JP2016125971A - 原子炉炉心及び燃料集合体装荷方法 - Google Patents

原子炉炉心及び燃料集合体装荷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運転サイクル末期まで炉心の反応度を維持しつつ、燃料交換期間の短縮化が可能な原子炉炉心を提供する。【解決手段】原子炉炉心2は、(全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)をMとしたとき、NはN≦Mを満たす最大の自然数であり、炉心2の最外周に配される燃料集合体20の外接円の半径をRとしたとき、外接円と同心円状で且つ、半径を略(R−45cm)とする境界領域30を設定し、境界領域30は内側炉心領域と外側炉心領域とを画定する。外側炉心領域31に配される燃料集合体20は、炉内滞在期間が第N+2サイクル目以上の燃料集合体を少なくとも1体以上含み、且つ、(第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数)が0.6以下の関係を満たす。【選択図】 図1

Description

本発明は、軽水炉の炉心に係り、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な原子炉炉心及び燃料集合体装荷方法に関する。
沸騰水型原子炉の炉心は、十字型制御棒とそれを囲む4体の燃料集合体を単位格子とし、この単位格子を多数配列して構成される。炉心に装荷されている燃料集合体は、一般に、すべてが新しい燃料集合体(装荷時の燃焼度が0GWd/t)で構成されている訳ではなく、炉内滞在期間の異なる複数の燃料集合体で構成されている。
原子力発電プラントは、連続運転期間(運転サイクル)が終了すると、原子炉を停止し、定期点検期間に入る。定期点検期間では、各種機器や設備の点検が実施される。また、燃料交換と呼ばれる、炉心中での滞在期間が長くなった、古い燃料集合体を取り出し、新燃料集合体を装荷する作業も実施される。燃料交換では、炉心が所定の性能を発揮できるよう、炉心外に取り出さない燃料集合体についても、炉心内位置を移動させる。このように燃料交換では、ほとんど全ての燃料集合体を移動させる必要があり、その作業に多くの時間を要する。燃料交換作業は定期点検期間のクリティカルパスであるため、燃料交換作業を合理化し、作業時間を短縮できれば、原子力発電プラントの稼働率、すなわち全期間に対する稼働期間の比を向上させることができ、原子力発電プラントの経済性に寄与する。
燃料交換期間を短縮する方法として、例えば、特許文献1に記載れる方法が提案されている。特許文献1では、原子炉の炉心中央に配される燃料集合体より炉心の外周側に向かう直線上及びそれに平行な直線上に、それぞれ同一の炉内滞在期間の燃料集合体を配し、原子炉の外周部にて若い燃料集合体と古い燃料集合体とが混在する炉心構成とすることで、運転サイクル間の燃料交換時には一部の燃料集合体は移動させないという燃料装荷方法を開示している。
特開平11−94973号公報
原子力発電プラントの稼働率、すなわち全期間に対する稼働期間の比を向上させるための方策として、定期点検期間の短縮の他に、運転サイクルの長期化がある。運転サイクルを長期化した炉心では、あらかじめ比較的多くの新燃料集合体を装荷しておき、運転サイクル末期においても、十分な核的反応度により炉心を臨界に維持できるようにしなくてはならない。すなわち、運転サイクルを長期化すると、炉心中の新燃料集合体と全燃料集合体の体数比(バッチ数)は比較的小さくなる。ここで、バッチ数(M)は、(全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)である。
ここで、図11及び図12に、特許文献1に開示される燃料集合体装荷方法を用いた炉心における燃料集合体の配置例を示す。図11及び図12では炉心の水平断面のうち4分の1部分断面を示している。炉心水平断面全体では、400体の燃料集合体と、97本の制御棒(図示せず)とで構成される炉心を示している。燃料集合体に付されている番号は、炉内滞在サイクル数を表しており、番号1のものは、第1サイクル目燃料集合体(新燃料集合体)、番号2のものは、第2サイクル目燃料集合体であることを示す。番号3のものも同様である。炉心の全燃料集合体数は400体であり、そのうち、新燃料集合体である第1サイクル目燃料集合体は156体、第2サイクル目燃料集合体は156体、第3サイクル目燃料集合体は88体である。(全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)で規定されるバッチ数Mは2.6である。
図11を第iサイクル目の炉心構成とすると、図12は第i+1サイクル目の炉心構成であり、炉心構成は運転サイクルが進むに従って、図11→図12→図11→図12→…の繰り返しとなる。図11に示す炉心構成から図12に示す炉心構成へ燃料交換する際の、燃料移動は、
1)第3サイクル目燃料集合体の全て(88体)を炉外に取り出す。(88ステップ)
2)第2サイクル目燃料集合体(156体)のうち、88体を第3サイクル目燃料集合体があった位置に移動させ、それ以外の68体の第2サイクル目燃料集合体は炉外に取り出す。(156ステップ)
3)第1サイクル目燃料集合体は移動させずそのまま第2サイクル目燃料集合体となる。(0ステップ)
4) 最後に、第2サイクル目燃料集合体があった位置に新燃料集合体(156体)を装荷する。(156ステップ)
以上により、燃料交換作業にかかる燃料交換のステップ数は400ステップである。
一方、図11、図12に示す炉心構成とせず、毎回同一の炉心構成とした場合、156体の燃料集合体を取り出し(156ステップ)、それ以外の244体の燃料集合体を移動させ(244ステップ)、新燃料集合体156体を新たに炉心に装荷する(156ステップ)ため、燃料交換のステップ数は556ステップとなる。
従って、燃料交換時に炉心構成を変更しない方式と比較し、特許文献1に記載の方法によれば、燃料交換のステップ数を約28%削減できる。
しかしながら、炉心のバッチ数Mが小さくなると、燃料交換の際に燃料移動しなければならない燃料集合体体数が増加し、仮に、特許文献1のような炉心構成にしたとしても、燃料交換期間の短縮の効果は小さくなる。
例えば、全燃料集合体が400体で、第1サイクル目燃料集合体が133体、第2サイクル目燃料集合体が133体、第3サイクル目燃料集合体が133体、第4サイクル目燃料集合体が1体のバッチ数Mが約3である炉心において、特許文献1に記載の方法による燃料交換ステップ数は、267ステップである。これに対し、上述の通り、バッチ数Mが3未満の炉心では、燃料交換ステップ数が400ステップとなり、燃料交換期間短縮の効果は小さい。
このように、特許文献1に記載される方法では、燃料交換期間短縮の効果に限界があり、特に、バッチ数Mが3未満の炉心において、燃料交換ステップ数を、炉心に装荷された燃料集合体体数(例えば400体)と同じステップ数(例えば400ステップ)以下にはできない。
そこで本発明は、運転サイクル末期まで炉心の反応度を維持しつつ、燃料交換期間の短縮化が可能な原子炉炉心及び燃料集合体装荷方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の原子炉炉心は、(全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)をMとしたとき、NはN≦Mを満たす最大の自然数であり、前記炉心の最外周に配される燃料集合体の外接円の半径をRとしたとき、前記外接円と同心円状で且つ、半径を略(R−45cm)とする境界領域を設定し、前記境界領域は内側炉心領域と外側炉心領域とを画定するものであり、前記外側炉心領域に配される燃料集合体は、炉内滞在期間が第N+2サイクル目以上の燃料集合体を少なくとも1体以上含み、且つ、(第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数)が0.6以下の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明の原子炉の燃料集合体装荷方法は、(全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)をMとしたとき、NはN≦Mを満たす最大の自然数であり、前記炉心の最外周に配される燃料集合体の外接円の半径をRとしたとき、前記外接円と同心円状で且つ、半径を略(R−45cm)とする境界領域を設定し、前記境界領域は内側炉心領域と外側炉心領域とを画定するものであり、前記外側炉心領域に配される燃料集合体は、炉内滞在期間が第N+2サイクル目以上の燃料集合体を少なくとも1体以上含み、且つ、(第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数)が0.6以下の関係を満たす原子炉炉心への燃料装荷方法であって、所定期間原子炉を運転した後、次の運転サイクルに移行する前に、前記外側炉心領域に配される燃料集合体のうち、第N+2サイクル目の燃料集合体を前記原子炉外に取り出し、前記外側炉心領域に配される燃料集合体のうち、第N+1サイクル目の燃料集合体は移動することなく、同一位置に配することを特徴とする。
本発明によれば、運転サイクル末期まで炉心の反応度を維持しつつ、燃料交換期間の短縮化が可能な原子炉炉心及び燃料集合体装荷方法を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図である。 図1に示す炉心を有する自然循環型沸騰水型原子炉の概略全体構成図である。 図1に示す炉心に装荷される燃料集合体の縦断面図である。 炉心の水平断面であり、外側炉心領域及び内側炉心領域の関係を示す図である。 図4に示す外側炉心領域に配される、第N+1サイクル目以上の燃料集合体数に対する第N+2サイクル目以上の燃料集合体の割合と、運転サイクル末期における炉心反応度の関係を示す図である。 本発明の一実施例に係る実施例1による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。 従来の沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図である。 従来の沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。
図2は、本発明に係る炉心が適用される自然循環型沸騰水型原子炉の概略全体構成図である。以下では、自然循環型沸騰水型原子炉を例に説明するが、これに限らず、BWR(Boilling Water Reactor)あるいは、ABWR(Advanced Boilling Water Reacor)にも同様に適用できるものである。
図2に示すように、自然循環型沸騰水型原子炉は、原子炉圧力容器1内に、下方より、制御棒駆動機構8、炉心2、チムニ3、自由空間(気水分離空間)5、簡易蒸気乾燥器6、及び炉心2の周囲を覆い原子炉圧力容器1の底部側へと延在する炉心シュラウド4を備える。炉心2には、後述する複数体の燃料集合体が装荷されている。給水配管10から原子炉圧力容器1内に給水された冷却水は、原子炉圧力容器1の内壁面と炉心シュラウド4との間に形成されるダウンカマ7内を下降し、下方から炉心2に流入する。冷却水は、炉心2を通流する際、熱エネルギーを得て温度上昇し、その一部は沸騰して蒸気となり気液二相流となる。炉心2の上部に設置されるチムニ3は、気液二相流を整流する機能を有する。ここで、チムニ3は、炉心2の上方に延伸する複数の円筒部材にて構成され、例えば、ステンレス鋼にて形成される。また、チムニ3は原子炉圧力容器1の軸方向上方へ通流する気液二相の蒸気と水との密度差により自然循環力を得る。
チムニ3を通流後の気液二相流のうち液相である冷却水は、再循環水として、再びダウンカマ7へと流れ、給水配管10より原子炉圧力容器1内に流入する冷却水と混合される。一方、チムニ3を通流後の気液二相流のうち湿分を多く含む蒸気は、チムニ3の上端部と簡易蒸気乾燥器6との間に形成される自由空間(気水分離空間)5内を、簡易蒸気乾燥器6へと向かい上昇する。湿分を多く含む蒸気は、自由空間5内を上昇する間に、重力により気水分離され、分離後の冷却水は流下し、再びダウンカマ7内を通流する。また、気水分離後の蒸気は、簡易蒸気乾燥器6へ導かれ湿分が除去される。その後、蒸気は主蒸気配管9を介して原子炉圧力容器1外のタービン(図示せず)へ送られる。蒸気のもつエネルギーはタービンの回転駆動に供され、タービンに接続された発電機(図示せず)により発電される。エネルギーを失った蒸気は、復水器(図示せず)にて凝縮され水に戻る。その後、給水加熱器(図示せず)により加熱され、給水配管10を介して、再び原子炉圧力容器1内へ給水される。
図2に示すように自然循環型沸騰水型原子炉は、給水される冷却水と再循環水をダウンカマ7から炉心2へ送水する際、再循環ポンプを使用することなく、炉心シュラウド4の内外での密度差により生じる自然循環力のみにより冷却水を原子炉圧力容器1内で循環させる。また、炉心2で加熱され沸騰した蒸気を水と分離するため、簡易蒸気乾燥器6とは別に、自由空間(気水分離空間)5内で、蒸気と冷却水それぞれに作用する重力の差分のみにより分離する、重力気水分離と呼ばれる現象を用いる。自由空間5内を上昇する蒸気及び冷却水の速度が速いと、十分な重力気水分離効果を得ることが困難となる。そのため、自然循環型沸騰水型原子炉では、従来の沸騰水型原子炉よりも、炉心2の出力密度を低下させ、発生する蒸気と水の速度を低下させている。
図3は、炉心2に装荷される燃料集合体の縦断面図である。燃料集合体20は、二酸化ウランを含む複数の燃料ペレットを封入した複数の燃料棒21、燃料棒21の上端部を支持する上部タイプレート24、燃料棒21の下端部を支持する下部タイプレート23、燃料棒21間の間隔を保持する複数の燃料スペーサ26、ウォーターロッド22、及び、これらを覆う四角筒状のチャンネルボックス25を有する。チャンネルボックス25は、上端部が上部タイプレート24に取り付けられ、下部タイプレート23へ向かい延伸し、複数の燃料スペーサ26によって束ねられた複数の燃料棒21を取り囲んでいる。燃料棒21の中には、核分裂性物質を含む燃料ペレットが装填された領域の長さ(燃料有効長)が他の燃料棒21に比べて短い、部分長燃料棒が含まれる。全長燃料棒21の燃料有効長は、例えば約2mである。また、燃料棒21の中には、燃料ペレット内に可燃性毒物であるガドリニアを含有した可燃性毒物含有燃料棒がある。これら燃料棒21は、燃料集合体20の水平断面において、例えば、10行10列に、正方格子状に配置されている。その水平断面の中央部には、ウォーターロッド22が2本配置されている。ウォーターロッド22は太径ウォーターロッドであり、少なくとも2本の燃料棒21が配置可能な領域を占有する横断面積を有する。なお、チャンネルボックス25の一つの側面の長手方向(軸方向)に直交する幅は約15cmであり、燃料棒21の外径は約1.0cmであり、ウォーターロッド22の外径は約2.5cmである。各燃料棒21内に充填される燃料ペレットは、核燃料物質である二酸化ウランを用いて製造され、核分裂性物質であるウラン−235を含んでいる。
燃料集合体20は、自然循環型沸騰水型原子炉の炉心2に装荷されたとき、四角筒状のチャンネルボックス25の4つの側面が、隣り合う燃料集合体20のチャンネルボックス25の側面とそれぞれ所定の間隔にて離間し、向かい合うよう正方格子状に配置される。相互に隣接し、対向配置される燃料集合体20間には、所定の間隔にて間隙が形成され、横断面が十字形状である制御棒(図示せず)が、この間隙に挿入あるいは、この間隙より引き抜き可能に配設される。燃料集合体20は、自然循環型沸騰水型原子炉の炉心2に装荷されたとき、四角筒状のチャンネルボックス25の四隅(4つのコーナー)のうちの一つが制御棒の十字形状の交差部分と向かい合うように配置される。チャンネルボックス25は、チャンネルファスナ(図示せず)によって上部タイプレート24に取り付けられる。チャンネルファスナは、燃料集合体20が炉心2に装荷されたとき、制御棒が燃料集合体20間に挿入できるよう、燃料集合体20の相互間に、上記所定の間隔に相当する間隙を保持する機能を有する。
図4は、炉心の水平断面であり、外側炉心領域及び内側炉心領域の関係を示す図である。炉心2の略円形の水平断面において、最外周燃料集合体に外接する、外接円の中心(炉心中心)を原点Oとし、燃料集合体20が炉心2の外周側へと並ぶ方向に沿って直交する2つの座標軸(座標軸X、座標軸Y)を設定した座標系のうちの第2象限(すなわち、4分の1)のみ示している。炉心2の外周部に配置された燃料集合体20は、中性子が外に漏れるため、核分裂反応が起こりにくく出力が小さくなる。自然循環型沸騰水型原子炉における中性子の平均自由行程は約15cmであるから、この出力が小さくなる燃料集合体20は、平均自由行程の3倍、すなわち上記外接円の外周から約45cm以内の範囲に位置する燃料集合体20である。本願発明者は、この点に着目し、炉心2の最外周に配される燃料集合体20(最外周燃料集合体)の外接円(図4中の一点鎖線で示す円)の半径をRとした場合に、外接円と同じ中心を有する半径略(R−45cm)の円(図4中の点線で示す円)を境界領域30と設定し、これよりも内側の領域を内側炉心領域32、外側の領域を外側炉心領域31と定義し、燃料集合体20が、内側炉心領域32及び外側炉心領域31のいずれの領域に含まれるかで区別した。換言すれば、炉心2の最外周に配される燃料集合体20(最外周燃料集合体)の外接円の半径をRとしたとき、当該外接円と同心円状で且つ半径略(R−45cm)とする境界領域30を設定し、境界領域30により内側炉心領域32と外側炉心領域31が画定される。
図4に示す座標系における燃料集合体20の位置を以下のように定義する。すなわち、隣り合う燃料集合体20の中心間距離を座標軸の単位長さL(図4の場合、約15.5cm)とし、各燃料集合体20の炉心2内における位置を、その中心座標で示す。例えば、炉心中心(原点O)に最も近い位置Eに配される燃料集合体20の中心座標は(0.5L,0.5L)であり、原点Oとの距離は、0.71Lである。また、位置Eの燃料集合体20の原点Oから最も遠い角(原点Oに対し対角線上に位置する角)の座標は(1L,1L)であり、原点Oとの距離は、1.41Lである。つまり、各燃料集合体20の中心座標が境界領域30よりも内側か外側かによって、各燃料集合体20が内側炉心領域32に属するか外側炉心領域31に属するかを判定する。
燃料交換時の燃料移動を少なくするため、本願発明者は、外側炉心領域31に属する燃料集合体20が、炉心核特性に対して影響が小さいことに着目し、この外側炉心領域31に、従来よりも炉内滞在期間の長い、古い燃料集合体20を配置することを考案した。すなわち、炉心2内の、(全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)で規定されるバッチ数をMとしたとき、Nを、N≦Mを満たす最大の自然数と定義する。このとき、従来技術による炉心では、炉内滞在期間が第N+1サイクル目までの燃料集合体しか用いていなかったが、本願発明者は、炉内滞在期間が第N+2サイクル目以上の燃料集合体20も用いて炉心2を構成する。この炉心構成において、燃料交換の際に、第N+1サイクル目燃料集合体の一部を炉外へ取り出さず、次の運転サイクルにおいても同じ位置に滞在させる(すなわち、第N+2サイクル目燃料集合体20として使用する)ようにすれば、当該第N+1サイクル目燃料集合体20の移動ステップの分だけ、燃料交換ステップ数を削減することができる。なお、ここで運転サイクルとは、複数体の燃料集合体20を炉心2に装荷し原子炉の運転を開始してから、定期検査(燃料交換、保守)のために原子炉の運転を停止するまでの期間であり、例えば、1年、13ヶ月あるいは17ヶ月等である。
また、特にこれら第N+2サイクル目以上の燃料集合体20を、外側炉心領域31に配することで、炉心特性への影響を最小限に抑えることができることを見出した。図5に、外側炉心領域31に配される、第N+2サイクル目以上の燃料集合体と第N+1サイクル目以上の燃料集合体の体数比、すなわち、(第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数)と、運転サイクル末期における炉心反応度との関係を示す。第N+2サイクル目以上の燃料集合体と第N+1サイクル目以上の燃料集合体の体数比が0.6以下の時、運転サイクル末期においても反応度への影響が小さく、炉心が臨界に必要な反応度を維持できることが分かる。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。なお、以下では、上述の自然循環型沸騰水型原子炉、沸騰水型原子炉(BWR)及び改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の総称として、沸騰水型原子炉と称する。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図である。図1では、燃料集合体20の炉心2における配置を水平断面における配置として模式的に示している。なお、図1では、略円形である炉心の水平断面のうち、中心を原点Oとし、燃料集合体20が炉心2の外周側へと並ぶ方向に沿って直交する2つの座標軸(座標軸X、座標軸Y)を設定した座標系の第2象限分(すなわち、4分の1)のみ示している。
図1に示すように、炉心2は、400体の燃料集合体20と、97本の制御棒(図示せず)により構成されている。燃料集合体に付されている番号は、炉内滞在サイクル数を表しており、番号が1のものは、第1サイクル目燃料集合体、番号2のものは、第2サイクル目燃料集合体であることを示す。番号3及び4のものも同様である。
本実施例の炉心2に装荷される全燃料集合体の体数は400体であり、そのうち、新燃料集合体である第1サイクル目燃料集合体は156体(図1では39体であり、炉心2全体で39体×4=156体)、第2サイクル目燃料集合体は156体(図1では39体であり、炉心2全体で39体×4=156体)、第3サイクル目燃料集合体は60体(図1では15体であり、炉心2全体で15体×4=60体)、第4サイクル目燃料集合体は28体(図1では7体であり、炉心2全体で7体×4=28体)である。新燃料集合体と全燃料集合体の体数比((全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数))であるバッチ数Mは、400/156=2.6であるため、N≦Mを満たす最大の自然数Nは2である。炉心2の最外周に配される燃料集合体に外接する、外接円の半径Rに対し、半径略(R−45cm)の円を境界領域30(図4)とし、図1において太線にて示す境界より外側を外側炉心領域31、内側を内側炉心領域32に画定する。外側炉心領域31に配される燃料集合体は、第N+1サイクル目燃料集合体、すなわち第3サイクル目燃料集合体が炉心2全体で36体、第N+2サイクル目燃料集合体、すなわち第4サイクル目燃料集合体が炉心2全体で28体である。従って、外側炉心領域31に配される第N+2サイクル目以上の燃料集合体と、第N+1サイクル目以上の燃料集合体との体数比((第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数))は、28/(28+36)=0.44で0.6以下である。従って、上述の図5に示すように、運転サイクル末期においても反応度への影響が小さい炉心構成を実現できる。
次に燃料交換時における炉心構成について説明する。図6は、本実施例による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。
図1に示す炉心構成は第iサイクル目の炉心構成であり、図6に示す炉心構成は第i+1サイクル目の炉心構成である。炉心構成は運転サイクルが進むに従って、図1→図6→図1→図6→…の繰り返しとなる。図1に示す炉心構成の状態から図6に示す炉心構成へと、燃料交換する際の燃料集合体の移動は、
1) 第4サイクル目燃料集合体(28体)の全て、内側炉心領域32に配される第3サイクル目燃料集合体(24体)の全て、及び外側炉心領域31に配される第3サイクル目燃料集合体(36体)の一部(8体)を取り出す。(60ステップ)
なお、取り出される外側炉心領域31内の第3サイクル目燃料集合体は、図1において、座標(8.5L,5.5L)に位置する燃料集合体及び、座標(10.5L,0.5L)に位置する燃料集合体の2体であり、炉心2全体で8体である。
2)第1サイクル目燃料集合体は移動させず、そのまま第2サイクル目燃料集合体となる。(0ステップ)
3)第2サイクル目燃料集合体は、座標(3.5L,3.5L)及び(4.5L,4.5L)の位置に配される燃料集合体は、そのまま第3サイクル目燃料集合体となる(炉心全体で8体)。残りのうち、その一部を外側炉心領域31内の第4サイクル目燃料集合体が配されていた位置(28体)、上記1)にて外側炉心領域31のうち取り出された第3サイクル目燃料集合体が配されていた位置(8体)、及び内側炉心領域32内の第3サイクル目燃料集合体が配されていた位置のうち、座標(3.5L,4.5L)及び座標(4.5L,3.5L)の位置を除く(炉心全体で8体)、第3サイクル目燃料集合体が配されていた内側炉心領域32の位置(16体)にそれぞれ移動し、残り(96体)は炉心外に取り出す。(52ステップ+96ステップ=148ステップ)
4) 最後に、第2サイクル目燃料集合体が配されていた位置(156体)のうち、上記3)にてそのまま第3サイクル目燃料集合体となる位置(8体)を除く位置(148体)に、新燃料集合体を装荷する。また、内側炉心領域32内の第3サイクル目燃料集合体が配されていた位置のうち、座標(3.5L,4.5L)及び座標(4.5L,3.5L)の位置(炉心全体で8体)に新燃料集合体を装荷する。(148ステップ+8ステップ=156ステップ)
以上により、燃料交換作業にかかる燃料交換のステップ数は、60ステップ+148ステップ+156ステップ=364ステップである。
一方、本実施例のような炉心構成とせず、毎回同じ炉心構成、すなわち燃料交換前後で同一の炉心構成とした場合、156体の燃料集合体を取り出し(156ステップ)、それ以外の244体の燃料集合体を移動させ(244ステップ)、新燃料集合体156体を装荷する(156ステップ)ため、燃料交換のステップ数はこれらの総和である556ステップとなる。すなわち、本実施例のような炉心構成とすることで、燃料交換のステップ数を30%以上低減することができる。これにより、燃料交換の作業時間が低減でき、ひいては原子力発電プラントの稼働率を向上させることができる。
なお、本実施例のように、従来よりもバッチ数Mが小さく、Nが2以下となる炉心構成において、特に、燃料交換ステップ数の低減効果が顕著となる。
以上の通り本実施例によれば、運転サイクル末期まで炉心の反応度を維持しつつ、燃料交換期間の短縮化が可能な原子炉炉心を実現することが可能となる。
図7は、本発明の他の実施例に係る実施例2による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図であり、図8は、実施例2による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。実施例1の炉心構成では、第3サイクル目燃料集合体を60体及び第4サイクル目燃料集合体を28体、炉心2に装荷する構成としたのに対し、本実施例では、第3サイクル目燃料集合体を48体、第4サイクル目燃料集合体を40体、炉心2に装荷する炉心構成とした点が実施例1と異なる。
図7に示すように、本実施例の炉心2に装荷される全燃料集合体の体数は400体であり、そのうち、新燃料集合体である第1サイクル目燃料集合体は156体、第2サイクル目燃料集合体は156体、第3サイクル目燃料集合体は48体、第4サイクル目燃料集合体は40体である。新燃料集合体と全燃料集合体の体数比((全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数))であるバッチ数Mは、実施例1と同様に、400/156=2.6であるため、N≦Mを満たす最大の自然数Nは2である。炉心2の最外周に配される燃料集合体に外接する、外接円の半径Rに対し、半径略(R−45cm)の円を境界領域30(図4)とし、図7において太線にて示す境界より外側を外側炉心領域31、内側を内側炉心領域32に画定する。外側炉心領域31に配される燃料集合体は、第N+1サイクル目燃料集合体、すなわち第3サイクル目燃料集合体が44体、第N+2サイクル目燃料集合体、すなわち第4サイクル目燃料集合体が40体である。従って、外側炉心領域31に配される第N+2サイクル目以上の燃料集合体と、第N+1サイクル目以上の燃料集合体との体数比((第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数))は、40/(44+40)=0.47で0.6以下である。従って、上述の図5に示すように、運転サイクル末期においても反応度への影響が小さい炉心構成を実現できる。
燃料交換時における炉心構成について説明する。図7に示す炉心構成は第iサイクル目の炉心構成であり、図8に示す炉心構成は第i+1サイクル目の炉心構成である。炉心構成は運転サイクルが進むに従って、図7→図8→図7→図8→…の繰り返しとなる。図7に示す炉心構成から図8に示す炉心構成へと、燃料交換する際の燃料移動は、
1)第4サイクル目燃料集合体(40体)の全て、内側炉心領域32に配される第3サイクル目燃料集合体(4体)の全て、及び外側炉心領域31に配される第3サイクル目燃料集合体(44体)の一部(4体)を取り出す。(48ステップ)
なお、取り出される外側炉心領域31内の第3サイクル目燃料集合体は、図7において、座標(7.5L,7.5L)に位置する燃料集合体の1体であり、炉心2全体で4体である。
2)第1サイクル目燃料集合体は移動させず、そのまま第2サイクル目燃料集合体となる。(0ステップ)
3)第2サイクル目燃料集合体は、その一部を外側炉心領域31内の第4サイクル目燃料集合体が配されていた位置(40体)、上記1)にて外側炉心領域31のうち取り出された第3サイクル目燃料集合体が配されていた位置(4体)、及び内側炉心領域32内の第3サイクル目燃料集合体が配されていた位置(4体)にそれぞれ移動し、残り(108体)は炉心外に取り出す。(40ステップ+4ステップ+4ステップ+108ステップ=156ステップ)
4) 最後に、第2サイクル目燃料集合体があった位置に新燃料集合体を装荷する。(156ステップ)
以上により、燃料交換作業にかかる燃料交換のステップ数は、48ステップ+156ステップ+156ステップ=360ステップである。
一方、本実施例のような炉心構成とせず、毎回同じ炉心構成、すなわち燃料交換前後で同一の炉心構成とした場合、156体の燃料集合体を取り出し(156ステップ)、それ以外の244体の燃料集合体を移動させ(244ステップ)、新燃料集合体156体を装荷する(156ステップ)ため、燃料交換のステップ数はこれらの総和である556ステップとなる。すなわち、本実施例のような炉心構成とすることで、燃料交換のステップ数を30%以上低減することができる。これにより、燃料交換の作業時間が低減でき、ひいては原子力発電プラントの稼働率を向上させることができる。
以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、更に、実施例1と比較し、第4サイクル目燃料集合体の体数を増やしており、それによって、燃料交換のステップ数をより低減できる。
図9は、本発明の他の実施例に係る実施例3による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の配置例を示す図であり、図10は、実施例3による沸騰水型原子炉の炉心における燃料集合体の他の配置例を示す図である。
図9に示すように、本実施例の炉心2に装荷される全燃料集合体数は400体であり、そのうち、新燃料集合体である第1サイクル目燃料集合体は156体、第2サイクル目燃料集合体は156体、第3サイクル目燃料集合体は60体、第4サイクル目燃料集合体は28体である。新燃料集合体と全燃料集合体の体数比((全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数))であるバッチ数Mは、実施例1及び実施例2と同様に、400/156=2.6であるため、N≦Mを満たす最大の自然数Nは2である。炉心2の最外周に配される燃料集合体に外接する、外接円の半径Rに対し、半径略(R−45cm)の円を境界領域30(図4)とし、図9において太線にて示す境界より外側を外側炉心領域31、内側を内側炉心領域32に画定する。外側炉心領域31に配される燃料集合体は、第N+1サイクル目燃料集合体、すなわち第3サイクル目燃料集合体が24体、第N+2サイクル目燃料集合体、すなわち第4サイクル目燃料集合体が28体である。従って、外側炉心領域31に配される第N+2サイクル目以上の燃料集合体と、第N+1サイクル目以上の燃料集合体との体数比((第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数))は、28/(24+28)=0.54で0.6以下である。従って、上述の図5に示すように、運転サイクル末期においても反応度への影響が小さい炉心構成を実現できる。
燃料交換時における炉心構成について説明する。図9に示す炉心構成は第iサイクル目の炉心構成であり、図10に示す炉心構成は第i+1サイクル目の炉心構成である。炉心構成は運転サイクルが進むに従って、図9→図10→図9→図10→…の繰り返しとなる。図9に示す炉心構成から図10に示す炉心構成へと、燃料交換する際の、燃料移動は、
1) 第4サイクル目燃料集合体(28体)の全て、及び内側炉心領域32に配される第3サイクル目燃料集合体(36体)の全てを取り出す。(64ステップ)
2)第1サイクル目燃料集合体は移動させず、そのまま第2サイクル目燃料集合体となる。また、外側炉心領域31内に配される第3サイクル目燃料集合体は移動させず、そのまま第4サイクル目燃料集合体となる。(0ステップ)
3)第2サイクル目燃料集合体は、その一部を外側炉心領域31内の第4サイクル目燃料集合体が配されていた位置(28体)、及び内側炉心領域31内の第3サイクル目燃料集合体が配されていた位置(36体)にそれぞれ移動し、残り(92体)は炉心外に取り出す。(28ステップ+36ステップ+92ステップ=156ステップ)
4) 最後に、第2サイクル目燃料集合体があった位置(156体)に新燃料集合体を装荷する。(156ステップ)
以上により、燃料交換作業にかかる燃料交換のステップ数は、64ステップ+156ステップ+156ステップ=376ステップである。
一方、本実施例のような炉心構成とせず、毎回同じ炉心構成、すなわち燃料交換前後で同一の炉心構成とした場合の燃料交換のステップ数は556ステップとなる。すなわち、本実施例のような炉心構成とすることで、燃料交換のステップ数を30%以上低減することができる。これにより、燃料交換の作業時間が低減でき、ひいては原子力発電プラントの稼働率を向上させることができる。
また、本実施例では、内側炉心領域32内に第3サイクル目燃料集合体4体(相互に隣接する4体の第3サイクル目燃料集合体)が制御棒を囲むように配置された箇所がある。これは、出力分布や余剰反応度を制御するために、制御棒を挿入するために設けているもので、コントロールセルと呼ぶ。コントロールセルを設けることで、炉心特性の制御がより容易になる。
以上の通り本実施例によれば、実施例1の効果に加え、更に、炉心特性の制御を容易化することが可能となる。
上述の実施例1〜実施例3では、稼働率向上のための長期サイクル運転は、運用性の高さが求められる小型原子炉において、特にニーズが高いことから、小型沸騰水型原子炉(自然循環型沸騰水型原子炉)を例に説明した。しかし、本発明は小型原子炉に限られるものではなく、例えば、872体の燃料集合体を装荷する改良型沸騰水型原子炉(ABWR)に適用した場合においても同様の効果が得られる。
また、上述の実施例1〜実施例3では、燃料集合体20内に保有する燃料棒配列が、水平断面において10行10列の場合を一例として説明したが、これに限られず、例えば、9行9列の燃料棒配列、8行8列の燃料棒配列、あるいは11行11列の燃料棒配列の場合においても同様の効果が得られる。
更にまた、上述の実施例1〜実施例3では、複数の部分長燃料棒を保有する燃料集合体について説明したが、部分長燃料棒を含まず全て全長燃料棒とする燃料集合体についても同様の効果が得られる。また、2本のウォーターロッドを配置した燃料集合体について説明したが、ウォーターロッドが1本である燃料集合体や、方形断面を有するウォーターロッド(ウォーターチャネル)を配置する燃料集合体についても同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…原子炉圧力容器
2…炉心
3…チムニ
4…炉心シュラウド
5…自由空間(気水分離空間)
6…簡易蒸気乾燥器
7…ダウンカマ
8…制御棒駆動機構
9…主蒸気配管
10…給水配管
20…燃料集合体
21…燃料棒
22…ウォーターロッド
23…下部タイプレート
24…上部タイプレート
25…チャンネルボックス
26…燃料スペーサ
30…境界領域
31…外側炉心領域
32…内側炉心領域

Claims (10)

  1. 複数の燃料集合体が装荷される原子炉の炉心であって、
    (全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)をMとしたとき、NはN≦Mを満たす最大の自然数であり、前記炉心の最外周に配される燃料集合体の外接円の半径をRとしたとき、前記外接円と同心円状で且つ、半径を略(R−45cm)とする境界領域を設定し、前記境界領域は内側炉心領域と外側炉心領域とを画定するものであり、
    前記外側炉心領域に配される燃料集合体は、炉内滞在期間が第N+2サイクル目以上の燃料集合体を少なくとも1体以上含み、且つ、(第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数)が0.6以下の関係を満たすことを特徴とする原子炉炉心。
  2. 請求項1に記載の原子炉炉心において、
    前記新燃料集合体は、前記内側炉心領域及び、最外周以外の前記外側炉心領域に配されることを特徴とする原子炉炉心。
  3. 請求項1に記載の原子炉炉心において、
    前記内側炉心領域に、相互に隣接する4体の炉内滞在期間が同一の燃料集合体が配され、前記4体の燃料集合体の配置位置は、複数の運転サイクルにおいて同一となることを特徴とする原子炉炉心。
  4. 請求項2に記載の原子炉炉心において
    前記外側炉心領域に配される燃料集合体であって、最外周に配される燃料集合体のうち所定数の燃料集合体は、複数の運転サイクルにおいて炉内滞在期間が同一であって、且つ、配置位置も同一であることを特徴とする原子炉炉心。
  5. 請求項3に記載の原子炉炉心において、
    前記相互に隣接配置される4体の燃料集合体は、炉内滞在期間が第N+1サイクル目の燃料集合体であることを特徴とする原子炉炉心。
  6. 請求項4に記載の原子炉炉心において、
    前記最外周に配される燃料集合体のうち所定数の燃料集合体は、炉内滞在期間が第N+1サイクル目の燃料集合体であることを特徴とする原子炉炉心。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の原子炉炉心において、
    前記Nは2以下であることを特徴とする原子炉炉心。
  8. (全燃料集合体体数)/(新燃料集合体体数)をMとしたとき、NはN≦Mを満たす最大の自然数であり、前記炉心の最外周に配される燃料集合体の外接円の半径をRとしたとき、前記外接円と同心円状で且つ、半径を略(R−45cm)とする境界領域を設定し、前記境界領域は内側炉心領域と外側炉心領域とを画定するものであり、
    前記外側炉心領域に配される燃料集合体は、炉内滞在期間が第N+2サイクル目以上の燃料集合体を少なくとも1体以上含み、且つ、(第N+2サイクル目以上の燃料集合体体数)/(第N+1サイクル目以上の燃料集合体体数)が0.6以下の関係を満たす原子炉炉心への燃料装荷方法であって、
    所定期間原子炉を運転した後、次の運転サイクルに移行する前に、前記外側炉心領域に配される燃料集合体のうち、第N+2サイクル目の燃料集合体を前記原子炉外に取り出し、
    前記外側炉心領域に配される燃料集合体のうち、第N+1サイクル目の燃料集合体は移動することなく、同一位置に配することを特徴とする原子炉の燃料集合体装荷方法。
  9. 請求項8に記載の原子炉の燃料集合体装荷方法において、
    前記所定期間原子炉を運転した後、次の運転サイクルに移行する前に、前記新燃料集合体を、前記内側炉心領域及び最外周以外の前記外側炉心領域の所定の位置に装荷することを特徴とする原子炉の燃料集合体装荷方法。
  10. 請求項8に記載の原子炉の燃料集合体装荷方法において、
    前記所定期間原子炉を運転した後、次の運転サイクルに移行する前に、前記内側炉心領域に相互に隣接する4体の炉内滞在期間が第N+1サイクル目の燃料集合体が配されていた位置に、第Nサイクル目の燃料集合体を移動することを特徴とする原子炉の燃料集合体装荷方法。
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