、本実施形態の製造工程によれば、比較形態に比べ、搬送部24内を搬送されるトナーTの嵩密度が高い状態でトナーTを搬送することができる。
したがって、本実施形態の製造工程によれば、比較形態の製造工程に比べ、容器90内に嵩密度の高いトナーTを充填することができる。別の見方をすれば、本実施形態の製造工程によれば、比較形態の製造工程に比べ、容積の小さい容器90に対して同等の量のトナーTを充填することができる。すなわち、本実施形態の製造工程によれば、比較形態の製造工程に比べ、同等のトナーTの量が充填されている状態であって小型のトナーカートリッジ100を製造することができる。
また、本実施形態の充填装置10では、オーガ30が逆回転して搬送部24内のトナーTは収容部22内の下側の部分であって開口22Bの形成されている部位の上側の部分のトナーTの嵩密度を局所的に高くするようになっている。
したがって、本実施形態の充填装置10によれば、比較形態の充填装置10Aに比べて(図8参照)、収容部22内における上側の部分及び収容部22の内周面に近い部分に収容されているトナーTの嵩密度を同等にしたまま、収容部22内の下側の部分であって開口22Bの形成されている部位の上側の部分に収容されているトナーTの嵩密度を局所的に高くすることができる(図9参照)。これに伴い、本実施形態の充填装置10によれば、比較形態の充填装置10Aに比べて、アジテータ50の回転時の負荷を同等にしたまま、搬送部24内を搬送されるトナーTが嵩密度のばらつきが小さくすることができる。すなわち、本実施形態の充填装置10によれば、比較形態の充填装置10Aに比べて、アジテータ50の回転時の負荷を同等にしたまま、容器90内に充填されるトナーTの充填速度(単位時間当たりに充填されるトナーTの質量)を安定させることができる。なお、本実施形態の充填装置10では、比較形態の充填装置10Aに比べて、搬送部24内を搬送されるトナーTの嵩密度が高くかつトナーTの嵩密度のばらつきを小さくできることから、充填工程でのオーガ30の回転(正回転及び逆回転を含む)の停止の際に、搬送部24からトナー粒子がこぼれ難くなる。そのため、本実施形態の充填装置10では、比較形態の充填装置10Aに比べて、充填工程においてオーガ30の回転を短時間で停止させることが可能となる。すなわち、本実施形態の製造工程によれば、比較形態の製造工程に比べて、トナーカートリッジ100の製造効率(単位時間当たりのトナーカートリッジ100の製造数)を向上することができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態について図10を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態の充填装置10と同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、第1実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
<構成>
本実施形態の充填装置10Bは、第1実施形態の充填装置10との関係において、突起120Bの断面形状が異なる。具体的には、本実施形態の充填装置10Bの突起120Bは、図10に示されるように、軸Cと直交する方向(螺旋部34の径方向)及び突起120Bの長手方向から見ると、直角三角形とされている。そして、突起120Bは、回転軸32の逆回転方向下流側に螺旋部34の上面110に対して上側を向いて傾斜する面(傾斜面122B)を有している。別の見方をすると、傾斜面122Bは、回転軸32の逆回転方向上流側から下流側にかけて螺旋部34の上面110からの高さが徐々に低くなっている。なお、螺旋部34の螺旋角度(軸Cに直交する方向を基準とした角度)をα°、傾斜面122Bの傾斜角(傾斜面122Bにおける螺旋部34の上面110を基準とした角度)をβ°とした場合、(α+β)°は、90°よりも小さい。そして、螺旋部34の上面110に対して上側を向くとは、(α+β)°が90°よりも小さいことを意味する。本実施形態の充填装置10Bは、上記以外の点は、第1実施形態の充填装置10と同様とされている。また、本実施形態の充填装置10Bを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)は、第1実施形態の充填装置10に換えて本実施形態の充填装置10Bを用いて行われる点以外は、第1実施形態の製造工程と同様とされている。
<作用>
以下、本実施形態の充填装置10Bの作用について、本実施形態と第1実施形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第1実施形態の充填装置10の螺旋部34に設けられている突起120は、図5に示されるように、軸Cと直交する方向(螺旋部34の径方向)及び突起120の長手方向から見ると、一例として四角形(正方形)とされている。そのため、オーガ30が軸Cの周りに逆回転する際、側面122は、軸Cと直交する方向から見ると、オーガ30の逆回転方向の斜め下側を向いて移動する。つまり、オーガ30が逆回転して搬送部24内のトナーTを上側に移動する際、突起120は、軸Cと直交する方向から見ると、側面122によりトナーTを斜め下側に向く力で押す。
これに対して、本実施形態の充填装置10Bは、オーガ30が軸Cの周りに逆回転する際、側面122Bは、軸Cと直交する方向から見ると、オーガ30の逆回転方向の斜め上側を向いて移動する。つまり、オーガ30が軸Cの周りに逆回転して搬送部24内のトナーTを上側に移動する際、突起120は、軸Cと直交する方向から見ると、側面122によりトナーTを斜め上側に向く力で押す。
したがって、本実施形態の製造工程(充填装置10B)によれば、第1実施形態の製造工程(充填装置10)に比べ、オーガ30が軸Cの周りに逆回転している期間、トナーTに与える負荷を低減することができる。これに伴い、本実施形態の製造工程(充填装置10B)によれば、第1実施形態の製造工程(充填装置10)に比べ、オーガ30が軸Cの周りに逆回転している期間、トナーTが劣化し難い。本実施形態のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態について図11を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1及び第2実施形態の充填装置10、10Bと同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、第1及び第2実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
<構成>
本実施形態の充填装置10Cは、第1実施形態の充填装置10との関係において、回転軸32の自軸方向から見ると(平面視にて)、突起120Cの形状が異なる。具体的には、本実施形態の充填装置10Cの突起120Cは、図11に示されるように、回転軸32の自軸方向から見ると、突起120Cにおける外周側の端部120C1以外の部位は、外周側の端部120C1と軸C(軸心C)とを結ぶ仮想直線Lよりも回転軸32の逆回転方向(矢印R2方向)上流側に設けられていることで、中心から外周に行くに従って鉛直上方に配置されていることになる。ここで、突起120Cの高さ及び幅は、第1実施形態の突起120と同等である。すなわち、突起120Cの断面形状は突起120と同等である。本実施形態の充填装置10Cは、上記以外の点は、第1実施形態の充填装置10と同様とされている。また、本実施形態の充填装置10Cを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)は、第1実施形態の充填装置10に換えて本実施形態の充填装置10Cを用いて行われる点以外は、第1実施形態の製造工程と同様とされている。
<作用>
以下、本実施形態の充填装置10Bの作用について、本実施形態と第1実施形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第1実施形態の充填装置10の螺旋部34に設けられている突起120は、図4に示されるように、径方向に沿って直線を成している。そのため、オーガ30が軸Cの周りに逆回転する際、側面122は、螺旋部34の外周の接線M1の方向(接線M1とは、螺旋部34における突起120が設けられている部位の外周の接線をいう。)における回転軸32の逆回転方向下流側を向いて移動する。つまり、オーガ30が軸Cの周りに逆回転して搬送部24内のトナーTを上側に移動する際、突起120は、トナーTを接線M1方向おける回転軸32の逆回転方向下流側に向く力F1で押す。
充填工程の後(回転軸32の逆回転が停止した後)、オーガ30の停止に伴い発生するオーガ30の振動等により、軸Cの方向に隣り合う螺旋部34間のトナーTのうち外周側の一部のトナーTが塊のまま螺旋部34の外周面114の方向に移動し、搬送路24Cと螺旋部34の外周面114の隙間から下側(搬送部24の開口24B側)に落下する虞がある。
これに対して、本実施形態の充填装置10Cの外周側の部位120C2は、仮想直線Lよりも回転軸32の逆回転方向上流側に設けられていることで、中心から外周に行くに従って鉛直上方に配置されていることになり、螺旋部34の上面110上のトナーTは、側面122Cにより外側への移動が制限される。そのため。
したがって、本実施形態の製造工程(充填装置10C)によれば、第1実施形態の製造工程(充填装置10)に比べ、充填工程の後移動工程の期間中、第1実施形態に比べ、軸Cの方向に隣り合う螺旋部34間のトナーTのうち外周側のトナーTが塊のまま螺旋部34の外周面114の方向に移動し、搬送路24Cと螺旋部34の外周面114の隙間から下側(搬送部24の開口24B側)に落下し難い。本実施形態のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態について図12を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1〜第3実施形態の充填装置10、10B、10Cと同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、第1及び第2実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
<構成>
本実施形態の充填装置10Dは、第1実施形態の充填装置10との関係において、螺旋部34の上面110よりも上側に張り出している張り出し部130が螺旋部34の外周部に沿って設けられている。張り出し部130における上面110よりも上側に張り出している部分は、回転軸32側を向く面(内周面130A)と、外周面130Bと、上面130Cと、が形成されている。内周面130Aは、軸Cを向いており、上面130Cの上面110からの高さは、突起120の上面110からの高さと同等とされている。すなわち、張り出し部130における上面110から張り出している部分の高さは、一例として本実施形態のトナーTの平均粒径(体積平均粒径)よりも大きい。なお、張り出し部130の下面は、螺旋部34の下面112と同等の位置とされている。また、張り出し部130は、内周面130Aの下側の面で螺旋部34の外周面114に固定されている。本実施形態の充填装置10Dは、上記以外の点は、第1実施形態の充填装置10と同様とされている。また、本実施形態の充填装置10Cを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)は、第1実施形態の充填装置10に換えて本実施形態の充填装置10Dを用いて行われる点以外は、第1実施形態の製造工程と同様とされている。
<作用>
以下、本実施形態の充填装置10Bの作用について、本実施形態と第1実施形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第1実施形態の充填装置10の螺旋部34には、図3に示されるように、張り出し部130が設けられていない。そのため、オーガ30が軸Cの周りに逆回転して停止した際、すなわち、充填工程の後移動工程の期間中、螺旋部34の上面110上のトナーTのうち外周側のトナーTが塊のまま充填装置10Aの搬送部24の開口24Bから下側にトナー粒子が落下する虞がある。
これに対して、本実施形態の充填装置10Dの螺旋部34には、前述のとおり、張り出し部130が螺旋部34の外周部に沿って設けられている。そのため、充填工程の後移動工程の期間中、本実施形態の螺旋部34の上面110上のトナーTのうち外周側のトナーTは、内周面130Aにより外側への移動が制限される。
したがって、本実施形態の製造工程(充填装置10D)によれば、第1実施形態の製造工程(充填装置10)に比べ、充填工程の後移動工程の期間中、螺旋部34の上面110上のトナーTのうち外周側のトナーTが塊のまま下側に落下し難い。本実施形態のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
以上のとおり、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて他の実施形態が可能である。
例えば、各実施形態では、粉体はトナーTであるとして説明した。しかしながら、粉体はトナーTでなくてもよい。例えば、薬品用、食料用、工業材料用その他の用途に用いられる粉体であってもよい。
また、各実施形態の収容部22は、円錐台状の筒体であって、上側及び下側にそれぞれ開口22A、開口22Bが形成され、上端から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有しているとして説明した。しかしながら、収容部22は、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有していれば、収容部22の形状は各実施形態と異なる形状であってもよい。例えば、収容部は、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有しており、上端側が円筒状であってもよい。
また、第1実施形態のオーガ30では、図3及び図4に示されるとおり、上面110における突起120が設けられている部分は、上面110が露出している部分よりも小さい。しかしながら、螺旋部34の上面110に突起が設けられており、突起の高さがトナーTの平均粒径よりも高ければ、例えば、図13に示されるオーガ30のように、上面110における突起120が設けられている部分は、上面110が露出している部分よりも大きくてもよい。別の見方をすれば、本発明には、螺旋部34に複数の溝Dが設けられているものも含まれる。
また、各実施形態のオーガ30の突起120、120B、120Cは、螺旋部34における内周から外周に亘って設けられているとして説明した。しかしながら、螺旋部34の上面110に突起が設けられており、突起の高さがトナーTの平均粒径よりも高ければ、例えば、図14のオーガ30の突起120D及び図15のオーガ30の突起120Eのように、螺旋部34の内周から外周の一部に設けられていてもよい。
また、各実施形態の螺旋部34において、突起120、120B、120Cの設けられている範囲は、図3に示されるように、上限が搬送部24の開口24Aとされ、下限が搬送部24の開口24Bよりも定められた高さだけ上側とされているとして説明した。しかしながら、突起120、120B、120Cの設けられている範囲は、例えば、螺旋部34の全体であってもよい。また、突起120、120B、120Cの設けられている範囲は、例えば、搬送部24内に配置されている部分の螺旋部34の全体であってもよい。
また、各実施形態の説明では、それぞれ別個に説明を行ったが、各実施形態を組み合わせた実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、第2実施形態の突起120Bを第3実施形態の突起120Cのような形状としてもよい。また、第3実施形態の螺旋部34に第4実施形態の張り出し部130を設けてもよい。なお、これらを組み合わせた実施形態は、組み合わせた構成要素の有する作用効果を併せ持つことはいうまでもない。
また、第2実施形態の説明では、突起120Bの断面形状は、軸Cと直交する方向及び突起120Bの長手方向から見ると、直角三角形であるとして説明した。すなわち、傾斜面122Bは平面であるとして説明した。しかしながら、傾斜面は、回転軸32の逆回転方向下流側に上側を向く面であれば、平面でなくてもよい。例えば、湾曲面、複数の平面を組み合わせた複合面、湾曲面及び平面を組み合わせた複合面その他の面であってもよい。
≪参考例≫
なお、図16に示される充填装置10Eは、第1実施形態の充填装置10との関係において、螺旋部34に突起120が備えられておらず、張り出し部130が設けられている点で異なる。そのため、充填装置10Eは、第1実施形態の充填装置10の作用を有することはないが、第4実施形態の充填装置10Dのように、螺旋部34の外周部に沿って張り出し部130が設けられていることの作用を有する。
10 充填装置
10B 充填装置
10C 充填装置
10D 充填装置
10E 充填装置
22 収容部
22B 開口(穴の一例)
24 搬送部
24C 搬送路
30 オーガ(螺旋体の一例)
32 回転軸(軸の一例)
34 螺旋部
110 上面
114 外周面
120 突起
120B 突起
120C 突起
120D 突起
130 張り出し部
T トナー(粉体の一例)

Claims (7)

  1. 下端に穴が形成され、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有し、粉体を収容する収容部と、
    筒状で、前記収容部と前記穴の縁で繋がって粉体を下側に搬送する搬送路を形成している搬送部と、
    前記搬送部内に配置され、軸と前記軸の周りに形成されている螺旋部とを有し、前記軸の周りに回転して前記搬送部内の粉体を搬送させる螺旋体であって、前記螺旋部の上面に突起が設けられている螺旋体と、
    を備えた充填装置。
  2. 前記突起は、前記螺旋部における内周側から外周側に延びている部位を有する、
    請求項1記載の充填装置。
  3. 前記突起は、前記螺旋部における内周から外周に亘って設けられている、
    請求項1又は2記載の充填装置。
  4. 前記突起における前記外周側の部位は、前記外周側の端部と前記軸の軸心とを結ぶ仮想直線よりも前記軸の逆回転方向上流側に設けられている、
    請求項3記載の充填装置。
  5. 前記突起は、前記軸の逆回転方向下流側の面が上側を向いている、
    請求項1〜4の何れか1項記載の充填装置。
  6. 前記螺旋部には、前記上面よりも上側に張り出している張り出し部が前記螺旋部の外周部に沿って設けられている、
    請求項1〜5の何れか1項記載の充填装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の充填装置を用いて、
    前記収容部内に粉体を送り込み、
    前記搬送部の下側に容器を配置し、
    前記螺旋体を回転させて前記搬送部の下端から粉体を押し出し、前記容器内に粉体を充填する、
    粉体が充填された容器の製造方法。
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