JP2016129276A - 電子撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の異焦点画像を簡易かつ同時に切り替えることができる電子撮像装置を提供すること。【解決手段】撮像素子と光学系を有し、前記光学系は、第一と第二の焦点距離を有する光路に分離する手段を有し、前記異焦点光路については相互に光軸が交差し、偏光選択により焦点距離を切り替えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光学系に光路分離手段を配し、偏光選択手段によって、前記分離した第一および第二の光路の焦点距離を切り替えることができる電子撮像装置に関する。
異焦点画角の画像を1つの電子撮像素子にて、同時に撮像したいといった要求がある。例えば、広角域の画像をビューファインダーで観察しながら、望遠域の画像を撮影するといったニーズなどに相当する。
従来、撮像光学系を構成するレンズの径方向に光束を分離して、各々の径領域毎に所望焦点距離になるような素子を配置することで、1つの電子撮像素子に同時に異焦点画像を取得する例などが開示されている(特許文献1)。また、特許文献2には偏光分離素子を用いて、光路を2つに分離分割して2枚の撮像素子に同時に画像を取り込む例が開示されている。
特開平3−194502号公報 特開2010−286828号公報
しかしながら、特許文献1に開示された例は、構成するレンズの径方向に光学系を分離していることから、レンズ径の内と外領域を通過する光学系によっては解像限界値に差がでる、または構成素子、レンズおよび組み立てなどの製造難易度も高くなる。また、同時取得した各々の異焦点画像の分離、切り替え手段については言及されていない。
一方、特許文献2は、偏光技術を使って光路を分離しているが、各分離光路にそれぞれ1枚ずつ計2枚の撮像素子を使いながら、各々の分離光学系における焦点距離は同じであり異焦点画像を得ることはできていない。つまり、オートフォーカス時のピント精度向上目的のための発明である。
本発明の目的は、複数の異焦点画像を簡易かつ同時に切り替えることができる電子撮像装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発発明の電子撮像装置は、
撮像素子と光学系を有し、
前記光学系は、第一と第二の焦点距離を有する光路に分離する手段を有し、
前記第一と第二の異焦点光路については相互に光軸が交差し、
偏光選択により焦点距離を切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の異焦点画像を簡易かつ同時に切り替えることができる電子撮像装置の提供を実現できる。
実施形態1の電子撮像装置を示す図 撮像素子を説明する図 実施形態2の電子撮像装置を示す図 実施形態3の電子撮像装置を示す図 実施形態3の電子撮像装置について非撮影時の収納を示す図 第二の光学系の偏光作用を説明する図 実施形態の偏光分離手段の透過率特性図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は実施形態1について超望遠レンズに適用した場合の概略構成図である。電子撮像装置1は、撮像光学系10とカメラ部2からなる。カメラ部は、撮像素子14と、液晶表示部15とを有する。前記撮像素子14には、偏光選択手段16が設けられている。
図2は撮像素子14の一例を示している。CCD41の上に偏光子アレイ40を形成し、各CCD画素(イ)’および(ロ)’などに対応した位置に所望の偏光子アレイ(イ)(ロ)を構築すればよい。例えば撮像素子の各画素上にフォトニック結晶などで偏光機能素子を構成配置することなどで実現できるものである。偏光選択手段は吸収タイプの偏光子に限ったものではなく、反射タイプのものであっても良い。
撮像光学系は被写体からの光を前玉凸レンズ(G1)にて取り込んだ後に、分離手段11によって第一および第二の光学系に光束が分離される。具体的に前記光束分離手段としては、偏光分離素子(偏光ビームスプリッターなど)としている。透過率としては図7のような特性としている。この特性によれば、可視光領域については入射角度45°の場合、P偏光成分は略100%透過し、S偏光成分は略100%反射することがわかる。
第一の光学系については分離手段を透過して、像側に配置されるリレー部を通して、撮像素子に被写体の像を結ぶような光路となる。この場合、偏光分離手段によって第一および第二の光学系との間で光量を約半分ずつ分け合うことになる。
一方、第二の光学系について前記分離手段を反射した光束は、ミラー1:12によって光路を折り返して再度分離手段に入射するが、この場合は分離手段を透過することになる。その後、ミラー2:13によって再度光路を折り返して、分離手段によって反射して第一の光学系と共通であるリレー部に入射して撮像素子に被写体の像を結ぶものである。
前記分離手段を反射した光束について、もう少し詳しく説明する。前記、ミラー1に入射するS偏光(分離素子入射平面に対して垂直振動をもつ)光束は、1/4λ位相板:17などによって例えば右回り円偏光となる。
前記ミラーによる反射については、反射率が高い金属膜などで構成するが、このミラー反射により、半波長の位相差が発生することによって左回り円偏光となり、前記1/4λ板によって直線P偏光(分離素子入射平面に対して平行振動をもつ)に変換される。この作用によって、前記分離手段を透過することができる。
同様に、ミラー2に入射するP偏光光束は、1/4λ位相板などによって例えば右回り円偏光となり、前記ミラー反射により半波長の位相とびによって左回り円偏光となり、前記1/4λ板によって直線S偏光に変換される。この作用によって、前記分離手段を反射して、リレー部に光束を導くことができるものである。
図6を用いて、上記第二光学系光路の偏光作用についてミュラー行列(ストークスパラメター)計算にて確認する。一般に、光の偏光状態はストークスベクトルで記述することができる。ストークスベクトルは4行x1列の行列式で表され、行を構成する4成分は、それぞれ強度、水平垂直の直線偏光、45°直線偏光、円偏光を表している。
入射光Iが、方位角θ、位相差Δの位相子MΔθを透過した場合の透過光は式(1)のようにかける。
入射光Iを水平直線偏光(1,1,0,0)として、方位角45°の1/4λ板の場合、射出光Iは、右回り円偏光(1,0,0,1)となる。・・・式(2)
同様に、入射光Iを、位相とびπの反射ミラーで反射させると、ミラー反射を理想100%と仮定すれば、射出光Iは左回り円偏光(1,0,0,−1)となる。・・・式(3)
最後に復路にて、入射光Iは復路からみて方位角−45°(往路とは左右対称)の1/4λ板を通過するので、射出光Iは垂直直線偏光(1、−1,0,0)・・・式(4)となることがわかる。
上記は、水平→垂直直線偏光への変換を説明するものであるが、垂直→水平直線偏光への変換も同様の手法作用によって、変換が可能である。この作用によって第二の光路については、偏光分離手段にて最初反射したS偏光成分をミラー反射介してP偏光に変換することができ、二回目に入射する際には透過光として利用することができるものである。また、第一および第二の光路による結像位置は設計によって同じとすることもできる。
上記構成によれば、第一の光学系に比して、第二の光学系は分離手段によって光路を第一の光学系光軸とは交差する方向に展開することにより光路を稼ぐことができる。交差する角度については、相互光学系部品が干渉しなければよく、光束分離角度については、特に90°折り曲げの限りではない。このため、第一の光学系焦点距離に比して、第二光学系の焦点距離を長く設計することが可能である。
上記により撮像素子14上には第一および第二の光学系による像が2つ同時に取得できるものであるが、実際撮像する場合には画像切り替え手段が必要である。
本実施例では、偏光選択手段16を電子撮像素子上に配置した偏光子によって画像を選択することができる。図2に示す、偏光子について相互に直交する透過軸を有する、水平および垂直直線偏光子を切り替える手段によれば画像を分離することができるものである。
上記に説明した構成により、視差のない異焦点画像を1枚の撮像素子に同時に取得することができるものである。
以下に、構成などの作用について説明する。
撮像素子と光学系を有し、
前記光学系は、第一と第二の焦点距離を有する光路に分離する手段を有し、
前記、第一と第二の異焦点光路については相互に光軸が交差し、
偏光選択により焦点距離を切り替えることを特徴としている。
上記のように、第一および第二の光学系について、光路を偏光分離して各々光路について一部独立に構成することにより、異焦点画像を同じ撮像素子に撮像することができる。
各々の光路による撮像素子での結像画像の分離切り替えについては、偏光選択手段により画像を切り替えることができるものである。
前記光学系の異焦点光路については、相互に共通な光路を有すること、また前記光学系を構成する第一および第二の光学系について、
相互に光軸を分離した後、合流して同じ1枚の撮像素子に像を結ぶことを特徴としている。
これによって、撮像素子を一つとしても同時に異焦点画像を取得することができ、また光学系を構成するレンズ素子配置の効率化、つまり省スペース配置が可能となり、簡素な光学系を実現することできる。
望ましくは、前記光束分離手段で反射する第二の光路について、
2回目に分離手段に入射する際には、透過し、
3回目に分離手段に入射する際には、反射することを特徴としている。
この構成によれば、分離手段についてハーフミラーなどで構成した場合と比較して2回目に分離手段に入射しても反射して被写体側に光束がもどらないような、つまり光束ロスの少ない構成とすることができる。
また前記光学系には、偏光分離手段と、前記偏光分離手段を往復する光路を有し、
前記往復光路中には反射手段を有することを特徴としている。
光路として同じ素子を往復するような構成とすることによって、屈折力を効率よく使用することができ、光学系構成の簡素化に効果を奏するものである。
前記反射手段を有し往復する第二の光学系は、第一の光学系よりも焦点距離が長いことを特徴としている。
前記のように、特に第二の光学系については、第一の光学系に比して光路長を反射手段など介して取り回すことで長く設計することができ長い焦点距離光学系の実現も可能になる。見方を変えると、望遠光学系の割には、小型省スペース化が可能となり、簡素な光学系を実現することができるものである。さらに前記撮像素子は1つで素子上に偏光子を有し、異焦点画像を同時取得することで、偏光切り替え装置を別途介することなく同時撮像が可能となる利点がある。
以下、実施例2以降について順を追って説明する。
[実施形態2]
以下、実施形態2の光学装置の概要構成を説明する。図3は実施形態2についてくくりつけカメラ用途のレンズに適用した場合の概略構成図を示す。
電子撮像装置1は、撮像光学系20とカメラ部2からなる。カメラ部は、撮像素子24と、液晶表示部25とを有する。前記撮像素子24と光学系の間の空間には偏光選択手段26が設けられている。
撮像光学系は被写体からの光を前玉レンズ(G1)にて取り込んだ後に、分離手段21によって第一および第二の光学系に光束分離される。具体的に前記分離手段としては、偏光分離プリズムが配置されており、第一実施例がミラーで構成していたが、本例のようにプリズムにて分離構成することも可能である。この場合、ミラー透過による非点収差の影響は無視できる。第二の光学系については位相板27によって、先述のように分離手段を往復することができる。
本実施形態では、第一光学系は前記分離手段を透過して、像側リレー部(最も像側配置の両凸レンズ)を通して、撮像素子に被写体の像を結ぶ構成となる。この場合、第一および第二の光学系との間で偏光分離手段によって光量を約半分ずつ分け合うことになる。
一方、第二光学系は前記分離手段を反射した光束は、ミラー1:22によって光路を折り返して再度分離手段を、今度は透過する。その後、ミラー2:23によって再度光路を折り返して、分離手段によって反射して第一の光学系と共通部であるリレー部に入射して撮像素子に被写体の像を結ぶものである。図7には、偏光分離手段の透過率特性を示す。前記反射ミラー部については、特に平面ミラーに限ったものではなく、パワーもった曲面曲面鏡としても良い。本例ではパワーをもった曲面鏡としている。
上記構成によれば、第一の光学系に対して、第二の光学系は光束分離手段によって光路を第一の光学系光軸とは交差する方向に展開することにより光路長を稼ぐことができる。
交差する角度については、相互光学系が干渉しなければよく、分離角度については、特に90°折り曲げの限りではない。このため、第一の光学系焦点距離に比して、第二光学系の焦点距離を長く設計することが可能である。
本実施形態では、偏光選択手段26を電子撮像素子の手前に配置した直線偏光子によって画像を選択することができるものである。例えば、第一の光学系による画像を取得したい場合は、水平直線偏光(図3:紙面平行振動面)が透過軸となるように、第二の光学系による画像を取得したい場合は、垂直直線偏光(図3:紙面に対して垂直振動面)が透過軸となるように設定すればよい。
本実施形態では説明上、偏光選択手段を撮像素子上ではなく光路中に設けているが、実施形態1で説明したように電子撮像素子上に偏光子を設けて同時撮像する手法としても良い。その他の点は、実施形態1と同じなので詳細説明は割愛する。
[実施形態3]
以下、実施形態3の光学装置の概要構成を説明する。図4は実施形態3についてくくりつけカメラ用途のレンズに適用した場合の概略構成図を示す。電子撮像装置1は、撮像光学系30とカメラ部2からなる。カメラ部は、撮像素子34と、液晶表示部35とを有する。前記撮像素子34には偏光選択手段36が設けられている。
撮像光学系は被写体からの光を前玉レンズ(G1)にて取り込んだ後に、分離手段31によって第一および第二の光学系に光束分離される。具体的に前記分離手段としては、偏光分離ミラーとしている。透過率としては図7のような特性としている。第二の光学系については位相板37によって、先述のように分離手段を往復することができる。
本実施形態では分離手段をミラー構成とすることで、非撮影時にはミラーを畳んで、空いたスペースにレンズを収納するなど考えても良い。図5は、実施形態3の構成レンズについて、非撮影時に分離手段であるミラーを立てて収納し((A))、空いたスペースにG1レンズを収納((B))した例を図示している。レンズなどの素子干渉が懸念される場合は、必要に応じて第二光路に配置されるミラーおよびレンズを移動させてもよい。
本実施形態では、実施形態1と同様、偏光選択手段36を電子撮像素子に配置した直線偏光子によって画像を切り替え選択することができるものである。その他の点は、実施形態2と同じなので詳細説明は割愛する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 電子撮像装置、2 カメラ部、10,20,30 撮像光学系、
11,21,31 偏光分離手段、12,22,32 ミラー1、
13,23,33 ミラー2、14,24,34 撮像素子、
15,25,35 液晶表示部、16,26,36 偏光選択手段、
17,27,37 位相板、40 偏光子アレイ、41 CCD

Claims (8)

  1. 撮像素子と光学系を有し、
    前記光学系は、第一と第二の焦点距離を有する光路に分離する手段を有し、
    前記第一と第二の異焦点光路については相互に光軸が交差し、
    偏光選択により焦点距離を切り替えることを特徴とする電子撮像装置。
  2. 前記光学系の異焦点光路については、相互に共通な光路を有することを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
  3. 前記光学系を構成する第一および第二の光学系について、相互に光軸を分離した後、合流して同じ1枚の撮像素子に像を結ぶことを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
  4. 前記分離手段で反射する第二の光路について、2回目に分離手段に入射する際には、透過し、3回目に分離手段に入射する際には、反射することを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
  5. 前記光学系には、偏光分離手段と、前記偏光分離手段を往復する光路を有することを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
  6. 前記往復光路中には反射手段を有することを特徴とする請求項5に記載の電子撮像装置。
  7. 前記反射手段を有し往復する第二の光学系は、第一の光学系よりも焦点距離が長いことを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
  8. 前記撮像素子は1つで素子上に偏光子を有し、異焦点画像を同時取得することを特徴とする請求項1に記載の電子撮像装置。
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