JP6507663B2 - 充填装置及び粉体が充填された容器の製造方法 - Google Patents

充填装置及び粉体が充填された容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、充填装置及び粉体が充填された容器の製造方法に関する。
特許文献1には、ホッパ3内に粉体2を供給して粉体2内の空気を吸引除去した後に容器4側へ粉体2の導入が行われることで、容器4内へ粉体2を高密度に充填する方法が記載されている。
特許文献2には、螺旋状の羽根を備えたオガー64を有し、オガー64の回転によって粉体を送りながら粉体の充填量を計量する計量部20と、計量部20の内壁およびオガー64に設けられた通気性部材とを有する粉体充填機が記載されている。そして、特許文献2の粉体充填機は、これら通気性部材を介して計量部20内に加圧空気を吐出させる粉体充填機が記載されている。
特許文献3には、粉体11を排出する粉体排出口14a近傍に設けられた脱気機構26によって気体を含む粉体11を脱気した後に包装材34に所定量充填する充填装置10の運転方法が記載されている。そして、特許文献3の充填装置10の運転方法では、充填装置10の充填運転の開始と同時に脱気を開始し、開始後全充填時間の30〜70%の時間で脱気を停止することが記載されている。
特許文献4には、粉体Pを貯留するタンク1と、タンク1の底部1aに連続する排出通路筒10と、底部1aと排出通路筒10内に跨がって挿通され且つ外周面に螺溝23を形成した棒状体2と、を備えた粉体微量供給装置が記載されている。そして、特許文献4の粉体微量供給装置には、棒状体2が空気の通過を許容し粉体Pの通過を阻止し得る多孔質材で中空に形成され、棒状体2の中空部21に真空吸引装置6と圧縮空気供給装置7とが選択的に連通されることが記載されている。
特開2001−97302号公報 特開平8−72821号公報 特開平8−231051号公報 特開平8−217253号公報
本発明は、下端が収容部内であって螺旋部の上側に配置され、両端が開口している筒体を備えていない充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の粉体の嵩密度を局所的に高くする充填装置の提供を目的とする。
第1態様に係る充填装置は、下端に穴が形成され、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有し、粉体を収容する収容部と、筒状で、前記収容部と前記穴の縁で繋がって粉体を搬送する搬送路を形成している搬送部と、前記搬送部内に配置され、軸と前記軸の周りに形成されている螺旋部とを有し、前記軸の周りに回転して前記搬送部内の粉体を搬送させる螺旋体と、少なくとも下端が前記収容部内であって前記螺旋部の上側に配置され、両端が開口している筒体と、を備えている。
第2態様に係る充填装置は、第1態様に係る充填装置において、前記筒体における下端の開口には、多孔質部材が設けられている。
第3態様に係る充填装置は、第2態様に係る充填装置において、前記多孔質部材は、前記筒体における下端の開口から前記螺旋部側に突出している。
第4態様に係る充填装置は、第3態様に係る充填装置において、前記多孔質部材は、前記開口から前記螺旋部側に亘って徐々に径が小さくなるように構成されている。
第5態様に係る充填装置は、第1態様から第4態様の何れか1態様に係る充填装置において、前記筒体には、前記筒体内に流入する空気の量を調整する調整手段が設けられている。
第6態様に係る粉体が充填された容器の製造方法は、第1態様から第5態様の何れか1態様に係る充填装置を用いて、前記収容部内に粉体を送り込み、前記搬送部の下側に容器を配置し、前記螺旋体を回転させて前記搬送部の下端から粉体を押し出し、前記容器内に粉体を充填させる。
第7態様に係る粉体が充填された容器の製造方法は、第5態様に係る充填装置を用いて、前記収容部内に粉体を送り込み、前記搬送部の下側に容器を配置し、前記容器内へ充填する粉体の体積平均粒径及び比重の少なくとも一方の値が基準値よりも小さい場合に、前記値が前記基準値以上である場合よりも前記調整手段によって前記筒体内に流入する空気の量を大きくして、前記螺旋体を回転させて前記搬送部の下端から粉体を押し出して前記容器内に粉体を充填させる。
第8態様に係る粉体が充填された容器の製造方法は、第6態様又は第7態様に係る粉体が充填された容器の製造方法において、前記容器内に粉体を充填させた後、前記螺旋体を逆回転させて前記螺旋体の逆回転を停止する。
第1態様に係る充填装置は、下端が収容部内であって螺旋部の上側に配置され、両端が開口している筒体を備えていない充填装置に比べて、収容部内に収容されている粉体の嵩密度のうち搬送部の上側の粉体の嵩密度を局所的に高くすることができる。
第2態様に係る充填装置は、筒体の下端が開口のままの充填装置に比べて、粉体及び空気のうち空気を選択的に筒体内に送り込み易い。
第3態様及び第4態様に係る充填装置は、筒体における下端の開口に平板状の多孔質部材が設けられている充填装置に比べて、粉体を劣化させ難い。
第5態様に係る充填装置は、収容部内の粉体の嵩密度を調整することができる。
第6態様に係る粉体が充填された容器の製造方法は、下端が収容部内であって螺旋部の上側に配置され、両端が開口している筒体を備えていない充填装置を用いた方法に比べて、搬送部内を搬送される粉体の嵩密度を高くすることができる。
第7態様に係る粉体が充填された容器の製造方法は、筒体に調整手段が設けられていない充填装置を用いた方法に比べて、体積平均粒径及び比重の少なくとも一方の値が基準値よりも小さい粉体を容器内へ充填する場合、前記粉体の嵩密度と体積平均粒径及び比重の少なくとも一方の値が基準値とされる粉体の嵩密度との差を同等又は小さくすることができる。
第8態様に係る粉体が充填された容器の製造方法は、下端が収容部内であって螺旋部の上側に配置され、両端が開口している筒体を備えていない充填装置を用いた方法に比べて、充填動作の流量後、搬送部からこぼれる粉体の量を低減することができる。
第1実施形態の充填装置を用いて容器にトナーを充填している状態を示す概略図(正面図)である。 第1実施形態の充填装置を示す概略図(正面図)である。 第1実施形態の充填装置がトナーを下側に搬送している状態を示す概略図(正面図)である。 比較形態の充填装置がトナーを下側に搬送している状態を示す概略図(正面図)である。 有限体積法を用いた収容部内のトナーの嵩密度のシミュレーション結果を示す図(模式図)であって、比較形態の充填装置の収容部内にトナーを収容させた瞬間(0秒時)のシミュレーション結果を示す図である。 有限体積法を用いた収容部内のトナーの嵩密度のシミュレーション結果を示す図(模式図)であって、比較形態の充填装置の収容部内にトナーを収容させて2秒経過時のシミュレーション結果を示す図である。 有限体積法を用いた収容部内のトナーの嵩密度のシミュレーション結果を示す図(模式図)であって、第1実施形態の充填装置の収容部内にトナーを収容させた瞬間(0秒時)のシミュレーション結果を示す図である。 有限体積法を用いた収容部内のトナーの嵩密度のシミュレーション結果を示す図(模式図)であって、第1実施形態の充填装置の収容部内にトナーを収容させて2秒経過時のシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態の充填装置がトナーを下側に搬送している状態を示す概略図(正面図)である。 第3実施形態の充填装置がトナーを下側に搬送している状態を示す概略図(正面図)である。 第2実施形態の充填装置を構成するバルブと第3実施形態の充填装置を構成するポンプとを組み合わせた形態の充填装置がトナーを下側に搬送している状態を示す概略図(正面図)である。
≪概要≫
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)である3つの実施形態(第1〜第3実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、図面における矢印H方向を高さ方向とする。
≪第1実施形態≫
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、本実施形態の充填装置10の構成について説明する。次いで、本実施形態の充填装置10を用いての、後述するトナーカートリッジ100の製造工程について説明する。次いで、本実施形態の作用について説明する。
<構成>
充填装置10は、一例として電子写真方式の画像形成装置(図示省略)で用いられるトナーTを、カートリッジ本体90(以下、容器90という。)内に充填するためのものである。充填装置10は、図1に示されるように、充填装置10の下端の開口(後述する搬送部24の開口24B)からトナーTを排出し、下側に配置されている容器90内に充填するようになっている。そのため、容器90の上側には、開口90Aが形成されている。なお、開口90Aは、円形とされている。ここで、トナーTは、粉体の一例である。なお、本実施形態において、トナーTとは、トナーTを構成するトナー粒子の集合体を意味する。
トナーTは、画像形成装置において消耗品とされている。そのため、トナーTが充填された容器90(トナーカートリッジ100)は、画像形成装置の交換部品として用いられる。
充填装置10は、図2に示されるように、ホッパー20と、オーガ30と、伝達軸40と、筒部50と、アジテータ60と、移動装置70と、秤(図示省略)と、トナーTの収容高さセンサ(以下、高さセンサという。図示省略)と、制御部80と、を含んで構成されている。ここで、オーガ30は、螺旋体の一例である。
[ホッパー]
ホッパー20は、収容部22と、搬送部24とを有している。
〔収容部〕
収容部22は、トナーTを収容する機能を有する。収容部22は、円錐台状の筒体であって、上側及び下側にそれぞれ開口22A、開口22Bが形成され、上端から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有している。ここで、開口22Bは穴の一例である。なお、収容部22には、開口22Aからトナータンク(図示省略)内のトナーTが送り込まれるようになっている。
〔搬送部〕
搬送部24は、筒状であって、上側及び下側にそれぞれ開口24A、開口24Bが形成され、上端から下端に亘って径が同等の内周面を有している。本実施形態の搬送部24は円筒とされており、搬送部24の軸は図中の軸Cとされている。搬送部24は、収容部22の下側に配置されている。開口24Bの径は、収容部22の開口22Bの径と同程度とされている。また、開口24Bの径は、容器90の開口90Aの径よりも小さい。そして、搬送部24は、開口24Aの縁で収容部22の開口22Bの縁に繋がって、収容部22内に収容されているトナーTを下側に搬送する搬送路24Cを形成している。
なお、ホッパー20は、軸Cに対し対称に構成されている。また、軸Cは、高さ方向に沿っている。
[オーガ]
オーガ30は、自軸(自らの軸をいう。)に対して正回転して搬送部24内のトナーTを下側に搬送させ、自軸に対して逆回転して搬送部24内のトナーTを上側に搬送させる機能を有する。オーガ30は、制御部80に制御される駆動源(図示省略)に駆動されて後述する回転軸32の周りに正回転又は逆回転するようになっている。本実施形態における正回転方向とは、図3の矢印R1方向のことである。そして、逆回転方向とは、矢印R1方向の逆方向のことである。
オーガ30は、図2及び図3に示されるように、回転軸32と、螺旋部34と、を有している。ここで、回転軸32は、軸の一例である。オーガ30の自軸は、軸Cに重なっている。螺旋部34は、回転軸32の外周に螺旋状に形成され、自軸方向に向く面を有している。オーガ30は、搬送部24内と収容部22内とに配置されている。具体的には、オーガ30(回転軸32及び螺旋部34)の一部は搬送部24内に配置され、オーガ30の一部は搬送部24の上端からはみ出している。そして、オーガ30における搬送部24の上端からはみ出している部分は、収容部22内の下側の部分に配置されている。なお、オーガ30を自軸方向から見ると、螺旋部34の外周は、軸Cを中心とし、搬送部24の内周面の縁と離間した円を形成している。
[伝達軸]
伝達軸40は、オーガ30を駆動させる駆動源のトルクをオーガ30に伝達する機能を有する。伝達軸40の自軸は、図2及び図3に示されるように、軸Cに重なっている。伝達軸40は、一部が収容部22の上端からはみ出して、一部が収容部22内に配置されている。そして、伝達軸40における収容部22の上端からはみ出した側の端部には、駆動源が繋がっている。また、伝達軸40における収容部22内に配置されている側の端部には、オーガ30の回転軸32が固定されている。
[筒部]
筒部50は、図2及び図3に示されるように、筒体52と、フィルター54と、を有している。ここで、フィルター54は、多孔質部材の一例である。
〔筒体〕
筒体52は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22内にトナーTが収容された状態で(図3参照)、収容部22内のトナー粒子同士の隙間に存在する空気Gを流入させ、収容部22内の空気Gを収容部22外に排出する機能を有する。筒体52は、上側及び下側にそれぞれ開口52A、開口52Bが形成され(両端が開口し)、上端から下端に亘って径が同等とされている。筒体52は、自軸が軸Cに重なってその内周面が伝達軸40と離間した状態で、収容部22内に配置されている。筒体52を自軸方向と直交する方向から見ると、筒体52は、その両端から伝達軸40がはみ出した状態で伝達軸40を囲んでいる。また、筒体52の自軸は、軸Cと重なっている。そのため、筒体52は、オーガ30の真上に配置されている。
筒体52の下端(開口52Bの縁)は、収容部22の開口22B(基準)から収容部22の高さに対し1/2以下の高さに位置することが好ましく、更には1/3以下の高さに位置することが好ましい。本実施形態では、筒体52の下端(開口52Bの縁)は、収容部22の開口22B(基準)から収容部22の高さに対し一例として1/5(20%)の高さに位置している。また、筒体52の上端(開口52Aの縁)は、収容部22の開口22Bから収容部22の高さに対し一例として9/10(90%)の高さに位置している。
〔フィルター〕
フィルター54は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22内に収容されているトナーT及び空気Gのうち筒体52内に空気Gを選択的に通過させる機能を有する。フィルター54は、円錐台状の筒体であって、上側及び下側にそれぞれ開口54A、開口54Bが形成され、上端から下端に亘って径が徐々に小さくなるメッシュ状の壁Mを有している。開口54Aの径は、筒体52の開口52Bの径と同等とされている。また、開口54Bの内径は、伝達軸40の下側の外径と同等とされている。そして、フィルター54は、開口54Aの縁で筒体52の開口52Bの縁に接着されている。また、フィルター54は、開口54Bの縁で伝達軸40の下側に密着されている。以上のことから、フィルター54は、筒体52の開口54Bに設けられている。また、フィルター54は、オーガ30(螺旋部34)側に突出している。なお、本実施形態のフィルター54は、一例としてボンメッシュ(株式会社ニチダイ製)とされている。
[アジテータ]
アジテータ60は、収容部22内に収容されているトナーTを攪拌しながら、トナーTを収容部22内における筒部50の下側の部分に移動させる機能を有する。アジテータ60は、図2に示されるように、支持棒62と、羽根64と、を有している。支持棒62の一部は収容部22内に配置され、支持棒62の一部は収容部22の上端からはみ出している。そして、支持棒62における収容部22内に配置されている側の端部には羽根64が固定され、支持棒62における収容部22の上端からはみ出している側の端部は収容部22の上側に備えられている駆動源(図示省略)に取り付けられている。羽根64は、下側端部よりも上側端部が軸Cに離れるように軸Cに傾斜した状態で支持棒62に固定されている。
支持棒62は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、駆動源により駆動されて、軸Cを軸として矢印R2方向に回転するようになっている。これに伴い、羽根64は、軸Cを軸として矢印R2方向に回転してトナーTを攪拌しながら、トナーTを収容部22内における筒部50の下側の部分に移動させるようになっている。なお、アジテータ60は、軸Cを軸として回転する際、収容部22内に配置されているオーガ30、伝達軸40及び筒部50と接触せず、かつ、筒部50の下側の部分を通過せずに、回転するようになっている。図中において、白い太線の矢印はトナーTの流れを、黒い太線の矢印は空気Gの流れを示している。
[移動装置]
移動装置70は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、容器90を矢印R3方向に移動させる機能を有する。移動装置70は、図1に示されるように、容器90を載せて容器90を移動させるためのベルト70Aを有している。本実施形態の移動装置70は、一例としてベルトコンベア方式の装置とされている。
[その他の構成]
充填装置10は、以上説明した構成要素以外に、秤(図示省略)と、高さセンサ(図示省略)と、を有している。秤は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、トナーTが充填されている容器90の質量を測定する機能を有する。秤は、ベルト70Aの下側であって、後述する位置B(図1参照)に配置されている。また、高さセンサは、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22内に収容されているトナーTの収容高さ(収容部22内において、開口22B(基準)からのトナーTが収容されている位置までの高さ)を測定する機能を有する。本実施形態の高さセンサは、一例として光検出方式とされている。
[制御部]
制御部80は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、充填装置10を構成する構成要素等を制御する機能を有する。前述したオーガ30を駆動させる駆動源は前述の構成要素の一例であるが、具体的な説明は、後述するトナーカートリッジ100の製造工程の説明とともに行う。
[補足]
以下、充填装置10の構成について、補足する。
〔補足1〕
収容部22内には、収容部22内に収容されているトナーTを攪拌するためにアジテータ(図示省略)の羽根(図示省略)が備えられている。この羽根は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22の上側に備えられている駆動源(図示省略)により駆動されて、軸Cを回転軸として軸C周りを矢印R2方向(図3参照)に回転しながらトナーTを攪拌するようになっている。なお、この羽根は、収容部22内に配置されているオーガ30、伝達軸40及び筒部50と接触せずに回転するようになっている。
〔補足2〕
充填装置10では、収容部22内に収容されるトナーTが、筒体52の下端(開口52Bの縁)よりも高く、筒体52の上端(開口52A)よりも低い高さで収容されている状態で使用されるようになっている。そのため、収容部22内にトナーTが収容されている状態において、筒体52の下端はトナーT内に配置され、筒体52の上端はトナーTの外(トナーTが収容されていない部分)に配置されるようになっている。
〔補足3〕
充填装置10は、トナーカートリッジ100の製造工程の際、収容部22内に収容されるトナーTが開口22Bからの収容部22の高さに対し一例として80%以上85%以下の高さ(以下、基準高さという。)で収容されている状態(図3参照)で用いられる。また、収容部22内のトナーTの高さは、後述する準備工程においてトナーTが収容部22内に送り込まれる際及び後述する充填工程において容器90内にトナーTが充填されている際、高さセンサにより測定されるようになっている。そして、制御部80は、高さセンサが測定した測定値に基づいて収容部22内のトナーTが基準高さとなるように、トナータンク内のトナーTを収容部22内に送り込むようなっている。
〔補足4〕
収容部22内のトナーTの嵩密度の分布等を理解しやすくすることから、図2以外の図面において、アジテータ60の図示が省略されている。
本実施形態の充填装置10の構成の説明は、以上である。
<カートリッジの製造工程>
次に、充填装置10を用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の製造工程は、準備工程と、配置工程と、移動工程と、充填工程と、を含んでいる。
[準備工程]
準備工程では、制御部80が、収容部22内にトナータンク(図示省略)内のトナーTを基準高さとなるように送り込む。以上で準備工程は終了する。
なお、収容部22内に収容されているトナーTは、収容部22の内周面の形状、トナーTの自重、開口22Bの位置、筒部50が配置されていること等の関係により、下端(開口22B)の近くであって筒部50の下側ほど、嵩密度が高い状態とされている。ここで、図3では、便宜上、収容部22内及び搬送部24内のトナーTの嵩密度を4水準の網点(網点の密度が高い方が嵩密度が高い)で示しているが、実際の収容部22内のトナーTの嵩密度は、前述のとおり、下端(開口22B)に近くであって筒部50の下側ほど高い。また、準備工程は、制御部80が、収容部22内にトナータンク内のトナーTを基準高さとなるように送り込んだ後、約2秒後に終了する。
[配置工程]
配置工程では、作業者が、移動装置70のベルト70A上の定められた位置に、複数の容器90を配置する。以上で配置工程は終了する。なお、配置工程は終了すると、複数の容器90は、ベルト70Aの移動方向に沿って1列に等間隔(同等のピッチ)で配置される。
[移動工程]
移動工程では、制御部80が、移動装置70を用いてベルト70A上の位置A上に配置されている容器90を、充填装置10を構成する搬送部24の下側であって高さ方向から見て開口90Aの軸が軸Cに重なる位置Bに移動させる(図1参照)。以上で移動工程は終了する。なお、移動工程は、配置工程及び充填工程の後に行われる。
[充填工程]
充填工程では、移動工程の後、制御部80が、充填装置10を用いて、トナーTを容器60内に充填させる。
具体的に充填工程では、制御部80が、図3に示されるように、駆動源(図示省略)を駆動させてアジテータ60の羽根64を矢印R2方向に回転させながら、制御部80が、オーガ30を正回転させる(矢印R1方向に回転させる)。
オーガ30の正回転に伴い、収容部22内の下側に収容されているトナーTであって収容部22内にはみ出しているオーガ30の軸方向に隣り合う螺旋部34間のトナーTは、収容部22内から搬送部24内に移動される。次いで、搬送部24内に移動されたトナーTは、下側に搬送されて開口24Bに到達した後、その上側のトナーTによって搬送部24の下端から押し出される。次いで、搬送部24の下端から押し出されたトナーTは、自重により下側に落下し、位置Bに配置されている容器90内に充填される。そして、容器90内に充填されたトナーTの量が予め定められた量に達すると、制御部80は、駆動源の駆動を停止しオーガ30の回転を停止する。なお、制御部80は、秤(図示省略)が測定する容器90の質量の測定値に基づいて、予め定められた量に達したことを判断する。また、本実施形態では、制御部80は、一例として約60秒オーガ30を正回転させる。
次いで、充填工程では、制御部80が、定められた期間、駆動源を駆動させ、オーガ30を逆回転させる(矢印R1方向の逆方向に回転させる)ことで、搬送部24内のトナーTを上側に移動させる。以上で充填工程が終了する。なお、収容部22内であって筒部50の下側の部分に収容されているトナーTは、搬送部24内のトナーTが上側に移動されることに伴い、オーガ30を逆回転させる直前に比べて、嵩密度が高くなる。また、本実施形態における定められた期間とは、一例として2秒とされている。
なお、充填工程において、充填装置10が容器60内にトナーTを充填している期間中、収容部22内のトナーTの収容高さは高さセンサにより測定されている。そして、制御部80は、高さセンサが測定した測定値に基づいて収容部22内のトナーTが基準高さとなるように、トナータンク内のトナーTを収容部22内に送り込む。その結果、収容部22内には、充填装置10が容器60内に充填した分のトナーTがトナータンク内から収容部22内に補充される。
以上、本実施形態の製造工程に含まれる準備工程、移動工程、配置工程及び充填工程について説明した。本実施形態の製造工程では、充填工程の後、制御部80が、トナーTが充填された容器90を位置Bから移動させ、別の容器90を位置Bに配置する。そして、本実施形態の製造工程は、移動工程と充填工程とが交互に行われ、ベルト70Aの定められた位置に配置されたすべての容器90内へトナーTの充填がされて、最後にトナーTが充填された容器90がベルト70Aの搬送方向下流側に搬送されて終了する。なお、トナーTが充填された容器90の開口90Aの形成された部分には別の工程で蓋(図示省略)が取り付けられて、トナーカートリッジ100となる。
本実施形態の製造方法の説明は、以上である。
<作用>
次に、本実施形態の作用について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、本実施形態と、以下に想定する比較形態(第1〜第3比較形態)とを比較して行う。なお、比較形態において、本実施形態の充填装置10と同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、本実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
[筒体を備えていることに基づく作用]
以下、本実施形態の充填装置10が筒体52を備えていることに基づく作用について、本実施形態と以下に説明する第1比較形態とを比較して図面を参照しつつ説明する。
第1比較形態の充填装置10Aは、図4に示されるように、筒部50を備えていない。第1比較形態の充填装置10Aは、筒部50を備えていない点以外は、本実施形態の充填装置10と同様とされている。また、第1比較形態の充填装置10Aを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、第1比較形態の製造工程という。)は、本実施形態の充填装置10に換えて第1比較形態の充填装置10Aを用いて行われる点以外は、本実施形態の製造工程と同様とされている。
第1比較形態の製造工程の場合、充填工程後の移動工程の期間中、換言すれば、充填工程終了後別の容器90への充填工程が開始されるまでの期間中、充填装置10Aの搬送部24の開口24Bから下側にトナー粒子がこぼれる虞がある。そして、トナー粒子がこぼれると、容器90の外壁に付着して容器90を汚してしまう。また、こぼれたトナー粒子は、ロスとなる。
上記のように第1比較形態の製造工程でトナー粒子がこぼれる理由は、図4に示されるように、収容部22内における下端(開口22B)付近に収容されているトナーT及び搬送部24内のトナーTの嵩密度ではトナー粒子同士に働く力よりトナー粒子に働く重力の方が大きいためと推認される。
これに対して、本実施形態の充填装置10は、筒部50を備えている。そのため、本実施形態の製造工程の場合、準備工程でトナーTとともに送り込まれトナー粒子同士の隙間に存在する空気Gは、図3に示されるように、筒体52の開口52Bから流入した後、開口52Aから排出される。
したがって、本実施形態の製造工程(充填装置10)によれば、第1比較形態の製造工程(充填装置10A)に比べ、収容部22内における下端(開口22B)付近に収容されているトナーT及び搬送部24内のトナーTの嵩密度を高くすることができる。これに伴い、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態の製造工程に比べ、充填工程終了後、搬送部24からこぼれるトナー粒子を低減することができる。
また、前述のとおり、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態に比べ、搬送部24内を搬送されるトナーTの嵩密度が高い状態でトナーTを搬送することができる。
したがって、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態の製造工程に比べ、容器90内に嵩密度の高いトナーTを充填することができる。別の見方をすれば、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態の製造工程に比べ、容積の小さい容器90に対して同等の量のトナーTを充填することができる。すなわち、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態の製造工程に比べ、同等のトナーTの量が充填されている状態であって小型のトナーカートリッジ100を製造することができる。
また、本実施形態の充填装置10では、筒体52の下端(開口52Bが形成されている部分)がオーガ30の螺旋部34の上側となるように、収容部22内に筒体52が配置されている。そのため、本実施形態の充填装置10では、収容部22内における下側であって筒体52の下側の部分に存在する空気Gが筒体52の開口52B内に流入される。
したがって、本実施形態の充填装置10によれば、第1比較形態の充填装置10Aに比べて、収容部22内における上側の部分及び収容部22の内周面に近い部分に収容されているトナーTの嵩密度を同等にしたまま、筒体52の下側に収容されているトナーTの嵩密度を局所的に高くすることができる(図3及び図4参照)。これに伴い、本実施形態の充填装置10によれば、第1比較形態の充填装置10Aに比べて、アジテータ60の回転時の負荷を同等にしたまま、搬送部24内を搬送されるトナーTが嵩密度のばらつきが小さくすることができる。すなわち、本実施形態の充填装置10によれば、第1比較形態の充填装置10Aに比べて、アジテータ60の回転時の負荷を同等にしたまま、容器90内に充填されるトナーTの充填速度(単位時間当たりに充填されるトナーTの質量)を安定させることができる。なお、本実施形態の充填装置10では、第1比較形態の充填装置10Aに比べて、搬送部24内を搬送されるトナーTの嵩密度が高くかつトナーTの嵩密度のばらつきを小さくできることから、充填工程でのオーガ30の回転(正回転及び逆回転を含む)の停止の際に、搬送部24からトナー粒子がこぼれ難くなる。そのため、本実施形態の充填装置10では、第1比較形態の充填装置10Aに比べて、充填工程においてオーガ30の回転を短時間で停止させることが可能となる。すなわち、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態の製造工程に比べて、トナーカートリッジ100の製造効率(単位時間当たりのトナーカートリッジ100の製造数)を向上することができる。
また、図5は第1比較形態の収容部22内にトナーTを収容させた瞬間のトナーTの嵩密度の状態を、図6は第1比較形態の収容部22内にトナーTを収容させて2秒経過後のトナーTの嵩密度の状態について、有限体積法を用いた解析結果の模式図である。これに対して、図7は本実施形態の収容部22内にトナーTを収容させた瞬間のトナーTの嵩密度の状態を、図8は本実施形態の収容部22内にトナーTを収容させて2秒経過後のトナーTの嵩密度の状態について、有限体積法を用いた解析結果の模式図である。
これらの解析結果の模式図を参酌すると、本実施形態の充填装置10は、第1比較形態の充填装置10Aに比べ、収容部22内のトナーTのうち筒体52の下側(搬送部24の上側)の部分のトナーTの嵩密度を短時間でかつ局所的に高くすることができる。そのため、本実施形態の製造工程によれば、第1比較形態の製造工程に比べ、準備工程にかかる時間を短くすることができる。
したがって、本実施形態の製造工程(充填装置10)によれば、第1比較形態の製造工程(充填装置10A)に比べ、準備工程の時間が短い分、作業効率を向上させることができる。例えば、収容部22内に色の異なるトナーTを入れ替えて当該色の異なるトナーTを容器90に充填するような場合、準備工程の時間を短くすることができる。
[筒体の開口にフィルターが設けられていることに基づく作用]
以下、本実施形態の充填装置10において筒体52の開口52Bにフィルター54が設けられていることに基づく作用について、本実施形態と以下に説明する第2比較形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第2比較形態の充填装置(図示省略)は、筒体52の開口52Bにフィルター54が設けられていない。第2比較形態の充填装置は、フィルター54が設けられていない点以外は、本実施形態の充填装置10と同様とされている。また、第2比較形態の充填装置を用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、第2比較形態の製造工程という。)は、本実施形態の充填装置10に換えて第2比較形態の充填装置を用いて行われる点以外は、本実施形態の製造工程と同様とされている。なお、第2比較形態の充填装置及び第2比較形態の製造工程は、本発明の技術的範囲に属する。
第2比較形態の充填装置の場合、筒体52の開口52Bにフィルター54が設けられていないため、開口52Bから筒体52内にトナーTが入り込む虞がある。
これに対して、本実施形態の充填装置10の場合、図3に示されるように、筒体52の開口52Bにフィルター54が設けられていることから、筒体52内にトナーTが入り込み難い。
したがって、本実施形態の充填装置10によれば、第2比較形態の充填装置に比べ、筒体52内にトナーT及び空気Gのうち選択的に空気Gを送り込み易い。
[フィルターが螺旋部側に突出していることに基づく作用]
以下、本実施形態の充填装置10において筒体52の開口52Bに設けられているフィルター54が螺旋部34側に突出していることに基づく作用について、本実施形態と以下に説明する第3比較形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第3比較形態の充填装置(図示省略)は、筒体52の開口52Bに開口52Bを塞いでいるメッシュ状の壁Mを有する円盤状(平板状)のフィルター(図示省略)が設けられている。そのため、第3比較形態の充填装置は、第2比較形態の充填装置に比べ、本実施形態の充填装置10のように、筒体52内にトナーT及び空気Gのうち選択的に空気Gを送り込み易い。第3比較形態の充填装置は、開口52Bにフィルター54に換えて上記円盤状のフィルターが設けられている点以外は、本実施形態の充填装置10と同様とされている。また、第3比較形態の充填装置を用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、第3比較形態の製造工程という。)は、本実施形態の充填装置10に換えて第3比較形態の充填装置を用いて行われる点以外は、本実施形態の製造工程と同様とされている。なお、第3比較形態の充填装置及び第3比較形態の製造工程は、本発明の技術的範囲に属する。
第3比較形態の充填装置の場合、収容部22内における円盤状のフィルター、すなわち、筒体52よりも下側であってオーガ30よりも上側の部分に収容されているトナーTは、そのまま滞留し易い。そして、トナーTが長期間滞留すると、トナーTは劣化してしまう。
これに対して、本実施形態の充填装置10の場合、フィルター54は、図2及び図3に示されるように、オーガ30(螺旋部34)側に突出している。そのため、本実施形態の充填装置10の場合、収容部22内における筒体52よりも下側であってオーガ30よりも上側の部分には、トナーTが滞留し難い。
したがって、本実施形態の充填装置10によれば、第3比較形態の充填装置に比べ、トナーTを劣化させ難い。
また、本実施形態の充填装置10の場合、フィルター54は、図2及び図3に示されるように、円錐台状の筒体であって、上端から下端に亘って径が徐々に小さく構成されている。すなわち、本実施形態のフィルター54の径は、収容部22の内周面のように、上側から下側に亘って徐々に小さくなっている。そのため、収容部22内においてフィルター54の外周に沿って移動されるトナーTは、第3比較形態の円盤状のフィルターに沿って移動されるトナーTに比べて、収容部22の下側に移動し易い。そのため、本実施形態の充填装置10の場合、収容部22内における筒体52よりも下側であってオーガ30よりも上側の部分には、トナーTが滞留し難い。
したがって、本実施形態の充填装置10によれば、第3比較形態の充填装置に比べ、トナーTを劣化させ難い。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態について図9を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態の充填装置10と同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、第1実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
<構成>
本実施形態の充填装置10Bは、第1実施形態の充填装置10の構成以外に、蓋52Cと、バルブVと、を備えている。蓋52Cは、伝達軸40の外周と筒体52の開口52Aの縁とに接着されて開口52Aを塞ぐ円盤とされている。また、蓋52Cには貫通穴52Dが形成されており、貫通穴52Dの縁には、バルブVの一端が固定されている。そして、筒体52内の空気Gは、バルブVを介して排出されるようになっている。すなわち、バルブVは、空気Gの流路の断面積を調整、すなわち、流路抵抗を調整できるように構成されている。そのため、バルブVは、筒体52内に流入する空気Gの量を調整する機能を有する。ここで、バルブVは、調整手段の一例である。本実施形態の充填装置10Bは、上記以外の点は、第1実施形態の充填装置10と同様とされている。また、本実施形態の充填装置10Bを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)は、第1実施形態の充填装置10に換えて本実施形態の充填装置10Bを用いて行われる点以外は、第1実施形態の製造工程と同様とされている。
<作用>
以下、本実施形態の充填装置10Bの作用について、本実施形態と第1実施形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第1実施形態の充填装置10には、筒体52にバルブVが設けられていない。そのため、第1実施形態の充填装置10は、筒体52内に流入する空気Gの量を調整できない。
これに対して、本実施形態の充填装置10Bは、筒体52にバルブVが設けられている。そのため、本実施形態の充填装置10Bは、筒体52における空気Gの流路抵抗を調整することができる。
したがって、本実施形態の充填装置10Bによれば、収容部22内のトナーTの嵩密度を調整することが可能となる。例えば、トナー粒子の粒径(体積平均粒径)が異なる複数の水準のトナーTをそれぞれ容器90に充填する場合、一般的に粒径が小さいトナーTほど嵩密度が低くなる傾向にある。そこで、トナー粒子の粒径の小さいトナーTを容器90に充填するときは、粒径の大きいトナーTを容器90に充填するときに比べて、バルブVの流路抵抗を低くすれば(筒体52内に流入する空気Gの量を大きくすれば)、何れの容器90内にもトナーTの嵩密度を同等又は同等に近い状態で充填することが可能となる。別言すれば、本実施形態の充填装置10Bによれば、筒体52にバルブVが設けられていない充填装置に比べて、異なる粒径のトナーTをそれぞれ容器90内に充填する場合、粒径が小さいトナーTの嵩密度と粒径が大きいトナーTの嵩密度との差を同等又は小さくすることができる。ここで、異なる粒径のトナーTのうち、粒径の大きいトナーTの体積平均粒径の値を基準値とした場合、粒径の小さいトナーTの体積平均粒径の値は基準値よりも小さいことを意味する。つまり、基準値とは、任意に定めることのできる値とされる。また、例えば、トナー粒子の比重が異なる複数の水準のトナーTをそれぞれ容器90に充填する場合、一般的に比重が小さいトナーTほどトナー粒子の自重が小さいことから嵩密度が低い傾向にある。そこで、トナー粒子の比重の小さいトナーTを容器90に充填するときは、比重の大きいトナーTを容器90に充填するときに比べて、バルブVの流路抵抗を低くすれば(筒体52内に流入する空気Gの量を大きくすれば)、何れの容器90内にもトナーTの嵩密度を同等又は同等に近い状態で充填することが可能となる。別言すれば、本実施形態の充填装置10Bによれば、筒体52にバルブVが設けられていない充填装置に比べて、異なる比重のトナーTをそれぞれ容器90内に充填する場合、比重が小さいトナーTの嵩密度と比重が大きいトナーTの嵩密度との差を同等又は小さくすることができる。ここで、異なる比重のトナーTのうち、比重の大きいトナーTの比重の値を基準値とした場合、比重の小さいトナーTの比重の値は基準値よりも小さいことを意味する。つまり、基準値とは、任意に定めることのできる値とされる。また、本明細書にいう比重とは、トナーTそのもの(すなわち、トナー粒子)の単位体積当たりの質量を意味する。本実施形態のその他の作用は、第1実施形態の作用と同様である。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態について図10を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、第1及び第2実施形態の充填装置10、10Bと同様の部品等を用いる場合その部品等の符号をそのまま用い、第1及び第2実施形態の製造工程と同様の工程を行う場合その工程の名称をそのまま用いて説明する。
<構成>
本実施形態の充填装置10Cは、第2実施形態の充填装置10BのバルブVに換えて、ポンプPを備えている。そのため、筒体52内の空気Gは、ポンプPにより排出されるようになっている。ここで、本実施形態のポンプPは、一例としてその排気速度が可変とされている。すなわち、ポンプPは、筒体52内を流れる空気Gの流量を調整できるように構成されている。そのため、ポンプPは、筒体52内に流入する空気Gの量を調整する機能を有する。ここで、ポンプPは、調整手段の一例である。本実施形態の充填装置10Cは、上記以外の点は、第2実施形態の充填装置10Bと同様とされている。また、本実施形態の充填装置10Cを用いたトナーカートリッジ100の製造工程(以下、本実施形態の製造工程という。)は、第2実施形態の充填装置10Bに換えて本実施形態の充填装置10Cを用いて行われる点以外は、第2実施形態の製造工程と同様とされている。
<作用>
以下、本実施形態の充填装置10Cの作用について、本実施形態と第1実施形態とを比較して説明する。以下、図面を参照して説明する。
第1実施形態の充填装置10には、筒体52にポンプPが設けられていない。そのため、第1実施形態の充填装置10は、筒体52内に流入する空気Gの量を調整できない。
これに対して、本実施形態の充填装置10Cは、筒体52にポンプPが設けられている。そのため、本実施形態の充填装置10Cは、筒体52に流入する空気Gの量を調整することができる。
したがって、本実施形態の充填装置10Cによれば、収容部22内のトナーTの嵩密度を調整することが可能となる。本実施形態の充填装置10Cでは、例えば、トナー粒子の粒径(体積平均粒径)が異なる複数の水準のトナーTをそれぞれ容器90に充填する場合やトナー粒子の比重が異なる複数の水準のトナーTをそれぞれ容器90に充填する場合、バルブVにより空気Gの流路抵抗を調整することで、トナーTの嵩密度を調整できる点で有効である。本実施形態のその他の作用は、第1及び第2実施形態の作用と同様である。
以上のとおり、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて他の実施形態が可能である。
例えば、各実施形態では、粉体はトナーTであるとして説明した。しかしながら、粉体はトナーTでなくてもよい。例えば、薬品用、食料用、工業材料用その他の用途に用いられる粉体であってもよい。
また、各実施形態の収容部22は、円錐台状の筒体であって、上側及び下側にそれぞれ開口22A、開口22Bが形成され、上端から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有しているとして説明した。しかしながら、収容部22は、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有していれば、収容部22の形状は各実施形態と異なる形状であってもよい。例えば、収容部は、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有しており、上端側が円筒状であってもよい。
また、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた形態、例えば、筒体52にバルブVとポンプPとが設けられている形態も本発明の技術的範囲に含まれることはいうまでもない。この場合、バルブVとポンプPとをそれぞれ筒体52の開口52Aを塞ぐ蓋52Cに固定してもよい。また、直列に接続したバルブVとポンプPとを蓋52Cに固定してもよい(図11の充填装置10D参照)。ここで、直列に接続したバルブVとポンプPとの組み合わせは、調整手段の一例である。このように、直列に接続したバルブVとポンプPとを蓋52Cに固定することで、筒体52にバルブV及びポンプPの何れか一方を固定する場合に比べて、筒体52内を流れる空気Gの量を広範囲に調整、つまり、広範囲にトナーTの嵩密度を調整することが可能となる。
10 充填装置
10B 充填装置
10C 充填装置
10D 充填装置
22 収容部
22B 開口(穴の一例)
24 搬送部
24C 搬送路
30 オーガ(螺旋体の一例)
32 回転軸(軸の一例)
34 螺旋部
52 筒体
52B 開口(筒体における下側の開口の一例)
54 フィルター(多孔質部材の一例)
P ポンプ(調整手段の一例)
T トナー(粉体の一例)
V バルブ(調整手段の一例)

Claims (8)

  1. 下端に穴が形成され、上端側から下端に亘って径が徐々に小さくなる内周面を有し、粉体を収容する収容部と、
    筒状で、前記収容部と前記穴の縁で繋がって粉体を搬送する搬送路を形成している搬送部と、
    前記搬送部内に配置され、回転軸と前記回転軸の周りに形成されている螺旋部とを有し、前記回転軸の周りに回転して前記搬送部内の粉体を搬送させる螺旋体と、
    前記収容部内で前記回転軸の上端に固定され、前記螺旋体を回転させる伝達軸と、
    両端が開口し、内周面が前記伝達軸と離間した状態で前記伝達軸を囲むとともに、少なくとも下端が前記収容部内であって前記螺旋部の上側に配置されている筒体と、
    を備えた充填装置。
  2. 前記筒体における下端の開口には、多孔質部材が設けられている、
    請求項1記載の充填装置。
  3. 前記多孔質部材は、前記筒体における下端の開口から前記螺旋部側に突出している、
    請求項2記載の充填装置。
  4. 前記多孔質部材は、前記開口から前記螺旋部側に亘って徐々に径が小さくなるように構成されている、
    請求項3記載の充填装置。
  5. 前記筒体には、前記筒体内に流入する空気の量を調整する調整手段が設けられている、
    請求項1〜4の何れか1項記載の充填装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の充填装置を用いて、
    前記収容部内に粉体を送り込み、
    前記搬送部の下側に容器を配置し、
    前記螺旋体を回転させて前記搬送部の下端から粉体を押し出し、前記容器内に粉体を充填させる、
    粉体が充填された容器の製造方法。
  7. 請求項5記載の充填装置を用いて、
    前記収容部内に粉体を送り込み、
    前記搬送部の下側に容器を配置し、
    前記容器内へ充填する粉体の体積平均粒径及び比重の少なくとも一方の値が基準値よりも小さい場合に、前記値が前記基準値以上である場合よりも、前記調整手段によって前記筒体内に流入する空気の量を大きくして前記螺旋体を回転させて前記搬送部の下端から粉体を押し出して前記容器内に粉体を充填させる、
    粉体が充填された容器の製造方法。
  8. 前記容器内に粉体を充填させた後、前記螺旋体を逆回転させて前記螺旋体の逆回転を停止する、
    請求項6又は7記載の粉体が充填された容器の製造方法。
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