以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るウェアラブルカメラシステム100の概要とウェアラブルカメラ10により撮像した映像データの使用に関する説明図である。図2は、警察官7がパトカー6に乗車して現場8へ向かうイメージを示した模式図である。
本実施形態のウェアラブルカメラ10は、ユーザ(例えば警察官(Officer)7、警備員)が体又は着用した衣服等に装着可能な撮像装置である。ウェアラブルカメラ10は、車に搭載した車載システム60、ユーザ組織内のサーバ(バックエンドサーバ)SV1,SV2,SV3等との間で通信する通信機能を有する。
ウェアラブルカメラシステム100において、ウェアラブルカメラ10、車載システム60がフロントエンドシステム100Aを構成し、ネットワーク上の管理ソフトウェア70、警察署5内のPCである署内PC71、サーバSV1,SV2,SV3がバックエンドシステム100Bを構成する。管理ソフトウェア70は、例えば署内PC71又はサーバSV1〜SV3により実行される。
ウェアラブルカメラシステム100の一例として、警察署5において使用される場合を想定して説明する。この場合、警察官7がウェアラブルカメラ10を使用して撮像し、例えば警察署5内のバックエンドシステム100Bに撮像した映像データを転送して蓄積する。なお、ウェアラブルカメラ10は、ユーザが警察官7に限定されず、その他様々な事業所(例えば、警備会社)において使用されてもよい。本実施形態では、ユーザとして警察官7を主に例示する。
フロントエンドシステム100Aは、現場8の最前線に出動する警察官7が装着可能なウェアラブルカメラ10と、パトカー6内に設置された車載システム60と、を含む。
車載システム60は、車載カメラ61、車載レコーダ62、車載PC63、通信ユニット等を有し、車載カメラシステム、映像管理システム等を構成する(図2参照)。
車載カメラ61は、パトカー6の所定位置に設置され、パトカー6の周囲を常時又は所定のタイミングで映像を撮像する撮像部(不図示)を備える。車載カメラ61は、例えばパトカー6の前方を撮像するためのフロント用カメラ(不図示)、パトカー6内のバックシート(例えば容疑者を座らせているシート)を撮像するためのバックシート用カメラ(不図示)と、を含む。車載カメラ61により撮像された映像データは、例えば録画されると、車載レコーダ62にて蓄積される。車載カメラ61は、複数台設けられてもよい。
尚、フロント用カメラやバックシート用カメラには、パトカー6の車内外の音を収音するマイク(不図示)を備え付けられてもよい。この場合、パトカー6内の警察官7又は容疑者の発する音声も収音(録音)可能である。
車載レコーダ62は、車載カメラ61により撮像された映像データを蓄積する。また、車載レコーダ62は、車載カメラ61により撮像された映像データに対して属性情報などのメタ情報を付与し、管理してもよい。
車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取得し、蓄積してもよい。取得され、又は蓄積される映像データには、属性情報などのメタ情報が付与されていてもよい。
車載PC63は、パトカー6内に固定的に搭載されるPCでもよいし、パトカー6外にも携帯可能なPC、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等の無線通信装置であってもよい。
車載PC63は、図示しない管理ソフトウェアを実行することで、車載システム60とウェアラブルカメラ10との連携を可能にする。また、車載PC63のUI(User Interface)(例えば、操作部、表示部、音声出力部)は、車載レコーダ62を操作するためのUIとしても用いられる。
警察官7は、所定の用件(例えばパトロール)で警察署5から出動する際、例えば、ウェアラブルカメラ10を装着し、車載システム60を搭載したパトカー6に乗車して現場8に向かう(図2参照)。
フロントエンドシステム100Aにおいて、例えば、パトカー6が到着した現場8の映像を車載システム60の車載カメラ61により撮像し、警察官7がパトカー6から降車して現場8のより詳細な映像をウェアラブルカメラ10により撮像する。
ウェアラブルカメラ10が撮像した動画又は静止画の映像データは、例えば、ウェアラブルカメラ10のメモリ、車載システム60の車載レコーダ62又は車載PC63のメモリに保存される。
ウェアラブルカメラ10は、ウェアラブルカメラ10のメモリ等から、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを含む各種データを、バックエンドシステム100Bに転送(アップロード)する。
車載システム60(例えば車載レコーダ62)は、車載システム60のメモリ等から、車載カメラ61により撮像された映像データを含む各種データを、バックエンドシステム100Bに転送(アップロード)する。
バックエンドシステム100Bへのデータ転送は、例えば、現場8から無線通信により接続して行うか、或いは、パトロールが終了して警察署5に戻った際に、有線通信、無線通信、又は手動(例えば記憶媒体の持ち運び)により行う。
バックエンドシステム100Bは、警察署5内又は他の場所に設置されたサーバSV1〜SV3と、フロントエンドシステム100Aと通信するための管理ソフトウェア70と、署内PC71と、を含む。
サーバSV1〜SV3は、サーバSV1〜SV3の内部又は外部にHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等によるストレージを備える。サーバSV1〜SV3は、フロントエンドシステム100Aから転送された映像データ及び他のデータを、サーバSV1〜SV3に蓄積する。サーバSV1〜SV3は、例えば、ウェアラブルカメラ10又は車載システム60(例えば車載レコーダ62)から転送された映像データを受信し、HDD等のストレージに保存する。
バックエンドシステム100Bに蓄積された映像データは、例えば警察署5内の関係部署の担当者により事件の操作・検証等に利用され、必要に応じて、所定の記憶媒体(例えばDVD:Digital Versatile Disk)に映像データがコピーされて、所定のシーン(例えば裁判)において証拠品として提出される。本実施形態では、警察官7が装着したウェアラブルカメラ10を用いて、現場8の証拠映像をより的確に取得及び保存することが可能になっている。
警察官7が警察署5から現場8へ出動し、ウェアラブルカメラ10を用いる際には、警察官7の識別情報(例えばOfficer ID)、警察官が使用するウェアラブルカメラ10の識別情報(例えばCamera ID)、警察官7が使用するパトカー6の識別情報(例えばCar ID)等を、署内PC71等を用いて設定登録する。これにより、サーバSV1〜SV3に蓄積された映像データについて、いつ、どの警察官がどのカメラを用いて撮像した映像であるかを明確に区別できる。
警察官7やウェアラブルカメラ10の設定登録は、例えば、警察署5内の担当者や出動する警察官7が署内PC71の操作部(不図示)を操作し、署内PC71が管理ソフトウェア70を実行することで行われる。この設定登録では、上記Officer ID、Camera ID、Car ID以外の情報が署内PC71の操作部を介して入力されてもよい。
つまり、管理ソフトウェア70は、例えば、警察官7の人員を管理するためのアプリケーション、パトカー6等の配車を管理するためのアプリケーション、ウェアラブルカメラ10の持ち出しを管理するためのアプリケーション、を含む。また、管理ソフトウェア70は、例えば、サーバSV1〜SV3に蓄積された複数の映像データから、属性情報に基づいて特定の映像データを検索し、抽出するためのアプリケーションを含む。
また、警察官7がパトカー6へ乗車した際には、車載システム60に対して警察官7がログイン可能である。このログインの際には、例えば、車載PC63の操作部を操作して、警察署5内での設定登録と同様に、Officer ID、Camera ID、その他の情報を入力する。入力されたOfficer ID、Camera ID、その他の情報は、例えば、車載レコーダ62のフラッシュROM104に保持される。
車載システム60に対して警察官7がログインすると、警察官7が車載システム60を使用することが許可される。車載システム60と警察官7が所持するウェアラブルカメラ10との連携も、ログインした後に可能となってもよい。例えば、ウェアラブルカメラ10が撮像した映像データを車載システム60(例えば車載レコーダ62)へ送信して、警察官7が車載PC63により確認でき、車載システム60(例えば車載レコーダ62)がウェアラブルカメラ10へ各種設定を指示できる。
図3は、ウェアラブルカメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。図4は、ウェアラブルカメラ10を警察官7が装着した状態を示す模式図である。図5は、ウェアラブルカメラ10の外観の一例を示す正面図である。図6は、ウェアラブルカメラ10の外観の一例を示す左側面図である。図7は、ウェアラブルカメラ10の外観の一例を示す右側面図である。
図3に示すように、ウェアラブルカメラ10は、撮像部11と、GPIO12(General Purpose Input/Output)と、RAM(Random Access Memory)13と、ROM(Read Only Memory)14と、記憶部15と、を備える。ウェアラブルカメラ10は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)16と、RTC(Real Time Clock)17と、GPS(Global Positioning System)18と、を備える。ウェアラブルカメラ10は、MCU(Micro Controller Unit)19と、通信部21と、USB(Universal Serial Bus)22と、コンタクトターミナル23と、電源部24と、バッテリ25と、を備える。
ウェアラブルカメラ10は、操作部の一例として、録画スイッチSW1と、スナップショットスイッチSW2と、属性情報付与スイッチSW3と、属性選択スイッチSW4と、通信モードスイッチSW5と、インジケータスイッチSW6と、を備える。
ウェアラブルカメラ10は、状態表示部の一例として、LED(Light Emitting Diode)26a,26b,26cと、バイブレータ27と、を備える。
撮像部11は、例えば、撮像レンズ11a(図5参照)と、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等による固体撮像素子と、を有する。撮像部11は、撮像により得られた被写体の映像データをMCU19に出力する。
GPIO12は、パラレルインタフェースであり、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4、通信モードスイッチSW5、インジケータスイッチSW6、LED26a〜26c及びバイブレータ27と、MCU19との間で信号を入出力する。また、GPIO12には、例えば、各種センサ(例えば加速度センサ)が接続される。
RAM13は、例えば、MCU19の動作において使用されるワークメモリである。ROM14は、例えば、MCU19を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶するメモリである。
記憶部15は、例えば、SDメモリ等の記憶媒体により構成され、撮像部11にて撮像して得られた映像データを記憶する。記憶部15としてSDメモリを用いる場合、ウェアラブルカメラ10の筐体本体に対して取付け及び取外しが可能である。
EEPROM16は、例えば、ウェアラブルカメラ10を識別する識別情報(例えばCamera IDとしてのシリアル番号)、及び他の設定情報を記憶する。他の設定情報は、例えば、署内PC71での設定登録や車載レコーダ62へログインすることにより得られるログイン情報(例えばCar ID、Officer ID)、属性選択スイッチSW4の状態と属性情報との対応を示す対応情報、を含む。
RTC17は、現在の時刻情報をカウントしてMCU19に出力する。
GPS18は、現在のウェアラブルカメラ10の位置情報および時刻情報をGPS発信機(不図示)から受信して、MCU19に出力する。時刻情報は、ウェアラブルカメラ10のシステム時刻の補正のために使用される。
MCU19は、制御部としての機能を有し、例えば、ウェアラブルカメラ10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、ウェアラブルカメラ10の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行い、ROM14に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。MCU19は、動作時には、例えば、RAM13を使用し、RTC17より現在の時刻情報を得て、GPS18より現在の位置情報を得る。
通信部21は、例えばOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第1層である物理層において、通信部21とMCU19との接続を規定する。通信部21は、この規定に従って、例えば、無線LAN(W−LAN)による無線通信(例えばWi−fi(登録商標))を行う。通信部21は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を行ってもよい。
USB22は、シリアルバスであり、例えば、車載システム60、又は警察署5内の署内PC71との接続を可能とする。
コンタクトターミナル23は、クレードル(不図示)又は外付けアダプタ(不図示)等と電気的に接続するための端子であり、USB22を介してMCU19に接続され、電源部24と接続される。コンタクトターミナル23を介して、ウェアラブルカメラ10の充電、及び映像データを含むデータの通信が可能となっている。
コンタクトターミナル23には、例えば、「充電端子V+」、「CON.DET端子」、「データ端子D−,D+」及び「グランド端子」(いずれも図示省略)が設けられる。CON.DET端子は、電圧および電圧変化を検出するための端子である。データ端子D−,D+は、例えばUSBコネクタ端子を介して、外部PC等に対してウェアラブルカメラ10で撮像した映像データ等を転送するための端子である。
コンタクトターミナル23とクレードル(不図示)又は外付けアダプタ(不図示)のコネクタとが接続されることにより、ウェアラブルカメラ10と外部機器との間でデータ通信が可能となる。
電源部24は、例えば、コンタクトターミナル23を介してクレードル又は外付けアダプタより供給される電源電力をバッテリ25に給電して、バッテリ25を充電する。バッテリ25は、例えば、充電可能な2次電池により構成され、ウェアラブルカメラ10の各部に電源電力を供給する。
録画スイッチSW1は、例えば、警察官7の押下操作による録画(動画の撮像)の開始/停止の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。
スナップショットスイッチSW2は、例えば、警察官7の押下操作による静止画の撮像の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。
属性情報付与スイッチSW3は、例えば、警察官7の押下操作による、映像データに属性情報を付与するための操作指示を入力する押しボタンスイッチである。
属性選択スイッチSW4は、例えば、映像データに付与する属性(タグ)を選択するための操作指示を入力するスライドスイッチである。
通信モードスイッチSW5は、例えば、ウェアラブルカメラ10と外部機器との間の通信モードを設定するための操作指示を入力するスライドスイッチである。
インジケータスイッチSW6は、例えば、LED26a〜26c及びバイブレータ27による動作状態表示モードを設定するための操作指示を入力するスライドスイッチである。
録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、属性情報付与スイッチSW3、及び属性選択スイッチSW4は、緊急時においても容易に操作が可能に構成される。なお、各スイッチSW1〜SW6は、上記の形態に限定されず、警察官7による操作指示の入力が可能な他の形態の操作入力デバイスでもよい。
LED26aは、例えば、ウェアラブルカメラ10の電源投入状態(オンオフ状態)及びバッテリ25の状態を示す表示部である。
LED26bは、例えば、ウェアラブルカメラ10の撮像動作の状態(録画状態)を示す表示部である。
LED26cは、例えば、ウェアラブルカメラ10の通信モードの状態を示す表示部である。
MCU19は、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4、通信モードスイッチSW5、インジケータスイッチSW6の各スイッチの入力検出を行い、操作があったスイッチ入力に対する処理を行う。
MCU19は、録画スイッチSW1の操作入力を検出した場合、撮像部11における撮像動作の開始又は停止を制御し、撮像部11から得られた撮像データを、動画像の映像データとして記憶部15に保存する。
MCU19は、スナップショットスイッチSW2の操作入力を検出した場合、スナップショットスイッチSW2が操作されたときの撮像部11による撮像データを、静止画の映像データとして記憶部15に保存する。
MCU19は、属性情報付与スイッチSW3の操作入力を検出した場合、予め設定された属性情報を映像データに付与し、映像データと対応付けて記憶部15に保存する。この際、属性選択スイッチSW4の状態と所定の属性情報との対応関係を示す対応情報をEEPROM16に保持しておき、MCU19は、属性選択スイッチSW4の状態を検出し、属性選択スイッチSW4の設定に応じた属性情報を付与する。
MCU19は、通信モードスイッチSW5の状態を検出し、通信モードスイッチSW5の設定に応じた通信モードによって通信部21を動作させる。
MCU19は、録画動作を開始した場合、インジケータスイッチSW6の状態を検出し、インジケータスイッチSW6の設定に応じて、LED表示及び/又はバイブレータ振動によって録画動作の状態を外部に示す報知を行う。
図4に示すように、ウェアラブルカメラ10は、例えば、警察官7の胸部など、警察官7の視点に近い位置からの視野の映像を撮像するように、警察官7が着用した衣服又は体に装着して使用される。警察官7は、ウェアラブルカメラ10を装着した状態で、録画スイッチSW1を操作して周囲の被写体の撮像を行う。
図5に示すように、ウェアラブルカメラ10では、例えば、略直方体状の筐体10Aの正面に、撮像部11の撮像レンズ11a、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2が設けられる。
録画スイッチSW1は、例えば、奇数回押下されることで録画(動画の撮像)が開始され、偶数回押下されることで録画が終了する。
スナップショットスイッチSW2は、例えば、押下される度に、押下時の静止画の撮像が実行される。
図6に示すように、ウェアラブルカメラ10の筐体10Aの正面から見て左側面には、属性情報付与スイッチSW3、属性選択スイッチSW4、USBコネクタ22aが設けられる。警察官7が属性情報付与スイッチSW3を押下操作することにより、現在録画中の映像データ又は直前に録画した映像データに対して、属性選択スイッチSW4の設定状態に応じた属性情報が付与される。
属性選択スイッチSW4は、図示例ではC1,C2,C3の3段階の接点位置を有するスライドスイッチであり、C1〜C3にそれぞれ割り付け設定された属性情報を警察官7が選択して指定する。
USBコネクタ22aには、USB22により外部機器と接続するケーブルが接続される。これにより、ウェアラブルカメラ10と車載システム60又は警察署5内の署内PC71等とを接続し、データ通信可能である。
図7に示すように、ウェアラブルカメラ10の筐体10Aの正面から見て右側面には、通信モードスイッチSW5、インジケータスイッチSW6が設けられる。
通信モードスイッチSW5は、図示例ではAP、STA1、STA2、OFFの4段階の接点位置を有するスライドスイッチであり、ウェアラブルカメラ10の通信モードをユーザが選択して指定する。
APは、アクセスポイントモードであり、ウェアラブルカメラ10が無線LANのアクセスポイントとして動作し、例えば、警察官7が所持する携帯端末(不図示)と無線接続して、ウェアラブルカメラ10と携帯端末との間で通信を行うモードである。
アクセスポイントモードにおいて、携帯端末は、ウェアラブルカメラ10と接続することにより、ウェアラブルカメラ10による現在のライブ映像の表示、録画された映像データの再生、撮像された静止画の表示、映像データに付与された属性情報やメタ情報の表示等を行うことができる。
STA1,STA2は、ステーションモードであり、無線LANを用いて外部機器と接続する場合に、外部機器をアクセスポイントとして通信を行うモードである。STA1は警察署5内のアクセスポイントと接続するモード、STA2は車載システム60と接続するモードであり、それぞれ異なる接続先情報が設定される。
ステーションモードにおいて、ウェアラブルカメラ10は、各種設定、ウェアラブルカメラ10が保持する録画された映像データの転送(アップロード)などを車載システム60や警察署5内の署内PC71やサーバSV1〜SV3に対して行うことができる。
OFFは、無線LANの通信動作をオフし、無線LANを未使用とするモードである。
インジケータスイッチSW6は、図示例ではLED、Vibration、LED&Vibration、OFFの4段階の接点位置を有するスライドスイッチであり、ウェアラブルカメラ10の報知モードを警察官7が選択して指定する。
LEDは、LED26a〜26cによってウェアラブルカメラ10の録画中などの動作状態や後述する録画開始要因を表示するモードである。
Vibrationは、バイブレータ27の振動によってウェアラブルカメラ10の動作状態や後述する録画開始要因を報知するモードである。
LED&Vibrationは、LED26a〜26cの表示とバイブレータ27の振動とによって、ウェアラブルカメラ10の動作状態や後述する録画開始要因を報知するモードである。
OFFは動作状態や後述する録画開始要因の報知動作をオフするモードである。
LED26a〜26cは、図4に示すように、ウェアラブルカメラ10の筐体10Aの正面から見て上面に配置されている。これにより、警察官7がウェアラブルカメラ10を装着した状態でLED26a〜26cを容易に視認できる。尚、警察官7本人以外からはLED26a〜26cが見えないようにしてもよい。
また、図示しないが、ウェアラブルカメラ10の筐体10Aの正面から見て下面には、コンタクトターミナル23が設けられる。
図8は、車載レコーダ62の内部構成の一例を示すブロック図である。車載レコーダ62は、CPU101、無線通信部102、有線通信部103、フラッシュROM104、RAM105、μCON106、GPS107、GPIO108、ボタン109、LED110、及びSSD111を含む構成である。
CPU101は、例えば、車載レコーダ62の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。
無線通信部102は、無線回線を介して外部装置と無線通信する。無線通信は、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth(登録商標)を含む。無線LAN通信は、例えばWi−fi(登録商標)のIEEE802.11n規格に従って通信する。CPU101と無線通信部102との間は、例えば、PCI(Peripheral Component InterConnect)又はUSBを介して接続される。無線通信部102は、例えば、車載カメラ61、車載PC63、ウェアラブルカメラ10、警察署5の署内PC71やサーバSV1〜SV3との間で無線通信する。
有線通信部103は、有線回線(例えば有線LAN)を介して外部装置と有線通信する。有線通信部103は、例えば、車載カメラ61、車載PC63、ウェアラブルカメラ10、警察署5の署内PC71やサーバSV1〜SV3との間で有線通信する。
フラッシュROM104は、例えば、CPU101を制御するためのプログラム及びデータを記憶するメモリである。
RAM105は、例えば、CPU101の動作において使用されるワークメモリである。RAM105は、例えば複数設けられる。
μCON106は、例えば、マイクロコンピュータの一種であり、外部インタフェースに係る各部(例えば、GPS107、GPIO108、ボタン109、LED110)と接続され、外部インタフェースに関する制御を行う。μCON106は、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)を介して、CPU101に接続される。
GPS107は、例えば、現在の車載レコーダ62の位置情報および時刻情報をGPS発信機(不図示)から受信して、CPU101に出力する。この時刻情報は、車載レコーダ62のシステム時刻の補正のために使用される。
GPIO108は、例えば、パラレルインタフェースであり、GPIO108を介して接続される外部装置(不図示)とMCU19との間で、信号を入出力する。GPIO108には、例えば、各種センサ(例えば速度センサ、加速度センサ、扉開閉センサ)が接続される。
ボタン109は、例えば、車載カメラ61により撮像された映像データの録画を開始又は停止するための録画ボタン、車載カメラ61により撮像された映像データに対して属性情報やメタ情報を付与するための付与ボタン、を含む。
LED110は、例えば、車載レコーダ62の電源投入状態(オンオフ状態)、録画の実施状態、車載レコーダ62のLANへの接続状態、車載レコーダ62に接続されたLANの使用状態を、点灯、消灯、点滅等により表示する。
SSD111は、例えば、車載カメラ61により撮像され録画された映像データを蓄積する。SSD111は、ウェアラブルカメラ10により撮像され録画された映像データを蓄積してもよい。また、SSD111は、映像データ以外のデータを蓄積してもよい。SSD111は、SATA(Serial ATA)を介して、CPU101に接続される。SSD111は、複数設けられてもよい。尚、SSD111以外のストレージ(例えばHDD)が設けられてもよい。
図9は、車載PC63の内部構成の一例を示すブロック図である。車載PC63は、CPU201と、I/O(Input/Output)制御部202と、通信部203と、メモリ204と、入力部205と、表示部206と、スピーカ207と、HDD208と、を含む構成である。車載PC63は、例えば、ウェアラブルカメラ10、車載レコーダ62とそれぞれ通信可能であり、バックエンドシステム100Bのサーバ装置SV1〜SV3や署内PC71とも通信可能である。
CPU201は、例えば、車載PC63の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、他の各部との間のデータのI/O制御部202を介した入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。
CPU201は、例えば、表示部206に表示された車載システム60へのログイン画面(不図示)に対する警察官7の入力操作により、警察官7の車載システム60へのログインの可否を認証する。警察官7の入力操作は、例えば、OfficerIDとパスワード等を入力する操作である。ログインが許可される対象となる警察官7に関する各種情報は、例えばメモリ204に予め保存されており、CPU201は、メモリ204に予め保存されているログインの許可対象の情報を用いて、警察官7の車載システム60へのログインの可否を判定する。
尚、このログインは、車載PC63を介した車載システム60へのログインでもよいし、車載PC63に搭載された車載システム60を操作するアプリケーションへのログインでもよい。
I/O制御部202は、CPU201と車載PC63の各部(例えば通信部203、入力部205、表示部206、スピーカ207)との間でデータの入出力に関する制御を行い、CPU201からのデータ及びCPU201へのデータの中継を行う。尚、I/O制御部202は、CPU201と一体的に構成されてもよい。
通信部203は、例えば、車載レコーダ62との間、警察官7が装着可能なウェアラブルカメラ10との間、又はバックエンドシステム100B側との間で、有線又は無線による通信を行う。
通信部203は、警察官7が車載システム60にログイン中である場合、メモリ204に保存されるログイン情報をウェアラブルカメラ10に転送してコピーさせ、警察官7が車載システム60にログインしていない場合、ログイン情報をウェアラブルカメラ10に転送しない。
ログイン情報は、例えば、警察官7を識別するためのOfficer ID、ウェアラブルカメラ10を識別するためのCamera ID、使用されるパトカー6を識別するためのCar IDを含む。
メモリ204は、例えばRAM、ROM、不揮発性又は揮発性の半導体メモリを用いて構成され、CPU201の動作時のワークメモリとして機能し、CPU201を動作させるための所定のプログラム及びデータを保存している。メモリ204は、例えば、車載システム60へのログインが許可される警察官7に関するログイン情報を保存する。
入力部205は、警察官7の入力操作を受け付け、I/O制御部202を介してCPU201に通知するためのUIであり、例えばマウス、キーボード等のポインティングデバイスである。入力部205は、例えば表示部206の画面に対応して配置され、警察官7の指又はスタイラスペンによって操作が可能なタッチパネル又はタッチパッドを用いて構成されても良い。
入力部205は、例えば、車載システム60へログインするためのログイン情報を入力する。
表示部206は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electroluminescence)を用いて構成され、各種情報を表示する。また、表示部206は、例えば警察官7の入力操作に応じて、ウェアラブルカメラ10により撮像(録画)された映像データが入力された場合には、CPU201の指示の下で、映像データに含まれる映像を画面に表示する。
スピーカ207は、例えば警察官7の入力操作に応じて、ウェアラブルカメラ10により撮像(録画)された音声を含む映像データが入力された場合には、CPU201の指示の下で、映像データに含まれる音声を出力する。なお、表示部206及びスピーカ207は、車載PC63とは別々の構成としてもよい。
HDD208は、例えば、各種データ、ソフトウェア(ソフトウェアプログラム)を記憶する。具体的には、HDD208は、例えば、車載レコーダ62の制御や設定を行うためのソフトウェア、ウェアラブルカメラ10の制御や設定を行うためのソフトウェア、を保存する。また、HDD208は、例えば、ウェアラブルカメラ10から転送され、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを保存する。
次に、映像データへの属性情報の付与について説明する。
ウェアラブルカメラシステム100において、ウェアラブルカメラ10により録画し、サーバSV1〜SV3へ転送して蓄積した映像データを利用する場合を想定する。同様に、車載カメラ61により撮像し、車載レコーダ62により録画し、サーバSV1〜SV3へ転送して蓄積した映像データを利用する場合を想定する。
この場合、例えば、署内PC71は、警察署5内の警察官の操作に応じて、蓄積した映像データの中から、映像内容の種別、撮像した警察官7、日時、撮像場所など、映像データに関連する何らかの属性情報を基にして対象の映像データを抽出し、再生できる。この際に、映像データに対応付けられた属性情報が用いられる。映像データに属性情報が付与されることで、何を撮像した映像であるかの判別が容易になり、目的の映像データを抽出することが容易になる。
ここでは、ウェアラブルカメラ10は、属性情報として映像内容の種別を示す分類情報(Classify)を付与し、映像データを各種別に振り分け可能にする。分類情報は、映像データの内容に関する事件カテゴリを示す。映像データに対する属性情報の付与は、タグ付け等とも称する。なお、属性情報としては分類情報に限定されず、録画した映像データに関するあらゆる情報が含まれる。また、属性情報としての分類情報は、例えば、階層構造とされ、又は、分類を異なる複数の系統によってカテゴリ分けされてもよい。
また、上記と同様に、車載レコーダ62は、属性情報として映像内容の種別を示す分類情報(Classify)を付与し、映像データを各種別に振り分け可能にする。
図10は、属性選択スイッチSW4における属性情報の設定の一例を示す模式図である。
ウェアラブルカメラ10を使用する場合、図10に示すように、属性選択スイッチSW4の状態(接点位置)C1〜C3にそれぞれ対応して、属性情報を割り付けて設定しておく。図示例は、警察官7が現場8(例えば事件現場)の様子を撮像する場合を想定し、C1に飲酒運転(Driving Under the Influence)、C2に薬物乱用(Drug Abuse Violations)、C3に窃盗(Stolen Propoerty)をそれぞれ割り付けたものである。
属性情報の割り付けでは、例えば、ウェアラブルカメラ10のMCU19が、複数定義された属性情報の中から、警察官7にとって使用頻度の高い属性情報を選択して設定する。属性情報の設定内容は、例えば、ウェアラブルカメラ10のEEPROM16に設定情報の一つとして記憶される。
尚、車載レコーダ62は、例えば、通信部203が、車載PC63の入力部205により入力された属性情報を取得し、CPU101が、車載カメラ61により撮像された映像データに対して、取得された属性情報を付与する。車載レコーダ62による属性情報の付与では、属性選択スイッチSW4のように接点数が決まっていないので、より多種類の属性情報を付与することが可能である。
図11は、録画データのデータ構造の一例を示す模式図である。録画データは、録画された映像データと、この映像データに対応するメタ情報とを含む。メタ情報については後述するが、メタ情報は属性情報を含む。ウェアラブルカメラ10により撮像され録画された録画データと、車載カメラ61により撮像され、車載レコーダ62により録画された録画データとは、同様の形式である。
次に、録画映像リストのデータ構造について説明する。ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データに係る録画映像リストは、ウェアラブルカメラ10の記憶部15に保持される。車載カメラ61により撮像された映像データに係る録画映像リストは、車載レコーダ62のSSD111に保持される。
図12は、ウェアラブルカメラ10が保持する録画映像リストのデータ構造の一例を示す模式図である。
ウェアラブルカメラ10は、録画中又は録画後に、属性情報付与スイッチSW3の操作入力を検出すると、録画対象の映像データに関連する属性情報を生成し、属性情報を含むメタ情報を記憶部15に記憶する。即ち、記憶部15に記憶される録画データには、映像データとメタ情報とが含まれる。ウェアラブルカメラ10は、サーバSV1〜SV3に映像データを転送する場合、映像データとメタ情報とを含む録画データを転送して蓄積する。尚、映像データとメタ情報とが別々に転送されてもよい。
映像データに関連するメタ情報は、例えば、図12に示すような録画映像リストの形で記憶される。録画映像リストのメタ情報は、映像位置情報(映像時刻情報)、Car ID、Officer ID、事件カテゴリ、録画開始要因、その他、の情報を含む。
映像データとメタ情報とは、映像データIDによって紐付けされる。映像データIDは、録画された映像データを識別するための識別情報である。映像データIDは、例えば、録画開始時、録画中、又は録画終了時に映像データに対して付与される。映像データIDは、例えば、映像データの録画開始時刻、ファイル名、その他のIDを含む。
映像位置情報は、メタ情報が映像データに対して付与された時刻情報であり、つまり、属性情報付与スイッチSW3の操作入力が検出された時刻(属性情報付与時ともいう)の情報である。
Car IDは、個々のパトカー6を識別するための識別情報である。Officer IDは、ウェアラブルカメラ10を使用する警察官7の識別情報である。Car IDとOfficer IDとが設定されることで、どのパトカー6を使用するどの警察官7が、ウェアラブルカメラ10を用いて映像データを録画したかを判別できる。
事件カテゴリは、映像データの種別を識別するための分類情報であり、図10に示した属性情報の設定内容に基づき、属性選択スイッチSW4に従って付与される。
録画開始要因は、映像データの録画が開始された要因を示す。録画開始要因は、例えば、録画スイッチSW1又はスナップショットスイッチSW2の押下検出、ウェアラブルカメラ10が備えるセンサ(図示せず、例えば加速度センサ)、RTC17、又はGPS18の情報に基づく録画開始トリガの検出、車載システム連動、を含む。
車載システム連動は、車載システム60とウェアラブルカメラ10とが連携し、車載レコーダ62からの録画開始指示に応じて、ウェアラブルカメラ10が録画開始したことを示す。
その他の情報は、例えば、GPS情報を含む。GPS情報は、映像データの録画が行われた場所を示す位置情報であり、例えば属性情報付与時の現在位置情報をGPS18から取得して付与する。
上記のウェアラブルカメラ10が付与するメタ情報は、例えば、MCU19の処理によって付与され、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データと関連付けて記憶部15に記憶される。
尚、図12では図示していないが、1つの映像データ、つまり1つの映像データIDに対して、1つ以上のメタ情報が付与されてもよい。例えば、警察官7が飲酒運転の取り締まり中に、薬物乱用の場面に遭遇した場合、映像データの録画を継続したまま属性情報付与スイッチSW3を2回、操作入力することで、ウェアラブルカメラ10は、1つの映像データに対してメタ情報を2つ付与できる。
図13は、車載レコーダ62が保持する録画映像リストのデータ構造の一例を示す模式図である。
車載レコーダ62が保持する録画映像リストについても、映像データに対する属性情報を含むメタ情報を含む。メタ情報の内容は、図12に示したメタ情報の内容と同様である。
ただし、車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10が付与する属性情報よりも多種類の属性情報(事件カテゴリ)を付与可能である。また、車載レコーダ62は、録画開始要因の情報として、属性情報の付与ボタンの押下検出、車載システム60が備えるセンサ(図示せず、例えば、速度センサ、加速度センサ、扉開閉センサ)、RTC17、又はGPS107の情報に基づく録画開始トリガの検出、WCAM連動、を含む。
WCAM連動は、車載システム60とウェアラブルカメラ10とが連携し、ウェアラブルカメラ10からの録画開始指示に応じて、車載レコーダ62の指示により車載カメラ61が録画開始したことを示す。
上記の車載レコーダ62が付与するメタ情報は、例えば、CPU101の処理によって付与され、車載カメラ61により撮像された映像データと関連付けて記憶部15に記憶される。
次に、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードについて説明する。
動作モードは、例えば、各警察署5の運用方針に応じて定められ、署内PC71により管理ソフトウェア70を実行して設定される。動作モードは、Officerモード及びCarモードを含む。
動作モードの設定情報は、署内PC71から車載レコーダ62に転送され、車載レコーダ62のフラッシュROM104等に保持され、署内PC71からウェアラブルカメラ10に転送され、ウェアラブルカメラ10のEEPROM16等に保持される。
Officerモードは、例えば、警察官7と、警察官7が乗車するパトカー6との組み合わせが、出動の度に毎回異なる運用において採用され、署内PC71により設定される。Carモードは、警察官7と、警察官7が乗車するパトカー6とが、出動の度に毎回同じである運用において採用され、署内PC71により設定される。尚、動作モードは、警察署5の運用方針により定められるので、変更される頻度は低い。
Officerモードでは、警察官7とパトカー6との組み合わせが毎回変化するので、Car IDを用いても警察官7を識別することができない。そのため、Officerモードでは、警察官7が警察署5から出動する際の署内PC71による設定登録や車載PC63によるログインにより、少なくともOfficer IDが、ウェアラブルカメラ10のEEPROM16等及び車載レコーダ62のフラッシュROM104等にセットされる。
これにより、車載レコーダ62が保持するOfficer IDとウェアラブルカメラ10が保持するOfficer IDとが照合されることで、警察官7及び警察官7が使用するパトカー6のいずれも識別できる。
尚、同じ警察官7が、出動の度に毎回同じウェアラブルカメラ10を使用する場合には、署内PC71は、最初に一回、ウェアラブルカメラ10の使用者の識別情報(Officer ID)を設定登録すればよい。
Carモードでは、警察官7とパトカー6との組み合わせが変化しないので、Car IDとOfficer IDとが対応し、Car IDを用いて警察官7を識別することができる。そのため、Carモードでは、警察官7が警察署5から出動する際の署内PC71による設定登録や車載PC63によるログインにより、少なくともCar IDが、ウェアラブルカメラ10のEEPROM16等及び車載レコーダ62のフラッシュROM104等にセットされる。
これにより、車載レコーダ62が保持するCar IDとウェアラブルカメラ10が保持するCar IDとが照合されることで、警察官7及び警察官7が使用するパトカー6のいずれも識別できる。
尚、同じ警察官7が、出動の度に毎回同じパトカー6を使用する場合には、署内PC71は、最初に一回、警察官7が使用するパトカー6の識別情報(Car ID)を設定登録すればよい。
次に、ウェアラブルカメラシステム100の動作例について説明する。
図14は、車載レコーダ62により通信相手としての特定のウェアラブルカメラ10を探索する場合の動作例を示すフローチャートである。ここでは、無線LAN通信による通信相手の検出を例示するが、他の方法で通信相手を検出してもよい。
警察官7が出動する際には、パトカー6内に複数の警察官7が乗車し、各警察官7がウェアラブルカメラ10を所持することが想定される。この場合でも、図14の処理により、車載レコーダ62は、複数のウェアラブルカメラ10の中から無線接続の対象となるウェアラブルカメラ10を特定可能である。尚、車載レコーダ62は、検出される1台のウェアラブルカメラ10が、無線接続すべきウェアラブルカメラであるか否かを認証することで、無線接続の対象となる車載レコーダ62を特定してもよい。
まず、無線通信部102は、無線ネットワーク上で、少なくとも1つのウェアラブルカメラ10を検出する(S11)。尚、ウェアラブルカメラ10は、「WCAM」とも記載される。
CPU101は、検出されたウェアラブルカメラ10のうち、例えばSSIDとパスワード(暗号化キー)とを用いて照合し、無線接続可能なウェアラブルカメラ10であるか否かを判定する(S12)。無線接続不可能なウェアラブルカメラ10である場合、S11へ進む。
無線接続可能なウェアラブルカメラ10である場合、CPU101は、例えばフラッシュROM104に保持され、予め設定されたウェアラブルカメラシステム100の動作モードを参照し、Officerモードであるか、Carモードであるか、を判定する(S13)。
S13において、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードがOfficerモードである場合、無線通信部102は、ウェアラブルカメラ10からOfficer IDを取得する(S14)。
CPU101は、フラッシュROM104等に保持されたOfficer IDと、ウェアラブルカメラ10から取得されたOfficer IDと、が一致するか否かを判定する(S15)。両者が一致しない場合、S11に進む。
CPU101は、上記Officer IDが一致する場合、検出されたウェアラブルカメラ10を、通信相手としてのウェアラブルカメラ10として特定する(S16)。そして、無線通信部102は、車載レコーダ62及び特定されたウェアラブルカメラ10との間で、通信リンクを確立する。
S13において、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードがCarモードである場合、無線通信部102は、ウェアラブルカメラ10からCar IDを取得する(S17)。
CPU101は、フラッシュROM104等に保持されたCar IDと、ウェアラブルカメラ10から取得されたCar IDと、が一致するか否かを判定する(S18)。両者が一致しない場合、S11に進む。
CPU101は、上記Car IDが一致する場合、検出されたウェアラブルカメラ10を、通信相手としてのウェアラブルカメラ10として特定する(S19)。そして、無線通信部102は、車載レコーダ62及び特定されたウェアラブルカメラ10との間で、通信リンクを確立する。
尚、S16又はS19において、通信相手が導出されると、CPU101は、図15に示す管理テーブルT1を生成する。
図15は、通信相手(ペア)として導出されたウェアラブルカメラ10に関する情報が保持された管理テーブルT1の一例を示す模式図である。管理テーブルT1は、ウェアラブルカメラ10(WCAM)の識別情報や名称、ウェアラブルカメラ10へアクセスするためのIPアドレス、ウェアラブルカメラ10が通信相手として選択されたか否か(Yes/No)、の情報を保持する。通信相手として選択された場合には「Yes」、通信相手として選択されなかった場合には「No」がセットされる。管理テーブルT1には、S11において検出されたウェアラブルカメラ10の情報が保持される。
管理テーブルT1では、複数のウェアラブルカメラ10(WCAM−1,WCAM−2,WCAM−5,WCAM−8,WCAM−12)のうち、WCAM−2が通信相手としてのウェアラブルカメラ10に特定されたことを例示している(図15、図17参照)。
図14の処理によれば、警察署5の運用に適した識別情報を用いて、通信リンクを確立すべき車載レコーダ62及び特定のウェアラブルカメラ10を探索できる。この場合でも、警察官7と、警察官7が使用するパトカー6と、ウェアラブルカメラ10と、を紐付けできる。
尚、CPU101は、1台のウェアラブルカメラ10が検出された時点で、SSIDとパスワードとを用いた照合により、検出されたウェアラブルカメラ10を通信相手として特定してもよい。つまり、S13以下が省略されてもよい。
図16は、ウェアラブルカメラ10により通信相手としての車載レコーダ62を探索する場合の動作例を示すフローチャートである。ここでは、無線LAN通信による通信相手の検出を例示するが、他の方法で通信相手を検出してもよい。
警察官7が出動する際には、パトカー6内には車載レコーダ62が1台であることが多いので、ウェアラブルカメラ10は、検出される1台の車載レコーダ62が、無線接続すべき車載レコーダ62であるか否かを認証することで、無線接続の対象となる車載レコーダ62を特定可能である。尚、パトカー6内に車載レコーダ62が複数存在する場合や現場8に複数のパトカー6が集合することも想定される。この場合に、ウェアラブルカメラ10は、複数の車載レコーダ62の中から、無線接続の対象となる車載レコーダ62を特定してもよい。
まず、通信部21は、無線ネットワーク上で、車載レコーダ62を検出する(S21)。
MCU19は、検出された車載レコーダ62について、例えばSSIDとパスワード(暗号化キー)とを用いて照合し、無線接続可能な車載レコーダ62であるか否かを判定する(S22)。無線接続不可能な車載レコーダ62である場合、S21に進む。
無線接続可能な車載レコーダ62である場合、MCU19は、例えばEEPROM16に保持され、予め設定されたウェアラブルカメラシステム100の動作モードを参照し、Officerモードであるか、Carモードであるか、を判定する(S23)。
S23において、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードがOfficerモードである場合、通信部21は、車載レコーダ62からOfficer IDを取得する(S24)。
MCU19は、EEPROM16等に保持されたOfficer IDと、車載レコーダ62から取得されたOfficer IDと、が一致するか否かを判定する(S25)。両者が一致しない場合、S21に進む。
MCU19は、上記Officer IDが一致する場合、検出された車載レコーダ62を、通信相手としての車載レコーダ62として特定する(S26)。そして、通信部21は、特定された車載レコーダ62及びウェアラブルカメラ10との間で、通信リンクを確立する。
S23において、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードがCarモードである場合、通信部21は、車載レコーダ62からCar IDを取得する(S27)。
MCU19は、EEPROM16等に保持されたCar IDと、車載レコーダ62から取得されたCar IDと、が一致するか否かを判定する(S28)。両者が一致しない場合、S21に進む。
MCU19は、EEPROM16等に保持されたCar IDと、車載レコーダ62から取得されたCar IDと、が一致する場合、検出された車載レコーダ62を、通信相手としての車載レコーダ62として特定する(S29)。そして、通信部21は、特定された車載レコーダ62及びウェアラブルカメラ10との間で、通信リンクを確立する。
尚、S26又はS29において、通信相手が導出されると、MCU19は、特に図示はしないが、図14に示した管理テーブルT1と同様の管理テーブルを生成する。この管理テーブルは、車載レコーダ62の識別情報や名称、車載レコーダ62へアクセスするためのIPアドレス、車載レコーダ62が通信相手として選択されたか否か(Yes/No)、の情報を保持する。この管理テーブルには、S21において検出されたウェアラブルカメラ10の情報が保持される。
図16の処理によれば、警察署5の運用に適した識別情報を用いて、通信リンクを確立すべき特定の車載レコーダ62及びウェアラブルカメラ10を探索できる。この場合でも、警察官7と、警察官7が使用するパトカー6と、ウェアラブルカメラ10と、を紐付けできる。
尚、MCU19は、1台の車載レコーダ62が検出された時点で、SSIDとパスワードとを用いた照合により、検出された車載レコーダ62を通信相手として特定してもよい。つまり、S23以下が省略されてもよい。
図17は、ウェアラブルカメラ10が車載システム連動により録画開始する場合のウェアラブルカメラシステム100の動作例を示すシーケンス図である。
尚、図17では、車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10とが無線LANにより無線接続されることを例示するが、他の方法により無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。
車載レコーダ62では、CPU101が、録画開始トリガを検出すると、車載カメラ61により撮像された映像データの録画を開始し、SSD111への映像データの記憶を開始させる(S31)。
車載レコーダ62の録画開始トリガは、例えば、ボタン109の押下検出、CPU101によるパトカー6のパトランプの点灯鳴動開始の検出、速度センサによるパトカー6の走行速度が所定速度(例えば100km/h)以上であることの検出、加速度センサによる衝撃の検出(つまり所定閾値以上の加速度の変化の検出)、無線通信部102によるウェアラブルカメラ10との通信が不能な通信圏外であることの検出、を含む。
CPU101は、映像データの録画を開始すると、前述した通信相手の探索処理の結果を示す管理テーブルT1を参照し、通信相手としてのウェアラブルカメラ10の情報を取得する(S32)。取得されるウェアラブルカメラ10の情報は、管理テーブルT1に保持されたウェアラブルカメラ10の情報の少なくとも一部を含む。
無線通信部102は、情報が取得されたウェアラブルカメラ10、つまり特定のウェアラブルカメラ10(例えばWCAM−2)へ、録画を開始した旨を含む録画開始メッセージ(例えば「REC START」のメッセージ)を通知する(S33)。
特定のウェアラブルカメラ10(例えばWCAM−2)では、通信部21は、車載レコーダ62から録画開始メッセージを受信すると、MCU19は、撮像部11により撮像された映像データの録画を開始し、記憶部15への映像データの記憶を開始させる(S34)。
このように、車載レコーダ62の録画開始と連携して特定のウェアラブルカメラ10の録画を開始する。これにより、例えば、警察官7が緊急対応のために特定のウェアラブルカメラ10の録画スイッチSW1又はスナップショットスイッチSW2による録画開始操作を失念した場合でも、現場8の映像データを記録し、後のタイミングにおいて確認できる。
尚、車載レコーダ62は、例えば、通信相手となる特定のウェアラブルカメラ10が導出された際に、車載レコーダ62と特定のウェアラブルカメラ10との距離が長く、無線LANによる通信圏外である場合、録画開始メッセージを無線接続の復帰後に送信してもよい。
また、特定のウェアラブルカメラ10は、録画開始メッセージを受信した後に直ぐに録画開始しなくてもよい。例えば、特定のウェアラブルカメラ10は、パトカー6の走行中に録画開始メッセージを受信した時点では録画開始せず、パトカー6を離れて車載レコーダ62との無線接続が切断されたことを検出した際に、録画開始してもよい。これにより、録画された映像データを蓄積する記憶部15のリソースを効率良く使用できる。
図18は、車載レコーダ62がWCAM連動により録画開始する場合のウェアラブルカメラシステム100の動作例を示すシーケンス図である。
尚、図18では、車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10とが無線LANにより無線接続されることを例示するが、他の方法により無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。
ウェアラブルカメラ10では、MCU19が、録画開始トリガを検出すると、撮像部11により撮像された映像データの録画を開始し、記憶部15への映像データの記憶を開始させる(S41)。
ウェアラブルカメラ10の録画開始トリガは、例えば、MCU19による録画スイッチSW1又はスナップショットスイッチSW2の押下検出、通信部21による車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10との無線接続が切断されたことの検出、加速度センサによる衝撃の検出(つまり所定閾値以上の加速度の変化の検出)、GPS18による警察官7が所定のエリアに所在することの検出、GPS18による警察官7が走り出したことの検出、を含む。この加速度センサによる衝撃の検出は、例えば、警察官7が走り出したこと、転倒したことの検出を含む。
MCU19は、映像データの録画を開始すると、前述した通信相手の探索処理の結果を示す管理テーブル(不図示)を参照し、通信相手としての車載レコーダ62の情報を取得する(S42)。取得される車載レコーダ62の情報は、不図示の管理テーブルに保持された車載レコーダ62の情報の少なくとも一部を含む。
通信部21は、情報が取得された車載レコーダ62、つまり特定の車載レコーダ62へ、録画を開始した旨を含む録画開始メッセージ(例えば「REC START」のメッセージ)を通知する(S43)。
特定の車載レコーダ62では、無線通信部102は、ウェアラブルカメラ10から録画開始メッセージを受信すると、CPU101は、車載カメラ61により撮像された映像データの録画を開始し、SSD111への映像データの記憶を開始させる(S44)。
このように、ウェアラブルカメラ10の録画開始と連携して特定の車載レコーダ62の録画を開始する。これにより、例えば、警察官7がパトカー6内でボタン109による録画開始操作を失念した場合でも、現場8の映像データを記録し、後のタイミングにおいて確認できる。
このように、本実施形態では、録画開始のために連携する通信相手を、例えば、警察署5の運用に応じて、パトカー6やウェアラブルカメラ10の使用の仕方に応じて、少ない情報(例えばOfficer ID又はCar ID)で導出できる。従って、通信相手を導出するための手間及び時間を低減できる。
また、ウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して録画開始するので、ウェアラブルカメラ10及び車載レコーダ62のいずれか一方において録画開始がされなかった場合でも、ウェアラブルカメラ10及び車載レコーダ62のいずれか他方からの録画開始メッセージに応じて、録画開始できる。
従って、例えば警察官7が緊急対応のため急いでおり、ウェアラブルカメラ10の録画スイッチSW1の操作入力を失念した場合又は入力できない状態であった場合でも、車載レコーダ62において録画開始トリガが発生した場合にはウェアラブルカメラ10での録画も開始できる。
このように、ウェアラブルカメラシステム100によれば、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上できる。更に、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
以上のように、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100は、ユーザが装着可能なウェアラブルカメラ10と、ユーザが乗車する車両に搭載された車載レコーダ62と、車両に搭載された車載カメラ61と、を備える。車載カメラ61は、映像を撮像する第1の撮像部を備える。車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードに基づいて、複数のウェアラブルカメラ10から、映像データの録画を連携するための通信相手としての特定のウェアラブルカメラ10を導出する第1の導出部と、特定のウェアラブルカメラ10との間で通信する第1の通信部と、車載カメラ61により撮像された第1の映像データを録画する第1の録画部と、を備える。ウェアラブルカメラ10は、映像を撮像する第2の撮像部と、通信相手としての車載レコーダとの間で通信する第2の通信部と、第2の撮像部により撮像された第2の映像データを録画する第2の録画部と、を備える。
第1の導出部は、例えばCPU101である。第1の通信部は、例えば無線通信部102又は有線通信部103である。第1の録画部は、例えばCPU101である。第2の撮像部は、例えば撮像部11である。第2の通信部は、例えば通信部21である。第2の録画部は、例えばMCU19である。ユーザは、例えば警察官7である。車両は、例えばパトカー6である。
これにより、ウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して映像データを録画するための通信相手を、動作モード(例えばウェアラブルカメラシステム100の運用基準)に応じて選定できる。従って、特定のウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して録画開始できるので、ウェアラブルカメラ10及び車載レコーダ62のいずれか一方がいずれか他方の動作を補助し、両装置での映像データの記録の確実性を向上できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上でき、映像データの録画漏れを低減できる。また、例えば、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、動作モードとして、ユーザの識別情報が車載レコーダ62に保持される第1の動作モードが設定されている場合、車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10からユーザの識別情報を受信してもよい。また、車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10から受信されたユーザの識別情報と、車載レコーダ62に保持されたユーザの識別情報と、が一致する場合、一致するユーザの識別情報を保持するウェアラブルカメラを、特定のウェアラブルカメラ10として導出してもよい。
第1の動作モードは、例えばOfficerモードである。ユーザの識別情報は、例えばOfficer IDである。
例えば、ユーザと車両との組み合わせが頻繁に変更される運用(第1の動作モード)では、ウェアラブルカメラ10にユーザを識別するための情報が少なくとも格納される。この場合でも、ユーザの識別情報を用いて車両とウェアラブルカメラ10とを使用するユーザの一致を確認でき、ユーザが使用する車両に搭載された車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10とを紐付けて通信相手とすることができる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、動作モードとして、車両の識別情報が車載レコーダ62に保持される第2の動作モードが設定されている場合、車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10から車両の識別情報を受信してもよい。また、車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10から受信された車両の識別情報と、車載レコーダ62に保持された車両の識別情報と、が一致する場合、一致する車両の識別情報を保持するウェアラブルカメラ10を、特定のウェアラブルカメラ10として導出してもよい。
第2の動作モードは、例えばCarモードである。車両の識別情報は、例えばCar IDである。
例えば、ユーザと車両との組み合わせがあまり変更されない運用(第2の動作モード)では、ウェアラブルカメラ10に車両を識別するための情報が少なくとも格納される。この場合でも、車両の識別情報を用いて車両とウェアラブルカメラ10とを使用するユーザの一致を確認でき、ユーザが使用する車両に搭載された車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10とを紐付けて通信相手とすることができる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、車載レコーダ62が、第1の映像データの録画を開始し、録画を開始した旨を含む録画開始情報を、特定のウェアラブルカメラ10へ送信してもよい。特定のウェアラブルカメラ10は、録画開始情報を受信した後に、第2の映像データの録画を開始してもよい。
これにより、特定のウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して録画開始できるので、ウェアラブルカメラ10及び車載レコーダ62のいずれか一方がいずれか他方の動作を補助し、両装置での映像データの記録の確実性を向上できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上でき、映像データの録画漏れを低減できる。また、例えば、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステム100は、ユーザが装着可能なウェアラブルカメラ10と、ユーザが乗車する車両に搭載される車載レコーダ62と、車両に搭載された車載カメラ61と、を備える。車載カメラ61は、映像を撮像する第1の撮像部を備える。車載レコーダ62は、ウェアラブルカメラ10との間で通信する第1の通信部と、車載カメラ61により撮像された映像データを録画する第1の録画部と、を備える。ウェアラブルカメラ10は、映像を撮像する第2の撮像部と、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードに基づいて、複数の車載レコーダ62から、映像データの録画を連携するための通信相手としての特定の車載レコーダ62を導出する第2の導出部と、特定の車載レコーダ62との間で通信する第2の通信部と、第2の撮像部により撮像された映像データを録画する第2の録画部と、を備える。第2の導出部は、例えばMCU19である。
これにより、ウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して映像データを録画するための通信相手を、動作モード(例えばウェアラブルカメラシステム100の運用基準)に応じて選定できる。従って、ウェアラブルカメラ10と特定の車載レコーダ62とが連携して録画開始できるので、ウェアラブルカメラ10及び特定の車載レコーダ62のいずれか一方がいずれか他方の動作を補助し、両装置での映像データの記録の確実性を向上できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上でき、映像データの録画漏れを低減できる。また、例えば、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、動作モードとして、ユーザの識別情報がウェアラブルカメラ10に保持される第3の動作モードが設定されている場合、ウェアラブルカメラ10は、車載レコーダ62からユーザの識別情報を受信し、車載レコーダ62から受信されたユーザの識別情報と、ウェアラブルカメラ10に保持されたユーザの識別情報と、が一致する場合、一致するユーザの識別情報を保持する車載レコーダ62を、特定の車載レコーダ62として導出してもよい。第3の動作モードは、例えばOfficerモードである。
これにより、例えば、ユーザと車両との組み合わせが頻繁に変更される運用(第3の動作モード)では、ウェアラブルカメラ10にユーザを識別するための情報が少なくとも格納される。この場合でも、ユーザの識別情報を用いて車両とウェアラブルカメラ10とを使用するユーザの一致を確認でき、ユーザが使用する車両に搭載された車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10とを紐付けて通信相手とすることができる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、動作モードとして、車両の識別情報がウェアラブルカメラ10に保持される第4の動作モードが設定されている場合、ウェアラブルカメラ10は、車載レコーダ62から車両の識別情報を受信してもよい。車載レコーダ62から受信された車両の識別情報と、ウェアラブルカメラ10に保持された車両の識別情報と、が一致する場合、一致する車両の識別情報を保持する車載レコーダ62を、特定の車載レコーダ62として導出してもよい。第4の動作モードは、例えばCarモードである。
例えば、ユーザと車両との組み合わせがあまり変更されない運用(第4の動作モード)では、ウェアラブルカメラ10に車両を識別するための情報が少なくとも格納される。この場合でも、車両の識別情報を用いて車両とウェアラブルカメラ10とを使用するユーザの一致を確認でき、ユーザが使用する車両に搭載された車載レコーダ62とウェアラブルカメラ10とを紐付けて通信相手とすることができる。
また、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10が、第2の映像データの録画を開始し、録画を開始した旨を含む録画開始情報を、特定の車載レコーダ62へ送信してもよい。特定の車載レコーダ62は、録画開始情報を受信した後に、第1の映像データの録画を開始してもよい。
これにより、ウェアラブルカメラ10と特定の車載レコーダ62とが連携して録画開始できるので、ウェアラブルカメラ10及び特定の車載レコーダ62のいずれか一方がいずれか他方の動作を補助し、両装置での映像データの記録の確実性を向上できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上でき、映像データの録画漏れを低減できる。また、例えば、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
また、本実施形態の録画制御方法は、ユーザが装着可能なウェアラブルカメラ10と、ユーザが乗車する車両に搭載された車載レコーダ62と、車両に搭載された車載カメラ61と、を備えるウェアラブルカメラシステム100における方法である。この録画制御方法は、車載カメラ61により映像を撮像するステップと、ウェアラブルカメラ10により映像を撮像するステップと、車載レコーダ62により、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードに基づいて、複数のウェアラブルカメラ10から、映像データの録画を連携するための通信相手としての特定のウェアラブルカメラ10を導出するステップと、車載レコーダ62により、車載カメラ61により撮像された第1の映像データの録画を開始するステップと、車載レコーダ62により、録画を開始した旨を含む録画開始情報を、特定のウェアラブルカメラ10へ送信するステップと、特定のウェアラブルカメラ10により、録画開始情報を受信した後に、特定のウェアラブルカメラ10により撮像された第2の映像データの録画を開始するステップと、を備える。
これにより、ウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して映像データを録画するための通信相手を、動作モード(例えばウェアラブルカメラシステム100の運用基準)に応じて選定できる。従って、特定のウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して録画開始できるので、ウェアラブルカメラ10及び車載レコーダ62のいずれか一方がいずれか他方の動作を補助し、両装置での映像データの記録の確実性を向上できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上でき、映像データの録画漏れを低減できる。また、例えば、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
また、本実施形態の録画制御方法は、ユーザが装着可能なウェアラブルカメラと、前記ユーザが乗車する車両に搭載された車載レコーダ62と、車両に搭載された車載カメラ61と、を備えるウェアラブルカメラシステムにおける方法である。この録画制御方法は、車載カメラ61により映像を撮像するステップと、ウェアラブルカメラ10により映像を撮像する撮像ステップと、ウェアラブルカメラ10により、ウェアラブルカメラシステム100の動作モードに基づいて、複数の車載レコーダ62から、映像データの録画を連携するための通信相手としての特定の車載レコーダ62を導出するステップと、ウェアラブルカメラ10により、ウェアラブルカメラ10により撮像された第2の映像データの録画を開始するステップと、ウェアラブルカメラ10により、録画を開始した旨を含む録画開始情報を、特定の車載レコーダ62へ送信するステップと、特定の車載レコーダ62により、録画開始情報を受信した後に、車載カメラ61により撮像された第1の映像データの録画を開始するステップと、を備える。
これにより、ウェアラブルカメラ10と車載レコーダ62とが連携して映像データを録画するための通信相手を、動作モード(例えばウェアラブルカメラシステム100の運用基準)に応じて選定できる。従って、ウェアラブルカメラ10と特定の車載レコーダ62とが連携して録画開始できるので、ウェアラブルカメラ10及び特定の車載レコーダ62のいずれか一方がいずれか他方の動作を補助し、両装置での映像データの記録の確実性を向上できる。従って、ウェアラブルカメラシステム100は、ウェアラブルカメラ10により撮像された映像データを取扱う際の利便性を向上でき、映像データの録画漏れを低減できる。また、例えば、映像データに特定の期間の抜けが発生することを抑制でき、現場8の監視性能や映像データの証拠性能を向上できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。