以下、本発明に係るウェアラブルカメラシステム及び撮像方法を具体的に開示した実施形態(以下、「本実施形態」という)について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態のウェアラブルカメラシステムは、ユーザ(例えば警察官OF。以下同様。)が身体、衣服、冒頭等に装着可能なウェアラブルカメラである第1カメラ,第2カメラを含む構成である。本実施形態では、警察官は、先ず第1カメラにより撮像している時に第2カメラに切り替えて撮像したり、先ず第2カメラにより撮像している時に第1カメラに切り替えて撮像する。また、警察官は、第1カメラ或いは第2カメラの一方のウェアラブルカメラにより撮像している時に、他方のウェアラブルカメラを追加して両方のウェアラブルカメラにより撮像する。
図1は、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100の概要とウェアラブルカメラ(第1カメラ10、第2カメラ10S)により撮像された映像データの使用に関する説明図である。本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、ユーザ(例えば警察官OF)が身体、衣服又は帽子等に装着可能なウェアラブルカメラである第1カメラ10、第2カメラ10S又はその両方が使用される。
第1カメラ10は、スマートフォン等の携帯端末50、車(例えばパトカー)に搭載された車載システム60、ユーザの組織内に配備されたサーバ(バックエンドサーバSV1,SV2,SV3)等との間で通信を行う通信機能を有するウェアラブルカメラである。
第2カメラ10Sは、第1カメラ10との間で通信を行う通信機能を有するウェアラブルカメラである。図1では図示が省略されているが、第1カメラ10と第2カメラ10SとはケーブルCB(図2参照)を介して接続される。
また、ウェアラブルカメラシステム100において、第1カメラ10、第2カメラ10S、携帯端末50及び車載システム60がフロントエンドシステムを構成し、ネットワーク上の管理ソフトウェア70及びバックエンドサーバSV1,SV2,SV3がバックエンドシステムを構成する。
以下、本実施形態を分かり易く説明するために、ウェアラブルカメラシステム100の使用形態の一例として、例えば警察署の警察官OFが第1カメラ10及び第2カメラ10Sを装着して使用する場合を想定して説明する(図2参照)。この場合、警察官OFが第1カメラ10又は第2カメラ10Sのいずれかにより撮像を行い、又は第1カメラ10及び第2カメラ10Sの両方により撮像を行う。第1カメラ10は、警察署内に配備されたバックエンドシステムに対し、第1カメラ10、第2カメラ10S又はその両方の撮像により得られた映像データを転送する。バックエンドサーバSV1,SV2,SV3では、第1カメラ10から転送された映像データが蓄積される。なお、第1カメラ10は、ユーザが警察官OFに限定されず、その他様々な事業所(例えば、警備会社)において使用されてもよい。
図1に示すフロントエンドシステムは、現場の最前線に出動する警察官OFが装着可能な第1カメラ10及び第2カメラ10Sと、警察官OFが保持する携帯端末50と、パトカー内に設置された車載システム60とを含む構成である。携帯端末50は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等の無線通信装置である。車載システム60は、カメラ、PC、通信ユニット等を有し、車載カメラシステム、映像管理システム等を構成する。
警察官OFは、所定の用件(例えばパトロール)で警察署から出動する際、第1カメラ10及び第2カメラ10Sを装着し、携帯端末50を保持し、車載システム60を搭載したパトカーに乗車して現場に向かう。フロントエンドシステムにおいて、例えばパトカーが到着した現場の映像を車載システム60のカメラ(不図示)により撮像し、更に、警察官OFがパトカーから降車して現場のより詳細な映像を第1カメラ10、第2カメラ10S又はその両方により撮像する。第1カメラ10、第2カメラ10S又はその両方が撮像した動画又は静止画の映像データは、携帯端末50のメモリ等の記録部、又は車載システム60のPCのストレージ等による記録部に保存され、バックエンドシステムに転送(アップロード)される。また、携帯端末50又は車載システム60は、映像データを含む各種データをバックエンドシステムに転送する。バックエンドシステムへのデータ転送は、現場から無線通信により接続して行うか、或いは、パトロールが終了して警察署に戻った際に、有線通信、無線通信、又は手動(例えば記憶媒体の持ち運び)により行う。
図1に示すバックエンドシステムは、警察署内又は他の場所に設置されたバックエンドサーバSV1〜SV3と、フロントエンドシステムとの通信を行うための管理ソフトウェア70とを含む構成である。バックエンドサーバSV1〜SV3は、内部又は外部にハードディスク(HDD)等によるストレージを備える。バックエンドシステムでは、フロントエンドシステムから転送された映像データ及び他のデータが、バックエンドサーバSV1〜SV3に蓄積される。バックエンドサーバSV1〜SV3は、第1カメラ10又は車載システム60から転送された映像データを受信し、HDD(Hard Disk Drive)等のストレージに保存する。
バックエンドシステムに蓄積された映像データは、例えば警察署内の関係部署の担当者により利用され、必要に応じて、所定の記憶媒体(例えばDVD:Digital Versatile Disk)に映像データがコピーされて、所定のシーン(例えば裁判)において証拠品として提出される。
本実施形態では、警察官OFが装着した第1カメラ10及び第2カメラ10Sを用いて、現場の証拠映像をより的確に取得及び保存することが可能である。第1カメラ10及び第2カメラ10Sを用いる際、ユーザ(警察官OF)の識別情報(ユーザID)、第1カメラ10及び第2カメラ10Sの各識別情報(例えばカメラID)等を予め設定しておき、バックエンドサーバに蓄積された映像データについて、いつ、どの警察官がどのウェアラブルカメラを用いて撮像した映像であるかを明確に区別できる。
図2は、警察官OFが本実施形態の第1カメラ10及び第2カメラ10Sの両方を装着した状態の一例を示す図である。警察官OFは、例えば制服の胸部の中心付近にクリップ又はケースを介して第1カメラ10を固定して装着し、又はポケットに入れて第1カメラ10を装着する。また、警察官OFは、ケーブルCBを介して第1カメラ10と第2カメラ10Sを接続し、例えば警察官OFの左耳上付近にクリップを介して第2カメラ10Sを固定して装着する。
図2に示す例では、第2カメラ10Sは、第1カメラ10の撮像領域のより高い位置を撮像可能である。また、第2カメラ10Sは、第1カメラ10が警察官OFの正面方向(図2の紙面左下方向)を撮像するのに対し、警察官OFの後面方向(図2の紙面右上方向)を撮像してもよい。従って、図2では警察官OFが第1カメラ10及び第2カメラ10Sを装着している様子の一例として説明しているが、警察官OFが第1カメラ10及び第2カメラ10Sをどのように装着するかについては特に限定されない。
図2に示すように、第1カメラ10は、ユーザである警察官OFの胸部等、ユーザの視点に近い位置からの視野の映像を撮像するように、ユーザが着用した衣服又は身体に装着して使用される。警察官OFは、第1カメラ10及び第2カメラ10Sを装着した状態で、録画スイッチSW1又は録画スイッチSW1sを操作して周囲の被写体の撮像を行う。上述したように、第2カメラ10Sの撮像範囲は、第1カメラ10の撮像範囲に比べてより高い位置を含めることができ、警察官OFは、現場の状況を的確かつ広範に撮像できるように、第1カメラ10又は第2カメラ10Sに切り替え、又はその両方を用いて撮像可能である。
図3は、本実施形態の第1カメラ10及び第2カメラ10Sの外観の一例を示す図である。図3では、第1カメラ10は正面視の様子が示され、第2カメラ10Sは斜視の様子が示されている。図3に示す第1カメラ10は、略直方体状の筐体の正面に、撮像部11(図6参照)の撮像用のレンズ11a、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2が設けられる。録画スイッチSW1は、例えば一定時間(例えば1秒程度)押下されることで録画(動画の撮像)が開始され、別の一定時間(例えば3秒程度)押下されることで録画が終了する。スナップショットスイッチSW2は、押下される度に、そのときの静止画の撮像が実行される。
図3に示す第2カメラ10Sは、略円筒形状の筐体の前面側(図3に示す第1カメラ10に向かう側)に撮像用のレンズ11s1、同筐体の前方(図3の紙面左下方向)にマイク11s6を露出させるマイク穴MCh、同筐体の後方(図3の紙面右上方向)に録画スイッチSW1sが設けられる。
図4は、本実施形態の第1カメラ10の外観の一例を示す左側面図である。図4に示すように、第1カメラ10の筐体の正面から見て左側面には、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4、USBコネクタ22aが設けられる。警察官OFが属性情報付与スイッチSW3を押下操作することにより、第1カメラ10の撮像及び録画により得られた映像データ(以下、「第1映像データ」という)、第2カメラ10Sが撮像して第1カメラ10が記憶(録画)した映像データ(以下、「第2映像データ」という)又は、第1映像データ及び第2映像データを組み合わせた映像データに対して、属性選択スイッチSW4の選択状態に応じた属性情報が付与される。属性選択スイッチSW4は、図示例ではC1、C2、C3の3段階の接点位置を有するスライドスイッチであり、C1〜C3にそれぞれ割り付け設定された属性情報を警察官OFが選択して指定する。USBコネクタ22aには、USB(Universal Serial Bus)に対応したケーブルを介して外部機器(例えば、第1カメラ10と車載システム60又は警察署内のPC)とを接続してデータの送受信が可能となっている。
図5は、本実施形態の第1カメラ10の外観の一例を示す右側面図である。図5に示すように、第1カメラ10の筐体の正面から見て右側面には、通信モードスイッチSW5、インジケータスイッチSW6が設けられる。通信モードスイッチSW5は、図示例ではAP、STA1、STA2、OFFの4段階の接点位置を有するスライドスイッチであり、第1カメラ10の通信モードを警察官OFが選択して指定する。APはアクセスポイントモードであり、ウェアラブルカメラである第1カメラ10が無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして動作し、携帯端末50と無線接続して、第1カメラ10と携帯端末50との間で通信を行うモードである。アクセスポイントモードにおいて、携帯端末50は、第1カメラ10と接続することにより、第1カメラ10による現在のライブ映像の表示、録画された映像データの再生、属性情報の付与、撮像された静止画の表示等を行うことができる。STA1,STA2はステーションモードであり、無線LANにより外部機器と接続する場合に、外部機器をアクセスポイントとして通信を行うモードである。STA1は警察署内のアクセスポイントと接続するモード、STA2は車載システム60と接続するモードである。ステーションモードにおいて、第1カメラ10の設定、第1カメラ10における映像データの転送(アップロード)等を行える。OFFは無線LANの通信動作をオフし、無線LANを未使用とするモードである。
インジケータスイッチSW6は、図示例ではLED、Vibration、LED&Vibration、OFFの4段階の接点位置を有するスライドスイッチであり、第1カメラ10の報知モードを警察官OFが選択して指定する。LEDは、LED26a〜26cによって第1カメラ10の録画中等の動作状態を表示するモードである。Vibrationは、バイブレータ27の振動によって第1カメラ10の動作状態を報知するモードである。LED&Vibrationは、LED26a〜26cの表示とバイブレータ27の振動によって第1カメラ10の動作状態を報知するモードである。OFFは動作状態の報知動作をオフするモードである。
LED26a〜26cは、図示しないが、第1カメラ10の筐体の正面から見て上面に配置されている。これにより、ユーザが第1カメラ10を装着した状態でLEDを容易に視認でき、また、ユーザ本人以外からはLEDが見えないようになっている。また、図示しないが、第1カメラ10の筐体の正面から見て下面には、コンタクトターミナル23が設けられる。
図6は、本実施形態の第1カメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。図6に示す第1カメラ10は、撮像部11と、GPIO12(General Purpose Input/Output)と、RAM13と、ROM14と、記憶部15と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)16と、RTC(Real Time Clock)17と、GPS(Global Positioning System)18と、MCU(Micro Controller Unit)19と、通信部21と、USB(Universal Serial Bus)22と、コンタクトターミナル23と、電源部24と、バッテリ25とを含む構成である。また、第1カメラ10は、入力部の一例として、録画スイッチSW1とスナップショットスイッチSW2と属性情報付与スイッチSW3と属性選択スイッチSW4と通信モードスイッチSW5とインジケータスイッチSW6とを含む構成である。また、第1カメラ10は、状態表示部の一例として、3つのLED(Light Emitting Diode)26a,26b,26cとバイブレータ27とを含む構成である。
撮像部11は、撮像用のレンズ11aと、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等による固体撮像素子とを有し、撮像により得られた被写体の映像データをMCU19に出力する。
GPIO12は、パラレルインタフェースであり、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4、通信モードスイッチSW5、インジケータスイッチSW6、LED26a〜26c及びバイブレータ27と、MCU19との間の信号の入出力を行う。
RAM13は、MCU19の動作において使用されるワークメモリである。
ROM14は、MCU19を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶するメモリである。
記憶部15は、例えばSDメモリ等の記憶媒体により構成され、撮像部11にて撮像して得られた映像データ(第1映像データ)、又は第2カメラ10Sから転送された第2映像データを記憶する。記憶部15としてSDメモリを用いる場合、第1カメラ10の筐体本体に対して取付け及び取外しが可能である。
EEPROM16は、第1カメラ10を識別する識別情報(例えばシリアル番号により示されるカメラID)、及び初期設定により入力された他の設定情報(例えば属性選択スイッチSW4とC1,C2,C3に対応する各属性情報との割り付け情報)を記憶する。
RTC17は、現在の時刻情報をカウントしてMCU19に出力する。
GPS18は、現在の第1カメラ10の位置情報をGPS発信機(不図示)から受信してMCU19に出力する。
MCU19は、制御部としての機能を有し、第1カメラ10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行い、ROM14に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。MCU19は、動作時には、RAM13を使用し、RTC17より現在の時刻情報、GPS18より現在の位置情報をそれぞれ得る。
通信部21は、例えばOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第1層である物理層において、通信部21とMCU19との接続を規定し、その規定に従って、例えば無線LAN(W−LAN)による無線通信(例えばWifi(登録商標))を行う。通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を行うものを用いてもよい。
USB22は、シリアルバスであり、第1カメラ10と車載システム60、或いは警察署内のPC等との接続を可能とする。
コンタクトターミナル23は、クレードル(不図示)又は外付けアダプタ(不図示)等と電気的に接続するための端子であり、USB22を介してMCU19に接続され、電源部24と接続される。コンタクトターミナル23を介して、第1カメラ10の充電、及び映像データを含むデータの通信が可能となっている。コンタクトターミナル23は、例えば、「充電端子V+」、「CON.DET端子」、「データ端子D−,D+」及び「グランド端子」(いずれも図示省略)が設けられる。CON.DET端子は、電圧変化を検出するための端子である。データ端子D−,D+は、例えばUSBコネクタ端子を介して、外部PC等に対してウェアラブルカメラである第1カメラ10で撮像した映像データ等を転送するための端子である。コンタクトターミナル23とクレードル(不図示)又は外付けアダプタ(不図示)のコネクタとが接続されることにより、第1カメラ10と外部機器との間でデータ通信が可能となる。
電源部24は、コンタクトターミナル23を介してクレードル又は外付けアダプタより供給される電源電力をバッテリ25に給電してバッテリ25を充電する。バッテリ25は、充電可能な2次電池により構成され、ウェアラブルカメラである第1カメラ10の各部に電源電力を供給する。
録画スイッチSW1は、警察官OFの押下操作による録画(動画の撮像)の開始/停止の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。
スナップショットスイッチSW2は、警察官OFの押下操作による静止画の撮像の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。
属性情報付与スイッチSW3は、警察官OFの押下操作による、映像データに属性情報を付与するための操作指示を入力する押しボタンスイッチである。
属性選択スイッチSW4は、映像データに付与する属性を選択するための操作指示を入力するスライドスイッチである。
通信モードスイッチSW5は、第1カメラ10と外部機器との間の通信モードを設定するための操作指示を入力するスライドスイッチである。
インジケータスイッチSW6は、LED26a〜26c及びバイブレータ27による動作状態表示モードを設定するための操作指示を入力するスライドスイッチである。録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4は、警察官OFの緊急時の出動においても容易に操作が可能に構成される。なお、録画スイッチSW1,スナップショットスイッチSW2,属性情報付与スイッチSW3,属性選択スイッチSW4,通信モードスイッチSW5,インジケータスイッチSW6は、上記の形態に限定されず、警察官OFによる操作指示の入力が可能な他の形態の操作入力デバイスであってもよい。
LED26aは、第1カメラ10の電源投入状態(オンオフ状態)及びバッテリ25の状態を示す。
LED26bは、第1カメラ10の撮像動作の状態(録画状態)を示す。
LED26cは、第1カメラ10の通信モードの状態を示す。
MCU19は、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4、通信モードスイッチSW5、インジケータスイッチSW6の各スイッチの押下検出を行い、操作があったスイッチ押下に対する処理を行う。例えば録画スイッチSW1の押下操作を検出した場合、MCU19は、撮像部11における撮像動作の開始又は停止を制御し、撮像部11から得られた撮像データを動画像の映像データとして記憶部15に保存する。また、例えばスナップショットスイッチSW2の押下操作を検出した場合、MCU19は、スナップショットスイッチSW2が操作されたときの撮像部11による撮像データを静止画の映像データとして記憶部15に保存する。
また、MCU19は、例えば属性情報付与スイッチSW3の操作入力を検出した場合、予め設定された属性情報を映像データに付与し、映像データと対応付けて記憶部15に保存する。この際、属性選択スイッチSW4の選択状態といずれかの属性情報との対応関係を示す対応情報をEEPROM16に保持しておき、MCU19は、属性選択スイッチSW4の選択状態を検出し、属性選択スイッチSW4の選択状態に応じた属性情報を付与する。また、MCU19は、通信モードスイッチSW5の状態を検出し、通信モードスイッチSW5の設定に応じた通信モードによって通信部21を動作させる。また、MCU19は、録画動作を開始した場合、インジケータスイッチSW6の状態を検出し、インジケータスイッチSW6の設定に応じて、LED表示及び/又はバイブレータ振動によって録画動作の状態を外部に示す報知を行う。
図7は、本実施形態の第2カメラ10Sの内部構成の一例を示すブロック図である。図7に示す第2カメラ10Sは、撮像用のレンズ11s1と、イメージセンサ11s2と、信号処理部11s3と、伝送部11s4と、通信I/F部11s5と、マイク11s6と、録画スイッチSW1sとを含む構成である。
レンズ11s1は、第2カメラ10Sの外部から入射する環境光を集光し、イメージセンサ11s2の撮像面に結像させる。
イメージセンサ11s2は、例えばCCD又はCMOSの固体撮像素子を用いて構成され、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。イメージセンサ11s2の出力は、信号処理部11s3に入力される。
信号処理部11s3は、イメージセンサ11s2の出力を用いて、人が認識可能なRGB(Red Green Blue)形式の画像データ又はYUV(輝度(Y)・色差(U、V))により規定される画像データのフレームを生成し、生成したフレームを伝送部11s4に出力する。
伝送部11s4は、信号処理部11s3により生成された画像データのフレームを用いて、画像データの保存及び送信が可能なデータフォーマットに変換するための符号化データを生成して通信I/F部11s5に出力する。
通信I/F部11s5は、伝送部11s4からの出力(つまり、画像データのフレーム)、マイク11s6からの出力(つまり、音声データ)、又は録画スイッチSW1sからの出力(つまり、録画の開始/停止の操作に関する信号)を、ケーブルCBを介して第1カメラ10に出力(転送)する。
マイク11s6は、第2カメラ10Sの周囲の音声(例えば警察官OFが急行した現場の音声)を収音し、収音により得られた音声の音声データを通信I/F部11s5に出力する。
録画スイッチSW1sは、警察官OFの押下操作による録画(動画の撮像)の開始/停止の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。録画スイッチSW1sにおいて検出された操作に関する信号は、通信I/F部11s5に入力される。録画スイッチSW1sにおける録画の開始/停止の操作は、第1カメラ10の録画スイッチSW1における録画の開始/停止の操作と同様である。
次に、本実施形態の第1カメラ10における映像データへの属性情報の付与について説明する。ウェアラブルカメラシステム100において、第1カメラ10が、第2カメラ10Sから第1カメラ10に切り替えられて撮像された第1映像データ、第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えられて撮像された第2映像データ、又は、第1カメラ10及び第2カメラ10Sの両方が撮像した第1映像データ及び第2映像データを、バックエンドサーバSV1〜SV3へ転送して蓄積した映像データを利用する場合を想定する。
この場合、蓄積した映像データの中から、映像内容の種別、撮像したユーザ、日時、場所等、映像データに関連する何らかの属性情報を基にして対象の映像データを抽出し、再生することになる。映像データに属性情報が存在しないと、何を撮像した映像であるかの判別が困難であり、目的の映像データを抽出できないため、多くの映像データを蓄積する場合には属性情報を付与することが必要になる。
本実施形態では、属性情報として映像内容の種別を示す分類情報(Classify)を付与し、映像データを各種別に振り分け可能にする。なお、属性情報としては分類情報に限定されず、録画した映像データに関するあらゆる情報が含まれる。また、属性情報としての分類情報は、階層構造とし、又は分類を異なる複数の系統によってカテゴリ分けしてもよい。
警察官OFが第1カメラ10、第2カメラ10S、又は第1カメラ10及び第2カメラ10Sにより撮像した現場から離れて、後で警察署内のPC等で属性情報を付与する場合には、警察官OFが映像データを再生しながら種別を判断して属性情報を付与することになるため、時間及び手間がかかる。また、属性情報が未付与の映像データが溜まると、個々の映像データの確認に手間がかかり、種別の判断及び属性情報の付与に多くの労力を要する。そこで、本実施形態では、第1カメラ10において、録画した直後、又は録画している間に属性情報を容易に付与できる構成例を示す。
図8は、属性選択スイッチSW4と属性情報との関係の一例を示す図である。第1カメラ10を使用する場合、図8に示すように、属性選択スイッチSW4の状態(接点位置)C1〜C3にそれぞれ対応して、属性情報を割り付けて設定しておく。図示例は、警察官OFが事件現場の様子を撮像する場合を想定し、C1に交通事故、C2に飲酒運転、C3に速度超過がそれぞれ割り付けられている。属性情報の割り付けは、複数定義された属性情報の中から、警察官OFにとって使用頻度の高い属性情報が選択的に設定される。図8に示すテーブルの内容(つまり、属性選択スイッチSW4と属性情報との関係を規定する情報)は、第1カメラ10のEEPROM16に設定情報の一つとして記憶される。
図9は、録画データのデータ構造の一例を示す図である。図10は、録画映像リストの第1例を示す図である。本実施形態の第1カメラ10では、録画された映像データを記憶部15に記憶する場合、図9に示すように、撮像した映像データとともに、この映像データに関連する属性情報を含むメタ情報を生成し、両者のデータを関連付けた録画データとして、記憶部15に記憶する。即ち、記憶部15に記憶された録画データには、映像データとメタ情報とが含まれる。
第1カメラ10は、バックエンドサーバSV1〜SV3に映像データを転送する場合、映像データとメタ情報とを含む録画データを転送して蓄積する。図9に示す録画データは、第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えられた場合には第2カメラ10Sにより撮像された第2映像データであり、第2カメラ10Sから第1カメラ10に切り替えられた場合には第1カメラ10により撮像された第1映像データであり、第1カメラ10或いは第2カメラ10Sの一方が先に撮像していた場合に後から他方を追加して撮像した場合には第1カメラ10,第2カメラ10Sにより撮像された第1映像データ,第2映像データの両方が含まれる。
映像データに関連するメタ情報は、例えば図10に示す録画映像リストとして記憶される。録画映像リストのメタ情報は、イベントID、時間情報、カメラID、ユーザID、録画カメラ情報、属性情報、GPS情報が含まれる。イベントIDは、録画対象となるイベントを識別するための識別情報である。
本実施形態では、第1カメラ10は、録画開始から録画終了までの1つの録画動作を1つのイベントとして規定し、個々の録画動作のイベント(以下、録画イベントとも称する)についてイベントIDを付与する。イベントIDとしては、映像データのファイル名等を用いてもよい。時間情報は、個々の録画イベントの時間情報であり、例えば録画開始時刻を付与する。時間情報としては、録画開始時刻だけでなく、録画開始時刻と録画終了時刻、録画開始時刻と録画継続時間、録画中に属性情報が付与された時間、撮像に使用されるウェアラブルカメラが切り替えられた時間、撮像に使用されるウェアラブルカメラが追加された時間等を用いてもよい。
カメラIDは、個々の第1カメラ10、第2カメラ10Sを識別するための識別情報である。ユーザIDは、第1カメラ10、第2カメラ10S、又はその両方を用いる警察官OFの識別情報である。第1カメラ10、第2カメラ10S、又はその両方を用いる際に、録画された映像データについて、どの個体のカメラを誰が使用して録画したものであるかを判別できるように、カメラIDとユーザIDとが設定される。
録画カメラ情報は、イベントID毎に、第1カメラ10、第2カメラ10SがユーザIDにより示される警察官によってどのように使用されて撮像されたかを示す情報である。
具体的には、イベントIDが「Event001」では、録画カメラ情報は、先ず第2カメラ10Sにより撮像されていたが、同じ録画イベントの途中で第1カメラ10に切り替えて使用されたことを示す情報である(第2→第1参照)。従って、イベントIDが「Event001」では、カメラIDは、第1カメラ10を示す「BWC0001」となる。
また、イベントIDが「Event002」では、録画カメラ情報は、先ず第1カメラ10により撮像されていたが、同じ録画イベントの途中で第2カメラ10Sに切り替えて使用されたことを示す情報である(第1→第2参照)。この場合には、イベントIDが「Event001」では、カメラIDは、第2カメラ10Sを示す「BWC0002」となる。
更に、イベントIDが「Event003」では、録画カメラ情報は、終始第1カメラ10により撮像されていたことを示す情報である(第1のみ参照)。この場合には、カメラIDは、第1カメラ10を示す「BWC0001」となる。
更に、イベントIDが「Event004」では、録画カメラ情報は、先ず第1カメラ10により撮像されていたが、同じ録画イベントの途中で第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えて使用されたことを示す情報である(第1カメラ/第2カメラ参照)。また、イベントIDが「Event004」では、「2014年12月2日22時00分10秒」に、第1カメラ10により撮像された第1映像データに属性情報「速度超過」が付与され、更に、「2014年12月2日22時10分50秒」に、第2カメラ10Sにより撮像された第2映像データに属性情報「飲酒運転」が付与されている。従って、イベントIDが「Event004」では、カメラIDは、切替前に使用された第1カメラ10を示す「BWC0001」と、切替後に使用された第2カメラ10Sを示す「BWC0002」との両方が規定される。
なお、第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替わる場合或いはその逆の場合でも、第1カメラ10は、第1カメラ10が撮像した第1映像データ或いは第2カメラ10Sが撮像した第2映像データにそれぞれ異なる属性情報を付与することも可能である。
属性情報は、映像データの種別を識別するための分類情報であり、図8に示す属性選択スイッチSW4の選択状態と属性情報との関係を示す情報に基づき、警察官OFによる属性情報付与スイッチSW3及び属性選択スイッチSW4の操作に従って付与される。GPS情報は、映像データの録画が行われた場所を示す位置情報であり、例えば録画開始時の現在位置情報をGPS18から取得してMCU19により付与される。上記の各メタ情報は、例えば録画開始時、録画中又は録画終了の直後に、MCU19の処理によって付与され、映像データと関連付けて記憶部15に記憶される。
次に、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100において1ch録画(つまり、第1カメラ10又は第2カメラ10Sを用いた録画)に用いるウェアラブルカメラの切替、及び切替後に用いたウェアラブルカメラにより録画した1個の録画データに1個の属性情報を付与する動作について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態のウェアラブルカメラシステムにおいて1ch録画に用いるウェアラブルカメラの切替、及び切替後に用いたウェアラブルカメラにより録画した1個の録画データに1個の属性情報を付与する動作手順の一例を説明するフローチャートである。
図11において、第1カメラ10のMCU19は、ステップS12に示す録画動作に先立って、第1カメラ10の初期設定を実行する(S11)。第1カメラ10の初期設定は、例えば警察官OFが出動する際に、警察署内のPCに接続し、PCを操作して各種の設定情報(例えばカメラID、ユーザID)を転送することによって行う。初期設定として、MCU19は、カメラID及びユーザIDの付与(図10参照)、属性情報付与スイッチSW3と属性選択スイッチSW4の有効化、属性選択スイッチSW4の選択状態に対応する複数の属性情報の割り付け(図8参照)を実行する。
MCU19は、警察官OFの一定時間(例えば1秒程度)の録画スイッチSW1の押下操作を検出すると、撮像部11により撮像された画像(映像)の録画動作を開始し、撮像部11により撮像された動画の映像データを記憶部15に記憶する(S12)。
ここで、第1カメラ10の録画が継続されない場合には(S13、NO)、第1カメラ10の処理は終了する。
一方、第1カメラ10の録画が継続される場合であって(S13、YES)、警察官OFが撮像領域(例えば現場)の状況を撮像するためのウェアラブルカメラを第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えた場合には(S14、YES)、第2カメラ10Sは、撮像を開始する。第2カメラ10Sにより撮像された動画の映像データは、第2カメラ10Sによる撮像が継続される間、都度ケーブルCBを介して第1カメラ10に転送される。
撮像領域(例えば現場)の状況を撮像するためのウェアラブルカメラを第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えるためには、例えば警察官OFが録画中の第1カメラ10を、ケーブルCBを介して第2カメラ10Sに接続すればよい。他には、第1カメラ10と第2カメラ10SとがケーブルCBを介して既に接続されている場合に、第1カメラ10に対する操作は何もなく、第2カメラ10Sの録画スイッチSW1sが一定時間(例えば1秒程度)継続的に押下されてもよい。いずれにしても、本実施形態では、上述した簡易な操作により、撮像領域(例えば現場)の状況を撮像するためのウェアラブルカメラを第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えることが可能である。
一方、警察官OFが撮像領域(例えば現場)の状況を撮像するためのウェアラブルカメラを第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えていない場合には(S14、NO)、第1カメラ10の録画が継続し、第1カメラ10の処理はステップS13に戻る。なお、ステップS12では第1カメラ10が先に録画に使用され、ステップS14において切替後の録画に使用されるウェアラブルカメラが第2カメラ10Sであるとして説明しているが、その逆でもよく、以下同様である。つまり、ステップS12では第2カメラ10Sが先に録画に使用され、ステップS14において切替後の録画に使用されるウェアラブルカメラが第1カメラ10でもよい。
第2カメラ10Sの録画が開始した後、MCU19は、第1カメラ10の属性選択スイッチSW4の選択状態を検出し(S15)、属性情報付与スイッチSW3の入力の有無を判定する(S15)。
属性情報付与スイッチSW3からの入力があった場合には(S16、YES)、MCU19は、属性選択スイッチSW4の選択状態に対応する属性情報をEEPROM16から読み込み、第2カメラ10Sが撮像した第2映像データに対して付与する(S17)。MCU19は、付与した属性情報を含むメタ情報を記憶部15に出力し、直前に録画動作を終了して記憶した映像データと関連付けて記憶する(S18)。なお、本実施形態では、第2カメラ10Sが撮像している間に、第1カメラ10に対する警察官OFの操作により、第2カメラ10Sが撮像している第2映像データに対して属性情報が付与されてもよいし、第2カメラ10Sの撮像が終了した後に、第2映像データに対して属性情報が付与されてもよく、以下同様である。
メタ情報には、イベントID、時間情報(例えばウェアラブルカメラの切替を行った時間で第2カメラ10Sによる撮像が開始された時間)、カメラID、ユーザID、録画カメラ情報(例えば1ch録画に用いたウェアラブルカメラ情報)、属性情報、GPS情報が含まれる(図10参照)。これにより、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100の動作は終了する。
また、上記の例では、予め属性選択スイッチSW4に割り付けた属性情報の中から、属性選択スイッチSW4の状態に対応する属性情報を付与するようにしたが、例えば、音声認識機能を用いて、ユーザが発した音声に対応する属性情報を付与することも可能である。
このように、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、ユーザ(例えば警察官OF)が装着可能な第1カメラ10及び第2カメラ10Sが用いられ、第1カメラ10は、第1カメラ10が撮像した第1映像データを記憶部15に記憶する。第2カメラ10Sは、第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えて撮像された場合に、第2カメラ10Sが撮像した第2映像データを第1カメラ10に送信する。第1カメラ10は、第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えて撮像された場合に、第2カメラ10Sから送信された第2映像データを受信し、第2映像データに関する属性情報の付与操作を受け付けると、付与操作に応じて、属性情報を第2映像データに付与して記憶部15に記憶し、第1カメラが撮像した第1映像データを記憶部から削除する。
これにより、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)が緊急時に急行した現場の状況を的確かつ広範に撮像するために、第1カメラ10から第2カメラ10Sに切り替えて撮像した場合には、切替によって不要となった第1映像データを削除し、切替後に使用される第2カメラ10Sが撮像した第2映像データに対し、第1カメラ10単体に対する簡易な操作により、第2映像データがどのような種類の映像であるかを示す属性情報を付与できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)における現場の状況の的確かつ広範な撮像を支援でき、更に、撮像した映像データ(第2映像データ)を取り扱う上での利便性を向上させることができる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、第2カメラ10Sは、第2カメラ10Sから第1カメラ10に切り替えて撮像された場合に、第1カメラ10に切り替えられるまでに撮像した第2映像データを第1カメラ10に送信する。第1カメラ10は、第2カメラ10Sから第1カメラ10に切り替えて撮像された場合に、第2カメラ10Sから送信された第2映像データを受信し、第2カメラ10Sから送信された第2映像データを破棄し、第1映像データに関する属性情報の付与操作を受け付けると、付与操作に応じて、属性情報を第1映像データに付与して記憶部15に記憶する。
これにより、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)が緊急時に急行した現場の状況を的確かつ広範に撮像するために、第2カメラ10Sから第1カメラ10に切り替えて撮像した場合には、切替によって不要となった第2映像データを破棄し、切替後に使用される第1カメラ10が撮像した第1映像データに対し、第1カメラ10単体に対する簡易な操作により、第1映像データがどのような種類の映像であるかを示す属性情報を付与できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)における現場の状況の的確かつ広範な撮像を支援でき、更に、撮像した映像データ(第1映像データ)を取扱う上での利便性を向上させることができる。
このため、ユーザ(例えば警察官OF)は、緊急時の撮像現場であっても、第1カメラ10と第2カメラ10Sとを適宜切り替えて撮像することにより、切替後の撮像に使用された第1カメラ10が撮像した第1映像データ又は第2カメラ10Sが撮像した第2映像データの属性情報を確実に付与できる。また、切替前に撮像された第1映像データ又は第2映像データは第1カメラ10において削除又は破棄されるので、第1カメラ10の記憶容量の増大を回避できる。更に、警察署のバックエンドシステムに配置されたサーバに蓄積した映像データを利用する場合には、ユーザ(例えばバックエンドシステムの利用者)は、映像データに対して付与された属性情報を参照することにより、どの種別の映像データであるかを容易に判別して抽出でき、更に、属性情報を含むメタ情報によって、いつ、どこで、どのカメラで誰が撮像した、どのような内容の映像であるかを容易に識別できる。
なお、本実施形態では、撮像領域(例えば現場)の撮像に用いるウェアラブルカメラを第1カメラ10又は第2カメラ10Sのうち一方から他方に切り替えてもよいし、予め一方のウェアラブルカメラ(例えば第1カメラ10)により撮像されている状態で、後から追加して他方のウェアラブルカメラ(例えば第2カメラ10S)により撮像されてもよい(図12、図13参照)。図12は、録画映像リストの第2例を示す図である。図12の説明では、図10の説明と重複する内容の説明を省略し、異なる内容について説明する。図12に示す録画映像リストでは、図10に示す録画映像リストと異なる箇所は、録画カメラ情報である。
具体的には、イベントIDが「Event001」及び「Event003」では、録画カメラ情報は、終始第1カメラ10により撮像されていたことを示す情報である(第1のみ参照)。この場合には、カメラIDは、第1カメラ10を示す「BWC0001」となる。
また、イベントIDが「Event002」では、録画カメラ情報は、先ず第1カメラ10により撮像されていたが、途中で第2カメラ10Sが追加されて撮像に使用されたことを示す情報である(第1カメラ+第2カメラ参照)。この場合には、イベントIDが「Event002」では、カメラIDは、第1カメラ10及び第2カメラ10Sを示す「BWC0001+BWC0002」となる。
また、イベントIDが「Event004」では、録画カメラ情報は、先ず第1カメラ10により撮像されていたが、同じ録画イベントの途中で第2カメラ10Sが追加されて撮像に使用されたことを示す情報である(第1カメラ/第1カメラ+第2カメラ参照)。また、イベントIDが「Event004」では、「2014年12月2日22時00分10秒」に、第1カメラ10により撮像された第1映像データに属性情報「速度超過」が付与され、更に、「2014年12月2日22時10分50秒」に、第1カメラ10により撮像された第1映像データと第2カメラ10Sにより撮像された第2映像データとに属性情報「飲酒運転」が付与されている。従って、イベントIDが「Event004」では、カメラIDは、追加前に使用された第1カメラ10を示す「BWC0001」と、追加後に使用された第1カメラ10を示す「BWC0001」及び第2カメラ10Sを示す「BWC0002」との組み合わせを示す「BWC0001+BWC0002」の両方が規定される。
なお、第1カメラ10が先に撮像して後から第2カメラ10Sが追加される場合或いはその逆の場合でも、第1カメラ10は、第1カメラ10が撮像した第1映像データ及び第2カメラ10Sが撮像した第2映像データにそれぞれ異なる属性情報を付与することも可能である。
次に、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100において同時2ch録画(つまり、第1カメラ10及び第2カメラ10Sを用いた録画)に用いるウェアラブルカメラの切替、及び同時2ch録画した2個の録画データに対して共通の属性情報を付与する動作について、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100において同時2ch録画への切替、及び同時2ch録画に用いた各ウェアラブルカメラにより録画した各録画データに対して共通の属性情報を付与する動作手順の一例を説明するフローチャートである。なお、図13の説明では、図11の説明と重複する内容の説明は簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
図13において、ステップS12の後(つまり、第1カメラ10により録画されている状態において)、警察官OFが撮像領域(例えば現場)の状況を撮像するためのウェアラブルカメラを追加するために、ケーブルCBを介して第2カメラ10Sと第1カメラ10とを接続した場合には(S21、YES)、第2カメラ10Sは、撮像を開始する。この時、最初に撮像用に使用されていた第1カメラ10は第2カメラ10Sの追加に応じて撮像を停止してもよいし、撮像をそのまま継続してもよい。第2カメラ10Sにより撮像された動画の映像データは、ケーブルCBを介して第1カメラ10に転送される。
属性情報付与スイッチSW3からの入力があった場合には(S16、YES)、MCU19は、属性選択スイッチSW4の選択状態に対応する属性情報をEEPROM16から読み込み、第2カメラ10Sが第1カメラ10に接続されるまでに第1カメラ10が撮像した動画の第1映像データと第2カメラ10Sにより撮像された動画の第2映像データとに対して共通の属性情報(属性選択スイッチSW4の選択状態に対応する属性情報)を付与する(S22)。
ステップS22の後、MCU19は、共通の属性情報を含むメタ情報を記憶部15に出力し、直前に録画動作を終了して記憶した映像データと関連付けて記憶する(S23)。メタ情報には、イベントID、時間情報(例えばウェアラブルカメラの追加を行った時間で第2カメラ10Sによる撮像が開始された時間)、カメラID、ユーザID、録画カメラ情報(例えば同時2ch録画に用いたウェアラブルカメラ情報)、属性情報、GPS情報が含まれる(図12参照)。これにより、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100の動作は終了する。
以上により、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、第1カメラ10は、第1カメラ10が撮像した第1映像データを記憶部15に記憶する。第2カメラ10Sは、第1カメラ10により先に撮像され、かつ後から第2カメラ10Sによる撮像が開始された場合には、第2カメラ10Sが撮像した第2映像データを第1カメラ10に送信する。第1カメラ10は、第1カメラ10により先に撮像され、かつ第2カメラ10Sによる撮像が開始された場合には、第2カメラ10Sから送信された第2映像データを受信し、第1映像データ及び第2映像データに関する属性情報の付与操作を受け付けると、付与操作に応じて、共通の属性情報を第1映像データ及び第2映像データに付与して記憶部15に記憶する。
これにより、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)が緊急時に急行した現場の状況を的確かつ広範に撮像するために、第1カメラ10だけでなく第2カメラ10Sも用いて撮像を開始した場合には、元々撮像して得られた第1映像データと後からの撮像に使用された第2カメラ10Sが撮像した第2映像データとの両方に対し、第1カメラ10単体に対する簡易な操作により、第1映像データ及び第2映像データがどのような種類の映像であるかを示す共通の属性情報を付与できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)における現場の状況の的確かつ広範な撮像を支援でき、更に、撮像した映像データ(第1映像データ及び第2映像データ)を取扱う上での利便性を向上させることができる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、第2カメラ10Sは、第2カメラ10Sにより先に撮像され、かつ第1カメラ10による撮像が開始された場合には、第1カメラ10による撮像が開始されるまでに第2カメラ10Sが撮像した第2映像データを第1カメラ10に送信する。第1カメラ10は、第2カメラ10Sにより先に撮像され、かつ第1カメラ10による撮像が開始された場合には、第2カメラ10Sから送信された第2映像データを受信し、第1カメラ10が撮像した第1映像データ及び第2映像データに関する属性情報の付与操作を受け付けると、付与操作に応じて、共通の属性情報を第1映像データ及び第2映像データに付与して記憶部15に記憶する。
これにより、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)が緊急時に急行した現場の状況を的確かつ広範に撮像するために、第2カメラ10Sだけでなく第1カメラ10も用いて撮像を開始した場合には、元々撮像して得られた第2映像データと後からの撮像に使用された第1カメラ10が撮像した第1映像データとの両方に対し、第1カメラ10単体に対する簡易な操作により、第1映像データ及び第2映像データがどのような種類の映像であるかを示す共通の属性情報を付与できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)における現場の状況の的確かつ広範な撮像を支援でき、更に、撮像した映像データ(第1映像データ及び第2映像データ)を取扱う上での利便性を向上させることができる。
このため、ユーザ(例えば警察官OF)は、緊急時の撮像現場であっても、第1カメラ10と第2カメラ10Sのいずれかだけを用いて撮像していた状態から両方を用いて撮像することにより、元々の撮像に使用された一方のカメラ(例えば第1カメラ10)が撮像した映像データ(例えば第1映像データ)と後からの撮像に使用された他方のカメラ(例えば第2カメラ10S)が撮像した映像データ(例えば第2映像データ)とに共通する属性情報を確実に付与できる。また、警察署のバックエンドシステムに配置されたサーバに蓄積した映像データを利用する場合には、ユーザ(例えばバックエンドシステムの利用者)は、第1映像データ及び第2映像データに対して付与された共通の属性情報を参照することにより、それぞれの映像データがどのような種類であるかを容易に判別して抽出でき、更に、属性情報を含むメタ情報によって、いつ、どこで、どのカメラで誰が撮像した、どのような内容の映像であるかを容易に識別できる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、ユーザ(例えば警察官OF)の簡易な操作により、第1カメラ10によって映像データの属性を容易に付与できるため、属性情報付与時の手間を削減でき、また、録画直後から映像データの識別を簡便に実施できる。
また、第1カメラ10は、第1映像データ又は第2映像データに関する属性情報の付与操作を属性情報付与スイッチSW3において受け付け、属性情報の選択状態の指定操作を属性選択スイッチSW4において受け付け、属性選択スイッチSW4の選択状態に対応する属性情報を第1映像データ、第2映像データ、又はその両方に付与する。これにより、第1カメラ10は、属性選択スイッチSW4により選択された属性情報を、属性情報付与スイッチSW3の操作入力により、第1映像データ、第2映像データ又はその両方に対して付与することで、ユーザ(例えば警察官OF)の第1カメラ10単体に対する簡易な操作により属性情報の付与操作を簡易化できる。従って、第1カメラ10は、ユーザ(例えば警察官OF)に対する属性情報付与時の手間を削減でき、録画直後から映像データの識別を簡便に実施できる。
また、第1カメラ10において、属性選択スイッチSW4における複数の選択状態に対して異なる属性情報が割り付けられる。これにより、第1カメラ10は、属性選択スイッチSW4の操作により、複数の属性情報の中からユーザ(例えば警察官OF)が希望する属性情報を選択的に決定でき、第1映像データ、第2映像データ又はその両方に対して適切な属性を付与できる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、第1カメラ10と第2カメラ10SとがケーブルCBを介して接続された場合に、第1カメラ10又は第2カメラ10Sのうち一方(例えば第1カメラ10)から他方(例えば第2カメラ10S)に切り替えて撮像され、第1カメラ10と第2カメラ10SとのケーブルCBを介した接続が切断された場合に、第1カメラ10又は第2カメラ10Sのうち他方(例えば第2カメラ10S)から一方(例えば第1カメラ10)に切り替えて撮像される。これにより、ウェアラブルカメラシステム100は、ケーブルCBを介した接続又はその接続の切断により、第1カメラ10と第2カメラ10Sとの切替を簡易に行うことができる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100では、第1カメラ10と第2カメラ10SとがケーブルCBを介して接続された場合に、第1カメラ10及び第2カメラ10Sの両方により撮像され、第1カメラ10と第2カメラ10SとのケーブルCBを介した接続が切断された場合には、第1カメラ10又は第2カメラ10Sのうち一方(第1カメラ10又は第2カメラ10S)により撮像される。これにより、ウェアラブルカメラシステム100は、ケーブルCBを介した接続又はその接続の切断により、第1カメラ10と第2カメラ10Sとの撮像の兼用とその解除とを簡易に切り替えることができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
また、本発明は、ユーザが装着可能な第1カメラ及び第2カメラを含むウェアラブルカメラシステムにおける撮像方法であって、前記第1カメラは、記憶部を有し、前記第1カメラが事件現場にて撮像した第1映像データを前記記憶部に記憶するステップを実行し、前記第2カメラは、前記第1カメラにより先に撮像され、かつ前記第2カメラによる撮像が開始された場合に、前記第2カメラが前記事件現場にて撮像した第2映像データを前記第1カメラに送信するステップを実行し、前記第1カメラは、前記第1カメラにより先に撮像され、かつ前記第2カメラによる撮像が開始された場合に、前記第2カメラから送信された前記第2映像データを受信するステップを実行し、前記第1映像データ及び前記第2映像データに関する前記事件現場の映像の内容に対応する属性情報の付与操作を受け付けるステップを実行し、前記付与操作に応じて、前記属性情報を前記第1映像データ及び前記第2映像データに付与して前記記憶部に記憶するステップを実行する、撮像方法である。
更に、本発明は、ユーザが装着可能な第1カメラ及び第2カメラを含むウェアラブルカメラシステムにおける撮像方法であって、前記第2カメラは、前記第2カメラにより先に撮像され、かつ前記第1カメラによる撮像が開始された場合に、前記第2カメラが事件現場にて撮像した第2映像データを前記第1カメラに送信するステップを実行し、前記第1カメラは、記憶部を有し、前記第2カメラにより先に撮像され、かつ前記第1カメラによる撮像が開始された場合に、前記第2カメラから送信された前記第2映像データを受信するステップを実行し、前記第1カメラが前記事件現場にて撮像した第1映像データ及び前記第2映像データに関する前記事件現場の映像の内容に対応する属性情報の付与操作を受け付けるステップを実行し、前記付与操作に応じて、前記属性情報を前記第1映像データ及び前記第2映像データに付与して前記記憶部に記憶するステップを実行する、撮像方法である。