JP2016127452A - 位相変換装置 - Google Patents

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Ryo Kawamura
良 川村
清春 清野
Kiyoharu Kiyono
清春 清野
美和 望月
Miwa Mochizuki
美和 望月
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Abstract

【課題】印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させる。【解決手段】位相変換装置10において、入出力器20は、入力端子21に入力された信号を反射端子22から出力し、反射端子22から出力した信号が反射された信号を出力端子23から出力する。反射回路30は、接続端子31と可変容量素子32とインピーダンス変成器33と誘導性素子34とを有する。接続端子31は、反射端子22に接続されている。可変容量素子32は、一端が接地されている。インピーダンス変成器33は、一端が可変容量素子32の他端に接続されている。インピーダンス変成器33は、他端が接続端子31に接続されている。インピーダンス変成器33は、可変容量素子32のインピーダンスを短絡状態に近づける。誘導性素子34は、一端が接地されている。誘導性素子34は、他端が接続端子31に接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、位相変換装置に関するものである。本発明は、例えば、マイクロ波帯のビーコン送信機、テレメトリ送信機等に使用される位相変調器に関するものである。
衛星搭載用ビーコン送信機やテレメトリ送信機では地上局と衛星との間の距離を把握するためのレンジング信号や衛星内部状態を把握するためのテレメトリ信号を衛星から地上局へ送信する機能を有することが要求される。そのため、レンジング信号やテレメトリ信号でマイクロ波帯の搬送波を位相変調して送信する場合が多い。したがって、レンジング信号やテレメトリ信号の振幅で位相が変化するような位相変調器が必要となる。
位相変調器にはランゲカプラ等の90°ハイブリッドカプラの通過端子及び結合端子にバラクタダイオード等の電圧により内部容量が変化するような可変容量素子をそれぞれ接続し、レンジング信号やテレメトリ信号等の変調波信号を可変容量素子に印加し、位相変調を行う構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−260953号公報
従来の位相変調器では90°ハイブリッドカプラの入力端子から入力された搬送波は90°ハイブリッドカプラで通過端子及び結合端子に等分配される。分配された搬送波は通過端子及び結合端子にそれぞれ接続された可変容量素子で位相変調される。その後、位相変調された搬送波は可変容量素子でそれぞれ反射され、90°ハイブリッドカプラの出力端子から出力される。
一般に可変容量素子の内部容量は変調波の振幅、即ち、印加電圧に依存する。可変容量素子の内部容量は、印加電圧が低い領域では電圧変化に対して大きく変化するが、電圧が高くなるに従い変化が小さくなるような非直線的な特性をもつ。可変容量素子での反射位相は内部容量に依存する。そのため、印加電圧に対して反射位相も非直線となる。したがって、従来の位相変調器は印加電圧に対して非直線的な位相特性をもつ。
位相変調器では印加電圧に対して直線的に位相が変化するような特性が要求される場合がある。従来の位相変調器では、そのような要求に対処できない。
本発明は、印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させることを目的とする。
本発明の一の態様に係る位相変換装置は、
入力端子と反射端子と出力端子とを有し、前記入力端子に入力された信号を前記反射端子から出力し、前記反射端子から出力した信号が反射された信号を前記出力端子から出力する入出力器と、
前記反射端子に接続された接続端子と、一端が接地された可変容量素子と、一端が前記可変容量素子の他端に接続され、他端が前記接続端子に接続され、前記可変容量素子のインピーダンスを短絡状態に近づけるインピーダンス変成器と、一端が接地され、他端が前記接続端子に接続された誘導性素子とを有する反射回路とを備える。
本発明では、可変容量素子の反射位相が大きく変化する印加電圧が比較的低い領域では反射位相の位相変化が小さく抑えられ、反射位相が小さく変化する印加電圧が比較的高い領域では反射位相の位相変化が大きくなる。そのため、印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させることが可能となる。
実施の形態1に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態1に係る位相変換装置の可変容量素子の特性例を示すグラフ。 実施の形態1に係る位相変換装置の可変容量素子の特性例を示すグラフ。 実施の形態1に係る位相変換装置の可変容量素子の特性例を示すグラフ。 実施の形態1に係る位相変換装置の反射回路を簡略化した回路図。 実施の形態1に係る位相変換装置の反射回路におけるインピーダンス変化を示すスミスチャート。 実施の形態1に係る位相変換装置の反射回路の等価回路を示す図。 実施の形態1に係る位相変換装置の印加電圧に対する位相の直線からのズレを示すグラフ。 実施の形態1の変形例に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態2に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態3に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態3の変形例に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態4に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態4に係る位相変換装置の反射回路を簡略化した回路図。 実施の形態4に係る位相変換装置の反射回路におけるインピーダンス変化を示すスミスチャート。 実施の形態4に係る位相変換装置の反射回路の等価回路を示す図。 実施の形態4に係る位相変換装置の印加電圧に対する位相の直線からのズレを示すグラフ。 実施の形態5に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態6に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態6に係る位相変換装置の反射回路を簡略化した回路図。 実施の形態6に係る位相変換装置の反射回路におけるインピーダンス変化を示すスミスチャート。 実施の形態7に係る位相変換装置の構成を示す回路図。 実施の形態8に係る位相変換装置の構成を示す回路図。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。
実施の形態1.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の動作、本実施の形態の効果を順番に説明する。
***構成の説明***
図1を参照して、本実施の形態に係る装置である位相変換装置10の構成を説明する。
位相変換装置10は、入出力器20と反射回路30とを備える。
入出力器20は、入力端子21と反射端子22と出力端子23とを有する。入出力器20は、入力端子21に入力された信号を反射端子22から出力する。入出力器20は、反射端子22から出力した信号が反射された信号を出力端子23から出力する。
反射回路30は、接続端子31と可変容量素子32とインピーダンス変成器33と誘導性素子34とを有する。接続端子31は、反射端子22に接続されている。可変容量素子32は、一端が接地されている。インピーダンス変成器33は、一端が可変容量素子32の他端に接続されている。インピーダンス変成器33は、他端が接続端子31に接続されている。インピーダンス変成器33は、可変容量素子32のインピーダンスを短絡状態に近づける。誘導性素子34は、一端が接地されている。誘導性素子34は、他端が接続端子31に接続されている。
入出力器20は、具体的には、90°ハイブリッドカプラ40である。90°ハイブリッドカプラ40は、通過端子41と結合端子42とを反射端子22として有する。90°ハイブリッドカプラ40は、入力端子21に入力された信号を、位相が互いに90°異なる二つの信号に分離して一方の信号を通過端子41、他方の信号を結合端子42から出力する。90°ハイブリッドカプラ40は、通過端子41から出力した信号が反射された信号と結合端子42から出力した信号が反射された信号とを合成して出力端子23から出力する。
反射回路30は、反射端子22の数に合わせて、2つ備えられている。一方の反射回路30の接続端子31は、通過端子41に接続されている。他方の反射回路30の接続端子31は、結合端子42に接続されている。
本実施の形態において、位相変換装置10は、位相変調器である。この位相変調器では、アノードである一端が接地された可変容量素子32と、可変容量素子32のインピーダンスをほぼ短絡点までインピーダンス変換するための伝送線路であるインピーダンス変成器33との縦続接続回路に、キャパシタである容量性素子35により高周波的に接地されたインダクタである誘導性素子34を並列接続した構成の反射回路30が、90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41と結合端子42にそれぞれ接続されている。90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21と出力端子23にはそれぞれRFチョーク回路11の一端が接続されている。RFチョーク回路11の他端には変調波入力端子12が設けられている。RFチョーク回路11と90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21との間及びRFチョーク回路11と90°ハイブリッドカプラ40の出力端子23との間にはそれぞれ直流阻止キャパシタ13が設けられている。
可変容量素子32としてはバラクタダイオード等の印加電圧により内部容量が変化するようなものが用いられている。RFチョーク回路11としては搬送波の周波数帯、即ち、マイクロ波帯で十分高いインピーダンスを有し、変調波の周波数帯である低周波帯では比較的低インピーダンスとなるようなインダクタとキャパシタとからなるローパスフィルタ構成のものが用いられている。
本実施の形態の位相変調器はこのような構成になっているため、変調波入力端子12から変調波を入力することにより、RFチョーク回路11及び90°ハイブリッドカプラ40を介して、反射回路30を構成する可変容量素子32に変調波が入力され、変調波の振幅に応じて可変容量素子32の内部容量を変えることができる。一方、90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21から入力されたマイクロ波帯の搬送波は90°ハイブリッドカプラ40で通過端子41及び結合端子42にそれぞれ等分配される。等分配された搬送波はそれぞれ反射回路30に入力され、反射回路30でそれぞれ反射される。さらに反射回路30で反射されたそれぞれの搬送波は90°ハイブリッドカプラ40で合成され、90°ハイブリッドカプラ40の出力端子23から出力される。
反射回路30における反射位相は可変容量素子32の内部容量に依存する。反射回路30の内部容量は変調波入力端子12からの変調波の振幅に応じて変化する。このため変調波入力端子12からの変調波の振幅に応じて搬送波の位相が変化する位相変調を行うことができる。
なお、90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21と出力端子23との間の位相変化は反射回路30の反射位相変化と等価となる。
***動作の説明***
図2から図8を参照して、位相変換装置10の動作を説明する。
以下、反射回路30の反射位相と内部容量との関係について述べる。
図2は可変容量素子32の印加電圧Vrに対する内部容量Cdの特性例を示している。ここでは可変容量素子32がバラクタダイオードの場合を示してある。Vrが0V(ボルト)近傍でCdが0.7pF(ピコファラド)と最大となる。Vrが高くなるに従い最初は急峻にCdが小さくなり、その後は緩やかに小さくなる。Vrが7VでCdが0.2pFと最小になる。このようにVrに対してCdは非直線的な特性となる。
図3は図2に示した特性を用いて搬送波の周波数fを4GHz(ギガヘルツ)として計算した可変容量素子32の反射位相∠Γである。Vrが0V近傍で∠Γが−83deg(度)と最小となる。Vrが高くなるに従い最初は急峻に∠Γが進み、その後は緩やかに進む。このようにVrに対して∠Γも非直線的な特性となる。即ち、Vrに対する∠Γの変化は図2に示したCdの変化と同様の傾向を示す。
ここで可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲をVr=1V〜6Vとし、Vr=1Vのときの∠ΓとVr=6Vのときの∠Γとを結ぶ直線からの∠Γの位相ズレΔΓを図4に示す。Vrに対するΔΓは凹形の特性となり、所望の電圧範囲をVr=1V〜6VとすればVrが4V近傍で直線からの位相ズレΔΓは7degと最大になる。
なお、90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41と結合端子42にそれぞれ可変容量素子32を接続し誘導性素子34を並列接続しない位相変調器ではこのような位相ズレが生じる。
図5及び図6を参照して、本実施の形態に係る位相変調器の反射回路30の動作を説明する。
図5は簡略化した反射回路30の構成を示している。図1の位相変調器の構成では誘導性素子34の一端を高周波的に接地するための容量性素子35が接続されているが、高周波帯で十分低いインピーダンスとなるような値に選ばれており、図5に示すように誘導性素子34の一端を直接接地したものとみなすことができる。図6は反射回路30の各点におけるインピーダンス軌跡をスミスチャート上で示したものである。
図5においてZdは可変容量素子32のインピーダンス、Zaは縦続接続されたインピーダンス変成器33を介して可変容量素子32側を見たインピーダンス、Zbは可変容量素子32とインピーダンス変成器33との縦続接続回路に並列接続された誘導性素子34を介して可変容量素子32側を見たインピーダンスである。
各点におけるインピーダンスZd,Za,Zbはスミスチャート上では図6のように表すことができる。ここでC1は可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲内の最大電圧時に対応した可変容量素子32の容量である。C2は電圧範囲内の最小電圧時に対応した可変容量素子32の容量である。Coは電圧範囲内の任意の電圧に対応した容量である。即ち、C1<Co<C2の関係になる。
図中、点線で示すように可変容量素子32のインピーダンスZdはインピーダンス変成器33により時計方向に回転する。伝送線路であるインピーダンス変成器33の長さを可変容量素子32の容量Coでインピーダンスがほぼ0Ωとなるように選ぶことにより、一点鎖線で示すように低インピーダンスのZaへインピーダンスが変換される。C1〜Coでは容量性、Co〜C2では誘導性が示される。さらに、誘導性素子34により、CoにおけるインピーダンスはZaから変わることなく、C1〜Co及びCo〜C2におけるインピーダンスは反時計方向に回転し、実線で示すZbへインピーダンスが変換される。
図7は本実施の形態に係る位相変調器を構成する反射回路30の等価回路を示している。可変容量素子32とインピーダンス変成器33との縦続接続回路のインピーダンスZaはC1〜Coでは等価的なキャパシタCeとして、また、Co〜C2では等価的なインダクタLeとして表され、Coでは短絡として表される。
上記縦続接続回路に、誘導性素子34を並列接続した回路のインピーダンスZbはC1〜Coでは誘導性素子34のインダクタLとCeとの並列回路、Co〜C2ではLとLeとの並列回路、また、CoではZaと同様に短絡として表される。LとCeとの合成キャパシタンスはCeよりも小さく、また、LとLeとの合成インダクタンスはLeよりも小さい。
即ち、誘導性素子34はCoでは影響を与えることなく、C1〜CoではキャパシタンスをCeよりも小さく、また、Co〜C2ではインダクタンスをLeよりも小さくするように作用する。
反射回路30の反射位相はCeが小さいほど進み、また、Leが大きいほど遅れる傾向にある。そのため、誘導性素子34を接続することにより、C1〜Coではより位相進みを大きく、また、Co〜C2では位相遅れを小さくすることができる。即ち、可変容量素子32の位相変化が大きい印加電圧Vrの低い領域では位相変化を小さく、位相変化が小さい印加電圧Vrの高い領域では位相変化を大きくでき、印加電圧Vrに対する反射位相をより直線的にできる。
図8は本実施の形態に係る位相変調器の印加電圧Vrに対する直線からの位相ズレΔΓの計算例を示している。fは4GHzとする。位相変調器の位相特性は反射回路30の反射位相と等価であるため、ここでは反射回路30の反射位相を示してある。
可変容量素子32の特性は図2のものを用いる。インピーダンス変成器33の自由空間での長さL1は1.29cm(センチメートル)、特性インピーダンスZ1は70Ωとする。ここでは誘導性素子34のインダクタンスLが∞、2nH(ナノヘンリー)、1.5nHの3つの場合を示している。なお、インピーダンス変成器33の長さは可変容量素子32の所望の電圧範囲内のVr=3Vに対応した容量Cd=0.3pF時に可変容量素子32のインピーダンスZdが0Ω近傍に変換されるように選ばれている。0Ωは短絡点である。
図8において位相ズレΔΓは図4で示したものと同様に、可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲をVr=1V〜6Vとし、Vr=1Vのときの∠ΓとVr=6Vのときの∠Γとを結ぶ直線からの位相ズレを示している。図中、点線はL=∞、即ち、誘導性素子34を接続しない可変容量素子32とインピーダンス変成器33との縦続接続回路の特性である。位相ズレΔΓは図4に示した可変容量素子32と同様に凹形の特性を示している。Vr=3V近傍で最大10deg程度の位相ズレが生じる。これに対し、一点鎖線及び実線で示すように誘導性素子34を接続することにより位相ズレが改善される。L=2nHではVr=1V〜6Vにわたって5degまで位相ズレが改善され、さらにL=1.5nHでは1degまで改善される。この値は図4に示した可変容量素子32自体の位相ズレ7degに比べても大きく改善されている。
なお、ここでは可変容量素子32としてバラクタダイオードを使用した場合について説明したが、FET(電界効果トランジスタ)を用いた場合でも効果は変わらない。また、位相変換装置10は、変調波入力端子12に直流電圧を印加することにより、位相変調器ではなく、移相器としても使用可能である。
ここで、図9を参照して、本実施の形態の変形例に係る位相変換装置10の構成を説明する。
図1に示した位相変調器では反射回路30を構成する誘導性素子34としてインダクタが用いられている。一端短絡の1/4波長より短い伝送線路は等価的にインダクタとみなすことができる。そのため、図9のように誘導性素子34として伝送線路を用いた場合であっても印加電圧に対し直線的な位相特性が得られる効果は同じである。
***効果の説明***
本実施の形態では、可変容量素子32の反射位相が大きく変化する印加電圧が比較的低い領域では反射位相の位相変化が小さく抑えられ、反射位相が小さく変化する印加電圧が比較的高い領域では反射位相の位相変化が大きくなる。そのため、印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させることが可能となる。
本実施の形態では、一端が接地され、印加電圧により内部容量が変化する可変容量素子32と、この可変容量素子32に縦続接続され、可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲内の任意の電圧に対応した容量時に、可変容量素子32のインピーダンスを短絡点近傍にインピーダンス変換するためのインピーダンス変成器33と、可変容量素子32とインピーダンス変成器33との縦続接続回路に並列接続され、一端が高周波的に接地された誘導性素子34とからなる反射回路30を90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41及び結合端子42にそれぞれ接続することにより、印加電圧に対して直線的に位相が変化する位相変調器を得ることができる効果がある。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図10を参照して、本実施の形態に係る位相変換装置10の構成を説明する。
本実施の形態において、両方の反射回路30の誘導性素子34は、一端が共通の容量性素子35を介して接地されている。
図1に示した実施の形態1に係る位相変調器では2つの反射回路30それぞれの誘導性素子34の一端を高周波的に接地するために2つの容量性素子35を用いているが、図10に示すように、本実施の形態では、これら2つの容量性素子35が1つの容量性素子35に置き換えられている。
また、実施の形態1に係る位相変調器では、90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21及び出力端子23に2つのRFチョーク回路11をそれぞれ接続しているが、本実施の形態では、誘導性素子34と容量性素子35との間に1つのRFチョーク回路11が接続されている。直線的な位相特性が得られる効果は実施の形態1と同じである。さらに、本実施の形態では容量性素子35とRFチョーク回路11がそれぞれ1つで済むため、安価で小形な位相変調器が得られる効果もある。
RFチョーク回路11として実施の形態1ではインダクタとキャパシタとで構成したものを用いているが、図10に示しているように抵抗とキャパシタとで構成したRFチョーク回路11を用いても可変容量素子32に所望の変調波を入力する機能には変わりがない。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
図11を参照して、本実施の形態に係る位相変換装置10の構成を説明する。
位相変換装置10は、実施の形態1と同じように、入出力器20と反射回路30とを備えるほか、先端開放スタブ14を備える。
先端開放スタブ14は、接続端子31に接続されている。即ち、本実施の形態では、誘導性素子34に並列に先端開放スタブ14が接続されている。
先端開放スタブ14の長さは1/4波長よりも短く選ばれており、等価的にキャパシタとみなすことができる。よって、インダクタである誘導性素子34にキャパシタが並列接続されているとみなすことができる。先端開放スタブ14のキャパシタンスは先端開放スタブ14の長さに依存し、長さが短いほどキャパシタンスは小さくなる。即ち、先端開放スタブ14の長さを変えることは、誘導性素子34のインダクタンスを変えることと等価である。
図8を用いて説明したように印加電圧に対する位相の直線性は誘導性素子34のインダクタンスに依存する。したがって、誘導性素子34のインダクタンスの微調整を行うことにより、より直線性の高い位相特性を有する位相変調器が得られる。即ち、本実施の形態によれば、反射位相の位相変化に影響する誘導性素子34のインダクタンスを先端開放スタブ14で等価的に微調整することができ、より直線的な位相特性を有する位相変調器を得ることができる。
ここで、図12を参照して、本実施の形態の変形例に係る位相変換装置10の構成を説明する。
図12に示す変形例では、図9に示した実施の形態1の変形例と同様に、誘導性素子34として伝送線路を用いている。この場合でも印加電圧に対し直線的な位相特性が得られる効果は同じである。
実施の形態4.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の動作、本実施の形態の効果を順番に説明する。主に実施の形態1との差異を説明する。
***構成の説明***
図13を参照して、本実施の形態に係る装置である位相変換装置10の構成を説明する。
位相変換装置10は、入出力器20と反射回路30とを備える。
入出力器20については、図1に示した実施の形態1のものと同じである。
反射回路30は、接続端子31と可変容量素子32とインピーダンス変成器36と容量性素子37とを有する。接続端子31は、反射端子22に接続されている。可変容量素子32は、一端が接地されている。インピーダンス変成器36は、一端が可変容量素子32の他端に接続されている。インピーダンス変成器36は、実施の形態1のインピーダンス変成器33と異なり、可変容量素子32のインピーダンスを開放状態に近づける。容量性素子37は、一端がインピーダンス変成器36の他端に接続されている。容量性素子37は、他端が接続端子31に接続されている。
入出力器20は、具体的には、90°ハイブリッドカプラ40である。90°ハイブリッドカプラ40については、図1に示した実施の形態1のものと同じである。
反射回路30は、反射端子22の数に合わせて、2つ備えられている。一方の反射回路30の接続端子31は、通過端子41に接続されている。他方の反射回路30の接続端子31は、結合端子42に接続されている。
本実施の形態においても、位相変換装置10は、位相変調器である。この位相変調器では、アノードである一端が接地された可変容量素子32と、可変容量素子32のインピーダンスをほぼ開放点までインピーダンス変換するための伝送線路であるインピーダンス変成器36と、位相の直線性を改善するための容量性素子37との縦続接続回路からなる反射回路30が、90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41と結合端子42にそれぞれ接続されている。変調波を入力するためのRFチョーク回路11は可変容量素子32とインピーダンス変成器36との間に接続されている。
実施の形態1と同じように、可変容量素子32としてはバラクタダイオード等の印加電圧により内部容量が変化するようなものが用いられている。
本実施の形態の位相変調器はこのような構成になっているため、変調波入力端子12から入力された変調波はRFチョーク回路11を介して可変容量素子32に供給され、変調波の振幅に対応して可変容量素子32の内部容量を変えることができる。
このため可変容量素子32とインピーダンス変成器36と容量性素子37との縦続接続回路からなる反射回路30のインピーダンスが変化することから90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21から入力された搬送波の反射回路30での反射位相も変化し、位相変調器が実現できる。
***動作の説明***
図14から図17を参照して、位相変換装置10の動作を説明する。
図14及び図15を参照して、本実施の形態に係る位相変調器の反射回路30の動作を説明する。
図14は簡略化した反射回路30の構成を示している。図15は反射回路30の各点におけるインピーダンス軌跡をスミスチャート上で示したものである。
図14においてZdは可変容量素子32のインピーダンス、Zcは縦続接続されたインピーダンス変成器36を介して可変容量素子32側を見たインピーダンス、Zeは可変容量素子32とインピーダンス変成器36との縦続接続回路に直列接続された容量性素子37を介して可変容量素子32側を見たインピーダンスである。
各点におけるインピーダンスZd,Zc,Zeはスミスチャート上では図15のように表すことができる。図6に示した例と同じように、C1は可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲内の最大電圧時に対応した可変容量素子32の容量である。C2は電圧範囲内の最小電圧時に対応した可変容量素子32の容量である。Coは電圧範囲内の任意の電圧に対応した容量である。即ち、C1<Co<C2の関係になる。
図中、点線で示すように可変容量素子32のインピーダンスZdはインピーダンス変成器36により反時計方向に回転する。伝送線路であるインピーダンス変成器36の長さを可変容量素子32の容量Coでインピーダンスがほぼ∞となるように選ぶことにより、一点鎖線で示すように高インピーダンスのZcへインピーダンスが変換される。C1〜Coでは誘導性、Co〜C2では容量性が示される。さらに、容量性素子37により、CoにおけるインピーダンスはZcから変わることなく、C1〜Co及びCo〜C2におけるインピーダンスは反時計方向に回転し、実線で示すZeへインピーダンスが変換される。
図16は本実施の形態に係る位相変調器を構成する反射回路30の等価回路を示している。可変容量素子32とインピーダンス変成器36との縦続接続回路のインピーダンスZcはC1〜Coでは等価的なインダクタLeとして、また、Co〜C2では等価的なキャパシタCeとして表され、Coでは開放として表される。
上記縦続接続回路に、誘導性素子34を直列接続した回路のインピーダンスZeはC1〜Coでは容量性素子37のキャパシタCとLeとの直列回路、Co〜C2ではCとCeとの直列回路、また、CoではZcと同様に開放として表される。CとLeとの合成インダクタンスはLeよりも小さく、また、CとCeとの合成キャパシタンスはCeよりも小さい。
即ち、容量性素子37はCoでは影響を与えることなく、C1〜CoではインダクタンスをLeよりも小さく、また、Co〜C2ではキャパシタンスをCeよりも小さくするように作用する。
前述したように、反射回路30の反射位相はCeが小さいほど進み、また、Leが大きいほど遅れる傾向にある。そのため、容量性素子37を接続することにより、C1〜Coではより位相進みを大きく、また、Co〜C2では位相遅れを小さくすることができる。即ち、容量性素子37の位相変化が大きい印加電圧Vrの低い領域では位相変化を小さく、位相変化が小さい印加電圧Vrの高い領域では位相変化を大きくでき、印加電圧Vrに対する反射位相をより直線的にできる。
図17は本実施の形態に係る位相変調器の印加電圧Vrに対する直線からの位相ズレΔΓの計算例を示している。fは4GHzとする。位相変調器の位相特性は反射回路30の反射位相と等価であるため、図8に示した例と同様に、ここでは反射回路30の反射位相を示してある。
可変容量素子32の特性は図2のものを用いる。インピーダンス変成器36の自由空間での長さL1は3.17cm、特性インピーダンスZ2は50Ωとする。ここでは容量性素子37のキャパシタンスCが∞、1pF、0.5pFの3つの場合を示している。なお、インピーダンス変成器36の長さは可変容量素子32の所望の電圧範囲内のVr=3Vに対応した容量Cd=0.3pF時に可変容量素子32のインピーダンスZdが∞近傍に変換されるように選ばれている。∞は開放点である。
図17において位相ズレΔΓは図4で示したものと同様に、可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲をVr=1V〜6Vとし、Vr=1Vのときの∠ΓとVr=6Vのときの∠Γとを結ぶ直線からの位相ズレを示している。図中、点線はC=∞、即ち、容量性素子37を接続しない可変容量素子32とインピーダンス変成器36との縦続接続回路の特性である。位相ズレΔΓは凸形の特性を示している。Vr=3V近傍で最大10deg程度の位相ズレが生じる。これに対し、一点鎖線及び実線で示すように容量性素子37を接続することにより位相ズレが改善される。C=1pFではVr=1V〜6Vにわたって5degまで位相ズレが改善され、さらにC=0.5pFでは1degまで改善される。この値は図4に示した可変容量素子32自体の位相ズレ7degに比べても大きく改善されている。
なお、ここでも可変容量素子32としてバラクタダイオードを使用した場合について説明したが、FETを用いた場合でも効果は変わらない。また、位相変換装置10は、変調波入力端子12に直流電圧を印加することにより、位相変調器ではなく、移相器としても使用可能である。
***効果の説明***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、可変容量素子32の反射位相が大きく変化する印加電圧が比較的低い領域では反射位相の位相変化が小さく抑えられ、反射位相が小さく変化する印加電圧が比較的高い領域では反射位相の位相変化が大きくなる。そのため、印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させることが可能となる。
本実施の形態では、一端が接地され、印加電圧により内部容量が変化する可変容量素子32と、この可変容量素子32に縦続接続され、可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲内の任意の電圧に対応した容量時に、可変容量素子32のインピーダンスを開放点近傍にインピーダンス変換するためのインピーダンス変成器36と、可変容量素子32とインピーダンス変成器36との縦続接続回路に直列接続された容量性素子37とからなる反射回路30を90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41及び結合端子42にそれぞれ接続することにより、印加電圧に対して直線的に位相が変化する位相変調器を得ることができる効果がある。
本実施の形態では、図1に示した実施の形態1の位相変調器のように一端が高周波的に接地された誘導性素子34を使用する必要がなく、直流阻止キャパシタ13の機能を容量性素子37で兼用することができ、比較的簡単な構成の位相変調器を得ることができる効果もある。さらに、可変容量素子32のインピーダンスが容量性を示す場合に限らず、可変容量素子32に寄生するインダクタンスの影響を受け誘導性を示す高周波数でも位相変調器を実現できる効果もある。
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態4との差異を説明する。
図18を参照して、本実施の形態に係る位相変換装置10の構成を説明する。
本実施の形態において、反射回路30の容量性素子37は、他端が誘導性素子38を介して接続端子31に接続されている。即ち、反射回路30の容量性素子37に誘導性素子38が直列接続されている。
このように誘導性素子38を接続することにより、キャパシタである容量性素子37とインダクタである誘導性素子38との直列回路が形成される。よって、誘導性素子38により、容量性素子37のキャパシタンスを等価的に変化させることができる。
図17を用いて説明したように印加電圧に対する位相の直線性は容量性素子37のキャパシタンスに依存する。したがって、容量性素子37のキャパシタンスの微調整を行うことにより、より直線性の高い位相特性を有する位相変調器が得られる。即ち、本実施の形態によれば、反射位相の位相変化に影響する容量性素子37のキャパシタンスを誘導性素子38で等価的に微調整することができ、より直線的な位相特性を有する位相変調器を得ることができる。
実施の形態6.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の動作、本実施の形態の効果を順番に説明する。主に実施の形態4との差異を説明する。
***構成の説明***
図19を参照して、本実施の形態に係る装置である位相変換装置10の構成を説明する。
位相変換装置10は、入出力器20と反射回路30とを備える。
入出力器20については、図13に示した実施の形態4のものと同じである。
反射回路30は、接続端子31と可変容量素子32とインピーダンス変成器39と容量性素子37とを有する。接続端子31は、反射端子22に接続されている。可変容量素子32は、一端が接地されている。インピーダンス変成器39は、実施の形態4のインピーダンス変成器36と異なり、一端が接地されており、他端が可変容量素子32の他端に接続されている。インピーダンス変成器39は、可変容量素子32のインピーダンスを開放状態に近づける。容量性素子37は、一端が可変容量素子32とインピーダンス変成器39との接続点に接続されている。容量性素子37は、他端が接続端子31に接続されている。
入出力器20は、具体的には、90°ハイブリッドカプラ40である。90°ハイブリッドカプラ40については、図13に示した実施の形態4のものと同じである。
反射回路30は、反射端子22の数に合わせて、2つ備えられている。一方の反射回路30の接続端子31は、通過端子41に接続されている。他方の反射回路30の接続端子31は、結合端子42に接続されている。
本実施の形態においても、位相変換装置10は、位相変調器である。この位相変調器では、アノードである一端が接地された可変容量素子32と、可変容量素子32に並列接続され、可変容量素子32のインピーダンスをほぼ開放点までインピーダンス変換するための誘導性素子であるインピーダンス変成器39と、可変容量素子32とインピーダンス変成器39との並列回路に直列接続され、位相の直線性を改善するための容量性素子37とからなる反射回路30が、90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41と結合端子42にそれぞれ接続されている。変調波を入力するためのRFチョーク回路11はインピーダンス変成器39の一端を高周波的に接地するための容量性素子35とインピーダンス変成器39との間に接続されている。
実施の形態4と同じように、可変容量素子32としてはバラクタダイオード等の印加電圧により内部容量が変化するようなものが用いられている。
本実施の形態の位相変調器はこのような構成になっているため、変調波入力端子12から入力された変調波はRFチョーク回路11及びインピーダンス変成器39を介して可変容量素子32に供給され、変調波の振幅に対応して可変容量素子32の内部容量を変えることができる。
このため可変容量素子32とインピーダンス変成器39との並列回路と、容量性素子37との直列回路からなる反射回路30のインピーダンスが変化することから90°ハイブリッドカプラ40の入力端子21から入力された搬送波の反射回路30での反射位相も変化し、位相変調器が実現できる。
***動作の説明***
図20及び図21を参照して、位相変換装置10の動作を説明する。
具体的には、本実施の形態に係る位相変調器の反射回路30の動作を説明する。
図20は簡略化した反射回路30の構成を示している。図21は反射回路30の各点におけるインピーダンス軌跡をスミスチャート上で示したものである。
図20においてZdは可変容量素子32のインピーダンス、Zfは並列接続されたインピーダンス変成器39を介して可変容量素子32側を見たインピーダンス、Zgは可変容量素子32とインピーダンス変成器39との並列回路に直列接続された容量性素子37を介して可変容量素子32側を見たインピーダンスである。
各点におけるインピーダンスZd,Zf,Zgはスミスチャート上では図21のように表すことができる。図6に示した例と同じように、C1は可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲内の最大電圧時に対応した可変容量素子32の容量である。C2は電圧範囲内の最小電圧時に対応した可変容量素子32の容量である。Coは電圧範囲内の任意の電圧に対応した容量である。即ち、C1<Co<C2の関係になる。
図中、点線で示すように可変容量素子32のインピーダンスZdはインピーダンス変成器39により反時計方向に回転する。インピーダンス変成器39のインダクタを可変容量素子32の容量Co時にほぼ∞になるように選ぶことにより、一点鎖線で示すように高インピーダンスのZfへインピーダンスが変換される。C1〜Coでは誘導性、Co〜C2では容量性が示される。さらに、容量性素子37により、CoにおけるインピーダンスはZfから変わることなく、C1〜Co及びCo〜C2におけるインピーダンスは反時計方向に回転し、実線で示すZgへインピーダンスが変換される。
本実施の形態に用いる反射回路30は図15で示した実施の形態4の反射回路30とインピーダンス軌跡及び動作はほぼ同じであり、この構成の場合でも直線性の優れた位相変調器を得ることができる。実施の形態4では可変容量素子32のインピーダンスを開放点近傍にインピーダンス変換するために、インピーダンス変成器36として伝送線路を用いているのに対し、本実施の形態ではインピーダンス変成器39としてインダクタを用いている。このため、線路長の長い伝送線路が不要となり、小形な位相変調器を実現できる効果がある。
なお、インピーダンス変成器39として、実施の形態4のインピーダンス変成器36と同様に、伝送線路を用いることもできる。また、実施の形態1のインピーダンス変成器33、或いは、実施の形態4のインピーダンス変成器36として、本実施の形態のインピーダンス変成器39と同様に、インダクタを用いることもできる。
***効果の説明***
本実施の形態では、実施の形態4と同じように、可変容量素子32の反射位相が大きく変化する印加電圧が比較的低い領域では反射位相の位相変化が小さく抑えられ、反射位相が小さく変化する印加電圧が比較的高い領域では反射位相の位相変化が大きくなる。そのため、印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させることが可能となる。
本実施の形態では、一端が接地され、印加電圧により内部容量が変化する可変容量素子32と、この可変容量素子32に並列接続され、可変容量素子32に印加する所望の電圧範囲内の任意の電圧に対応した容量時に、可変容量素子32のインピーダンスを開放点近傍にインピーダンス変換するためのインピーダンス変成器39と、可変容量素子32とインピーダンス変成器39との並列回路に直列接続された容量性素子37とからなる反射回路30を90°ハイブリッドカプラ40の通過端子41及び結合端子42にそれぞれ接続することにより、印加電圧に対して直線的に位相が変化する位相変調器を得ることができる効果がある。
本実施の形態では、インピーダンス変成器39として、伝送線路の代わりにインダクタを用いているため、小形な位相変調器を得ることができる効果もある。
実施の形態7.
本実施の形態について、主に実施の形態6との差異を説明する。
図22を参照して、本実施の形態に係る位相変換装置10の構成を説明する。
本実施の形態において、反射回路30の容量性素子37は、他端が誘導性素子38を介して接続端子31に接続されている。即ち、図18に示した実施の形態5の反射回路30と同様に、反射回路30の容量性素子37に誘導性素子38が直列接続されている。
このように誘導性素子38を接続することにより、キャパシタである容量性素子37とインダクタである誘導性素子38との直列回路が形成される。よって、誘導性素子38により、容量性素子37のキャパシタンスを等価的に変化させることができる。
本実施の形態によれば、実施の形態5と同様に、反射位相の位相変化に影響する容量性素子37のキャパシタンスを誘導性素子38で等価的に微調整することができ、より直線的な位相特性を有する位相変調器を得ることができる。
実施の形態8.
本実施の形態に係る装置の構成、本実施の形態に係る装置の動作、本実施の形態の効果を順番に説明する。主に実施の形態1との差異を説明する。
***構成の説明***
図23を参照して、本実施の形態に係る装置である位相変換装置10の構成を説明する。
位相変換装置10は、入出力器20と反射回路30とを備える。
入出力器20は、入力端子21と反射端子22と出力端子23とを有する。入出力器20は、入力端子21に入力された信号を反射端子22から出力する。入出力器20は、反射端子22から出力した信号が反射された信号を出力端子23から出力する。
入出力器20は、具体的には、サーキュレータ50である。
反射回路30については、図1に示した実施の形態1のものと同じであるが、本実施の形態では、1つのみ備えられている。反射回路30の接続端子31は、サーキュレータ50の1端子である反射端子22に接続されている。
本実施の形態においても、位相変換装置10は、位相変調器であるが、実施の形態1の90°ハイブリッドカプラ40の代わりにサーキュレータ50が用いられている。
本実施の形態の位相変調器はこのような構成になっているため、入力端子21から入力された搬送波はサーキュレータ50を介して反射回路30に供給され、反射回路30で位相変調される。位相変調された搬送波は反射回路30で反射され、再びサーキュレータ50を通り、出力端子23から出力される。
***動作の説明***
位相変換装置10の動作については、実施の形態1に係る位相変換装置10の動作と同様であり、印加電圧Vrに対して直線性の優れた特性を得ることができる。
なお、本実施の形態では反射回路30として実施の形態1の反射回路30と同じ構成のものを使用しているが、実施の形態2から実施の形態7のいずれかの反射回路30と同じ構成のものを用いてもよい。
***効果の説明***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、可変容量素子32の反射位相が大きく変化する印加電圧が比較的低い領域では反射位相の位相変化が小さく抑えられ、反射位相が小さく変化する印加電圧が比較的高い領域では反射位相の位相変化が大きくなる。そのため、印加電圧に対して直線的又は直線的に近い形で信号の位相を変化させることが可能となる。
本実施の形態では、反射回路30が1つあれば足りるため、小形で安価な位相変調器が得られる効果もある。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、いくつかを組み合わせて実施しても構わない。或いは、これらの実施の形態のうち、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施しても構わない。例えば、これらの実施の形態の説明において「部」として説明するもののうち、いずれか1つのみを採用してもよいし、いくつかの任意の組み合わせを採用してもよい。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
10 位相変換装置、11 RFチョーク回路、12 変調波入力端子、13 直流阻止キャパシタ、14 先端開放スタブ、20 入出力器、21 入力端子、22 反射端子、23 出力端子、30 反射回路、31 接続端子、32 可変容量素子、33 インピーダンス変成器、34 誘導性素子、35 容量性素子、36 インピーダンス変成器、37 容量性素子、38 誘導性素子、39 インピーダンス変成器、40 90°ハイブリッドカプラ、41 通過端子、42 結合端子、50 サーキュレータ。

Claims (9)

  1. 入力端子と反射端子と出力端子とを有し、前記入力端子に入力された信号を前記反射端子から出力し、前記反射端子から出力した信号が反射された信号を前記出力端子から出力する入出力器と、
    前記反射端子に接続された接続端子と、一端が接地された可変容量素子と、一端が前記可変容量素子の他端に接続され、他端が前記接続端子に接続され、前記可変容量素子のインピーダンスを短絡状態に近づけるインピーダンス変成器と、一端が接地され、他端が前記接続端子に接続された誘導性素子とを有する反射回路と
    を備える位相変換装置。
  2. 前記接続端子に接続された先端開放スタブ
    をさらに備える、請求項1に記載の位相変換装置。
  3. 前記入出力器は、通過端子と結合端子とを前記反射端子として有し、前記入力端子に入力された信号を、位相が互いに90°異なる二つの信号に分離して一方の信号を前記通過端子、他方の信号を前記結合端子から出力し、前記通過端子から出力した信号が反射された信号と前記結合端子から出力した信号が反射された信号とを合成して前記出力端子から出力する90°ハイブリッドカプラであり、
    前記反射回路は、2つ備えられ、
    一方の前記反射回路の前記接続端子は、前記通過端子に接続され、
    他方の前記反射回路の前記接続端子は、前記結合端子に接続された、請求項1又は2に記載の位相変換装置。
  4. 両方の前記反射回路の前記誘導性素子は、一端が共通の容量性素子を介して接地された、請求項3に記載の位相変換装置。
  5. 入力端子と反射端子と出力端子とを有し、前記入力端子に入力された信号を前記反射端子から出力し、前記反射端子から出力した信号が反射された信号を前記出力端子から出力する入出力器と、
    前記反射端子に接続された接続端子と、一端が接地された可変容量素子と、一端が前記可変容量素子の他端に接続され、前記可変容量素子のインピーダンスを開放状態に近づけるインピーダンス変成器と、一端が前記インピーダンス変成器の他端に接続され、他端が前記接続端子に接続された容量性素子とを有する反射回路と
    を備える位相変換装置。
  6. 入力端子と反射端子と出力端子とを有し、前記入力端子に入力された信号を前記反射端子から出力し、前記反射端子から出力した信号が反射された信号を前記出力端子から出力する入出力器と、
    前記反射端子に接続された接続端子と、一端が接地された可変容量素子と、一端が接地され、他端が前記可変容量素子の他端に接続され、前記可変容量素子のインピーダンスを開放状態に近づけるインピーダンス変成器と、一端が前記可変容量素子と前記インピーダンス変成器との接続点に接続され、他端が前記接続端子に接続された容量性素子とを有する反射回路と
    を備える位相変換装置。
  7. 前記反射回路の前記容量性素子は、他端が誘導性素子を介して前記接続端子に接続された、請求項5又は6に記載の位相変換装置。
  8. 前記入出力器は、通過端子と結合端子とを前記反射端子として有し、前記入力端子に入力された信号を、位相が互いに90°異なる二つの信号に分離して一方の信号を前記通過端子、他方の信号を前記結合端子から出力し、前記通過端子から出力した信号が反射された信号と前記結合端子から出力した信号が反射された信号とを合成して前記出力端子から出力する90°ハイブリッドカプラであり、
    前記反射回路は、2つ備えられ、
    一方の前記反射回路の前記接続端子は、前記通過端子に接続され、
    他方の前記反射回路の前記接続端子は、前記結合端子に接続された、請求項5から7のいずれか1項に記載の位相変換装置。
  9. 前記入出力器は、サーキュレータである、請求項1又は2又は5から7のいずれか1項に記載の位相変換装置。
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