JP2016132295A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】面状の被覆部材を、閉じ合わされた一対の分割片部44a,44bの裏面側に設けて突起31〜35を覆う構成とした乗物用シートにおいて、被覆部材として、第一分割片部44a(一対の分割片部の一方)に取付けられる第一被覆部材61と、第二分割片部44b(一対の分割片部の他方)に取付けられる第二被覆部材62とを有するとともに、第一被覆部材61が、開き状態の第一分割片部44aから第二分割片部44bに向けてはみ出して配置し、一対の分割片部44a,44bを閉じ合わせながら、第一被覆部材61のはみ出し部分を第二被覆部材62に重ねた状態とする構成とした。
【選択図】図5
Description
跳ね上げ機構TMは、図2〜図4を参照して、取付けブラケット2tと、第一脚部4tと、軸部(図示省略)を有する。取付けブラケット2tは、側面視で略矩形の筐体であり、後述するシートフレーム4Fに取付けられる。また第一脚部4tは、取付けブラケット2tから下方に延びる平板部材であり、床面2B側に取付けられる。また軸部は、跳ね上げ動作時に回転中心となる棒材であり、取付けブラケット2t内に配設されてシート前後方向に向かって延設される。本実施例では、取付けブラケット2tを、シートフレーム4Fの右側後部に取付けるとともに、第一脚部4tを、後述するように側壁6B寄りの一段高い床面2B側に取付けることができる。
シートフレーム4Fは、図5を参照して、略矩形の枠体である本体部10と、支持部16と、アンダーカバー20と、複数の突起(第一突起31〜第五突起35)を有する。本体部10は、前部骨格をなすフロントフレーム12と、側部骨格をなすサイドフレーム14と、後部骨格をなすリアフレーム(図示省略)を有し、これらフレームの材質として金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材を例示できる。フロントフレーム12には、位置変位のためのレバー部材13が取付けられる。そしてサイドフレーム14は、図9を参照して、シート前後方向に延びる円筒状の部材であり、フロントフレーム12に固定されてそれよりもシート幅方向外側に配置する。また支持部16は、図5及び図9を参照して略U字状に屈曲するパイプ状の部位であり、サイドフレーム14からシート幅方向外側に向けて突出する。この支持部16は、サイドフレーム14の右側上部に固定されて跳ね上げ機構TMの前方に配置する。
そして図5を参照して複数の突起(第一突起31〜第五突起35)は、各々、シートフレーム4Fから後述のシートカバー4S側に突出する凸部位である。本実施例では、これら第一突起31〜第五突起35が、上述のUN法規(UN21:5.3項)で定められた内部突起に該当する。そして第一突起31は、図5及び図10を参照して、サイドフレーム14の前端部をなす凸部位である。また第二突起32〜第四突起34は、それぞれ対応する係止部24a,24bに設けられた凸部位である。すなわち第二突起32は、図5を参照して、第一係止部24aの幅狭とされた先端部分の前端側をなす凸部位である。また第三突起33は、図5及び図8を参照して、第一係止部24aの後端をなす凸部位であり、第四突起34は、第二係止部24bの前端をなす凸部位である。そして第五突起35は、図5及び図9を参照して、締結座22の後縁をなす凸部位であり、サイドフレーム14に比してシートカバー4S側に突出して配置する。本実施例では、格納位置において、第一突起31〜第五突起35が、それぞれシート下部側に配置しつつ、内突規制に定められた図3のエリアA3内に配置する。このとき第一突起31〜第三突起33が、後述する突出部42の側面前側をなす第一分割片部44aに対面配置し、第四突起34と第五突起35が、突出部42の側面後側をなす第二分割片部44bに対面配置することとなる。
シートカバー4Sは、図6及び図7を参照して、一側で開口する袋状の部材であり、開口縁部40と、突出部42と、一対の分割片部44a,44bを有する。このシートカバー4Sは、図7を参照して、複数の表皮ピースSP1〜SP9等を縫合してなる略立方体状の袋体であり、例えば天然繊維又は合成繊維からなる布帛(織物,編物,不職布)や皮革(天然皮革,合成皮革)にて形成できる。そしてシートカバー4Sは、通常位置における被覆状態を基準として下側が開口し、シートカバー4Sの下周縁にて開口縁部40が形成される。この開口縁部40には、図9及び図10を参照して、複数のフック部材FMが適宜の間隔で取付けられており、シートフレーム4F側(例えば各係止部24a,24b)に係止可能である。
一対の分割片部(第一分割片部44a,第二分割片部44b)は、図4〜図7を参照して、それぞれ突出部42の側面をなして開閉可能な部位である。これら一対の分割片部44a,44bは、図7を参照して、開口縁部40から着座側に向けて直線状に延びるスリット(S)にて分割される。そして第一分割片部44aは、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2からなる部分であり、突出部42の側面前部をなす。また第二分割片部44bは、第三表皮ピースSP3と第四表皮ピースSP4からなる部分であり、突出部42の側面後部をなす。本実施例では、第一分割片部44aと第二分割片部44bが、線ファスナ50を介して開閉可能な構成とされる。この線ファスナ50は、図4を参照して、第一分割片部44aの閉じ合わせ端Eに設けられた第一ファスナ片51と、第二分割片部44bの閉じ合わせ端Eに設けられた第二ファスナ片52と、これらファスナ片同士を掛着するスライダ54を有する。そして図4及び図7を参照して、後述するようにシートカバー4Sをシートフレーム4Fに被せつつ、スライダ54を下方に移動させながら、各分割片部44a,44bの閉じ合わせ端E,E同士を閉じ合わせることができる。
一対の被覆部材(第一被覆部材61,第二被覆部材62)は、図5、図8〜図10を参照して、それぞれ対応する突起31〜35を被覆する面材であり、シートカバー4Sの各分割片部44a,44bの裏面側に設けられる。第一被覆部材61は、図5を参照して、略矩形状で大型の面材であり、第一突起31〜第三突起33を被覆可能な寸法を有する。また第二被覆部材62は、略矩形状で小型の面材であり、第四突起34及び第五突起35を被覆可能な寸法を有する。そして本実施例では、図5及び図8を参照して、第一被覆部材61の寸法を、第一分割片部44aよりも大きくするとともに、第二被覆部材62の寸法を、第二分割片部44bと略同一又はそれよりも小さくする。こうして第一被覆部材61のみを、後述するように開き状態における第一分割片部44aから第二分割片部44bに向けてはみ出して配置可能とする(図8の符号61Aの部分を参照)。ここで各被覆部材61,62は、各突起31〜35からの押圧にて変形しにくいことが好ましく、この種の各被覆部材の素材として、フェルト、繊維積層体、シートカバー4Sよりも厚手の布帛や皮革、発泡樹脂や軟質樹脂やゴム製のシート材やマット材を例示できる。本実施例の各被覆部材61,62は、上述のUN法規に対応するため、各突起31〜35に接して押圧された部分でR3.2以上の突状に変形するフェルトにて形成できる。
図6〜図8を参照して、複数の表皮ピースを袋状に縫合してシートカバー4Sを作成する。このとき突出部42では、第一表皮ピースSP1〜第四表皮ピースSP4を適宜縫合して一対の分割片部44a,44bを形成するとともに、これら表皮ピースの端部を他の表皮ピースSP5〜SP9に適宜縫合する。また各分割片部44a,44bの閉じ合わせ端E,Eにそれぞれ対応するファスナ片51,52を縫合して開閉可能とする。
図5、図8〜図10を参照して、シートカバー4Sを、シートフレーム4Fとシートパッド4Pに被せつつ、一対の分割片部44a,44bを、これらの向かい合う閉じ合わせ端同士E,Eで閉じ合わせる。このとき突出部42をなす第一分割片部44aの裏面に、第一突起31〜第三突起33が対面状に配置し、第二分割片部44bの裏面に、第四突起34と第五突起35が対面状に配置する。そこで上述の内突規制に対応すべく、一対の被覆部材61,62を突出部42の裏面側に設けてシートフレーム4Fの複数の突起31〜35を被覆する。この種の構成では、シートカバー4Sの分割片部44a,44bの裏面側に各被覆部材61,62を途切れなく適切に配設できることが望ましい。
図3を参照して、乗物用シート2を通常位置から格納位置に変位させることで、シートカバー4Sの突出部42がシート下方に配置しながらエリアA3内に配置する。そして図5及び図8〜図10を参照して、シートフレーム4Fの突起31〜35が、突出部42をなす分割片部44a,44bの対面位置に配置して同様に図3のエリアA3内に配置する。このとき本実施例では、適切に配置した各被覆部材61,62が、各突起31〜35に接して押圧された部分でR3.2以上の突状をなす。このため乗物用シート2が、格納位置において上述の内突規制に適合した状態とされることとなる。
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
10 本体部
12 フロントフレーム
13 レバー部材
14 サイドフレーム
16 支持部
20 アンダーカバー
22 締結座
24a 第一係止部
24b 第二係止部
31〜35 突起(内部突起)
40 開口縁部
42 突出部
44a 第一分割片部(一対の分割片部の一方)
44b 第二分割片部(一対の分割片部の他方)
50 線ファスナ
61 第一被覆部材
62 第二被覆部材
TM 跳ね上げ機構
2A 他の乗物用シート
2B 床面
4B インストルメントパネル
6B 側壁
Claims (3)
- シート骨格をなすシートフレームと、前記シートフレームを被覆するシートカバーと、シートカバー側に突出する前記シートフレームの突起とを備え、
前記シートカバーが、一側で開口する袋状をなして、その開口縁部から線状に延びるスリットにて分割されてなる一対の分割片部を有し、
前記シートカバーを前記シートフレームに被せつつ前記一対の分割片部を閉じ合わせることで、前記シートフレームに対して前記シートカバーを被覆状態とするとともに、面状の被覆部材を、閉じ合わされた前記一対の分割片部の裏面側に設けて前記突起を覆う構成とした乗物用シートにおいて、
前記被覆部材として、前記一対の分割片部の一方に取付けられる第一被覆部材と、前記一方とは異なる前記一対の分割片部の他方に取付けられる第二被覆部材とを有するとともに、前記第一被覆部材が、開き状態の前記一方の分割片部から前記他方の分割片部に向けてはみ出して配置し、
前記一対の分割片部を閉じ合わせながら、前記第一被覆部材のはみ出し部分を前記第二被覆部材に重ねた状態とする構成とした乗物用シート。 - 閉じ状態の前記一対の分割片部において、前記第一被覆部材のはみ出し部分が、前記第二被覆部材にそれよりもシート内方側で重ねられた状態とされる請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記一対の分割片部が、これらの向かい合う閉じ合わせ端同士を閉じ合わせることで閉じ状態とされ、前記第二被覆部材が、前記他方の分割片部の閉じ合わせ端に固定される請求項2に記載の乗物用シート。
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