JP2016131774A - 靴のアッパー - Google Patents

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公也 田崎
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Abstract

【課題】靴においてプロネーションの抑制に役立つアッパーを提供することである。
【解決手段】アッパー1の後足部1Rの上縁1Eは外踝Uの下端よりも上方に配置され外踝Uの少なくとも一部を覆っており、アッパー1の後足部1Rの外側面10には、アッパー1を形成する内皮12および外皮13のうち少なくとも外皮13を貫く貫通部Hが設けられ、貫通部Hは周囲がアッパー1の外皮13に完全に囲まれた少なくとも1つの貫通孔または切り込みからなり、貫通部Hの上下方向Yの領域は、外踝Uの上端から距骨下関節Jの最下端JEまたは外踝Uの最下端UEまでのアッパー1の部位の一部または全部を含み、貫通部Hの前後方向Xの領域は、距骨Tと踵骨Cとの間の距骨下関節Jの前端JFから後端JBまでのアッパー1の部位の一部または全部を含み、貫通部Hは前後方向Xに1cm〜8cmの長さを有している。
【選択図】図5

Description

本発明は靴のアッパーに関する。
プロネーションを抑制するソールの構造を備えた靴は多数提案されている。アッパーの構造で前記プロネーションを抑制する靴も公知である。
JP01−66109Y(第1図) JP01−66110Y(第1図)
しかし、前記先行文献の発明は走り高跳び用に開発されており、一般的な靴や運動靴には採用し難い構造となっている。
したがって、本発明の目的は一般的な靴や運動靴においてプロネーションの抑制に役立つ靴のアッパーを提供することである。
本発明は靴のアッパーであって、
前記アッパーの後足部の外側面には、少なくとも1つの低剛性部が設けられ、
前記低剛性部の上下方向の領域は、外踝または前記外踝よりも下方の前記アッパーの部位の一部または全部を含み、
前記低剛性部の前後方向の領域は、距骨の前端から後端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
本発明において低剛性部とは、当該低剛性部の周囲のアッパーの部位に比べ、引張剛性または曲げ剛性が小さいことを意味する。前記低剛性部は楕円形状や長円形状などの貫通孔や細長いスリット状の貫通孔、あるいは、ライン状の切り込みなどの貫通部を包含する。更に、前記貫通部はアッパーの内面または外面から閉塞されていてもよい。
踵接地後、当該部位上の皮膚が変形するため、当該部位又はその近傍を低剛性にすることにより、アッパーが変形し易く、踵骨が外反する方向への慣性力が抑えられ、踵骨外反が抑えられる。したがって、プロネーションの抑制に寄与するだろう。
本発明の実施例1の靴を斜め後方の外側から見た斜視図である。 同実施例の靴の外側面図である。 同実施例の靴の内側面図である。 貫通部と足の骨格との関係を示す外側面図である。 同実施例の靴と足の骨格との関係を示す外側面図である。 同実施例の靴の後足部の横断面図である。 実施例2の靴を斜め後方の外側から見た斜視図である。 テストに用いた靴およびテスト結果を示す図表である。 テストの評価基準となる角Δβを示す図表である。 貫通部の他の例を示す外側面図である。 解析方法を示す概念図である。 解析方法の妥当性を示す図表である。 解析結果を示す図表である。 解析結果を示す図表である。 解析結果を示す図表である。
好ましくは、前記低剛性部の前後方向の領域は、前記外踝の前端から後端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
踵接地後、外踝およびその下方の皮膚が大きく変形するため、外踝又はその真下の部位を低剛性にすることにより、アッパーが変形し易く、踵骨が外反する方向への慣性力が抑えられ、踵骨外反が抑えられる。
好ましくは、前記低剛性部は、前記アッパーを形成する内皮および外皮のうち少なくとも外皮を貫く貫通部で定義される。
本発明において貫通部は前記貫通孔、スリットおよび切り込みを含む。また、貫通部はその全周囲がアッパーで囲まれているものを意味し、履き口の上縁の一部を除去した切り欠きを含まない。また、外皮の貫通部に外皮に代えて前記外皮よりも剛性の小さい布帛を付着した場合も本発明に含まれる。
また、内皮とは、少なくとも履き口およびその下方において、足の内側面または外側面を覆い、かつ、前記足の内側面および外側面に接する部材を意味し、一般に、柔軟な織布やメッシュ材で形成される場合が多い。
一方、外皮とは、前記内皮に対し貼り合わ(縫着および/または接着を含む)され、足の内側面および外側面を広範囲にわたって覆う部材を意味し、一般に、前記内皮よりも曲げ剛性や引張剛性の大きい素材で形成される場合が多い。
なお、前記外皮の外面に部分的に付着(縫着および/または接着)される帯状ないしテープ状の補強材は前記外皮の概念から除外される。また、部分的に設けられた、樹脂の非発泡体からなるカウンターのような補強材も前記外皮の概念から除外される。
低剛性部が少なくとも外皮を貫く貫通部である場合、確実かつ容易に大きな低剛性化が可能である。
より好ましくは、前記低剛性部は、前記アッパーを形成する内皮および外皮の双方を貫く貫通部で定義される。
この場合、確実かつ容易に更に大きな低剛性化を実現し易い。
更に好ましくは、前記低剛性部は前記アッパーを形成する前記内皮、外皮および内皮と外皮との間のクッション材を貫通している貫通部で形成されている。
内皮、外皮およびクッション材を貫通する貫通部は前記低剛性化に寄与し、かつ、貫通部の下方と上方との変形の連続性を小さくするだろう。
好ましくは、前記低剛性部の上下方向の領域は、前記外踝の上端から距骨下関節の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
踵接地後、距骨下関節の部位上の皮膚の変形が特に大きいため、当該部位の一部または全部を低剛性部にすることにより、アッパーが変形し易く、踵骨が外反する方向への慣性力が抑えられ、踵骨外反が抑えられる。
本明細書において、「MMからNNまで(MMおよびNNは任意の部位)」とは、MMとNNとの間の部位に加え、MMおよびNNの部位を含むことを意味する。たとえば、一例を示すと、「前記外踝の上端から距骨下関節の最下端まで」とは前記外踝の上端と距骨下関節の最下端との間の部位に加え、前記外踝の上端および距骨下関節の最下端を含むことを意味する。
好ましくは、前記低剛性部の上下方向の領域は、前記外踝の上端から外踝の下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
踵接地後、前記外踝の上端から下端までの部位上の皮膚の変形が特に大きいため、当該部位の一部または全部を低剛性部にすることにより、アッパーが変形し易く、踵骨が外反する方向への慣性力が抑えられ、踵骨外反が抑えられる。
好ましくは、前記アッパーの後足部の上縁は前記外踝の下端よりも上方に配置され前記外踝の少なくとも一部を覆っている。
かかるハイカットないしミドルカットのアッパーの場合、低剛性部による踵骨外反の抑制効果が高まる。
好ましくは、前記低剛性部は前記前後方向に1cm〜8cmの長さを有している。
前後方向にある程度以上の長さを有する低剛性部はアッパーの上下の変形の連続性を遮断ないし弱め、低剛性部よりも下のアッパーに拘束されることなく、足の自由な動作が許容される。
かかる観点から低剛性部や貫通部の前後方向の長さは1.5cm以上が更に好ましく、2cm以上が最も好ましい。
一方、前記前後方向の長さが8cmを越えると、低剛性部や貫通部により、アッパーの履き口近傍のアッパー変形を過度に誘発し、履き口近傍のフィット性能が低下するだろう。かかる観点から、低剛性部や貫通部の前後方向の長さは6cm以下が更に好ましく、5cm以下が最も好ましい。低剛性部が貫通孔(スリットを含む)や切り込みのような貫通部である場合、前記長さは2.5cm〜5cm程度が特に好ましい。
本発明の好適なアッパーにおいては、
前記アッパーの後足部の上縁は前記外踝の下端よりも上方に配置され前記外踝の少なくとも一部を覆っており、
前記アッパーの後足部の外側面には、前記アッパーを形成する内皮および外皮のうち少なくとも外皮を貫く貫通部が設けられ、
前記貫通部は周囲がアッパーの外皮に完全に囲まれた少なくとも1つの貫通孔または切り込みからなり、
前記貫通部の上下方向の領域は、前記外踝の上端から距骨下関節の最下端または外踝の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含み、
前記貫通部の前後方向の領域は、距骨と踵骨との間の前記距骨下関節の前端から後端までのアッパーの部位の一部または全部を含み、
前記貫通部は前後方向に1cm〜8cmの長さを有している。
上下方向における外踝の上端から距骨下関節または外踝の最下端までのアッパーの部位であって、前後方向における距骨と踵骨との間の前記距骨下関節の前端から後端までのアッパーの部位の皮膚は、踵接地後、最も大きく変形するため、当該部位を貫通部にすることにより、アッパーが変形し易く、踵骨が外反する方向への慣性力が抑えられ、踵骨外反が抑えられる。したがって、プロネーションの抑制に寄与するだろう。
また、前後方向にある程度以上の長さを有する貫通部は外側のアッパーの上下の変形の連続性を遮断ないし弱め、貫通部よりも下のアッパーに拘束されることなく、足の自由な動作が許容される。
前記好適なアッパーにおいて、より好ましくは、前記貫通部の上下方向の領域は、前記外踝の上下方向の中心から距骨下関節の最下端または外踝の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
外踝の上半分の部位よりも外踝の下半分の部位またはその近傍の下方の部位の方が前記変形が大きい。したがって、かかる部位に貫通部が設けられている方がアッパーが変形し易く、踵骨外反が抑制される。
前記好適なアッパーにおいて、更に好ましくは、前記貫通部は前記内皮および外皮の双方を貫通している。
この場合、内皮および外皮の双方を貫通する貫通部は低剛性化に寄与し、かつ、貫通部の下方と上方との変形の連続性を小さくするだろう。
好ましくは、前記低剛性部の上下方向の領域は、前記外踝の上下方向の中心から距骨下関節の最下端または外踝の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
前述と同様に、外踝の上半分の部位よりも外踝の下半分の部位またはその近傍の下方の部位の方が前記変形が大きい。したがって、かかる部位に低剛性部が設けられている方がアッパーが変形し易く、踵骨外反が抑制される。
好ましくは、前記低剛性部または貫通部は、前記上下方向に比べ前記前後方向に長い。
前後方向に長い貫通部等はアッパーの上下の変形の連続を遮断し易い。一方、貫通部が上下方向に短いアッパーは足を安定して支持できる。
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
以下、本発明の実施例が図1〜図6を参照して説明される。
以下の説明では、右足用の靴が例示される。
図1に示す靴は、たとえばランニング用の靴で、ソール3にアッパー1が固定されている。前記アッパー1は内皮12、外皮13、補強部材14およびシューレース(締付部材)15を備えている。
ソール3はアッパー1の下に配置され路面に接地するものである。前記内皮12および外皮13は、少なくとも、後足部1Rにおいて足の内側面11および外側面10を包む。補強部材14およびシューレース15はアッパー1を足にフィットさせるためのものである。
図1に示すように、アッパー1には足を着用時に挿入するための履き口7が形成されている。前記履き口7は着用中に脚が上方に出るもので、前記履き口7の前方の部位には前記シューレース15が配置される。
前記内皮12としては例えば柔軟な織布を採用してもよい。一方、前記外皮13としては前記内皮12よりも剛性の大きいメッシュ材、織布、人工皮革および/または天然皮革を採用してもよい。
本実施例の場合、図5の外踝Uよりも下方の下部16の外皮13は人工皮革で形成され、一方、外踝Uの下端UEよりも上方の上部17の外皮13は樹脂のメッシュ材で形成されている。前記人工皮革と樹脂のメッシュ材は互いに接合(例えば縫合)されて上下方向Yに連なっている。
なお、上部17および下部16の外皮13が互いに同じ素材で構成されていてもよい。
図6の断面図に示すように前記上部17において、前記内皮12と外皮13との間には、履き口7の近傍におけるフィット感を高めるために樹脂またはゴムの発泡体やフェルトなどのクッション(アンクルパッド)18が挟まれていてもよい。前記内皮12と外皮13との間には、図5の中足部や前足部の外皮13の内面に付着された裏打ち材が挟まれていてもよい。
アッパー1の上縁1Eは、一般に、内皮12が外に向かって折られて、内皮12で定義されてもよい。なお、踵の背面および側面には月形芯やカウンターが内蔵、内装および/または外装されていてもよい。
前記アッパー1の後足部1Rの上縁1Eは前記外踝Uの下端UEよりも上方に配置され前記アッパー1の上部17が前記外踝Uの少なくとも一部を覆っている。すなわち、前記アッパー1はミドルカットないしハイカットである。前記アッパー1の上部17は距骨Tの一部または全部を側面から覆い、一方、前記アッパー1の下部16は踵骨Cの一部または全部を側面から覆う。前記距骨Tと踵骨Cとの間の距骨下関節Jの一部または全部も前記アッパー1に覆われている。
図2および図6に示すように、前記アッパー1の後足部1Rの外側面10には、前記アッパー1を形成する内皮12および外皮13の双方を貫く貫通部Hが設けられている。図2の前記貫通部Hは周囲がアッパー1の外皮13に完全に囲まれた少なくとも1つの貫通孔からなり、図7の貫通部Hは、少なくとも1つの切り込みからなる。
なお、「貫通孔」とは面積を持つ孔を意味し、「切り込み」とは面積を実質的に有していない割れ目を含み、両者は履き口7に連なる切り欠きを含まないことを意味する。
図4に示すように、前記貫通部Hの上下方向Yの領域は、前記外踝Uから距骨下関節Jの最下端JEまたは外踝Uの最下端UEまでのアッパー1の部位Y1,Y2の一部または全部を含んでいてもよい。ここで、一般に距骨下関節Jの最下端JEは外踝Uの最下端UEよりも若干下方に位置するものの、骨格から前記位置を正確に把握することは難しい。したがって、前記外踝Uから距骨下関節Jの最下端JEまでのアッパー1の部位Y1とは、外踝Uの最下端UEまでのアッパー1の部位Y2および前記外踝Uの最下端UEよりも若干下方(5〜6mm程度)を含む部位という程度に解さなければならない。
好ましくは、前記貫通部Hの上下方向Yの領域は、前記外踝Uの上下方向の中心UCから距骨下関節Jの最下端JEまたは外踝Uの最下端UEまでのアッパー1の部位の一部または全部を含んでいてもよい。
ここで、外踝Uの上下方向Yの中心UCとは、外踝Uの最下端UEから上端までを上下方向Yに2等分する点を意味する。また、外踝Uの上端とは、便宜上、外踝Uにおける距骨Tの上端TEの位置を意味すると解さなければならない。外踝Uの上下方向Yの領域は定義し難く、そのため、このように定義した。
したがって、外踝Uの上半分とは点UCよりも上方で点TEまでの部位をいい、外踝Uの下半分とは点UCから点UEまでの部位であると解される。
より好ましくは、前記貫通部Hの上下方向Yの領域は、前記距骨下関節Jの上端JUから距骨下関節Jの最下端JEまでのアッパー1の部位Y3の一部または全部を含む。
一方、前記貫通部Hの前後方向Xの領域は、距骨Tと踵骨Cとの間の前記距骨下関節Jの前端JFから後端JBまでのアッパー1の部位X1の一部または全部を含んでいてもよい。より好ましくは、前記貫通部Hの前後方向Xの領域は、前記外踝Uの前端UFから後端UBまでのアッパー1の部位X2の一部または全部を含む。
前記貫通部Hは、前記上下方向Yに比べ前記前後方向Xに長くてもよく、前記前後方向Xに1cm〜8cmの長さを有していてもよい。
なお、図3の内側面11は図示しない内踝を含む足の内側を覆い、前記貫通部Hは設けられていない。
つぎに、本発明の効果を明瞭にするために、図8および図9に基づき、靴を着用したテストについて説明する。テストには、図8のタイプ1−6の靴を用いた。
タイプ1の靴は外側に貫通部Hではなく切り欠きが設けられている。
タイプ2の靴は貫通孔Hが図4の距骨下関節Jの最下端JEよりも下方に設けられている。
タイプ3の靴は図1―図6に示した靴である。
タイプ4は図7に示した靴である。
タイプ5の靴の貫通孔Hはアッパー1の外側ではなく、内側に設けられている。
タイプ6の靴は貫通部Hを有していない。
これらの靴の性能は、被験者の歩行中に図9の外反の角Δβを所定のタイミングで計測することにより評価した。計測した角Δβの値を図8に示す。
タイプ2、3および4の角Δβの値が貫通孔を有していないタイプ6に比べ小さな良い値を示していることから、貫通部Hを後足部1R(図1)の外側に設けることで、外反を抑制し得ることが分かる。
また、貫通部Hではなく切り欠きを設けたタイプ1の角Δβの値が他のタイプよりも大きいことから、切り欠きを設けた場合は外反を抑制できないことが分かる。
また、タイプ3の角Δβの値がタイプ5に比べ小さな良い値を示していることから、内側ではなく外側に貫通部Hを設けることで、外反を抑制する効果が高まることが分かる。
また、タイプ3とタイプ4との比較から、貫通部Hは貫通孔ではなく切り込みであっても同等の効果が得られることが分かる。
つぎに、図10を用いて他の例(タイプA−L)について説明する。
なお、図10および図8において、貫通部Hが切り込みである場合に、貫通部Hの存在を分かり易くするために、貫通部Hを太い実線で示している。
図10のタイプA,Bのように、貫通部Hは前記実施例よりも前後方向Xの長さが短くても、あるいは、長くてもよい。
図2および図7の例において貫通部Hは前方に向かって斜め下方に延びていたが、貫通部Hは図10のタイプCのように前後方向Xに水平に延びてもよいし、タイプDのように、貫通部Hは前方に向かって斜め上方に延びていてもよい。
また、タイプE−Hのように、貫通部Hのレベル(高さ位置)は前記各例よりも若干上でも、下でもよい。
タイプIのように、貫通部Hは複数設けられてもよい。複数の貫通部Hは斜め前後方向または前後方向に並んで例えば1列に配置されている。この場合、各貫通部Hは円形でもよいし、細長いスリット状でもよいし、あるいは、切り込みであってもよい。
貫通部Hが複数設けられている場合、前記前後方向Xの大きさは、前方の貫通部Hの最前端から後方の貫通部Hの最後端までと解するべきである。一方、前記上下方向Yの大きさは、上方の貫通部の最上端から下方の貫通部の最下端までと解するべきである。
タイプJおよびKのように、貫通部Hは前後方向Xに長い楕円形ないし長円形状でもよいし、タイプLのように、貫通部Hは円形状であってもよい。
つぎに、電子計算器を利用したシミュレーションについて説明する。
図11に示すように、踵骨がアッパーの外側面に荷重を与えるフェーズをイメージし、各タイプ(モデル)に対し同じ荷重を負荷し、モデル上に発生した外側への最大変位量Δを算出した。
図12は貫通部Hと最大変位量Δの関係を示す。
図12のタイプ1−4および6は、それぞれ、図8のタイプ1−4および6をモデル化したものである。図12の最大変位量Δによる評価が図8の実施された角Δβの値による評価と相関関係があることから、本シミュレーションの妥当性を知ることができるだろう。すなわち、前記最大変位量Δが大きいということは、角Δβが小さいことと等価であると言えるだろう。
つぎに、前記シミュレーションの手法を用い、図13―図15の各タイプについて貫通部Hと最大変位量Δとの関係を示す。これらの図において、太い破線は貫通部Hを内外に設けていないタイプ6の値を示す。また、図13―図15の各タイプは図10の各タイプをモデル化したものである。
図13のタイプ4−1や図15のタイプ3−2のように貫通部Hが前後方向Xに十分な長さを有していない場合、最大変位量Δが然程大きくならないが貫通部を有していないタイプ4よりは大きいことが分かる。また、貫通部Hの上下方向Yの幅が最大変位量Δに与える影響は小さいことが分かる。
図13のタイプ4−2はタイプ4や図15のタイプ3に比べ最大変位量Δが大きい。このことから、貫通部Hの前後方向Xの長さが最大変位量Δに与える影響は大きいことが分かる。
図14のタイプ4,4−3,4−4および4−5の比較から、貫通部Hのレベル(高さ位置)は、履き口7に近付きすぎると、最大変位量Δが然程大きくならないが貫通部を有していないタイプ4よりは大きいことが分かる。
図15のタイプ3,3−1および3−2の比較から、貫通部Hの前後方向Xの長さは最大変位量Δと大きな相関関係があることが分かる。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、アッパーの後足部の上部および下部の外皮がメッシュ材で形成されていてもよく、あるいは、前記上部および下部が人工皮革や天然皮革で形成されていてもよい。
また、外側の貫通部に加え、内側に貫通部を設けてもよい。
また、補強部材として非発泡の樹脂からなるカウンターが設けられてもよい。
シューレースに代え、あるいは、シューレースに加えて、締付部材としてベルトが採用されてもよい。更に、締付部材は設けられていなくてもよい。
したがって、そのような変更および修正は請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
本発明はランニング用の靴の他、ウォーキングなどの種々の用途の靴に適用できる。
1:アッパー 1E:上縁 1R:後足部
10:外側面 11:内側面 12:内皮 13:外皮 14:補強部材 15:シューレース
16:下部 17:上部 18:発泡体
3:ソール
7:履き口
B:腓骨
H:貫通部
J:距骨下関節 JB:後端 JE:最下端 JF:前端 JU:上端
C:踵骨 T:距骨 TE:上端
U:外踝 UB:後端 UC:中心 UE:最下端
X1,X2,Y1,Y2,Y3:部位
X:前後方向 Y:上下方向

Claims (14)

  1. 靴のアッパーであって、
    前記アッパーの後足部の外側面には、少なくとも1つの低剛性部が設けられ、
    前記低剛性部の上下方向の領域は、外踝または前記外踝よりも下方の前記アッパーの部位の一部または全部を含み、
    前記低剛性部の前後方向の領域は、距骨の前端から後端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
  2. 請求項1のアッパーにおいて、
    前記低剛性部の前後方向の領域は、前記外踝の前端から後端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
  3. 請求項1もしくは2のアッパーにおいて、
    前記低剛性部は、前記アッパーを形成する内皮および外皮のうち少なくとも外皮を貫く貫通部で定義される。
  4. 請求項1もしくは2のアッパーにおいて、
    前記低剛性部は、前記アッパーを形成する内皮および外皮の双方を貫く貫通部で定義される。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記低剛性部の上下方向の領域は、前記外踝の上端から距骨下関節の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記低剛性部の上下方向の領域は、前記外踝の上端から外踝の下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記アッパーの後足部の上縁は前記外踝の下端よりも上方に配置され前記外踝の少なくとも一部を覆っている。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記低剛性部は前記前後方向に1cm〜8cmの長さを有している。
  9. 靴のアッパーであって、
    前記アッパーの後足部の上縁は前記外踝の下端よりも上方に配置され前記外踝の少なくとも一部を覆っており、
    前記アッパーの後足部の外側面には、前記アッパーを形成する内皮および外皮のうち少なくとも外皮を貫く貫通部が設けられ、
    前記貫通部は周囲がアッパーの外皮に完全に囲まれた少なくとも1つの貫通孔または切り込みからなり、
    前記貫通部の上下方向の領域は、前記外踝の上端から距骨下関節の最下端または外踝の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含み、
    前記貫通部の前後方向の領域は、距骨と踵骨との間の前記距骨下関節の前端から後端までのアッパーの部位の一部または全部を含み、
    前記貫通部は前後方向に1cm〜8cmの長さを有している。
  10. 請求項9のアッパーにおいて、
    前記貫通部の上下方向の領域は、前記外踝の上下方向の中心から距骨下関節の最下端または外踝の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
  11. 請求項10のアッパーにおいて、
    前記貫通部は前記内皮および外皮の双方を貫通している。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記低剛性部の上下方向の領域は、前記外踝の上下方向の中心から距骨下関節の最下端または外踝の最下端までのアッパーの部位の一部または全部を含む。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記低剛性部または前記貫通部は前記アッパーを形成する前記内皮、外皮および内皮と外皮との間のクッション材を貫通している。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項のアッパーにおいて、
    前記低剛性部または貫通部は、前記上下方向に比べ前記前後方向に長い。
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