JP2015103957A - インピーダンス整合回路及び高周波増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路規模の大型化を招くことなく、不要な高調波の通過を阻止することができるようにする。【解決手段】一端がグランドと接続されているインダクタ1と、コンデンサ3とインダクタ2が直列に接続されている回路であって、一端がインダクタ1の他端と接続され、他端が外部接続端子7と接続されている直列回路9と、コンデンサ5とインダクタ4が直列に接続されている回路であって、一端がインダクタ1の他端と接続され、他端が外部接続端子8と接続されている直列回路10と、一端が外部接続端子7と接続され、他端が外部接続端子8と接続されているインダクタ6とを備える。【選択図】図1
Description
この発明は、基本周波数に対してインピーダンス変成機能を有し、高調波周波数に対して反射機能を有するインピーダンス整合回路と、そのインピーダンス整合回路が搭載される高周波増幅器とに関するものである。
図19は以下の非特許文献1に開示されているインピーダンス整合回路を示す構成図である。
このインピーダンス整合回路では、外部接続端子101と外部接続端子102の間に、3つのインダクタ103〜105が直列に接続されている。
また、2つのコンデンサ106,107がシャントに接続されている。
したがって、このインピーダンス整合回路は、低域通過型フィルタを構成しており、所定の周波数帯域内の周波数についてはインピーダンス変成を実現することができる。
このインピーダンス整合回路では、外部接続端子101と外部接続端子102の間に、3つのインダクタ103〜105が直列に接続されている。
また、2つのコンデンサ106,107がシャントに接続されている。
したがって、このインピーダンス整合回路は、低域通過型フィルタを構成しており、所定の周波数帯域内の周波数についてはインピーダンス変成を実現することができる。
小西 良弘,本城 和彦, "マイクロ波半導体回路 基礎と展開," 日刊工業新聞社, 1993.
高周波増幅器ではトランジスタの非線形性により高調波が発生するが、他の周波数帯に対する影響を抑えるため、実運用上でも、電波法上でも高調波を抑圧することが求められる。
従来のインピーダンス整合回路は以上のように構成されているので、所定の周波数帯域内の周波数についてはインピーダンス変成を実現することができるが、所定の周波数帯域外の周波数についてはインピーダンス変成を実現することができず、高調波に対してインピーダンスを制御することができなかった。したがって、高調波に対して、インピーダンスによっては不要な高調波の通過を阻止することができず、別途、高調波抑圧用の回路を装荷しなければならないため、回路が大型化する課題があった。また、従来回路では、周波数が高くなると、インダクタやキャパシタの寄生成分の影響により、高調波の通過が増えてしまう課題があった。
従来のインピーダンス整合回路は以上のように構成されているので、所定の周波数帯域内の周波数についてはインピーダンス変成を実現することができるが、所定の周波数帯域外の周波数についてはインピーダンス変成を実現することができず、高調波に対してインピーダンスを制御することができなかった。したがって、高調波に対して、インピーダンスによっては不要な高調波の通過を阻止することができず、別途、高調波抑圧用の回路を装荷しなければならないため、回路が大型化する課題があった。また、従来回路では、周波数が高くなると、インダクタやキャパシタの寄生成分の影響により、高調波の通過が増えてしまう課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、回路規模の大型化を招くことなく、不要な高調波の通過を阻止することができるインピーダンス整合回路及び高周波増幅器を得ることを目的とする。
この発明に係るインピーダンス整合回路は、一端がグランドと接続されている第1のインダクタと、第1のコンデンサと第2のインダクタが直列に接続されている回路であって、一端が第1のインダクタの他端と接続され、他端が第1の外部接続端子と接続されている第1の直列回路と、第2のコンデンサと第3のインダクタが直列に接続されている回路であって、一端が第1のインダクタの他端と接続され、他端が第2の外部接続端子と接続されている第2の直列回路と、一端が第1の外部接続端子と接続され、他端が第2の外部接続端子と接続されている第4のインダクタとを備えるようにしたものである。
この発明によれば、一端がグランドと接続されている第1のインダクタと、第1のコンデンサと第2のインダクタが直列に接続されている回路であって、一端が第1のインダクタの他端と接続され、他端が第1の外部接続端子と接続されている第1の直列回路と、第2のコンデンサと第3のインダクタが直列に接続されている回路であって、一端が第1のインダクタの他端と接続され、他端が第2の外部接続端子と接続されている第2の直列回路と、一端が第1の外部接続端子と接続され、他端が第2の外部接続端子と接続されている第4のインダクタとを備えるように構成したので、回路規模の大型化を招くことなく、不要な高調波の通過を阻止することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるインピーダンス整合回路を示す構成図である。
図1において、インダクタ1は一端がグランドと接続されているインダクタンス値L1の第1のインダクタである。
インダクタ2は一端がインダクタ1の他端と接続されているインダクタンス値L2の第2のインダクタである。
コンデンサ3は一端がインダクタ2の他端と接続され、他端が外部接続端子7(第1の外部接続端子)と接続されている容量値C1の第1のコンデンサである。なお、インダクタ2とコンデンサ3から直列回路9(第1の直列回路)が構成されている。
図1の例では、インダクタ1とコンデンサ3の間にインダクタ2が接続されている構成であるが、インダクタ1とインダクタ2の間にコンデンサ3が接続される構成であってもよい。
図1はこの発明の実施の形態1によるインピーダンス整合回路を示す構成図である。
図1において、インダクタ1は一端がグランドと接続されているインダクタンス値L1の第1のインダクタである。
インダクタ2は一端がインダクタ1の他端と接続されているインダクタンス値L2の第2のインダクタである。
コンデンサ3は一端がインダクタ2の他端と接続され、他端が外部接続端子7(第1の外部接続端子)と接続されている容量値C1の第1のコンデンサである。なお、インダクタ2とコンデンサ3から直列回路9(第1の直列回路)が構成されている。
図1の例では、インダクタ1とコンデンサ3の間にインダクタ2が接続されている構成であるが、インダクタ1とインダクタ2の間にコンデンサ3が接続される構成であってもよい。
インダクタ4は一端がインダクタ1の他端と接続されているインダクタンス値L3の第3のインダクタである。
コンデンサ5は一端がインダクタ4の他端と接続され、他端が外部接続端子8(第2の外部接続端子)と接続されている容量値C2の第2のコンデンサである。なお、インダクタ4とコンデンサ5から直列回路10(第2の直列回路)が構成されている。
図1の例では、インダクタ1とコンデンサ5の間にインダクタ4が接続されている構成であるが、インダクタ1とインダクタ4の間にコンデンサ5が接続される構成であってもよい。
インダクタ6は一端が外部接続端子7と接続され、他端が外部接続端子8と接続されているインダクタンス値L4の第4のインダクタである。
コンデンサ5は一端がインダクタ4の他端と接続され、他端が外部接続端子8(第2の外部接続端子)と接続されている容量値C2の第2のコンデンサである。なお、インダクタ4とコンデンサ5から直列回路10(第2の直列回路)が構成されている。
図1の例では、インダクタ1とコンデンサ5の間にインダクタ4が接続されている構成であるが、インダクタ1とインダクタ4の間にコンデンサ5が接続される構成であってもよい。
インダクタ6は一端が外部接続端子7と接続され、他端が外部接続端子8と接続されているインダクタンス値L4の第4のインダクタである。
図2は図1のインピーダンス整合回路における基本周波数での等価回路であり、図3は図1のインピーダンス整合回路における高調波周波数での等価回路である。
図2における符号3’,5’はインダクタ1,2,4及びコンデンサ3,5から計算される等価キャパシタンスである。
図3における符号2’,4’はインダクタ1,2,4から計算される等価インダクタンスである。
図1のインピーダンス整合回路は、図2より明らかなように、基本波周波数においては、π型の低域通過型フィルタとみなすことができる。
また、図3より明らかなように、高調波周波数においては、LC並列共振器が直列に装荷されている帯域反射型フィルタとみなすことができる。
図2における符号3’,5’はインダクタ1,2,4及びコンデンサ3,5から計算される等価キャパシタンスである。
図3における符号2’,4’はインダクタ1,2,4から計算される等価インダクタンスである。
図1のインピーダンス整合回路は、図2より明らかなように、基本波周波数においては、π型の低域通過型フィルタとみなすことができる。
また、図3より明らかなように、高調波周波数においては、LC並列共振器が直列に装荷されている帯域反射型フィルタとみなすことができる。
図1のインピーダンス整合回路が不要な高調波の通過を阻止するには、図1のインピーダンス整合回路が、高調波周波数ではオープンとして見えている必要がある。
このため、図1のインピーダンス整合回路では、高調波周波数でのYパラメータが、下記の式(2)のようになっている。
このため、図1のインピーダンス整合回路では、高調波周波数でのYパラメータが、下記の式(2)のようになっている。
ここで、コンデンサ5とインダクタ6の接続点に対して、nΩの負荷が接続された場合の1端子回路パラメータZは、下記の式(3)のようになる。
したがって、図1のインピーダンス整合回路は、基本波に対して、nΩからZ'Ωにインピーダンスを変成する機能を有していることになる。
したがって、図1のインピーダンス整合回路は、基本波に対して、nΩからZ'Ωにインピーダンスを変成する機能を有していることになる。
以下、具体例を示すことで、図1のインピーダンス整合回路が有意に動作することを明らかにする。
ここでは、基本の周波数が10GHz、nが2Ω、Z’が30Ωであるとする。また、反射したい高調波が2倍波であるとする。
また、インダクタ1,2,4,6のインダクタンス値L1,L2,L3,L4が、それぞれL1=1.099nH、L2=0.803nH、L3=0.384nH、L4=0.334nHであるとする。
また、コンデンサ3,5の容量値C1,C2が、それぞれC1=0.065pF、C2=0.115pFであるとする。
ここでは、基本の周波数が10GHz、nが2Ω、Z’が30Ωであるとする。また、反射したい高調波が2倍波であるとする。
また、インダクタ1,2,4,6のインダクタンス値L1,L2,L3,L4が、それぞれL1=1.099nH、L2=0.803nH、L3=0.384nH、L4=0.334nHであるとする。
また、コンデンサ3,5の容量値C1,C2が、それぞれC1=0.065pF、C2=0.115pFであるとする。
上記の条件下において、図4はnΩでの基本波の反射特性を示し、図5は2倍波の反射特性を示している。
また、上記の条件下において、図6はZ’Ωでの基本波の反射特性を示し、図7は2倍波の反射特性を示している。
図4及び図6から明らかなように、nΩ及びZ’Ωにおいて、基本波に対して良好な反射特性となっており、基本波でのインピーダンス変換が実現できている。
図5及び図7から明らかなように、2倍波に対する反射特性がopen点付近になっており、2倍波の反射特性が実現できていることが分かる。
また、上記の条件下において、図6はZ’Ωでの基本波の反射特性を示し、図7は2倍波の反射特性を示している。
図4及び図6から明らかなように、nΩ及びZ’Ωにおいて、基本波に対して良好な反射特性となっており、基本波でのインピーダンス変換が実現できている。
図5及び図7から明らかなように、2倍波に対する反射特性がopen点付近になっており、2倍波の反射特性が実現できていることが分かる。
ここで、図8はこの発明の実施の形態1によるインピーダンス整合回路が適用される高周波増幅器を示す構成図である。
図8において、インピーダンス整合回路20は図1のインピーダンス整合回路であり、基本周波数に対してインピーダンス変成機能を有し、高調波周波数に対して反射機能を有する。
入力回路12は入力端子11から入力された高調波を含む高周波信号をトランジスタ13に与える回路である。
トランジスタ13は入力回路12から与えられた高周波信号を増幅し、増幅後の高周波信号を出力する増幅素子である。
出力回路14はトランジスタにより増幅された高周波信号に含まれている高調波を反射させる回路である。
出力回路15はインピーダンス整合回路20を通過してきた信号を出力端子16に出力する回路である。
図8において、インピーダンス整合回路20は図1のインピーダンス整合回路であり、基本周波数に対してインピーダンス変成機能を有し、高調波周波数に対して反射機能を有する。
入力回路12は入力端子11から入力された高調波を含む高周波信号をトランジスタ13に与える回路である。
トランジスタ13は入力回路12から与えられた高周波信号を増幅し、増幅後の高周波信号を出力する増幅素子である。
出力回路14はトランジスタにより増幅された高周波信号に含まれている高調波を反射させる回路である。
出力回路15はインピーダンス整合回路20を通過してきた信号を出力端子16に出力する回路である。
図9は図8の高周波増幅器における出力回路14の内部を示す構成図である。
図9の例では、高周波信号に含まれている高調波を反射させる目的で、伝送線路14aに対して、高周波信号における基本波でλ/8(λ:波長)の長さの電気長を有するオープンスタブ14bが接続されている。
図9の例では、高周波信号に含まれている高調波を反射させる目的で、伝送線路14aに対して、高周波信号における基本波でλ/8(λ:波長)の長さの電気長を有するオープンスタブ14bが接続されている。
一般的な高周波増幅器では、高周波信号を高効率に増幅するために、高周波信号に含まれている高調波を反射する機能を有する出力回路14(基本波でλ/8の長さの電気長を有するオープンスタブ14bが接続されている回路)がトランジスタ13の後段に接続される。
しかし、実際のパターンで作成されたオープンスタブ14bの電気長が完全にλ/8の長さと一致するとは限らず、λ/8の長さからずれてしまうことがある。
オープンスタブ14bの電気長がλ/8の長さからずれている場合、出力回路14から出力端子16側を見込んだ高調波周波数でのインピーダンスの影響により、トランジスタ13から出力回路14を見込んだ高調波周波数でのインピーダンスが、本来想定していたインピーダンスと一致しなくなる。
しかし、実際のパターンで作成されたオープンスタブ14bの電気長が完全にλ/8の長さと一致するとは限らず、λ/8の長さからずれてしまうことがある。
オープンスタブ14bの電気長がλ/8の長さからずれている場合、出力回路14から出力端子16側を見込んだ高調波周波数でのインピーダンスの影響により、トランジスタ13から出力回路14を見込んだ高調波周波数でのインピーダンスが、本来想定していたインピーダンスと一致しなくなる。
しかし、図8の高周波増幅器では、図1のインピーダンス整合回路20が出力回路14と出力回路15の間に接続されており(トランジスタ13と出力端子16の間に接続されていればよい)、インピーダンス整合回路20は、高調波周波数ではオープンとして見える回路である。
このため、出力回路14のオープンスタブ14bの電気長がλ/8の長さと完全に一致しておらず、出力回路14が高調波を完全に反射させることができなくても、インピーダンス整合回路20が高調波を反射させることができる。つまり、高調波が高周波増幅器から漏れないようにすることができる。
したがって、出力回路14は、高調波周波数におけるインピーダンスの攪乱を受けずに所望のインピーダンスをトランジスタ13に見せることができる。
このため、出力回路14のオープンスタブ14bの電気長がλ/8の長さと完全に一致しておらず、出力回路14が高調波を完全に反射させることができなくても、インピーダンス整合回路20が高調波を反射させることができる。つまり、高調波が高周波増幅器から漏れないようにすることができる。
したがって、出力回路14は、高調波周波数におけるインピーダンスの攪乱を受けずに所望のインピーダンスをトランジスタ13に見せることができる。
図8の高周波増幅器では、図1のインピーダンス整合回路20が出力回路14と出力回路15の間に接続されている例を示したが、図10に示すように、入力回路12と入力回路17の間に接続されていてもよく(入力端子11とトランジスタ13の間に接続されていればよい)、インピーダンス整合回路20が高調波を反射させることができる。
入力回路17は、図9の出力回路14と同様に、高周波信号に含まれている高調波を反射させる目的で、伝送線路に対して、高周波信号における基本波でλ/8の長さの電気長を有するオープンスタブが接続されている。
入力回路17は、図9の出力回路14と同様に、高周波信号に含まれている高調波を反射させる目的で、伝送線路に対して、高周波信号における基本波でλ/8の長さの電気長を有するオープンスタブが接続されている。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、一端がグランドと接続されているインダクタ1と、コンデンサ3とインダクタ2が直列に接続されている回路であって、一端がインダクタ1の他端と接続され、他端が外部接続端子7と接続されている直列回路9と、コンデンサ5とインダクタ4が直列に接続されている回路であって、一端がインダクタ1の他端と接続され、他端が外部接続端子8と接続されている直列回路10と、一端が外部接続端子7と接続され、他端が外部接続端子8と接続されているインダクタ6とを備えるように構成したので、回路規模の大型化を招くことなく、不要な高調波の通過を阻止することができる効果を奏する。また、本構成では、キャパシタの寄生成分として生じるインダクタンスはL2,L3に吸収させることができるので、周波数が高くなっても、寄生成分により特性が劣化せず、高調波を抑圧することができる。
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2によるインピーダンス整合回路を示す構成図であり、図11において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
インダクタ21は直列回路9とインダクタ6の接続点と、外部接続端子7との間に接続されている第5のインダクタである。
図12は図11のインピーダンス整合回路における基本周波数での等価回路であり、図13は図11のインピーダンス整合回路における高調波周波数での等価回路である。
図11はこの発明の実施の形態2によるインピーダンス整合回路を示す構成図であり、図11において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
インダクタ21は直列回路9とインダクタ6の接続点と、外部接続端子7との間に接続されている第5のインダクタである。
図12は図11のインピーダンス整合回路における基本周波数での等価回路であり、図13は図11のインピーダンス整合回路における高調波周波数での等価回路である。
図12における符号3’,5’はインダクタ1,2,4及びコンデンサ3,5から計算される等価キャパシタンスである。
図13における符号2’,4’はインダクタ1,2,4から計算される等価インダクタンスである。
図11のインピーダンス整合回路は、図12より明らかなように、基本波周波数においては、LCで構成される2段の低域通過型フィルタとみなすことができる。
また、図13より明らかなように、高調波周波数においては、LC並列共振器が直列に装荷されている帯域反射型フィルタとみなすことができる。
図13が示す高調波周波数での等価回路は、図3が示す高調波周波数での等価回路と同等の回路である。このため、上記実施の形態1のインピーダンス整合回路と同等の反射性能を期待することができる。
図13における符号2’,4’はインダクタ1,2,4から計算される等価インダクタンスである。
図11のインピーダンス整合回路は、図12より明らかなように、基本波周波数においては、LCで構成される2段の低域通過型フィルタとみなすことができる。
また、図13より明らかなように、高調波周波数においては、LC並列共振器が直列に装荷されている帯域反射型フィルタとみなすことができる。
図13が示す高調波周波数での等価回路は、図3が示す高調波周波数での等価回路と同等の回路である。このため、上記実施の形態1のインピーダンス整合回路と同等の反射性能を期待することができる。
図12が示す基本周波数での等価回路では、2段の低域通過型フィルタとなっているのに対して、図2が示す基本周波数での等価回路では、1段の低域通過型フィルタとなっている点で相違している。この相違点は、低域通過型フィルタの比帯域幅の差異に相当する。
図14は1段と2段の低域通過型フィルタにおいて、RLがそれぞれ10dB,20dB,30dBである場合の比帯域幅の計算結果を示す説明図である。
図14から明らかなように、低域通過型フィルタの段数を増やすことで、比帯域幅が拡大することが分かる。
したがって、この実施の形態2のインピーダンス整合回路は、上記実施の形態1のインピーダンス整合回路と比較して、基本波での比帯域幅が広帯域である。
図14は1段と2段の低域通過型フィルタにおいて、RLがそれぞれ10dB,20dB,30dBである場合の比帯域幅の計算結果を示す説明図である。
図14から明らかなように、低域通過型フィルタの段数を増やすことで、比帯域幅が拡大することが分かる。
したがって、この実施の形態2のインピーダンス整合回路は、上記実施の形態1のインピーダンス整合回路と比較して、基本波での比帯域幅が広帯域である。
ここで、図15はこの発明の実施の形態2によるインピーダンス整合回路が適用される高周波増幅器を示す構成図である。
図15において、インピーダンス整合回路30は図11のインピーダンス整合回路であり、基本周波数に対してインピーダンス変成機能を有し、高調波周波数に対して反射機能を有する。
図15の高周波増幅器におけるインピーダンス整合回路30は、高調波では図13と等価の回路になり、基本波ではT型の2段通過型フィルタとなる。
このように、インピーダンス整合回路30が高周波増幅器に適用された場合、インピーダンス整合回路30は上記実施の形態1のインピーダンス整合回路20と同等の反射性能を有しているので、高調波を反射させることができる。つまり、高調波が高周波増幅器から漏れないようにすることができる。
図15において、インピーダンス整合回路30は図11のインピーダンス整合回路であり、基本周波数に対してインピーダンス変成機能を有し、高調波周波数に対して反射機能を有する。
図15の高周波増幅器におけるインピーダンス整合回路30は、高調波では図13と等価の回路になり、基本波ではT型の2段通過型フィルタとなる。
このように、インピーダンス整合回路30が高周波増幅器に適用された場合、インピーダンス整合回路30は上記実施の形態1のインピーダンス整合回路20と同等の反射性能を有しているので、高調波を反射させることができる。つまり、高調波が高周波増幅器から漏れないようにすることができる。
また、図16はこの発明の実施の形態2によるインピーダンス整合回路が適用される他の高周波増幅器を示す構成図である。
図16の高周波増幅器におけるインピーダンス整合回路30は、高調波では図13と等価の回路になり、基本波ではT型の2段通過型フィルタとなる。
このように、インピーダンス整合回路30が高周波増幅器に適用された場合、インピーダンス整合回路30は上記実施の形態1のインピーダンス整合回路20と同等の反射性能を有しているので、高調波を反射させることができる。つまり、高調波が高周波増幅器から漏れないようにすることができる。
図16の高周波増幅器におけるインピーダンス整合回路30は、高調波では図13と等価の回路になり、基本波ではT型の2段通過型フィルタとなる。
このように、インピーダンス整合回路30が高周波増幅器に適用された場合、インピーダンス整合回路30は上記実施の形態1のインピーダンス整合回路20と同等の反射性能を有しているので、高調波を反射させることができる。つまり、高調波が高周波増幅器から漏れないようにすることができる。
この実施の形態2では、インダクタ21が、直列回路9とインダクタ6の接続点と、外部接続端子7との間に接続されているインピーダンス整合回路を示したが、図17に示すように、第6のインダクタであるインダクタ22が、直列回路10とインダクタ6の接続点と、外部接続端子8との間に接続されていてもよく、図11のインピーダンス整合回路30と同等の反射性能を有することができる。
また、図18に示すように、インダクタ21とインダクタ22の双方が接続されていてもよく、図11のインピーダンス整合回路30と同等の反射性能を有することができる。
また、図18に示すように、インダクタ21とインダクタ22の双方が接続されていてもよく、図11のインピーダンス整合回路30と同等の反射性能を有することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 インダクタ(第1のインダクタ)、2 インダクタ(第2のインダクタ)、3 コンデンサ(第1のコンデンサ)、4 インダクタ(第3のインダクタ)、5 コンデンサ(第2のコンデンサ)、6 インダクタ(第4のインダクタ)、7 外部接続端子(第1の外部接続端子)、8 外部接続端子(第2の外部接続端子)、9 直列回路(第1の直列回路)、10 直列回路(第2の直列回路)、11 入力端子、12,17 入力回路、13 トランジスタ、14 出力回路、14a 伝送線路、14b オープンスタブ、15 出力回路、16 出力端子、20 インピーダンス整合回路、21 インダクタ(第5のインダクタ)、22 インダクタ(第6のインダクタ)、2’,4’ 等価インダクタンス、3’,5’ 等価キャパシタンス、101,102 外部接続端子、103〜105 インダクタ、106,107 コンデンサ。
Claims (5)
- 一端がグランドと接続されている第1のインダクタと、
第1のコンデンサと第2のインダクタが直列に接続されている回路であって、一端が前記第1のインダクタの他端と接続され、他端が第1の外部接続端子と接続されている第1の直列回路と、
第2のコンデンサと第3のインダクタが直列に接続されている回路であって、一端が前記第1のインダクタの他端と接続され、他端が第2の外部接続端子と接続されている第2の直列回路と、
一端が前記第1の外部接続端子と接続され、他端が前記第2の外部接続端子と接続されている第4のインダクタと
を備えたインピーダンス整合回路。 - 前記第1の直列回路と前記第4のインダクタの接続点と、前記第1の外部接続端子との間に第5のインダクタが接続されていることを特徴とする請求項1記載のインピーダンス整合回路。
- 前記第2の直列回路と前記第4のインダクタの接続点と、前記第2の外部接続端子との間に第6のインダクタが接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のインピーダンス整合回路。
- 高調波を含む信号を増幅するトランジスタと、
前記トランジスタにより増幅された信号を出力する出力端子と、
前記トランジスタと前記出力端子の間に接続された請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のインピーダンス整合回路と
を備えた高周波増幅器。 - 高調波を含む信号を入力する入力端子と、
前記入力端子から入力された信号を増幅するトランジスタと、
前記入力端子と前記トランジスタの間に接続された請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のインピーダンス整合回路と
を備えた高周波増幅器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017038115A (ja) * | 2015-08-07 | 2017-02-16 | Tdk株式会社 | 方向性結合器 |
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