JP2016125897A - 点群データ取得システム及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動可能な3次元計測部による計測対象物の点群データを取得する点群データ取得システムを提供する。
【解決手段】点群データ取得システム1は、複数の超音波発信部12を有し第1座標系を備える第1電子機器10と、3次元計測部22及び複数の超音波受信部23を有し第2座標系を備える第2電子機器20と、を備え、複数の超音波受信部23のそれぞれが、複数の超音波発信部12のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定する超音波伝播時間測定部26と、超音波伝播時間測定部26により測定された超音波伝播時間に基づいて、複数の超音波受信部23の第1座標系における座標値をそれぞれ算出する第2電子機器位置情報算出部14を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の計測位置からの非接触計測による対象物の外郭を表す点群データの取得に関するシステム及びその方法に関する。
レーザースキャナ等の三次元計測装置を使用して、計測対象物の表面の位置及び形状を含む外郭を表す点群データを計測し、この点群データから計測対象物のパノラマ画像を作成する三次元データ処理装置が知られている。この三次元データ処理装置は、点群データに基づいて、例えば三次元計測装置の計測位置を原点とする仮想的な球面に対するパノラマ画像を作成することで、点群データの表示を容易化し操作性を向上することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、レーザースキャナ等の三次元計測装置を使用して、既設の建造物(例えば原子力発電所等のプラントや文化財等)の凹凸を有する非平面形状の計測対象物の輪郭を表す点群データを計測する場合、計測位置を様々に変えて複数の視点から当該計測対象物の輪郭を表す点群データを計測することが知られている。
複数の異なる計測位置から計測された各点群データの位置情報は、当該点群データを計測した各計測位置の位置及び方位に基づく座標系(以下「固有座標系」ともいう)により表される。
このため、これらの異なる計測位置から計測された各点群データの各固有座標系により表される位置情報を同一の座標系(以下、「基準座標系」ともいう)により表される位置情報に変換する必要がある。座標系の変換により、すべての点群データの位置情報を基準座標系により表し、同一座標系により表された各点群データを部分的に重なる部分のマッチングを行い、合成することが知られている。こうすることで、死角が減り、計測対象物の輪郭を把握する三次元データが得られる(例えば、特許文献2参照)。
ここで、マッチングとは、異なる計測位置から得られた複数の点群データにおいて、部分的に重なる部分の位置合わせを行うことで、整合性を保持しつつ統合させることを言う。
上記従来技術において、複数の計測位置から当該計測対象物の外郭を表す点群データを計測する場合に、各三次元計測装置の位置及び方位を予め設定しておく必要がある。このため、例えばレーザースキャナ等の三次元計測装置を予め設定した計測位置から別の計測位置に変更して設置する場合に、再度、変更先の計測位置における三次元計測装置の位置、方位等を正確に測定することが必要となる。3次元計測装置の位置の変更作業は、時間がかかり、簡単なものではない。さらには、例えば、当該計測対象物が、例えば、人の動作、物体の移動のように時間の経過に伴って、動的にその外郭が変化する非静止物体であれば、ひとつの計測装置で多方面からとらえることは、不可能である。
また、マッチングのために、対象構造物やその周辺に複数のマーカーを設置(例えば接着又は塗布)して、その設置した複数のマーカーを基準にして計測データの合成を行うことが知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、複数のマーカーを基準にするためには、マーカーを設置する作業が必要となり、そのマーカーを適切な位置に合わせる等の作業に時間がかかり、計測作業のための前準備に時間が長くなるという課題があった。
特開2010−097419号公報 特開2013−161133号公報 特開2010−066169号公報
上述した従来技術では、計測対象物の外郭を表す点群データを複数の計測位置から計測する場合に、3次元計測装置の位置、方位等を予め正確に測定しておくことが必要となっていた。
このため、3次元計測装置の位置の設定作業に時間がかかるという課題があった。
また、各3次元計測装置を予め正確に測定された位置に設置することが必要となるため、計測対象物の状況に合わせて、計測位置を即座に変更できないという課題があった。
例えば、動く人間、動く動物、動く物等、時間の経過に伴って形状が変化する物体を計測対象とした場合には、複数の計測装置を使用していても、物体の変形に伴って生じるオクルージョン(手前にある物体が背後の物体をかくす状態)による死角が発生する場合に従来技術では、計測位置を即座に変更して、欠損部分の少ない3次元画像を取得することができないという課題があった。
また、対象物やその周辺に複数のマーカーを設置する場合には、当該マーカーを設置する作業が必要になり、またマーカーを適切な位置に合わせる等の作業に時間がかかるという課題があった。
なお、マーカー等を対象物に設置(例えば接着又は塗布)する作業において、計測対象物に損傷を与える恐れがある場合もあるという課題もあった。
本発明は、複数の計測位置から計測対象物の外郭を表す点群データを取得するシステム又は方法において、計測対象物を計測するために、3次元計測装置を移動させたときに3次元計測装置の位置、方位をリアルタイムに取得することで、当該計測対象物の輪郭を表す複数の点群データを360度の角度から取得し、欠損部分の少ない3次元画像を取得するシステムを提供することを目的とする。
本発明は、1つの第1電子機器と1つ以上の移動可能な第2電子機器とを有する第1の電子機器群を備える、被写体の表面の各点までの深度情報を画素単位に有する点群データを取得する点群データ取得システムであって、前記第1電子機器は、第1座標系を有し、第1通信部と、超音波を発信する複数の超音波発信部と、を備え、前記第2電子機器は、それぞれが固有の第2座標系を有し、第2通信部と、超音波を受信する複数の超音波受信部と、前記点群データを前記第2座標系に基づいて計測する3次元計測部と、を備え、前記点群データ取得システムは、さらに前記複数の超音波受信部のそれぞれが、前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定する超音波伝播時間測定部と、前記超音波伝播時間測定部により測定された前記超音波伝播時間に基づいて、前記複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値をそれぞれ算出する第2電子機器位置情報算出部と、前記複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値を前記第2電子機器毎に記憶する第2電子機器位置情報記憶部と、前記3次元計測部により計測された前記点群データを前記第2電子機器毎に記憶する源点群データ記憶部と、を備える、点群データ取得システムに関する。
また、前記複数の超音波発信部は、それぞれ第1座標系の線形独立である任意の位置に設けられ、前記複数の超音波受信部は、それぞれ前記第2座標系の線形独立である任意の位置に設けることができる。
また、前記第2電子機器は、さらに、前記複数の超音波受信部のそれぞれに対応する複数のタイマーカウンターを備え、前記点群データ取得システムは、さらに、前記複数の超音波発信部のそれぞれが超音波を発信すると同時に赤外線を発光する赤外線発光部と、前記赤外線を受光すると同時に、前記複数のタイマーカウンターをスタートさせる、赤外線受光部と、を備え、前記複数の超音波受信部のそれぞれは、さらに前記超音波を受信した時点で、前記複数のタイマーカウンターのそれぞれをストップさせ、前記超音波伝播時間測定部は、前記複数のタイマーカウンターのそれぞれがスタートされてからストップされるまでの時間に基づいて、前記複数の超音波受信部のそれぞれが、前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定することができる。
また、前記第1電子機器及び前記第2電子機器は、それぞれ、さらに、内部時刻を基準時刻に同期させる時刻同期部を備え、前記超音波伝播時間測定部は、前記複数の超音波発信部のそれぞれが超音波を発信した発信時刻情報及び前記複数の超音波受信部のそれぞれが前記超音波を受信した受信時刻情報に基づいて、前記複数の超音波受信部のそれぞれが、前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定することができる。
また、前記第2電子機器位置情報記憶部は、さらに、前記複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値に、前記複数の超音波受信部のうち、1つの超音波受信部が超音波を受信した時刻となるタイムスタンプを関連付けた第2電子機器位置情報を前記第2電子機器毎に記憶し、前記源点群データ記憶部は、さらに、前記3次元計測部により計測された前記点群データに、前記点群データの計測時刻となるタイムスタンプを関連付けた点群データ情報を前記第2電子機器毎に記憶し、前記点群データ取得システムは、さらに、前記第2電子機器位置情報及び前記点群データ情報に基づいて、前記点群データ情報に含まれる前記点群データにおける各点のデータの前記第2座標系における座標値を、前記第1座標系における座標値に変換する点群データ座標値変換部と、複数の点群データを、前記点群データ座標値変換部により変換された前記第1座標系における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行うことで、1つの合成点群データを作成する合成点群データ作成部と、前記合成点群データ作成部により作成された合成点群データを記憶する合成点群データ記憶部と、を備えることができる。
また、前記合成点群データ作成部は、さらに、複数の点群データを、前記点群データ座標値変換部により変換された前記第1座標系における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行い、さらに前記第1座標系における同一座標値を有する部分を有する異なる複数の点群データからそれぞれ抽出した3次元形状に係る曲面の曲率に基づいて、前記複数の点群データをマッチングする点群データマッチング部を備えることができる。
また、前記合成点群データ作成部は、さらに、同時刻に計測された複数の点群データを、前記点群データ座標値変換部により変換された前記第1座標系における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行うことで、1つの合成点群データを作成することができる。
また、前記点群データ取得システムは、さらに、前記第1の電子機器群に属さない、1つの第1電子機器10と1つ以上の第2電子機器20を備える第2の電子機器群を有し、前記第2の電子機器群に属する第1電子機器は、さらに、超音波を受信する、複数の超音波受信部を備え、前記超音波伝播時間測定部は、さらに前記第1の電子機器群に属する前記第1電子機器の前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を、前記第2の電子機器群に属する前記第1電子機器の備える前記複数の超音波受信部のそれぞれが受信するのに要した超音波伝播時間を測定し、前記第2電子機器位置情報算出部は、さらに前記超音波伝播時間測定部により測定された前記超音波伝播時間に基づいて、前記第2の電子機器群に属する第1電子機器の複数の超音波受信部の前記第1の電子機器群に属する第1電子機器10における第1座標系における座標値をそれぞれ算出し、前記第2電子機器位置情報記憶部は、さらに前記第2の電子機器群に属する前記第1電子機器の複数の超音波受信部の、前記第1の電子機器群に属する前記第1電子機器10における第1座標系における座標値を前記第2の電子機器群に属する前記第1電子機器に対応して記憶し、前記源点群データ記憶部は、さらに前記第2の電子機器群に属する第2電子機器の3次元計測機により計測された点群データを前記第2の電子機器群に属する前記第2電子機器毎に記憶することができる。
本発明は、被写体の表面の各点までの深度情報を画素単位に有する点群データを取得する点群データ取得方法であって、第1座標系を有する第1電子機器の複数の超音波発信部により複数の超音波を発信する超音波発信ステップと、第2座標系をそれぞれ有する1つ以上の第2電子機器の複数の超音波受信部により、前記超音波発信ステップにより発信された前記複数の超音波のそれぞれを受信する超音波受信ステップと、前記1つ以上の第2電子機器の3次元計測部により、点群データを前記第2座標系に基づいて計測する3次元計測ステップと、前記超音波発信ステップにおいて発信された前記複数の超音波のそれぞれを、前記超音波受信ステップにおいて、前記第2電子機器の複数の超音波受信部それぞれにより受信するのに要した超音波伝播時間を測定する超音波伝播時間測定ステップと、
前記超音波伝播時間測定ステップにおいて測定された前記超音波伝播時間に基づいて、前記第2電子機器の複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値をそれぞれ算出する第2電子機器位置情報算出ステップと前記第2電子機器位置情報算出ステップにおいて算出された、前記1つ以上の第2電子機器の複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値を前記第2電子機器毎に記憶する第2電子機器位置情報記憶ステップと、
前記3次元計測ステップにより計測された前記点群データを前記第2電子機器毎に記憶する源点群データ記憶ステップと、を備える点群データ取得方法に関する。
複数の超音波発信部を備えるコンピュータ、及び3次元計測部と複数の超音波受信部とを備えるコンピュータに、上記記載の点群データ取得方法の各ステップを実行させるためのコンピュータプログラムに関する。
本発明の点群データ取得システムによれば、対象物を計測するために、3次元計測装置の位置、方位を予め設定した場所に設置することなく、3次元計測装置の計測位置を即座に変更することが必要になった場合に、3次元計測装置を移動させるとともに、3次元計測装置の位置及び方位をリアルタイムに取得することができる。
そうすることで、例えば、動く人間、動く動物、動く物等、時間の経過に伴って形状が変化する物体を計測対象とした場合には、物体の変形に伴って生じるオクルージョン(手前にある物体が背後の物体をかくす状態)による死角が発生するときに、欠損部分を極力少なくするために、3次元計測装置の計測位置を即座に変更して対応することができ、360度の角度から計測対象物の輪郭を表す複数の点群データを取得することができる。
本発明の実施形態に係る点群データ取得システムを概略的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る超音波発生部と超音波受信部間における超音波伝播時間とそれに基づく直線距離の関係を示す概略図である。 赤外線発光部と赤外線受光部との間、及び超音波発信部と超音波受信部との間のシーケンスを示すチャート図である。 超音波発信部と超音波受信部との間のシーケンスを示すチャート図である。 本発明の実施形態における一連の処理の流れを示す図である。 第1電子機器及び1つ以上の第2電子機器から構成される電子機器群を階層的に配置して、階層化を示す概略図である。
以下、本発明の点群データ取得システムの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで、下記の実施形態はいずれも本発明の一例であり、これに限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1に示すように、点群データ取得システム100は、第1電子機器10と、1つ以上の移動可能な第2電子機器20と、3次元データ保存部30と、3次元データ処理部40と、3次元データ表示操作部50と、を含んで構成される。
<第1電子機器10>
第1電子機器10は、有線及び/又は無線通信機能を備える、例えばノートパソコンを含むパソコン、あるいはCPU、DSP等の演算チップを搭載した演算ボードで構成することができる。
第1電子機器10は、第1座標系(以下「基準座標系」ともいう)を有し、第1通信部11と、複数(例えば4つ)の超音波発信部12と、第2電子機器位置情報算出部13と、を備える。また、第1電子機器10は、さらに赤外線発光部14及び/又は時刻同期部15を備えることができる。以下、第1電子機器10の備える上記各機能部を総括して「第1機能部」ともいう。なお、複数(例えば4つ)の超音波発信部12と、赤外線発光部14とを「第1GPS部」と称することができる。
第1電子機器10には、当該第1電子機器10を、前述した第2電子機器位置情報算出部13等、第1機能部として機能させるためのプログラムをインストールし、第2電子機器位置情報算出部13等の各機能部として機能させるようにすることができる。なお、当該プログラムは、第1電子機器10に予めインストールされていてもよい。また、当該プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から必要に応じてインストール又は予め設定されたサーバから必要に応じて適宜ダウンロードされてもよい。以下、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
<第2電子機器20>
第2電子機器20は、3次元計測部22と、有線及び/又は無線通信機能と、を備える、例えばノートパソコンを含むパソコン、タブレット端末等の移動可能な電子機器、あるいはCPU、DSP等の演算チップを搭載した演算ボードで構成することができる。
第2電子機器20は、当該第2電子機器に固有の第2座標系(以下、「固有座標系」ともいう)を有し、第2通信部21と、3次元計測部22、複数(例えば3つ)の超音波受信部23と、超音波伝播時間測定部26と、を備える。また、第2電子機器20は、さらに、赤外線受光部24及び/又は時刻同期部25を備えることができる。以下、第2電子機器20の備える上記各機能部を総括して「第2機能部」ともいう。なお、複数(例えば3つ)の超音波受信部23と、赤外線受光部24とを「第2GPS部」と称することができる。
第2電子機器20には、当該第2電子機器20を、3次元計測部22、超音波受信部23等、第2機能部として機能させるためのプログラムをインストールすることで、第2電子機器20を3次元計測部22、超音波受信部23等の各機能部として機能させるようにすることができる。なお、当該プログラムは、予めインストールされていてもよい。また、当該プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から必要に応じてインストール又は予め設定されたサーバから必要に応じて適宜ダウンロードされてもよい。
<3次元データ保存部30>
3次元データ保存部30は、源点群データ記憶部31と、第2電子機器位置情報記憶部32(子機座標情報記憶部)と、合成点群データ記憶部33と、を備える。
<3次元データ処理部40>
3次元データ処理部40は、点群データ座標値変換部41と、合成点群データ作成部42と、を備える。
合成点群データ作成部42は、さらに、第1合成点群データ作成部421と、点群データマッチング部422と、を備える。
<3次元データ表示制御部50>
3次元データ表示制御部50は、視点操作部51と、データ表示方式選択部52と、データ再生・保存指示部53と、3次元データ表示処理部54と、を備える。
3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、及び3次元データ表示制御部50は、有線及び/又は無線通信機能を備える、例えば、1台又は複数のパソコン、タブレット端末、スマートフォン、サーバ等の電子機器、あるいはCPU、DSP等の演算チップを搭載した演算ボードで構成することができる。
また、3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、及び3次元データ表示制御部50をそれぞれ別のパソコン、タブレット端末、スマートフォン、サーバ等の電子機器により構成された、分散システムとすることができる。
また、3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、及び3次元データ表示制御部50の一部又は全てを第1電子機器10、又は第2電子機器20により構成することもできる。
また、3次元データ保存部30、3次元データ処理部40をクラウド上の仮想サーバ上においてもよい。
3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、及び3次元データ表示制御部50を構成する電子機器には、当該電子機器を、3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、3次元データ表示制御部50として機能させるためのプログラムをインストールすることで、当該電子機器を3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、3次元データ表示制御部50として機能させるようにすることができる。なお、当該プログラムは、予め当該電子機器にインストールされていてもよい。また、当該プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から必要に応じてインストール又は予め設定されたサーバから必要に応じて適宜ダウンロードされてもよい。
次に、点群データ取得システム100の備える各電子機器等について、詳細に説明する。
最初に、第2電子機器20について説明する。
<第2電子機器20について>
図1に示すように、第2電子機器20は、第2通信部21と、3次元計測部22、複数(例えば3つ)の超音波受信部23と、超音波伝播時間測定部26と、を備える。また、第2電子機器20は、さらに、赤外線受光部24及び/又は時刻同期部25を備えることができる。
[第2通信部21]
有線、又は無線回線による通信モジュール。第1電子機器10の第1通信部11と対向し、第1電子機器10、第2電子機器20間の制御信号、各種データをやり取りする。
[3次元計測部22]
3次元デジタイザ、レーザースキャナ等と同様の3次元計測手段として、「深度センサ」がある。「深度センサ」には主に、(1)Time−of−flight方式、(2)三角測量方式、(3)Depth of Deforce方式等があるが、(1)のTime−of−flight方式は、レーザや赤外線等の光を計測対象物に対して照射して反射させ、センサに届くまでの飛行時間をもとに計算し、計測対象物表面の各点までの直線距離(以下、「深度」ともいう)を瞬時に得ることができるセンサである。深度センサは計測対象物各点の深度を画素単位で把握することができる。
ここで、計測対象物とは、例えば、既設の建造物(例えば原子力発電所等のプラントや文化財等)の凹凸を有する非平面形状の計測対象物のみならず、動く人間、動く動物、動く物等、時間の経過に伴って形状が変化する物体を含むことができる。
第2電子機器20の有する3次元計測部22は、深度センサを、例えば通常の画像カメラと組み合わせて構成することができる。深度センサを通常の画像カメラと組み合わせて構成される3次元計測部22を以下、「深度カメラ」ともいう。深度カメラを用いて計測対象物を計測することで、計測対象物表面の各点を画素単位で例えばRGBの色情報とともに深度情報を併せ持つ、計測対象物の画像データを生成することができる。
3次元計測部22は、固有の基準位置に基づく3次元の第2座標系(以下、「固有座標系」ともいう)を備えている。3次元計測部22により計測された計測対象物表面の各点(画素単位)の位置は、固有座標系により、3次元座標(x、y、z)により表される。
したがって、3次元計測部22により計測する場合には、計測対象物表面の各点(画素単位)の位置を表す3次元座標(x、y、z)と、その3次元座標位置における計測対象物表面のRGBの色情報と、からなる点データの集合を計測データとして取得することができる。
3次元計測部22は、第2電子機器20を移動させることで、3次元空間内を移動することができる。ユーザ(例えば、計測作業者、カメラマン)は、計測対象物の状況に応じて、第2電子機器20を移動させることで、3次元計測部22の計測位置を変更して、計測対象物の計測を行うことができる。なお、第2電子機器20の移動については、例えば、第2電子機器20を搭載した移動装置を自走式又は遠隔操作により、移動させることもできる。例えば、第2電子機器20を搭載したクアッドコプターを遠隔操作することにより、移動させることもできる。
3次元計測部22は、計測対象物表面の各点の情報を画素単位で取得することができる。また、3次元計測部22は、計測対象物の表面の各点の情報を画素単位で、予め設定した時間間隔で取得することができる。例えば、時間間隔として1/30秒を設定することで、3次元計測部22は、1秒間に30コマの画像データ(30fps)を取得することができる。3次元計測部22により計測された各計測データには、それぞれ計測時刻となるタイムスタンプを付すことができ、当該タイムスタンプに基づいて計測データ間で関連付けが可能となっている。
すなわち、N個(2≦N)の3次元計測部22をインデックス1、2、3、・・・Nにより識別する場合、tを計測時刻とすると、インデックス(識別番号)nの3次元計測部22(以下「3次元計測部22n」ともいう)により取得した点群データをQn(t)と表現することができる。
<3次元計測部22による測定時刻の同期制御>
例えば、第1電子機器10のトリガーによる同期制御により、複数個あるすべての3次元計測部22に対して計測動作を同期させることにより、同時刻に計測対象物を計測させるように構成することができる。トリガーとしては、例えば、第1電子機器10から3次元計測部22に対して計測指示信号を出すことができる。
ここで、各3次元計測部22により計測対象物の画像データを予め設定した時間間隔(例えば、1秒間に30コマ)で取得する場合、当該点群データは、3次元計測部22n(1≦n≦N)毎に、1/30秒単位の計測時刻(t)毎に生成され、通信ネットワークを介して、3次元データ保存部30の源点群データ記憶部31にリアルタイムに記憶される。
すなわち、源点群データ記憶部31には、すべての3次元計測部22nにより計測される、点群データの集合{Qn(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)が記憶される。
点群データQn(t)は、計測対象物の表面の各点を、例えばデータ形式{3次元計測部22の識別番号n、各点の固有座標系(第2座標系)における座標値(x、y、z)、点群取得時刻t、R(赤成分)、G(緑成分)、B(青成分)等}で表した点データの集合であるといえる。
なお、後述する第2電子機器位置情報算出部13により測定される第2電子機器20の基準座標系(第1座標系)における位置情報の測定時刻を突合せすることで、点群データQn(t)が計測されたときの3次元計測部22nの計測位置を特定することができる。
なお、測定時刻が必ずしも一致しない場合には、例えば当該時刻の近傍の3次元計測部22nの計測位置により、線形補完することができる。
[超音波受信部23]
第2電子機器20は、少なくとも3つの超音波受信部23(C1、C2、C3)を備える。3つの超音波受信部23(C1、C2、C3)の位置は、第2座標系の原点C0とした場合に、始点をC0、終点をそれぞれC1、C2、C3とする3つのベクトルが、線形独立であれば、C1、C2、C3の位置は、任意の位置でよい。
なお、超音波受信部23は、無指向性の受信部とすることができる。
[赤外線受光部24]
赤外線受光部24は、後述する第1電子機器10の有する赤外線発光部14から発光された赤外線を受光すると同時に、3つの超音波受信部23(C1、C2、C3)にそれぞれ対応する複数のタイマーカウンターをスタートさせる。なお、複数のそれぞれの超音波受信部23(C1、C2、C3)は、後述する第1電子機器10の超音波発信部12(P1〜P4)のそれぞれが発信した超音波を受信した時点で、割り込み制御により、前記対応するタイマーカウンターをストップさせる。
このように、赤外線は、第1電子機器10及び第2電子機器20間で、タイマーカウンターの同期をとるためのトリガーとして用いることができる。
なお、赤外線受光部24は、例えば、無指向性の受光部とすることができる。
[時刻同期部25]
時刻同期部25は、例えば、IEEE1588に規定されたプロトコルを用いて、第2電子機器20の内部時刻を基準時刻に同期させる。後述するように、第1電子機器10も、同様に時刻同期部15を有し、例えば、IEEE1588に規定されたプロトコルを用いて、第1電子機器10の内部時刻を基準時刻に同期させる。
そうすることで、第1電子機器10の内部時刻及び1つ以上の第2電子機器20の各内部時刻を、同期させることができる。
[超音波伝播時間測定部26]
超音波伝播時間測定部26は、超音波が、後述する第1電子機器10の各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から発信されてから、各超音波受信部23(C1、C2、C3)により受信されるまでの時間を計測する。
超音波伝播時間の測定についての詳細な手順については、後述する。
<第1電子機器10について>
図1に示すように、第1電子機器10は、第1通信部11と、複数(例えば4つ)の超音波発信部12と、第2電子機器位置情報算出部13と、を備える。また、第1電子機器10は、さらに赤外線発光部14及び/又は時刻同期部15を備えることができる。
なお、超音波発信部12の個数は、理論的には3つ以上でもよいが、4つにすることでその後の計算処理が簡便になるため、本実施形態においては4つとする。ただし、4つに限定するものではない。
[第1通信部11]
有線、又は無線回線による通信モジュール。第2電子機器20の第2通信部21と対向し、第1電子機器10、第2電子機器20間の制御信号、各種データをやり取りする。
[超音波発信部12]
第1電子機器10は、少なくとも4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)を備える。4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)の位置は、線形独立である任意の位置としてよい。
なお、超音波発信部12は、無指向性の発信部とすることができる。例えば、「筒形超音波トランシーバ」を適用することもできる(例えば、特表2005−530370参照)。なお、「筒形超音波トランシーバ」に限定されるものではない。例えば4つの超音波発信部12からなるグループを複数備えて、第2電子機器20の移動範囲内の任意のエリアが少なくともいずれかのグループの発信する超音波によってカバーされるようにしてもよい。
第1電子機器10は、予め設定される時間間隔(例えば、6ミリ秒間隔)で、4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から、順次例えば40KHz程度の超音波を発信することができる。この場合、全ての第2電子機器20の超音波受信部23(C1、C2、C3)の位置情報は、24ミリ秒で測定されることになる。すなわち、1回の位置情報取得に必要なターンアラウンド時間は、24ミリ秒とすることができる。
第1電子機器10の各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から発信される超音波は、無指向性であるため、すべての第2電子機器20に向けて発信される。したがって、各第2電子機器20の超音波受信部23(C1、C2、C3)は、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から発信された超音波を受信するまでの時間をそれぞれ独立して測定することができる。このように、1回の位置情報取得に必要なターンアラウンド時間は、第2電子機器20の個数に依存しない。
このため、3次元計測部22の計測時間の時間間隔として予め、例えば1/30秒を設定する場合、3次元計測部22による計測対象物の計測時刻と、第2電子機器20の位置情報の測定時刻とを同期させることができる。
具体的には、例えば超音波発信部12のP1の超音波出力時刻に、すべての第2電子機器20内の3次元計測部22に対して計測指示信号を発信する。これをP1、P2、P3、P4と順次行い、超音波発信部12のP4の出力が終わった後にウェイトし、超音波発信部P1の超音波出力時刻を調整することで両者の同期をとることができる。
また、4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)は、それぞれが異なる周波数の超音波を発信するようにすることができる。そうすることで、第2電子機器20の3つの超音波受信部23(C1、C2、C3)は、受信した超音波の周波数により、(P1、P2、P3、P4)のうち、どの超音波発信部12から出た超音波であるかを判断することができる。そうすることで、4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)による超音波の発信順序を第2電子機器20側では考慮する必要がなくなる。
[第2電子機器位置情報算出部13]
前述したとおり、超音波伝播時間測定部26は、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から発信された超音波を各超音波受信部23(C1、C2、C3)が受信するまでの時間を計測することができる。
第2電子機器位置情報算出部13は、第2電子機器20の超音波伝播時間測定部26により測定された超音波伝播時間を、例えばネットワークを介して取得し、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)と、各超音波受信部23(C1、C2、C3)との距離を算出することができる。
そうすることで、第2電子機器位置情報算出部13は、第2電子機器20の超音波受信部23(C1、C2、C3)の基準座標系(第1座標系)における座標値(以下「第2電子機器位置計測結果」ともいう)を算出することができる。
超音波受信部23(C1、C2、C3)の基準座標系(第1座標系)における座標値の算出についての詳細な処理については、後述する。
第2電子機器位置情報算出部13により算出された第2電子機器位置計測結果には、超音波受信部23(例えば、C1)が超音波を受信した受信時刻となるタイムスタンプを付すことができ、当該タイムスタンプに基づいて第2電子機器位置計測結果間で関連付けが可能となっている。
すなわち、N個(2≦N)の第2電子機器20を3次元計測部22と同じインデックス1、2、3、・・・Nにより識別する場合、tを第2電子機器20の位置の測定時刻とすると、各第2電子機器20の位置情報をLで表すばあい、識別番号nの第2電子機器20の時刻tにおける位置情報をLn(t)等と表現することができる。
ここで、第2電子機器位置情報算出部13により算出された第2電子機器位置計測結果は、当該タイムスタンプを関連付けて、第2電子機器位置情報として、第2電子機器20n毎に、ネットワークを介して3次元データ保存部30の第2電子機器位置情報記憶部32にリアルタイムに記憶される。
すなわち、第2電子機器位置情報記憶部32には、すべての第2電子機器20nの、時刻tに測定される第2電子機器位置情報の集合{Ln(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)がリアルタイムに記憶される。
前述したとおり、第2電子機器位置情報の集合{Ln(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)と3次元計測部22により計測された点群データの集合{Qn(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)のタイムスタンプとを突合せすることで、点群データの計測位置を特定することができる。
すなわち、後述する3次元データ処理部40(点群データ座標値変換部41)により、時刻tを突き合わせることで、各点群データQn(t)を測定したときの第2電子機器20n(3次元計測部22n)の計測位置Ln(t)を特定することができ、そうすることで各点群データQn(t)の固有座標系(第2座標系)の座標値で表された各点を基準座標系(第1座標系)における座標値で表すことができる。
各点群データQn(t)の固有座標系(第2座標系)の座標値で表された各点を基準座標系(第1座標系)における座標値で表すための詳細な処理については、後述する。
[赤外線発光部14]
赤外線発光部14は、少なくとも4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)が、それぞれ所定時間間隔で順次超音波を発信する際に、同時に赤外線を発光する。
赤外線発光部14は、例えば、無指向性の発光部とすることができる。また、赤外線発光部14は、例えば、複数の発光部を備え、各発光部が同時に異なる方向に向けて赤外線を発光することで、第2電子機器20の移動範囲内の任意のエリアが赤外線発光部14の発光する赤外線によってカバーされるようにしてもよい。
[時刻同期部15]
時刻同期部15は、例えば、IEEE1588に規定されたプロトコルを用いて、第1電子機器10の内部時刻を基準時刻に同期させる。前述したように、第2電子機器20も、同様に時刻同期部25を有し、例えば、IEEE1588に規定されたプロトコルを用いて、第1電子機器10の内部時刻を基準時刻に同期させる。
そうすることで、第1電子機器10の内部時刻及び複数の第2電子機器20の各内部時刻の同期をとることができる。
以上、第1電子機器10の備える第1機能部及び第2電子機器20の備える第2機能部について説明した。
次に、各第2電子機器20の第2電子機器位置情報の算出方法について説明する。
<超音波伝播時間の測定について>
まず、図2〜図4を参照して、超音波伝播時間測定部26により、超音波が第1電子機器10の各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から発信されてから、各第2電子機器20の各超音波受信部23(C1、C2、C3)により受信されるまでの時間を計測する処理について説明する。
以下は、1つの第2電子機器20の第2電子機器位置情報の算出について説明するが、全ての第2電子機器20についても同様に算出できる。
ここでは、計算式を簡単にするため、各超音波受信部23(C1、C2、C3)を3次元計測部22の固有座標軸(第2座標軸)に一致して、固有座標軸(第2座標軸)の原点C0から10cmの距離に設置していると仮定する。
なお、図2を参照すると、例えば、レンズの焦点(あるいは、カメラの重心)を原点C0とし、光軸方向をZ’軸、水平方向をX’軸、垂直方向をY’軸とすると、C1、C2、C3はそれぞれ、Z’軸、X’軸、Y’軸に一致して、原点C0から一定の距離例えば10cm離れた点に設置する。
すなわち、C0,C1,C2,C3の固有座標系(第2座標系)における座標値は、以下のとおりとする(単位cm)。
C0の座標値=(0,0,0)、
C1の座標値=(0,0,10)、
C2の座標値=(10,0,0)
C3の座標値=(0,10,0)
同様に、計算式を簡単にするため、4つの超音波発信部12のうち、P1を基準座標系(第1座標系)の原点に設置し、P2、P3、P4をそれぞれ基準座標軸(第1座標軸)に一致して、基準座標軸(第1座標軸)の原点P1からそれぞれ10cmの距離に設置していると仮定する。
図2を参照すると、例えば、4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、及びP4)は、それぞれ基準座標系(第1座標系)の原点、X軸、Y軸、及びZ軸に一致して設置され、各P1〜P3は、原点P1から一定の距離例えば10cm離れた点に設置する。
すなわち、P1、P2、P3、P4の基準座標系(第1座標系)における座標値は、以下のとおりとする(単位cm)。
P1の座標値=(0,0,0)、
P2の座標値=(10,0,0)、
P3の座標値=(0,10,0)、
P4の座標値=(0,0,10)
図2には、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)、及び各超音波受信部23(C1、C2、C3)の位置関係を示している。図3は、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)、及び各超音波受信部23(C1、C2、C3)の動作を説明するシーケンスチャートである。
図2に示すように、点C0、C1、C2、及びC3の基準座標系(第1座標系)における座標値をそれぞれ(x0,y0,z0)、(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、及び(x3,y3,z3)と表す。
図2に示すように、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)と各超音波受信部23(C1、C2、C3)間の直線距離は全部で12本あり、これらをRjk(1≦j≦4、1≦k≦3)で表す。これらの距離Rjkは、その二点間の超音波の伝播時間Tjk(1≦j≦4、1≦k≦3)及び超音波の速度から算出することができる。
図3に示すように、第1電子機器10は、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から順次、予め設定された時間間隔(例えば、6ミリ秒間隔)で、超音波を発信する。その際、同時に赤外線発光部14から赤外線を発光する。
赤外線受光部24は、赤外線発光部14から発光された赤外線を受光すると同時に、3つの超音波受信部23(C1、C2、C3)にそれぞれ対応する複数のタイマーカウンターをスタートさせる。
次に、各超音波受信部23(C1、C2、C3)は、超音波発信部12のP1の発信した超音波を受信した時点で、割り込み制御により、前記対応するタイマーカウンターをストップさせる。
このようにして、超音波伝播時間測定部26は、超音波が超音波発信部12のP1から発信されて、各超音波受信部23(C1、C2、C3)により受信されるまでのそれぞれの超音波伝播時間測定値T11,T12、T13を得ることができる。
同様に、図3に示すように、超音波伝播時間の測定を超音波発信部12のP2、P3、P4と繰り返すことで、合計12個の超音波伝播時間測定値{Tjk}(1≦j≦4,1≦k≦3)を得る。
この際、前述したように、超音波受信部23(例えば、C1)の超音波受信時刻となるタイムスタンプを超音波伝播時間測定値{Tjk}(1≦j≦4,1≦k≦3)に付すことができ、当該タイムスタンプに基づいて第2電子機器位置計測結果間で関連付けが可能となる。
<超音波伝播時間測定部26の変形例1>
本実施形態では、超音波伝播時間を測定するために、反射波ではなく単方向の波を使うため、第1電子機器10及び第2電子機器20との間で、超音波発信時刻の同期をとる必要がある。このため、第1電子機器10の赤外線発光部14及び第2電子機器20の赤外線受光部24との間で、赤外線を超音波発信時刻の同期をとるためのトリガーとして使用している。
これに対して、例えば、IEEE1588に規定されたプロトコル等を用いて、第1電子機器10及びすべての第2電子機器20がそれぞれの内部時刻を基準時刻に同期させる時刻同期部15,25を備えることで、例えば、図4に示すように、第1電子機器10の赤外線発光部14及び第2電子機器20の赤外線受光部24を省略することができる。
より具体的には、例えば、超音波伝播時間測定部26は、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)がそれぞれ、超音波を発信する発信時刻sj(1≦j≦4)を、例えばネットワークを介して取得し、リアルタイムに記憶する。または、超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)の超音波発信時を予め設定しておき、例えば超音波伝播時間測定部26に共有しておくことができる。
超音波伝播時間測定部26は、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)の発信した超音波を各超音波受信部23(C1、C2、C3)が受信した12個の受信時刻tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)を取得する。
超音波伝播時間測定部26は、12個の受信時刻tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)からsj(1≦j≦4)を減算することにより、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)の発信した超音波が各超音波受信部23(C1、C2、C3)により受信されるまでの超音波伝播時間測定値Tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)を得る。
<超音波伝播時間測定部26の変形例2>
前述したように、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)は、それぞれが異なる周波数の超音波を発信するようにすることができる。この場合、第2電子機器20の各超音波受信部23(C1、C2、C3)は、受信した超音波の周波数により、どの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)から出た超音波であるかを判断することで、超音波伝播時間測定値{Tjk}(1≦j≦4,1≦k≦3)を測定することができる。
<超音波発信部12と超音波受信部23との距離の算出>
第2電子機器位置情報算出部13は、超音波伝播時間測定部26により測定された12個の超音波伝播時間測定値(Tjk)に超音波の速度を掛けることにより、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)と各超音波受信部23(C1、C2、C3)間の直線距離Rjk(1≦j≦4、1≦k≦3)を算出することができる。
<3次元計測部22の位置情報の算出について>
次に、第2電子機器位置情報算出部13が、各超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)と各超音波受信部23(C1、C2、C3)間の各直線距離Rjk(1≦j≦4、1≦k≦3)に基づいて、各点C0、C1、C2、C3の基準座標系(第1座標系)における座標値を算出する処理について、前述の例に基づいて説明する。
ここで、各点C0、C1、C2、C3の基準座標系(第1座標系)における座標値を(x0,y0,z0)、(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、及び(x3,y3,z3)とする。
そうすると、三平方の定理に基づき、P1とC1間の距離、P2とC1間の距離、P3とC1間の距離、P4とC1間の距離は、以下の式1〜式4が成り立つ。
x12+y12+z12 = R11 (式1)
(x1−10)2+y12+z12 = R21 (式2)
x12+(y1−10)2+z12 = R31 (式3)
x12+y12+(z1−10)2 = R41 (式4)
第2電子機器位置情報算出部13は、式1〜式4に基づいて、C1の基準座標系(第1座標系)における座標値(x1、y1、z1)を式5により算出する。
x1=(R21 − R11 +100)/20
y1=(R31 − R11 +100)/20
z1=(R41 − R11 +100)/20
・・・(式5)
同様に、第2電子機器位置情報算出部13は、C2の基準座標系(第1座標系)における座標値(x2、y2、z2)を、P1とC2間の距離、P2とC2間の距離、P3とC2間の距離、P4とC2間の距離に基づいて、C2の基準座標系(第1座標系)における座標値(x2、y2、z2)を式6により算出する。
x2=(R22 − R12 +100)/20
y2=(R32 − R12 +100)/20
z2=(R42 − R12 +100)/20
・・・(式6)
同様に、第2電子機器位置情報算出部13は、C3の基準座標系(第1座標系)における座標値(x3、y3、z3)を、P1とC3間の距離、P2とC3間の距離、P3とC3間の距離、P4とC3間の距離に基づいて、C3の基準座標系(第1座標系)における座標値(x3、y3、z3)を式7により算出する。
x3=(R23 − R13 +100)/20
y3=(R33 − R13 +100)/20
z3=(R43 − R13 +100)/20
・・・(式7)
次に、第2電子機器位置情報算出部13は、C0の基準座標系(第1座標系)における座標値(x0,y0,z0)を(式8)〜(式10)に基づいて算出する。
(x0−x1)2+(y0−y1)2+(z0−z1)2 = 10 (式8)
(x0−x2)2+(y0−y2)2+(z0−z2)2 = 10 (式9)
(x0−x3)2+(y0−y3)2+(z0−z3)2 = 10 (式10)
こうすることで、第2電子機器位置情報算出部13は、第2電子機器20の3次元計測部22の固有座標系(第2座標系)における原点C0(0,0,0)、Z´軸上の点C1(0,0,10)、X´軸上の点C2(10,0,0)、及びY´軸上の点C3(0,10,0)の基準座標系(第1座標系)における座標値を各々算出することができる。
なお、C1、C2、C3の位置を計測するためには、第1電子機器10側の超音波発信部12は3つあればよいが、本実施形態ではP1、P2、P3、P4の4つとした。そうすることで、計算を簡単にするとともに、測定精度を向上させることができる。
以上のようにして、第2電子機器位置情報算出部13は、第2電子機器20の有する各3次元計測部22の基準座標系(第1座標系)における位置情報を算出することができる。
なお、上述したように、4つの超音波発信部12(P1、P2、P3、P4)の位置は、線形独立である任意の位置とすることができる。また、3つの超音波受信部23(C1、C2、C3)の位置についても、第2座標系の原点C0とした場合に、始点をC0、終点をそれぞれC1、C2、C3とする3つのベクトルが、線形独立であれば、C1、C2、C3の位置は、任意の位置とすることができる。
この場合においても、第2電子機器位置情報算出部13は、上記と同様に、各Cj(1≦j≦3)の基準座標系(第1座標系)における座標値を、P1とCj(1≦j≦3)間の距離、P2とCj(1≦j≦3)間の距離、P3とCj(1≦j≦3)間の距離、P4とCj(1≦j≦3)間の距離と、P1、P2、P3、P4の基準座標系(第1座標系)における座標値に基づいて、求めることができる。
そして、第2電子機器位置情報算出部13は、上記と同様に、固有座標系(第2座標系)の原点C0の基準座標系(第1座標系)における座標値を、各Cj(1≦j≦3)の基準座標系(第1座標系)における座標値と各Cj(1≦j≦3)の固有座標系(第2座標系)における座標値とに基づいて、算出することができる。
以上のように、第2電子機器位置情報算出部13は、第2電子機器20(3次元計測部22)の位置を表す各超音波受信部23(C0,C1,C2,C3)の基準座標系(第1座標系)における座標値(第2電子機器位置計測結果)を算出することができる。
なお、前述したように、第2電子機器位置情報算出部13により算出された各超音波受信部23(C0,C1,C2,C3)の基準座標系(第1座標系)における座標値は、超音波受信部23(例えば、C1)の超音波受信時刻となるタイムスタンプを付して、第2電子機器20n毎に、第2電子機器位置情報Ln(t)(ここで、nは第2電子機器20の識別番号、tはタイムスタンプ)を3次元データ保存部30の第2電子機器位置情報記憶部32にリアルタイムに記憶することができる。
超音波伝播時間測定部26及び第2電子機器位置情報算出部13の一連の処理はリアルタイムに処理することができる。
このように、異なる位置から発信される複数(例えば4つ)の超音波の伝播時間を計測することにより、第2電子機器20(3次元計測部22)の3つの超音波受信部23(C1,C2,C3)の基準座標系(第1座標系)における座標値を正確に算出することができる。そうすることで、3次元計測部22の視線方向及び視線周りの回転角が決まり、例えば従来のように例えば加速度センサやジャイロセンサ等により視線方向及び視線周りの回転角を算出するよりも、正確な位置情報を得ることができる。
次に、3次元データ処理部40について説明する。
図1に示すように、3次元データ処理部40は、点群データ座標値変換部41と、合成点群データ作成部42と、を含む。また、合成点群データ作成部42は、さらに、第1合成点群データ作成部421と、点群データマッチング部422と、を備える。
<3次元データ処理部40について>
[点群データ座標値変換部41]
nを第2電子機器20(3次元計測部22)のインデックス(識別番号)、計測時刻をtとしたとき、点群データ座標値変換部41は、点群データ{Qn(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)を、同一座標系(例えば基準座標系)の座標に変換するための座標変換行列{Fn(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)を算出し、各点群データQn(t)の各点を表す固有座標系(第2座標系)における座標値から基準座標系(第1座標系)における座標値への座標変換を行う。
以下に、点群データ座標値変換部41が、第2電子機器位置情報Ln(t)(ここで、nは第2電子機器20の識別番号、tはタイムスタンプ)に基づいて、各点群データQn(t)の各点を示す固有座標系(第2座標系)における座標値を基準座標系(第1座標系)における座標値に変換するための変換行列Fn(t)を算出する処理について、前述例に基づいて説明する。
まず、点群データ座標値変換部41は、時刻tを突き合わせることで、各点群データQn(t)を測定したときの第2電子機器20n(3次元計測部22n)の計測位置Ln(t)を特定する。なお、点群データQn(t)を測定したときの測定時刻と第2電子機器20n(3次元計測部22n)の計測位置Ln(t)を測定したときの測定時刻とが必ずしも一致しない場合には、例えば点群データQn(t)を測定したときの測定時刻の近傍の時刻における3次元計測部22nの計測位置を用いて、線形補完することができる。
前述したように、識別番号(n)の第2電子機器20nにおける、超音波受信部23(C1、C2、C3)の固有座標系(第2座標系)における座標値、C1=(0,0,10)、C2=(10,0,0)、及び点C3=(0,10,0)の、第2電子機器位置情報算出部13により算出された基準座標系(第1座標系)における座標値(すなわち、第2電子機器位置情報Ln(t))を、それぞれC0=(x0,y0,z0)、C1=(x1,y1,z1)、C2=(x2,y2,z2)、C3=(x3,y3,z3)とする。
座標変換行列(4×4行列)をFn(t)で表すと、以下の式11が成立する。
Figure 2016125897
(式11)
点群データ座標値変換部41は、
Figure 2016125897
の逆行列C−1を算出する。
Figure 2016125897
こうすることで、点群データ座標値変換部41は、各点群データ{Qn(t)}の各点を示す固有座標系(第2座標系)における座標値を基準座標系(第1座標系)における座標値に変換するための変換行列Fn(t)を、式11の両辺にC−1を掛けることにより算出することができる。
Figure 2016125897
(式12)

このように、点群データ座標値変換部41は、各第2電子機器位置情報Ln(t)に基づいて、点群データ{Qn(t)}の各点を示す固有座標系(第2座標系)における座標値を基準座標系(第1座標系)における座標値に変換するための座標変換行列Fn(t)を算出することができる。
なお、座標変換行列Fn(t)の計算は、C1、C2、C3を終点とし、始点をC0とする3つのベクトルが、線形独立であれば、C1、C2、C3の位置は、任意の位置でよい。この場合も、点群データ座標値変換部41は、座標変換行列Fn(t)を、上記同様の手順で算出することができる。
点群データの点Qn(t)の固有座標系(第2座標系)での座標を(x,y,z)、基準座標系(第1座標系)での座標を(xg,yg,zg)として表すと、座標変換は式13で表される。
Figure 2016125897
(式13)
このようにして、点群データ座標値変換部41は、点群データQn(t)の各点を基準座標系(第1座標系)での座標値に変換した点群データ{Q´n(t)}を算出することができる。
[合成点群データ作成部42]
合成点群作成部42は、第1合成点群データ作成部421と、点群データマッチング部422と、を備える。
[第1合成点群データ作成部421]
第1合成点群データ作成部421は、点群データ座標値変換部41により、時刻tにおける各点群データQn(t)の各点の固有座標系(第2座標系)での座標値を、基準座標系(第1座標系)での座標値に変換した各点群データ{Q´n(t)} (1≦n≦N)間の基準座標系(第1座標系)での座標値が同じ点については、同一点として、重ね合わせることで、合成点群データQ´(t)を作成することができる。
[点群データマッチング部422]
しかし、各点群データ{Q´n(t)}(1≦n≦N)間の基準座標系(第1座標系)での座標値が同じ点であっても、測定誤差等により、位置ずれが発生する可能性がある。
このため、点群データマッチング部422は、点群データ座標値変換部41により、基準座標系(第1座標系)での座標に変換した各点群データ{Q´n(t)}の各点の座標値に基づいて、それぞれの点群データ{Q´n(t)}(1≦n≦N)から抽出した3次元形状に係る特徴パラメータ(例えば、曲面の曲率(ガウス曲率))に基づいて重なる部分の位置合わせ(マッチング)を、行うことで、位置ずれを補正することができる。
そうすることで、同一の基準座標系(第1座標系)での座標で表される複数の点群データ{Q´n(t)}(1≦n≦N)を用いて、より正確な欠損部分の少ない3次元立体となる合成点群データ(以下、「Q(t)」と表す)を取得することができる。
なお、隣り合う計測時刻(例えば、ti、ti+1)に、同じ3次元計測部22nにより計測された点群データQn(ti)及びQn(ti+1)について、位置ずれがある場合にも、必要に応じて、重なる部分の位置合わせ(マッチング)を行うことで、位置ずれを補正することができる。
なお、位置ずれの補正については、バックグラウンド処理として、例えば、1秒1回程度のサンプリングとしてもよい。
点群データの位置合わせ(マッチング)は、例えば周知の技術であるICP法と呼ばれる位置合わせ手法を用いることもできる。ICP法は、位置合わせを行うそれぞれの点群データについて、最近傍頂点間距離の二乗和を反復計算により最小化(収束)させることで位置合わせを行うものである。
しかしながら、ICP法は総当たり方式であるため、データ量が多くなると、膨大な時間を要していた。
また、位置合わせのための判定指標として、色情報を用いる方法もある。しかしながら、色は、同一個所であっても、見る角度や光の当たり具合によって違って見えることもあり、したがって、異なる位置から測定された点群データQn(t)とQm(t)(n≠m)とを、色を判定指標とするマッチングは不安定であった。
そこで、点群データマッチング部422では、判定指標として、各点の形状面での特性を示す「曲面の曲率」を用いる。点群データ間において、頂点や尖った点等の特徴点ではなく、「ある程度の広がりを持った面」を考え、曲面の曲率を用いることで、それらの「凹凸具合の一致度」を見ることで、判定指標とする。
曲面の曲率は、座標系に依存しない物理的数学的特性であって、同じ曲面の同一箇所の凸凹度合いは、どの位置(すなわち、どの3次元計測部22)から見ても同じになることから、マッチングの判定指標として使用することができる。「曲面の曲率」を用いることで、どの3次元計測部22から測定されても、「曲面」の曲率は同一の値をとることが想定されることから、位置合わせ時のエラー発生を減少させることができる。また、マーカー設置の手間が無く、色情報と違って光が不要なため、光源(太陽等)の具合に左右されることがない。
なお、曲面の曲率としては、例えばガウス曲率、平均曲率等があるが、第1実施形態では、ガウス曲率を適用することができる。
また、マッチング処理の前処理もまた重要である。
具体的には、点群データマッチング部422は、まず複数の点群データを基準座標系での座標値を突き合わせ、その積集合を得ることで、マッチング処理対象となる点群データの範囲を限定する。このことにより、マッチング処理に要する計算量を大幅に減らすことができ、システム全体の速度向上に寄与することができる。また、積集合が空集合の場合は、そもそもマッチング処理をしなくて良い。
次に、点群データマッチング部422は、部分的に重なる、点群データA及び点群データBの重なる部分において、「両曲面」上の「ある程度の広がりをもった面」上の各点の曲率を求め、それらを比較して、例えば曲率の差の合計が最小となるような最適な変換を、これら一連の処理を繰り返しながら求める。
ここで、点群データマッチング部422は、曲率の計算を、例えば次のように行うことができる。まず、曲面の曲率を求める1つの点群データQn(t)の点(x、y、z)を原点とし、その点を含む、例えば基準座標系(第1座標系)の平面X及びYに平行となる、平面X’Y’を含む局所座標系(x´、y´、z´)を設定する。次に、その点(x、y、z)の近傍点における「曲面」の局所座標を求める。この「曲面」の局所座標値は、点(x、y、z)の近傍にある点群データの点(x、y、z)により算出できる。そうすることで、「曲面」上のz値と(x、y)との関係を得ることができる。
例えば近傍点は、xの隣り合う値を例えばx−2、x−1、x、x+1、x+2等として表すと、
(x+1、y)、(x+2、y)、・・・
(x−1、y)、(x−2、y)、・・・
(x、y+1)、(x、y+2)、・・・
(x、y−1)、(x、y−2)、・・・
等として求めることができる。
次に2次曲面パッチp(u、v)=(u、v、au+bv+cuv+du+ev+f)を計測対象物表面に最小二乗法によって局所的に当てはめて、2次元曲面パッチの偏導関数から、曲面の曲率を計算する。
最後に、対象物の曲面が滑らかであることを制約条件として用いて曲率計算の精度を反復計算によって向上させて、算出する。
しかし、この曲率を用いる方法は、正確ではあるが計算量が多くなる。あるいは、物体の場所によっては(エッジ部分等)、うまく適用できない場合がある。その場合は、従来のICP法、色情報を用いる方法等を組み合わせることで、対応することができる。
このように、点群データマッチング部422は、これら一連の作業を、各点群データ毎に行い、それぞれの一致度合いを見ながら、複数の点群データを合成していくことで、マッチングを行うことができる。そして、その結果は、3次元データ保存部30の合成点群データ記憶部33に格納される。
このようにして、点群データマッチング部422は、点群データ座標値変換部41により、同時刻に計測された複数の点群データ(例えば、{Qn(t)}(1≦n≦N))を、点群データ座標値変換部41により変換された基準座標系(第1座標系)における座標値に基づいて重なる部分の位置合わせを行った後に、必要に応じて、測定誤差等により、各点群データ{Qn(t)}(1≦n≦N)間の基準座標系(第1座標系)での座標値が同じであっても、位置ずれの発生した場合の補正をおこなうことで、より正確な、欠損部分の少ない1つの合成点群データを取得することができる。
こうすることで、例えば、形状の変化する計測対象物の多視点同時刻の点群データの合成を行うことができる。
なお、形状の変化しない静止した計測対象物の場合には、第2電子機器20nを移動させないで、すなわち、基準座標系(第1座標系)における座標値が同じ値となる、同一位置において計測された複数の点群データを、点群データ座標値変換部41により変換された基準座標系(第1座標系)における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行うことで、1つの合成点群データを作成することができる。そして、その結果は、3次元データ保存部30の合成点群データ記憶部33に格納される。
また、形状の変化しない静止した計測対象物の場合には、1つの第2電子機器20を当該計測対象物の周りを移動しながら計測することで得られる複数の点群データを、点群データ座標値変換部41により変換された基準座標系(第1座標系)における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行うことで、1つの合成点群データを作成することができる。そして、その結果は、3次元データ保存部30の合成点群データ記憶部33に格納される。
次に、3次元データ保存部30について説明する。
図1に示すように、3次元データ保存部30は、源点群データ記憶部31と、第2電子機器位置情報記憶部32と、合成点群データ記憶部33と、を備える。
[源点群データ記憶部31]
源点群データ記憶部31は、各3次元計測部22により計測された点群データに、当該計測時刻となるタイムスタンプを関連付けた点群データ情報を、第2電子機器20n毎に記憶する。
前述したように、例えば、各3次元計測部22nにより計測対象物表面の各点を画素単位で、予め設定した時間間隔(例えば、1秒間に30コマ)で取得する場合、源点群データ記憶部31は、3次元計測部22n毎に、例えば、1/30秒単位の計測時刻(t)毎に生成される点群データ{Qn(t)}を記憶する(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)。
[第2電子機器位置情報記憶部32]
第2電子機器位置情報記憶部32は、第2電子機器20の複数の超音波受信部23(C1、C2、C3)の基準座標系における座標値と、複数の超音波受信部23のうち、1つの超音波受信部23が超音波を受信した時刻となるタイムスタンプを関連付けた第2電子機器位置情報を第2電子機器20n毎に記憶する。
前述したように、第2電子機器位置情報記憶部32は、すべての第2電子機器20nの、時刻tに測定される第2電子機器位置情報の集合{Ln(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)を記憶する。
[合成点群データ記憶部33]
前述したように、合成点群データ記憶部33は、例えば、第1合成点群データ作成部421により、同時刻に計測された複数の点群データ(例えば、{Qn(t)}(1≦n≦N))から合成した、1つの合成点群データを時刻毎に記憶する。なお、必要に応じて点群データマッチング部422により補正された合成点群データを記憶することができる。
<3次元データ表示制御部50>
次に、3次元データ表示制御部50について説明する。
図1に示すように、3次元データ表示制御部50は、視点操作部51と、データ表示方式選択部52と、データ再生・保存指示部53と、3次元データ表示処理部54と、を備える。
点群データは、そのままの形式でレンダリングすることは可能であるが、そのデータ形式のままでは、各種の3次元処理には適さないことが多い。
このため、点群データを面形式に変換し、例えばポリゴン、不整三角網のメッシュ、及びCADモデルとして扱うことができる。
また、点群データは、各点データが三次元座標値を持つため、自由視点からのデータ閲覧及び空間参照を実現できる。具体的には、点群データ自体が有する3次元座標値を用いて、点群データを3次元空間から、例えばパノラマ空間への投影が可能となる。
[視点操作部51]
視点操作部51は、利用者の視点方向、視点座標等の入力を利用者から受け取ることができる。このことにより、表示画像のズーム等のカメラワークと同様の操作が可能となる。
[データ表示方式選択部52]
データ表示方式選択部52は、表示画像の表示方式に関する指示を利用者から受け取ることができる。例えば、3次元空間上の点群データをどのような投影面に投影するか、を選択することができる。例えばパノラマモデルは、球面、円柱、立方体等の投影面を選択できる。
[データ再生・保存指示部53]
データ再生・保存指示部53は、点群データから生成された3次元モデルデータの再生または保存に関する指示を利用者から受け取ることができる。
[3次元データ表示処理部54]
3次元データ表示処理部54は、合成点群データ記憶部33に格納された合成点群データを読み出して、視点操作部51により入力された利用者の仮想視点に基づいて、マッピング加工を行い、その結果の表示画像をディスプレイ画面に3次元表示する。
また、3次元データ表示処理部54は、動的な3次元モデルを用いて、視点操作部51から指定された視点パラメータで3次元空間を眺めた動画像を描画することができる。
以上、これまで説明した本発明の実施形態における、一連の処理の流れを簡単に図示したものが図5である。
図5を参照すると、ST1において、第1電子機器10が所定の場所に設定される。
ST2において、各第2電子機器20n(1≦n≦N)の電源が入れられ、例えば、計測作業者が、移動しながら、第2電子機器20n(3次元計測部22n)により、計測対象物を計測を開始する。
ST3において、各3次元計測部22nにより点群データが取得されると同時に、ST4において、各第2電子機器20n(3次元計測部22n)の位置取得用距離データが取得される。
ST5において、基準座標系(第1座標系)における各第2電子機器20n(3次元計測部22n)の位置情報が算出される。
ST6において、3次元データ処理部40により、3次元計測部22nの取得した点群データQn(t)と、第2電子機器位置情報算出部13の算出した各第2電子機器位置情報Ln(t)との対応付けがなされる。
ST7において、3次元データ処理部40により、同時刻tにおける各点群データQn(t)のマッチング・結合(合成)がなされる。
ST8において、3次元表示制御部50により、ユーザの仮想的な視点の指定にしたがい、当該仮想的な視点から見た3次元動画が表示される。
以上のように、第1実施形態によれば、各3次元計測部22を自由かつダイナミックに移動させることが可能となり、計測対象物の変形に伴って生じるオクルージョンによる死角が発生する場合においても、3次元計測装置の計測位置を即座に変更して対応することで。欠損部分の少ない3次元画像を取得することができる。
また、本発明は、このような一連の処理により、合成点群データを視点操作部51によって指定入力された視点の位置から計測対象物を見たものとしてクリッピングし、欠損部分の少ない三次元物体の画像を、任意の視点からリアルタイムで見ることができる。
例えば、医療分野において、資料映像として残すために、手術中の患部の状況を画像撮影することがある。その際、カメラが手術の邪魔になるからと、他の位置に移動させたとしても、見る側は、実際のカメラの位置とは無関係に、常に同じ視点からの映像を見ることが可能になる。それゆえ、この方式で資料化された映像は、きわめて有用性の高いものとなる。
また、手術者の体で隠れる視点からの映像として表示することができる。また、腹腔鏡手術においては、内臓の状況を患者の皮膚の外側からの視点で見ることもできる。
また、本発明を撮影カメラに応用することで、スポーツ実況中継等において、その都度最適な位置にカメラを移動することで、死角の少ないで欠損部分を少なくし、ありえない視点から選手の動きを、各々の画像装置で表示することができるようになること等、様々なシーンにおいて、「撮影位置とは異なった視点からの画像表示対象物体を見ることができる」ができるようになる。
また、合成点群データをサーバ上におき、これをネットワーク経由で例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等を用いて、複数のユーザが同一の物体を任意の視点から閲覧することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る点群データ取得システム100について、説明する。なお、第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第1実施形態においては、第1電子機器10が第2電子機器位置情報算出部13を備え、第2電子機器20が超音波伝播時間測定部26を備えていたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、第2電子機器位置情報算出部13は、第2電子機器20が備えてもよい。また、点群データ取得システム100において、第1電子機器10及び第2電子機器20とは別に、第2電子機器位置情報算出部13を設けてもよい。
第2電子機器20が、第2電子機器位置情報算出部13を備える場合、第2電子機器20は、第2電子機器位置情報算出部13により算出した第2電子機器位置計測結果に、タイムスタンプを関連付けて、第2電子機器位置情報として、第2電子機器20毎に、3次元データ保存部30の第2電子機器位置情報記憶部32に記憶する。
点群データ取得システム100において、第1電子機器10及び第2電子機器20とは別に、第2電子機器位置情報算出部13を設ける場合、第2電子機器位置情報算出部13は、超音波伝播時間測定部26から、例えばネットワークを介して超音波伝播時間測定値{Tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)}を取得し、超音波伝播時間測定値{Tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)}に基づいて、第2電子機器位置計測結果を計測し、タイムスタンプを関連付けて、第2電子機器位置情報として、第2電子機器20毎に、3次元データ保存部30の第2電子機器位置情報記憶部32に記憶する。
同様に、超音波伝播時間測定部26は、第1電子機器10が備えてもよい。また、点群データ取得システム100において、第1電子機器10及び第2電子機器20とは別に、超音波伝播時間測定部26を設けてもよい。
第1電子機器10が、超音波伝播時間測定部26を備える場合、第1電子機器10は、第2電子機器20から、例えばネットワークを介して超音波発信部12のP1〜P4の発信した超音波を各超音波受信部23(C1、C2、C3)が受信した12個の受信時刻tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)を取得し、超音波伝播時間測定値{Tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)}を測定することができる。
また、点群データ取得システム100において、第1電子機器10及び第2電子機器20とは別に、超音波伝播時間測定部26を設ける場合、超音波伝播時間測定部26は、例えばネットワークを介して第1電子機器10から、超音波発信部12のP1〜P4がそれぞれ、超音波を発信する発信時刻sj(1≦j≦4)を取得し、第2電子機器20から、超音波発信部12のP1〜P4の発信した超音波を各超音波受信部23(C1、C2、C3)が受信した12個の受信時刻tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)を取得し、超音波伝播時間測定値{Tjk(1≦j≦4,1≦k≦3)}を測定することができる。
このように、本発明の点群データ取得システム100において、第1電子機器10、第2電子機器20、3次元データ保存部30、3次元データ処理部40、及び3次元データ表示制御部50の有する各機能部をそれぞれ、適宜分散させることは、ユーザにとって適宜成しえる設計事項である。
[第3実施形態]
第1実施形態又は第2実施形態では、点群データ取得システム100は、1つの第1電子機器10と1つ以上の第2電子機器20とを有する第1の電子機器群を備えている。
これに対して、点群データ取得システム100は、第1の電子機器群に属さない、1つの第1電子機器10と1つ以上の第2電子機器20を備える第2の電子機器群を階層的に備えることができる。
より具体的には、1つの第1電子機器10と1つ以上の第2電子機器20とを有する電子機器群は、階層構造を構成することができる。
図6を参照すると、第(n+1)層(n≧1)に第1電子機器10を備え、第(n+1)層の第1電子機器10は、第n層の第1電子機器10からみると、第2電子機器20のように作用する。
すなわち、第(n+1)層(n≧1)の第1電子機器10は、超音波受信部23(C1、C2、C3)と、必要に応じて赤外線受光部24と、を備え、第n層の第1電子機器10の各超音波発信部12のP1〜P4の発信する超音波を受信し、超音波伝播時間測定部26は、超音波伝播時間測定値{Tjk}(1≦j≦4,1≦k≦3)を測定し、第2電子機器位置情報算出部13は、12個の直線距離{Rjk}(1≦j≦4,1≦k≦3)を算出する。
第2電子機器位置情報算出部13は、当該12個の直線距離{Rjk}(1≦j≦4,1≦k≦3)に基づいて、第(n+1)層(n≧1)の第1電子機器10の、第n層の第1電子機器10の第1座標系における位置情報を算出する。
そして、点群データ座標値変換部41は、第(n+1)層の第1電子機器10の第1座標系における座標値を第n層の第1電子機器10の第1座標系における座標値に変換する座標変換行列を算出することができる。
なお、第n層の第1電子機器10の各超音波発信部12のP1〜P4の発信する超音波と第(n+1)層の第1電子機器10の各超音波発信部12のP1〜P4の発信する超音波とは、それぞれが異なる周波数の超音波を発信するようにすることができる。また、第n層(n≧2)の第1電子機器10は、第2電子機器20と同様に適宜移動させることができる。
そうすることで、点群データ座標値変換部41は、例えば、第(n+2)層の第2電子機器20における固有座標系における座標値を第(n+1)層の第1電子機器10の第1座標系における座標値に変換し、第(n+1)層の第1電子機器10の第1座標系における座標値を第n層の第1電子機器10の第1座標系における座標値に変換することができる。
このように反復処理することにより、第(n+1)層以上(n≧1)にある第1電子機器10の第1座標系における座標値及び第2電子機器20の固有座標系における座標値を、第1層にある第1電子機器10の基準座標系(第1座標系)における座標値に変換することができる。
このように、点群データ取得システム100を、1つの第1電子機器10と1つ以上の第2電子機器20を備える複数の電子機器群を階層的に構成することにより、3次元計測部22の個数及び計測位置を柔軟に拡張することができる。すなわち、1つの第1電子機器10と1つ以上の第2電子機器20を備える電子機器群の階層を増やすことにより、3次元計測部22による測定可能な領域を広げることができる。
以上、本発明の点群データ取得システム100の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
上記実施形態においては、測定された全ての点群データ{Qn(t)}(1≦n≦N)(t:タイムスタンプ)を統一した座標系における座標により表すために、第1電子機器10の第1座標系を統一された座標系として用いたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、第1電子機器10の第1座標系とは別のグローバル座標系を適用してもよい。この場合、全ての点群データの各点は、グローバル座標系における座標値により表すことができる。
上記実施形態では、深度カメラを三次元計測部22として適用することを前提としたが、本発明はこれに限定されない。レーザースキャナやデジタイザや電子カメラ等であっても、同様に適用できる。
また、第1実施形態においては、第1電子機器10のトリガーによる同期制御により、複数個あるすべての3次元計測部22に対して計測動作を同期させることにより、同時刻に計測対象物を計測させるように構成するものとしているが、各3次元計測部22は、各々別の時刻に計測対象物を計測させるように構成してもよい。
複数の3次元計測部22は、各々自分のタイミングで対象物を計測して点群データを取り込み、その結果をリアルタイムに、源点群データ記憶部31内の割り当てられた領域に格納することができる。その際、点群データにタイムスタンプは付与されるが、その時刻は3次元計測部22毎に付与される。3次元計測部22によって性能が違うかもしれないし、同じ性能の3次元計測部22で同じ対象物を見ても、見る角度によって取得する点群データの量が異なれば、データ取り込みのタイミングもずれることもあるからである。
しかし、複数の点群データを使ってデータ合成、マッチング処理を行う段階になると、データ同士の時刻合わせが必要になる。具体的には、測定時刻が必ずしも一致しない場合には、例えば当該時刻の近傍の3次元計測部22nの計測位置により、線形補完することができる。また、複数の点群データ間において、時刻の近いもの同士を取り出して合成、マッチング処理することもできる。
このように構成することで、3次元計測部22は、第1電子機器10のトリガーによる同期制御なしに、各々自分のタイミングで計測対象物を計測することができる。
また、本システムの自然な拡張として、深度センサ以外の特殊カメラの追加が考えられる。サーモグラフィーのように温度データを取得できるもの、あるいは分光センシングカメラ等、スペクトルグラフを解析して、水分量、糖度、癌細胞と正常細胞の分離、血管の強調等、様々な画像情報を取得できるカメラが存在している。そのような特殊なカメラと第2電子機器20とを組み合わせることによって、点群データに特殊な情報を付加することができる。これは、コンピュータによる外界の認識に必要な「セグメント化(画像の有意味な分離)」を可能にする。
これらにより、例えば、機械と人体の分離、正常細胞と癌細胞の分離等の認識処理が、リアルな3次元画像を用いて行うことができるようになる。これらは、ロボットによる手術を行う場合等に有用な技術である。
10 第1電子機器
11 第1通信部
12 超音波発信部
13 第2電子機器位置情報算出部
14 赤外線発光部
15 時刻同期部
20 第2電子機器
21 第2通信部
22 3次元計測部
23 超音波受信部
24 赤外線受光部
25 時刻同期部
26 超音波伝播時間測定部
30 3次元データ保存部
31 源点群データ記憶部
32 第2電子機器位置情報記憶部
33 合成点群データ記憶部
40 3次元データ処理部
41 点群データ座標値変換部
42 合成点群データ作成部
421 第1合成点群データ作成部
422 点群データマッチング部
50 3次元データ表示制御部
51 視点操作部
52 データ表示方式選択部
53 データ再生・保存指示部
54 3次元データ表示処理部
100 点群データ取得システム

Claims (10)

  1. 1つの第1電子機器と1つ以上の移動可能な第2電子機器とを有する第1の電子機器群を備える、被写体の表面の各点までの深度情報を画素単位に有する点群データを取得する点群データ取得システムであって、
    前記第1電子機器は、
    第1座標系を有し、
    第1通信部と、
    超音波を発信する、複数の超音波発信部と、
    を備え、
    前記第2電子機器は、
    それぞれが固有の第2座標系を有し、
    第2通信部と、
    超音波を受信する、複数の超音波受信部と、
    前記点群データを前記第2座標系に基づいて計測する3次元計測部と、
    を備え、
    前記点群データ取得システムは、さらに
    前記複数の超音波受信部のそれぞれが、前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定する超音波伝播時間測定部と、
    前記超音波伝播時間測定部により測定された前記超音波伝播時間に基づいて、前記複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値をそれぞれ算出する第2電子機器位置情報算出部と、
    前記複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値を前記第2電子機器毎に記憶する第2電子機器位置情報記憶部と、
    前記3次元計測部により計測された前記点群データを前記第2電子機器毎に記憶する源点群データ記憶部と、
    を備える、点群データ取得システム。
  2. 前記複数の超音波発信部は、それぞれ第1座標系の線形独立である任意の位置に設けられ、
    前記複数の超音波受信部は、それぞれ前記第2座標系の線形独立である任意の位置に設けられる、請求項1に記載の点群データ取得システム。
  3. 前記第2電子機器は、さらに、
    前記複数の超音波受信部のそれぞれに対応する複数のタイマーカウンターを備え、
    前記点群データ取得システムは、さらに、
    前記複数の超音波発信部のそれぞれが超音波を発信すると同時に赤外線を発光する赤外線発光部と、
    前記赤外線を受光すると同時に、前記複数のタイマーカウンターをスタートさせる、赤外線受光部と、を備え、
    前記複数の超音波受信部のそれぞれは、さらに前記超音波を受信した時点で、前記複数のタイマーカウンターのそれぞれをストップさせ、
    前記超音波伝播時間測定部は、前記複数のタイマーカウンターのそれぞれがスタートされてからストップされるまでの時間に基づいて、前記複数の超音波受信部のそれぞれが、前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定する、請求項1又は請求項2に記載の点群データ取得システム。
  4. 前記第1電子機器及び前記第2電子機器は、それぞれ、さらに、
    内部時刻を基準時刻に同期させる時刻同期部を備え、
    前記超音波伝播時間測定部は、前記複数の超音波発信部のそれぞれが超音波を発信した発信時刻情報及び前記複数の超音波受信部のそれぞれが前記超音波を受信した受信時刻情報に基づいて、前記複数の超音波受信部のそれぞれが、前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を受信するのに要した超音波伝播時間を測定する、請求項1又は請求項2に記載の点群データ取得システム。
  5. 前記第2電子機器位置情報記憶部は、さらに、
    前記複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値に、前記複数の超音波受信部のうち、1つの超音波受信部が超音波を受信した時刻となるタイムスタンプを関連付けた第2電子機器位置情報を前記第2電子機器毎に記憶し、
    前記源点群データ記憶部は、さらに、
    前記3次元計測部により計測された前記点群データに、前記点群データの計測時刻となるタイムスタンプを関連付けた点群データ情報を前記第2電子機器毎に記憶し、
    前記点群データ取得システムは、さらに、
    前記第2電子機器位置情報及び前記点群データ情報に基づいて、前記点群データ情報に含まれる前記点群データにおける各点のデータの前記第2座標系における座標値を、前記第1座標系における座標値に変換する点群データ座標値変換部と、
    複数の点群データを、前記点群データ座標値変換部により変換された前記第1座標系における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行うことで、1つの合成点群データを作成する合成点群データ作成部と、
    前記合成点群データ作成部により作成された合成点群データを記憶する合成点群データ記憶部と、
    を備える、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の点群データ取得システム。
  6. 前記合成点群データ作成部は、さらに、
    複数の点群データを、前記点群データ座標値変換部により変換された前記第1座標系における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行い、さらに前記第1座標系における同一座標値を有する部分を有する異なる複数の点群データからそれぞれ抽出した3次元形状に係る曲面の曲率を用いて、前記複数の点群データをマッチングする点群データマッチング部を備える請求項5に記載の点群データ取得システム。
  7. 前記合成点群データ作成部は、さらに、
    同時刻に計測された複数の点群データを、前記点群データ座標値変換部により変換された前記第1座標系における座標値に基づいて、重なる部分の位置合わせを行うことで、1つの合成点群データを作成する、請求項5又は請求項6に記載の点群データ取得システム。
  8. 前記点群データ取得システムは、さらに、
    前記第1の電子機器群に属さない、1つの第1電子機器と1つ以上の第2電子機器を備える第2の電子機器群を有し、
    前記第2の電子機器群に属する第1電子機器は、さらに、
    超音波を受信する、複数の超音波受信部を備え、
    前記超音波伝播時間測定部は、さらに前記第1の電子機器群に属する前記第1電子機器の前記複数の超音波発信部のそれぞれから発信された超音波を、前記第2の電子機器群に属する前記第1電子機器の備える前記複数の超音波受信部のそれぞれが受信するのに要した超音波伝播時間を測定し、
    前記第2電子機器位置情報算出部は、さらに前記超音波伝播時間測定部により測定された前記超音波伝播時間に基づいて、前記第2の電子機器群に属する第1電子機器の複数の超音波受信部の前記第1の電子機器群に属する第1電子機器における第1座標系における座標値をそれぞれ算出し、
    前記第2電子機器位置情報記憶部は、さらに前記第2の電子機器群に属する前記第1電子機器の複数の超音波受信部の、前記第1の電子機器群に属する前記第1電子機器における第1座標系における座標値を前記第2の電子機器群に属する前記第1電子機器に対応して記憶し、
    前記源点群データ記憶部は、さらに前記第2の電子機器群に属する第2電子機器の3次元計測機により計測された点群データを前記第2の電子機器群に属する前記第2電子機器毎に記憶する、請求項1乃至請求項7に記載のいずれか1項に記載の点群データ取得システム。
  9. 被写体の表面の各点までの深度情報を画素単位に有する点群データを取得する点群データ取得方法であって、
    第1座標系を有する第1電子機器の複数の超音波発信部により複数の超音波を発信する超音波発信ステップと、
    第2座標系をそれぞれ有する1つ以上の第2電子機器の複数の超音波受信部により、前記超音波発信ステップにより発信された前記複数の超音波のそれぞれを受信する超音波受信ステップと、
    前記1つ以上の第2電子機器の3次元計測部により、点群データを前記第2座標系に基づいて計測する3次元計測ステップと、
    前記超音波発信ステップにおいて発信された前記複数の超音波のそれぞれを、前記超音波受信ステップにおいて、前記第2電子機器の複数の超音波受信部それぞれにより受信するのに要した超音波伝播時間を測定する超音波伝播時間測定ステップと、
    前記超音波伝播時間測定ステップにおいて測定された前記超音波伝播時間に基づいて、前記第2電子機器の複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値をそれぞれ算出する第2電子機器位置情報算出ステップと
    前記第2電子機器位置情報算出ステップにおいて算出された、前記1つ以上の第2電子機器の複数の超音波受信部の前記第1座標系における座標値を前記第2電子機器毎に記憶する第2電子機器位置情報記憶ステップと、
    前記3次元計測ステップにより計測された前記点群データを前記第2電子機器毎に記憶する源点群データ記憶ステップと、
    を備える点群データ取得方法。
  10. 複数の超音波発信部を備えるコンピュータ、及び3次元計測部と複数の超音波受信部とを備えるコンピュータに、請求項9に記載の方法の各ステップを実行させるためのコンピュータプログラム。
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