JP2016131585A - 手足症候群の予防及び/又は治療に用いるための足裏支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、患者に対する負担の回避と日常生活を支障なく送るための、薬物の利用に頼らない手足症候群の予防及び/又は治療に有効な手段を提供することを目的とするものである。
【解決手段】
本発明は、使用者の足裏の凹凸に対応した凹凸形状を有する足裏密着面と、底面と、使用者の踵を密着して包み込むように形成された、使用者の踵の形状に対応した形状を有する踵保持壁とを備えた、足裏に装着する手足症候群の予防及び/又は治療のための足裏支持体を提供する。本発明の足裏支持体は、患者に特別な負担を強いることなく、手足症候群の発症を予防したり、又は治療若しくは寛解させたりすることのできる装具として利用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、手足症候群(hand−foot syndrome、手足皮膚反応とも呼ばれる)を予防及び/又は治療するための、足裏にあてがって装着する足裏支持体に関する。
手足症候群は、抗がん剤等の化学療法薬の投与に起因して発症する皮膚疾患である。軽症では日常生活に特に支障はないが、重症化すると、疼痛を伴う腫脹、発赤、角化、水疱、皮膚亀裂などが生じ、物が掴めなくなったり歩行困難に陥ったりすることがある。このような症状は歩く際の衝撃がかかる足、特に足裏に発症し易く、患者のQOLを低下させる大きな要因となっている。
同時に、手足症候群は抗がん剤投与の副作用であることから抗がん剤の用量規制因子の一つであり、また重症化した場合には抗がん剤の継続投与による治療を断念せざるを得なくなるので、がんの化学療法の中止要因の一つでもある。すなわち、抗がん剤の投与という本来の治療法を効果的かつ継続的に行っていく上でも、手足症候群は大きな支障となり得る。
手足症候群の予防又は治療としては、手足に刺激を与えずに安静にすることが第一に推奨されるが、日常生活において全ての刺激を回避することは事実上困難である。特に歩行や移動を一切制限することは、そのこと自体が患者のQOLを大きく損なうものとなる。
そのため、従来、手足症候群の予防法及び/又は治療法は、薬物の利用が中心となっている。例えば、尿素軟膏などの保湿剤、ヘパリン類似物質製剤又はビタミン含有軟膏などの外用剤の塗布、ステロイド剤又はビタミン剤類の内服などである。また、イミダフェナシン(特許文献1)、アロプリノール(特許文献2)又は抗コリン薬(特許文献3)などの投与による治療も提唱されている。
しかし、このような薬物による手足症候群の予防又は治療は、その効果の点で必ずしも満足のいくものではない。また、抗がん剤投与という薬物治療を受けている患者に対して、投与すべき薬物がさらに増加するという負担を強いるものであることに加え、別の薬物の投与によってさらなる副作用が生じるという危険性も伴う。また、手足症候群の発症メカニズムは現在のところ解明されておらず、根本的な治療効果を示す薬物も未だ見いだせていない。
特開2011−225553号公報 特開2014−28851号公報 特開2012−102028号公報
本発明は、患者に対して負担を与えることなく日常生活を支障なく送るための、薬物の利用に頼らない手足症候群の予防及び/又は治療に有効な手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、特徴的な形状を有する支持体を患者の足裏にあてがうことによって、足における手足症候群の発症を予防する及び/又は治療することができることを見いだし、下記の各発明を完成させた。
(1)使用者の足裏の凹凸に対応した凹凸形状を有する足裏密着面と、
底面と、
使用者の踵を密着して包み込むように形成された、使用者の踵の形状に対応した形状を有する踵保持壁と
を備えた、足裏に装着する手足症候群の予防及び/又は治療のための足裏支持体。
(2)踵の外周に沿うようにつま先方向に伸びた補強構造が底面に接する位置に設けられている、(1)に記載の足裏支持体。
(3)つま先方向に伸びた補強構造の先端の位置が左右で異なる、(2)に記載の足裏支持体。
(4)使用者の踵後端から足指先までに相当する足裏に対応する輪郭形状を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の足裏支持体。
(5)靴下を履くことで足裏に装着する、(1)〜(4)のいずれかに記載の足裏支持体。
本発明によれば、足、特に足裏に発生する手足症候群の症状である疼痛を伴う腫脹、発赤、角化、水疱、皮膚亀裂などの発生を抑制したり、発生した前記症状を緩和したりすることができ、患者に特別な負担を与えることなく、手足症候群の発症を予防したり、又は治療若しくは寛解させたりすることのできる理学療法を提供することが可能となる。
本発明の足裏支持体の全体を表した写真である。 本発明の足裏支持体を真横から見た写真である。 本発明の足裏支持体の足裏密着面及び踵保持壁の構造を表す斜視図である。 本発明の足裏支持体の足裏密着面及び踵保持壁の構造を表す側面図である。 本発明の足裏支持体を底面方向からみた写真である。
本発明の第一の態様は、使用者の足裏の凹凸に対応した凹凸形状を有する足裏密着面と、底面と、使用者の踵を密着して包み込むように形成された、使用者の踵の形状に対応した形状を有する踵保持壁とを備えた、足裏に装着する手足症候群の予防及び/又は治療のための足裏支持体に関する。本発明の足裏支持体は主に、使用者の足裏にあてがい、その上から靴下又は適当なサポーターを履くことによって装着される。
本発明において、「足」とはくるぶしより下の、地面又は床面などへの接地部を指し、また足裏は足底とも呼ばれ、通常の意味において理解されるように、地面又は床面などへ接地する足の裏面を指す。
一般に知られるように、足裏は、足指の付け根部分の膨らみ及び土踏まずの湾曲などが人それぞれに異なり、独自の凹凸を有している。本発明にいう「使用者の足裏の凹凸に対応した凹凸形状を有する足裏密着面」とは、使用者ごとに異なる前記足裏の凹凸に沿って使用者の足裏に密着乃至フィットすることが可能な凹凸形状を有する面を意味する。
なお、足裏密着面は使用者の踵後端から少なくともMP関節までに相当する足裏領域に対応する輪郭形状を有すること、すなわち踵後端から足親指の付け根の関節までの足内側及び踵後端から足小指の付け根の関節までの足外側に相当する左右の輪郭と、各足指の関節を結ぶMP関節ラインに相当する輪郭とからなる形状を有することが好ましい。さらに好ましくは、足裏密着面は、踵後端から足指先に至るまですなわち足裏全体に相当する輪郭形状を有することが好ましい。
「底面」は、前記足裏密着面と対峙する、足裏支持体の地面又は床面などへ向いた接地面である。底面は平面であることが好ましいが、通常の靴底に見られるような多少の反りや湾曲を有していてもよい。また底面は、前記足裏密着面と同様に、使用者の踵後端から少なくともMP関節までに相当する足裏領域に対応する輪郭形状を有すること、すなわち踵後端から足親指の付け根の関節までの足内側及び踵後端から足小指の付け根の関節までの足外側に相当する左右の輪郭と、各足指の関節を結ぶMP関節ラインに相当する輪郭とからなる形状を有することが好ましい。さらに好ましくは、足裏密着面は、踵後端から足指先に至るまですなわち足裏全体に相当する輪郭形状を有することが好ましい。
足裏密着面と底面との間すなわち本発明の足裏支持体との厚みは、底面の反りや湾曲及び足裏密着面の凹凸形状によって部分ごとに異なるが、最も薄い部分で少なくとも1mm程度であることが好ましい。
本発明の足裏支持体は、使用者の踵を密着して包み込むように形成された、使用者の踵の形状に対応した形状を有する踵保持壁を有する。踵保持壁は、踵の足裏面から足首の可動部までの高さの少なくとも下から1/3に相当する部位(以下、踵の下方部と表す)を包み込むことができる高さを有する。踵保持壁の高さは、使用者の足、特に踵の大きさに合わせて決定され、足首の可動を妨げない限り、踵の下方部に相当する高さを超えても差し支えない。また踵保持壁は、少なくとも踵の下方部の足内側面及び足外側面の曲率や踵の幅などに対応して踵の下方部に密着することができる内壁面形状、すなわち使用者の踵の形状に対応した内壁面形状を有する。
かかる形状を備えることにより、本発明における踵保持壁は足裏密着面の踵部とともに使用者の少なくとも踵の下方部を密着して包み込むことができ、歩行時に使用者の踵と足裏支持体とが擦れ合わないように踵を保持する機能が発揮される。
踵保持壁の厚みは、足裏支持体を足裏にあてがって使用する、特に足裏支持体の上から靴下を履いて装着するという使用態様の妨げにならない程度の厚みであればよい。また、壁の縦横方向いずれにおいても厚みは均一でも不均一であってもよいが、底面近くで厚く、底面から壁の上端部に向かって漸次的に薄くなっているものが好ましい。
本発明の足裏支持体は、使用者の足裏に、特に素足に直接あてがって又は素足に薄手の靴下を履いた上からあてがって装着することが好ましい。また、使用者の足に固定する部材を足裏支持体に設け、これによって足裏支持体を装着してもよいが、かかる部材を用いずに、足裏支持体の上から靴下又は適当なサポーターを履く又は重ね履きすることによって足裏支持体を装着することが好ましい。このようにして装着することにより、足裏及び踵と足裏支持体とをしっかりと密着させ、それらの間の擦れを抑制することができる。また、足袋の様に、靴下等の内部に予め足裏支持体を固定して装着してもよい。
本発明の足裏支持体は、一般的なインソールの製造に用いられる素材、すなわち歩行時の足の動きや荷重を支え得る程度の剛性を備え、かつ歩行時に撓むことができる素材を用いて作製することができる。そのような素材の例としてはポリエステル系ウレタン、ポリエーテル系ウレタン及びエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などを挙げることができる。本発明において特に好ましい素材はEVAである。なお、通気性を確保するために、多孔質性の素材を用いることがより好ましい。または作製後に、足裏支持体の機能を損なわない範囲で適当な数の通気孔を任意の位置に設けてもよい。
本発明の足裏支持体は、一般的なインソールの作製手順である使用者の足型の採型、特に足裏の凹凸の採型及び踵周囲の採型、踵の下方部に相当する高さの計測、これら採型データ及び計測データを元にした設計並びに成形によって作製することができる。
インソールを使用者の足裏の輪郭及び凹凸形状に合わせてオーダーメードで作製する方法としては、近年はコンピュータを利用して行う作製システムが採用されることが多い。そのようなインソール作製システムの例としては、スイスのオルテマ社(Orthema)から提供されるオルテマ(http://www.orthema.com/en/index.htm)、ドイツのゴーテック社(Go−tec)から提供されるゴーテック(http://www.go−tec.de/en/)、又はフランスのキャプロン社(Capron)から提供されるキャプロン(http://www.capronpodologie.com/)などを挙げることができる。
本発明の足裏支持体も、上記のインソール作製システム又はその他これらと同様なシステムを利用して作製することができる。特に、EVA製のインソールブロックから切削加工によって所望の形状のインソールを作製するシステムであるオルテマ又はゴーテックの利用が好ましい。
上記のインソール作製システムを利用する場合、足型の採型、特に足裏の凹凸形状の採型、踵周囲の採型、踵下方部に相当する高さの計測は、例えばトリッシャム(BAUERFEIND社)などの市販の足型採取器、又は前記インソール作製システムに含まれるスキャナー若しくは採型機を用いて行うことができる。
本発明の足裏支持体は、好ましくはインソール作製システムを構成する各種ソフトプログラムによって足型に関する上記の各種データを処理することにより、設計される。本発明では、上記の各種データに加え、立位姿勢及び歩行時の足圧分布状況の測定結果、胼胝(たこ)の有無、足裏支持体を撓ませる位置などを補足データとして、さらに必要となる踵保持壁の高さのデータを取り込んで足裏支持体が設計される。なお、足圧分布状況の測定は、前記インソール作製システムと共に提供されている測定器具を用いて行うことができる。
上記ソフトプログラムを用いて設計された足裏支持体は、インソール作製システムを構成する切削機によって、前記ソフトプログラムの制御下でインソールブロック好ましくはEVAブロックから一体成形的に削り出されることにより、作製される。
以上は市販のインソール作製システムを利用したときの本発明の足裏支持体の作製例であるが、本発明の足裏支持体はかかるインソール作製システムによって作製されるものには限定されない。例えば足型のデータは、適当な定規又は計測器を用いて足をマニュアル的に採寸して得られる測定値から算出してもよく、あるいは石膏などを用いて足型を直接的に成型してもよい。また、手作業によってフィッティングを都度確認しながら足裏支持体を作製してもよく、あるいはサーモインナー(登録商標)を利用して足裏支持体を作製してもよい。さらに、各種測定データを元にいわゆる3−Dプリンタを用いて作製してもよい。
また、本発明の足裏支持体は、前記インソール作製システムを用いて一体成形的に作製されるものが好ましく、したがって足裏密着面及び踵保持壁は境目がなく一体的に成形されているものが好ましいが、足裏密着面、底面、踵保持壁を別々に用意し、それぞれを繋ぎ合わせて作製されるものであってもよい。さらに、一体成形的に作製した足裏支持体に対して、足裏密着面及び踵保持壁の内面形状に対応した形状を有する薄手のカバーを貼り付けて使用してもよい。このようなカバーは、足裏の肌触りを改善し、また装着時の蒸れを防止する上で有効である。
本発明の第二の態様にかかる足裏支持体は、前記第一の態様である足裏支持体において、踵の外周に沿うようにつま先方向に伸びた補強構造が底面に接する位置に設けられている足裏支持体である。
図1〜5は本発明の第二の態様である足裏支持体(左足用)を例示したものであり、図中、符号1は足裏密着面を、符号2は踵保持壁を、符号3は底面(図1〜図4では図示されない)を、符号4は補強構造をそれぞれ示す。
本発明における補強構造は、第一に、使用者の体重及び足裏が床面に接するときの衝撃によって足裏支持体の輪郭及び踵保持壁が歪まないよう補強するために設けられる。かかる目的において、補強構造は底面に接する位置から踵保持壁の上端までの高さの少なくとも半分までを、好ましくは使用者の皮膚に直接触れない限りにおいて踵保持壁の外側全体を覆うものであることが好ましい。
また本発明における補強構造は、第二に、使用者が歩行する際に足裏支持体が撓む位置を調節するために設けられる。歩行において足が床面から離れるときは、通常は足指のMP関節ライン辺りで足裏が曲がる(軽いつま先立ち状態となる)。しかし、歩き方に癖がある場合、X脚又はO脚である場合、足又は脚に何らかの障害がある場合その他様々な事情により、足裏が床面から離れるときの足裏が曲がる位置、又は足親指側から離れるあるいは足小指側から離れるなどの離れ方が変化することがある。また同様に、足裏が床面に接触するときの荷重の掛かる位置なども変化することがある。副作用として手足症候群を伴いやすいキナーゼ阻害剤の投薬治療を受けているがん患者の場合、特に足裏が曲がるところ及び歩行時の荷重がかかる位置で履物と足が擦れ、腫脹や発赤等の症状が生じやすい傾向にある。
本発明における補強構造は、使用者が歩行する際の足裏の曲がりに対応して足裏支持体が撓む位置を調節するために設けられる。MP関節ライン辺りとは異なる位置で足裏が曲がるがん患者の場合、このような位置で足裏支持体が撓まないように補強構造を設けることで、かかる位置での手足症候群の発症を予防することができる。また、すでに足裏に手足症候群が発症している場合には、発症部位とは異なる位置で、好ましくはMP関節ライン辺りで足裏支持体が撓み、それ以外の位置での撓みが抑制されるように補強構造を設けることで、症状を緩和することもできる。
特に本発明における補強構造は、図5に示されるように、つま先方向に伸びたその先端の位置が左右(足内側及び足外側)で異なることが好ましい。足内側の先端又は足外側の先端のどちらがよりつま先側に位置していてもよく、また足内側の先端は足親指の付け根の手前まで、足外側の先端は足小指の付け根の手前まで伸びていてもよい。先端の位置は、座位又は立位姿勢及び歩行時の足圧分布状況の測定結果及び既に手足症候群を発症している患者の場合はその発症部位を参考にして決定される。この様な点を考慮して、本発明における補強構造は、踵の外周に沿うようにつま先方向に伸びるように設けられる。底面方向から見たときのその外観は、概ねU字状又は蹄鉄状となる。
本発明における補強構造は、足裏支持体の輪郭及び踵保持壁の歪み並びに足裏支持体の撓みを抑制することができる物理的な構造体、足裏支持体に別途取り付け可能な補強材又はアタッチメントの形態のいずれでもよいが、本発明の第一の態様の足裏支持体に貼り付け可能な補強材の形態が好ましい。かかる補強材の素材としては、任意の形状への加工が容易な熱可塑性樹脂、例えばサーモプラス1.4(啓愛義肢材料販売所)などを挙げることができる。
本発明における補強構造は、上記の目的又は機能を発揮することができる限り、連続的に又は断続的に設けられていてもよい。また、図に例示される具体的な形状及び大きさには限定されない。
以下、作製例及び使用例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<作製例>
本発明の足裏支持体は、次のような工程を経て作製することができる。
1)被験者の立位姿勢や歩行時の足圧分布状況を、Win−Pod(Medicapteurs社製、http://www.medicapteurs.com/en/products/1/win−pod)を使用して測定する。
2)被験者の足の非荷重状況の足型及び踵の下方部の高さを、足型採取器であるトリッシャム(BAUERFEIND社)を用いて座位で採型する。トリッシャムの形状データをゴーテック(株式会社バンキフ)のレーザースキャナーを用いて計測し、コンピュータ上にスキャンデータを記録する。
3)ゴーテックソフトウェアを用いて、1)の測定データ、2)のスキャンデータ及び被験者の足の胼胝の有無及び位置データを処理し、コンピュータ画面上で足型に対するアライメント設定を行い、足裏支持体の全体の大きさ、輪郭、足裏密着面の凹凸形状、踵保持壁の踵に密着する面の形状及び高さを設定して、足裏支持体を設計する。また、補強材を必要とするときは、各種データを元に補強材の大きさ及び先端位置を決定する。
4)ゴーテックの切削機にインソールブロック(EVA素材、株式会社バンキフ)をセットし、3)の設計データにしたがって、ゴーテックソフトウェアの制御下で足裏支持体を削り出して作製する。
5)削り出された足裏支持体の底面の形状を、グラインダー又はリュータ等を用いて整える。実際に被験者の足にあてがい、必要に応じて底面、輪郭その他の形状を微調整する。
6)補強材を必要とする場合、3)で設定した大きさ及び先端位置を元に、サーモプラス1.4(啓愛義肢材料販売所)を所望の形状に加工し、接着剤を用いて踵保持壁の外側面下方部に、踵の左右の外周に沿うようにして貼り付ける。
<使用例>
北海道札幌市中央区北1条西6丁目KKR札幌医療センター斗南病院において、ヘルシンキ宣言(人間を対象とする医学研究の倫理的原則)の規定を遵守し、同病院の倫理委員会による承認を受けた以下の試験を実施した。
2013年11月より2014年6月の間に当院にて抗がん剤スチバーガ(登録商標、一般名レゴラフェニブ水和物)を1コース以上(3週間の服薬と1週間の休薬期間)投与した大腸がん患者13例(主治医より十分な説明を受け、同意を得られた者のみ)を本試験の対象とした。
対象者ごとに、理学療法士及び義肢装具士が共同で、前記作製例にしたがって対象者の足に適合した第一の態様の足裏支持体を作成した。対象者には、レゴラフェニブ投与治療の期間中、屋外内いずれも歩行するときに、素足に足裏支持体をあてがい、その上から靴下を履くことで、足裏支持体を装着してもらった。
手足症候群の発症及び症状の程度(グレード1〜3)の評価は、有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events、CTCAE、http://www.jcog.jp/doctor/tool/CTCAEv4J_20140920.pdf)v4.0に従って毎週行い、先行研究であるCORRECT試験(国際共同第III相試験、Grotheyら、Lancet、2013年、第381巻、第303−312ページ)の結果と比較検討した。また、同一患者において手と足における皮膚障害の程度の違いを比較検討した。統計学的検討にはフィッシャーの正確確率検定を用い、有意水準を5%とした。
手足症候群の発症は、症状グレード1〜3全てを合わせて7例(53.8%)に認められた。足の皮膚病変の発症部位は、歩行時の足圧分布評価で特に高圧だった骨突起部に生じる傾向が見られた。なお、グレード3は認められず、また手足症候群による抗がん剤の服薬中止例は生じなかった。
発症部位別では、手の皮膚病変は7例53.8%(グレード1:3例、グレード2:4例、グレード3:0例)、足の皮膚病変は5例38.5%(グレード1:4例、グレード2:1例、グレード3:0例)に認められた。また、本試験における手足症候群の発症率はCORRECT試験と比較して有意に低かった(P=0.000092)。
また、同一患者において、手に皮膚病変が認められたが足には認められなかった症例が2例認められた。また手にはグレード2の病変が生じた一方、足にはグレード1の病変が生じた症例が3例認められた。インソールによって荷重時の足底接触面積が増加し、歩行時の足底圧を骨突起部以外に分散したことによって、足の皮膚障害を抑制できたと推察される。
本発明の足裏支持体は、足、特に足裏に発生する手足症候群の症状である疼痛を伴う腫脹、発赤、角化、水疱、皮膚亀裂などの発生を抑制したり、発生した前記症状を緩和したりすることができ、患者に特別な負担を強いることなく、手足症候群の発症を予防したり、又は治療若しくは寛解させたりすることのできる装具として利用することができる。
1 足裏密着面
2 踵保持壁
3 底面
4 補強構造

Claims (5)

  1. 使用者の足裏の凹凸に対応した凹凸形状を有する足裏密着面と、
    底面と、
    使用者の踵を密着して包み込むように形成された、使用者の踵の形状に対応した形状を有する踵保持壁と
    を備えた、足裏に装着する手足症候群の予防及び/又は治療のための足裏支持体。
  2. 踵の外周に沿うようにつま先方向に伸びた補強構造が底面に接する位置に設けられている、請求項1に記載の足裏支持体。
  3. つま先方向に伸びた補強構造の先端の位置が左右で異なる、請求項2に記載の足裏支持体。
  4. 使用者の踵後端から足指先までに相当する足裏に対応する輪郭形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の足裏支持体。
  5. 靴下を履くことで足裏に装着する、請求項1〜4のいずれかに記載の足裏支持体。


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